(本開示の基礎となった知見)
上記の特許文献1では、作業者の生体情報を用いた認証により許可された作業者しか機器の操作を行うことができず、機器の操作を行う作業員を制限してしまうため、機器の操作の担当ではない作業員が緊急時に機器を停止させるなどの柔軟な対応ができない。また、特許文献2では、現場機器操作者の位置情報を用いているので、操作対象の機器の一部を取り外して別の場所に移動し、その機器を点検する際には、現場機器操作者の位置情報と表示板から抽出した識別情報とを用いても、操作対象の機器であることを照合することができず、現場機器操作者は、操作対象の機器を点検できなくなる。
さらに、上記の従来の構成では、作業員が機器を現場で点検しなくても、虚偽の報告書が作成できてしまうことから、作業員が現場で点検を行ったことを担保できない。
このような課題を解決するために、本開示の一態様に係る管理装置は、複数の機器の点検時に作成される作業記録情報を管理する管理装置であって、前記複数の機器のうち点検対象となる点検対象機器から、当該点検対象機器を識別するための機器識別情報を取得する取得部と、前記点検対象機器を識別するための前記機器識別情報を含む作業指示情報と、前記点検対象機器の点検結果を含む前記作業記録情報とを記憶する記憶部と、前記取得部により取得された前記機器識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報と一致する場合に、前記記憶部に記憶されている前記作業記録情報を編集可能にする編集権限付与部とを備える。
この構成によると、複数の機器のうち点検対象となる点検対象機器から、当該点検対象機器を識別するための機器識別情報を取得し、取得した機器識別情報が、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器を識別するための機器識別情報と一致する場合に、記憶部に記憶されている作業記録情報を編集可能にしているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを防止することができる。
また、機器の点検を行う作業員を制限していないため、機器の点検の担当ではない作業員が緊急時に機器を点検するなどの柔軟な対応を行うことができる。さらに、作業員が点検対象となる機器の現場に行ったことを担保した上で、作業記録情報を編集可能にする編集権限を作業員に付与しているので、作業員が機器の一部を取り外して別の場所に移動し、その機器を点検する場合でも、作業記録情報を編集することができる。
上記管理装置は、前記取得部を備えるモバイル端末と、前記記憶部及び前記編集権限付与部とを含み、前記モバイル端末と別体の機器管理装置とを備え、前記取得部は、前記点検対象機器から、当該点検対象機器の前記機器識別情報を表現する、当該点検対象機器に固有の画像を有する機器識別標識を読み取る読み取り部と、前記読み取り部により読み取られた前記機器識別標識が対応する機器識別情報を特定する特定部とを備え、前記モバイル端末は、前記特定部により特定された前記機器識別情報を前記機器管理装置に送信する送信部をさらに備え、前記機器管理装置は、前記モバイル端末の前記送信部から送信された前記機器識別情報を受信する受信部をさらに備え、前記編集権限付与部は、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致する場合に、前記記憶部に記憶されている前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、管理装置は、モバイル端末と、モバイル端末と別体の機器管理装置とから構成される。ここで、モバイル端末は、点検対象機器から、当該点検対象機器の機器識別情報を表現する、当該点検対象機器に固有の画像を有する機器識別標識を読み取り、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報を特定し、特定した機器識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、モバイル端末から送信された機器識別情報を受信し、受信した機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致する場合に、記憶部に記憶されている作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、上記の効果に加えて、作業員と他の作業員(例えば、管理者)とがモバイル端末と機器管理装置とを個別に使用することができるので、モバイル端末を使用する作業員が機器の点検を行い、機器管理装置を使用する他の作業員が作業員の機器の点検結果に基づいて作業記録情報を編集することもできる。
前記機器識別標識は、前記複数の機器の各々に具備され、前記作業指示情報は、前記点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、前記作業員は、当該作業員の前記個人識別情報を表現する、当該作業員に固有の画像を有する個人識別標識を保持し、前記読み取り部は、前記点検対象機器に具備された前記機器識別標識の読み取りと、前記作業員が保持している前記個人識別標識の読み取りとを同時に行い、前記特定部は、前記読み取り部により読み取られた前記機器識別標識が対応する機器識別情報と、前記読み取り部により読み取られた前記個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、前記送信部は、前記特定部により特定された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を前記機器管理装置に送信し、前記受信部は、前記送信部から送信された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を受信し、前記編集権限付与部は、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致し、且つ、前記受信部により受信された前記個人識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記個人識別情報とが一致する場合に、前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、機器識別標識は、複数の機器の各々に具備され、作業指示情報は、点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、作業員は、当該作業員の個人識別情報を表現する、当該作業員に固有の画像を有する個人識別標識を保持している。ここで、モバイル端末は、点検対象機器に具備された機器識別標識の読み取りと、作業員が保持している個人識別標識の読み取りとを同時に行い、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報と、読み取った個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、送信された機器識別情報及び個人識別情報を受信し、受信した機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、点検対象機器の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。
