JP2017197769A - スラリ状塗材の製造方法及び被補強構造物の補強方法 - Google Patents

スラリ状塗材の製造方法及び被補強構造物の補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】単繊維間の膠着・交絡を実質的に排除したガラス単繊維を液状塗材に均一に分散させてスラリ状塗材を製造する方法と、それを用いた被補強構造物の補強方法とを提供する。
【解決手段】ガラス単繊維塊よりガラス単繊維を掻き取り、実質的完全に1本1本に開繊し、塗材液面に指向させてその粘着性によりガラス単繊維を塗材液面Pに捕捉させ、混合により塗材中に分散する。製造したスラリ状塗材は、被補強構造物の表面に塗布して固化させることで、被補強構造物の補強に利用する。
【選択図】図6

Description

本発明は建物内外の壁面、天井、床、屋上等の補修・強化部材、補修・強化のためのスラリ状塗材の製造方法及びこの塗材を用いて被補強構造物の補強を行う方法に関するものである。
ガラス繊維チョップドストランドは固化する以前のプラスチック液状物、例えば、アクリル系塗料やウレタン系塗料に補強材として混合分散させ、強化膜を構成することは行われている(特許文献1及び2等)。
ガラス繊維チョップドストランドは紡糸された1本1本が10μmと細くフィラメント数が200〜1,000本等といった本数のガラス繊維マルチフィラメントに集束剤を付与してロールに巻き取り、ロールから引き出されたガラス繊維マルチフィラメントを15mmといった長さに切断して作られたものである。そのため、ガラス繊維チョップドストランド1片を構成するガラス単繊維は1本のストランドを構成するフィラメント本数分のガラス単繊維が集束剤により相互に一体に固着されている。
これによりガラス単繊維と塗料との接触面積が大きくできず、ガラス単繊維と塗料との十分な一体化が行われず、特に塗膜の場合は強化層がそれほど厚くできないため、十分な補強が得られない。また固化後の塗膜面にガラス繊維チョップドストランド片による凹凸が残り、見栄えが良くない。加えて塗膜自体も柔軟性に欠けるため、コンクリート等の被強化面の表面に対する微妙な凹凸に対する追従性に欠ける。この点でも、被強化面に対する一体性、即ち、塗膜による強化機能も不十分であった。
本出願人はこの問題点に早くから気づいており、これに対処すべく、ガラス繊維チョップドストランドをトルエンやスチレンなどの有機溶媒に浸漬することで、ガラス繊維チョップドストランドより集束剤を除去してガラス単繊維とし、これを塗料に混合分散させる技術を提案している(特許文献3)。
なお、ガラス繊維チョップドストランドより集束剤を除去することによりガラス単繊維とし、これを補強材とするセメントスラリについても提案されている(特許文献4)。
特開平1−218666号公報 特開2004−27221号公報 特開2001−89265号公報 特開昭52−049236号公報
従来技術において、ガラス繊維チョップドストランドからの集束剤の除去は特許文献2若しくは3に記載のようにガラス繊維チョップドストランドを有機溶媒に浸漬(必要あれば攪拌)させることにより行われる。浸漬により集束剤は有機溶媒に溶解され、ガラス繊維チョップドストランドからの集束剤の除去はほぼ完全に行うことができる。
しかしながら、有機溶媒への浸漬によりガラス繊維チョップドストランドから集束剤を除去しても、有機溶媒への浸漬による集束剤の溶解除去だけではガラス単繊維1本1本に完全に分離されるわけではなく、ガラス単繊維同士間に部分的に膠着若しくは交絡した状態が残り、ところどころ毛玉状を呈してさえしている。
膠着・交絡状態の或いは毛玉状のガラス単繊維をアクリル系塗料やウレタン系塗料に混合して使用すると、劣化コンクリート構造物などの被強化物に塗布乾燥後の塗膜におけるガラス単繊維との密着(皮膜強度)がいまだ不十分である。また、ガラス単繊維が完全に1本1本になっているとは言えないため塗膜の柔軟性も不足し、その結果劣化コンクリート構造物表面の微妙な凹凸に追従し得ず、劣化コンクリート構造物などの被強化物に対するガラス単繊維含有塗膜による所期の補強が行い得なかった。
本発明者は、有機溶媒への浸漬によりガラス繊維チョップドストランドから集束剤を除去したガラス単繊維間に部分的に残留するガラス単繊維間の膠着・交絡が劣化コンクリート等の補強対象物の補強強化の障害の主因となっていることを突き止め、鋭意検討した結果、ガラス繊維チョップドストランドから集束剤を除去したガラス単繊維に残留するガラス単繊維間の膠着・交絡を実質的完全に排除し、ガラス単繊維1本1本に完全に開繊することに成功し、本発明に到達したものである。
この発明は、ガラス単繊維を液状塗材に分散させてなるスラリ状塗材の製造方法であって、ガラス単繊維が塊状又は束状になったガラス単繊維塊又はガラス単繊維束からガラス単繊維を掻き取りつつ攪拌中の液状塗材の表面に付着させ、この液状塗材の表面に付着したガラス単繊維を液状塗材の攪拌によりこの液状塗材中に分散させる方法である。
