JP2017198918A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗値及び光学密度が高く、加熱による形状変化を起こしにくいブラックマトリックスを形成できる感光性樹脂組成物と、当該感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜と、当該硬化膜からなるブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックスを備える表示装置とを提供すること。【解決手段】(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤を含む感光性樹脂組成物において、軟化点が130℃未満の(A)アルカリ可溶性樹脂と、軟化点が130℃以上である(D)耐熱性樹脂と、染料で被覆されたカーボンブラックを含む(E)遮光剤と、を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物と、当該感光性樹脂組成物を用いる硬化膜の形成方法と、当該感光性樹脂組成物を用いるブラックマトリックスの形成方法と、当該感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜と、当該硬化膜からなるブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックスを備える表示装置とに関する。
液晶ディスプレイ等の表示体は、互いに対向して対となる電極が形成された2枚の基板の間に液晶層を挟む構造となっている。そして一方の基板の内側には、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の各色からなる画素を有するカラーフィルタが形成されている。そして、このカラーフィルタでは、各画素における異なる色の混色を防止したり、電極のパターンを隠したりするために、通常、R、G、B各色の画素を区画するようにマトリックス状に配されたブラックマトリックスが形成されている。
一般に、カラーフィルタはリソグラフィ法により形成される。具体的にはまず、基板に黒色の感光性組成物を塗布、露光、現像し、ブラックマトリックスを形成する。その後、次いで、赤(R)、緑(G)、青(B)各色の感光性組成物毎に、塗布、露光、現像を繰り返すことで各色のパターンを所定の位置に形成してカラーフィルタを形成する。
かかる表示装置用のパネル中で使用されるブラックマトリックスの形成方法としては、例えば、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる方法が提案されている。
具体的には、光重合性化合物と、光重合開始剤と、アクリル樹脂微粒子が分散されたアクリル樹脂微粒子分散液と、溶剤とを含む、ネガ型の感光性樹脂組成物の使用が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2011−170075号公報
特許文献1では、ネガ型感光性樹脂組成物に配合する遮光剤として樹脂被覆カーボンブラックの使用が提案されている。樹脂被覆カーボンブラックを遮光剤として用いると、抵抗値の高いブラックマトリックスを形成しやすい。
しかし、樹脂被覆カーボンブラックを遮光剤として用いる場合、光学密度(OD)の高いブラックマトリックスを形成しにくい。
また、ブラックマトリックスには、露光及び現像後に行われるポストベークによっても形状が変化しにくいことが求められる。
以上の課題に鑑み、本発明は、抵抗値及び光学密度が高く、加熱による形状変化を起こしにくいブラックマトリックスを形成できる感光性樹脂組成物と、当該感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜と、当該硬化膜からなるブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックスを備える表示装置とを提供することを目的とする。
本発明者らは、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤を含む感光性樹脂組成物において、軟化点が130℃未満の(A)アルカリ可溶性樹脂と、軟化点が130℃以上である(D)耐熱性樹脂と、染料で被覆されたカーボンブラックを含む(E)遮光剤と、を用いることによって、上記の課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一の態様は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤を含み、
(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点が130℃未満であり、
(D)耐熱性樹脂の軟化点が130℃以上であり、
(E)遮光剤が、染料で被覆されたカーボンブラックを含む、感光性樹脂組成物である。
本発明の第二の態様は、第一の態様にかかる感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜を露光することと、
露光された塗布膜を120〜250℃でポストベークすることと、を含む、硬化膜の形成方法である。
本発明の第三の態様は、第一の態様にかかる感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜を位置選択的に露光することと、
露光された塗布膜を現像することと、
現像された塗布膜を120〜250℃でポストベークすることと、を含む、ブラックマトリックスの形成方法である。
本発明の第四の態様は、第一の態様にかかる感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜である。
本発明の第五の態様は、第四の態様にかかる硬化膜であってパターン化された硬化膜からなるブラックマトリックスである。
本発明の第六の態様は、第五の態様にかかるブラックマトリックスを備える表示装置である。
本発明によれば、抵抗値及び光学密度が高く、加熱による形状変化を起こしにくいブラックマトリックスを形成できる感光性樹脂組成物と、当該感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜と、当該硬化膜からなるブラックマトリックスと、当該ブラックマトリックスを備える表示装置とを提供することができる。
≪感光性樹脂組成物≫
感光性樹脂組成物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤を含む。以下、感光性樹脂組成物が含む、必須又は任意の材料と、感光性樹脂組成物の調製方法とについて説明する。
<(A)アルカリ可溶性樹脂>
アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、濃度0.05質量%のKOH水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
また(A)アルカリ可溶性樹脂は一般に軟化点が低い。感光性樹脂組成物には、軟化点が130℃未満の(A)アルカリ可溶性樹脂が使用される。
ここで、樹脂の軟化点とは、樹脂を示差熱分析装置DTAで測定した発熱ピークの温度である。
(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点を調整する方法は特に限定されない。典型的には、分子量を低めに設定することにより(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点が130℃未満に調整される。(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点が130℃以上である場合、軟化点が130℃以上であるアルカリ可溶性樹脂に、軟化点が130℃未満であるアルカリ可溶性樹脂を適量配合することによって、(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点を130℃未満に調整することもできる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の好適な例としては、(A1)カルド構造を有する樹脂が挙げられる。(A1)カルド構造を有する樹脂を(A)アルカリ可溶性樹脂として含有する感光性樹脂組成物を用いることにより、耐熱性、機械的特性、耐溶剤性、耐化学性等がバランスよく優れる硬化膜を形成しやすい。
(A1)カルド構造を有する樹脂としては、特に限定されるものではなく、従来公知の樹脂を用いることができる。その中でも、下記式(a−1)で表される樹脂が好ましい。
Figure 2017198918
上記式(a−1)中、Xは、下記式(a−2)で表される基を示す。
Figure 2017198918
上記式(a−2)中、Ra1は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜6の炭化水素基、又はハロゲン原子を示し、Ra2は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Wは、単結合又は下記式(a−3)で表される基を示す。
Figure 2017198918
また、上記式(a−1)中、Yは、ジカルボン酸無水物から酸無水物基(−CO−O−CO−)を除いた残基を示す。ジカルボン酸無水物の例としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水グルタル酸等が挙げられる。
また、上記式(a−1)中、Zは、テトラカルボン酸二無水物から2個の酸無水物基を除いた残基を示す。テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
また、上記式(a−1)中、mは、0〜20の整数を示す。
(A1)カルド構造を有する樹脂の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のポリスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、1000〜40000であることが好ましく、2000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、良好な現像性を得ながら、十分な耐熱性、膜強度を得ることができる。
機械的強度や基板への密着性に優れる膜を形成しやすいことから、(A2)(a1)不飽和カルボン酸を少なくとも重合させた共重合体も、(A)アルカリ可溶性樹脂として好適に使用することができる。
