以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[1.構成]
まず、実施の形態に係る照明器具の構成について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明器具1の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る照明器具1の断面図である。なお、各図においては、照明器具1の電源収容部2の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直で互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向としている。本実施の形態において、Y軸方向は、鉛直方向である。図2は、照明器具1のYZ平面に平行な断面を示している。
図1に示される照明器具1は、ライティングダクトに取り付けられる器具である。本実施の形態では、照明器具1は、スポットライト用の照明器具である。照明器具1は、図1及び図2に示されるように、灯具部4、電源収容部2及び支持部5を備える。また、図2に示されるように、照明器具1は、電源収容部2に収容された電源回路29と、灯具部4に収容される光源30とを備える。灯具部4は、光源30を収容する部材であり、セード10、本体140、反射部材40、光学部材50、光制御部材60を備える。
以下、照明器具1の各構成要素について説明する。
[1−1.セード]
セード10は、光源30が内部に配置され、光源30からの光を外部に出射する筒状部材である。セード10は、図2に示されるように、側方開口部130を備える。側方開口部130は、セード10の側面に設けられたスリット状の開口部であり、支持部5が配置される。
図2に示されるように、セード10の内部には、光源30に加えて、本体140、反射部材40、光学部材50、光制御部材60などが配置される。
セード10を形成する材料は、特に限定されない。セード10は、例えば、アルミニウム合金などの金属材料で形成される。本実施の形態では、セード10は、アルミニウム合金を用いてアルミダイカスト工程を経て形成される。
[1−2.本体]
本体140は、図2に示されるように、セード10の内部に配置され、光源30及び支持部5が取り付けられる部材である。本体140は、光源30から発生した熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。
図2に示されるように、本体140は、Z軸方向正側(図2の左側)に、取付部141及び鍔部143を備える。取付部141は、光源30が取り付けられる部分である。取付部141は、光源30を取り付けるための平坦な面を含む。これにより、光源30から発生する熱が効率よく本体140に伝導される。
鍔部143は、本体140をセード10に取り付けるための部分である。本体140は、鍔部143において、ねじなどによって、セード10に取り付けられる。また、図2に示されるように、本体140は、支持部5に取り付けられる。本実施の形態では、本体140は、支持部5に対して回転自在に取り付けられる。これにより、支持部5に対して、灯具部4の向き、つまり、照明器具1の光軸Jの向きを調整することができる。
本体140を形成する材料は、特に限定されない。本体140は、例えば、アルミニウム合金などの金属材料で形成される。本実施の形態では、本体140は、アルミニウム合金を用いてアルミダイカスト工程を経て形成される。
[1−3.支持部]
支持部5は、電源収容部2の長手方向の一端部に取り付けられ、灯具部4を支持する部材である。本実施の形態では、支持部5は、一方の端部において電源収容部2に取り付けられ、他方の端部において灯具部4の本体140に取り付けられる。支持部5は、長尺状の筒状部材であり、長手方向に挿通孔が形成されている。挿通孔には、電線92が挿入され、電線92によって電源回路29から光源30に電力が供給される。このように、電線92を外部に露出させることなく支持部5の長手方向に沿って配置することができるため、電線92が損傷することが抑制される。また、照明器具1の外部から電線92が見えないため、デザイン的にも好ましい。
支持部5を形成する材料は、特に限定されない。支持部5は、例えば、アルミニウム合金などの金属材料で形成される。本実施の形態では、支持部5は、例えばアルミダイカスト工程を経て形成される。
[1−4.光源]
