JP2017197632A - 熱線遮蔽微粒子および熱線遮蔽微粒子分散液 - Google Patents

熱線遮蔽微粒子および熱線遮蔽微粒子分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】高温高湿下に長時間暴露した場合であっても、熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽微粒子、および、当該熱線遮蔽微粒子を含有する熱線遮蔽微粒子分散液を提供する。
【解決手段】複合タングステン酸化物微粒子と、脂肪酸、脂肪酸アミドいずれか1種類以上とを含むことを特徴とする熱線遮蔽微粒子、および、当該熱線遮蔽微粒子を用いた熱線遮蔽微粒子分散液を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱線遮蔽微粒子および熱線遮蔽微粒子分散液に関する。
良好な可視光透過率を有し透明性を保ちながら日射透過率を低下させる熱線遮蔽技術として、これまでさまざまな技術が提案されてきた。なかでも、導電性微粒子の分散体を用いた熱線遮蔽技術は、その他の技術と比較して熱線遮蔽特性に優れ低コストであり電波透過性があり、さらに耐候性が高い等のメリットがある。
特許文献1では、赤外線遮蔽材料微粒子が媒体中に分散してなる赤外線遮蔽材料微粒子分散体であって、前記赤外線遮蔽材料微粒子が、一般式MxWyOz(但し、元素Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)で表記される複合タングステン酸化物微粒子を含有し、当該複合タングステン酸化物微粒子が六方晶、正方晶、または立方晶の結晶構造を有する微粒子のいずれか1種類以上を含み、前記赤外線遮蔽材料微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下であることを特徴とする熱線遮蔽分散体が開示されている。
特許文献1で開示したように、前記一般式MxWyOzで表される複合タングステン酸化物微粒子を用いた熱線遮蔽分散体は高い熱線遮蔽性能を示し、可視光透過率が70%のときの日射透過率は50%を下回るまでに改善された。とりわけ元素MとしてCsやRb、Tlなど特定の元素から選択される少なくとも1種類を採用し、結晶構造を六方晶とした複合タングステン酸化物微粒子を用いた熱線遮蔽微粒子分散体は卓越した熱線遮蔽性能を示し、可視光透過率が70%のときの日射透過率は37%を下回るまでに改善された。
また、特許文献2、特許文献3では、複合タングステン酸化物微粒子にカルボン酸の金属塩、金属の炭酸塩、金属の炭酸水酸化物、金属の水酸化物から選択される1種類以上、または、2種類以上を混合することで、複合タングステン酸化物微粒子を用いた熱線遮蔽合わせ構造体の耐候性が優れていることが開示されている。
特許文献4では、スメクタイトと複合タングステン酸化物微粒子を含む熱線遮蔽膜を80℃、95%相対湿度環境下に7日間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
特許文献5では、リン系酸化防止剤と複合タングステン酸化物微粒子とを含む熱線遮蔽粘着膜の80℃、95%相対湿度環境下に7日間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
特許文献6では、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸バリウム、ナフテン酸マグネシウムから選択される1種類以上の塩と、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上と複合タングステン酸化物微粒子とを含むバインダーとを含む熱線遮蔽分散体を85℃、90%相対湿度環境下に7日間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
特許文献7では、Ba化合物とP化合物とZn化合物との混合物と、シラン化合物、ケイ酸塩、ポリリン酸塩、シリカアルミナ、チタニア、酸化セリウム、ジルコニアのいずれか1種類以上を含むバインダーと、複合タングステン酸化物微粒子とを含む熱線遮蔽分散体を85℃、90%相対湿度環境下に7日間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
特許文献8では、水酸化亜鉛微粒子と複合タングステン酸化物微粒子とを含む熱線遮蔽分散体を85℃、90%相対湿度環境下に7日間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
また、特許文献9では、複合タングステン酸化物微粒子と、有機系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒドロペルオキシド分解剤、金属不活性化剤から選ばれた少なくとも一種の透過率上昇抑制剤と含有することを特徴とする粘着剤組成物で65℃、90%相対湿度環境下に1000時間暴露した際に光学特性の変化が抑制されることが開示されている。
国際公開番号WO2005/037932号公報 国際公開番号WO2013/187350号公報 特開2015−66763号公報 特開2010−19974号公報 特開2011−65146号公報 特開2015−44921号公報 特開2015−44922号公報 国際公開番号WO2014/010684号公報 特開2009−35615号公報
前記一般式MxWyOzで表される複合タングステン酸化物微粒子を適用した自動車などの車両用窓材、建築用の窓材では、高温、高湿の環境下に長時間暴露された場合であっても、熱線遮蔽特性の低下(劣化)が抑制されていることが求められる。
しかしながら、特許文献2、3で開示された前記複合タングステン酸化物微粒子を含む熱線遮蔽膜、前記熱線遮蔽膜を用いた熱線遮蔽合わせ構造体では、高温、高湿環境下への暴露が検討されていない。
また、特許文献4〜8で開示された前記複合タングステン酸化物微粒子を含む熱線遮膜、熱線遮蔽分散体は、80℃、95%相対湿度環境下、または、85℃、90%相対湿度環境下に暴露されているが、暴露時間が7日と短い。この為、高い耐湿熱性が要求された場合、不十分となる場合もあった。
