JP2017195571A - 自乗検波器、復調器、検波方法、及び、電子機器 - Google Patents

自乗検波器、復調器、検波方法、及び、電子機器 Download PDF

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健太郎 安仲
貴志 増田
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貴志 増田
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克尚 伊藤
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良文 宮島
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Abstract

【課題】変換ゲインと波形ひずみを改善することができるようにする。【解決手段】自乗検波器は、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、増幅された第1の変調信号と、第2の変調信号とを乗算することで、変調信号を原信号に変換する周波数変換部と、信号増幅部に電流を供給する電流源部とを備える。本技術は、例えば、ミリ波帯通信を行う受信機で用いられる自乗検波器に適用することができる。【選択図】図3

Description

本技術は、自乗検波器、復調器、検波方法、及び、電子機器に関し、特に、変換ゲインと波形ひずみを改善することができるようにした自乗検波器、復調器、検波方法、及び、電子機器に関する。
モバイルデバイスの進化により、近距離のデバイス間を低消費電力で、かつ金属コネクタ等の金属接点のない状態で高速に通信する技術が求められており、ミリ波通信は有望な候補である。
ミリ波帯で低消費電力、小面積、大容量な機器間通信を行うためには、ASK(Amplitude Shift Keying)などの振幅変調が用いられる。また、その受信機側の復調方式として、自乗検波方式がある。この自乗検波方式は、構成が単純で、かつ低消費電力な回路で構成されることから、広く利用されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、トランジスタの非線形性を利用した自乗検波器が開示されている。また、特許文献2には、シングルバランスミキサを用いた自乗検波器が開示されている。
特開2009-303084号公報 特開2011-45020号公報
ここで、特許文献1に開示されている自乗検波器(図1)の回路方式では、出力電圧(Vout)の直流成分(DC成分)を高くとる必要があり、入力レベルが低いときの変換ゲインが低くなる場合がある。この変換ゲインを上げるために、回路電流を増やして、出力電圧の直流成分を低くすると、入力レベルが高いときの波形ひずみが大きくなってしまう。
また、特許文献2に開示されている自乗検波器においては、増幅した入力信号を分岐させて、シングルバランスミキサに入力する。このとき、発振信号(LO(Local Oscillator)信号)がなく、シングル回路の入出力を持ったRF増幅器を利用する場合、トランジスタ(図2のトランジスタM1,M2)が同相で動作し、変換ゲインが差動回路の場合と比べて低くなる。特に、入力レベルが高い場合には、出力波形のひずみが大きくなる。
このように、上述した自乗検波器においては、変換ゲインと波形ひずみに対する対策が十分であるとは言えず、変換ゲインと波形ひずみを改善することが望まれていた。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、変換ゲインと波形ひずみを改善することができるようにするものである。
本技術の一側面の自乗検波器は、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、前記信号増幅部に電流を供給する電流源部とを備える自乗検波器である。
本技術の一側面の復調器は、上述した本技術の一側面の自乗検波器と、前記自乗検波器における前記変調信号の入力に応じた出力電圧の変化に基づいて、前記変調信号の入力の有無を検出する検出部とを備える復調器である。
本技術の一側面の検波方法は、信号増幅部と、周波数変換部と、電流源部とを有する自乗検波器の検波方法において、前記信号増幅部が、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅し、前記周波数変換部が、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換し、前記電流源部が、前記信号増幅部に電流を供給するステップを含む検波方法である。
本技術の一側面の電子機器は、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、前記信号増幅部に電流を供給する電流源部とを有する自乗検波器を搭載した電子機器である。
本技術の一側面においては、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部において、前記信号増幅部に電流が供給される。
なお、自乗検波器、復調器、又は電子機器は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。
本技術の一側面によれば、変換ゲインと波形ひずみを改善することができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
通信システムの構成例を示す図である。 受信機の構成例を示す図である。 自乗検波器の構成例を示す図である。 自乗検波器の詳細な構成例を示す図である。 復調器の出力DC値と波形との関係を示す図である。 受信機におけるレベルダイヤの例を示す図である。 復調器の構成例を示す図である。 復調器の回路構成例を示す図である。 電子機器の構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.システム構成
2.変換ゲインと波形ひずみの改善機能
3.RF入力検出機能
4.電子機器の構成
5.変形例
<1.システム構成>
(通信システムの構成)