この発明では、ガラス単繊維が塊状又は束状になったガラス単繊維塊又はガラス単繊維束からガラス単繊維束を掻き取りつつ、このガラス単繊維束を開繊してガラス単繊維を液状塗材の表面に付着させるのがよい。
また攪拌中の液状塗材は、液状塗材槽内で周方向に循環させるとともに、塗材表面で中心から外周部へ向かい且つ外周部において底部に向かう流れを形成して縦方向及び径方向に循環させるのが好適である。
さらに液状塗材の粘度は20,000mPa・s〜80,000mPa・sであってもよい。またガラス単繊維の太さは3μmから30μmであっても適用できる。
この発明の被補強構造物の補強方法は、上記のような方法により製造されたスラリ状塗材を、被補強構造物の表面に塗布して固化させる方法である。
この発明のスラリ状塗材の製造方法では、ガラス単繊維が塊状又は束状になったガラス単繊維塊又はガラス単繊維束からガラス単繊維を掻き取り、実質的に1本1本に開繊されたガラス単繊維を得て、攪拌中の液状塗材の表面に指向させている。1本1本に開繊されたガラス単繊維は、液状塗材にその表面にて粘着捕捉させることができ、攪拌により液状塗材中に効率的にかつ均一に分散させ、スラリ状塗材に調製することが可能である。
この発明によれば、液状塗材に混合分散されるガラス単繊維が、実質的完全に1本1本に分離された状態でポリウレタン塗材等の液状塗材に混合される。そのため、個々のガラス単繊維と液状塗材との間に最大限の接触面積が得られ、塗膜として固化したときのガラス単繊維との一体性を最大限得ることができ、ガラス単繊維混入による所期の強度増加を得つつ塗膜の柔軟性を損なうことがない。そのため、劣化コンクリートといった被補強物の表面の凹凸に追従して塗膜を被補強物の表面に密着させることができ、塗膜により最大限の補強効果を得ることができる。
図1はこの発明のスラリ状塗材の製造装置の概略を一部断面にて示す側面図である。 図2はこの発明のスラリ状塗材の製造装置の概略面図である。 図3はこの発明の供給筒から開繊装置にかけてのガラス単繊維塊供給及び開繊機構部を概略的に示す斜視図である。 図4はこの発明の供給筒下部から開繊装置にかけての部位を概略的に示す断面図である。 図5は図4における開繊装置を構成する第1及び第2の回転体の平面図である。 図6は図4における第1及び第2の回転体の協働部分の拡大図であり、この発明における開繊動作を極度に模式化して説明するものである。 図7はカートリッジ式のガラス単繊維塊供給装置の断面図である。 図8はカートリッジ式のガラス単繊維塊供給装置の平面図である。
本発明は、同一出願人に係る前掲特許文献3と特に関連している。この特許文献3の技術では、ガラス繊維チョップドストランドより溶剤にて紡糸集束剤を除去したものを液状塗材中に分散混合させ、建物の表面補修用のスラリ状塗材としたものである。
チョップドストランドは3mmから20mmといった長さにカットされてはいるが、ガラス繊維フィラメントの紡糸工程時に紡糸ノズル直下で付与される集束剤はそっくりそのまま残留しているため、チョップドストランド1片は剛直な棒状の状態を呈している。剛直な棒状のままでは、塗膜表面が円滑とならず、建物の表面補修用に被処理物表面に薄い補強皮膜を形成する場合に不適であり、特許文献3の技術では、チョップドストランドを溶剤処理することにより集束剤を除去し、これを塗材と混合・分散しスラリ状塗材としていたものである。
集束剤の除去により、チョップドストランドの剛直性は相当に弱められるが、ガラス単繊維同士の部分的な膠着・交絡は残留しており、完全に1本1本のガラス単繊維に分離しているわけではない。より理想的な建物補修のため、本発明者が鋭意検討の結果、集束剤を除去したガラス単繊維同士の部分的な膠着・交絡を実質的に完全に除去し1本1本に開繊し、これを液状塗材に混合し、ガラス単繊維を分散させたスラリ状塗材を塗布して得られた塗膜により理想的な補強効果を発揮させるために必要なことを解明し、本発明に至ったものである。
本発明における液状塗材としてはアクリル系やウレタン系塗材が好ましく、これらの塗材は粘稠な性状を呈しており、粘度としては50,000mPa・s前後が最適であり、好適範囲として挙げれば20,000mPa・s〜80,000mPa・sである。
本実施形態では集束剤除去後のガラス単繊維を実質的に1本1本となるように開繊し、開繊されたガラス単繊維の流れを攪拌中の液状塗材の表面に指向させ、ガラス単繊維を塗材表面にその粘着性にて付着・捕捉させ、塗材の攪拌によりガラス単繊維を塗材中に混合・分散させ、スラリ状塗材とするものである。
図1−図3は、本実施形態によるスラリ状塗材の調製方法を実施するための装置の全体を略示しており、10はアクリル系塗材やウレタン系塗材等の液状塗材を収容する液状塗材槽、11は液状塗材の液面監視用のセンサ、12は液状塗材槽10における液状塗材の攪拌手段、13は支柱、14は開繊工程に供される集束剤除去処理後のガラス単繊維塊の中間供給筒、15はガラス単繊維の開繊装置、16はガラス単繊維塊の押圧シリンダを示す。ガラス単繊維塊の供給筒14の上方には回転カートリッジ式の繊維塊供給装置17が配置される。回転カートリッジ式の繊維塊供給装置17の構成については後述する。
