JP2017196972A - モータ動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、モータ回転軸と減速機の減速機入力軸との間を、トルクリミッタが連結している。
車輪側から出力部材に入力されるバックトルクは、出力部材の上流側の減速機に直接入力されることになる。
したがって、過大なバックトルクが出力部材に加わると、直接減速機に伝達されることになり、減速機に過大な負荷が掛かり好ましくない。
太陽歯車と、同太陽歯車の外周を覆う同軸の環状内歯歯車と、前記太陽歯車および前記環状内歯歯車の双方に噛合して前記太陽歯車の周りを自転しながら公転する遊星歯車と、前記遊星歯車を軸支して同遊星歯車の公転運動を回転運動とする遊星キャリアとからなる遊星減速機を備え、
電動モータの動力が前記太陽歯車に入力され、前記遊星キャリアの回転を出力軸に出力するモータ動力伝達装置において、
前記遊星キャリアと前記出力軸との間にトルクリミッタ機構が介装されることを特徴とする。
前記トルクリミッタ機構は、前記出力軸に一体に設けられたフランジ部と前記遊星キャリアの軸方向で前記フランジ部に対向する対向部位との間に係脱可能なトルクカムが形成され、付勢手段により前記遊星キャリアが前記フランジ部に押圧されるように付勢されて構成されてもよい。
前記フランジ部が、軸方向で前記太陽歯車と前記遊星キャリアとの間に配置されるようにしてもよい。
前記フランジ部は、前記出力軸と別体のフランジ部材における前記出力軸に嵌着される円筒部の端部に外径を拡大して形成されたフランジ部であり、
前記遊星キャリアは、前記フランジ部材の前記円筒部に回転自在に軸支されるようにしてもよい。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るペダル付き補助動力車両1の部分左側面図であり、図2は、同右側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係るペダル付き補助動力車両1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
図1および図2に示されるように、図示しない前方のヘッドパイプから斜め後方に延出したメインフレーム2が、その後端で後傾して斜め上下方向に延びたセンタフレーム3に連結している。
ペダル軸10の両端にペダルアーム11,11の基端部が嵌着され、ペダルアーム11,11の先端部にペダル12,12が取り付けられている。
また、ペダル軸10には、駆動スプロケット13が嵌着されている。
左側の上下リアフレーム6L,7Lは、後端が後車軸15を軸支する左側の支持部材(後記するモータ伝動ケース33,モータカバー35)に連結され(図1参照)、右側の上下リアフレーム6R,7Rは、後端が後車軸15を軸支する右側の軸受部材16に連結されている(図2参照)。
この後車軸15に一体に回転する支持スリーブ18の外周にワンウエイクラッチ19を介してスプロケットホルダ20が外嵌されており、このスプロケットホルダ20に被動スプロケット21が嵌着されている。
前記ペダル軸10に嵌着された駆動スプロケット13と後車軸15に設けられた被動スプロケット21との間に駆動チェーン22が架け渡される。
連結されて一体化したハブプレート24とハブケース25は、ハブプレート24を底壁部としハブケース25を円筒部とした有底円筒状をなしており、左方に開口して後車軸15に一体に軸支される。
後輪23は、ハブケース25の外周部と後輪タイヤ29を内側から保持するリム28との間にスポーク27が介装されて構成されている(図1,図2参照)。
モータ動力伝達装置30は、電動モータ40と電動モータ40の動力を減速して出力する遊星減速機50とからなる。
減速機カバー32は幅狭の円筒部32aと底壁部32bとで有底円筒状をなしており、底壁部32bの中央ボスがベアリング31のアウタレースに嵌着している。
