以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を簡略化または省略する。なお、本発明における装置、器具、及び部品等の、個数、配置、向き、形状、及び大きさは、原則として、図面に示す個数、配置、向き、形状、及び大きさに限定されない。また、本発明は、以下の各実施の形態で説明する構成のうち、組合わせ可能な構成のあらゆる組合わせを含み得る。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のランプ1Aの側面図である。図1に示す本実施の形態1のランプ1Aは、ランプ本体2を備える。ランプ本体2は、口金3、ヒートシンク4、及び発光部5を備える。本実施の形態のランプ1Aの用途は、特に限定されるものではないが、例えば、屋内及び屋外の照明器具(例えば街路灯器具、道路灯器具、高天井器具など)において、従来のHIDランプの代替として使用することが可能である。ランプ1Aは、設置状態で、口金3が上向きまたは斜め上向き、口金3が下向きまたは斜め下向き、口金3が横向きなど、いずれの向きでも使用できる。以下の説明では、口金3側を「ランプ基端側」と称し、その反対側を「ランプ先端側」と称する。また、ランプ基端側からランプ先端側へ向かう方向を「ランプ先端方向」と称し、その反対方向を「ランプ基端方向」と称する。また、口金3の中心軸に相当する仮想直線を「ランプ中心軸」と称する。また、ランプ中心軸に直交する方向を「ランプ径方向」と称する。
口金3は、第一端子3a及び第二端子3bを備える。第一端子3aは、口金3のランプ基端側の端面の中央において突出する部分を有する。第二端子3bは、口金3の外周面に位置する。ランプ1Aは、照明器具のソケット(図示省略)に口金3を装着することで当該照明器具に対して固定可能である。口金3は、例えばねじ込み式のものでも良い。その場合、第二端子3bは、雄ネジの形状に形成されても良い。第一端子3aと第二端子3bとの間に、両者を電気的に絶縁する絶縁樹脂6が配置されている。
ヒートシンク4は、口金3に対してランプ先端側に位置する。口金3とヒートシンク4との間に、両者を電気的に絶縁する絶縁樹脂6が配置されている。発光部5は、ヒートシンク4に対してランプ先端方向へ突出する。ヒートシンク4は、口金3と発光部5との間に位置する。ヒートシンク4は、発光部5から伝わった熱を周囲の空気へ放熱させる機能を有する。ヒートシンク4は、金属材料(例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレス鋼など)で構成されることが好ましい。なお、これらの金属材料は、ヒートシンク4以外のランプ1Aの構成部品の材料としても用いることができる。
発光部5は、発光素子5aを備える。発光素子5aは、例えばLED(Light Emitting Diode)光源である。発光素子5aとして用いるLED光源は、例えば、面実装型小型LEDパッケージ、COB(Chip on Board)型のLED光源、砲弾型LED、配光レンズ付きLEDなど、いかなるタイプのものでも良い。また、本発明における発光部は、LED光源に限らず、例えば有機EL(Electro−Luminescence)光源等の他種の発光素子を備えても良い。
本実施の形態の発光部5の全体形状は、ランプ中心軸を中心とする筒状部分と、当該筒状部分の先端を塞ぐ錐体状部分とを有する形状である。発光部5の筒状部分の外周面に、複数の発光素子5aが配置されている。これらの発光素子5aは、発光部5の筒状部分の外周面から、ランプ径方向外方へ向けて光を放つ。発光部5の錐体状部分の外面に、複数の発光素子5aが配置されている。これらの発光素子5aは、発光部5の錐体状部分からランプ先端側へ向けて光を放つ。本実施の形態における発光部5の筒状部分は、多角筒状の外形を有する。図示の構成における発光部5の筒状部分の横断面形状は、正12角形であるが、正10角形、正8角形、正6角形などにしても良い。また、発光部5の筒状部分を円筒状にしても良い。発光部5は、錐体状部分に代えて、半球状の部分または平坦な部分などを先端部分として備えても良い。
本実施の形態の発光部5は、ランプ中心軸の方向を長手方向とする形状を有する。これにより、以下の効果が得られる。発光部5の外周面の面積を大きく確保できるので、発光素子5aを搭載できる面積が大きい。よって、大光束のランプ1Aを容易に構成できる。
