JP2017196956A - ブレーキ液圧制御用アクチュエータ - Google Patents

ブレーキ液圧制御用アクチュエータ Download PDF

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文利 小山
Fumitoshi Koyama
文利 小山
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Abstract

【課題】簡易な構成にて、アクチュエータから車両への振動伝達を抑制することのできるブレーキ液圧制御用アクチュエータを提供すること
【解決手段】油圧回路が形成されていると共に上面に油圧回路に接続されるポートが形成されるハウジングと、ポートに接続される配管と、ハウジングの前面に配設されるモータと、ハウジングを車体に対して取り付けるためのブラケットと、を有し、ブラケットは、ハウジングの上面と略平行であって、モータ中心よりも上方かつ上面よりも下方となる位置で車体に固定されるブレーキ液圧制御用アクチュエータ
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のブレーキ液圧制御、例えばABS制御やトラクション制御などに用いられるブレーキ液圧制御用アクチュエータの車体側への固定構造に関する。
この種のブレーキ液圧制御用アクチュエータは、例えば、下記特許文献1、2に記載されている。
特開2000−211488 特開平11―334564
従来、ブレーキ液圧制御用アクチュエータは、金属板を曲げて形成されるブラケットとゴムブッシュなどのダンパ部材を介して車体に取り付けられている。ダンパ部材によって、ポンプやモータ等によって発生する振動が車体側に伝播することを抑制している。
特許文献1では上記した振動を抑制するためにハウジングの3面(側面、下面)を取り囲むようにブラケットを配設し、ハウジングの両側面とその側面に相対する面をブラケットにゴムブッシュとスタッドボルトとを用いて固定し、ハウジングの下面をその下面に設けたゴムブッシュ付きの係止孔にピンを挿入することで振動を抑制している。つまり、ハウジングの両側面とブラケットとが平行であり、ボルト及びゴムブッシュとがハウジング及びブラケットに対して直行して配置されている。また、下面に設けられた係止孔とピンとの間にもゴムブッシュが配設されている。
上記した構成によると、ハウジングの上面にはブレーキの配管が接続され、その配管は車体に固定されている。モータ等による振動が発生すると、配管とハウジングとの接続部を作用点、モータを力点、ボルトを支点として横揺れのモーメントが発生する。そのモーメントの発生によって、ハウジングに取り付けられた配管が揺れる。特許文献1では、ハウジングの両側面とブラケットとが互いに平行であり、ブッシュはハウジング両側面に対して直行しているため、接続部を中心とする横揺れのモーメント抑制効果は低い。そのため、発生する振動を抑制することが困難であった。
特許文献2では、上記した振動を抑制するために、ブレーキの配管をハウジング前面かつ上面方向に配置し、ハウジングの上面とブラケットとを締結し、その締結部から上方に延びるように延在させた脚部の端部が車体に対してハウジングの上面と平行になるように固定している。つまり、モータの振動や車両の振動による縦揺れを脚部によって抑制し、前述した接続部の横揺れのモーメント抑制を脚部の端部で行っている。
しかしながら上記の構成であると、ハウジングの上方に比較的大きなスペースが必要となるため、装置の全体としての大型化に繋がってしまう。更に、ハウジングの上方に締結部を配置するために接続部の位置をハウジング前面にする必要があり、ハウジング内の配管が複雑になり、配管のレイアウトの自由度が低くなる。
本発明は上記点に鑑みて、簡易な構成にて、アクチュエータから車両への振動伝達を抑制することのできるブレーキ液圧制御用アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係るブレーキ液圧制御用アクチュエータは、油圧回路が形成されていると共に上面に油圧回路に接続されるポートが形成されるハウジングと、ポートに接続される配管と、ハウジングの前面に配設されるモータと、ハウジングを車体に対して取り付けるためのブラケットと、を有し、ブラケットは、ハウジングの上面と略平行であって、モータ中心よりも上方かつ上面よりも下方となる位置で車体に固定される構造を有する。
本実施形態の正面図である。 本実施形態の天面図である。 本実施形態の側面図である。 本実施形態の下面支持部の拡大図である。
以下、本発明の実施形態により具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施形態によって限定されるものではない。