特許文献9で開示された複合タングステン酸化物微粒子を含む粘着剤組成物は、65℃、90%相対湿度環境下での評価となっていた。しかし、車両用窓材、建築用の窓材に用いるためには、より過酷な環境下での暴露に耐える必要がある。
本発明は、上記課題に着目してなされたものである。そして、その解決しようとする課題は、例えば85℃、90%相対湿度環境下といった、高温高湿下に長時間暴露した場合であっても、熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽微粒子、および、当該熱線遮蔽微粒子を含有する熱線遮蔽微粒子分散液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決する為、さまざまな検討を行った。その結果、複合タングステン酸化物微粒子と、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上とを混合して併用した場合に、高温高湿下に暴露された後において、従来よりも熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽微粒子が得られるという画期的な知見を得て、本発明を完成した。
すなわち、上述の課題を解決する第1の発明は、
複合タングステン酸化物微粒子と、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上と、を含むことを特徴とする熱線遮蔽微粒子である。
第2の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を含むことを特徴とする、第1の発明に記載の熱線遮蔽微粒子である。
第3の発明は、
前記複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物(Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)であることを特徴とする、第1または2の発明に記載の熱線遮蔽微粒子である。
第4の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下であることを特徴とする、第1から3の発明いずれかに記載の熱線遮蔽微粒子である。
第5の発明は、
前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上の総量が0.1重量部以上300重量部以下であることを特徴とする、第1から4の発明いずれかに記載の熱線遮蔽微粒子である。
第6の発明は、
前記脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸から選択される1種類以上であることを特徴とする、第1から5の発明いずれかに記載の熱線遮蔽微粒子である。
第7の発明は、
前記脂肪酸アミドが、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N’−エチレンビスカプリン酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドから選択される1種類以上であることを特徴とする、第1から6の発明いずれかに記載の熱線遮蔽微粒子である。
第8の発明は、
第1から7の発明のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子が、液状媒体中に分散して含有されている熱線遮蔽微粒子分散液であって、
前記液状媒体が、水、有機溶媒、植物油、石油系溶剤、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤のいずれか1種、または、これらから選択される2種以上の混合物であることを特徴とする熱線遮蔽微粒子分散液である。
第9の発明は、
前記液状媒体中に含有されている熱線遮蔽微粒子の含有量が、0.01質量%以上75質量%以下であることを特徴とする第8の発明に記載の熱線遮蔽微粒子分散液である。
第10の発明は、
前記熱線遮蔽微粒子分散液が、高分子分散剤を含有することを特徴とする第8または9の発明に記載の熱線遮蔽微粒子分散液である。
第11の発明は、
前記高分子分散剤が、官能基としてアミノ基を有するアミノ基高分子分散剤、官能基として水酸基を有する水酸基高分子分散剤、官能基としてカルボキシル基を有するカルボキシル基高分子分散剤、いずれか1種以上を含有することを特徴とする第10の発明に記載の熱線遮蔽微粒子分散液である。
本発明によれば、高温高湿下に暴露された後において、従来よりも熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽微粒子、および、従来よりも熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽組成物を製造出来る熱線遮蔽微粒子分散液を得ることが出来た。
以下、本発明の実施の形態について、[a]熱線遮蔽微粒子、[b]脂肪酸、脂肪酸アミド、[c]熱線遮蔽微粒子分散液、の順で説明する。
[a]熱線遮蔽微粒子
本発明に係る熱線遮蔽微粒子は、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物(Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)である。
尚、アルカリ金属は水素を除く周期表第1族元素、アルカリ土類金属は周期表第2族元素、希土類元素はSc、Yおよびランタノイド元素である。
本発明に用いられる熱線遮蔽微粒子が、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物の場合、元素Mが添加されている。この為、z/y=3.0の場合も含めて自由電子が生成され、近赤外線領域に自由電子由来の吸収特性が発現し、波長1000nm付近の近赤外線吸収材料として有効となる。
特に、近赤外線吸収材料としての光学特性を向上、および、耐候性を向上させる観点から、M元素が、Cs、Rb、K、Tl、In、Ba、Li、Ca、Sr、Fe、Snのうちの1種類以上であるものが好ましい。