前記機器識別標識は、前記複数の機器の各々に具備され、前記作業指示情報は、前記点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、前記作業員は、当該作業員の前記個人識別情報を表現する、前記作業員に固有の画像を有する個人識別標識を保持し、前記読み取り部は、前記点検対象機器に具備された前記機器識別標識の読み取りと、前記作業員が保持している前記個人識別標識の読み取りとを個別に行い、前記特定部は、前記読み取り部により読み取られた前記機器識別標識が対応する機器識別情報と、前記読み取り部により読み取られた前記個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、前記送信部は、前記特定部により特定された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を前記機器管理装置に送信し、前記受信部は、前記送信部から送信された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を受信し、前記編集権限付与部は、前記読み取り部により前記機器識別標識と、前記個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内であり、且つ、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致し、且つ、前記受信部により受信された前記個人識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記個人識別情報とが一致する場合に、前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、機器識別標識は、複数の機器の各々に具備され、作業指示情報は、点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、作業員は、当該作業員の個人識別情報を表現する、当該作業員に固有の画像を有する個人識別標識を保持している。ここで、モバイル端末は、点検対象機器に具備された機器識別標識の読み取りと、作業員が保持している個人識別標識の読み取りとを個別に行い、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報と、読み取った個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、送信された機器識別情報及び個人識別情報を受信し、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内であり、且つ、受信した機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内である場合に限り、点検対象機器の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、機器識別標識の読み取りと、作業員が保持している個人識別標識の読み取りとを個別に行う場合でも、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。
前記機器識別標識は、前記複数の機器の各々に具備され、前記作業指示情報は、前記点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、前記モバイル端末は、当該モバイル端末を使用する作業者を識別するための個人識別情報を登録する登録部をさらに備え、前記送信部は、前記特定部により特定された前記機器識別情報と、前記登録部に登録されている前記個人識別情報を前記機器管理装置に送信し、前記受信部は、前記送信部から送信された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を受信し、前記編集権限付与部は、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致し、且つ、前記受信部により受信された前記個人識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記個人識別情報とが一致する場合に、前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、機器識別標識は、複数の機器の各々に具備され、作業指示情報は、点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、モバイル端末には、当該モバイル端末を使用する作業者を識別するための個人識別情報が予め登録されている。ここで、モバイル端末は、点検対象機器に具備された機器識別標識の読み取りを行い、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報を特定し、特定した機器識別情報及び登録している個人識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、送信された機器識別情報及び個人識別情報を受信し、受信した機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、点検対象機器の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。また、作業員の個人識別情報がモバイル端末に予め登録されているので、作業員の個人識別情報を表現する固有の画像を有する個人識別標識が不要となり、装置の構成及び処理を簡略することができる。
前記作業指示情報は、前記点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、前記点検対象機器は、当該点検対象機器の前記機器識別標識と、当該点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための前記個人識別情報を表現する、前記作業員に固有の画像を有する個人識別標識とを表示する表示部を備え、前記読み取り部は、前記表示部に表示された前記機器識別標識の読み取りと、前記表示部に表示された前記個人識別標識の読み取りとを同時に行い、前記特定部は、前記読み取り部により読み取られた前記機器識別標識が対応する機器識別情報と、前記読み取り部により読み取られた前記個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、前記送信部は、前記特定部により特定された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を前記機器管理装置に送信し、前記受信部は、前記送信部から送信された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を受信し、前記編集権限付与部は、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致し、且つ、前記受信部により受信された前記個人識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記個人識別情報とが一致する場合に、前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、作業指示情報は、点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、点検対象機器の表示部は、当該点検対象機器の機器識別標識と、当該点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報を表現する、作業員に固有の画像を有する個人識別標識とを表示する。