光源30は、発光素子を有し、照明器具1の出射光となる光を出射する光源部である。本実施の形態では、光源30は、発光素子としてLED(Light Emitting Diode)を有する発光モジュールであって、所定の光を放射状に出射するLED光源である。光源30は、例えば白色光を出射するように構成されている。光源30は、COB(Chip On Board)型LEDで構成され、基台と、基台上に実装されたベアチップ(LEDチップ)である複数のLEDと、それらLEDを封止し、蛍光体を含む封止部材とを備える。
光源30は、本体140の取付部141に取り付けられる。各図に示される照明器具1において、光源30の光軸JはZ軸方向に平行である。
光源30を構成する基台は、複数のLEDを実装するための実装基板であって、例えばセラミックス基板、樹脂基板又は絶縁被覆されたメタルベース基板などである。また、基台は、例えば平面視において矩形である平面を有する板状であり、基台の底面(図2の右側面)が本体140の取付部141に取り付けられて固定される。なお、図示しないが、基台には、LEDを発光させるための直流電力を電線92から受電するための一対の電極端子(正電極端子及び負電極端子)が形成されている。
[1−5.反射部材]
反射部材40は、光源30からの光の配光を制御する部材である。本実施の形態では、反射部材40は、光源30からの光を光学部材50に向けて反射させる。反射部材40は、光源30の光軸Jが貫通する開口が形成された筒状の形状を有する。
反射部材40の内径は、図2に示されるように、光源30からの光が入射される側(図2の右側)の端部から、当該光が出射される側(図2の左側)の端部に向かって漸次大きくなるように構成されている。反射部材40の内面において、光源30からの光が反射される。
反射部材40は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)など硬質の白色樹脂材料を用いて形成することができる。なお、反射部材40の内面にアルミニウムなどの金属膜が設けられてもよい。
[1−6.光学部材]
光学部材50は、反射部材40からの光が入射する光入射面、及び、光入射面に入射した光を出射する光出射面を備える透光性の部材である。光学部材50は、反射部材40から出射した光の配光を制御する機能を有してもよい。本実施の形態では、光学部材50はフレネルレンズである。これにより、照明器具1は、出射光を集光して、スポット状の照明領域を形成することができる。
光学部材50は、透光性材料を用いて形成されており、例えばアクリル、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料、又は、ガラス材料などの透明材料を用いて形成することができる。
[1−7.光制御部材]
光制御部材60は、図2に示されるようにセード10の内部であって、光学部材50の光出射面側に配置された筒状の部材である。
光制御部材60は、光源30の光軸Jの周囲に配置される。また、図2に示されるように、光制御部材60の外径は、セード10の開口部120側の内径と略等しい。これにより、セード10の開口部120の出射光通過領域が光制御部材60によって削減されることを抑制できる。また、セード10と光制御部材60との間からの出射光の漏れを抑制できる。
光制御部材60は、セード10の内面のうち、光学部材50の光出射面近傍から、セード10の開口部120の端部(図2の左側端部)近傍まで部分を覆う。ここで、光制御部材60の内面は、黒色のグレア抑制面である。このように、セード10の開口部120の端部近傍は、黒色のグレア抑制面である光制御部材60の内面で覆われる。これにより、セード10の開口部120の端部近傍におけるグレアが抑制される。
光制御部材60の内面は、黒色のグレア抑制面であれば、特に限定されない。黒色のグレア抑制面は、例えば、黒色に塗装した面に艶消し処理を施すことにより実現できる。
光制御部材60は、例えば、PBT、PCなどの樹脂材料を用いて形成することができる。
[1−8.電源回路]
電源回路29は、光源30に電力を供給する回路である。具体的には、電源回路29は、商用電源等の外部電源からの交流電力を、整流、平滑及び降圧等して所定レベルの直流電力に変換する。電源回路29で生成された直流電力は、図2に示される電線92を介して光源30に供給される。なお、図2では、電線92の一部の図示が省略されている。
電源回路29は、例えば、プリント回路基板などの回路基板28と、回路基板28に実装された複数の素子とを有する。回路基板28に実装される素子は、光源30を点灯させるための部品である。例えば、当該素子には、電解コンデンサやセラミックコンデンサ等の容量素子、抵抗器等の抵抗素子、整流回路素子、コイル素子、チョークコイル(チョークトランス)、ノイズフィルタ、ダイオード又は集積回路素子などの半導体素子などが含まれる。なお、電源回路29には、調光回路や昇圧回路などが組み合わされていてもよい。