元素Mの添加量を示すx/yの値が0.001より大きければ、十分な量の自由電子が生成され近赤外線吸収効果を十分に得ることが出来る。元素Mの添加量が多いほど、自由電子の供給量が増加し、近赤外線吸収効果も上昇するが、x/yの値が1程度で飽和する。また、x/yの値が1より小さければ、微粒子含有層中に不純物相が生成されるのを回避できるので好ましい。
次に、酸素量の制御を示すz/yの値については、MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物においても、上述のWyOzで表記されるタングステン酸化物と同様の機構が働くことに加え、z/y=3.0においても、上述した元素Mの添加量による自由電子の供給があるため、2.2≦z/y≦3.0が好ましく、さらに好ましくは2.45≦z/y≦3.0である。
さらに、近赤外線吸収材料微粒子である当該複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を有する場合、当該微粒子の可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。
この六角形の空隙に元素Mの陽イオンが添加されて存在するとき、可視光領域の透過が向上し、近赤外領域の吸収が向上する。ここで、一般的には、イオン半径の大きな元素Mを添加したとき当該六方晶が形成され、具体的には、Cs、K、Rb、Tl、In、Ba、Sn、Li、Ca、Sr、Feを添加したとき六方晶が形成されやすい。勿論これら以外の元素でも、WO単位で形成される六角形の空隙に添加元素Mが存在すれば良く、上記元素に限定される訳ではない。
六方晶の結晶構造を有する複合タングステン酸化物微粒子が均一な結晶構造を有するとき、添加元素Mの添加量は、x/yの値で0.2以上0.5以下が好ましく、更に好ましくは0.30以上0.35以下であり、理想的には0.33である。x/yの値が0.33となることで、添加元素Mが、六角形の空隙の全てに配置されると考えられる。
また、六方晶以外では、正方晶、立方晶のタングステンブロンズも近赤外線吸収効果がある。そして、これらの結晶構造によって、近赤外線領域の吸収位置が変化する傾向があり、立方晶、正方晶、六方晶の順に、吸収位置が長波長側に移動する傾向がある。また、それに付随して可視光線領域の吸収が少ないのは、六方晶が最も少なく、次いで正方晶、立方晶の順である。このため、より可視光領域の光を透過して、より近赤外線領域の光を吸収する用途には、六方晶のタングステンブロンズを用いることが好ましい。
本発明に係る近赤外線吸収材料微粒子は、近赤外線領域、特に波長1000nm付近の光を大きく吸収するため、その透過色調は青色系から緑色系となる物が多い。また、当該近赤外線吸収材料の粒子の分散粒子径は、その使用目的によって、各々選定することができる。まず、透明性を保持した応用に使用する場合は、2000nm以下の分散粒子径を有していることが好ましい。これは、分散粒子径が2000nm以下であれば、透過率のピークと近赤外線領域の吸収とのボトムの差が大きくなり、可視光領域の透明性を有する近赤外線吸収材料としての効果が発揮出来るからである。さらに分散粒子径が2000nmよりも小さい粒子は、散乱により光を完全に遮蔽することが無く、可視光線領域の視認性を保持し、同時に効率良く透明性を保持することが出来るからである。
さらに可視光領域の透明性を重視する場合は、粒子による散乱を考慮することが好ましい。具体的には、近赤外線吸収材料微粒子の分散粒子径は200nm以下、好ましくは100nm以下が良い。理由は分散粒子径が小さければ、幾何学散乱もしくはミー散乱による、波長400nm〜780nmの可視光線領域の光の散乱が低減される結果、近赤外線吸収膜が曇りガラスのようになり、鮮明な透明性が得られなくなるのを回避できるからである。即ち、近赤外線吸収材料微粒子の分散粒子径が200nm以下になると、上記幾何学散乱もしくはミー散乱が低減し、レイリー散乱領域になる。レイリー散乱領域では、散乱光は分散粒子径の6乗に反比例して低減するため、分散粒子径の減少に伴い散乱が低減し透明性が向上するからである。さらに分散粒子径が100nm以下になると、散乱光は非常に少なくなり好ましい。光の散乱を回避する観点からは、分散粒子径が小さい方が好ましい。一方、分散粒子径が1nm以上あれば工業的な製造は容易である。
また、本発明の近赤外線吸収材料を構成する微粒子の表面が、Si、Ti、Zr、Alの一種類以上を含有する酸化物で被覆されていてもよい。
[b]脂肪酸、脂肪酸アミド
本発明において、複合タングステン酸化物微粒子へ脂肪酸、脂肪酸アミドのいずれか1種類以上を添加するのは、熱線遮蔽特性を発揮させながら、耐湿熱性を向上させ、高温、高湿の環境下に長時間暴露した場合において、光学特性の変化を抑制する目的のためである。
本発明者らの知見によれば、脂肪酸、脂肪酸アミドは、高温、高湿の環境下で複合タングステン酸化物微粒子の劣化を抑制する効果を有する。劣化抑制の具体的な機構については未だ解明されていないが、脂肪酸はカルボキシル基を、脂肪酸アミドはアミノ基をそれぞれ有している。これら、脂肪酸のカルボキシル基や脂肪酸アミドのアミノ基が、複合タングステン酸化物微粒子の吸着点に強く吸着するのではないかと考えられる。この結果、1つ1つの複合タングステン酸化物微粒子表面が、脂肪酸および/または脂肪酸アミドの強固な被膜を有することとなり、耐湿熱性に優れた熱線遮蔽微粒子となったのではないかと推察される。
本発明者らの検討の結果、脂肪酸として、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸を用いることで、熱線遮蔽特性を発揮しつつ、高温、高湿の環境下で複合タングステン酸化物微粒子の劣化を抑制するという効果が確認された。
また、脂肪酸アミドとして、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N’−エチレンビスカプリン酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドを用いることで、熱線遮蔽特性を発揮しつつ、高温、高湿の環境下で複合タングステン酸化物微粒子の劣化を抑制するという効果が確認された。