図1は、通信システムの構成例を示す図である。
図1の通信システムは、送信機10と受信機20から構成される。この通信システムにおいては、送信機10から送信される信号が、伝送路30を介して受信機20により受信される。
図1において、送信機10は、BB増幅器101、発振器102、変調器103、RF増幅器104、及びアンテナ105を有する。
BB増幅器101は、そこに入力されるベースバンド信号(原信号)を増幅し、変調器103に供給する。
発振器102は、発振によって、60GHz等のミリ波のキャリアを発生し、変調器103に供給する。
ここで、ミリ波とは、周波数が30〜300GHz程度、つまり、波長が、1〜10mm程度の電波である。ミリ波帯の電波によれば、周波数が高いことから、高速のデータレートでのデータ伝送が可能であり、例えば小さなアンテナ等を用いた無線通信を行うことができる。
変調器103は、BB増幅器101から供給されるベースバンド信号と、発振器102から供給されるキャリアとをミキシング(乗算)することにより、ベースバンド信号を、発振器102からのキャリアによって周波数変換し、その結果得られるミリ波帯の変調信号(ミリ波帯信号)を、RF増幅部104に供給する。
ここでは、変調器103によって、2〜5Gbps程度のベースバンド信号が、ミリ波帯信号にアップコンバートされることになる。
RF増幅器104は、変調器103から供給されるミリ波帯信号を増幅し、アンテナ105を介して送信する。
図1において、受信機20は、アンテナ201、RF増幅器202、復調器203、BB増幅器204、及び後段システム205を有する。
RF増幅器202は、アンテナ201を介して、送信機10から送信されてくるミリ波帯信号を受信して増幅し、復調器203に供給する。
復調器203は、RF増幅器202から供給されるミリ波帯の変調信号どうしをミキシング(乗算)する(変調信号を自乗する)自乗検波(二乗検波)を行うことで、RF増幅器202からのミリ波帯信号を、ベースバンド信号(復調信号)に周波数変換し、BB増幅器204に供給する。
BB増幅器204は、復調器203から供給されるベースバンド信号(復調信号)を増幅して、後段の回路(不図示)に出力する。
また、復調器203は、RF増幅器202からのミリ波帯の変調信号の入力を監視している。復調器203は、RF増幅器202からのミリ波帯の変調信号の入力が検出された場合には、ミリ波帯の変調信号(RF信号)の入力が検出されたことを示すRF入力検出信号を、後段システム205に供給する。後段システム205では、復調器203から供給されるRF入力検出信号に応じた処理が行われる。
通信システムは、以上のように構成される。
なお、図1の通信システムにおいては、送信機10と受信機20とが、アンテナ105とアンテナ201を介して無線通信を行う場合を例示したが、この通信システムでは、アンテナを用いた無線通信に限らず、送信機10と受信機20とがカプラ(結合器)により結合されることで、信号の送受信が行われるようにすることができる。すなわち、図1の通信システムにおいて、結合部40としては、アンテナ105やアンテナ201等のアンテナを含むカプラ(結合器)を用いることができる。
(受信機の構成)
図2は、図1の受信機20の構成例を示す図である。
図2において、受信機20は、RF増幅器202、復調器203、BB増幅器204、及び出力ドライバ206を有している。なお、図2においては、アンテナ201と後段システム205の図示を省略している。また、復調器203は、自乗検波器211、ローパスフィルタ(LPF)212、レプリカ回路213、及び比較器214から構成される。
RF増幅器202は、アンテナ201等の結合部40(図1)から入力されるミリ波帯の変調信号を増幅し、復調器203(の自乗検波器211)に供給する。
復調器203において、自乗検波器211は、RF増幅器202から供給されるミリ波帯の変調信号どうしをミキシング(乗算)する自乗検波を行うことで、ミリ波帯の変調信号を、ベースバンド信号(復調信号)に周波数変換し、BB増幅器204に供給する。
ここで、自乗検波器211においては、自乗検波によって、変調信号からベースバンド信号(復調信号)を取り出す際に、信号増幅部と周波数変換部の電流量を調整したり、周波数変換部のバイアス電圧を調整したりすることで、復調器203(自乗検波器211)における変換ゲインと出力波形のひずみを改善することができる。なお、信号増幅部は、図3の信号増幅部221に相当し、周波数変換部は、図3の周波数変換部222に相当するものであり、その詳細は後述する。
また、復調器203において、自乗検波器211の出力は、ローパスフィルタ212に入力される。ローパスフィルタ212は、自乗検波器211から出力される復調信号の周波数成分のうち、低域周波数成分のみを通過させることで得られる直流成分を、比較器214に供給する。
レプリカ回路213は、自乗検波器211に対応したレプリカ回路であって、自乗検波器211と同様の回路構成を有している。レプリカ回路213は、自乗検波器211に対応して動作することで得られる信号(以下、レプリカ信号という)を出力する。このレプリカ信号の直流成分は、比較器214に入力される。
比較器214には、ローパスフィルタ212からの復調信号の直流成分と、レプリカ回路213からのレプリカ信号の直流成分が入力される。比較器214は、復調信号から得られる直流成分と、レプリカ信号から得られる直流成分とを比較し、その比較結果に応じたRF入力検出信号を、後段システム205(図1)に出力する。
ここで、復調器203においては、自乗検波器211の出力に対してローパスフィルタ212が適用された後の直流成分と、レプリカ回路213の出力から得られる直流成分とが等しくなるように動作しているため、比較器214では、それらの入力される直流成分を比較することで、自乗検波器211の出力の変化を検出することができる。
例えば、比較器214は、微小なRF信号(例えば-30dB程度)が検出された場合には、当該RF信号の入力が検出されたことを示すRF入力検出信号を、後段システム205に出力する。なお、比較器214には、キャリブレーション時のバイアス調整と、キャリブレーション後のRF入力検出の2つの役割があり、その役割に応じて閾値を調整することになるが、その詳細な内容は、図7を参照して後述する。