(a1)不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの(a1)不飽和カルボン酸は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(A2)共重合体は、(a1)不飽和カルボン酸と(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物との共重合体であってもよい。(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式エポキシ基を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a2−1)〜(a2−15)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a2−1)〜(a2−5)で表される化合物が好ましく、下記式(a2−1)〜(a2−3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2017198918
Figure 2017198918
Figure 2017198918
上記式中、Ra20は水素原子又はメチル基を示し、Ra21は炭素原子数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra22は炭素原子数1〜10の2価の炭化水素基を示し、tは0〜10の整数を示す。Ra21としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra22としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、−CH−Ph−CH−(Phはフェニレン基を示す)が好ましい。
(A2)共重合体は、上記(a1)不飽和カルボン酸及び(a2)上記脂環式エポキシ基含有不飽和化合物とともに、エポキシ基を有さない(a3)脂環式基含有不飽和化合物を共重合させたものであってもよい。
(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの(a3)脂環式基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、(a3)脂環式基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a3−1)〜(a3−7)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、現像性を適度なものするためには、下記式(a3−3)〜(a3−8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3−3),(a3−4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2017198918
上記式中、Ra23は水素原子又はメチル基を示し、Ra24は単結合又は炭素原子数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、Ra25は水素原子又は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。Ra24としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。Ra25としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
また、(A2)共重合体は、上記(a1)不飽和カルボン酸及び上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物、さらには上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物とともに、脂環式基を有さない(a4)エポキシ基含有不飽和化合物を重合させたものであってもよい。
(a4)エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの(a4)エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、(A2)共重合体は、上記以外の他の化合物をさらに重合させたものであってもよい。このような他の化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−アリール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロロフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロロフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ安息香酸ビニル、テトラクロロ安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
(A2)共重合体に占める上記(a1)不飽和カルボン酸由来の構成単位の割合は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜45質量%であることがより好ましい。
また、(A2)共重合体が、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位と上記(a4)エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位とを含有する場合、(A2)共重合体に占める(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合と上記(a4)エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合との合計は、71質量%以上であることが好ましく、71〜95質量%であることがより好ましく、75〜90質量%であることがさらに好ましい。特に、(A2)共重合体に占める上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合が単独で71質量%以上であることが好ましく、71〜80質量%であることがより好ましい。上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合を上記の範囲にすることにより、感光性樹脂組成物の経時安定性をより向上させることができる。
また、(A2)共重合体が、(a3)脂環式基含有不飽和化合物由来の構成単位を含有する場合、(A2)共重合体に占める上記(a3)脂環式基含有不飽和化合物由来の構成単位の割合は、1〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。
(A2)共重合体の質量平均分子量は、2000〜200000であることが好ましく、3000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
また、(A)アルカリ可溶性樹脂としては、(A3)上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、後述する(B)光重合性化合物との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体、又は(A4)上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位と、後述する(B)光重合性化合物との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体を含む樹脂も好適に使用できる。(A)アルカリ可溶性樹脂が(A3)共重合体、又は(A4)共重合体を含む場合、感光性樹脂組成物を用いて形成される膜の基板への密着性や、感光性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の機械的強度を高めることができる。
(A3)共重合体、及び(A4)共重合体は、共重合体(A2)について他の化合物として記載される、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等をさらに共重合させたものであってもよい。
(B)光重合性化合物との重合可能部位を有する構成単位は、(B)光重合性化合物との重合可能部位としてエチレン性不飽和基を有するものが好ましい。このような構成単位を有する共重合体化は、(A3)共重合体については、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位を含む重合体に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部と、上記(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物とを反応させることにより、調製することができる。また、(A4)共重合体は、上記(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位と、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位とを有する共重合体におけるエポキシ基の少なくとも一部と、(a1)不飽和カルボン酸とを反応させることにより、調製することができる。
共重合体(A3)における、(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位の占める割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましい。共重合体(A3)における、(B)光重合性化合物との重合可能部位を有する構成単位の占める割合は、1〜45質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。共重合体(A3)がこのような比率で各構成単位を含む場合、基板との密着性に優れる膜を形成可能な感光性樹脂組成物を得やすい。
共重合体(A4)における、(a1)不飽和カルボン酸に由来する構成単位の占める割合は、1〜50質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましい。共重合体(A4)における、(a2)脂環式エポキシ基含有不飽和化合物及び/又は(a4)エポキシ基含有不飽和化合物に由来する構成単位の占める割合は、55質量%以上が好ましく、71質量%以上がより好ましく、71〜80質量%が特に好ましい。