[1−9.電源収容部]
電源収容部2は、電源回路29を収容する長尺の筐体である。また、電源収容部2は、照明器具1をライティングダクトに係止する機能、及び、ライティングダクトから電力を受電する機能も有する。また電源収容部2の長手方向の一端部には、支持部5が取り付けられる。
図1及び図2に示されるように、電源収容部2は、容器部26と、天板27と、第一係止部21と、第二係止部22と、アース端子24とを有する。
[1−9−1.容器部]
容器部26は、内部に、電源回路29を収容するための空間を有する有底筒状の容器である。容器部26のライティングダクトに対向する開口部(図2の上側の開口部)の少なくとも一部は天板27で塞がれる。このように、容器部26と天板27とで筐体が形成される。
容器部26を形成する材料は、特に限定されない。容器部26は、例えば、金属又は樹脂などを主要材料として含む。本実施の形態では、容器部26は、アルミニウムを主要材料として含む。
[1−9−2.天板]
天板27は、アース端子24と直接接続され、電源回路29と電気的に接続される導電性の板状部材である。天板27は、容器部26の開口部に配置される。天板27には、アース端子24が取り付けられ、アース端子24の導電性の部分と直接接続される。つまり、天板27は、電線などを介することなくアース端子24の導電性の部分と接続される。これにより、アース端子24がライティングダクトのアース電極と接続された場合に、天板27は接地される。天板27は、上述のとおり電源回路29と電気的に接続されており、電源回路29に接地電位を与える。
天板27は、照明器具1がライティングダクトに取り付けられる際には、ライティングダクトに対向する位置に配置され、天板27に取り付けられたアース端子24がライティングダクトの開口部に挿入される。これにより、アース端子24は、ライティングダクトの内部に配置されたアース電極と接続される。また、本実施の形態では、天板27には、第二係止部22が取り付けられる。
天板27を形成する材料は、導電性であれば特に限定されない。天板27は、例えば、鉄などの金属材料で形成される。
[1−9−3.第一係止部]
第一係止部21は、電源回路29と電気的に接続され、ライティングダクトの給電電極と接続される受電端子213a及び213bを有し、ライティングダクトに電源収容部2を係止する係止部材である。受電端子213a及び213bによって受電された交流電力は、電線(不図示)などを介して電源回路29に送られる。
本実施の形態では、第一係止部21は、電源収容部2の長手方向の一端部であって、ライティングダクトに対向する位置に配置される。第一係止部21は、図1に示されるように、受電端子213a及び213bに加えて、第一係止板212と、第一レバー211とを有する。
受電端子213a及び213bは、ライティングダクトから電力を受ける端子である。受電端子213a及び213bは、容器部26に対してY軸方向に平行な回転軸を中心として回転自在に設けられる。受電端子213a及び213bをライティングダクトの溝部において回転軸を中心として約90度回転させることによって、受電端子213a及び213bをライティングダクト内の給電電極に接続できる。受電端子213a及び213bは、各図のY軸に平行な回転軸と直交する方向に延びる板状端子であり、第一レバー211と連動して、当該回転軸を中心に約90度の回転角の範囲にわたって回転自在である。
受電端子213a及び213bを形成する材料は、導電性材料であれば特に限定されない。受電端子213a及び213bは、例えば、銅などで形成されてもよい。
第一係止板212は、容器部26に対して各図のY軸方向に平行な回転軸を中心として回転自在に設けられる。第一係止板212をライティングダクトの溝部において回転軸を中心として約90度回転させることによって、第一係止板212をライティングダクトに係止できる。本実施の形態では、第一係止板212は、長方形状の主面を有する板状部材である。第一係止板212は、第一レバー211と連動して、回転軸を中心に約90度の回転角の範囲にわたって回転自在である。本実施の形態では、第一係止板212は、ライティングダクトの溝部において係止される。これにより、照明器具1をライティングダクトに係止することができる。また、第一係止板212がライティングダクトの溝部において係止されることにより、第一係止部21のライティングダクトに対する位置及び角度が安定化されるため、受電端子213a及び213bをライティングダクトの給電電極に安定的に接続することができる。