ランプ1Aは、発光部5を覆う透光性カバー7を備える。透光性カバー7は、少なくとも部分的に、透光性を有する。発光部5から発せられた光は、透光性カバー7を透過して、ランプ1Aから照射される。本実施の形態の透光性カバー7は、筒状部7a及び先端部7bを備える。筒状部7aは、発光部5の筒状部分を覆う。本実施の形態における筒状部7aは、ランプ中心軸を中心とする円筒状を呈する。筒状部7aの形状は、図示のような円筒状に限らず、例えば多角筒状でも良い。先端部7bは、半球状を呈する。先端部7bは、発光部5の錐体状部分を覆う。
透光性カバー7の主たる構成材料は、ガラスまたは樹脂材料が望ましい。透光性カバー7の構成材料がガラスである場合、透光性カバー7は、優れた耐候性及び耐光性を有することが可能となる。透光性カバー7の構成材料が樹脂材料である場合、当該樹脂材料は、耐候性及び耐光性に優れたものが好ましい。また、樹脂材料製の透光性カバー7の表面を、耐候性、耐光性、または耐水性を有するハードコートで被覆しても良い。
ランプ1Aは、透光性カバー7が入るバスケット(かご)8を備える。バスケット8は、線状部材8a、基端リング8b、固定材8c、及びパッド部8dを備える。バスケット8は、ヒートシンク4に連結される。線状部材8aは、透光性カバー7の外面に接触または近接する。線状部材8aのランプ基端側の端部は、固定材8cにより基端リング8bに固定される。線状部材8aのランプ先端側の端部は、パッド部8dに固定される。パッド部8dは、透光性カバー7のランプ先端側の端面に接触または近接する。線状部材8aは、透光性カバー7の筒状部7aの外面に接触または近接する部分を有する。線状部材8aの当該部分は、ランプ中心軸に平行に延びる。線状部材8aは、透光性カバー7の先端部7bの外面に接触または近接する部分を有する。線状部材8aの当該部分は、透光性カバー7の先端部7bの半球形状に沿うように円弧状に湾曲する。
バスケット8は、透光性カバー7がランプ先端方向へ通り抜けられないような形状を有する。バスケット8は、基端リング8bによりヒートシンク4に連結されることで、ランプ本体2に対して相対的にランプ先端方向へ移動することが阻止される。その結果、バスケット8に収容された透光性カバー7がランプ本体2に対してランプ先端方向に相対的に移動することを阻止できる。このため、口金3が、上向き、斜め上向き、または横向きでランプ1Aが設置されている場合であっても、透光性カバー7がランプ本体2から脱落することを確実に防止できる。バスケット8は、口金3と電気的に絶縁されたヒートシンク4に連結されるので、口金3と電気的に導通するおそれがない。このため、安全性に優れる。
図2は、実施の形態1のランプ1Aの縦断面図である。図2に示すように、発光部5は、基板部5b及び熱伝導部5cを備える。基板部5bの表面側に発光素子5aが実装されている。本実施の形態における基板部5bは、発光素子5aに給電するフレキシブル基板の裏面側に、板状基材が例えば接着により積層された構造を有する。当該板状基材は、金属製が好ましい。当該板状基材の表面には白色塗装が施されていても良い。当該板状基材は、曲げ加工(折り曲げ加工)により、多角筒状に形成されることが好ましい。基板部5bのフレキシブル基板は、当該板状基材の形状に合わせて、曲げられている。基板部5bの構成は、上記の構成に限定されない。基板部5bは、例えば、金属ベース基板を用いて発光素子5aに給電する構成でも良い。
熱伝導部5cは、基板部5bの裏面に重なっている。熱伝導部5cは、発光素子5aの発熱による基板部5bの熱をヒートシンク4へ熱伝導させる機能を有する。熱伝導部5cは、金属製が好ましい。基板部5bと熱伝導部5cとは、熱的につながっている。本明細書において、「熱的につながる」とは、直接の接触または接合、若しくは熱伝導性材料(例えば、金属部材、セラミックス部材、熱伝導性グリス、熱伝導性接着剤、熱伝導性シートなど)を介した接触または接合により、熱伝導可能につながることを意味する。本実施の形態における熱伝導部5cは、板状を呈する。基板部5bの裏面に板状の熱伝導部5cが重なることで、両者の間の伝熱面積を大きく確保できる。熱伝導部5cは、曲げ加工(折り曲げ加工)により、多角筒状に形成されることが好ましい。
熱伝導部5cのランプ基端側の端部は、ヒートシンク4に一体化または固定されている。熱伝導部5cのランプ基端側の端部は、ヒートシンク4に熱的につながる。基板部5bの熱は、熱伝導部5cを通って、ヒートシンク4へ効率良く伝わる。これにより、発光素子5aの熱をヒートシンク4へ効率良く逃がすことができ、発光素子5aの温度を低くできる。その結果、発光素子5aの効率向上及び長寿命化が図れる。