BB増幅器204は、復調器203から供給されるベースバンド信号(復調信号)を増幅して、出力ドライバ206を介して後段の回路(不図示)に出力する。
受信機20は、以上のように構成される。この受信機20の復調器203においては、自乗検波器211が、変換ゲインと波形ひずみを改善するための機能を有し、さらに、この自乗検波器211とともに、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、及び比較器214を設けることで、RF信号の入力を検出するための機能も有している。そこで、以下、受信機20の復調器203による、変換ゲインと波形ひずみの改善機能と、RF入力検出機能のそれぞれについて、その詳細な内容を説明する。
<2.変換ゲインと波形ひずみの改善機能>
まず、図3乃至図6を参照して、変換ゲインと波形ひずみの改善機能の詳細な内容について説明する。
(自乗検波器の構成)
図3は、図2の自乗検波器211の構成例を示す図である。
図3において、自乗検波器211は、信号増幅部221、周波数変換部222、及び電流源部223から構成される。
自乗検波器211において、RF増幅器202(図2)から出力された変調信号SRFは、分岐点BPにより分岐され、一方の変調信号SRF1が信号増幅部221に入力され、他方の変調信号SRF2が周波数変換部222に入力される。
信号増幅部221は、分岐点BPにより分岐された変調信号SRF1を増幅して、周波数変換部222に出力する。
周波数変換部222には、分岐点BPにより分岐された変調信号SRF2と、信号増幅部221により増幅された変調信号SRF1が入力される。周波数変換部222は、そこに入力された変調信号SRF1と変調信号SRF2とを乗算して周波数変換を行うことで、RF増幅器202からの変調信号SRFに応じた復調信号SDMを生成する。このようにして生成された復調信号SDMは、BB増幅器204(図2)に出力される。
電流源部223は、信号増幅部221に電流を供給する。ここでは、電流源部223は、自乗検波器211における変換ゲインの向上のために、信号増幅部221に電流を供給しているが、その詳細な内容は、図4乃至図6を参照して説明する。
(自乗検波器の構成)
図4は、図3の自乗検波器211の詳細な構成例を示す図である。
図4において、図3の信号増幅部221が、NMOSトランジスタM1に相当し、図3の周波数変換部222が、NMOSトランジスタM2に相当している。また、図4において、図3の電流源部223は、バイアス回路231−1に相当している。
自乗検波器211において、分岐点BPは、RF増幅器202(図2)の出力端に接続されている。
コンデンサC1は、一端が分岐点BPに接続され、他端がNMOSトランジスタM1のゲートに接続される。また、コンデンサC1とNMOSトランジスタM1のゲートとの間の接続点N2には、抵抗R1を介してバイアス回路231−2が接続される。すなわち、NMOSトランジスタM1のゲートバイアスは、バイアス回路231−2により制御される。
コンデンサC2は、一端が分岐点BPに接続され、他端がNMOSトランジスタM2のゲートに接続される。また、コンデンサC2とNMOSトランジスタM2のゲートとの間の接続点N3には、抵抗R2を介してバイアス回路231−3が接続される。すなわち、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスは、バイアス回路231−3により制御される。
NMOSトランジスタM1において、そのドレインはNMOSトランジスタM2のソースに接続され、そのゲートは接続点N2に接続され、そのソースは接地されている。また、NMOSトランジスタM2において、そのドレインは、負荷抵抗Rdを介して電源に接続され、そのゲートは接続点N3に接続され、そのソースはNMOSトランジスタM1のドレインと接続されている。なお、図4において、接地は、低電位の電源の一例であり、電源は、高電位の電源の一例である。
NMOSトランジスタM1のドレインとNMOSトランジスタM2のソースとの間の接続点N1には、インダクタLPを介してバイアス回路231−1が接続される。なお、インダクタLPは、バイアス回路231−1に含まれるようにしてもよい。NMOSトランジスタM2のドレインと負荷抵抗Rdとの間の接続点N4には、出力端が接続される。この出力端(復調器出力)は、BB増幅器204(図2)に接続されている。
ここで、図4の自乗検波器211の動作について説明する。図4において、RF増幅器202(図2)により線形に増幅されたRF信号である変調信号SRFは、RF増幅器202の出力端に接続された分岐点BPにより変調信号SRF1と変調信号SRF2とに分岐され、コンデンサC1側と、コンデンサC2側にそれぞれ入力される。
コンデンサC1側に入力された変調信号SRF1は、コンデンサC1により直流成分がカットされる。そして、直流成分がカットされた変調信号SRF1は、バイアス回路231−2により所定のバイアス電圧が印加され、NMOSトランジスタM1のゲートに入力される。その結果、信号増幅部221としてのNMOSトランジスタM1においては、分岐点BPにより分岐された変調信号SRF1が増幅されることになる。
一方で、コンデンサC2側に入力された変調信号SRF2は、コンデンサC2により直流成分がカットされる。そして、直流成分がカットされた変調信号SRF2は、バイアス回路231−3により所定のバイアス電圧が印加され、NMOSトランジスタM2のゲートに入力される。
その結果、周波数変換部222としてのNMOSトランジスタM2においては、分岐点BPで分岐されて、接続点N2側に入力された変調信号SRF1と、接続点N3側に入力された変調信号SRF2とが乗算され、RF増幅器202から出力された変調信号SRFに応じた復調信号SDMが生成される。この復調信号SDMは、接続点N4に接続された出力端(復調器出力)から、BB増幅器204(図2)に出力される。
