JP2017198248A - 真空断熱材、および真空断熱材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い断熱性能及び信頼性を有する真空断熱材を提供すること。
【解決手段】芯材が、ガスバリア層を有する包装材で被覆され密封された真空断熱材において、芯材は、外面および内面が曲面形状である連続した所定厚みの部材であり、包装材は、重ねしろを有する複数の包装材要素が、隣り合う包装材要素が重ねしろで接合され、芯材の外面および内面を被覆するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】芯材が、ガスバリア層を有する包装材で被覆され密封された真空断熱材において、芯材は、外面および内面が曲面形状である連続した所定厚みの部材であり、包装材は、重ねしろを有する複数の包装材要素が、隣り合う包装材要素が重ねしろで接合され、芯材の外面および内面を被覆するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、断熱容器の周囲に配設される真空断熱材に関するものである。
近年、地球温暖化防止やエネルギー安定供給確保の観点から民生及び産業機器の省エネルギー化活動が活発化している。例えば冷蔵庫、冷凍庫及び給湯器等の冷熱機器では優れた断熱性能を有する真空断熱材を用いることで消費電力量を低減している。
冷熱機器のさらなる省エネルギー化には、真空断熱材を任意の機器形状に密接させ被覆率を高める必要がある。従来の真空断熱材は屈曲・湾曲変形が困難であるという問題から平板形状に成形される場合が多い。従って断熱対象の形状が曲面等を有する立体形状の場合には、断熱対象部との間に隙間をあけて平板形状の真空断熱材を配設する、または折り曲げあるいはプレス等の後加工により断熱対象部の形状に沿うように配設するのが一般的である。しかしながら、断熱対象部との間に隙間があると、真空断熱材による被覆率が低下するため十分な断熱性能を確保できないという問題がある。また、真空断熱材に後加工をする場合、加工における応力によって、包装材に損傷やしわを発生させ、ガスバリア性の低下や断熱対象部に密接できない等の現象が生じる。これらの現象により、真空断熱材の断熱性能及び信頼性が低下するという問題がある。
上記の問題の対策として、例えば特許文献1では真空成形やプレス等の成形方法によって断熱対象部の形状に予め成形した包装材を用いて芯材を包囲し減圧密封して任意の立体形状の真空断熱材を得る技術が提案されている。また特許文献2では任意の形状の芯材を立体構造の展開図を形成するように配置し、芯材の間に位置する折り曲げ線に合わせて平面状の包装材を折り曲げて、任意の立体形状の真空断熱材を得る技術が提案されている。
特許文献1の技術では、包装材を成形加工するため、加工時に発生する応力によって包装材のガスバリア層に亀裂が生じ、気密性が劣化して断熱性能及び信頼性が損なわれるという懸念がある。また、成形加工により形状を保持できるような材料の包装材を選択する必要があるという問題点がある。
特許文献2の技術では、隣接する芯材の間には芯材のない部分ができるため断熱性能が損なわれる懸念がある。また、断熱対象部が曲面を有する立体形状では真空断熱材の折り曲げ部において断熱対象面と接しない箇所が生じ断熱性能が損なわれる懸念がある。
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、従来に比べ高い断熱性能及び信頼性を有する真空断熱材を提供することを目的とする。
本発明は、芯材が、ガスバリア層を有する包装材で被覆され密封された真空断熱材において、芯材は、外面および内面が曲面形状である連続した所定厚みの部材であり、包装材
は、重ねしろを有する複数の包装材要素が、隣り合う包装材要素が重ねしろで接合され、芯材の外面および内面を被覆しているものである。
は、重ねしろを有する複数の包装材要素が、隣り合う包装材要素が重ねしろで接合され、芯材の外面および内面を被覆しているものである。
また、本発明は、真空断熱材の製造方法において、真空断熱材の最終形状の立体形状の外面側の曲面、および内面側の曲面に形成するそれぞれの包装材の材料を、外面側の曲面および内面側の曲面のそれぞれの展開図にしたがって、周辺部に重ねしろを有する複数の包装材要素に切断する包装材要素形成工程と、包装材要素を、隣り合う包装材要素の重ねしろ同士を重ねて接合し、外面側の曲面の包装材および内面側の曲面の包装材を形成する包装材形成工程と、真空槽内で、外面側の曲面の包装材と内面側の曲面の包装材との間に芯材を配置し、芯材を所定の厚みまで圧縮したのち、真空槽の内部を減圧するとともに、外面側の曲面の包装材の外周部と内面側の曲面の包装材の外周部とを接合して、外面側の曲面の包装材と内面側の曲面の包装材との間に芯材を密封する芯材密封工程とを備えるようにしたものである。