第一係止板212を形成する材料は、特に限定されない。第一係止板212は、例えば、PCなどの樹脂材料で形成されてもよい。
第一レバー211は、受電端子213a及び213bと、第一係止板212とを、容器部26に対して、各部のY軸に平行な回転軸を中心に回転させるためのレバーである。本実施の形態では、第一レバー211を、当該回転軸を中心に約90度の回転角の範囲にわたって回転させることができる。また、第一レバー211は、受電端子213a及び213b、並びに、第一係止板212と、当該回転軸を中心に一体的に回転するように形成されている。第一レバー211は、例えば、第一係止板212と一体的に形成されていてもよい。
第一レバー211を形成する材料は、特に限定されない。第一レバー211は、例えば、PCなどの樹脂材料で形成されてもよい。
[1−9−4.第二係止部]
第二係止部22は、第一係止部21から、電源収容部2の長手方向(各図のZ軸方向)に離間して配置され、ライティングダクトに電源収容部2を係止する係止部材である。
本実施の形態では、第二係止部22は、電源収容部2の長手方向中央付近であって、ライティングダクトに対向する位置に配置される。なお、第二係止部22の電源収容部2の長手方向における配置位置は、第一係止部21から、電源収容部2の長手方向に離間した位置であればよく、電源収容部2の長手方向の中央付近に限定されない。第二係止部22は、図1に示されるように、第二係止板222と、第二レバー221とを有する。
第二係止板222は、容器部26に対して各図のY軸方向に平行な回転軸を中心として回転自在に設けられる。第二係止板222をライティングダクトの溝部において回転軸を中心として約90度回転させることによって、第二係止板222をライティングダクトに係止できる。本実施の形態では、第二係止板222は、第一係止板212と同様に、長方形状の主面を有する板状部材である。第二係止板222は、第二レバー221と連動して、回転軸を中心に約90度の回転角の範囲にわたって回転自在である。本実施の形態では、第二係止板222は、ライティングダクトの溝部において係止される。これにより、照明器具1をライティングダクトに係止することができる。
第二係止板222を形成する材料は、特に限定されない。第二係止板222は、例えば、PCなどの樹脂材料で形成されてもよい。
第二レバー221は、第二係止板222を、容器部26に対して、各部のY軸に平行な回転軸を中心に回転させるためのレバーである。本実施の形態では、第二レバー221を、当該回転軸を中心に約90度の回転角の範囲にわたって回転させることができる。また、第二レバー221は、第二係止板222と、当該回転軸を中心に一体的に回転するように形成されている。第二レバー221は、例えば、第二係止板222と一体的に形成されていてもよい。
第二レバー221を形成する材料は、特に限定されない。第二レバー221は、例えば、アルミニウムなどの金属材料を主要材料として含む。
図1及び図2に示されるように、第二係止板222及び第二レバー221は、Y軸方向に平行な回転軸を有するねじ223によって天板27に取り付けられる。これにより、第二係止板222及び第二レバー221は、容器部26に対してねじ223の回転軸を中心として回転自在に取り付けられる。
[1−9−5.アース端子]
アース端子24は、第一係止部21と第二係止部22との間に配置され、ライティングダクトのアース電極と接続される端子である。このように、アース端子24が第一係止部21と第二係止部22との間に配置されているため、第一係止部21にアース端子24を設ける必要がない。これにより、照明器具1では第一係止部21の構造を簡素化できる。本実施の形態では、アース端子24は、天板27に固定され、かつ、電線などを介することなく直接電気的に接続される。このように、アース端子24が、電源回路29と電気的に接続される導電性の天板27と直接接続されるため、アース端子24と天板27とを電線などを用いて接続する必要がない。したがって、照明器具1では、アース端子24と電源回路29との間の接続構成を簡素化できる。
以下、アース端子24の詳細構成について、図面を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係るアース端子24の構成を示す断面図である。図3においては、アース端子24の中央部を通り、YZ平面に平行な面における断面図が示されている。
図3に示されるように、アース端子24は、天板27に交差する方向に突出し、アース電極に接続される導電性のアースピン245と、アースピン245を支持する導電性の本体部240とを備える。アース端子24は、さらに、アースピン245を本体部240から突出する方向に付勢する導電性のつるまきばね244を有する。
