JP6043153B2 - 複合フィルム - Google Patents
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Description
また、特許文献2(特開平7−42456)では、透明合成樹脂シートの間に網目状スペーサを備えた窓断熱用シートが提案されている。しかし、この方法は、ハニカム構造や網目構造により接触面積は小さくできるが、ハニカムや網目の空間に空気があり、この空気の対流によりかなりの熱が伝わってしまう。
(1)基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で備えており、
前記芯材(B)と前記透明フィルム(A)の少なくとも一部が接着されている、複合フィルム。
(2)基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で備えており、
前記芯材(B)と前記透明フィルム(A)とが全面に亘って接着されており、透明フィルム(A)と芯材(B)の網目状構造とで区切られた各小室が真空状態になっている、複合フィルム。
(3)芯材(B)と透明フィルム(A)とがヒートシールにより接着されている、(1)又は(2)に記載の複合フィルム。
(4)芯材(B)がヒートシール性の素材(b1)から構成される、(1)〜(3)のいずれか1に記載の複合フィルム。
(5)素材(b1)が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又はポリアミド系樹脂から選択される、(4)に記載の複合フィルム。
(6)芯材(B)が接着層(b2)を有する、(1)〜(5)のいずれか1に記載の複合フィルム。
(7)接着層(b2)は、ヒートシール性を有する接着性樹脂又は反応によって硬化する接着性樹脂を含む、(6)に記載の複合フィルム。
(8)芯材(B)の厚みが0.3mm〜3mmである、(1)〜(7)のいずれか1に記載の複合フィルム。
(9)透明フィルム(A)が熱溶着層を有する、(1)〜(8)のいずれか1に記載の複合フィルム。
(10)基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で重ねて予備積層品を得る工程、
前記予備積層品の周縁部を接着し、その後、当該予備積層品の中央部を真空状態とする工程、及び
その後、当該予備積層品の全面に亘って芯材(B)と透明フィルム(A)とを接着する工程、を含む、複合フィルムの製造方法。
(11)芯材(B)と透明フィルム(A)とがヒートシールにより接着される、(10)に記載の複合フィルムの製造方法。
に存する。
本発明における透明フィルム(A)は、基材とガスバリア層とを含む。
図1(a)に、基材(11a)とガスバリア層(11b)を有する透明フィルム(A)の概略図を示す。
また、本発明においては、基材は、同種又は異種のプラスチックフィルムからなる2層以上の構成であってもよい。また、遮光性を上げるため、顔料を配合したり、塗料等でコーティングして着色した基材を用いてもよい。更に、基材中に紫外線吸収剤を配合してもよい。
基材の厚みとしては、50〜500μm程度であることが好ましい。
図1(b)に、基材(11a)、ガスバリア層(11b)及び熱溶着層(11c)を有する透明フィルム(A)の概略図を示す。
本発明における芯材(B)は、網目状構造を有し、透明フィルム(A)と接着可能な芯材である。
ここで、網目状構造は、所謂メッシュ状構造を含み、例えば、格子状、ハニカム状、丸孔や三角孔等の貫通孔が網目状に多数穿設された構造を包含する。網目状構造が多数の孔を有する場合は、これらの孔によって、透明乃至半透明程度の光透過性を確保できることから、芯材(B)自体は、必ずしも透明でなくてもよい。
また、芯材の断面の形状は、円、楕円、四角(正方形、長方形等)、六角形などの形状が挙げられるが、これらに限定されない。
ヒートシール性を有する接着性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー系樹脂等のポリオレフィン系接着樹脂、ポリウレタン系接着樹脂、アクリル系接着樹脂、ゴム系接着樹脂等が挙げられる。また、反応によって硬化する接着性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の熱硬化性接着樹脂、或いは、紫外線、電子線等のエネルギー線硬化型の接着性樹脂が挙げられる。
芯材(B)が接着層(b2)を有する場合には、芯材自体は接着性を有していても有していなくてもよい。
芯材に接着層を形成させる方法として、接着層を構成する接着性樹脂の塗料をディッピング、はけ塗り、スプレー塗布、あるいは、ロールコート等により芯材に塗布する方法等を用いることができる。
また、中空の場合は、例えば、円筒や四角形の筒を、間隔を空けて多数並べ、これと直行する方向に同様に間隔を空けて多数並べてこれらを重ね合わせ、筒の表面を融着させて芯材(B)を形成することができる。中空の場合には、芯材(B)の内部に空気があることで、断熱性を更に高めることができる。また、芯材(B)の中空部を真空にすることも可能である。
本発明の一つの実施形態は、基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で備えており、芯材(B)と透明フィルム(A)の少なくとも一部が接着されている、複合フィルムである。
本発明において、芯材(B)と透明フィルム(A)の少なくとも一部が接着されている態様の例として、透明フィルム(A)2枚と芯材(B)を重ねて得られる積層品(以下「予備積層品」とも言う。)の周縁部の全て又は一部が接着されている場合が挙げられる。
芯材(B)と透明フィルム(A)との接着は例えばヒートシールが挙げられる。
ここで、本発明の複合フィルムにおいては、(1)透明フィルム(A)と芯材(B)の大きさが略同じである場合、(2)芯材(B)が透明フィルム(A)より大きい場合、(3)透明フィルム(A)が芯材(B)より大きい場合、のいずれも包含される。(1)及び(2)の場合は、芯材(B)と透明フィルム(A)が前記周縁部において接着されており、(3)の場合は、透明フィルム(A)同士が前記周縁部において接着されている。