共重合体(A4)における、(B)光重合性化合物との重合可能部位を有する構成単位の占める割合は、1〜45質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。共重合体(A4)がこのような比率で各構成単位を含む場合、基板との密着性に優れる膜を形成可能な感光性樹脂組成物を得やすい。
(A3)共重合体、及び(A4)共重合体の質量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
(A)アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して40〜85質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがより好ましい。また、(A)アルカリ可溶性樹脂は、(A)アルカリ可溶性樹の含有量と、(B)光重合性化合物の含有量と、(C)光重合開始剤の含有量との合計量を100質量部とする場合に、感光性樹脂組成物中の(B)光重合性化合物の含有量が5〜50質量部となるように、感光性樹脂組成物に配合されるのが好ましい。
<(B)光重合性化合物>
光重合性化合物には、単官能化合物と多官能化合物とがある。
単官能化合物としては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、多官能化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能化合物や、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(B)光重合性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して1〜40質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすい傾向がある。
<(C)光重合開始剤>
(C)光重合開始剤としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(すなわち、ミヒラーズケトン)、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(すなわち、エチルミヒラーズケトン)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、「IRGACURE OXE02」、「IRGACURE OXE01」、「IRGACURE 369」、「IRGACURE 651」、「IRGACURE 907」(商品名:BASF製)、「NCI−831」(商品名:ADEKA製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。オキシム系の光重合開始剤の中で、特に好ましいものとしては、O−アセチル−1−[6−(2−メチルベンゾイル)−9−エチル−9H−カルバゾール−3−イル]エタノンオキシム、エタノン,1−[9−エチル−6−(ピロール−2−イルカルボニル)−9H−カルバゾル−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)、及び1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]が挙げられる。
(C)光重合開始剤の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましい。上記の範囲とすることにより、良好な塗布性と硬化性とを兼ね備える感光性樹脂組成物を調製しやすい。
<(D)耐熱性樹脂>
感光性樹脂組成物は、軟化点が130℃以上である耐熱性の樹脂を含む。感光性樹脂組成物が(D)耐熱性樹脂を含むため、感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は加熱により変形しにくい。
(D)耐熱性樹脂の軟化点は、130℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましい。(D)耐熱性樹脂の軟化点の上限は特に限定されないが、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
(D)耐熱性樹脂の軟化点が過度に高い場合、(D)耐熱性樹脂が溶剤に溶解しにくい場合がある。
(D)耐熱性樹脂の好適な例としては、(D1)ノボラック樹脂と、後述の式(d2−1)にて示される(D2)共重合体とが挙げられる。
以下、(D1)ノボラック樹脂と、(D2)共重合体とについて説明する。
〔(D1)ノボラック樹脂〕
(D1)ノボラック樹脂としては、軟化点が130以上である限りにおいて、従来から感光性樹脂組成物に配合されている種々のノボラック樹脂を用いることができる。
(D1)ノボラック樹脂としては、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物(以下、単に「フェノール類」という。)とアルデヒド類とを酸触媒下で付加縮合させることにより得られるものが好ましい。
(フェノール類)
フェノール類としては、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類;2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、並びにp−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、及び3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、及びフロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、及びアルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素数1以上4以下である。);α−ナフトール;β−ナフトール;ヒドロキシジフェニル;並びにビスフェノールA等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのフェノール類の中でも、m−クレゾールが好ましい。(D1)ノボラック樹脂における、m−クレゾールに由来する単位の含有量は、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。上記範囲とすることで、耐熱性が向上する。また(D1)ノボラック樹脂を高分子量化した場合にも、現像特性が良好である。
(アルデヒド類)
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、及びアセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(酸触媒)
酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び亜リン酸等の無機酸類;蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、及びパラトルエンスルホン酸等の有機酸類;並びに酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔(D2)共重合体〕
(D2)共重合体は、下式(d2−1)にて示される共重合体である。
Figure 2017198918
式(d2−1)中、a及びbは共重合体中におけるモル含有率(モル比)を示し、a+b≦1、0.1≦a≦0.9、0.1≦b≦0.9である。cは0、1、又は2である。
、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素原子数1〜30の有機基である。R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
Aは、下記式(d2a)で表される単位、(d2b)で表される単位、(d2c)で表される単位、(d2d)で表される単位、及び(d2e)で表される単位からなる群より選択される1位以上の単位を含む単位である。
単位Aは、式(d2a)で表される単位、(d2b)で表される単位、(d2c)で表される単位、及び(d2e)で表される単位からなる群より選択される1種以上の単位を含むのが好ましい。
なお、上記式(d2−1)により表される共重合体は、式(d2−1)中に示すノルボルネン型モノマー由来の単位と単位A以外の他の構造単位を含んでいてもよい。
Figure 2017198918
式(d2a)、及び式(d2b)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜18の有機基である。式(d2e)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、又は炭素原子数3〜8のシクロアルキル基である。
(D2)共重合体は、構造単位Aとして、式(d2a)で表される構造単位と、式(d2c)で表される単位とを含むのが好ましく、式(d2a)で表される単位と、式(d2b)で表される単位と、式(d2c)で表される単位とを含むのがより好ましい。
この場合、感光性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性を適切な範囲内に調整しやすい。
また、硬化膜の耐熱性や強度の点からは、(D2)共重合体は、単位Aとして、式(d2e)で表される単位を含むのが好ましい。
、R、R、及びRを構成する有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、脂環式基、カルボキシル基を有する有機基、及びヘテロ環を有する有機基が挙げられ、これらのなかから選択できる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、及びビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、及びエチリデン基が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。
アルカリル基としては、例えば、トリル基、キシリル基が挙げられる。
脂環式基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環を有する有機基としては、例えば、エポキシ基、及びオキセタニル基を有する有機基が挙げられる。
、R、R、又はRとしてアルキル基を含む場合、感光性樹脂組成物の製膜性を向上させやすい。