この発明によれば、曲面を有する立体形状において、包装材が立体形状の展開図から作製されているため、成形加工による応力が発生することはなく、ガスバリア層の亀裂が生じ断熱性能及び信頼性を損なうことはない。また、成形加工により形状保持のしにくい包装材の材料であっても立体形状を保持することができる。さらに、芯材は連続した形状となっているため、曲面に対する自由度が大きく、断熱対象面との接触面積を広くできるため断熱性能の向上が期待できる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱材1の構成を示す斜視図、図2は真空断熱材1の構成を示す断面図である。図2に示すように真空断熱材1は芯材2、および少なくとも2枚の包装材3から構成されている。真空断熱材1は芯材2を2枚の包装材3に収納し、各包装材3で囲まれた内部を減圧密封して高真空状態を維持している。芯材2は外面および内面が曲面形状である連続した一体式の形状となっている。この芯材2の外面および内面はそれぞれ包装材3で被覆されている。芯材2は、無機質繊維、有機質繊維のいずれか、または両者の複合材から構成されている。複合材の具体例として、無機質繊維のみからなる層と有機質繊維のみからなる層とを積層させたもの、あるいは無機質繊維と有機質繊維とを混合させた層等が挙げられる。ここで、無機質繊維として、例えばガラス繊維、ロックウール繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、及びスラグウール繊維等が挙げられる。また、有機質繊維として、例えばポリエステル繊維、ポリスチレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリノジック繊維、及びレーヨン繊維等の合成繊維のほか、綿、絹、麻等の天然繊維が挙げられる。耐熱性、及び芯材2自身からのガス発生を回避するという観点から、好ましくは無機質繊維のガラス繊維を用いるのが良い。ただし、芯材2は、ここに例示した材料に限定されることはない。
図1は本発明の実施の形態1による真空断熱材1の構成を示す斜視図、図2は真空断熱材1の構成を示す断面図である。図2に示すように真空断熱材1は芯材2、および少なくとも2枚の包装材3から構成されている。真空断熱材1は芯材2を2枚の包装材3に収納し、各包装材3で囲まれた内部を減圧密封して高真空状態を維持している。芯材2は外面および内面が曲面形状である連続した一体式の形状となっている。この芯材2の外面および内面はそれぞれ包装材3で被覆されている。芯材2は、無機質繊維、有機質繊維のいずれか、または両者の複合材から構成されている。複合材の具体例として、無機質繊維のみからなる層と有機質繊維のみからなる層とを積層させたもの、あるいは無機質繊維と有機質繊維とを混合させた層等が挙げられる。ここで、無機質繊維として、例えばガラス繊維、ロックウール繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、及びスラグウール繊維等が挙げられる。また、有機質繊維として、例えばポリエステル繊維、ポリスチレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリノジック繊維、及びレーヨン繊維等の合成繊維のほか、綿、絹、麻等の天然繊維が挙げられる。耐熱性、及び芯材2自身からのガス発生を回避するという観点から、好ましくは無機質繊維のガラス繊維を用いるのが良い。ただし、芯材2は、ここに例示した材料に限定されることはない。
図3は包装材3の基本構成を示す要部断面図である。包装材3はガスバリア性を有し、真空断熱材1の外側からの衝撃による損傷が起こりにくく、真空断熱材1の気密性を長期的に確保でき、かつ低熱伝導の材料であることが好ましい。具体的には、包装材3は真空断熱材1の外側からの衝撃による損傷を防ぐ表面保護層3a、真空断熱材1内部の高真空状態を維持するためのガスバリア層3b、芯材2を囲んで減圧密封するための熱溶着層3cの少なくとも3層から構成される。表面保護層3aとして、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。ガスバリア層3bとして、例えばアルミニウム箔等の金属箔、またはアルミ蒸着、アルミナ蒸着、シリカ蒸着、あるいはインジウム蒸着等を施したポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。熱溶着層3cとして、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、及びフィルム状のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。ただし、包装材3の各材料は、ここに例示した材料に限定されることはない。また、包装材3の層の構成はここに示した構成に限定されることはなく、真空断熱材1の外側の衝撃からの保護を強化するために表面保護層3aを2層にするほか、包装材3の内側に気密性保持を強化して長期信頼性を向上する目的で、ガスバリア層3bを2層とする、包装材3の内側と外側の両面から接着できるように熱溶着層3cを包装材3の内側と外側に配置する等してもよい。