アースピン245は、図3のY軸方向に平行な方向に延びる円柱状の形状を有し、先端部246と、先端部246より径の大きい大径部247と、大径部247より径の小さい後端部248とを有する。
本体部240は、図3のY軸方向に平行な方向に延びる貫通孔241が形成された円筒状の形状を有し、貫通孔241にアースピン245が挿入される。また、貫通孔241の内面の少なくとも天板27側(図3の下側)の部分には、ねじ山が形成されている。貫通孔241に、天板27の貫通孔を介して導電性のねじ249が捻じ込まれることによって、本体部240が天板27に固定される。
貫通孔241の天板27と反対側(図3の上側)の端部は、アースピン245の先端部246の径より大きく、大径部247の径より小さい径に、縮径されている。これにより、大径部247と貫通孔241の端部とが干渉するため、アースピン245が貫通孔241の端部から抜け出ることを抑制できる。
また、本体部240は、ライティングダクトに対向する面243の周縁にテーパ部242を有する。テーパ部242については、後述する。
つるまきばね244は、導電性を有するコイル状の弾性部材である。
アースピン245の大径部247とねじ249との間には、つるまきばね244が自然長より短くなるようにY軸方向に押圧された状態で配置されている。これにより、つるまきばね244がアースピン245を本体部240から突出する向き(図3の上向き)に付勢する。このような構成により、アースピン245は、天板27に交差する方向に突出する長さが可変となる。
アース端子24のアースピン245を形成する材料は、導電性であれば特に限定されない。アースピン245は、例えば、黄銅などの金属材料で形成される。
本体部240を形成する材料は、特に限定されないが、本体部240は導電性材料で形成されてもよい。本体部240を導電性材料で形成することにより、アース端子24と天板27とをより確実に導通させることができる。本体部240は、例えば、黄銅などの金属材料で形成される。
ねじ249を形成する材料は、導電性であれば特に限定されない。ねじ249は、例えば、黄銅などの金属材料で形成される。
つるまきばね244を形成する材料は、導電性であれば特に限定されない。つるまきばね244は、例えば、鉄などの金属材料で形成される。
以上のようにアース端子24のアースピン245、つるまきばね244及びねじ249が導電性であることにより、アースピン245がライティングダクトのアース電極に接続された場合に、つるまきばね244及びねじ249を介して天板27を接地電位に維持することができる。このように、本実施の形態では、アース端子24と天板27とを、電線などを介することなく直接電気的に接続することができる。さらに、本実施の形態では、本体部240が導電性を有することにより、天板27をより確実に接地電位に維持することができる。
[2.ライティングダクト]
本実施の形態に係る照明器具1が取り付けられるライティングダクトについて、図面を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る照明器具1が取り付けられるライティングダクト7の構成を示す断面図である。図4は、ライティングダクト7の長手方向(図4のZ軸方向)に垂直な断面を示す斜視図である。
ライティングダクト7は、図4に示されるように、ライティングダクト7の長手方向に沿って形成されたダクト開口部723を有する。ライティングダクト7のダクト開口部723の内部には、溝部730が形成されている。照明器具1の第一係止部21、第二係止部22及びアース端子24は、ダクト開口部723を介して、溝部730に挿入される。
図4に示されるように、ライティングダクト7は、ダクト本体70と、ダクト本体70に保持された二つの給電電極72と、アース電極73とを有する。
ダクト本体70は、矩形筒状の部材である。より正確には、断面が矩形のC字状の部材である。ダクト本体70は、絶縁部材71で覆われており、二つの内鍔部712を有する。また、絶縁部材71は、二つの凸部713と、突起部740とを有する。
ダクト本体70は、例えば、アルミニウムなどの金属で形成される。
絶縁部材71は、例えば、樹脂などの絶縁材料で形成される。
内鍔部712は、ライティングダクト7のY軸方向負側端部(図4の下端部)に形成された鍔状部分である。二つの内鍔部712の間にダクト開口部723が形成されている。
凸部713は、ダクト本体70のX軸方向(図4の左右方向)に対向する二つの内面のY軸方向(図4の上下方向)中央部に立設された部分である。