本実施形態のブレーキ液圧制御用アクチュエータは、図1から3に示すように車両(車体)の一部に取り付けられる車体ブラケット3と、ボルトとゴムや樹脂等の防振部材より構成される第1緩衝部51及び第2緩衝部52によって車体ブラケット3に固定されるブラケット4と、上面11に図示しないブレーキの管路が取り付けられるW/Cポート81と、前面14にモータ7と、裏面15にケース2と、側面12がブラケット4に固定され、下面13が下面支持部6によって支持されるハウジング1とを有している。
ハウジング1は、略直方体のアルミニウム合金製によって形成され、ブレーキ液が流通する複数の油路が形成され、このハウジング1の上面11には4つのW/Cポート81が形成され、前面14には2つのM/Cポート81が形成れ、図示しないホイールシリンダーやマスタシリンダに接続される配管が接続されている。なお、配管は車体等に固定されている。
ハウジング1の前面14にはモータ7が取り付けられており、ポンプ(図示せず)を駆動してブレーキ液の吸入及び吐出を行っている。ハウジング1の裏面にはケース2が固定されている。このケース2内には、油路を開閉する複数の電磁弁(図示せず)、モータ7や電磁弁を制御するブレーキECUが実装された回路基板(図示せず)が収容されている。また、ケース2は車体ブラケット3の反対側にコネクタ端子(図示せず)の接続されるコネクタ接続部21を有している。
ブラケット4は、金属薄板よりなり、車体ブラケット3側の支持部である第1支持部41、第2支持部42と、ハウジング1側の支持部である側面支持部43とを有している。第1支持部41及び第2支持部42は車体ブラケット3に第1緩衝部51及び第2緩衝部52によって固定される。各支持部はハウジング1の上面11とモータ中心軸を通り上面11と平行な面との間の範囲(図2のAの示す範囲)に配設され、ハウジング1の上面11(下面13)と略平行に配設されている。また、側面支持部43は、第1固定ネジ44と第2固定ネジ45とによってハウジング1の車体ブラケット側面12bにネジ止め固定されている。さらにブラケット4はハウジング1の前面14に固定される前面支持部46を有し、前面固定ネジ47によってネジ止め固定されている。
車体ブラケット3は、樹脂等によりなり、ハウジング1の下面13といずれか一方の側面(本実施形態では車体ブラケット側面12b)に対応するように延在されている。第1固定部31と第2固定部32の高さは、モータ中心軸を通り上面11と平行な面との間の範囲(図2のAの示す範囲)となるように設定されている。下面13には下面支持部6の配設される孔が形成されている。また、モータ7側の車体ブラケット3である第2固定部32は、組付け性の観点からモータ7、前面固定ネジ47の高さよりも低いことが望ましい。
下面支持部6は、図4に示すように、ハウジング1に形成された下面穴63に、ゴムなどの弾性部材や樹脂等によって形成されるピン64が固定されている。ピン64は、ハウジング1に対してネジや接着、圧入等の手段によって固定され、端部にはかえし部66を有している。また、躯体67は、躯体67を車体ブラケット3にカシメ固定するため溝であるカシメ部65と、ピン64が挿通するピン穴61と、ピン穴61のハウジング1側開口に形成されるテーパ面62とによって構成されている。ピン穴61はピン64よりもその軸長が短く、かえし部66が車体ブラケット3側に突出できる形状であることが望ましく、かえし部66はブラケット4が車体ブラケット3に固定される第1、第2支持部41、42に対して反対の方向(車体ブラケット側面12bと反対の方向又は、コネクタ側面の方向)を向いた形状であることが望ましい。
上記した構成によると、モータ7やポンプ(図示せず)や電磁弁(図示せず)等によって発生するハウジング1のモータ7軸方向に直行する振動に対しては、第1、第2緩衝部51、52によって発生する振動を車両に伝播させないようにすることができる。また、モータ7軸方向の振動に対してはモータ7軸方向に2つの第1、第2緩衝部51、52を並べて設けることで振動を確実に抑制できる。
また、上記した構成であると、配管との接続部と第1、第2緩衝部51、52(ブラケット4が車体ブラケット3に固定される部分)の2点間の距離が近いため、第1、第2緩衝部51、52を支点、W/C、M/Cポート81、82を作用点、モータ7を力点として発生する横揺れのモーメントが発生しにくい。更に、作用点であるW/C、M/Cポート81、82が配設されているハウジング1の上面11とブラケット4の第1、第2支持部41、42とが略平行であり、かつ第1、第2緩衝部51、52がその平行な面に直行しているため、前記したモーメントが発生しにくい構造をとることが可能となる。