本実施の形態1の包装材3は曲面を有する立体形状の展開図から製作された複数枚の包装材要素4を重ねて熱溶着で接合することで構成されている。ここでは半球形状の包装材3の製作方法を例に説明する。図4(a)に本実施の形態1による包装材の一例として半球形状の包装材3の側面図を示す。図4(b)に本実施の形態1による半球形状の包装材3を形成する包装材要素4の例を示す。図4(a)に示す半球形状の包装材3は図4(b)に示すような複数の包装材要素4から形成されている。包装材要素4は重ねしろ4a及び封止しろ4bを有している。本実施の形態1の半球形状の包装材3は隣り合う包装材要素4の重ねしろ4aを重ね合わせて熱溶着し、継ぎ目が接合された構造になっている。ここで、封止しろ4b部分にも重ねしろを有しており、隣り合う包装材要素4の封止しろ4b部分同士が接合される。
本実施の形態1の包装材3及び包装材要素4の製作方法について説明する。半径R[m]の半球形状の包装材3を重ねしろ4aの幅をb[m]、封止しろ4bの幅をg[m]としたn枚の包装材要素4で形成した場合を考える。図5に本実施の形態1の半球形状の包装材要素4の詳細図を示す。包装材要素4の内輪郭5は図5に示す座標系で0≦y≦π/2の範囲においてx=(πR/N)cos(y/R)またはx=-(πR/N)cos(y/R)を満たす点を結ぶことで製作される。包装材要素4の外輪郭6は内輪郭5の接線からb[m]の距離の点を結ぶことで製作される。包装材要素4の封止しろ4bは真空断熱材1の製造時に芯材から離れた場所で密封できるように必要な長さg[m]で製作されている。図6に本実施の形態1の包装材3の製作時の概略図を示す。本実施の形態1の包装材3は上記の方法で製作された包装材要素4の内側に図6に示すように接合治具7を配置し、包装材要素4の重ねしろ4aを重ねて継ぎ目を接合することで形成される。
本実施の形態1の包装材3を用いた真空断熱材1の製造方法について説明する。図7に真空断熱材1の製造時の概略図を示す。まず、真空槽8内の上治具9及び下治具10のそれぞれに芯材2の外面側の曲面に形成された包装材3および内面側の曲面に形成された包装材3を設置する。ここで、上治具9及び下治具10はそれぞれの包装材3と同一の曲面を有する立体形状に加工されている。上治具9及び下治具10は真空槽8内で上治具9及び下治具10の間に芯材2を挟み圧縮することで立体形状を保持する機能を有している。上治具9及び下治具10に包装材3を設置する方法としては吸着パッドによる吸着固定や両面テープによる粘着固定等の方法が挙げられるがこれらの方法に限定することはなく、真空槽8内で上治具9及び下治具10と包装材3とのズレまたは落下を防止できれば良い。
次に、包装材3を設置した下治具10の上に芯材2を配設し、上治具9及び下治具10で芯材2を挟み真空断熱材1の完成形状と同じ厚みまで芯材2を圧縮する。その後、真空装置11にて真空槽8内部を減圧し、既定の真空度に達した時点で包装材要素4の封止しろ4bとして形成された真空断熱材の外周部1aを熱溶着し、上下の包装材3の間に芯材2を密封する。
本実施の形態1の真空断熱材1は、包装材3が断熱対象の形状に合わせた真空断熱材の最終形状の立体形状の展開図から作製されているため成型加工が不要であり、成形加工による応力が発生することはなく、ガスバリア層に亀裂が生じ断熱性能及び信頼性を損なうことはない。また、成形加工により形状保持のしにくい包装材3の材料であっても立体形状を保持することができる。さらに、真空断熱材の最終形状の立体形状に合わせて包装材3が製作可能なことから、包装材3が芯材2の立体形状に追随しようとして包装材3の余剰部位が皺となってしまうことはない。したがって、断熱性能及び長期信頼性の向上が期待できる。また、芯材は連続した一体式の形状となっているため、曲面に対する自由度が大きく、断熱対象面との接触面積を広くできるため断熱性能の向上が期待できる。
以上、本実施の形態1の真空断熱材1の構成及び製造方法について説明した。なお、上記では本実施の形態1において立体形状が半球形状の場合について述べたが、半球形状に限らず断熱対象の形状に合わせた任意の立体形状とすることが可能である。また、本実施の形態1の包装材3の製作方法及び真空断熱材1の製造方法は上記の方法に限らず真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性を確保できる方法であれば良い。
実施の形態2.