また、本発明者らは検討の結果、これら脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される2種以上の化合物を混合して使用する構成に想到した。従って、例えば、脂肪酸から2種以上の化合物を選択するという選択もある。同様に、脂肪酸アミドから2種以上の化合物を選択するという選択もある。一方、脂肪酸から1種以上の化合物、脂肪酸アミドから1種以上の化合物を選択し、それらを混合するという選択もある。
本発明において、脂肪酸、脂肪酸アミドを使用する態様としては、特に限定されるものではない。例えば、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種以上の化合物と複合タングステン酸化物微粒子とを機械的に混合し、得られた混合物を一体として使用する態様がある。また、異なる態様として、例えば、熱線遮蔽微粒子分散液の溶媒に脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種以上の化合物を加えることにより混合物を得、得られた混合物を使用する態様もある。
尚、脂肪酸、脂肪酸アミドの好ましい形態は、特に限定されるものでなく、固体、液体、エマルジョンなど、いずれの形態の物を用いてもよい。
複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対する、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上の総量は0.1重量部以上300重量部以下であることが好ましく、3.0重量部以上50重量部以下であることがより好ましい。
脂肪酸、脂肪酸アミドいずれか1種類以上の添加量の総量が、上述した範囲にあれば、複合タングステン酸化物微粒子の耐湿熱性改善効果が大きいためである。
[c]熱線遮蔽微粒子分散液
本発明に係る熱線遮蔽微粒子を液状の媒体中に分散させることで、本発明に係る熱線遮蔽微粒子分散液を製造することができる。当該熱線遮蔽微粒子分散液は、従来の近赤外線を強く吸収する材料、例えば特許文献1で示された複合タングステン酸化物が用いられていたさまざまな分野において、従来の複合タングステン酸化物微粒子の分散液と同様の操作手順により用いることができる。
以下、[1]熱線遮蔽微粒子分散液の製造方法、[2]熱線遮蔽微粒子分散液の使用例、の順に説明する。なお、本発明において、熱線遮蔽微粒子分散液を単に「分散液」と記載する場合がある。
[1]熱線遮蔽微粒子分散液の製造方法
本発明に係る熱線遮蔽微粒子、および所望により適量の分散剤、カップリング剤、界面活性剤等を、液状の媒体へ添加し分散処理を行うことで、本発明に係る熱線遮蔽微粒子分散液を得ることができる。当該熱線遮蔽微粒子分散液の媒体には、熱線遮蔽微粒子の分散性を保つための機能と、熱線遮蔽微粒子分散液を塗布する際に塗布欠陥を生じさせないための機能が要求される。
上述した液状の媒体としては水、有機溶媒、植物油、植物油由来の化合物、石油系溶剤、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤のいずれかを単独で用いることも、これらから選択される2種以上を組み合わせて用いることもできる。
上述の要求を満たす有機溶媒の具体例としては、アルコール系、ケトン系、炭化水素系、グリコール系、水系など、種々のものを選択することが可能である。さらに具体的には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコールなどのアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン系溶剤;3−メチル−メトキシ−プロピオネートなどのエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;フォルムアミド、N−メチルフォルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチレンクロライド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。これらの中でも極性の低い有機溶剤が好ましく、特に、イソプロピルアルコール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸n−ブチルなどがより好ましい。
植物油の具体例としては、アマニ油、ヒマワリ油、桐油、ゴマ油、綿実油、菜種油、大豆油、米糠油、オリーブ油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油などが好ましい。
植物油由来の化合物の具体例としては、植物油の脂肪酸とモノアルコールを直接エステル反応させた脂肪酸モノエステル、エーテル類などの植物油などが好ましい。
石油系溶剤の具体例としては、アイソパーE、エクソールHexane、エクソールHeptane、エクソールE、エクソールD30、エクソールD40、エクソールD60、エクソールD80、エクソールD95、エクソールD110、エクソールD130(以上、エクソンモービル製)などが好ましい。
液状の樹脂の具体例としては、メタクリル酸メチル等が好ましい。液状のプラスチック用可塑剤としては、一価アルコールと有機酸エステルとの化合物である可塑剤や、多価アルコール有機酸エステル化合物等のエステル系である可塑剤、有機リン酸系可塑剤等のリン酸系である可塑剤などが好ましい例として挙げられる。なかでもトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサオネート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサオネートは、加水分解性が低い為、さらに好ましい。
本発明に係る分散液へ適宜加える分散剤、カップリング剤、界面活性剤は、当該分散液の用途に合わせて選定可能であるが、アミンを含有する基、水酸基、カルボキシル基、または、エポキシ基を官能基として有するものであることが好ましい。これらの官能基は、複合タングステン酸化物微粒子の表面に吸着し、複合タングステン酸化物微粒子の凝集を防ぎ、熱線遮蔽膜中でも本発明に係る熱線遮蔽微粒子を均一に分散させる効果を持つからである。
尚、これらの分散剤、カップリング剤、界面活性剤のいずれかを単独で用いることも、これらから選択される2種以上を組み合わせて用いることもできる。