攪拌手段12は液状塗材槽10に収容したアクリル系塗材やウレタン系塗材等の液状塗材の攪拌を行うものであり、回転軸12−1と回転羽根12−2とを備え、回転軸12−1は図示しない回転駆動モータにベルト連結される。回転羽根12−2は2枚羽根の軸流スクリュー型のものが図示されている。
図1の液状塗材槽10中矢印に示すように液状塗材槽10に収容された液状塗材の底部中心から上方、塗材表面から外周、外周部において底部に向かい、回転羽根12−2に循環する縦方向及び径方向(勿論円周方向も)の塗材の循環流を構成する。そして後述のように、塗材表面に吹き付けられてその粘性によって貼り付けられたガラス単繊維を液状塗材と均一混合・分散し、ガラス単繊維を液状塗材中に均等分散させ、スラリ状塗材とすることができる。
2枚羽根の代わりに3枚羽根の軸流スクリューでも良いし、アクリル系塗材やウレタン系塗材の粘稠な液状塗材に適したものとしてアンカー翼やリボン翼のものも同様に採用することができる。回転羽根12−2の回転速度としては300〜1,400回転/分程度であるがスラリは中心軸で1,000回転/分とすると、外周で150回転/分に減じている。
図4は供給筒14に充填された、ガラス繊維チョップドストランドを紡糸集束剤を除去すべく溶剤に浸漬・乾燥後のガラス単繊維塊を開繊装置15にて開繊し、液状塗材の表面に付着させるための本発明の構成が模式的に示される。
ガラス繊維チョップドストランドは、この実施形態では、フィラメント本数200で単一フィラメント径10μmのガラス繊維マルチフィラメントを13mmの長さにカットしたものである。紡糸ノズルからのマルチフィラメントには紡糸ノズル直下において集束剤が付与されているため、1片のチョップドストランドを構成する個々のガラス単繊維は一体に膠着されており、チョップドストランドは柔軟性は全く欠如した性状のものである。
チョップドストランドから個々のガラス単繊維とするため特許文献3に記載のようにチョップドストランドはトルエンのような溶剤中に浸漬される。すると、チョップドストランドから集束剤成分が溶剤に溶解され、チョップドストランドから集束剤を実質的に完全に除去することができる。この状態でも単一フィラメント径10μmという個々のガラス単繊維の柔軟性は顕現され、特許文献3に開示したようにウレタン系塗材中に分散させスラリ状とすることで、コンクリートといった凹凸ある表面に塗布した場合において凹凸ある表面に追従させたガラス繊維強化皮膜を構成することは一応は可能である。
しかしながら、溶剤に対しチョップドストランドを浸漬するのみでは、ガラス単繊維同士の部分的な膠着・交絡はどうしても残留し、ガラス単繊維同士の部分的な膠着・交絡部分は極端な場合は毛玉状を呈することもあり、紡糸集束剤を除去しただけのガラス単繊維は完全に一本一本に分離した状態にはなっていない。
本実施形態では、図4の構成により、チョップドストランドからの溶剤除去後のガラス単繊維を実質的に完全に1本1本となるように開繊し、開繊されたガラス単繊維を塗材中に均等分散させることでより理想的なスラリ状態に調製することを意図とするものである。
本実施形態による開繊及び開繊されたガラス単繊維の塗材表面への供給方法についてより詳細に説明すると、図4において、供給筒14にはガラス繊維チョップドストランドを溶剤に浸漬し集束剤を溶解せしめた後のガラス単繊維が収容される。ガラス単繊維は塊状(ガラス単繊維塊をGにて表す)又は束状をなして供給筒14に充填されている。供給筒14でのガラス単繊維塊は重量0.6kg〜0.8kgが約4リットル中に充填されている。また、ガラス単繊維塊の連続供給のため、供給筒14の上端側には後述のピストン等のガラス単繊維塊の供給用加圧装置としての押圧シリンダ16(図3)が設置されている。
図4の開繊装置15は供給筒14の下方に設置されており、上側に位置する第1回転体18(本実施形態の繊維束掻取部材)と、第1回転体18の斜め下に位置する第2回転体20(本実施形態の繊維束係合部材)とを備える。
図5に示すように、第1回転体18は、回転軸18−1上に多数のディスク18−2を図示しない周知の周り止め用のキー(図4にキー収容のためディスク18−2に設けられるキー溝18−2Aが示される)を嵌挿して構成され、隣接するディスク18−2間にスペーサ18−3が嵌挿され、隣接するディスク18−2間に所定の隙間18−4が残されるようにされる。
このディスク18−2とスペーサ18−3との回転軸18−1上の交互配列は両端よりねじ式等の締結具18−6,18−8により締結されることで、第1回転体18として組み立てられる。個々のディスク18−2は図4に示すように外周に円周方向に等間隔をなして突起部18−2Bを備え、突起部18−2Bは回転方向(矢印a)の前面18−2B’がスムースに湾曲しつつ尖端部18−2Cまで延びている。