ここで、モバイル端末は、表示された機器識別標識の読み取りと、表示された個人識別標識の読み取りとを同時に行い、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報と、読み取った個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、送信された機器識別情報及び個人識別情報を受信し、受信した機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、点検対象機器の表示部が表示している機器識別標識及び個人識別標識を用いて、点検対象機器の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことをより確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることをより確実に防止することができる。
前記作業指示情報は、前記点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、前記点検対象機器は、当該点検対象機器の前記機器識別標識と、当該点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための前記個人識別情報を表現する、前記作業員に固有の画像を有する個人識別標識とを表示する表示部を備え、前記読み取り部は、前記表示部に表示された前記機器識別標識の読み取りと、前記表示部に表示された前記個人識別標識の読み取りとを個別に行い、前記特定部は、前記読み取り部により読み取られた前記機器識別標識が対応する機器識別情報と、前記読み取り部により読み取られた前記個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、前記送信部は、前記特定部により特定された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を前記機器管理装置に送信し、前記受信部は、前記送信部から送信された前記機器識別情報及び前記個人識別情報を受信し、前記編集権限付与部は、前記読み取り部により前記機器識別標識と、前記個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内であり、且つ、前記受信部により受信された前記機器識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報とが一致し、且つ、前記受信部により受信された前記個人識別情報と、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記個人識別情報とが一致する場合に、前記作業記録情報を編集可能にするようにしてもよい。
この構成によると、作業指示情報は、点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、点検対象機器の表示部は、当該点検対象機器の機器識別標識と、当該点検対象機器の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報を表現する、作業員に固有の画像を有する個人識別標識とを表示する。ここで、モバイル端末は、表示された機器識別標識の読み取りと、表示された個人識別標識の読み取りとを個別に行い、読み取った機器識別標識が対応する機器識別情報と、読み取った個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報を機器管理装置に送信する。このとき、機器管理装置は、送信された機器識別情報及び個人識別情報を受信し、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内であり、且つ、受信した前記機器識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にしている。
したがって、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内である場合に限り、点検対象機器の表示部が表示している機器識別標識及び個人識別標識を用いて、点検対象機器の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、表示された機器識別標識の読み取りと、表示された個人識別標識の読み取りとを個別に行う場合でも、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。
前記作業指示情報は、前記個人識別情報毎に前記点検対象機器の点検順序を示す点検順序情報をさらに含み、前記機器管理装置は、前記受信部により受信された前記機器識別情報が、前記記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検順序情報が示す点検順序に従った前記点検対象機器の前記機器識別情報に一致しない場合、次に点検すべき前記点検対象機器の前記機器識別情報を提示する提示部をさらに備えるようにしてもよい。
この構成によると、作業指示情報は、個人識別情報毎に点検対象機器の点検順序を示す点検順序情報をさらに含み、機器管理装置は、受信した機器識別情報が、記憶部に記憶されている作業指示情報に含まれる点検順序情報が示す点検順序に従った点検対象機器の機器識別情報に一致しない場合、次に点検すべき点検対象機器の機器識別情報を提示しているので、工場、プラント施設、及び建設現場などに設置された複数の機器(設備を含む)を点検する際、作業者が機器の点検順序を誤認している場合でも、正しい点検順序で機器を点検することができる。
また、本開示は、以上のような特徴的な構成を備える管理装置として実現することができるだけでなく、管理装置が備える特徴的な構成に対応する特徴的な処理を実行する管理方法などとして実現することもできる。また、このような管理方法に含まれる特徴的な処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。したがって、以下の他の態様でも、上記の管理装置と同様の効果を奏することができる。