熱伝導部5cは、ヒートシンク4と一体的に形成されていても良い。また、ヒートシンク4と別部品で構成された熱伝導部5cをヒートシンク4に対して固定しても良い。また、熱伝導部5cは、基板部5bの表面側に配置されても良い。基板部5bの表面側に熱伝導部5cを配置する場合には、発光素子5aの発光領域に重ならない位置に熱伝導部5cを配置すれば良い。
図示の構成では、発光部5の筒状部分の基板部5bの裏面に熱伝導部5cが配置されており、発光部5の錐体状部分の基板部5bの裏面には熱伝導部5cが配置されていない。発光部5の錐体状部分の基板部5bの熱は、発光部5の筒状部分の基板部5bを経由して、効率良く熱伝導部5cへ伝わる。このため、発光部5の錐体状部分の基板部5bの裏面に熱伝導部5cが配置されていなくても問題ない。図示の構成に限らず、発光部5の錐体状部分の基板部5bの裏面にも熱伝導部5cを配置しても良い。
本実施の形態におけるランプ1Aは、透光性カバー7をランプ本体2に接着した接着剤10を備える。図2の例では、熱伝導部5cのランプ基端側の端部の近くに、基板部5bが熱伝導部5cの表面を覆わない領域がある。接着剤10は、熱伝導部5cの当該領域の外周面と、透光性カバー7のランプ基端側の端部に近い領域の内周面との間に配置されている。すなわち、接着剤10は、ランプ本体2の熱伝導部5cに対して透光性カバー7を接着している。
本実施の形態であれば、接着剤10がランプ本体2に対して透光性カバー7を支持できる。このため、口金3が、上向き、斜め上向き、または横向きでランプ1Aが設置されている場合であっても、透光性カバー7がランプ本体2から脱落することを接着剤10が確実に防止できる。本実施の形態であれば、接着剤10の接着力が経年劣化で低下した場合であっても、透光性カバー7がランプ本体2から脱落することをバスケット8が確実に防止できる。あるいは、バスケット8が破損した場合には、透光性カバー7がランプ本体2から脱落することを接着剤10が確実に防止できる。ただし、このような構成に限らず、ランプ1Aが接着剤10を備えずにバスケット8によって透光性カバー7を支持しても良い。
導線11は、口金3の第一端子3aと、基板部5bのフレキシブル基板との間を電気的に接続する。導線12は、口金3の第二端子3bと、基板部5bのフレキシブル基板との間を電気的に接続する。ランプ1Aの使用時に、口金3に供給された電力は、導線11,12を通って、基板部5bの発光素子5aに供給される。ヒートシンク4及び絶縁樹脂6は、ランプ中心軸の方向に貫通する中空部を有する。導線11,12は、当該中空部に挿通されている。
ヒートシンク4は、複数の板状のフィン4aと、フランジ部4bとを備える。フランジ部4bは、円盤状を呈する。フランジ部4bは、フィン4aに対してランプ先端側に位置する。フランジ部4bのランプ先端側の面は、透光性カバー7のランプ基端側の端面に対して、接触または近接する。これにより、フランジ部4bと透光性カバー7との隙間にゴミ等の異物が入ることを抑制できる。
図3は、実施の形態1のランプ1Aの変形例を示す縦断面図である。以下、図3に示す変形例について、図2の例との相違点のみを説明する。図3に示す変形例では、基板部5bのランプ基端側の端部は、ヒートシンク4に接触している。基板部5bは、ヒートシンク4のランプ先端側の端面の位置まで、熱伝導部5cを覆っている。接着剤10は、基板部5bのランプ基端側の端部に近い領域の外周面と、透光性カバー7のランプ基端側の端部に近い領域の内周面との間に配置されている。すなわち、接着剤10は、ランプ本体2の基板部5bに対して透光性カバー7を接着している。基板部5bの熱は、熱伝導部5cを経由してヒートシンク4へ効率良く伝わることに加えて、基板部5bのランプ基端側の端部から直接ヒートシンク4へ伝熱する。これにより、発光素子5aの熱をヒートシンク4へ効率良く逃がすことができ、発光素子5aの温度を低くできる。その結果、発光素子5aの効率向上及び長寿命化が図れる。
発光部5の構成は、上述した図2または図3の構成に限定されない。例えば、基板部5bと熱伝導部5cとが一体的に形成されていても良い。
図4は、実施の形態1のランプ1Aをランプ先端側の斜め方向から見た斜視図である。図4に示すように、バスケット8は、透光性カバー7の筒状部7aの周方向の位置が異なる複数の線状部材8aを備える。本実施の形態では、線状部材8aは、透光性カバー7の筒状部7aの周方向の6箇所の位置に配置されている。本発明では、線状部材8aの本数は、図示の構成に限定されない。線状部材8aは、透光性カバー7の筒状部7aの周方向の、最低3箇所の位置に配置されていれば良い。