第1回転体18は回転軸18−1上に多数のディスク18−2を軸方向に間隔をおいて構成しているため、突起部18−2Bは円周方向のみならず軸方向にも間隔をおいて配置され、換言すれば、第1回転体18はその外周面において円周方向及び軸方向の突起部18−2Bの列を備えることになる。
ここに第1回転体18の回転方向aは図4の時計方向であり、機能的には後述のように供給筒14のガラス単繊維塊からガラス単繊維を束状に掻き取り、掻き取られたガラス単繊維束を供給筒14内において第2回転体20に向け移送する方向である。
第2回転体20の構造は第1回転体18と基本的には同様であり、図5に示すように、回転軸20−1上に多数のディスク20−2をキー(キー溝を図4に20−2Aにて示す)により周り止め可能に嵌挿して構成され、隣接するディスク20−2間にスペーサ20−3が嵌挿され、隣接するディスク20−2間に所定の隙間20−4が残されるように構成している。そして、個々のディスク20−2は図4に示すように外周に円周方向に等間隔をなして突起部20−2Bを備える。
第2回転体20のディスク20−2における突起部20−2Bは第1回転体18のディスク18−2の突起部18−2bとは形状が異なり、殆ど対称形状の回転方向の前面及び後面を有しているが、回転方向(矢印b)における前面において突起部20−2Bにおける尖端部20−2Cの少し内径側に窪み部20−2Dを形成している。
ここに、第2回転体20の回転方向bは図4の反時計方向(第1回転体18の回転方向aと反対方向)であり、第1回転体18により運ばれてきたガラス単繊維束を開繊し、開繊されたガラス単繊維を遠心力下で塗材液面に吹き付ける方向である。
第1回転体18と同様に第2回転体20は回転軸20−1上に多数のディスク20−2を軸方向に間隔をおいて構成しているため、突起部20−2Bは円周方向のみならず軸方向にも間隔をおいて配置され、換言すれば、第1回転体18と同様第2回転体20もその外周面において円周方向及び軸方向の突起部20−2Bの列を備えることになる。
図4に示すように、第2回転体20は第1回転体18に近接して斜め下方に配置される。そして、図5に示すように第1回転体18の隣接するディスク18−2間の隙間18−4に対して第2回転体20のディスク20−2の突起部20−2Bが延出し、逆に、第2回転体20の隣接するディスク20−2間の隙間20−4に対して第1回転体18のディスク18−2の突起部18−2Bが延出し、換言すれば、第1回転体18のディスク18−2と第2回転体20のディスク20−2とは軸方向に沿って突起部18−2B及び20−2Bを交互に相手方に向け突出し合うように位置する。
図5のA部拡大図に示すように第1回転体18と第2回転体20とでディスク18−1,20−1の対向面間に隙間(軸方向隙間)δが残され、この軸方向隙間δの大きさは0.03〜0.06mmの大きさであり、後述の開繊作用にて説明するように、開繊時にこの軸方向隙間δをガラス単繊維が通過し、第1回転体18と第2回転体20との大きな速度差により軸方向隙間δにおいてガラス単繊維は強い開繊作用を受け、ガラス単繊維の膠着や交絡を解除し、ガラス単繊維は1本1本に開繊される。
他方、第1回転体18の突起部18−2Bの先端18−2Cと第2回転体20の対向面(スペーサ20−3)との間及び第2回転体20の突起部20−2Bの先端18−2Cと第1回転体18の対向面(スペーサ18−3)との間は第1、2の回転体18,20の相互の回転のため無接触で隙間は均等に0.5mm程度に設定される。
図3には第1回転体18及び第2回転体20の駆動部が模式的に示され、第1回転体18の回転軸18−1の端部に従動プーリ22がベルト23により回転駆動軸24上の駆動プーリ25に連結される。回転駆動軸24は図示しないインバータ式等の回転数制御可能式の第1回転体駆動モータに連結される。他方、第2回転体20の回転軸20−1も図示しないインバータ式等の回転数制御可能式の第2回転体駆動モータ(ボックス26内に設置される)に連結される。
第1、2の回転体18,20の独立駆動により回転体18,20間の所期の回転速度差(第1回転体18の回転速度<<第2回転体20の回転速度)が適宜得られるようにされる。第1回転体18と第2回転体20との回転速度差は、例えば、第1回転体18を50〜130回転/分としたとき第2回転体20を1,500〜3,000回転/分とする程度であり、速度比としては20〜30程度である。第1回転体18及び第2回転体20の回転速度は所期の開繊のためには微妙な調整が必要であり、このような独立駆動構成が好適である。
次に、開繊装置15による開繊動作を説明すると、ガラス単繊維は塊状をなして供給筒14に充填されている。第1回転体18は図4において矢印a方向に回転し、この回転方向aは供給筒14に充填された繊維塊Gの下面に作用して繊維塊Gの下面より繊維束を掻き取る。