好適に用いることのできる分散剤の具体例としては、リン酸エステル化合物、高分子系分散剤、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、等があるが、これらに限定されるものではない。高分子系分散剤の具体例としては、アクリル系高分子分散剤、ウレタン系高分子分散剤、アクリル・ブロックコポリマー系高分子分散剤、ポリエーテル類分散剤、ポリエステル系高分子分散剤などが挙げられる。
当該分散剤の添加量は、熱線遮蔽微粒子100重量部に対し10重量部以上1000重量部以下の範囲であることが望ましく、より好ましくは20重量部以上200重量部以下の範囲である。分散剤添加量が上記範囲にあれば、熱線遮蔽微粒子が分散液中で凝集を起こすことがなく、分散安定性が保たれるからである。
本発明に係る熱線遮蔽微粒子を均一に液状媒体中へ分散させる際の分散処理の方法は、公知の方法から任意に選択でき、たとえばビーズミル、ボールミル、サンドミル、超音波分散などの方法を用いることができる。
均一な分散液を得るために、各種添加剤や分散剤を添加したり、pH調整したりしても良い。
上述した分散液中における熱線遮蔽微粒子の含有量は、0.01質量%以上75質量%以下であることが好ましい。0.01質量%以上であれば後述するコーティング膜やプラスチック成型体などの製造に好適に用いることができ、75質量%以下であれば工業的な生産が容易である。さらに好ましくは1質量%以上50質量%以下である。
[2]熱線遮蔽微粒子分散液の使用例
本発明にかかる熱線遮蔽微粒子または熱線遮蔽微粒子分散液を、固体状の媒体中へ分散させることで、分散粉やマスターバッチ、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽プラスチック成形体などを製造することができる。
本発明にかかる熱線遮蔽微粒子分散液の一般的な使用方法の例として、熱線遮蔽フィルムの製造方法について説明する。
上述した分散液を、プラスチックあるいは樹脂モノマーと混合して塗布液を作製する。当該塗布液を公知の方法で基材上に塗布し、コーティング膜を形成することで、熱線遮蔽フィルムを作製することができる。
上述したコーティング膜の基材の具体例としては、例えば、UV硬化樹脂、熱硬化樹脂、電子線硬化樹脂、常温硬化樹脂、熱可塑樹脂等が目的に応じて選定可能である。さらに具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ふっ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、それらの単独使用であっても良いし、2種以上の樹脂の混合使用であっても良い。
上述した基材としては、上述したようにフィルムの形状でも良いが、所望によってはボードでも良く、形状は限定されない。
ボード状の透明基材材料の具体例としては、PET樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ふっ素樹脂等が、各種目的に応じて使用可能である。また、樹脂以外では、ガラスを用いることができる。
上述したコーティング膜において、金属アルコキシドを用いたバインダーの利用も可能である。上記金属アルコキシドとしては、Si、Ti、Al、Zr等のアルコキシドが代表的である。これら金属アルコキシドを用いたバインダーを、加熱等により加水分解・縮重合させることで、基材上に酸化物膜を形成することが可能である。
以下、実施例を参照しながら本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるわけではない。
尚、実施例において、コーティング膜の光学特性は、分光光度計U−4000(日立製作所(株)製)を用いて測定した。そして、当該コーティング膜の可視光透過率は、波長380〜780nmの光に対する透過率の値からJIS R 3106に従って測定を行った。熱線遮蔽微粒子の平均分散粒子径は、日機装(株)製のマイクロトラック粒度分布計を用いて測定した。
また、コーティング膜の耐湿熱性は、試験サンプル(塗布膜)を85℃、90%RH環境に設定した恒温恒湿槽内に1000時間暴露し、当該暴露前後における当該コーティング膜の、近赤外線領域である波長850nmにおける透過率の変化を測定することにより評価した。
[実施例1]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WO(本発明において「CWO(登録商標) 」と 表記する場合がある。)を20質量%、脂肪酸としてミリスチン酸を1.0質量%、分散剤として官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル系高分子分散剤(アミン価48mgKOH/g)(以下、分散剤aと略称する。)を10質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGM−Ac)を69質量%、各々秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理(共粉砕)し、実施例1に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Aと略称する。)を得た。
分散液A中におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、マイクロトラック粒度分布計で測定したところ19nmであった。
基材として、厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Aをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して、分散液を乾燥させて実施例1に係るコーティング膜(以下、膜Aと略称する。)を得た。
膜Aの可視光透過率は71.0%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は11.8%であった。
膜Aを、85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の波長850nmの透過率は19.4%であった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は7.6%であった。