モータ伝動ケース33は、円筒部33aの中心軸方向中央に軸受壁部33bが形成されていて、軸受壁部33bの両側に空洞を有する。
モータカバー35は、円筒部35aと底壁部35bとで有底円筒状をなしており、円筒部35aの右端面がモータ伝動ケース33の左端面に当接して、ボルト36により締結されてモータ伝動ケース33に連結される。
モータカバー35とモータ伝動ケース33は、左側の上下リアフレーム6L,7Lの後端に連結されて支持される。
また、モータ伝動ケース33の軸受壁部33bと減速機カバー32との間に形成される内空間が減速機室30Rであり、遊星減速機50が組み込まれる。
すなわち、モータ回転軸41は、モータ伝動ケース33の軸受壁部33bにベアリング45を介して軸支されるとともに、モータ回転軸41の左端部がモータカバー35の底壁部35bの中央に突出した円筒軸受部35cに嵌合されたベアリング46に軸支されて、モータ伝動ケース33とモータカバー35に回転自在に支持されている。
モータロータ42の外周にモータステータ43がモータ伝動ケース33に支持されて設けられている。
フランジ部材52は、後車軸15に嵌着される円筒部52bと円筒部52bの左端部に外径を拡大して形成されたフランジ部52aとからなる。
フランジ部材52の円筒部52bは、ベアリング31のインナレースとの間に後車軸15に嵌合する環状のリテーナ部材53を挟んでいて、フランジ部材52はフランジ部52aの左端面が後車軸15の左端面と略同一面をなす位置に位置決めされている。
遊星キャリア55は、図4および図5に散点模様を施して示されるように、円板部55aから放射方向に互いに等間隔に3本のアーム部55bが延出している。
遊星キャリア55は、フランジ部材52の円筒部52bの外周に摺動自在に軸支され、遊星キャリア55の円板部55aとリテーナ部材53の間に皿ばね54が介装されて、この皿ばね54により遊星キャリア55は、左方に付勢されている。
すなわち、トルクカム56は、フランジ部材52と遊星キャリア55との間で、相対トルク変動を皿ばね54により付勢された遊星キャリア55が軸方向に移動して吸収しながら動力伝達する。
この大径の第1遊星歯車61は、モータ回転軸41の右側部の太陽歯車51と同じ軸方向位置にあって、太陽歯車51と噛合する。
支持軸60が遊星キャリア55のアーム部55bの先端部を貫通してフランジ付き頭部60aがアーム部55bに当接されたときに、アーム部55bより左方に突出した円筒軸部60bに小径の第2遊星歯車62がニードルベアリング63を介して回転自在に軸支される。
第1遊星歯車61と第2遊星歯車62は、一体に回転する。
この環状内歯歯車66の内歯に3つの第2遊星歯車62が噛合する。
図4および図5を参照して、遊星キャリア55の3本のアーム部55bにそれぞれ軸支された大径の第1遊星歯車61が太陽歯車51に噛合し、第1遊星歯車61と一体の小径の第2遊星歯車62が環状内歯歯車66に噛合している。
このように電動モータ40の駆動は、ペダル走行の補助動力として働くが、本モータ動力伝達装置30の場合、電動モータ40の動力のみで走行も可能である。
図7(1)〜(7)は、過大なバックトルクが生じたときのトルクリミッタ機構57の動作過程を模式図で順次示した説明図である。
図6および図7に示す模式図は、遊星キャリア55とフランジ部材52を展開して示したトルクリミッタ機構57の模式図であり、図7では、遊星キャリア55とフランジ部材52の相対回転を、遊星キャリア55の回転を停止してフランジ部材52の回転でのみ示している。
すると、フランジ凹凸面56fの台形凸部の傾斜面をキャリア凹凸面56cの台形凸部が滑り上るようにして遊星キャリア55を皿ばね54の付勢力に抗して軸方向に移動する(図7(2),(3)参照)。
その後、キャリア凹凸面56cの台形凸部は、フランジ凹凸面56fの台形凸部を乗り越えて、皿ばね54の付勢力によりフランジ凹凸面56fの台形凹部に嵌合し(図7(5),(6)参照)、最初の図7(1)に示す状態になる(図7(7)参照)。