掻き取られた繊維束を供給筒14の底部において(供給筒14から外にこぼすことなく)第2回転体20に向けて供給する。即ち、第1回転体18を構成するディスク18−2の突起部18−2Bの回転方向前面18−2B’が回転方向と反対方向に湾曲した形状をなすことから、矢印a方向の回転は繊維塊Gと係合するとき、ガラス単繊維を束状に掻き取り、ガラス単繊維束は突起部18−2Bに係合したまま供給筒14の底面に沿って矢印方向aの回転により第2回転体20の方向に移送される。
第1回転体18と第2回転体20とは図5を参照して説明するようにそのホイール18−2,20−2の突起部18−2B,20−2B同士が互いに入り込み合う位置関係にあり、第1回転体18のホイール18−2の突起部18−2Bに係合することにより掻き取られたガラス単繊維束は、第1回転体18の隣接するホイール18−2間の隙間18−4において回転(矢印b方向)する第2回転体20の突起部20−2Bに係合する。
第1回転体18に対する第2回転体の高速による突起部18−2B及び突起部20−2B間の大きな速度差故に、第1回転体18の突起部18−2Bに保持された繊維束は隙間20−4の部位に次々と入って来る第2回転体20の突起部20−2Bとの係合による強烈な開繊作用を受け、繊維束におけるガラス単繊維間の膠着・交絡は解除され、ガラス単繊維は1本1本に開繊される。
開繊されたガラス単繊維は高速回転する第2回転体20の遠心力により飛散されつつ大方接線方向に矢印Fのように噴出され、液状塗材の塗材表面Pに指向される。塗材表面に吹き付けられることによりその粘性によって貼り付けられる。
そして、上述のように液状塗材は攪拌羽根12−2により攪拌を受けているため、塗材表面に貼り付けられたガラス単繊維は液状塗材と均一混合・分散し、ガラス単繊維を液状塗材中に均等分散させ、スラリ状塗材とすることができる。
液状塗材槽10における塗材液面Pは開繊装置15との接触は不可であるが、あまり離れてしまうと、開繊装置15からの開繊されたガラス単繊維流Fの速度が低下し、好ましくなく最適な液面位置に維持する必要がある。そのため、塗材液面Pの監視のためのセンサ11が設置されている(図1参照)。
図6は開繊装置15による上記説明の開繊作用をより分かりやすくなるように極度に模式化して示すものである。集束剤溶解除去後のガラス単繊維塊から第1回転体18の突起部18−2Bにより掻き取られかつ保持されつつ第2回転体20との会合部位まで低速aにて運ばれてきた繊維束をfにて示す。集束剤は溶解除去されていても繊維束fには部分的な膠着や交絡が残っており、完全には1本1本に分離された状態にはない。
第2回転体20の突起部20−2Bは高速bにて突起部18−2B間の狭い隙間18−4(図5)に入り(第1回転体18の突起部18−2Bは突起部20−2B間の隙間20−4に入る)、突起部18−2Bに保持された繊維束fに高速回転する突起部20−2Bに、特にその回転方向前面の凹部20−2Dを中心に、係合される。突起部18−2Bに対する突起部20−2Bの圧倒的な速度差によって一つの突起部18−2Bに保持された繊維束fは次々と回転して来る突起部20−2Bと係合される。
このように突起部18−2B及び20−2B間の隙間で生ずる一つの突起部18−2Bに保持された繊維束fに対する突起部20−2Bの次から次ぎへの係合は対向面間の隙間δが狭いこともあって、一つの突起部18−2Bに保持された繊維束fに対する強烈な開繊作用となり、最終的には完全に1本1本に分離されたガラス単繊維f´となる。
突起部20−2Bを離れると、第2回転体20の遠心力により飛散しながら液状塗材面Pを指向する完全に開繊されたガラス単繊維の流れFとなる。
第1回転体18における突起部18−2B及び第2回転体20における突起部20−2Bは円周方向及び軸方向列として構成されているため、供給筒14からの繊維塊をくまなく開繊装置15による開繊作用を受けさせることができる。即ち、図3に示すように供給筒14は上端部は円形断面であるが、下端部は矩形断面を呈しており、供給筒14における繊維塊にことごとく開繊作用を受けさせるため、第1回転体18及び第2回転体20はその繊維塊掻き取り機能及び開繊機能を達成するディスク18−2,20−2の設置部分の軸長は開繊装置の軸方向に沿った供給筒14の幅に準じたものとなっている。
そして、図4に示すように供給筒14は第2回転体20側の側面14−1が第1回転体18側に曲折され、第1回転体18と第2回転体20との会合部は狭隘なスロート部21を形成し、スロート部21の下方に第2回転体20が位置している。そのため、供給筒14内のガラス単繊維塊は第1回転体18による掻き取り作用を受けた後、第2回転体に20に効率的に引き渡され、開繊が行われ、塗材面に指向される開繊されるガラス単繊維の高速流F(図4及び図6)が形成される。