ここで、自乗検波器211における変換ゲインであるが、NMOSトランジスタM1の相互コンダクタンスgm1が支配的となる。そのため、変換ゲインを改善するには、電流源部223としてのバイアス回路231−1により、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1を制御すればよい。ここでは、変換ゲイン改善のために、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1を増加させることになる。
また、自乗検波器211から出力される復調信号SDMの直流成分が低下すると、復調信号SDMの波形ひずみが大きくなる。
例えば、図5において、図5Aと図5Bには、復調器203(の自乗検波器211)から出力される復調信号SDMの直流成分の電圧値(出力DC電圧値)が高い状態の出力波形と、直流成分の電圧値(出力DC電圧値)が低い状態の出力波形とを示している。なお、図5においては、時間の方向は、図中の左側から右側に向かう方向とされる。また、図中の縦方向は、電圧のレベルを表している。
図5Aにおいては、復調信号SDMの電圧レベルが、図中の点線で示す電源電圧の電圧レベル側に近づいており、その直流成分の電圧値(出力DC電圧値)が高い状態の波形となっている。一方で、図5Bにおいては、復調信号SDMの電圧レベルが、図中の点線で示す電源電圧の電圧レベル側から離れており、その直流成分の電圧値(出力DC電圧値)が低い状態の波形となっている。このとき、図5Bの復調信号SDMの波形(復調波)は、点線の波形で示すように、図5Aの復調信号SDMの波形(復調波)と比べて、その波形ひずみが大きくなっている。
このように、自乗検波器211から出力される復調信号SDMの直流成分の電圧値(出力DC電圧値)が低下すると、波形ひずみが生じることになる。そこで、図4の自乗検波器211では、このような波形ひずみを低減させるために、周波数変換部222としてのNMOSトランジスタM2に流れる電流IM2を、信号増幅部221としてのNMOSトランジスタM1に流れる電流IM1と比べて少なくなるようにする。
ここで、図4の自乗検波器211では、電流源部223としてのバイアス回路231−1を用いることで、NMOSトランジスタM2に流れる電流IM2が、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1と比べて少なくなるようにしている。
すなわち、自乗検波器211においては、復調信号SDMの直流成分の電圧値を低下させないようにするために、バイアス回路231−1を用いて、電流IM1(電流IM1 = 電流IM2 + 電流Ix)が、NMOSトランジスタM1に供給されるようにしている。ここでは、例えば、電流IM1と電流IM2との比を、IM1:IM2 = 15:1程度にすることができる。
また、図4の自乗検波器211では、NMOSトランジスタの非線形効果による復調信号SDMの波形(出力波形)のひずみを低減させるために、バイアス回路231−3によって、周波数変換部222としてのNMOSトランジスタM2のゲートバイアスを制御する。
すなわち、バイアス回路231−3が、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスを調整することで、復調信号SDMの直流成分の電圧値(出力DC電圧値)の電圧レベルが高く保たれ、復調信号SDMの波形のひずみを低減することができる。なお、この波形ひずみを低減するための方法としては、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスを調整する方法に限らず、波形ひずみを低減可能な方法であれば、他の方法を用いてもよい。
このようにして、自乗検波器211では、変換ゲインと波形ひずみを改善することができる。図6には、受信機20におけるレベルダイヤの例を示している。図6においては、受信機20に設けられたRF増幅器202、復調器203、及びBB増幅器204における最大入力レベルと最小受信感度の変化を表している。
復調器203においては、自乗検波器211を用いることで、変換ゲインを改善することができるため、その結果として、図6に示した最小受信感度を改善することが可能となった。例えば、本発明者によるシミュレーションでは、一般的な自乗検波器を用いたときに、-26.5dBm程度の受信感度であったものが、自乗検波器211を用いることで、-30dBm程度の受信感度を達成できることが確認された。
また、復調器203においては、自乗検波器211を用いることで、強入力時であっても(入力レベルが高い場合でも)、波形ひずみを改善することができるため、その結果として、図6に示した最大入力レベルと最小受信感度のダイナミックレンジを改善することが可能となった。例えば、本発明者によるシミュレーションでは、一般的な自乗検波器を用いたときに、10dB程度のダイナミックレンジであったものが、自乗検波器211を用いることで、-8dB程度の最大入力レベルまで測定され、そのダイナミックレンジを、22dB程度とすることができることが確認された。
以上のように、受信機20の復調器203(の自乗検波器211)は、変換ゲインと波形ひずみの改善機能を有しているため、復調器203(自乗検波器211)における変換ゲインを向上させるとともに、出力波形ひずみを低減させることができる。
<3.RF入力検出機能>
次に、図7及び図8を参照して、RF入力検出機能の詳細な内容について説明する。
(復調器の構成)
図7は、図2の復調器203の構成例を示す図である。
なお、図2では、復調器203は、自乗検波器211、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、及び比較器214から構成されるとして説明したが、図7においては、自乗検波器211(図4)のバイアス回路231−1乃至231−3をバイアスブロック216とし、さらに、ローパスフィルタ212と比較器214を検出機能ブロック217として図示している。
すなわち、図7において、復調器203は、自乗検波器211、バイアスブロック216、レプリカ回路213、及び検出機能ブロック217から構成される。また、図7においては、バイアスブロック216のバイアス回路231−3に対し、補正回路241−3及び補正回路242−3が設けられ、検出機能ブロック217の比較器214の一方の入力に対し、ローパスフィルタ(LPF)243が設けられている。