図8に本実施の形態2による真空断熱材1を示す。実施の形態1の真空断熱材1では、重ねしろ4aは折り曲げずに隣り合う包装材要素4の重ねしろ4a同士を重ね合せて熱溶着などで接合したが、本実施の形態2の真空断熱材1では、包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aを曲面の外面となる側(外側)に折り曲げて接合している点で異なる。本実施の形態2の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態1の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。以下では本実施の形態2の包装材3の構成及び製作方法について説明する。
図8に本実施の形態2による真空断熱材1を示す。実施の形態1の真空断熱材1では、重ねしろ4aは折り曲げずに隣り合う包装材要素4の重ねしろ4a同士を重ね合せて熱溶着などで接合したが、本実施の形態2の真空断熱材1では、包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aを曲面の外面となる側(外側)に折り曲げて接合している点で異なる。本実施の形態2の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態1の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。以下では本実施の形態2の包装材3の構成及び製作方法について説明する。
本実施の形態2の真空断熱材1に使用する包装材3は曲面を有する立体形状の展開図から製作された複数枚の包装材要素12の重ねしろ12aを外側に折り曲げ重ね合わせて、熱溶着で接合することで構成されている。ここでは本実施の形態2において半球形状の包装材3の製作方法を例に説明する。図9(a)に本実施の形態2による半球形状の包装材3の側面図を示す。図9(b)に本実施の形態2による半球形状の包装材3を形成する包装材要素12の例を示す。包装材要素12は重ねしろ12a、封止しろ12b、頂点部12c、切り込み部12d及び切れ目12e(図10参照)を有している。本実施の形態2の包装材3は包装材要素12の重ねしろ12aを外側に折り曲げて重ね合わせて熱溶着し接合されている。
本実施の形態2の包装材3及び包装材要素12の製作方法について説明する。半径R[m]の半球形状の包装材3を重ねしろ12aの幅をc[m]、封止しろ12bの幅をf[m]としたn枚の包装材要素12で形成した場合を考える。図10に本実施の形態2の半球形状の包装材要素12の詳細図を示す。本実施の形態2の包装材要素12の内輪郭13は本実施の形態1の包装材要素4の内輪郭5と同様に製作されるためここでは説明を省略する。包装材要素12の外輪郭14は内輪郭13の接線からc[m]の距離の点を結ぶことで製作される。なお、包装材要素12の重ねしろ12aは、重ねしろ12aを折り曲げる際に包装材要素12にしわ、又はひずみ等の発生を抑制するため、包装材要素12の頂点部12cに切り込み部12dを設ける。包装材要素12の封止しろ12bは真空断熱材1の製造時に芯材から離れた場所で密封できるように必要な長さf[m]で製作されている。なお、包装材3の製作において封止しろ12bを形成する際に包装材要素12にしわ、又はひずみ等の発生を抑制するため重ねしろ12aと封止しろ12bとの間に切れ目12eを設ける。
図11に本実施の形態2の包装材3の製作時の概略図を示す。本実施の形態2の包装材3は上記の方法で製作された包装材要素12の内側に図11に示すように接合治具15を配置し、包装材要素12の重ねしろ12aを外側に折り曲げ、隣り合う包装材要素12の重ねしろ12a同士を突き合わせて重ね、接合して形成される。包装材3の外周部1aは隣接する包装材要素12の封止しろ12bの一部を重ね合わせて封止接合することで形成される。
本実施の形態2の真空断熱材1の重ねしろ12aは、目的や用途に応じて重ねしろ12aを接着剤やテープによる粘着固定等により真空断熱材1の表面形状に沿うように固定してもよい。ただし、重ねしろ12aの固定方法は前述の方法に限定されることはない。
本実施の形態2の真空断熱材1は実施の形態1が有する効果を備え、かつ重ねしろ12aを折り曲げてから重ね合わせて接合するので、実施の形態1の真空断熱材1に比べ容易に熱溶着をヒータ等の溶着装置をクランプして接合できるので、製造工数の削減が可能である。
以上、本実施の形態2の真空断熱材1の構成及び製造方法について説明した。なお、上記では本実施の形態2において立体形状が半球形状の場合について述べたが、半球形状に限らず断熱対象の形状に合わせた任意の立体形状とすることが可能である。また、本実施の形態2の包装材3の製作方法及び真空断熱材1の製造方法は上記の方法に限らず真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性を確保できる方法であれば良い。
実施の形態3.