、R、R、又はRとしてアリール基を含む場合、アルカリ現像液を用いる現像時に、感光性樹脂組成物からなる塗布膜の過度の膜減りを抑制しやすい。
、R、R、又はRとしてカルボキシル基を有する有機基、又はヘテロ環を有する有機基を含む場合、耐熱性や強度に優れる硬化膜を形成しやすい。
耐熱性に優れる硬化膜を特に形成しやすい点からは、(D2)共重合体が、単位Aとして、R、R、R、又はRとしてカルボキシル基を有する有機基を含む単位と、R、R、R、又はRとしてヘテロ環を有する有機基を含む単位との双方を含むのがより好ましい。
前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、脂環式基、カルボキシル基を有する有機基、及びヘテロ環を有する有機基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。
、R、R、及びRの少なくとも1つがハロアルキル基であることで、感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の誘電率を低下させることができる。
、R、及びRを構成する有機基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、脂環式基、及びヘテロ環を有する有機基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、及びn−デシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、アリル基、ペンテニル基、及びビニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、例えば、エチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン基、及びエチリデン基が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、及びアントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、及びフェネチル基が挙げられる。
アルカリル基としては、例えば、トリル基、及びキシリル基が挙げられる。
脂環式基としては、例えば、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。
ヘテロ環を有する有機基としては、例えば、エポキシ基、及びオキセタニル基を有する有機基が挙げられる。
前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、脂環式基、及びヘテロ環を有する有機基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。
を構成する炭素原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、及びn−ドデシル基が挙げられる。
を構成する炭素原子数3〜8のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、及びシクロオクチル基が挙げられる。
なお、Rに含まれる一以上の水素原子が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
上記式(d2−1)に示される共重合体は、例えば、下記式(d3)で表されるノルボルネン型モノマーに由来する繰り返し単位と、下記式(d4)で表される無水マレイン酸に由来する繰り返し単位と、が交互に配列されてなる交互共重合体であることが好ましい。
なお、上記式(d2−1)に示される共重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
下記式(d4)で表される無水マレイン酸に由来した繰り返し単位とは、上記式(d2−1)中のAのうちの上記式(d2a)〜(d2d)により表される単位である。
また、上記式(d2−1)に示される共重合体が、単位Aとして上記式(d2e)により示されるを含む場合には、例えば、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つがオキセタン環を有する有機基であるノルボルネン型モノマー由来の単位を有するものであることがとくに好ましい。
Figure 2017198918
式(d3)中、cは0、1、又は2であり、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜30の有機基である。
以上説明した(D)耐熱性樹脂の質量平均分子量は、10,000以上が好ましく、20000以上がより好ましい。(D)耐熱性樹脂の質量平均分子量が、10,000以上である場合、感光性樹脂組成物を用いて、熱により変形しにくい硬化膜を特に形成しやすい。
感光性樹脂組成物中の(D)耐熱性樹脂の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分の質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましい。(D)耐熱性樹脂の含有量が過少であると、感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜が熱により変形しやすい。(D)耐熱性樹脂の含有量が過多であると、感光性樹脂組成物の現像性が悪化する場合がある。
<(E)遮光剤>
(E)遮光剤は、染料で被覆されたカーボンブラック(染料被覆CB)を含む。このため、感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は、高い抵抗値と、高い光学密度(OD)とを兼ね備える。
他方、感光性樹脂組成物が染料被覆CBを遮光剤として含有する場合、感光性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は加熱により変形しやすい。
しかし、感光性樹脂組成物が前述(D)耐熱性樹脂を含むため、感光性樹脂組成物が染料被覆CBを含んでいても硬化膜の加熱による変形が抑制される。
(染料被覆CB)
染料被覆原料CBの原料として用いられるカーボンブラックの種類は特に限定されない。例えば、ランプブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の既知のカーボンブラックを利用することができる。
原料カーボンブラックの平均一次粒子径は、5〜60nmが好ましく、10〜50nmがより好ましく、20〜45nmが特に好ましい。ここで、平均一次粒子径とは、カーボンブラック一次粒子1500個を電子顕微鏡で観察して求めた一次粒子径の相加平均値をいう。原料カーボンブラックの平均一次粒子径が過小であると、凝集を起こしやすくミルベースの安定性が悪くなり高濃度での分散が難しい。他方、原料カーボンブラックの平均一次粒子径が過大であると、感光性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜(例えば、ブラックマトリックス)において形状不良が生じやすく、表面の粗い硬化膜が形成されやすい。
原料カーボンブラックのDBP吸油量は、100ml/100g以下が好ましい。ここで、DBP吸油量とは、カーボンブラック100gが吸収するフタル酸ジブチル(DBP)の容量をいう(JIS6217)。原料カーボンブラックのDBP吸油量が過大であると、感光性樹脂組成物の高粘度化とそれにともなう塗布性悪化や、硬化膜のODや抵抗値の低下が生じしやすい。
原料カーボンブラックのpH値は、2〜10が好ましく、5〜9がより好ましく、4〜8が特に好ましい。ここで、pH値とは、カーボンブラックと蒸留水の混合液をガラス電極pH計で測定した値をいう(JIS6221)。原料カーボンブラックのpH値が低すぎると、染料被覆CBの安定性が悪くなりやすく、pH値が過大であると膜剥がれが生じやすい。
原料カーボンブラックの灰分は1.0%以下が好ましい。また原料カーボンブラック比表面積は、20〜300m/gが好ましい。
灰分が過多であると、硬化膜の抵抗値が低下しやすい。比表面積が、小さすぎると硬化膜の形状不良が生じやすく、大きすぎると分散剤、樹脂、染料等が多量に必要であり、染料被覆CBの製造コストの点で不利である。
原料カーボンブラックは、染料で被覆される前に酸化処理が施されて表面に少なくとも1種類の酸性官能基を有していることが好ましく、複数種類の酸化処理が施されて表面に2種類以上の酸性官能基を有していることがより好ましい。
酸化処理が施されていない原料カーボンブラックは、表面に酸性官能基を有しないか酸性官能基の数が不十分であるため、得られる染料被覆CBの分散性が十分に確保できず、高抵抗の硬化膜を形成しにくい。
かかる酸化処理としては、オゾンガス、硝酸、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、一酸化窒素ガス、二酸化窒素ガス、無水硫酸、フッ素ガス、濃硫酸、硝酸、各種過酸化物等を用いる方法が挙げられる。
酸か処理により生成する酸性官能基としては、水酸基、オキソ基、ヒドロペルオキシ基、カルボニル基、カルボキシル基、ペルオキシカルボン酸基、アルデヒド基、ケトン基、ニトロ基、ニトロソ基、アミド基、イミド基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオカルボン酸基、クロロシル基、クロリル基、ペルクロリル基、ヨードシル基、及びヨージル基等が挙げられる。
染料被覆カーボンブラックの製造に用いられる染料としては、カーボンブラックの表面に吸着可能なものであれば特に限定されるものではなく、既知の塩基性染料、酸性染料、直接染料、反応性染料等を利用することができる。
スルホン基やカルボキシ基がカーボンブラック上の官能基と相互作用すること、アミノ基とアルカリ可溶性樹脂が反応してしまうこと、硫酸バンド等で不溶化できること等から、陰イオン性又は非イオン性の染料がより好適に利用できる。
遮光性の高い硬化膜を形成しやすい点からは、黒色に近い濃色系の染料を用いることが好ましい。
このような染料の具体例としては、
Food Black No.1、Food Black No.2、Food Red No.40、Food Blue No.1、Food Yellow No.7等の食用色素染料;