自乗検波器211は、バイアス回路231−1乃至231−3を含んでいない点を除いては、図4に示した自乗検波器211と同様の構成を有している。すなわち、自乗検波器211においては、NMOSトランジスタM2によって、分岐点BPで分岐されて、接続点N2側に入力された変調信号SRF1と、接続点N3側に入力された変調信号SRF2とが乗算され、RF増幅器202から出力された変調信号SRFに応じた復調信号SDMが生成される。この復調信号SDMは、接続点N4に接続された出力端から、BB増幅器204(図2)に出力される。
なお、自乗検波器211において、NMOSトランジスタM1のゲートは、バイアスブロック216のバイアス回路231−2と接続され、NMOSトランジスタM2のゲートは、バイアスブロック216のバイアス回路231−3と接続されている。また、NMOSトランジスタM1のドレインとNMOSトランジスタM2のソースとの間の接続点N1は、インダクタLPを介して、バイアスブロック216のバイアス回路231−1が接続されている。
レプリカ回路213は、自乗検波器211に対応したレプリカ回路であって、NMOSトランジスタM1に対応したNMOSトランジスタM1'、NMOSトランジスタM2に対応したNMOSトランジスタM2'、及び負荷抵抗Rdに対応した負荷抵抗Rd'から構成される。
NMOSトランジスタM1'において、そのドレインはNMOSトランジスタM2'のソースに接続され、そのゲートは、バイアス回路231−2に接続され、そのソースは接地されている。また、NMOSトランジスタM2'において、そのドレインは、負荷抵抗Rd'を介して電源に接続され、そのゲートは、バイアス回路231−3に接続され、そのソースはNMOSトランジスタM1'のドレインと接続されている。
このように、レプリカ回路213は、トランジスタの種類及びサイズ、負荷抵抗、並びにそれらのレイアウトが、自乗検波器211と同一の構成からなる。レプリカ回路213は、自乗検波器211に対応して動作することで得られるレプリカ信号を、NMOSトランジスタM2'のドレインと負荷抵抗Rd'との間の接続点N6に接続された検出機能ブロック217(のローパスフィルタ243)に出力する。
バイアスブロック216は、バイアス回路231−1乃至231−3を含んで構成される。また、バイアスブロック216においては、バイアス回路231−3に対してのみ、補正回路241−3及び補正回路242−3が設けられている。
バイアス回路231−1は、自乗検波器211におけるNMOSトランジスタM1とNMOSトランジスタM2との間の接続点N1、及び、レプリカ回路213におけるNMOSトランジスタM1'とNMOSトランジスタM2'との間の接続点N5に接続される。
バイアス回路231−1は、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1を制御して、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1を増加させる。これにより、変換ゲインを改善できるのは、先に述べた通りである。また、バイアス回路231−1を用いることで、NMOSトランジスタM2に流れる電流IM2が、NMOSトランジスタM1に流れる電流IM1と比べて少なくなるようにする。これにより、復調信号SDMの直流成分の電圧値の低下を抑制して、波形ひずみを改善できるのは、先に述べた通りである。
バイアス回路231−2は、自乗検波器211における接続点N2(すなわち、NMOSトランジスタM1のゲート)、及び、レプリカ回路213におけるNMOSトランジスタM1'のゲートと接続される。バイアス回路231−2は、NMOSトランジスタM1のゲートバイアスを制御する。また、バイアス回路231−2は、NMOSトランジスタM1のゲートバイアスと同様に、NMOSトランジスタM1'のゲートバイアスを制御する。
バイアス回路231−3は、自乗検波器211における接続点N3(すなわち、NMOSトランジスタM2のゲート)、及び、レプリカ回路213におけるNMOSトランジスタM2'のゲートと接続される。バイアス回路231−3は、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスを制御する。また、バイアス回路231−3は、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスと同様に、NMOSトランジスタM2'のゲートバイアスを制御する。
ここでは、例えば、バイアス回路231−3が、周波数変換部222としてのNMOSトランジスタM2のゲートバイアスを調整することで、復調信号SDMの直流成分の電圧値の電圧レベルが高く保たれ、復調信号SDMの波形のひずみを低減することができる。
また、バイアス回路231−3に対し、自乗検波器211側に、補正回路241−3が設けられる一方で、レプリカ回路213側に、補正回路242−3が設けられている。補正回路241−3と、補正回路242−3とは、検出機能ブロック217における、自乗検波器211(ローパスフィルタ212)の出力の直流成分と、レプリカ回路213(ローパスフィルタ243)の出力の直流成分とが等しくなるように、バイアス回路231−3の出力を補正する。なお、補正回路241−3と補正回路242−3によるバイアス調整は、後述する比較器214によるキャリブレーション時の動作で決定される。
換言すれば、補正回路241−3と、補正回路242−3とは、バイアス回路231−3の出力を補正することで、自乗検波器211とレプリカ回路213におけるバイアス条件をそれぞれ調整しているとも言える。なお、図7においては、バイアス回路231−3に対し、補正回路241−3及び補正回路242−3を設ける場合を一例に説明したが、バイアス回路231−3の代わりに、バイアス回路231−1又はバイアス回路231−2に対し、補正回路241及び補正回路242を設けるようにしてもよい。
例えば、図中のバイアスブロック216内の点線で示すように、バイアス回路231−1に対し、補正回路241−1及び補正回路242−1を設けるか、あるいは、バイアス回路231−2に対し、補正回路241−2及び補正回路242−2を設けることができる。すなわち、バイアス回路231−1又はバイアス回路231−2に対し、ばらつきを補正するための補正回路241及び補正回路242を設けることで、自乗検波器211とレプリカ回路213におけるバイアス条件が調整されることになる。