二つの凸部713の各先端には、凹部714が設けられている。二つの給電電極72は、それぞれ、二つの凹部714内に保持されている。
二つの給電電極72は、照明器具1に交流電力を供給するための電極対である。給電電極72は、例えば、銅などの導電性材料で形成される。
アース電極73は、照明器具1に接地電位を供給するための電極である。アース電極73は、例えば、銅などの導電性材料で形成される。
突起部740は、X軸方向(図4の左右方向)の一方の端部だけに形成された照明器具1向きに突出する部分である。突起部740の位置によって、二つの給電電極72のうち、どちらがL端子であり、どちらがN端子であるかを見分けることができる。つまり、突起部740によって、照明器具1をライティングダクト7に対して正しい向きに取り付けることができる。また、照明器具1をライティングダクト7に対して誤った向きに取り付ける場合に、突起部740と照明器具1とを干渉させることによって、照明器具1をライティングダクト7に取り付けられないように照明器具1を形成してもよい。
以上のような構成を有するライティングダクト7に、照明器具1が取り付けられる。
[3.照明器具のライティングダクトへの取付方法]
照明器具1のライティングダクト7への取り付け方法について、図面を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る照明器具1をライティングダクト7へ取り付ける場合における照明器具1の状態を示す斜視図である。
本実施の形態に係る照明器具1をライティングダクト7に取り付ける場合には、まず、図1に示されるように、第一係止板212及び第二係止板222の長手方向が、電源収容部2の長手方向と略一致する状態とする。この状態において、第一係止部21及び第二係止部22並びにアース端子24をライティングダクト7のダクト開口部723から溝部730に挿入する。ここで、第一係止板212及び第二係止板222が、ライティングダクト7の内鍔部712よりライティングダクト7の内側に位置するように配置する。
続いて、図5において、矢印で示される向きに、第一レバー211及び第二レバー221を回転させることによって、第一係止板212及び第二係止板222の長手方向が、電源収容部2の長手方向と略直交する状態とする。これに伴い、第一係止板212及び第二係止板222が照明器具1の第一係止板212及び第二係止板222が、ライティングダクト7の内鍔部712と凸部713との間に挿入される。これにより、第一係止板212及び第二係止板222がライティングダクト7に係止される。また、照明器具1の受電端子213a及び213bが、ライティングダクト7の二つの給電電極72に接続されることによって、照明器具1はライティングダクト7から受電できる状態となる。
[4.アース端子の効果]
本実施の形態に係る照明器具1のアース端子24の効果について図面を用いて説明する。
図6Aは、本実施の形態に係る照明器具1がライティングダクト7に適切に取り付けられた場合におけるアース端子24の状態を示す断面図である。図6Bは、本実施の形態に係る照明器具1が第一係止部21だけでライティングダクト7に取り付けられた場合におけるアース端子24の状態を示す断面図である。図6A及び図6Bにおいては、照明器具1の電源収容部2の長手方向に平行で、かつ、天板27に垂直な平面による断面図が示されている。また、ライティングダクト7のアース電極73の照明器具1側の端面の位置が破線L73で示され、内鍔部712の内側面の位置が破線L712で示されている。
本実施の形態に係る照明器具1では、アース端子24は、天板27に交差する方向に突出し、アース電極73に接続される導電性のアースピン245を有する。これにより、例えば、図4に示されるように、ライティングダクト7のアース電極73が絶縁部材71によって形成された凹部内に配置されている場合においても、アース端子24をアース電極73に確実に接続できる。
また、図6Aに示されるように、本実施の形態に係る照明器具1がライティングダクト7に適切に取り付けられた場合には、アースピン245がアース電極73によって照明器具1向き(図6Aの下向き)に押されて、アースピン245の突出長さが短縮される。これにより、アースピン245がアース電極73を押圧する状態を維持できるため、アースピン245とアース電極73とを確実に接続できる。