Bernacid Red 2BMN、Basacid Black X34(BASF X−34)(BASF社製)、Kayanol Red 3BL(Nippon Kayaku Company社製)、Dermacarbon 2GT(Sandoz社製)、Telon Fast Yellow 4GL−175、BASF Basacid Black SE 0228、Basacid Black X34(BASF X−34)(BASF社製)、Basacid Blue 750(BASF社製)、Bernacid Red(Bemcolors,Poughkeepsie,N.Y.社製)、BASF Basacid Black SE 0228(BASF社製)等の各色の酸性染料;
Pontamine Brilliant Bond Blue A及びその他のPontamine Brilliant Bond Blue A及びその他のPontamine(登録商標)染料(Bayer Chemicals Corporation、Pittsburgh,PA社製)、Cartasol Yellow GTF Presscake(Sandoz,Inc社製);Cartasol Yellow GTF Liquid Special 110(Sandoz,Inc.社製);Yellow Shade 16948(Tricon社製)、Direct Brilliant Pink B(Crompton & Knowles社製)、Carta Black 2GT(Sandoz,Inc.社製)、Sirius Supra Yellow GD 167、Cartasol Brilliant Yellow 4GF(Sandoz社製);、Pergasol Yellow CGP(Ciba−Geigy社製)、Pyrazol Black BG(JCI社製)、Diazol Black RN Quad(JCJ社製)、Pontamine Brilliant Bond Blue、Berncolor A.Y. 34等の各色の直接染料;
Cibacron Brilliant Red 3B−A(Reactive Red 4)(Aldrich Chemical、Milwaukee,WI社製)、Drimarene Brilliant Red X−2B(Reactive Red 56)(Pylam Products,Inc.Tempe,AZ社製)、Levafix Brilliant Red E−4B,Levafix Brilliant Red F−6BA,及び類似のLevafix(登録商標)dyes Dystar L.P.(Charlotte,NC社製)製の染料、Procion Red H8B(Reactive Red 31)(JCI America社製)、等の各色の反応性染料;
Neozapon Red 492(BASF社製)、Orasol Red G(Ciba−Geigy社製)、Aizen Spilon RedC−BH(Hodogaya Chemical Company社製)、Spirit Fast Yellow 3G、Aizen Spilon Yellow C−GNH(Hodogaya Chemical Company社製)、Orasol Black RL(Ciba−Geigy社製)、Orasol Black RLP(Ciba−Geigy社製)、Savinyl Black RLS(Sandoz社製)、Orasol Blue GN (Ciba−Geigy社製)、Luxol BlueMBSN(Morton−Thiokol社製)、Morfast Black Concentrate A(Morton−Thiokol社製)等の油溶性染料等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
染料被覆CBにおける染料の含有量は、0.5〜10質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。染料の含有量が過少であると、カーボンブラックの被覆が不十分であることから、高抵抗の硬化膜を形成しにくい。染料の含有量が過多であると、余剰の染料が染料被覆CBの分散を阻害し、感光性樹脂組成物の増粘や・染料被覆CBの凝集が生じやすい。
染料被覆CBにおいて、染料被覆CBの表面に存在する染料は金属又は金属塩によりレーキ化されているのが好ましい。
かかるレーキ化により、染料が金属又は金属塩を介してカーボンブラックの表面や前記酸性官能基に固定され、染料がカーボンブラックの表面から離脱し難くなる。
このため、染料がレーキ化されると、染料が溶出し難く、ODの高い硬化膜を形成しやすい。
かかるレーキ化に用いられる金属又は金属塩としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム若しくはマンガン又はこれらの塩酸塩、硫酸塩等が挙げられる。これらの金属又は金属円は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
レーキ化に用いられる金属又は金属塩の添加量は、染料に対して0.3倍モル以上が好ましく、0.5倍モル以上がより好ましく、0.8倍モル以上が特に好ましい。
金属又は金属塩の添加量が過少であると、染料の固定が不十分となりカーボンブラック表面から離脱しやすくなり、ミルベースの安定性が悪く抵抗値も低下するので好ましくない。
次に、染料被覆CBの製造方法について説明する。まず、原料のカーボンブラックを水(電気伝導度が一定となるよう水道水にイオン交換水を適宜混合して調製したもの、以下同じ)と混合してスラリーとし、所定時間加熱撹拌してカーボンブラックを洗浄処理し、冷却後再度水洗する。次に、得られたカーボンブラックに水を加えて再びスラリーとし、上述した酸化剤を添加して所定温度で所定時間撹拌してカーボンブラックの表面を酸化処理し、水洗する。酸化処理は、必要により複数回、酸化剤の種類を変えて行う。次いで、得られた酸化処理済のカーボンブラックを水と混合して再びスラリーとし、目的の染料被覆CBに対して前記所定含有量となるよう染料を添加し、40〜90℃で1〜5時間撹拌して、カーボンブラックの表面に染料を吸着して被覆させる。さらに、添加した染料と等モルの上述した金属又は金属塩を添加し、30〜70℃で1〜5時間撹拌して、染料を金属又は金属塩でレーキ化してカーボンブラックの表面に染料を固定させる。そして、これを冷却後水洗し、ろ過乾燥することにより、目的の染料被覆CBを得ることができる。
(その他の遮光剤)
(E)遮光剤は、本発明の目的を阻害しない範囲において、以上説明した染料被覆CB以外のその他の遮光剤を含んでいてもよい。その他の遮光剤としては、染料被覆されていないカーボンブラック、ペリレン系顔料、ラクタム系顔料、チタンブラック、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸塩又は金属炭酸塩等、有機物、無機物を問わず各種の黒色顔料を挙げることができる。
カーボンブラックとしては、ランプブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等の公知のカーボンブラックを用いることができるが、遮光性に優れるチャンネルブラックを用いることが好ましい。また、樹脂被覆カーボンブラックを使用してもよい。
カーボンブラックとしては、酸性基を導入する処理を施されたカーボンブラックも好ましい。カーボンブラックに導入される酸性基は、ブレンステッドの定義による酸性を示す官能基である。酸性基の具体例としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。カーボンブラックに導入された酸性基は、塩を形成していてもよい。酸性基と塩を形成するカチオンは、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。カチオンの例としては、種々の金属イオン、含窒素化合物のカチオン、アンモニウムイオン等が挙げられ、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンや、アンモニウムイオンが好ましい。
以上説明した酸性基を導入する処理を施されたカーボンブラックの中では、感光性樹脂組成物を用いて形成される遮光性の硬化膜の比誘電率が低い点で、カルボン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸基、及びスルホン酸塩基からなる群より選択される1種以上の官能基を有するカーボンブラックが好ましい。
カーボンブラックに酸性基を導入する方法は特に限定されない。酸性基を導入する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
1)濃硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸等を用いる直接置換法や、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩等を用いる間接置換法により、カーボンブラックにスルホン酸基を導入する方法。
2)アミノ基と酸性基とを有する有機化合物と、カーボンブラックとをジアゾカップリングさせる方法。
3)ハロゲン原子と酸性基とを有する有機化合物と、水酸基を有するカーボンブラックとをウィリアムソンのエーテル化法により反応させる方法。
4)ハロカルボニル基と保護基により保護された酸性基とを有する有機化合物と、水酸基を有するカーボンブラックとを反応させる方法。
5)ハロカルボニル基と保護基により保護された酸性基とを有する有機化合物を用いて、カーボンブラックに対してフリーデルクラフツ反応を行った後、脱保護する方法。
これらの方法の中では、酸性基の導入処理が、容易且つ安全であることから、方法2)が好ましい。方法2)で使用されるアミノ基と酸性基とを有する有機化合物としては、芳香族基にアミノ基と酸性基とが結合した化合物が好ましい。このような化合物の例としては、スルファニル酸のようなアミノベンゼンスルホン酸や、4−アミノ安息香酸のようなアミノ安息香酸が挙げられる。
カーボンブラックに導入される酸性基のモル数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。カーボンブラックに導入される酸性基のモル数は、カーボンブラック100gに対して、1〜200mmolが好ましく、5〜100mmolがより好ましい。
酸性基を導入されたカーボンブラックは、樹脂による被覆処理を施されていてもよい。
樹脂により被覆されたカーボンブラックを含む感光性樹脂組成物を用いる場合、遮光性及び絶縁性に優れ、表面反射率が低い遮光性の硬化膜を形成しやすい。なお、樹脂による被覆処理によって、感光性樹脂組成物を用いて形成される遮光性の硬化膜の誘電率に対する悪影響は特段生じない。カーボンブラックの被覆に使用できる樹脂の例としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックの質量と樹脂の質量の合計に対して、1〜30質量%が好ましい。