膜Aの光学特性を表1に記載した。
[実施例2]
複合タングステン酸化物として六方晶Cs0.33WOを20質量%、分散剤として官能基としてアミンを含有する基を有するアクリル・ブロックコポリマー系高分子分散剤(アミン価52−60mgKOH/g)(以下、分散剤bと略称する。)を10質量%、液状の媒体としてメチルイソブチルケトン(MIBK)70質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、実施例2に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液bと略称する。)を得た。
分散液b中におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、マイクロトラック粒度分布計で測定したところ26nmであった。
液状の媒体としてメチルイソブチルケトンを80重量部、脂肪酸としてステアリン酸を20重量部、秤量した。これらを混合して加熱溶解した液(以下、「脂肪酸溶解液b」と略称する。)を得た。
分散液b100重量部と、脂肪酸溶解液b10重量部とを混合、撹拌して、ステアリン酸を含む複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Bと略称する。)を得た。
基材として、厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Bをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して、分散液を乾燥させて実施例2に係るコーティング膜(以下、膜Bと略称する。)を得た。
膜Bの可視光透過率は69.7%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は10.1%であった。
膜Bを、85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は17.9%であった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は7.8%であった。
膜Bの光学特性を表1に記載した。
[実施例3]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、脂肪酸としてパルミチン酸を0.4質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノエチルエーテル(PE)を79.6重質%秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、15時間粉砕・分散処理し複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Cと略称する。)を得た。
分散液C中におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、マイクロトラック粒度分布計で測定したところ21nmであった。
基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Cをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して、分散液を乾燥させて実施例3に係るコーティング膜(以下、膜Cと略称する。)を得た。
膜Cの可視光透過率は69.4%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は9.6%であった。
膜Cを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は17.3%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は7.7%であった。
膜Cの光学特性を表1に記載した。
[実施例4]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、分散剤a を10質量%、液状の媒体としてヒマワリ油を70質量%、各々秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、40時間粉砕・分散処理し、実施例4に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液dと略称する。)を得た。
分散液d中における複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、粒度分布計(大塚電子製)で測定したところ62nmであった。
次に、液状の媒体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを80重量部、脂肪酸アミドとしてミリスチン酸アミドを20重量部秤量し、これらを混合して加熱溶解した液(以下、「脂肪酸溶解液d」と略称する。)を得た。
分散液d100重量部と、脂肪酸溶解液d6重量部とを混合、撹拌し、ミリスチン酸アミドを含む複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Dと略称する。)を得た。
基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Dをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で3時間乾燥して、分散液を揮散させて実施例4に係るコーティング膜(以下、膜Dと略称する。)を得た。
膜Dの可視光透過率は70.0%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は10.5%であった。
膜Dを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は18.6%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は8.1%であった。
膜Dの光学特性を表1に記載した。