照明器具1のように、第一係止部21及び第二係止部22を備える場合には、誤って、第一係止部21及び第二係止部22の一方だけで照明器具1をライティングダクト7に係止することがあり得る。例えば、第二係止部22だけで照明器具1をライティングダクト7に係止する場合には、受電端子213a及び213bが二つの給電電極72に接続されず、照明器具1が点灯しない。そのため、ユーザは第一係止部21の係止操作をしていないことに気付き易い。しかしながら、図6Bに示されるように、第一係止部21だけで照明器具1をライティングダクト7に係止する場合には、照明器具1が点灯するため、ユーザは、第二係止部22を操作していないことに気付き難い。そのため、第二係止部22の係止操作をしていない状態で、照明器具1の使用を続ける場合があり得る。その場合、図6Bに示されるように、電源収容部2に加わる重力によって、電源収容部2が傾き得る。つまり、第二係止部22が、第一係止部21より低い位置に配置され得る。本実施の形態に係る照明器具1のように、第一係止部21とアース端子24とを離間して設ける場合、電源収容部2が傾くことに伴って、アース端子24がライティングダクト7のアース電極73から離れることがあり得る。しかしながら、本実施の形態に係る照明器具1では、アース端子24は、第二係止部22より第一係止部21に近い位置に配置されている。このため、電源収容部2が第二係止部22によって係止されないことに起因して、水平方向に配置されたライティングダクト7に対して電源収容部2が傾いて係止される場合においても、アース端子24がライティングダクト7のアース電極73から離れることを抑制できる。
さらに、本実施の形態では、アース端子24から第一係止部21までの距離は、アース端子24から第二係止部22までの距離より短い。これにより、アース端子24から第一係止部21までの距離がより一層低減される。このため、アース端子24がライティングダクト7のアース電極73から離れることをより一層抑制できる。
また、上述のように、アースピン245は、天板27に交差する方向に突出する長さが可変である。これにより、図6A及び図6Bに示されるように、天板27とアース電極73との間の距離が変化する場合においても、アースピン245がアース電極73に接続された状態を維持できる。
また、図6Aに示されるように、本実施の形態に係る照明器具1では、アース端子24に対して、天板27のアース端子24が取り付けられる面に垂直な方向には、電源回路29を構成する素子が配置されない。これにより、アース端子24と、電源回路29を構成する素子との間で放電が発生することを抑制できる。さらに放電の発生を抑制するために、アース端子24と電源回路29を構成する素子との間の距離を所定値以上としてもよい。当該所定値は、例えば、5mm程度でもよい。
続いて、本実施の形態に係る照明器具1のアース端子24の本体部240に形成されたテーパ部242他の効果について図面を用いて説明する。
図7Aは、本実施の形態に係るアース端子24がライティングダクト7に適切に挿入された場合におけるアース端子24とライティングダクト7との位置関係を示す側面図である。図7Bは、本実施の形態に係るアース端子24がライティングダクト7に対して傾いた状態で挿入された場合におけるアース端子24とライティングダクト7との位置関係を示す側面図である。
図7Aに示されるように、アース端子24がライティングダクト7に適切に挿入された場合、アース端子24の導電性の本体部240が給電電極72に接近することは抑制される。一方、図7Bに示されるように、アース端子24がライティングダクト7に対して傾いた状態で挿入された場合、図7Aに示される場合より、本体部240が給電電極72に接近する。ここで、本実施の形態では、本体部240が導電性を有するため、アース端子24と給電電極72とが接近することによって、アース端子24と給電電極72との間で放電が発生することがあり得る。さらに、本体部240が給電電極72に接触した場合には、照明器具1を取り付けているユーザが感電するおそれがある。しかしながら、本実施の形態に係るアース端子24の本体部240は、アース電極73に対向する面243の周縁にテーパ部242を有する。これにより、本実施の形態では、テーパ部242がない場合より、アース端子24と給電電極72とが接触することを抑制できる。なお、図7Bのテーパ部242付近に示された点線が、テーパ部242がない場合における本体部240の一例の輪郭を示す。また、本体部240がテーパ部242を有することによりアース端子24と給電電極72とが接近することによって、アース端子24と給電電極72との間で放電が発生することも抑制できる。