本開示の他の態様に係る管理方法は、複数の機器の点検時に作成される作業記録情報を管理する管理装置の管理方法であって、前記複数の機器のうち点検対象となる点検対象機器から、当該点検対象機器を識別するための機器識別情報を取得し、取得した前記機器識別情報が、前記点検対象機器を識別するための前記機器識別情報を含む作業指示情報と、前記点検対象機器の点検結果を含む前記作業記録情報とを記憶する記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報と一致する場合に、前記記憶部に記憶されている前記作業記録情報を編集可能にする。
本開示の他の態様に係る管理プログラムは、複数の機器の点検時に作成される作業記録情報を管理する管理装置として、コンピュータを機能させるための管理プログラムであって、前記コンピュータに、前記複数の機器のうち点検対象となる点検対象機器から、当該点検対象機器を識別するための前記機器識別情報を取得し、取得した前記機器識別情報が、前記点検対象機器を識別するための前記機器識別情報を含む作業指示情報と、前記点検対象機器の点検結果を含む前記作業記録情報とを記憶する記憶部に記憶されている前記作業指示情報に含まれる前記点検対象機器の前記機器識別情報と一致する場合に、前記記憶部に記憶されている前記作業記録情報を編集可能にする、処理を実行させる。
そして、上記のようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
また、上記の管理装置の構成要素の一部とそれ以外の構成要素とを複数のコンピュータに分散させたシステムとして構成してもよい。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すためのものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1に係る機器点検システムの全体構成の一例を示す概略図である。図1において、機器点検システムは、サーバ装置100と、入力デバイス200と、監視モニタ300と、複数の機器管理装置400A〜400N(以下、「機器管理装置400」とも記載)と、複数のモバイル端末500A〜500N(以下、「モバイル端末500」とも記載)とを備える。
サーバ装置100、入力デバイス200、及び監視モニタ300は、工場、プラント施設、及び建設現場などの運営本部に設置される。機器管理装置400A〜400N及びモバイル端末500A〜500Nは、複数の機器600A〜600N(以下、「機器600」とも記載)の各々が設置されている各点検現場において、作業者により使用される。例えば、作業者は、機器管理装置400A及びモバイル端末500Aを用いて、機器600Aの点検を行う。
複数の機器600A〜600Nの各々は、各機器を識別するための機器識別情報を表現する各機器に固有の画像を有する機器識別標識601A〜601N(以下、「機器識別標識601」とも記載)を具備する。例えば、機器識別標識601Aは、作業者が使用するモバイル端末500Aが撮影可能な機器600Aの前面の所定位置に固定される。
サーバ装置100と、機器管理装置400A〜400Nと、モバイル端末500A〜500Nとは、所定のネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。ネットワークは、無線ネットワーク又は有線ネットワークである。無線ネットワークは、例えば、無線LAN(Local Area Network)、無線WAN(Wide Area Network)、3G(第3世代移動通信システム:the 3rd Generation mobile communication system)、LTE(Long Term Evolution)又はWiGig(Wireless Gigabit)などである。有線ネットワークは、例えば、イントラネット又はインターネットなどである。
運営本部のサーバ装置100は、点検対象となる機器600A〜600Nの情報、作業指示情報、作業記録情報、機器管理装置400A〜400Nの情報、及びモバイル端末500A〜500Nの情報等を管理している。運営本部から各機器600A〜600Nの点検の指示を出す際には、サーバ装置100に対して作業指示情報の登録が行われる。作業指示情報としては、少なくとも、機器600A〜600Nを識別するための機器識別情報として、例えば、機器600A〜600Nの機器番号を含み、その他の情報として、例えば、機器名、作業実施時期、作業エリア、作業担当、及び過去の作業結果などを含むようにしてもよい。なお、これらの情報は、一例であり、これに限定されるものではない。
作業指示情報における機器番号は、各機器600A〜600Nに割り当てられた固有の機器ID(IDentification)情報を示す。機器名は、各機器600A〜600Nに与えられた任意の名称である。実施時期は、機器600A〜600Nの点検を行う予定の日時、又は最後に点検を行った際の日時である。作業エリアは、工場、プラント施設、及び建設現場などの各拠点内での機器600A〜600Nの位置を示すエリア情報、又はGPS(Global Positioning System)などによって取得された機器600A〜600Nの位置情報などである。作業担当は、機器600A〜600Nの点検を行う担当の作業員又は複数の作業員から構成される作業グループを示す。作業結果は、機器600A〜600Nの点検業務を行った際の判定結果及び作業状況を示し、作業指示情報が発行されているが、作業が行われていない状態では、空欄としてもよい。作業状況は、作業が完了済みか、未着手か、などの状況を示す。
入力デバイス200は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、又はタッチパッドを用いて構成され、作業員の入力操作に応じた信号をサーバ装置100や、サーバ装置100を介してモバイル端末500A〜500Nに出力する。また、入力デバイス200として、マイクを用いた場合、サーバ装置100に対して音声で入力操作を行うことや、モバイル端末500A〜500Nに対して音声による通知を行い、作業指示を行うこともできる。
監視モニタ300は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイを用いて構成され、サーバ装置100によって管理された機器600A〜600Nの点検の作業情報や、機器管理装置400A〜400N及びモバイル端末500A〜500Nから送信される映像情報や機器情報、及び作業員の状態などを表示する。
機器管理装置400A〜400Nは、各現場の作業員、作業指示を出す作業リーダー、及び作業記録の作成を担当する作業員が600A〜600Nの作業記録情報を作成する際や、機器600A〜600Nの情報を参照する際に、利用される。また、機器管理装置400A〜400Nは、点検現場以外で利用される場合もあり、現場の作業員の点検結果を遠隔地で入力して作業記録を作成することもできる。
モバイル端末500A〜500Nは、各現場の作業員が身に付けて点検業務に利用するカメラ機能を備える端末である。
なお、現場の作業員が点検作業に加えて、現場で直接作業記録情報を作成する場合には、例えば、機器管理装置400と、モバイル端末500とを一体化し、モバイル端末装置(管理装置)としてもよい。