第1回転体18及び第2回転体20の回転速度差如何であるが、処理速度は第1回転体18の回転速度に依存し、開繊効率は第1回転体18に対する第2回転体20の速度比に依存する。しかし、過大な速度比は繊維に対する過大な損傷が懸念されることから、所望の処理速度及び開繊が得られるように適宜決定する必要がある。供給筒14内におけるガラス単繊維塊の密度(繊維塊重量/体積)を0.2とした場合、第1回転体18の速度を約100rev/min、第2回転体20の速度を約2,500rev/minとするのが概ね妥当であった。
上記のように開繊装置15により1本1本に開繊されたガラス単繊維は第2回転体20の高速回転による遠心力下で図4及び図6の矢印Fのように塗材液面Pに吹きつけられる。塗材はその粘度が50,000mPa・s前後といった粘稠な性状のものであるため、塗液面にその粘性下で捕捉され、塗材は図1に示すように攪拌羽根12−2による縦方向及び回転方向の攪拌を受けているため、ガラス単繊維を塗材中に均等分散させ、スラリ状塗材とすることができる。
次に、供給筒14に対するガラス単繊維の導入装置について説明すると、スラリ状塗材におけるガラス単繊維の重量比は、補強性からすれば大きければ大きいほど良いことになるが、劣化コンクリート等の被補修構造体への塗装性(塗装作業の効率)からするとあまり大きな重量比はこれを損なうことになり、0.5〜10%が妥当である。他方、液状塗材槽10は通常のドラム缶程度(200リットル)の大きさのもので、約150kgの塗材を収容することができる。
従って、1バッチで液状塗材槽10に供給・混合すべきガラス単繊維は1.5kg〜15kgとなる。然るに、集束剤除去後のガラス単繊維塊はふわふわの嵩高な性状のものであり、相当に圧縮しても1リットルで200g程度の重さにしかならず、液状塗材槽10に供給すべき1バッチのガラス単繊維塊の容積は7.5〜75リットルになり、軽量ではあるがふわふわで嵩のあるガラス単繊維塊の効率的な導入方式が必要とされる。
回転カートリッジ式の繊維塊供給装置17はこの要求を達成し得るものであり、以下その構成について説明する。回転カートリッジ式の繊維塊供給装置17は、1本1本のカートリッジ30(その寸法は例えば100mmφで長さ50cmで容積は約4リットル)からそこに充填された集束剤除去後のガラス単繊維塊を必要量供給筒14に連続的に送り込むものであり、繊維塊供給装置17自体は昇降用回転モータ32によって図1の上下に昇降可能となっている。
昇降用回転モータ32は昇降台34に設けられ、昇降台34が繊維塊供給装置17の機枠組立体35に連結されるが、昇降台34と案内ロッド33(支柱13に取り付けられる)との間には縦溝と縦方向突起からなる縦方向摺動部(図示せず)を備えている。また、モータ32の回転軸に連結されるギヤ(図示せず)が昇降台34に設けられたラック(図示せず)と係合する等の回転運動−上下運動変換手段が設けられ、モータ32の回転により繊維塊供給装置17を支柱13に沿って適宜に昇降させることができるようになっている。
図7及び図8に示すように繊維塊供給装置17の機枠組立体35は上下の円板状枠36,37を円周方向に等間隔に配置された8本の連結ロッド38にて連結して構成された籠状構造を呈する。
上下の円板状枠36,37の夫々の内面側にはカートリッジ保持円板40,42が固定される。カートリッジホルダ44は4個のカートリッジ30をリボルバ式に保持するためのものである。カートリッジホルダ44は、その回転下、機枠内側において上下のカートリッジ保持円板40,42(固定側)と摺接するように設けられ、外周に90度毎4箇所に半月状のカートリッジ受溝45を形成したカートリッジ受板46,48と、上下のカートリッジ受板46,48を連結し、回転籠状に構成する4本のロッド49と、機枠組立体35(上下の円板状枠36,37)に対し回転可能な回転軸50と、回転軸50のための上下の玉軸受51,52と、上下のカートリッジ受板46,48の夫々において円周方向に離間して、夫々のカートリッジ受溝45の内周に沿うように4個設けられた円弧状のカートリッジ押圧部材53,54と、4対の上下のカートリッジ押圧部材53,54を回転自在とする夫々のピン56と、カートリッジ押圧部材53,54の夫々の上下対をピン56を中心に図の反時計方向に回動付勢するスプリング58と、回転軸50の上端に自在継手等の連結手段を介して連結され、回転軸50、即ち、カートリッジホルダ44を回転駆動するカートリッジホルダ駆動モータ60とから構成される。上下のカートリッジ保持円板40,42には、半月状のカートリッジ受溝45と同芯であるが、内径がカートリッジ30の外径より小さな円形開口64(後述のガラス単繊維塊供給ステーションSBに設置)を備えており、カートリッジ30は落下することなく下側カートリッジ支持円板42に係合保持されると共にガラス単繊維塊供給ステーションSBにて各カートリッジ30より繊維塊押圧シリンダ16により、ガラス単繊維塊を供給筒14に供給することができる。また、後述空カートリッジ排出ステーションSCにおいて、カートリッジ保持円板40,42の上下内面側に空カートリッジストッパ66が固定され、空カートリッジストッパ66の肉厚はカートリッジ保持円板40,42のそれに拮抗しており、また、カートリッジ保持円板40,42の回転を阻害することがないように内周側でカートリッジ保持円板40,42と摺接する円弧板形状をなす。空カートリッジストッパ66の端縁66Aは後述排出ステーションSCにおけるカートリッジ受板46,48の半月状のカートリッジ受溝45の回転方向下流側の接線方向に延設位置し、排出ステーションSCにおける空カートリッジのストッパ機能を果たすことができる。