ヒートシンク4のフィン4aは、ランプ径方向外方へ向かって放射状に突出する。ヒートシンク4のフランジ部4bは、複数の凹部4cを有する。凹部4cは、フランジ部4bの外周部に形成された切欠きで構成される。バスケット8の線状部材8aが凹部4cに挿通されている。凹部4cを備えたことで、線状部材8aの位置がずれることをより確実に抑制できる。それゆえ、バスケット8が透光性カバー7の脱落をより確実に抑制できる。なお、ヒートシンク4は、全体が一体的に形成されたものでも良いが、アルミダイカスト、押出し、板金加工などで作製した複数の部品をカシメ、ネジ止め、溶接、接着剤などを利用して組み立てたものでも良い。また、ヒートシンク4は、図示の構成に限定されるものではなく、例えば、板状のフィンに代えて、ピンフィンを有する構成でも良い。
バスケット8の線状部材8aが、透光性カバー7の外面に接触または近接していることで、以下の効果が得られる。発光部5から発せられた光が線状部材8aで遮られることを抑制できる。ランプ1Aで照射される対象物に、線状部材8aの影が映ることを抑制できる。これに対し、仮に、バスケット8の線状部材8aが透光性カバー7の外面から離れた位置にあるとすると、ランプ1Aで照射される対象物に、線状部材8aの影が映りやすい。また、発光部5から発せられた光が線状部材8aで遮られやすくなり、光損失が発生する。
ランプ1Aが屋内及び屋外の照明器具(例えば街路灯器具、道路灯器具、高天井器具など)に装着された状態では、ランプ1Aは、ランプ本体2が口金3側で片持ち支持された状態となる。この状態で、道路または建物からの日常的な振動、あるいは地震などによる非日常的な振動が、照明器具を介してランプ本体2に伝わると、透光性カバー7が、ランプ本体2に対し、ランプ中心軸に垂直な方向に揺れ動くような微小な振動が発生する。このとき、透光性カバー7のランプ先端側の部分が、透光性カバー7のランプ基端側の部分に比べて、より大きく揺れ動く。このため、ランプ本体2に対する透光性カバー7の振動の動きは、ランプ基端側の部分を中心として、ランプ先端側の部分が揺れ動くような動きになる。図1中の矢印αは、このような透光性カバー7の振動の動きを誇張して示すものである。
本実施の形態であれば、バスケット8は、透光性カバー7の筒状部7aの外面に接触または近接する部分の線状部材8aが、ランプ中心軸に平行に延びることで、以下の効果が得られる。振動によって透光性カバー7がランプ本体2に対して図1中の矢印αのように動いたときに、透光性カバー7の動きをバスケット8が許容しやすい。すなわち、バスケット8が透光性カバー7の動きを拘束しにくい。そのため、透光性カバー7がバスケット8から強い力を受けにくい。それゆえ、透光性カバー7がバスケット8から受ける力によるダメージ(ひび割れ、破損など)の発生を確実に抑制できる。これに対し、仮に透光性カバー7の筒状部7aの外面に接触または近接する線状部材8aがランプ中心軸に対して傾斜していると、振動によって透光性カバー7がランプ本体2に対して図1中の矢印αのように動いたときに、バスケット8が透光性カバー7の動きを拘束する可能性があり、透光性カバー7がバスケット8から強い力を受ける可能性がある。
バスケット8の構成材料は、金属材料または樹脂材料が好ましく、耐蝕性に優れた金属材料(例えば、ステンレス鋼などの鉄合金、アルミニウム合金、銅合金、ニッケル合金、チタン合金などで、さらに表面を耐蝕塗装したものなどが望ましい。)、または耐候性に優れた樹脂材料がより好ましい。バスケット8の線状部材8aは、縒線(細い線が束になっている線)状または撚線(細い線を撚り合わせた線)状の部材でも良い。バスケット8の表面には、耐光性を有する白色塗装を施してもよい。バスケット8の表面が高反射性を有することで、ランプ1Aの発光効率を高めることができる。透光性を有する樹脂材料でバスケット8を構成することでも、ランプ1Aの発光効率を高めることが可能である。