図2は、図1に示す機器管理装置400及びモバイル端末500の利用場面の一例を示す図である。図2に示すように、作業者の前面には、機器600が設置されており、例えば、機器600の右上部に機器識別標識601が張り付けられている。機器管理装置400は、例えば、タブレット等から構成され、作業者に把持されて使用される。モバイル端末500は、例えば、ウェアラブルカメラ等から構成され、作業者の頭部に装着され、作業者の前面を自動的に撮影し、機器識別標識601を撮影する。なお、点検される機器600は、図2に示すような直方体等の装置形状を有する機器に特に限定されず、大きな設備を一つの機器として点検したり、設備の配管等の一部の部品を機器として点検する等の種々の変更が可能である。
図3は、図1に示すサーバ装置100の構成の一例を示すブロック図である。サーバ装置100は、作業指示情報入力部101と、作業指示情報登録部102と、管理情報記憶部103と、管理情報送信部104と、作業記録情報受信部105と、作業記録情報登録部106とを含む。
作業指示情報入力部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などを用いて構成され、入力デバイス200を用いて入力された作業指示情報を作業指示情報登録部102に出力する。
作業指示情報登録部102は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、作業指示情報を管理情報記憶部103へ出力して保存する。
管理情報記憶部103は、例えば、半導体メモリ、又はハードディスク装置などを用いて構成され、作業指示情報登録部102及び作業記録情報登録部106から出力された機器600の管理情報を記憶する。機器600の管理情報は、点検対象となる機器600の作業指示情報及び作業記録情報を含み、機器番号に対応付けて管理される。
管理情報送信部104は、例えば、通信装置などを用いて構成され、外部からの要求によって管理情報記憶部103が記憶する機器の管理情報を取得し、指定の受信装置(例えば、機器管理装置400)へ送信する。
作業記録情報受信部105は、例えば、通信装置などを用いて構成され、外部(例えば、機器管理装置400)から送信された作業記録情報を受信し、作業記録情報登録部106へ出力する。
作業記録情報登録部106は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、作業記録情報受信部105から入力された作業記録情報を管理情報記憶部103へ出力し、管理情報記憶部103に記憶されている管理情報を更新する。
次に、機器管理装置400A〜400Nは同じ構成であるので、機器管理装置400として、その構成について説明する。図4は、図1に示す機器管理装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示す機器管理装置400は、管理情報受信部401と、管理情報登録部402と、管理情報記憶部403と、管理情報取得部404と、表示部405と、作業情報入力部406と、作業記録情報更新部407と、作業記録情報送信部408と、ID情報受信部409と、編集権限付与部410と、を含む。
管理情報受信部401は、例えば、通信装置などを用いて構成され、機器番号に対応付けられた作業指示情報及び作業記録情報を含む管理情報の一覧をサーバ装置100から受信し、管理情報登録部402へ出力する。
管理情報登録部402は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、管理情報受信部401で受信した機器600の管理情報を管理情報記憶部403へ出力する。
管理情報記憶部403は、例えば、半導体メモリ、又はハードディスク装置などを用いて構成され、管理情報登録部402から出力された機器600の管理情報を記憶する。機器600の管理情報は、点検対象となる機器600の作業指示情報及び作業記録情報を含み、機器番号に対応付けて管理される。
管理情報取得部404は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、管理情報記憶部403に記憶された機器600の管理情報を取得し、表示部405へ出力する。
表示部405は、例えば、LCD、又は有機ELディスプレイなどを用いて構成され、管理情報取得部404から出力された機器600の管理情報を表示する。
作業情報入力部406は、マウス、キーボード、タッチパネル、又はタッチパッドなどを用いて構成され、作業員の入力操作に応じて作業記録情報等を含む作業情報を作業記録情報更新部407に対して出力する。
作業記録情報更新部407は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、作業情報入力部406から入力された作業情報を用いて、選択された機器番号に対応する作業記録情報の更新処理を行う。作業記録情報更新部407は、機器番号毎に作業記録情報の編集権限を保持しており、編集権限付与部410から編集権限を与えられた機器番号に対応する作業記録情報のみを編集することができる。編集権限が与えられている場合には、作業記録情報更新部407は、管理情報記憶部403の作業記録情報を更新し、さらに、更新後の作業記録情報を作業記録情報送信部408へ出力する。
作業記録情報送信部408は、例えば、通信装置などを用いて構成され、作業記録情報更新部407から入力された作業記録情報を外部(例えば、サーバ装置100)へ出力する。
ID情報受信部409は、例えば、通信装置などを用いて構成され、モバイル端末500から送信された機器ID情報を受信し、編集権限付与部410へ出力する。
編集権限付与部410は、ID情報受信部409から受信した機器ID情報を用いて作業記録情報の編集権限を決定し、決定した編集権限を作業記録情報更新部407に対して付与する。
次に、モバイル端末500A〜500Nは同じ構成であるので、モバイル端末500として、その構成について説明する。図5は、図1に示すモバイル端末500の構成の一例を示すブロック図である。モバイル端末500は、撮像部501と、画像入力部502と、識別子認識部503と、送信情報生成部504と、ID情報送信部505とを含む。
撮像部501は、レンズとイメージセンサとを少なくとも有し、作業者が点検現場に到着したとき、点検対象となる機器600の機器識別標識601を撮影し、撮影した画像を電気信号に変換して画像入力部502に出力する。具体的には、レンズは、モバイル端末500の外部から入射する光(光線)を集め、イメージセンサの所定の撮像面に結像させる。イメージセンサは、例えば、CCD(Charged Coupled Device)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)の固体撮像素子であり、撮像面に結像した光学像を電気信号に変換する。
画像入力部502は、例えば、CPU、MPU、又はDSP(Digital Signal Processor)などを用いて構成され、撮像部501からの電気信号を用いて所定の信号処理を行うことにより、人間が認識可能なRGB(Red Green Blue)又はYUV(輝度・色差)等に規定される撮像画像データをフレーム単位で生成して識別子認識部503に出力する。