[5.まとめ]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、給電電極72とアース電極73とを有するライティングダクト7に取り付けられる照明器具1であって、光源30と、光源30を収容する灯具部4と、光源30に電力を供給する電源回路29と、電源回路29を収容する長尺の電源収容部2と、電源収容部2の長手方向の一端部に取り付けられ、灯具部4を支持する支持部5とを備える。電源収容部2は、電源回路29と電気的に接続され給電電極72と接続される受電端子213a及び213bを有し、ライティングダクト7に電源収容部2を係止する第一係止部21を有する。電源収容部2は、さらに、第一係止部21から、長手方向に離間して配置され、ライティングダクト7に電源収容部2を係止する第二係止部22を有する。電源収容部2は、さらに、第一係止部21と第二係止部22との間に配置され、アース電極73と接続されるアース端子24と、アース端子24と直接接続され、電源回路29と電気的に接続される導電性の天板27とを有する。
このように、照明器具1では、アース端子24が第一係止部21と第二係止部22との間に配置されているため、第一係止部21にアース端子24を設ける必要がない。これにより、照明器具1では第一係止部21の構造を簡素化できる。また、電源収容部2が水平方向に配置されたライティングダクト7に、第一係止部21だけによって係止される場合(つまり、第二係止部22によって係止されない場合)においては、電源収容部2に加わる重力によって、電源収容部2が傾き得る。つまり、第二係止部22が、第一係止部21より低い位置に配置され得る。このような場合においても、アース端子24は、第二係止部22より第一係止部21に近い位置に配置されているため、アース端子24がライティングダクト7のアース電極73から離れることを抑制できる。さらに、照明器具1では、アース端子24が、電源回路29と電気的に接続される導電性の天板27と直接接続されるため、アース端子24と天板27とを電線などを用いて接続する必要がない。このように、照明器具1では、アース端子24と電源回路29との間の接続構成を簡素化できる。
また、照明器具1において、アース端子24は、天板27に交差する方向に突出し、アース電極73に接続される導電性のアースピン245を有する。
これにより、例えば、図4に示されるように、ライティングダクト7のアース電極73が絶縁部材71によって形成された凹部内に配置されている場合においても、アースピン245がアース電極73に確実に接続される。
また、照明器具1において、アースピン245は、天板27に交差する方向に突出する長さが可変である。
これにより、天板27とアース電極73との間の距離が変化する場合においても、アースピン245がアース電極73に接続された状態を維持できる。
また、照明器具1において、アース端子24は、アースピン245を支持する導電性の本体部240を有し、本体部240は、アース電極73に対向する面243の周縁にテーパ部242を有する。
これにより、アース端子24と給電電極72とが接触することを抑制できる。さらに、アース端子24と給電電極72とが接近することによって、アース端子24と給電電極72との間で放電が発生することも抑制できる。
また、照明器具1において、アース端子24に対して、天板27のアース端子24が取り付けられる面に垂直な方向には、電源回路29を構成する素子が配置されない。
これにより、アース端子24と、電源回路29を構成する素子との間で放電が発生することを抑制できる。
また、照明器具1において、アース端子24から第一係止部21までの距離は、アース端子24から第二係止部22までの距離より短い。
これにより、アース端子24から第一係止部21までの距離がより一層低減される。このため、電源収容部2が第二係止部22によって係止されないことに起因して、水平方向に配置されたライティングダクト7に対して電源収容部2が傾いて係止される場合においても、アース端子24がライティングダクト7のアース電極73から離れることを抑制できる。
(変形例など)
以上、本発明に係る照明器具1について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、実施の形態では、照明器具1は、スポットライト用の照明器具であったが、スポットライト用でなくてもよい。ライティングダクト7に取り付けられる照明器具であればよい。
また、実施の形態では、アースピン245の天板27に交差する方向に突出する長さが可変であったが、当該長さは固定されていてもよい。
また、実施の形態では、アース端子24の本体部240にテーパ部242が形成されていたが、テーパ部242は形成されていなくてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。