バスケット8の線状部材8aは、実質的に伸縮性が無いものであることが望ましい。実質的に伸縮性を有しない線状部材8aを用いることで、線状部材8aの強度が十分に高くなるので、バスケット8が透光性カバー7の脱落をより確実に抑制できる。仮に線状部材8aが伸縮性を有するものであるとすると、重量の重い透光性カバー7が用いられている場合、線状部材8aの強度が不足する可能性がある。また、透光性カバー7の重量がバスケット8に作用したときに、線状部材8aが伸びることで、線状部材8aと線状部材8aとの間を透光性カバー7がすり抜けてしまう可能性がある。なお、線状部材8aが実質的に伸縮性が無いとは、例えば、口金3を上に向けた姿勢で透光性カバー7の全重量がバスケット8に作用したと仮定したときの線状部材8aの全長が、線状部材8aの無荷重状態の全長に対して、好ましくは5%未満の伸び率、より好ましくは2%未満の伸び率になることを言う。
本実施の形態では、線状部材8aの横断面形状は円形である。本発明では、線状部材8aの横断面形状は、円形に限らず、例えば、楕円形、半円形、多角形、台形などでも良い。
本実施の形態であれば、バスケット8がパッド部8dを備えたことで、口金3を上に向けた姿勢で透光性カバー7の重量がバスケット8に作用した場合に透光性カバー7がバスケット8から受ける圧力を軽減できる。このため、透光性カバー7にダメージ(ひび割れ、破損など)が発生することをより確実に抑制できる。バスケット8のパッド部8dの、透光性カバー7のランプ先端側の端面に接触または近接する部分は、軟質材料(例えば、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなど)で構成されていることが望ましい。パッド部8dの当該部分を軟質材料で構成することで、透光性カバー7が振動時にパッド部8dと繰り返し接触した場合であっても、透光性カバー7にダメージ(ひび割れ、破損など)が発生することをさらに確実に抑制できる。パッド部8dの全体を軟質材料で構成しても良い。
本実施の形態における接着剤10は、硬化後に弾性を有する。例えばシリコーン接着剤を用いることで、硬化後の接着剤10を、弾性体(ゴム弾性体)とすることが可能である。ランプ本体2に対して透光性カバー7を接着した接着剤10が弾性を有することで、ランプ本体2から透光性カバー7への振動伝達を接着剤10が吸収できる。このため、道路または建物からの日常的な振動、あるいは地震などによる非日常的な振動による、透光性カバー7のダメージ(ひび割れ、破損など)の発生をより確実に抑制できる。また、周囲温度が変化した場合に、透光性カバー7の線膨張係数と、ランプ本体2の金属部分(ヒートシンク4、基板部5b、熱伝導部5c等)の線膨張係数との違いによる熱応力の発生を抑制できるので、熱応力による透光性カバー7のダメージも抑制できる。
本実施の形態では、接着剤10が弾性変形することで、透光性カバー7がランプ本体2に対して僅かに変位可能である。例えば、接着剤10が弾性変形することで、透光性カバー7がランプ本体2に対して図1中の矢印αのように変位可能である。接着剤10の弾性変形によって透光性カバー7がランプ本体2に対して変位可能であることで、ランプ本体2から透光性カバー7への振動伝達を接着剤10が吸収できる。このため、道路または建物からの日常的な振動、あるいは地震などによる非日常的な振動による、透光性カバー7のダメージ(ひび割れ、破損など)の発生をより確実に抑制できる。
接着剤10は、液体の水を遮断可能な防水性を有することが望ましい。接着剤10が防水性を有することで、ランプ1Aの防水性能を向上できる。接着剤10は、酸素透過性、あるいは透湿性を有していても良い。また、図示を省略するが、透光性カバー7とヒートシンク4または発光部5とを接着する接着剤10の周囲(透光性カバー7のランプ基端側の開口部;具体的には透光性カバー7の基部7bとヒートシンク4との境界部、あるいは、隙間)を、防水性を有する軟性樹脂(シリコーン系などのシーリング材料、ゴムパッキンなど)で被覆してもよい。当該軟性樹脂を配置することで、接着剤10が防水性を有しない場合でも、ランプ1Aの防水性能を向上できる。
図5は、実施の形態1のランプ1Aをランプ中心軸の方向のランプ先端側から見た図である。図5に示すように、バスケット8が備える複数(本実施の形態では6本)の線状部材8aは、透光性カバー7の周方向において等間隔(本実施の形態では60°間隔)に配置されている。このように構成することで、口金3を上に向けた姿勢で透光性カバー7の重量がバスケット8に作用した場合に各々の線状部材8aにかかる荷重を均等にできるので、バスケット8が透光性カバー7の脱落をより確実に抑制できる。