芯材(B)と透明フィルム(A)との接着は例えばヒートシールが挙げられる。
本発明のこの実施形態においては、芯材(B)と透明フィルム(A)とが全面に亘って接着されており、芯材(B)の各網目状構造の側面側の壁と芯材(B)の上下に積層された透明フィルム(A)で区切られ封入された小室中の空間が真空状態となっている。これにより、高い断熱性が得られるとともに、複合フィルムを任意の場所で裁断しても、各小室は封入されているため裁断された小室以外では真空が破れることがない。従って、本発明の複合フィルムは、断熱性を付与したい窓や壁などの大きさや形状に合わせて裁断することができるため、有用性が非常に高い。
図3−3は、芯材(12)を挟んでその上面及び下面から透明フィルム(11)を重ねて配置し(図3−1も参照)、芯材(12)と透明フィルム(11)とが全面に亘って接着された複合フィルムを示している。図3−3では、透明フィルム(11)と芯材(12)を重ねて得られた予備積層品の周縁部の全ての辺も接着されている。
また、図3−3のA−A又はB−Bの断面図を図4で示す。透明フィルム(11)と芯材(12)が接触している部分(13)が接着されており、また、上下の透明フィルム(11)と芯材(12)の側面側の壁で囲まれた空間に小室(14)が形成されており、当該小室内は真空状態となっている。図5は、この小室(14)の斜視図を拡大した図である。なお、図5では、簡略化のため、透明フィルム(11)が小室の上下面のみに配置されているように記載されているが、実際は、透明フィルムは芯材の上下にも配置されており、ヒートシール等の接着により芯材(12)と接着している。
本発明の製造方法は、基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で重ねて予備積層品を得る工程、前記予備積層品の周縁部を接着し、その後、当該予備積層品の中央部を真空状態とする工程、及び、その後、当該予備積層品の全面に亘って芯材(B)と透明フィルム(A)とを接着する工程、を含む。
芯材(B)と透明フィルム(A)との接着は例えばヒートシールが挙げられる。
次に、予備積層品の周縁部の一部(図3−2では、3辺)を加熱・加圧して透明フィルム(11)と芯材(12)同士を溶着させて接着する。なお、透明フィルムの大きさが芯材よりも大きい場合は、周縁部の透明フィルム同士を溶着させて接着することができる。この場合、ドライヤー等の温風器を用いて、あるいは温風乾燥機内で温風を必要な部分のみに導くことにより加熱して溶着させることも可能である。
次に、接着していない周縁部から、複合フィルムの内部を真空になるように減圧する。そして、減圧されたら、透明フィルム(11)と芯材(12)、及び残りの1辺を接着する。このようにして透明複合フィルム20が完成することになる。
本発明において、減圧する手段として、真空ポンプ等を使用することができる。また、真空度は、好ましくは1Pa(パスカル)以下である。
11 透明フィルム
11a 基材
11b ガスバリア層
11c 熱溶着層
12 芯材
13 透明フィルムと芯材が接着された部分
14 小室
Claims (11)
- 基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で備えており、
前記芯材(B)と前記透明フィルム(A)の少なくとも一部が接着されており、前記ガスバリア層が金属酸化物からなる透明蒸着層である、複合フィルム。 - 基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で備えており、
前記芯材(B)と前記透明フィルム(A)とが全面に亘って接着されており、透明フィルム(A)と芯材(B)の網目状構造とで区切られた各小室が真空状態になっており、前記ガスバリア層が金属酸化物からなる透明蒸着層である、複合フィルム。 - 芯材(B)と透明フィルム(A)とがヒートシールにより接着されている、請求項1又は2に記載の複合フィルム。
- 芯材(B)がヒートシール性の素材(b1)から構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合フィルム。
- 素材(b1)が、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂又はポリアミド系樹脂から選択される、請求項4に記載の複合フィルム。
- 芯材(B)が接着層(b2)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合フィルム。
- 接着層(b2)は、ヒートシール性を有する接着性樹脂又は反応によって硬化する接着性樹脂を含む、請求項6に記載の複合フィルム。
- 芯材(B)の厚みが0.3mm〜3mmである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合フィルム。
- 透明フィルム(A)が熱溶着層を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の複合フィルム。
- 基材とガスバリア層とを含む透明フィルム(A)と、網目状構造を有する接着可能な芯材(B)とを、A/B/Aの順で重ねて予備積層品を得る工程、
前記予備積層品の周縁部を接着し、その後、当該予備積層品の中央部を真空状態とする工程、及び
その後、当該予備積層品の全面に亘って芯材(B)と透明フィルム(A)とを接着する工程、
を含み、前記ガスバリア層が金属酸化物からなる透明蒸着層である、複合フィルムの製造方法。 - 芯材(B)と透明フィルム(A)とがヒートシールにより接着される、請求項10に記載の複合フィルムの製造方法。
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