識別子認識部503は、例えば、CPU、MPU、DSP、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって構成され、入力された撮像画像データから識別子となる機器600の機器識別標識601を認識し、認識した機器識別標識601から機器ID情報を抽出して送信情報生成部504に出力する。
ここで、機器識別標識601は、点検対象となる機器600の機器識別情報を表現する、当該機器600に固有の画像を有する識別子である。機器識別標識601としては、機器ID情報を埋め込んだJAN(Japanese Article Number)コード、EAN(Europian Article Number)コード、ITF(Interleaved Two of Five)コードなどの1次元コード、QRコード(登録商標)、色の配列で情報を表現するカラーコードなどの2次元コードなどが利用できる。
これらの1次元コード又は2次元コードを用いて、機器を識別するための機器識別情報が表現されているので、作業者は、機器識別標識601から直接的に機器識別情報を判別することができない。したがって、後述する作業記録情報の編集権限を得るためには、作業者は、モバイル端末500を用いて機器識別標識601を読み取る必要があり、作業者が点検対象となる機器600の現場に行ったことを担保することができる。
本実施の形態においては、機器識別標識601として、QRコードを例に説明を行うが、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。また、機器識別標識601の認識には、機器識別標識601の種類に応じた既知の技術を用いればよく、機器識別標識601の認識結果として、機器ID情報を送信情報生成部504へ出力する。
なお、機器600からの機器識別情報の取得方法は、上記の例に特に限定されず、機器識別標識601に代えて、機器600に具備されたNFC(Near field communication)タグやRFID(Radio Frequency IDentification)タグ等を用いて、機器600の機器識別情報をモバイル端末500に送信するようにしてもよい。
送信情報生成部504は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、入力された機器ID情報から送信データを作成し、ID情報送信部505へ出力する。本実施の形態においては、機器管理装置400及びモバイル端末500がネットワークで相互に接続されている。したがって、送信情報生成部504は、ネットワークを介して機器ID情報を送信する際には、ヘッダ情報を付与し、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを作成する。なお、送信データは、上記の例に特に限定されず、例えば、機器管理装置400と、モバイル端末500とが一つのモバイル端末装置として構成されている場合には、単にテキストファイルを作成してもよい。
ID情報送信部505は、例えば、通信装置などを用いて構成され、送信情報生成部504から入力された、機器ID情報を含む送信データを外部へ出力する。本実施の形態においては、ID情報送信部505は、ネットワークを介して機器管理装置400に対して送信を行う。機器管理装置400と、モバイル端末500とが一つのモバイル端末装置として構成されている場合には、テキストファイルを出力してもよい。
次に、図1に示す機器点検システムの全体処理について説明する。図6は、図1に示す機器点検システムの全体処理の一例を示すフローチャートである。
まず、運営本部から機器600の点検業務に関する作業指示を出すため、入力デバイス200は、作業員の操作に応じて、サーバ装置100に対して機器の作業指示情報を登録する(ステップS00)。例えば、入力デバイス200は、機器の作業指示情報として、監視モニタ300に表示された作業情報入力画面を用いて、各種の点検作業に必要な情報をサーバ装置100に登録する。作業指示情報は、少なくとも機器600の機器番号を含み、その他の情報として、機器番号に対応する機器名、作業実施時期、作業エリア、作業担当、及び過去の作業結果などがあげられるが、これらの情報は、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。入力された作業指示情報は、サーバ装置100の管理情報記憶部103に保存される。
次に、機器管理装置400は、サーバ装置100の管理情報記憶部103に登録された機器600の管理情報を取得する(ステップS01)。なお、機器管理装置400は、機器管理装置400A〜400Nのいずれかであり、いずれであっても処理は同じである。管理情報記憶部103に保存された管理情報は、機器管理装置400からの作業員の管理情報取得の要求に応じて、サーバ装置100の管理情報送信部104から出力され、機器管理装置400に送信される。なお、本実施の形態では、サーバ装置100と、機器管理装置400とは互いにネットワークで接続されているため、ネットワークを介して情報を送信しているが、この例に特に限定されず、外部ストレージ等を利用して管理情報を外部に出力してもよい。
上記処理により、機器管理装置400の管理情報受信部401は、サーバ装置100から送信された管理情報を受信し、管理情報登録部402は、受信した管理情報を管理情報記憶部403に記憶する。
機器管理装置400に各機器600の管理情報が保存されると、点検を行う作業員又は作業グループの作業員は、例えば、モバイル端末500Aと機器管理装置400Aとを持ち、機器600Aの点検業務を行う。なお、モバイル端末500Aは、一例であり、モバイル端末500B〜500Nのいずれであっても、処理は同じである。
図7は、図4に示す機器管理装置400の表示部405に表示される管理情報一覧画面の一例を示す図である。機器管理装置400では、管理情報取得部404は、管理情報記憶部403から機器600の管理情報を取得し、表示部405は、図7に示す管理情報一覧画面を表示する。図7に示す表示部405の管理情報一覧画面には、機器番号、機器名、作業実施時期、作業エリア、作業担当、判定結果、及び作業状況などの主要な管理項目の組が表形式で表示される。機器管理装置400の表示部405において、管理情報一覧画面から該当する機器の管理情報を選択すると、その機器に対応する作業指示情報の詳細として、作業指示情報画面(後述する図8参照)が表示される。
次に、モバイル端末500は、機器600に備えられた機器識別標識601を読み取って機器600の機器ID情報を取得し、機器管理装置400へ送信する(ステップS02)。ここで、点検対象の機器600は、機器600の機器番号に対応したQRコード等の機器識別標識601を備えており、作業員は、モバイル端末500を用いて、機器600に備えられた機器識別標識601を読み取って機器ID情報を取得し、機器管理装置400へ送信する。
次に、機器管理装置400の編集権限付与部410は、ID情報受信部409により受信された機器ID情報と、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる機器ID情報とが一致する場合に、管理情報記憶部403に記憶されている作業記録情報に対する編集権限を付与する(ステップS03)。