本実施の形態では、バスケット8の線状部材8aは、発光素子5aの発光面を当該発光面の法線の方向に移動したと仮想した場合に当該発光面が通る空間(図5中の線L1,L2で挟まれる空間)に重ならないように配置されている。このような条件を満足するように線状部材8aを配置することで、発光素子5aから発せられた光が線状部材8aで遮られることをより確実に抑制でき、ランプ1Aの効率をさらに高くできる。このような効果をより確実に得るためには、発光部5が備えるすべての発光素子5aについて上記条件が満足されることが最も望ましく、発光部5が備える発光素子5aの総数のうちの80%以上の数の発光素子5aについて上記条件が満足されることがその次に望ましく、発光部5が備える発光素子5aの総数のうちの50%以上の数の発光素子5aについて上記条件が満足されることがその次に望ましい。
本実施の形態では、以下のように構成されている。発光部5の筒状部分の横断面形状が正12角形であり、発光部5の筒状部分が12個の側面を有し、当該側面の各々に発光素子5aが配置されている。すなわち、発光部5の筒状部分の外周には、ランプ中心軸の方向を列方向とする12列の発光素子5aが配置されている。透光性カバー7の周方向において6本の線状部材8aが等間隔に配置されている。隣り合う線状部材8a同士の間の空間に、隣り合う2列の発光素子5aが対向する。隣り合う2列の発光素子5aから発せられた光は、隣り合う線状部材8a同士の間を通って、透光性カバー7の外周へ照射される。このような構成により、発光部5の筒状部分の外周に配置された発光素子5aから発せられた光が、線状部材8aで遮られることをより確実に抑制でき、ランプ1Aの効率をさらに高くできる。
上記の構成に代えて、透光性カバー7の周方向において12本の線状部材8aを等間隔に配置しても良い。この場合、隣り合う線状部材8a同士の間の空間に、1列の発光素子5aが対向するようにすることで、上記と類似の効果が得られる。あるいは、透光性カバー7の周方向において4本の線状部材8aを等間隔に配置しても良い。この場合、隣り合う線状部材8a同士の間の空間に、隣り合う3列の発光素子5aが対向するようにすることで、上記と類似の効果が得られる。あるいは、透光性カバー7の周方向において3本の線状部材8aを等間隔に配置しても良い。この場合、隣り合う線状部材8a同士の間の空間に、隣り合う4列の発光素子5aが対向するようにすることで、上記と類似の効果が得られる。
また、発光部5の筒状部分の外周に、ランプ中心軸の方向を列方向とするN列(ただし、Nは3以上の自然数)の発光素子5aが配置されているとした場合には、透光性カバー7の外周に、周方向に間隔をあけて配置される線状部材8aの数を、3以上の自然数のうちでNの約数に等しい数にすることで、上記と類似の効果が得られる。
透光性カバー7の内周面と発光部5の外周面との間の空間に、透明で絶縁性を有する熱伝導媒体が充填されていても良い。当該熱伝導媒体として、例えば、透明樹脂層(例えばシリコーン樹脂層)、パーフルオロカーボン液体などを用いることができる。当該熱伝導媒体を備えた場合には、発光部5から透光性カバー7への伝熱を促進できるので、発光部5の熱を透光性カバー7の表面から効率良く放熱させることができる。このため、発光部5をより低温にできる。
図6は、実施の形態1のランプ1Aをランプ基端側の斜め方向から見た斜視図である。図6に示すように、バスケット8の基端リング8bの内側にヒートシンク4が挿通している。基端リング8bは、ヒートシンク4が通り抜けできない形状を有する。基端リング8bは、ヒートシンク4のフランジ部4bの外径より小さい内径を有する。基端リング8bは、透光性カバー7と同心的に配置される円環状を呈する。基端リング8bのランプ先端側の端面は、フランジ部4bのランプ基端側の端面に対して接触または固定されている。各々の線状部材8aのランプ基端側の端部は、固定材8cにより基端リング8bに固定される。
図7は、実施の形態1のランプ1Aをランプ先端側から見た分解斜視図である。図8は、実施の形態1のランプ1Aをランプ基端側から見た分解斜視図である。これらの図に示すように、透光性カバー7は、ランプ本体2の発光部5を挿入可能な大きさの開口をランプ基端側に有する。ランプ1Aの製造においては、図7及び図8に示すようにして、透光性カバー7の当該開口にランプ本体2の発光部5を挿入することで、ランプ1Aを容易に組み立てることが可能である。ランプ1Aの製造においては、透光性カバー7がガラス製の場合であっても、透光性カバー7の当該開口を高温で溶かして封止する工程が不要であるので、容易に製造できる。