[実施例5]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、脂肪酸アミドとしてステアリン酸アミドを0.8質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノエチルエーテル79.2質量%を秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、20時間粉砕・分散処理し、実施例5に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Eと略称する。)を得た。
分散液E中における複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、粒度分布計(大塚電子製)で測定したところ25nmであった。
基材として、厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Eをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して、分散液を揮散させて実施例5に係るコーティング膜(以下、膜Eと略称する。)を得た。
膜Eの可視光透過率は70.7%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は11.4%であった。
膜Eを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は19.6%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は8.2%であった。
膜Eの光学特性を表1に記載した。
[実施例6]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、分散剤として分散剤aを10質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを80質量%、各々秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、実施例6に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液fと略称する。)を得た。
分散液f中における複合タングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、粒度分布計(大塚電子製)で測定したところ30nmであった。
圧力容器に、脂肪酸アミドとしてパルミチン酸アミド40重量部、脂肪酸としてラウリン酸2.94重量部、pH調整剤として25重量%アンモニア水1.04重量部、液状の媒体として水118重量部を投入し、加圧下にて120℃に加熱した。その後、当該加熱物をホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で混合した、さらに高圧ホモジナイザー(A.P.V.Gaulin製)にて均質圧力20MPa下で均質化処理を行ってエマルジョンを得た。当該エマルジョンを、水45重量部へ60℃以下を保持しながら混合し、最終的にパルミチン酸アミドとラウリン酸の合計が20質量%となるように水を添加して調整し、パルミチン酸アミドとラウリン酸の合計が濃度20質量%のエマルジョン(以下、エマルジョンfと略称する。)を得た。
分散液f100重量部と、エマルジョンf6重量部とを混合、撹拌し、実施例6に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Fと略称する。)を得た。
基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Fをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して、分散液を揮散させて実施例6に係るコーティング膜(以下、膜Fと略称する。)を得た。
膜Fの可視光透過率は69.7%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は10.0%であった。
膜Fを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は18.2%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は8.2%であった。
膜Fの光学特性を表1に記載した。
[比較例1]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、分散剤として分散剤aを10質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを70質量%、各々秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Gと略称する。)を得た。
分散液G中におけるタングステン酸化物微粒子の分散粒子径を、マイクロトラック粒度分布計で測定したところ22nmであった。
基材として、厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Gをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して分散液を揮散させて比較例1に係るコーティング膜(以下、膜Gと略称する。)を得た。
膜Gの可視光透過率は69.9%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は10.4%であった。
膜Gを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は24.6%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は14.3%であった。
膜Gの光学特性を表1に記載した。
[比較例2]