図8は、図4に示す機器管理装置400の表示部405に表示される作業指示情報画面の一例を示す図である。図8に示す作業指示情報画面には、例えば、機器600の管理情報P1、作業手順P2、機器図面P3(例えば、バルブの図面)、及び記録作成ボタンB1などが表示されるが、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
作業員は、表示部405に表示された機器600の管理情報P1や作業手順P2を参照しながら、機器600の点検業務を行う。作業員は、機器600の点検業務を終えると、作業記録情報を入力するため、機器管理装置400の作業指示情報画面に対して、作業記録の作成要求を行い、表示部405に作業記録情報入力画面を表示させる。
例えば、作業員は、作業記録の作成要求として、作業情報入力部406を用いて作業指示情報画面上の記録作成ボタンB1を押せばよい。この際、編集権限付与部410によって編集権限を付与されていない場合は、作業指示情報画面上に記録作成ボタンB1が表示されず、作業記録情報の入力及び登録をすることはできない。一方、編集権限付与部410によって編集権限を付与されている場合は、作業指示情報画面上に記録作成ボタンB1が表示される。
図9は、図4に示す機器管理装置400の表示部405に表示される作業記録情報入力画面の一例を示す図である。図9に示す作業記録情報入力画面には、例えば、点検対象となる機器600の判定結果P11及び対応処置P12、その他コメント欄P13、並びに登録ボタンB11などが表示されるが、あくまで一例であり、これに限定されるものではない。
作業員は、機器600の点検業務を終えると、上記の作業記録情報入力画面を用いて、機器600の点検結果を含む作業記録情報を入力し、作業記録情報を登録する。このように、機器管理装置400を用いて、作業記録情報入力画面から登録要求を行うことにより、作業記録情報が登録される。例えば、作業員は、登録要求として、作業記録情報入力画面上の登録ボタンB11を押せばよい。
最後に、作業者が点検業務を行って点検結果を入力すると、作業記録情報更新部407は、編集権限付与部410により編集権限が付与された管理情報記憶部403の作業記録情報を更新するとともに、作業記録情報送信部408を用いて、更新後の作業記録情報をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、作業記録情報受信部105及び作業記録情報登録部106を用いて、受信した作業記録情報を管理情報記憶部103に登録する(ステップS04)。
以上が機器点検システムの全体の処理の説明である。次に、モバイル端末500によって、機器識別標識601を読み取り、機器管理装置400へ送信する機器点検時処理(ステップS02)の詳細について説明する。
図10は、図5に示すモバイル端末500の機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、モバイル端末500の画像入力部502は、撮像部501により撮影された画像から撮像画像データを生成し、識別子認識部503へ入力する(ステップS10)。このとき、画像入力部502は、所定のフレームレートで定期的に撮像画像データを生成し、各フレームの撮像画像データに対して以下の処理が繰り返し実行される。
次に、識別子認識部503は、入力された撮像画像データに識別子となる機器識別標識601が存在しているか否かを検出する(ステップS11)。機器識別標識601の検出に関しては、QRコードの読み取りに利用されるような既知の技術を用いればよい。該当フレームの撮像画像データに機器識別標識601が存在していない場合(ステップS11でNO)、該当フレームの撮像画像データに対して何もせずに処理を終了する。該当フレームの撮像画像データに機器識別標識601が存在している場合(ステップS11でYES)、ステップS12の処理へ進む。
次に、識別子認識部503は、撮像画像データから既知の技術を用いて機器識別標識601を認識し、機器識別標識601を機器ID情報に変換する(ステップS12)。
次に、送信情報生成部504は、変換された機器ID情報を用いて送信データを作成する(ステップS13)。
次に、ID情報送信部505は、ネットワークを介して、作成された送信データを機器管理装置400へ送信する(ステップS14)。その後、次のフレームの撮像画像データを処理するために、ステップS10以降の処理を繰り返す。
次に、機器管理装置400において、機器ID情報を受信した後に作業記録情報の編集権限を付与する機器点検時処理(ステップS03)の詳細について説明する。
図11は、図4に示す機器管理装置400の機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、機器管理装置400のID情報受信部409は、モバイル端末500から機器600の機器番号に対応する機器ID情報を受信する(ステップS20)。
次に、編集権限付与部410は、受信した機器ID情報が、管理情報記憶部403に記憶されている管理情報の作業指示情報の中に存在するか否かを判定する(ステップS21)。管理情報の作業指示情報の中に、受信した機器ID情報が存在している場合(ステップS21でYES)、ステップS22へ処理を進め、管理情報の作業指示情報の中に、受信した機器ID情報が存在していない場合(ステップS21でNO)、ステップS26へ処理を進める。
受信した機器ID情報が作業指示情報の中に存在している場合(ステップS21でYES)、編集権限付与部410は、作業記録情報更新部407に対して機器ID情報に対応する作業記録情報の編集権限を付与する(ステップS22)。
次に、作業記録情報更新部407は、編集権限が付与されると、表示部405の表示画面を更新し、作成記録情報の作成ボタン(例えば、図8に示す記録作成ボタンB1)を表示させる(ステップS23)。
次に、作成記録情報の作成ボタンが押されると、作業情報入力部406は、作業者により入力された各種作業結果の情報を作業記録情報更新部407に出力し、作業記録情報更新部407は、管理情報記憶部403の作業記録情報を更新する(ステップS24)。
次に、管理情報記憶部403の作業記録情報が更新されると、作業記録情報更新部407は、作業記録情報送信部408を用いて、更新された作業記録情報をサーバ装置100に対して送信する(ステップS25)。これにより、機器600の点検結果を運営本部でも参照することが可能となる。
一方、受信した機器ID情報が作業指示情報の中に存在していない場合(ステップS21でNO)、編集権限付与部410は、誤った機器の点検を行おうとしていることを警告するメッセージを表示するように表示部405に指示し、表示部405は、誤った機器の点検を行おうとしていることを警告するメッセージを表示する(ステップS26)。これにより、機器600の誤認を防ぐことができる。
以上のように、実施の形態1における機器点検システムの構成によれば、機器管理装置400と、モバイル端末500とによって、点検対象の機器600の機器ID情報と、作業指示情報に含まれる機器ID情報とを利用して、作業記録情報の編集権限を付与することにより、作業員が点検対象の機器600を誤認することなく点検業務を行うことができる。