図12に本実施の形態3による真空断熱材1を示す。上記した実施の形態2の真空断熱材1と比較すると実施の形態3による真空断熱材1では包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aを曲面の内面となる側(内側)に折り曲げて接合している点で異なる。本実施の形態3の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は実施の形態1の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。以下では本実施の形態3の包装材3の構成及び製作方法について説明する。
図12に本実施の形態3による真空断熱材1を示す。上記した実施の形態2の真空断熱材1と比較すると実施の形態3による真空断熱材1では包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aを曲面の内面となる側(内側)に折り曲げて接合している点で異なる。本実施の形態3の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は実施の形態1の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。以下では本実施の形態3の包装材3の構成及び製作方法について説明する。
本実施の形態3の真空断熱材1に使用する包装材3は曲面を有する立体形状の展開図から製作された複数枚の包装材要素12の重ねしろ12aを内側に折り曲げ重ね合わせて、熱溶着で接合することで構成されている。ここでは本実施の形態3において半球形状の包装材3の製作方法を例に説明する。図13に本実施の形態3による半球形状の包装材3の側面図を示す。本実施の形態3による半球形状の包装材3を形成する包装材要素は実施の形態2による包装材要素と構成及び製作方法が同様であるため説明を省略する。本実施の形態2の包装材3は包装材要素12の重ねしろ12aを内側に折り曲げて重ね合わせて熱溶着し接合されている。
本実施の形態3の包装材3の製作方法について説明する。図14に本実施の形態3の包装材3の製作時の概略図を示す。本実施の形態3の包装材3は接合治具15を用いて、包装材要素12の重ねしろ12aを外側に折り曲げて接合した後で、包装材3の天頂部をa1の方向に押し、包装材3の外周部1aをクランプ等の把持冶具16で把持しながらa2の方向に移動させ、包装材3を裏返すことで形成される。包装材3の外周部1aは包装材3を裏返した後で隣接する包装材要素12の封止しろ12bの一部を重ね合わせて封止接合することで形成される。
本実施の形態3の真空断熱材1の重ねしろ12aは、目的や用途に応じて重ねしろ12aを接着剤やテープによる粘着固定等により真空断熱材1の表面形状に沿うように固定してもよい。ただし、重ねしろ12aの固定方法は前述の方法に限定されることはない。
本実施の形態3の真空断熱材1は本実施の形態1が有する効果を備え、かつ重ねしろ12aを折り曲げてから重ね合わせて接合するので、本実施の形態1の真空断熱材1に比べ容易に熱溶着をヒータ等の溶着装置をクランプして接合でき、製造工数の削減が可能である。
以上、本実施の形態3の真空断熱材1の構成及び製造方法について説明した。なお、上記では本実施の形態3において立体形状が半球形状の場合について述べたが、半球形状に限らず断熱対象の形状に合わせた任意の立体形状とすることが可能である。また、本実施の形態3の包装材3の製作方法及び真空断熱材1の製造方法は上記の方法に限らず真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性を確保できる方法であれば良い。
実施の形態4.