なお、ここでは、補正回路241−1乃至補正回路241−3を特に区別する必要がない場合、補正回路241と称し、補正回路242−1乃至補正回路242−3を特に区別する必要がない場合、補正回路242と称するものとする。
検出機能ブロック217は、ローパスフィルタ212、比較器214、及びローパスフィルタ243から構成される。
ローパスフィルタ212には、接続点N7を介して、自乗検波器211から出力される復調信号SDMが入力される。ローパスフィルタ212は、自乗検波器211からの復調信号SDMの周波数成分のうち、低域周波数成分のみを通過させることで得られる直流成分を、比較器214に供給する。
ローパスフィルタ243には、接続点N6を介して、レプリカ回路213から出力されるレプリカ信号が入力される。ローパスフィルタ243は、レプリカ回路213からのレプリカ信号の周波数成分のうち、低域周波数成分のみを通過させることで得られる直流成分を、比較器214に供給する。
比較器214には、ローパスフィルタ212から供給される復調信号SDMの直流成分と、ローパスフィルタ243から供給されるレプリカ信号の直流成分が入力される。
比較器214は、キャリブレーション時において、復調信号SDMから得られる直流成分と、レプリカ信号から得られる直流成分とを比較し、その比較結果に応じて、バイアスブロック216の補正回路241−3と補正回路242−3によるバイアス調整が行われるようにする。
また、比較器214は、キャリブレーション後のRF入力検出時において、復調信号SDMから得られる直流成分と、レプリカ信号から得られる直流成分とを比較して、自乗検波器211の出力に対してローパスフィルタ212が適用された後の直流成分が、RF信号の入力により変化して、所定の閾値を超えるかどうかを検出する。比較器214は、その比較結果に応じたRF入力検出信号を、後段システム205(図1)に出力する。
このように、比較器214には、キャリブレーション時のバイアス調整のために、入力される2つの直流成分の比較を行う場合と、キャリブレーション後のRF入力検出時において、RF信号の入力に応じた出力電圧の変化を検出するために、入力される2つの直流成分の比較を行う場合との2つの役割を担っている。そして、比較器214では、このような2つの役割があるために、閾値を調整する必要がある。この閾値の調整方法としては、例えば、比較器214の2つの入力のうち、レプリカ回路213に接続されたローパスフィルタ243側にのみ、電流DACを接続することで、閾値の調整を行うことができる。
例えば、比較器214では、キャリブレーション後のRF入力検出時において、入力される2つの直流成分を比較することで、微小なRF信号(例えば-30dB程度)が検出された場合には、RF信号の入力が検出されたことを示すRF入力検出信号が、後段システム205に出力されることになる。
すなわち、通信システム(図1)において、送信機10と受信機20とが通信を行う場合、受信機20では、データの送り手側である送信機10の接続検出を行う機能が重要となるが、復調信号SDMの変化を検出することで、微小なRF信号(入力信号の有無)を検出して、送信機10の接続検出を行うことが可能となる。
また、図7においては、ローパスフィルタ212、比較器214、及びローパスフィルタ243が検出機能ブロック217を構成していると説明したが、これにレプリカ回路213、補正回路241、又は補正回路242等のブロックを加えてもよい。すなわち、検出機能ブロック217は、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、比較器214、補正回路241、補正回路242、及びローパスフィルタ243から構成されていると捉えることもできる。
(復調器の回路構成)
図8は、図7に示した復調器203の回路構成例を示す図である。
図8の復調器203の回路構成では、図7に示した復調器203の構成と比べて、バイアスブロック216を、バイアス回路231−1及びバイアス回路231−2と、バイアス回路231−3に分けて図示し、さらに、検出機能ブロック217の図示を省略している点が異なっている。また、図8においても、バイアス回路231−3に対してのみ、補正回路241−3と補正回路242−3が設けられている。
なお、説明の都合上、補正回路241−3は、バイアス回路231−1及びバイアス回路231−2の点線内に図示している。同様にまた、補正回路242−3は、レプリカ回路213の点線内に図示している。
自乗検波器211は、図7に示した自乗検波器211と同様の構成を有している。また、レプリカ回路213は、図7に示したレプリカ回路213と同様の構成を有している。
バイアス回路231−1は、電流源からの電流Ixを、インダクタLPを介して、接続点N1に接続されたNMOSトランジスタM1に供給する。なお、コンデンサC3は、電流源部223としてのバイアス回路231−1側に、変調信号(ミリ波帯信号)が入力されないようにするために、変調信号に対するグランド(GND)をとるために設けられている。
バイアス回路231−2は、NMOSトランジスタM3を有する。NMOSトランジスタM3において、そのドレインは電流源に接続され、そのソースは接地されている。また、NMOSトランジスタM3のゲートは、ダイオード接続されるとともに、抵抗R1を介して自乗検波器211のNMOSトランジスタM1のゲートと、レプリカ回路213のNMOSトランジスタM1'のゲートに接続されている。これにより、バイアス回路231−2では、NMOSトランジスタM3の動作に応じて、NMOSトランジスタM1のゲートバイアスと、NMOSトランジスタM1'のゲートバイアスを制御することができる。