また、遮光剤としてはペリレン系顔料も好ましい。ペリレン系顔料の具体例としては、下記式(e−1)で表されるペリレン系顔料、下記式(e−2)で表されるペリレン系顔料、及び下記式(e−3)で表されるペリレン系顔料が挙げられる。市販品では、BASF社製の製品名K0084、及びK0086や、ピグメントブラック21、30、31、32、33、及び34等を、ペリレン系顔料として好ましく用いることができる。
Figure 2017198918
式(e−1)中、Re1及びRe2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキレン基を表し、Re3及びRe4は、それぞれ独立に、水素原子、水酸基、メトキシ基、又はアセチル基を表す。
Figure 2017198918
式(e−2)中、Re5及びRe6は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜7のアルキレン基を表す。
Figure 2017198918
式(e−3)中、Re7及びRe8は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜22のアルキル基であり、N,O、S、又はPのヘテロ原子を含んでいてもよい。Re7及びRe8がアルキル基である場合、当該アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。
上記の式(e−1)で表される化合物、式(e−2)で表される化合物、及び式(e−3)で表される化合物は、例えば、特開昭62−1753号公報、特公昭63−26784号公報に記載の方法を用いて合成することができる。すなわち、ペリレン−3,5,9,10−テトラカルボン酸又はその二無水物とアミン類とを原料とし、水又は有機溶媒中で加熱反応を行う。そして、得られた粗製物を硫酸中で再沈殿させるか、又は、水、有機溶媒あるいはこれらの混合溶媒中で再結晶させることによって目的物を得ることができる。
感光性樹脂組成物中においてペリレン系顔料を良好に分散させるためには、ペリレン系顔料の平均粒子径は10〜1000nmであるのが好ましい。
(E)遮光剤は、色調の調整の目的等で、上記の黒色顔料や紫顔料とともに、赤、青、緑、黄等の色相の色素を含んでいてもよい。黒色顔料や紫顔料の他の色相の色素は、公知の色素から適宜選択することができる。例えば、黒色顔料や紫顔料の他の色相の色素としては、上記の種々の顔料を用いることができる。黒色顔料や紫顔料以外の他の色相の色素の使用量は、遮光剤の全質量に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また、その他の遮光剤として、無機顔料と有機顔料とを併用してもよい。無機顔料と有機顔料とはそれぞれ単独又は2種以上併用してもよいが、併用する場合には、無機顔料と有機顔料との質量の合計に対して、有機顔料を10〜80質量%の範囲で用いることが好ましく、20〜40質量%の範囲で用いることがより好ましい。
(E)遮光剤を感光性樹脂組成物において均一に分散させるために、さらに分散剤を使用してもよい。このような分散剤としては、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の高分子分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、アクリル樹脂系の分散剤を用いることが特に好ましい。
(E)遮光剤中の染料被覆CBの含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。(E)遮光剤中の染料被覆CBの含有量は、(E)遮光剤の質量に対して50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上が特に好ましく、100質量%が最も好ましい。
感光性樹脂組成物における(E)遮光剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜選択でき、典型的には、感光性樹脂組成物中の固形分の質量に対して、5〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましい。
<(F)シランカップリング剤>
感光性樹脂組成物は、(F)シランカップリング剤を含んでいてもよい。(F)シランカップリング剤は、ケイ素原子に結合するアルコキシ基及び/又は反応性基を介して、感光性樹脂組成物に含まれる種々の成分と結合又は相互作用したり、基板等の支持体の表面と結合したりする。このため、感光性樹脂組成物に(F)シランカップリング剤を配合すると、露光部が良好に硬化することにより現像後の浮遊物や現像残渣の発生を抑制しやすかったり、基板に対する密着性に優れる黒色膜を形成しやすかったりする。
シランカップリング剤としては、特に限定されない。シランカップリング剤の好適な例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン等のモノアルキルトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のモノフェニルトリアルコキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等のジフェニルジアルコキシシラン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のモノビニルトリアルコキシシラン;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルモノアルキルジアルコキシシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有トリアルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の非脂環式エポキシ基含有アルキルトリアルコキシシラン;3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等の非脂環式エポキシ基含有アルキルモノアルキルジアルコキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等の脂環式エポキシ基含有アルキルトリアルコキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等の脂環式エポキシ基含有アルキルモノアルキルジアルコキシシラン;〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリメトキシシラン、〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕プロピルトリエトキシシラン等のオキセタニル基含有アルキルトリアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトアルキルトリアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプトアルキルモノアルキルジアルコキシシラン;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドアルキルトリアルコキシシラン;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートアルキルトリアルコキシシラン;3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等の酸無水物基含有アルキルトリアルコキシシラン;N−t−ブチル−3−(3−トリメトキシシリルプロピル)コハク酸イミド等のイミド基含有アルキルトリアルコキシシラン;等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、下記式(F1)で表される化合物も、シランカップリング剤として好適に使用される。
F1 F2 (3−d)Si−RF3−NH−C(O)−Y−RF4−X・・・(F1)
(式(F1)中、RF1はアルコキシ基であり、RF2はアルキル基であり、dは1〜3の整数であり、RF3はアルキレン基であり、Yは−NH−、−O−、又は−S−であり、RF4は単結合、又はアルキレン基であり、Xは、置換基を有していてもよく単環でも多環でもよい含窒素ヘテロアリール基であり、X中の−Y−RF4−と結合する環は含窒素6員芳香環であり、−Y−RF4−は前記含窒素6員芳香環中の炭素原子と結合する。)
式(F1)中、RF1はアルコキシ基である。RF1について、アルコキシ基の炭素原子数は1〜6が好ましく、1〜4がより好ましく、シランカップリング剤の反応性の観点から1又は2が特に好ましい。RF1の好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、及びn−ヘキシルオキシ基が挙げられる。これらのアルコキシ基の中では、メトキシ基、及びエトキシ基が好ましい。
アルコキシ基であるRF1が加水分解されて生成するシラノール基が基板の表面等と反応することで、感光性樹脂組成物を用いて形成される塗布膜の基板等の支持体の表面への密着性が向上されやすい。このため、塗布膜の基板等の支持体の表面への密着性を向上させやすい点から、dは3であるのが好ましい。
式(F1)中、RF2はアルキル基である。RF2について、アルキル基の炭素原子数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、シランカップリング剤の反応性の観点から1又は2が特に好ましい。RF2の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、及びn−ドデシル基が挙げられる。
式(F1)中、RF3はアルキレン基である。RF3について、アルキレン基の炭素原子数は1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい。RF3の好ましい具体例としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,1−エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,1−ジイル基、ブタン−2,2−ジイル基、ブタン−2,3−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、及びヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、及びドデカン−1,12−ジイル基が挙げられる。これらのアルキレン基の中では、1,2−エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、及びブタン−1,4−ジイル基が好ましい。