図15に本実施の形態4の真空断熱材1の断面図を示す。本実施の形態4の真空断熱材1では包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aが、内面側および外面側いずれの側も芯材2の側、すなわち真空断熱材1の内部にある。内面側の包装材12は実施の形態2で説明した製造方法により製造し、外面側の包装材12は実施の形態3で説明した製造方法により製造する。本実施の形態4の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態2または本実施の形態3の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。
図15に本実施の形態4の真空断熱材1の断面図を示す。本実施の形態4の真空断熱材1では包装材3の包装材要素12の重ねしろ12aが、内面側および外面側いずれの側も芯材2の側、すなわち真空断熱材1の内部にある。内面側の包装材12は実施の形態2で説明した製造方法により製造し、外面側の包装材12は実施の形態3で説明した製造方法により製造する。本実施の形態4の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態2または本実施の形態3の真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。
本実施の形態4の真空断熱材1は実施の形態2及び本実施の形態3が有する効果を備え、かつ真空断熱材1の外部に重ねしろ12aが出ていないため、本実施の形態2及び本実施の形態3に比べ断熱対象等の真空断熱材1に接触する面に密接して配設できる。
実施の形態5
図16に本実施の形態5の真空断熱材1の包装材要素17の詳細図を、図17に本実施の形態5の重ねしろ17aの断面図を示す。上記した本実施の形態1から本実施の形態4と比較すると、本実施の形態5の真空断熱材1では包装材要素17の重ねしろ17aに包装材要素17の外縁に沿って粘着層18を追加している点で異なる。粘着層18は、重ねしろ17aの外縁に沿って、たとえば粘着テープを貼り付けて構成することができる。
図16に本実施の形態5の真空断熱材1の包装材要素17の詳細図を、図17に本実施の形態5の重ねしろ17aの断面図を示す。上記した本実施の形態1から本実施の形態4と比較すると、本実施の形態5の真空断熱材1では包装材要素17の重ねしろ17aに包装材要素17の外縁に沿って粘着層18を追加している点で異なる。粘着層18は、重ねしろ17aの外縁に沿って、たとえば粘着テープを貼り付けて構成することができる。
本実施の形態5の真空断熱材1に使用する包装材3は曲面を有する立体形状の展開図から製作された複数枚の包装材要素17の重ねしろ17aを重ね合わせて、粘着層18で貼り合わせて仮止めした後に熱溶着で接合することで構成されている。ここでは本実施の形態5において半球形状の包装材3の製作方法を例に説明する。本実施の形態5による半球形状の包装材3を形成する包装材要素17は本実施の形態1から実施の形態3のいずれかによる包装材要素と同様の製作方法で製作した包装材要素17の外縁に粘着層18を追加することで形成される。本実施の形態5における真空断熱材1の製作方法は本実施の形態1から本実施の形態4のいずれかと同様であるためここでの説明を省略する。
本実施の形態5の包装材3の製造方法について説明する。本実施の形態5の包装材3は包装材要素17の重ねしろ17aを粘着層18で貼り合わせて仮止めした後で重ねしろ17aを例えば熱溶着により接合することで形成される。その他の製造方法については本実施の形態1から本実施の形態4のいずれかと同様であるためここでの説明を省略する。
本実施の形態5の真空断熱材1は本実施の形態1から本実施の形態4のいずれかが有する効果を備え、かつ重ねしろ17aを予め粘着層18で貼り合わせて仮止めすることで重ねしろ17aの接合作業を容易にできる。
以上、本実施の形態5の真空断熱材1の構成及び製造方法について説明した。なお、上記では本実施の形態5において立体形状が半球形状の場合について述べたが、本実施の形態5は半球形状に限らず断熱対象の形状に合わせた任意の立体形状とすることが可能である。また、上記では粘着層18を包装材要素17の外縁に追加したが、重ねしろ17aの少なくとも一部に粘着層18を設けて仮止めができれば、粘着層18の追加方法は上記の方法に限定されず接合作業の作業性を改善できる方法であればよい。
実施の形態6.