本実施の形態では、透光性カバー7の当該開口が接着剤10により封止されることで、透光性カバー7の内部空間が外部空間に対して遮断される。透光性カバー7の内周面には、突出部が無いことが望ましい。透光性カバー7の内周面に突出部が無いようにすることで、ランプ1Aの製造において、透光性カバー7の内側にランプ本体2の発光部5をさらに容易に挿入できる。
本実施の形態であれば、ランプ1Aの組み立てにおいて、透光性カバー7をランプ本体2に取り付ける際に、透光性カバー7を変形(弾性変形)させる必要がない。このため、透光性カバー7がガラス製の場合であっても、容易に組み立てられる。
ランプ1Aの組み立てにおいては、透光性カバー7をランプ本体2に取り付けた後に、バスケット8を装着すれば良い。そのため、容易に組み立てられる。本実施の形態であれば、図7及び図8に示すようにして、ヒートシンク4のフィン4aの部分を基端リング8bの内側に挿入し、線状部材8aのランプ基端側の端部をヒートシンク4のフランジ部4bの凹部4cに挿入した後、線状部材8aの当該端部と基端リング8bとを固定材8cで固定すれば良い。固定材8cの固定方法は、例えば、ネジ止め、溶接、ろう接、接着、カシメなど、いかなる方法でも良い。本実施の形態であれば、バスケット8がヒートシンク4に対して相対的にランプ先端方向へずれることを基端リング8bにより確実に抑制できるので、透光性カバー7の脱落をより確実に抑制できる。
図示の構成では、バスケット8の基端リング8bは、全周がつながった完全な環状を呈するが、このような形状に限らず、例えば、周方向の一部が欠損した形状(例えばC字形リング)でも良い。
バスケット8の少なくとも一部は、透光性カバー7の外面に接触または近接する。このため、発光部5から透光性カバー7に伝わった熱は、バスケット8に伝わる。本実施の形態では、バスケット8は、ヒートシンク4に対して熱的につながる。これにより、発光部5から透光性カバー7に伝わった熱を、バスケット8を介してヒートシンク4に伝熱させることができる。それゆえ、発光部5をより低温にできる。本実施の形態では、バスケット8の基端リング8bがヒートシンク4のフランジ部4bに接触または固定されることで、バスケット8とヒートシンク4との間の伝熱面積を大きくできる。このため、上記効果をより確実に奏することができる。
本発明では、バスケット8をヒートシンク4に連結する構造は、基端リング8bを用いた構造に限定されない。例えば、線状部材8aのランプ基端側の端部をヒートシンク4に直接固定しても良い。その場合の固定方法も、例えば、ネジ止め、溶接、ろう接、接着、カシメなど、いかなる方法でも良い。
バスケット8は、透光性カバー7の周方向に延びる線状部材(図示省略)をさらに備えても良い。当該線状部材をバスケット8がさらに備える場合には、より広い面積でバスケット8が透光性カバー7を支えることができるので、透光性カバー7の脱落をより確実に防ぐことができるとともに、透光性カバー7がバスケット8から受ける圧力を低減できる。
実施の形態2.
次に、図9及び図10を参照して、実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一名称を付し説明を簡略化または省略する。図9及び図10は、実施の形態2のランプ1Bの分解斜視図である。これらの図に示す実施の形態2のランプ1Bが備える発光部5の熱伝導部5cは、多角形(正12角形)の横断面形状を有する筒状部材のうちの、一部の側面が欠損した形状を呈する。当該欠損した領域の基板部5bの熱は、隣接する基板部5bを経由して、効率良く熱伝導部5cへ伝わる。このため、当該領域の熱伝導部5cが欠損していても問題ない。本実施の形態2によれば、熱伝導部5cを上記の形状にすることで、熱伝導部5c及びランプ1Bの重量を軽減できる。また、当該熱伝導部5cは、ランプ基端側の端部の近くに、全周が欠損せずに形成された領域を有する。当該領域の外周に接着剤10が配置されることで、熱伝導部5cの外周と透光性カバー7の内周とを全周に渡り接着剤10で接着できる。
図9及び図10に示す例では、発光部5の熱伝導部5cは、多角形(正12角形)の横断面形状を有する筒状部材のうちの、1つの側面が欠損した形状を呈するが、このような形状に限らず、12個の側面のうち、等間隔に位置する複数(例えば、2個、3個、4個)の側面が欠損した形状にしても良い。また、この欠損部については、図2の導線11,12を、この領域を通して口金3に接続することもできる。
実施の形態3.