カートリッジホルダ44はモータ60により回転駆動され、かつカートリッジ供給ステーションSAと、各カートリッジ30からの集束剤除去後のガラス単繊維塊を供給筒14に供給するガラス単繊維塊供給ステーションSBと、空となったカートリッジの排出ステーションSCにて停止することができる。
回転カートリッジ式の繊維塊供給装置17の動作を説明すると、ガラス繊維チョップドストランドを浸漬し、紡糸集束剤を溶解除去したガラス単繊維はカートリッジ30に0.2といった所定密度にて充填され、このようなカートリッジ30が必要数準備される。カートリッジ30は供給シュート70を介し、カートリッジ供給ステーションSAにてカートリッジホルダ44に移送される。即ち、カートリッジはカートリッジ供給ステーションSAにて停止しているカートリッジ保持円板40,42の一つのカートリッジ受溝45に当接するまで押し込まれる(矢印h)。このとき、カートリッジ押圧部材53,54はスプリング58により内面(凹面)においてカートリッジ30の外周に軽く押し付けられ、カートリッジ30が保持される。カートリッジ30は上下でカートリッジ保持円板40,42により規制される。
モータ60の回転によりカートリッジホルダ44は回転し、カートリッジ保持円板40,42により上下を摺接規制されながら、カートリッジ30は円周方向(矢印g)に移動され、ガラス単繊維塊供給ステーションSBにてカートリッジホルダ44は停止する。停止位置ではカートリッジ30が上下のカートリッジ保持円板40,42の円形開口64と整列するが、円形開口64の内径はカートリッジ30の外径より小さくカートリッジ30はガラス単繊維塊供給ステーションSBに保持される。
そして、押圧シリンダ16に空気圧が導入されることでそのピストンロッド16−1が伸張され、ピストンロッド16−1の先端のピストン16−2(外径は円形開口64の内径よりやや小さい)は上側カートリッジ保持円板40の開口64よりカートリッジ30内に導入され、内部に充填されたガラス単繊維塊を下方に押圧し、下側カートリッジ保持円板42の開口64を介して繊維塊は供給筒14に供給され、そのカートリッジ30は空となる。
その後、ピストン16−2はカートリッジホルダ44の回転動作の支障とならない位置まで上昇後退する。押圧シリンダ16の動作制御のためリミットスイッチやエア方向切替弁等よりなる制御機構が適宜設けられる。
モータ60、即ち、カートリッジホルダ44(上下のカートリッジ受板46,48)は再び回転を開始し、空カートリッジ30は円周方向下流側に送られ、空カートリッジの排出ステーションSCの部位ではカートリッジホルダ44の回転(矢印g)は継続する。
空カートリッジ30は空カートリッジストッパ66の縁部66Aに当接し、この位置を越えて回転方向には移動できないが、カートリッジ受板46,48の回転の継続はカートリッジ押圧部材53,54がスプリング58によりピン56を中心に反時計方向に回動されることから、カートリッジ押圧部材53,54の先端に係合する空カートリッジ30はカートリッジ押圧部材53,54により排出シュート72に押し出される(矢印j)。
上下のカートリッジ受板46,48の回転継続により空カートリッジ30の押し出しを行ったカートリッジ押圧部材53,54が空カートリッジ30から離れても、次に回転して来るカートリッジ押圧部材53,54の背面(凸面)により空カートリッジ30はカートリッジホルダ44から排出シュート72に完全に送り出されることになる。
以上の動作の繰り返し及び継続により必要な数の満カートリッジ30よりガラス単繊維塊を供給筒14に充填し、所望の量のガラス単繊維が供給筒14に供給され、図4−図6にて説明したように開繊され、液状塗材と混合・分散され、所期の開繊ガラス単繊維を含有したスラリ状塗材を得ることがでる。
本実施形態においては、アクリル系やウレタン系塗材等の液状塗材に混合分散しスラリ状塗材となるガラス単繊維は、ガラス繊維チョップドストランドを溶剤に浸漬し、紡糸集束剤を溶解除去後、ガラス単繊維間の部分的膠着若しくは交絡状態を解消するべく実質的に1本1本に完全に開繊を受けたものである。
ガラス単繊維は実質的に1本1本に完全に開繊を受けたものであるため、液状塗材における分散度及びガラス単繊維と液状塗材との接触面積を最大限まで高め、固化後の塗膜のフレキシビリティを損なうことがない。また塗膜が薄くても十分な補強効果を達成し、被補強構造物、例えば、劣化コンクリートに対してもその表面に微妙な凹凸に追従させ、最大限の補強効果を発揮させることができる。即ち、本実施形態のガラス繊維チョップドストランドを溶剤に浸漬し、紡糸集束剤を溶解除去後、1本1本に開繊されたガラス単繊維は所定量がアクリル系やウレタン系塗材等の液状塗材に所定量混合され、スラリ状塗材とされる。