図18に本実施の形態6の真空断熱材1を示す。本実施の形態6の真空断熱材1では包装材3の、重ねしろが接合されて継ぎ目となる部分に、気密性を確保できるよう、樹脂剤などのコーティング剤でコーティング部19を形成している。本実施の形態6の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態1から本実施の形態5のいずれかの真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。また、本実施の形態6のコーティング部19以外の包装材3の構成及び製造方法についても本実施の形態1から本実施の形態5のいずれかの真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。
図18に本実施の形態6の真空断熱材1を示す。本実施の形態6の真空断熱材1では包装材3の、重ねしろが接合されて継ぎ目となる部分に、気密性を確保できるよう、樹脂剤などのコーティング剤でコーティング部19を形成している。本実施の形態6の真空断熱材1のその他の構成及び製造方法は本実施の形態1から本実施の形態5のいずれかの真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。また、本実施の形態6のコーティング部19以外の包装材3の構成及び製造方法についても本実施の形態1から本実施の形態5のいずれかの真空断熱材1と同様であるためここでの説明を省略する。
本実施の形態6の真空断熱材1は本実施の形態2または本実施の形態3が有する効果を備え、かつ継ぎ目をコーティング部19でコーティングしているため、真空断熱材1の内部の気密性をより長期間保持できるので、真空断熱材1の断熱性能及び長期信頼性を確保できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 真空断熱材、1a 外周部、2 芯材、3 包装材、3a 表面保護層、3b ガスバリア層、3c 熱溶着層、4、12 包装材要素、4a、12a,17a 重ねしろ、4b、12b 封止しろ、5、13 内輪郭、6、14 外輪郭、7、15 封止冶具、8 真空槽、9 上治具、10 下治具、11 真空装置、12c 頂点部、12d 切り込み部、12e 切れ目、18 粘着層、19 コーティング部
Claims (10)
- 芯材が、ガスバリア層を有する包装材で被覆され密封された真空断熱材において、
前記芯材は、外面および内面が曲面形状である連続した所定厚みの部材であり、前記包装材は、重ねしろを有する複数の包装材要素が、隣り合う前記包装材要素が前記重ねしろで接合され、前記芯材の前記外面および前記内面を被覆していることを特徴とする真空断熱材。 - 前記重ねしろが、曲面形状である前記包装材の外面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 前記重ねしろが、曲面形状である前記包装材の内面側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 前記重ねしろが接合された部分が前記芯材の側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱材。
- 前記包装材の、前記重ねしろが接合されて継ぎ目となる部分がコーティング剤によりコーティングされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の真空断熱材。
- 真空断熱材の最終形状の立体形状の外面側の曲面、および内面側の曲面に形成するそれぞれの包装材の材料を、前記外面側の曲面および前記内面側の曲面のそれぞれの展開図にしたがって、周辺部に重ねしろを有する複数の包装材要素に切断する包装材要素形成工程と、
前記包装材要素を、隣り合う前記包装材要素の重ねしろ同士を重ねて接合し、前記外面側の曲面の包装材および前記内面側の曲面の包装材を形成する包装材形成工程と、
真空槽内で、前記外面側の曲面の包装材と前記内面側の曲面の包装材との間に芯材を配置し、前記芯材を所定の厚みまで圧縮したのち、前記真空槽の内部を減圧するとともに、前記外面側の曲面の包装材の外周部と前記内面側の曲面の包装材の外周部とを接合して、前記外面側の曲面の包装材と前記内面側の曲面の包装材との間に前記芯材を密封する芯材密封工程と
を備えたことを特徴とする真空断熱材の製造方法。 - 前記包装材形成工程において、前記重ねしろを前記包装材の曲面の外面となる側に折り曲げて、隣り合う前記包装材要素の前記重ねしろを突き合わせて接合することを特徴とする請求項6に記載の真空断熱材の製造方法。
- 前記包装材形成工程において、前記重ねしろを前記包装材の曲面の外面となる側に折り曲げて、隣り合う前記包装材要素の前記重ねしろを突き合わせて接合した後、前記曲面の前記外面が内面となり、前記曲面の内面が外面となるよう裏返すことを特徴とする請求項6に記載の真空断熱材の製造方法。
- 前記包装材形成工程において、前記重ねしろの一部に形成された粘着層により、隣り合う前記包装材要素同士を仮止めすることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の真空断熱材の製造方法。
- 前記芯材密封工程の後、前記重ねしろが接合されて継ぎ目となっている部分をコーティングするコーティング工程を備えたことを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の真空断熱材の製造方法。
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