は−NH−、−O−、又は−S−であり、−NH−であるのが好ましい。−CO−O−、又は−CO−S−で表される結合よりも、−CO−NH−で表される結合のほうが加水分解を受けにくいため、Yが−NH−である化合物をシランカップリング剤として含む感光性樹脂組成物を用いると、基板等の支持体への密着性に優れる塗布膜を形成できる。
F4は単結合、又はアルキレン基であり、単結合であるのが好ましい。RF4がアルキレン基である場合の好ましい例は、RF3と同様である。
は、置換基を有していてもよく単環でも多環でもよい含窒素ヘテロアリール基であり、X中の−Y−RF4−と結合する環は含窒素6員芳香環であり、−Y−RF4−は該含窒素6員芳香環中の炭素原子と結合する。理由は不明であるが、このようなXを有する化合物をシランカップリング剤として含む感光性樹脂組成物を用いると、基板等の支持体への密着性に優れる塗布膜を形成できる。
が多環ヘテロアリール基である場合、ヘテロアリール基は、複数の単環が縮合した基であってもよく、複数の単環が単結合を介して結合した基であってもよい。Xが多環ヘテロアリール基である場合、多環ヘテロアリール基に含まれる環数は1〜3が好ましい。Xが多環ヘテロアリール基である場合、X中の含窒素6員芳香環に縮合又は結合する環は、ヘテロ原子を含んでいても含んでいなくてもよく、芳香環であっても芳香環でなくてもよい。
含窒素ヘテロアリール基であるXが有していてもよい置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数2〜6のアルケニル基、炭素原子数2〜6のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜6の脂肪族アシル基、ベンゾイル基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シアノ基、スルホン酸基、カルボキシル基、及びハロゲン原子等が挙げられる。Xが有する置換基の数は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。Xが有する置換基の数は、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。Xが複数の置換基を有する場合、複数の置換基は同じであっても、異なっていてもよい。
の好ましい例としては、下記式の基が挙げられる。
Figure 2017198918
上記の基の中でも、下記式の基がXとしてより好ましい。
Figure 2017198918
以上説明した、式(F1)で表される化合物の好適な具体例としては、以下の化合物1〜8が挙げられる。
Figure 2017198918
感光性樹脂組成物中の(F)シランカップリング剤の含有量は特に限定されない。(F)シランカップリング剤の含有量は、感光性樹脂組成物全体の質量に対して、1000〜10000質量ppmが好ましく、1500〜9000質量ppmがより好ましく、2000〜8000質量ppmが特に好ましい。
<(S)溶剤>
感光性樹脂組成物は、塗布性の調整等の目的で(S)溶剤を含むのが好ましい。
(S)溶剤の好適な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(S)溶剤は、上記の溶剤の他に含窒素極性有機溶剤を含んでいてもよい。(S)溶剤が含窒素極性有機溶剤を含む場合、微細なパターンを形成しやすく、形成されるパターンの基板への密着性が向上する。
(S)溶剤は、従来感光性樹脂組成物に配合されている種々の含窒素極性有機溶剤を含んでいてもよい。含窒素極性有機溶剤の好適な例としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、γ−ブチロラクトン等の複素環式極性有機溶媒;及び下記式(S1):
Figure 2017198918
(式(S1)中、RS1及びRS2は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基であり、RS3は下式(S1−1)又は下式(S1−2):
Figure 2017198918
で表される基である。式(S1−1)中、RS4は、水素原子又は水酸基であり、RS5及びRS6は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基である。式(S1−2)中、RS7及びRS8は、それぞれ独立に水素原子、又は炭素原子数1〜3のアルキル基である。)
で表される化合物が挙げられる。(S)溶剤は、2種以上の含窒素極性有機溶剤を組み合わせて含んでいてもよい。
上記の含窒素極性有機溶剤の中では、式(S1)で表される化合物が好ましい。
式(S1)で表される化合物のうち、RS3が式(S1−1)で表される基である場合の具体例としては、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、N−エチル,N,2−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジエチル−2−メチルプロピオンアミド、N,N,2−トリメチル−2−ヒドロキシプロピオンアミド、N−エチル−N,2−ジメチル−2−ヒドロキシプロピオンアミド、及びN,N−ジエチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオンアミド等が挙げられる。
式(S1)で表される化合物のうち、RS3が式(S1−2)で表される基である場合の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラメチルウレア、N,N,N’,N’−テトラエチルウレア等が挙げられる。
式(S1)で表される化合物のうち、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、及びN,N,N’,N’−テトラメチルウレアがより好ましく、N,N,N’,N’−テトラメチルウレアが特に好ましい。
(S)溶剤中の含窒素極性有機溶剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。(S)溶剤中の含窒素極性有機溶剤の含有量の下限は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上が特に好ましく、10質量%以上が最も好ましい。(S)溶剤中の含窒素極性有機溶剤の含有量の上限は、適宜設定すればよく、例えば、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
感光性樹脂組成物中の(S)溶剤の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されず、感光性樹脂組成物の塗布性や、塗布膜の膜厚を考慮して適宜決定される。典型的には、(S)溶剤は、感光性樹脂組成物の固形分濃度が、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜35質量%、特に好ましくは15〜30質量%となるように使用される。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物は、以上説明した成分以外に、熱重合禁止剤、消泡剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
熱重合禁止剤としてはヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等を用いることができる。消泡剤としてはシリコーン系、フッ素系化合物を用いることができる。界面活性剤としてはアニオン系、カチオン系、ノニオン系等の公知の各種熱重合禁止剤を用いることができる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
感光性樹脂組成物は、典型的には、それぞれ所定の量の(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤と、必要に応じてその他の任意成分とを、所望する固形分濃度になるように、(S)溶剤中に均一に、分散、溶解させて調製される。
(E)遮光剤が(S)溶剤中に予め濃厚に分散されたマスターバッチを用いて、感光性樹脂組成物を調製してもよい。
得られた感光性樹脂組成物は、所望の開口径を有するフィルターを用いてろ過されてもよい。
≪硬化膜の形成方法≫
以上説明した感光性樹脂組成物を用いて、黒色の硬化膜が形成される。
硬化膜の形成方法は特に限定されない。好ましい硬化膜の形成方法としては、
前述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成することと、
塗布膜を露光することと、
露光された塗布膜を120〜250℃でポストベークすることと、を含む方法が挙げられる。
まず、感光性樹脂組成物を、基板上にロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ、ダイコーター、スリットコーター等の非接触型塗布装置を用いて塗布して、塗布膜を形成する。
基板の材質は特に限定されず、好ましくは、従来からブラックマトリックスの形成に用いられる基板が使用される。
感光性樹脂組成物を塗布後、通常、塗布膜を乾燥させて溶剤を除去する。乾燥方法は特に限定されず、例えば(1)ホットプレートにて80℃から120℃、好ましくは90℃から100℃の温度にて60秒間から120秒間乾燥する方法、(2)室温にて数時間から数日放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分から数時間入れて溶剤を除去する方法、のいずれの方法を用いてもよい。
次いで、塗布膜を露光する。露光は、塗布膜全面に行われてもよく、位置選択的に行われてもよい。
塗布膜が位置選択的に露光される場合、典型的には、ネガ型のマスクを介して露光が行われる。硬化膜としてブラックマトリックスを形成する場合、ブラックマトリックスのパターンに応じて位置選択的露光を行う。
紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射して塗布膜を露光する。照射するエネルギー線量は、感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば30mJ/cmから2000mJ/cm程度が好ましい。