劣化コンクリートの要補修面に本発明のスラリ状塗材が塗布され、必要な厚みの塗膜を形成することで劣化コンクリートの強固な補強が可能である。即ち、本実施形態ではガラス単繊維は開繊により完全にガラス単繊維1本1本に分離されているため、塗材とガラス単繊維との極限までの接触面積の増大を図り、乾燥後の塗膜の柔軟性は維持され、その薄さに係らず所期の補強効果を得ることができる。
ところで、東日本大震災契機に、建物の耐震化診断、耐震補強の動きがホットになってきている。特に、被害の大きかった天井について、国交省からは、「建築基準法に基づく天井脱落対策の規制強化」や「防災拠点施設など特に早急に改善すべき建築物について改修の行政指導」が通達され、文科省からは、「学校施設における天井等落下防止対策の推進による総点検の実施」が通達されている。
このような状況においても本発明によるスラリ状塗材は、天井構造の大幅の改修工事を必要とすることなく、短期の作業期間、少ない作業工数にての補修作業が可能となる。即ち、本発明スラリ状塗材を天井全面に塗布することにより、天井構造の耐震補強を、圧倒的に短い期間、少ない工数で実施できる。
本発明において、防火、難燃性能を付加した、屋内用液状塗材に調製ため、供給筒14中の紡糸集束剤を溶解除去後のガラス単繊維塊、又は上流側の各カートリッジ30にハロゲン化合物等の難燃剤を適宜の割合で混入することができる。
補強工事は、通常は本発明によるスラリ状塗材を補修部分表面に塗布することにより行うが、スラリ状塗材の塗布に先だって、ガラス繊維マルチフィラメントストランドをすだれ状に形成したもの若しくはガラス繊維マルチフィラメントストランドよりメッシュ状に製織してなるウエブを下地層として使用することもできる。即ち、かかるすだれ状体やウエブを被補修構造物、例えば劣化コンクリート構造物の要補修面にプライマーと共に貼着し、その上から本発明のスラリ状塗材を塗布する。これにより、厚みのある塗膜をあまり時間をかけずに得ることができるとともに、塗膜のより一層の軽量化を実現可能である。
ガラス繊維マルチフィラメントストランドをすだれ状に形成したもの若しくはガラス繊維マルチフィラメントストランドよりメッシュ状に製織してなる織布(クロス)は各社よりシングルフィラメントの太さやフィラメント本数や織布の目付け(すき目の大きさ)をいろいろに変えたものが販売されており(大抵はFRP製品(例えばFRP船舶)用)、本発明の趣旨に適合したものを適宜採用することができる。
10…液状塗材槽
12…攪拌手段
14…中間供給筒
15…開繊装置
16…押圧シリンダ
17…回転カートリッジ式繊維塊供給装置
18…第1回転体(本発明の繊維束掻取部材)
18−2…ディスク
18−2B…突起部
18−3…スペーサ
20…第2回転体(本発明の繊維束係合部材)
20−2…ディスク
20−2B…突起部
20−3…スペーサ
30…カートリッジ
32…昇降用回転モータ
35…機枠組立体
40,42…カートリッジ保持円板
44…カートリッジホルダ
46,48…カートリッジ受板
50…回転軸
53,54…カートリッジ押圧部材
58…スプリング
60…カートリッジホルダ駆動モータ
64…円形開口
66…空カートリッジストッパ

Claims (6)

  1. ガラス単繊維を液状塗材に分散させてなるスラリ状塗材の製造方法であって、
    前記ガラス単繊維が塊状又は束状になったガラス単繊維塊又はガラス単繊維束から前記ガラス単繊維を掻き取りつつ攪拌中の前記液状塗材の表面に付着させ、該液状塗材の表面に付着した前記ガラス単繊維を前記液状塗材の攪拌により該液状塗材中に分散させる、スラリ状塗材の製造方法。
  2. 前記ガラス単繊維塊からガラス単繊維束を掻き取り、次いで、該ガラス単繊維束を開繊して前記ガラス単繊維を前記液状塗材の表面に付着させる、請求項1に記載のスラリ状塗材の製造方法。
  3. 攪拌中の前記液状塗材を、液状塗材槽内で周方向に循環させるとともに、前記塗材表面で中心から外周部へ向かい且つ外周部において底部に向かう流れを形成して縦方向及び径方向に循環させる、請求項1又は2に記載のスラリ状塗材の製造方法。
  4. 前記液状塗材の粘度が20,000mPa・s〜80,000mPa・sである、請求項1乃至3の何れかに記載のスラリ状塗材の製造方法。
  5. 前記ガラス単繊維の太さが3μmから30μmである、請求項1乃至4の何れかに記載のスラリ状塗材の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の方法により製造された前記スラリ状塗材を、被補強構造物の表面に塗布して固化させる被補強構造物の補強方法。
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