複合タングステン酸化物として六方晶のCs0.33WOを20質量%、脂肪酸金属塩としてステアリン酸マンガンを1.2質量%、分散剤として分散剤aを10質量%、液状の媒体としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを68.8質量%、各々秤量した。これらを、0.3mmφZrOビーズを入れたペイントシェーカーに装填し、10時間粉砕・分散処理し、比較例2に係る複合タングステン酸化物微粒子分散液(以下、分散液Hと略称する。)を得た。
分散液H中のタングステン酸化物微粒子の分散粒子径をマイクロトラック粒度分布計で測定したところ24nmであった。
基材として厚さ50μmの透明PETフィルムを準備し、その表面に分散液Hをバーコーターを用いて塗布し塗布膜を成膜した。この塗布膜を70℃で5分間乾燥して分散液を揮散させて比較例1に係るコーティング膜(以下、膜Hと略称する。)を得た。
膜Hの可視光透過率は69.2%であった。また、近赤外線領域の波長850nmの透過率は9.5%であった。
膜Hを85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後の、波長850nmの透過率は21.9%となった。従って、暴露前後における波長850nmの透過率の変化は12.4%であった。
膜Hの光学特性を表1に記載した。
[実施例1〜6および比較例1、2の評価]
実施例1〜6に係る塗布膜は、比較例1、2に係る塗布膜と比較して、85℃、90%RH環境下に1000時間暴露した後における、波長850nmの光の透過率の変化が小さい。
以上の結果から、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択されるいずれか1種類以上を含む複合タングステン酸化物微粒子を、含む熱線遮蔽微粒子は、高温高湿下に暴露された後において、従来の熱線遮蔽微粒子よりも熱遮蔽特性の低下が抑制されていることが判明した。
また、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択されるいずれか1種類以上を含む複合タングステン酸化物微粒子を含む熱線遮蔽微粒子分散液を用いれば、従来の複合タングステン酸化物微粒子の分散液と同様に、フィルムやガラス上へのコーティング、フィルム状やシート状および板状の樹脂、マスターバッチ他の、多様な熱線遮蔽組成物を製造するための原料として利用可能であることに加え、高温高湿下に暴露された後においても、従来よりも熱遮蔽特性の低下が抑制されている熱線遮蔽組成物を製造出来ることが判明した。
Figure 2017197632

Claims (11)

  1. 複合タングステン酸化物微粒子と、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上と、を含むことを特徴とする熱線遮蔽微粒子。
  2. 前記複合タングステン酸化物微粒子が六方晶の結晶構造を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱線遮蔽微粒子。
  3. 前記複合タングステン酸化物が、一般式MxWyOzで表記される複合タングステン酸化物(Mは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素で、Wはタングステン、Oは酸素で、0.001≦x/y≦1、2.2≦z/y≦3.0)であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱線遮蔽微粒子。
  4. 前記複合タングステン酸化物微粒子の粒子径が1nm以上800nm以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子。
  5. 前記複合タングステン酸化物微粒子100重量部に対して、脂肪酸、脂肪酸アミドから選択される1種類以上の総量が0.1重量部以上300重量部以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子。
  6. 前記脂肪酸が、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、イソヘキサデカン酸から選択される1種類以上であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子。
  7. 前記脂肪酸アミドが、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N,N’−エチレンビスカプリン酸アミド、N,N’−エチレンビスラウリン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−エチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスエルカ酸アミド、N,N’−ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N,N’−m−キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドから選択される1種類以上であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の熱線遮蔽微粒子が、液状媒体中に分散して含有されている熱線遮蔽微粒子分散液であって、
    前記液状媒体が、水、有機溶媒、植物油、石油系溶剤、油脂、液状樹脂、液状プラスチック用可塑剤のいずれか1種、または、これらから選択される2種以上の混合物であることを特徴とする熱線遮蔽微粒子分散液。
  9. 前記液状媒体中に含有されている熱線遮蔽微粒子の含有量が、0.01質量%以上75質量%以下であることを特徴とする請求項8に記載の熱線遮蔽微粒子分散液。
  10. 前記熱線遮蔽微粒子分散液が、高分子分散剤を含有することを特徴とする請求項8または9に記載の熱線遮蔽微粒子分散液。
  11. 前記高分子分散剤が、官能基としてアミノ基を有するアミノ基高分子分散剤、官能基として水酸基を有する水酸基高分子分散剤、官能基としてカルボキシル基を有するカルボキシル基高分子分散剤から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項10に記載の熱線遮蔽微粒子分散液。
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