次に、図11から図13を参照して、実施の形態3について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一名称を付し説明を簡略化または省略する。図11は、実施の形態3のランプ1Cをランプ先端側の斜め方向から見た斜視図である。図12は、実施の形態3のランプ1Cをランプ基端側の斜め方向から見た斜視図である。図13は、実施の形態3のランプ1Cをランプ中心軸の方向のランプ先端側から見た図である。
これらの図に示すように、実施の形態3のランプ1Cが備えるバスケット8は、実施の形態1における基端リング8bに代えて、基端リング8eを備える。図12に示すように、基端リング8eは、ヒートシンク4のフランジ部4bの外周側に配置される。基端リング8eは、フランジ部4bの外径よりやや大きい内径を有する。基端リング8eは、ネジ8fによりフランジ部4bに固定される。図13に示すように、基端リング8eの周方向の複数(図示の構成では2個)の異なる位置にネジ8fが配置される。
本実施の形態3のランプ1Cの組み立てにおいては、透光性カバー7をランプ本体2に取り付けた後に、線状部材8aのランプ基端側の端部と基端リング8eとが固定された状態(すなわち、かご状に組み立てられた状態)のバスケット8を透光性カバー7に被せ、基端リング8eをネジ8fでヒートシンク4のフランジ部4bに固定すれば良い。このため、さらに容易に組み立てることが可能である。なお、基端リング8eをヒートシンク4に固定する方法は、ネジ8fによる固定に限らず、例えば、ネジ止め、溶接、ろう接、接着、カシメなど、いかなる方法でも良い。
実施の形態4.
次に、図14から図16を参照して、実施の形態4について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一名称を付し説明を簡略化または省略する。図14は、実施の形態4のランプ1Dの斜視図である。図15は、実施の形態4のランプ1Dを図14とは異なる角度から見た斜視図である。図16は、実施の形態4のランプ1Dをランプ中心軸の方向のランプ先端側から見た図である。
これらの図に示すように、実施の形態4のランプ1Dが備えるバスケット8は、実施の形態1におけるパッド部8dに代えて、先端リング8gをランプ先端側に備える。バスケット8の線状部材8aのランプ先端側の端部は、先端リング8gに固定されている。先端リング8gは、透光性カバー7の半球状の先端部7bに接触または近接している。先端リング8gは、透光性カバー7の筒状部7aの最大外径より小さい最小内径を有する。先端リング8gは、透光性カバー7が通り抜けできない形状及び大きさを有する。
本実施の形態であれば、発光部5の先端部分(錐体状部分)に配置された発光素子5aから発せられた光は、先端リング8gの内側を通って、ランプ1D外へ照射される。先端リング8gの内側には、バスケット8の構成部品が配置されていない。本実施の形態であれば、発光部5の先端部分(錐体状部分)に配置された発光素子5aから発せられた光がバスケット8で遮られることを確実に抑制できる。このような効果をさらに確実に得るためには、先端リング8gは、発光部5の先端部分(錐体状部分)に配置された発光素子5aの発光面を当該発光面の法線の方向に移動したと仮想した場合に当該発光面が通る空間に重ならないように配置されることが望ましい。
先端リング8gの、透光性カバー7の外面に接触または近接する部分は、軟質材料(例えば、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなど)で構成されていても良い。当該部分を軟質材料で構成することで、透光性カバー7が振動時に先端リング8gと繰り返し接触した場合であっても、透光性カバー7にダメージ(ひび割れ、破損など)が発生することをより確実に抑制できる。
図17は、バスケット8の線状部材8aの変形例を説明するための模式的な図である。図17は、ランプ中心軸の方向のランプ先端側から見た透光性カバー7と、線状部材8aの横断面とを表す。同図に示す変形例の線状部材8aの横断面の形状は、透光性カバー7の外面に近い位置から遠い位置へ向かって幅が狭くなる形状(例えば、略台形)である。当該線状部材8a側面と、当該線状部材8aの近くの透光性カバー7の外面との間には、鈍角が形成される。図17中の光線Bは、線状部材8aの近くの透光性カバー7の外面から出射して線状部材8aの側面で反射した光線である。線状部材8aを上記の形状にすることで、透光性カバー7の外面から出射して線状部材8aの側面に当たった光を、光線Bのようにして、ランプ1Aの外側へ向けて反射させることができる。バスケット8が備える線状部材8aの少なくとも一部を上記の形状にすることで、バスケット8が発光の妨げになることを抑制でき、発光効率を高めることができる。本変形例の線状部材8aは、前述した実施の形態1から実施の形態4のいずれにも適用可能である。