バイアス回路231−3は、NMOSトランジスタM4と抵抗R3を有する。NMOSトランジスタM4において、そのドレインは電流源に接続され、そのソースは抵抗R3に接続されている。また、NMOSトランジスタM4のゲートは、ダイオード接続されるとともに、補正回路241−3と抵抗R2を介して自乗検波器211のNMOSトランジスタM2のゲートと、補正回路242−3を介してレプリカ回路213のNMOSトランジスタM2'のゲートとに接続されている。これにより、バイアス回路231−3では、NMOSトランジスタM4の動作に応じて、NMOSトランジスタM2のゲートバイアスと、NMOSトランジスタM2'のゲートバイアスを制御することができる。
補正回路241−3と補正回路242−3には、電流DACと抵抗により、電圧値を補正する回路を用いることができる。例えば、補正回路242−3は、バイアス回路231−3の出力を補正するが、電流DACにより可変電流値を抵抗に流すことで、バイアス回路231−3の出力を補正することが可能となる。
復調器203は、以上のような回路構成を有する。
このように、復調器203では、自乗検波器211とともに、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、及び比較器214等の検出機能ブロック217を設けることで、RF信号の入力を検出することができる。
ここで、上述した図6のレベルダイヤの例において、自乗検波器211を用いることで、図6に示した最小受信感度として、-30dBm程度の受信感度を達成できることが確認されたことは、先に述べた通りであるが、本発明者によるシミュレーションでは、検出機能ブロック217を設けることで、-30dBmである最小受信感度時のRF信号の入力を検出できることが確認されている。
また、本発明者によるシミュレーションでは、補正回路241や補正回路242等の補正回路を設けることで、PVT(Process Voltage and Temperature)が変化した場合でも、その補正機能によって最小受信感度以下でのRF信号の入力を検出できることも確認されている。
また、モバイルデバイスの機器間通信では、受信側のシステムが、送信側のシステムの有無を検出して、受信側を起動させる機能は重要であるが、本出願人は、下記の特許文献3において、送信機の接続検出に関する技術を提案している。この特許文献3で提案されている技術では、送信機と受信機とが、接続又は切断されたことを検出することで、その検出結果に応じてシステムを起動又は停止させている。
この特許文献3の検出方法では、受信機の周波数変換後の差動出力をローパスフィルタ(LPF)に通して、直流成分を取り出して、判定部が、差動間の直流成分の差を検出することで、入力信号の検出を行っている。その際に、最小受信感度-30dBmを達成するには、例えば10mV程度の微小な直流成分の変化を検出する必要がある。ここでは、図7と図8に示した復調器203の構成を採用した場合、例えば-30dB程度の微小なRF信号を検出可能となるなど、周波数変換後の直流成分を精度よく検出することができるため、送信機の接続を確実に検出して、システムの起動又は停止を正確に行うことができる。
特許文献3:特開2015-186068号公報
以上のように、受信機20の復調器203は、RF入力検出機能を有しているため、微小な入力信号を検出することができる。その結果、より確実に、送信機10の接続検出を行うことが可能となる。
<4.電子機器の構成>
(電子機器の構成)
図9は、電子機器の構成例を示す図である。
図9において、電子機器50と電子機器60は、例えば、スマートフォンやタブレット型の端末、携帯電話機などの電子機器である。電子機器50は、送信機10(図1)を有している。また、電子機器60は、受信機20(図1)を有している。
電子機器60において、受信機20は、例えば無線通信より、電子機器50の送信機10から送信されてくる信号を受信する。電子機器60の受信機20(の復調器203)は、上述した変換ゲインと波形ひずみの改善機能と、RF入力検出機能を有しており、上述した図4や図7の構成の場合と同様の効果を享受することができる。
<5.変形例>
上述した説明では、復調器203(図2)は、変換ゲインと波形ひずみの改善機能と、RF入力検出機能の両方の機能を有しているとして説明したが、それらの機能は、両方の機能を有する場合に限らず、いずれか一方の機能を有するようにしてもよい。
例えば、復調器203が、変換ゲインと波形ひずみの改善機能のみを有する場合、復調器203には、自乗検波器211のみを設け、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、及び比較器214を設ける必要はない。一方で、復調器203が、RF入力検出機能のみを有する場合には、復調器203には、自乗検波器211とともに、ローパスフィルタ212、レプリカ回路213、及び比較器214を設ける必要がある。
また、上述した回路構成では、トランジスタとして、n型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であるNMOSトランジスタを用いた場合の構成を説明したが、NMOSトランジスタは一例であって、他のトランジスタを用いることもできる。
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、
増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、
前記信号増幅部に電流を供給する電流源部と
を備える自乗検波器。
(2)
前記電流源部は、変換ゲインを向上させるために、前記信号増幅部に電流を供給する
(1)に記載の自乗検波器。
(3)
前記信号増幅部は、第1のNMOSトランジスタにより構成され、
前記周波数変換部は、第2のNMOSトランジスタにより構成される
(2)に記載の自乗検波器。
(4)
前記第2のNMOSトランジスタを流れる電流は、前記第1のNMOSトランジスタを流れる電流よりも少なくなる
(3)に記載の自乗検波器。
(5)
前記原信号の波形のひずみを低減させるために、前記第2のNMOSトランジスタのゲートバイアスを調整するバイアス調整部をさらに備える
(4)に記載の自乗検波器。
(6)
前記搬送波信号は、ミリ波帯の信号である
(1)乃至(5)のいずれかに記載の自乗検波器。
(7)
前記原信号は、ベースバンドの信号である
(1)乃至(6)のいずれかに記載の自乗検波器。
(8)
(1)乃至(7)のいずれかに記載の自乗検波器と、