ブラケット4及び車体ブラケット3はハウジング1の側面に対して1方向のみでかつコネクタ接続部21と反対側に配設されることが望ましい。このような形状を取ることで車体ブラケット3が配設されるスペースを少なくすることができ、小型化を達成することができる。またブラケット3そのものを小さくすることができるため、軽量化を達成することもできる。
ハウジング1に対して1方側のみを車体ブラケット3に固定した本実施形態の場合、振動の発生時に支点である第1、第2緩衝部51、52を中心としてハウジング1に対して横揺れ(回転方向)のモーメントが発生する。ハウジング1の下面13に配設されたピン64は、前述したモーメントによってピン穴61に押し付けられるため、モーメントを抑制する事ができる。更に、ピン64が弾性部材や樹脂等によって形成される場合、モーメントの抑制とともに発生する振動も抑制することができる。
また、かえし部66が第1、第2緩衝部51、52と反対の方向を向いた形状であるとピン64がピン穴61から抜け出ることを確実に抑制できるとともに、組付け時に、ハウジング1を車体ブラケット3に対し第1、第2固定部31、32と反対の向きから斜め方向に、かえし部66がピン穴61に垂直となるように挿入した後、ピン64がピン穴61を中心として回転させるようにしながら挿入し、挿入完了後にブラケット3を第1、第2固定部31、32に固定することで、スムーズな組付けが可能になる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ブレーキ液圧制御用アクチュエータのハウジングの一方側の側面でブラケットを介してモータ軸方向の2箇所で車体ブラケットに固定させ、下面をかえしのついたピンによって支持する構成を有しているため、発生する振動及びモーメントを確実に抑制することができ、ハウジングの固定が一方側の側面のみであるため省スペースであるという利点がある。
なお、本実施形態では下面支持部6として、ハウジング1のケース側に配置される第1下面支持部6aと、ハウジング1の角(隅)に配設される第2下面支持部6bとを配設し、第1仮面支持部6aにかえし部66をもたせ、第2下面支持部6bはかえしをもたない形状としたが、ピンはどちらもかえしを有していても良いし、どちらもかえしを有していなくても良い、また、下面支持部は下面のいずれの場所に配置されていても良いし、その個数も任意であるし、下面支持部は一つも配設されなくても構わない。
なお、躯体67は車体ブラケット3から脱離しないように固定されていればよく、圧入や接着等の手段を用いて固定されていても良い。その際にはカシメ部65はなくても良い。
以上、本発明の実施形態が例示されたが、上記実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各構成や、形状、等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
1:ハウジング、 11:上面、
12:側面(12a:コネクタ側面、 12b:車体ブラケット側面)、
13:下面、 14:前面、 15:裏面、 2:ケース(ECUケース)、
21:コネクタ接続部、 3:車体ブラケット、 31:第1固定面、
32:第2固定面、 4:ブラケット、 41:第1支持部、 42:第2支持部、
43:側面支持部、 44:第1固定ネジ、 45:第2固定ネジ、 46:前面支持部、
47:前面固定ネジ、 51:第1緩衝部、 52:第2緩衝部、
6:下面支持部(6a:第1下面支持部、 6b:第2下面支持部)、 61:ピン穴、
62:テーパ面、 63:下面穴、 64:ピン、 65:カシメ部、 66:かえし部、
67:躯体、 7:モータ、 81:W/Cポート、 82:M/Cポート、

Claims (3)

  1. 油圧回路が形成されていると共に上面に前記油圧回路に接続されるポートが形成されるハウジングと、
    前記ポートに接続される配管と、
    前記ハウジングの前面に配設されるモータと、
    前記ハウジングを車体に対して取り付けるためのブラケットと、を有し、
    前記ブラケットは、
    前記ハウジングの上面と略平行であって、前記モータ中心よりも上方かつ前記上面よりも下方となる位置で車体に固定されることを特徴とするブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
  2. 前記ブラケットは、
    前記ハウジングの側面と略平行に延在される取付部を有し、
    該取付部にて前記ハウジングを固定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
  3. 前記ハウジングの下面から突出する突起と、その先端に車体側に設けられた挿入孔に挿入された際に挿入孔からの離脱を抑制するかえし部と、を有する請求項1に記載のブレーキ液圧制御用アクチュエータ。
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