したがって、トルクリミッタ機構57は、過大なバックトルクが遊星減速機50の遊星キャリア55に伝達されるのを遮断し、遊星減速機50に過大な負荷が掛かるのを回避して遊星減速機50を保護することができる。
図3および図7に示されるように、遊星キャリア55と後車軸15との間にトルクリミッタ機構57が介装されるので、許容値を越える過大なバックトルクが後車軸15に入力されると、トルクリミッタ機構57が働いてバックトルクが遊星減速機50に伝達するのを遮断し、遊星減速機50に過大な負荷が掛かるのを防止して遊星減速機50を保護することができる。
10…ペダル軸、11…ペダルアーム、12…ペダル、13…駆動スプロケット、15…後車軸、16…軸受部材、17…ベアリング、18…支持スリーブ、19…ワンウエイクラッチ、
20…スプロケットホルダ、21…被動スプロケット、22…駆動チェーン、23…後輪、24…ハブプレート、25…ハブケース、26b…ボルト、26n…ナット、27…スポーク、28…リム、29…後輪タイヤ、
30…モータ動力伝達装置、31…ベアリング、32…減速機カバー、32a…円筒部、32b…底壁部、33…モータ伝動ケース、33a…円筒部、33b…軸受壁部、34…ボルト、35…モータカバー、35a…円筒部、35b…底壁部、36…ボルト、
40…電動モータ、41…モータ回転軸、42…モータロータ、43…モータステータ、45…ベアリング、46…ベアリング、
50…遊星減速機、51…太陽歯車、52…フランジ部材、52a…フランジ部、52b…円筒部、53…リテーナ部材、54…皿ばね、55…遊星キャリア、55a…円板部、55b…アーム部、56…トルクカム、57…トルクリミッタ機構、60…支持軸、61…第1遊星歯車、62…第2遊星歯車、63…ニードルベアリング、64…環状支持部材、65…ナット、66…環状内歯歯車(リングギア)、67…取付ボルト。
Claims (4)
- 太陽歯車(51)と、同太陽歯車(51)の外周を覆う同軸の環状内歯歯車(66)と、前記太陽歯車(51)および前記環状内歯歯車(66)の双方に噛合して前記太陽歯車(51)の周りを自転しながら公転する遊星歯車(61,62)と、前記遊星歯車(61,62)を軸支して同遊星歯車(61,62)の公転運動を回転運動とする遊星キャリア(55)とからなる遊星減速機(50)を備え、
電動モータ(40)の動力が前記太陽歯車(51)に入力され、前記遊星キャリア(55)の回転を出力軸(15)に出力するモータ動力伝達装置(30)において、
前記遊星キャリア(55)と前記出力軸(15)との間にトルクリミッタ機構(57)が介装されることを特徴とするモータ動力伝達装置。 - 前記トルクリミッタ機構(57)は、前記出力軸(15)に一体に設けられたフランジ部(52a)と前記遊星キャリア(55)の軸方向で前記フランジ部(52a)に対向する対向部位(55a)との間に係脱可能なトルクカム(56)が形成され、付勢手段(54)により前記遊星キャリア(55)が前記フランジ部(52a)に押圧されるように付勢されて構成されることを特徴とする請求項1記載のモータ動力伝達装置。
- 前記フランジ部(52a)が、軸方向で前記太陽歯車(51)と前記遊星キャリア(55)との間に配置されることを特徴とする請求項2記載のモータ動力伝達装置。
- 前記フランジ部(52a)は、前記出力軸(15)と別体のフランジ部材(52)における前記出力軸(15)に嵌着される円筒部(52b)の端部に外径を拡大して形成されたフランジ部(52a)であり、
前記遊星キャリア(55)は、前記フランジ部材(52)の前記円筒部(52b)に回転自在に軸支されることを特徴とする請求項3記載のモータ動力伝達装置。
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