露光が位置選択的に行われた場合は、露光された塗布膜を、アルカリ現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は特に限定されず、例えば浸漬法、スプレー法等を用いることができる。アルカリ現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム水酸化物等の水溶液が挙げられる。
全面露光により形成された硬化膜、又は現像されたパターン化された硬化膜は、120〜250℃の温度でポストベークされる。かかる温度でポストベークが行われる場合、硬化膜が熱により変形するおそれがあるが、前述の感光性樹脂組成物を用いる場合、硬化膜の熱による変形が抑制される。
以上のようにして形成される、黒色の硬化膜は、抵抗値及び光学密度(OD)が高く、ポストベーク時に加熱されても変形量が少ない。
かかる黒色の硬化膜は、例えば、各種表示装置用のパネルにおけるブラックマトリクス等の遮光材料として好適に使用される。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
〔調製例1〕
まず、500ml四つ口フラスコ中に、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量235)235g、テトラメチルアンモニウムクロライド110mg、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール100mg、及びアクリル酸72.0gを仕込み、これに25ml/分の速度で空気を吹き込みながら90〜100℃で加熱溶解した。次に、溶液が白濁した状態のまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全溶解させた。この際、溶液は次第に透明粘稠になったが、そのまま撹拌を継続した。この間、酸価を測定し、1.0mgKOH/g未満になるまで加熱撹拌を続けた。酸価が目標値に達するまでに12時間を要した。そして室温まで冷却し、無色透明で固体状の下記式(a−4)で表されるビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレートを得た。
Figure 2017198918
次いで、このようにして得られた上記のビスフェノールフルオレン型エポキシアクリレート307.0gに3−メトキシブチルアセテート600gを加えて溶解した後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物80.5g及び臭化テトラエチルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で4時間反応させた。酸無水物基の消失を確認した後、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸38.0gを混合し、90℃で6時間反応させ、樹脂A−1を得た。酸無水物基の消失はIRスペクトルにより確認した。なお、この樹脂A−1は、上記式(a−1)で表される樹脂に相当する。樹脂A−1の軟化点は130℃未満であった。
〔実施例1、及び比較例1〜5〕
実施例及び比較例において、(A)アルカリ可溶性樹脂((A)成分)として上記調製例1で得た樹脂A−1を用いた。
また、実施例及び比較例において、(B)光重合性化合物((B)成分)として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを用いた。
(C)光重合開始剤((C)成分)としては、ADEKA社製のNCI−831を用いた。
(D)耐熱性樹脂((D)成分)としては、質量平均分子量30,000のノボラック樹脂D1(軟化点160℃)を用い、(D’)非耐熱性樹脂((D’)成分)としては、質量平均分子量4,000のノボラック樹脂D2(軟化点112℃)を用いた。なお、各ノボラック樹脂のm−クレゾールに由来する単位の含有量は、90質量%である。
(E)遮光剤((E)成分)としては、以下のE1〜E3を用いた。なお、表1の(E)成分の数値は、各カーボンブラックの固形分量のみを示す。
E1:染料被覆カーボンブラックを共分散処理した分散液
E2:樹脂被覆カーボンブラックを共分散処理した分散液
E3:未処理カーボンブラックを共分散処理した分散液
(S)溶剤として、3−メトキシブチルアセテート45質量%、シクロヘキサノン10質量%、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45質量%からなる混合溶剤を用いた。
表1に記載の量の(A)成分、(B)成分、(C)成分と、表1に記載の種類及び量の(D)成分又は(D’)成分と、表1に記載の種類及び量の(E)成分とを、固形分濃度が20質量%となるように(S)溶剤に分散・溶解させて実施例1及び比較例4の感光性樹脂組成物を得た。
表1に記載の量の(A)成分、(B)成分、(C)成分と、表1に記載の種類及び量の(E)成分とを、固形分濃度が20質量%となるように(S)溶剤に分散・溶解させて比較例1〜3、及び比較例5の感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、以下の方法に従って硬化膜の光学密度(OD)と、表面抵抗と、熱変形とについて評価を行った。これらの評価結果について表1に記す。
<OD評価方法>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、コーニング製EXGガラス基板上に塗布した後、100℃で60秒間プリベークを行い、膜厚1.5μmの塗布膜を形成した。形成された塗布膜に対して、マスクを介して露光量50mJ/cmで露光を行った。露光後、濃度0.04質量%のKOH水溶液を用いて、スプレー法(23℃、70秒)により現像を行い、パターン化された黒色の硬化膜を得た。得られた黒色の硬化膜について、230℃で20分間ポストベークを行った。
得られた硬化膜について、D200−II(Gretag Mcbeth社製)を用いてODを測定した。
<表面抵抗評価方法>
OD評価方法と同様に、塗布膜の形成、露光、及び現像を行った。現像後の黒色の硬化膜を230℃で180分ベークした後、Hiresta MCP−HT450(三菱アナリテック社製、プローブUR−100)を用いて測定電圧1,000Vで硬化膜の表面抵抗を測定した。
<熱変形(リフロー量)評価>
実施例及び比較例の感光性樹脂組成物を、コーニング製EXGガラス基板上に塗布した後、100℃で60秒間プリベークを行い、膜厚1.5μmの塗布膜を形成した。形成された塗布膜に対して、線幅5μmのライン部を有するパターンを形成するためのマスクを介して露光量50mJ/cmで露光を行った。露光後、濃度0.04質量%のKOH水溶液を用いて、スプレー法(23℃、70秒)により現像を行い、パターン化された黒色の硬化膜を得た。得られた黒色の硬化膜について、230℃で20分間ポストベークを行った。
黒色の硬化膜を光学顕微鏡で観察して、硬化膜中のライン部について、ポストベーク前の線幅W1と、ポストベーク後の線幅W2とを測定し、W2−W1の値をリフロー量とした。
Figure 2017198918
表1によれば、染料で被覆されたカーボンブラックと、軟化点が130℃以上である耐熱性樹脂とを含む感光性樹脂組成物であれば、高いOD、高い表面抵抗、及び低い熱変形量とを示す硬化膜を形成できることが分かる。
比較例1によれば、耐熱性樹脂を含まず、遮光剤として樹脂被覆カーボンブラックを含む感光性樹脂組成物を用いる場合、形成される硬化膜のOD値がやや低く、やや熱変形しやすいことが分かる。
比較例2によれば、比較例1に対して樹脂被覆カーボンブラックの使用量を増価させると、硬化膜のOD値が高い一方で、硬化膜の表面抵抗が低いことが分かる。
比較例3によれば、染料で被覆されたカーボンブラックを含んでいても、耐熱性樹脂を含んでいない感光性樹脂組成物を用いる場合、硬化膜が著しく熱変形しやすいことが分かる。
比較例4によれば、遮光剤として染料で被覆されたカーボンブラックを含むが、軟化点が130℃以上である耐熱性樹脂ではなく軟化点が130℃未満の非耐熱性樹脂を含む感光性樹脂組成物を用いる場合、比較例3と同様、硬化膜が著しく熱変形しやすいことが分かる。
比較例5によれば、耐熱性樹脂を含まず、遮光剤として表面処理されていないカーボンブラックを含む感光性樹脂組成物を用いる場合、硬化膜の表面抵抗が著しく低いことが分かる。

Claims (10)

  1. (A)アルカリ可溶性樹脂、(B)光重合性化合物、(C)光重合開始剤、(D)耐熱性樹脂、及び(E)遮光剤を含み、
    前記(A)アルカリ可溶性樹脂の軟化点が130℃未満であり、
    前記(D)耐熱性樹脂の軟化点が130℃以上であり、
    前記(E)遮光剤が、染料で被覆されたカーボンブラックを含む、感光性樹脂組成物。
  2. 前記(D)耐熱性樹脂の質量平均分子量が10,000以上である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(D)耐熱性樹脂がノボラック樹脂である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成することと、
    前記塗布膜を露光することと、
    露光された前記塗布膜を120〜250℃でポストベークすることと、を含む、硬化膜の形成方法。
  5. 前記塗布膜の露光が位置選択的に行われ、
    さらに、露光された前記塗布膜を現像することを含み、
    前記ポストベークが、現像された前記塗布膜に対して行われる、請求項4に記載の硬化膜の形成方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成することと、
    前記塗布膜を位置選択的に露光することと、
    露光された前記塗布膜を現像することと、
    現像された前記塗布膜を120〜250℃でポストベークすることと、を含む、ブラックマトリックスの形成方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
  8. パターン化された硬化膜である、請求項4に記載の硬化膜。
  9. 請求項5に記載のパターン化された硬化膜からなる、ブラックマトリックス。
  10. 請求項9に記載の前記ブラックマトリックスを備える表示装置。
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