前記自乗検波器における前記変調信号の入力に応じた出力電圧の変化に基づいて、前記変調信号の入力の有無を検出する検出部と
を備える復調器。
(9)
前記検出部は、前記自乗検波器の出力から所定の周波数成分を取り除くためのフィルタ部と、前記自乗検波器に対応したレプリカ回路からなるレプリカ部と、前記フィルタ部の出力と前記レプリカ部の出力とを比較する比較部を有し、
前記比較部は、前記フィルタ部の出力と、前記レプリカ部の出力との比較結果に応じて、前記変調信号の入力の有無を検出する
(8)に記載の復調器。
(10)
前記レプリカ部は、トランジスタの種類及びサイズ、負荷抵抗、並びにそれらのレイアウトが、前記自乗検波器と同一の構成からなる
(9)に記載の復調器。
(11)
前記検出部は、前記自乗検波器と前記レプリカ部におけるバイアス条件をそれぞれ調整するための補正部をさらに有する
(9)に記載の復調器。
(12)
信号増幅部と、周波数変換部と、電流源部とを有する自乗検波器の検波方法において、
前記信号増幅部が、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅し、
前記周波数変換部が、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換し、
前記電流源部が、前記信号増幅部に電流を供給する
ステップを含む検波方法。
(13)
原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、
増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、
前記信号増幅部に電流を供給する電流源部と
を有する自乗検波器
を搭載した電子機器。
10 送信機, 20 受信機, 30 伝送路, 40 結合部, 50,60 電子機器, 101 BB増幅器, 102 発振器, 103 変調器, 104 RF増幅器, 105 アンテナ, 201 アンテナ, 202 RF増幅器, 203 復調器, 204 BB増幅器, 205 後段システム, 211 自乗検波器, 212 ローパスフィルタ(LPF), 213 レプリカ回路, 214 比較器, 216 バイアスブロック, 217 検出機能ブロック, 221 信号増幅部, 222 周波数変換部, 223 電流源部, 231−1,231−2,231−3 バイアス回路, 241−1,241−2,241−3 補正回路, 242−1,242−2,242−3 補正回路, 243 ローパスフィルタ(LPF), BP 分岐点, IM1,IM2,Ix 電流, M1,M2 NMOSトランジスタ

Claims (13)

  1. 原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、
    増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、
    前記信号増幅部に電流を供給する電流源部と
    を備える自乗検波器。
  2. 前記電流源部は、変換ゲインを向上させるために、前記信号増幅部に電流を供給する
    請求項1に記載の自乗検波器。
  3. 前記信号増幅部は、第1のNMOSトランジスタにより構成され、
    前記周波数変換部は、第2のNMOSトランジスタにより構成される
    請求項2に記載の自乗検波器。
  4. 前記第2のNMOSトランジスタを流れる電流は、前記第1のNMOSトランジスタを流れる電流よりも少なくなる
    請求項3に記載の自乗検波器。
  5. 前記原信号の波形のひずみを低減させるために、前記第2のNMOSトランジスタのゲートバイアスを調整するバイアス調整部をさらに備える
    請求項4に記載の自乗検波器。
  6. 前記搬送波信号は、ミリ波帯の信号である
    請求項1に記載の自乗検波器。
  7. 前記原信号は、ベースバンドの信号である
    請求項1に記載の自乗検波器。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の自乗検波器と、
    前記自乗検波器における前記変調信号の入力に応じた出力電圧の変化に基づいて、前記変調信号の入力の有無を検出する検出部と
    を備える復調器。
  9. 前記検出部は、前記自乗検波器の出力から所定の周波数成分を取り除くためのフィルタ部と、前記自乗検波器に対応したレプリカ回路からなるレプリカ部と、前記フィルタ部の出力と前記レプリカ部の出力とを比較する比較部を有し、
    前記比較部は、前記フィルタ部の出力と、前記レプリカ部の出力との比較結果に応じて、前記変調信号の入力の有無を検出する
    請求項8に記載の復調器。
  10. 前記レプリカ部は、トランジスタの種類及びサイズ、負荷抵抗、並びにそれらのレイアウトが、前記自乗検波器と同一の構成からなる
    請求項9に記載の復調器。
  11. 前記検出部は、前記自乗検波器と前記レプリカ部におけるバイアス条件をそれぞれ調整するための補正部をさらに有する
    請求項9に記載の復調器。
  12. 信号増幅部と、周波数変換部と、電流源部とを有する自乗検波器の検波方法において、
    前記信号増幅部が、原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅し、
    前記周波数変換部が、増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換し、
    前記電流源部が、前記信号増幅部に電流を供給する
    ステップを含む検波方法。
  13. 原信号を搬送波信号により変調して得られた変調信号を分岐して得られる第1の変調信号と第2の変調信号のうち、前記第1の変調信号を増幅する信号増幅部と、
    増幅された前記第1の変調信号と、前記第2の変調信号とを乗算することで、前記変調信号を前記原信号に変換する周波数変換部と、
    前記信号増幅部に電流を供給する電流源部と
    を有する自乗検波器
    を搭載した電子機器。
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