また、作業員が点検対象の機器600の前に行って、モバイル端末500によって機器600に具備された機器識別標識601を認識させる必要があるので、現場に行かずに虚偽の作業記録を作成することを防ぐことが可能となる。
なお、複数の機器600の点検ルートが予め規定されている場合には、機器管理装置400は、受信した機器ID情報が点検ルートに規定された機器の順番に合致しているかを判定し、合致していない場合には、規定された点検ルートや次に点検すべき機器を画面上に提示するようにしてもよい。
具体的には、作業指示情報は、点検対象の機器600の点検順序を示す点検順序情報をさらに含み、編集権限付与部410は、受信した機器ID情報が、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる点検順序情報が示す点検順序に従った機器の機器ID情報に一致しない場合、次に点検すべき機器600の機器ID情報を表示するように表示部405に指示し、表示部405は、次に点検すべき機器600の機器ID情報を表示する。これにより、点検ルートの誤認を防ぐこともできる。
(実施の形態2)
次に、本開示の実施の形態2に係る機器点検システムについて説明する。本実施の形態では、実施の形態1の構成に加えて、作業員又は作業グループ(個人)を識別するための個人ID情報(個人識別情報)を利用し、機器の機器ID情報に加えて、個人ID情報を用いて作業記録情報の編集権限を付与する。
すなわち、本実施の形態の機器点検システムの構成は、図1に示す機器点検システムの構成と同様であり、機器管理装置の構成は、図4に示す機器管理装置400の構成と同様であり、モバイル端末の構成は、図5に示すモバイル端末500の構成と同様であるため、図示及び共通する部分の説明を省略し、実施の形態1と異なる点について、以下に詳細に説明する。
運営本部から作業指示が出される際、サーバ装置100から送信される作業指示情報は、少なくとも機器600の機器番号である機器ID情報に加えて、作業を行う予定の作業員又は作業グループの個人ID情報を含む。したがって、サーバ装置100の管理情報記憶部103と、機器管理装置400の管理情報記憶部403とは、機器600の管理情報として、少なくとも機器ID情報及び個人ID情報を含む作業指示情報を記憶する。
さらに、機器600の点検を行う作業員は、個人ID情報に対応する識別子となる個人識別標識を有するIDカード(身分証明書)を所持している。図12は、本開示の実施の形態2に係る機器点検システムに使用されるIDカードの一例を示す図である。図12に示すIDカード700には、通常のIDカードの氏名等に加え、個人識別標識701が印刷されている。個人識別標識701は、点検を行う作業員(又は作業員が属するグループ)を識別するための個人識別情報を表現する、当該作業員(又は作業員が属するグループ)に固有の画像を有する識別子であり、本実施の形態では、例えば、QRコード(登録商標)を用いている。
例えば、作業者は、モバイル端末500が撮影可能な位置にIDカード700を移動し、モバイル端末500は、機器600の機器識別標識601を撮影する際に、IDカードの個人識別標識701も同時に撮影する。この場合、作業者は、作業記録情報の編集権限を得るために、モバイル端末500を用いて機器識別標識601と個人識別標識701とを同時に読み取る必要があり、作業者が点検対象となる機器600の現場に行ったことを担保することができる。
なお、個人識別標識の構成は、上記の例に特に限定されず、リストバンド等の作業者が装着する部材に個人識別標識を具備したり、又は、機器識別標識601と同様に、JANコード、EANコード、ITFコードなどの1次元コード、カラーコードなどの2次元コードを用いる等の種々の変更が可能である。
上記の相違点から、本実施の形態の機器点検システムの全体処理と、実施の形態1の機器点検システムの全体処理とは、図6に示すフローチャートのステップS02の処理(モバイル端末500の機器点検時処理)及びステップS03の処理(機器管理装置400の機器点検時処理)が異なり、その他の処理は実施の形態1と同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる処理についてのみ以下に説明する。
図13は、本開示の実施の形態2に係る機器点検システムのモバイル端末500の機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、モバイル端末500の画像入力部502は、実施の形態1と同様に、撮像部501により撮影された画像から撮像画像データを生成し、識別子認識部503へ入力する(ステップS30)。このとき、画像入力部502は、所定のフレームレートで定期的に撮像画像データを生成し、各フレームの撮像画像データに対して以下の処理が繰り返し実行される。
次に、識別子認識部503は、入力された撮像画像データに二つの識別子すなわち機器識別標識601及び個人識別標識701が存在しているか否かを検出する(ステップS31)。機器識別標識601及び個人識別標識701の検出に関しては、QRコードの読み取りに利用されるような既知の技術を用いればよい。当該フレームの撮像画像データに機器識別標識601及び個人識別標識701が存在していない場合(少なくとも一方の識別子が存在していない場合)(ステップS31でNO)、該当フレームの撮像画像データに対して何もせずに処理を終了する。該当フレームの撮像画像データに機器識別標識601及び個人識別標識701が存在している場合(ステップS31でYES)、ステップS32の処理へ進む。
次に、識別子認識部503は、既知の技術を用いて機器識別標識601及び個人識別標識701を認識し、機器識別標識601及び個人識別標識701を機器ID情報及び個人ID情報に変換する(ステップS32)。
次に、送信情報生成部504は、変換された機器ID情報及び個人ID情報を用いて送信データを作成する(ステップS33)。
次に、ID情報送信部505は、ネットワークを介して送信データを機器管理装置400へ送信する(ステップS34)。その後、次のフレームの撮像画像データを処理するために、ステップS30以降の処理を繰り返す。
次に、機器管理装置400において、機器ID情報及び個人ID情報を受信した後に作業記録情報の編集権限を付与する機器点検時処理の詳細について説明する。
図14は、本開示の実施の形態2に係る機器点検システムの機器管理装置の機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、機器管理装置400のID情報受信部409は、モバイル端末500から機器600の機器番号に対応する機器ID情報と作業員又は作業グループを表す個人ID情報とを受信する(ステップS40)。
次に、編集権限付与部410は、受信した機器ID情報が、管理情報記憶部403に記憶されている管理情報の作業指示情報の中に存在するか否かを判定する(ステップS41)。管理情報の作業指示情報の中に、受信した機器ID情報が存在していない場合(ステップS41でNO)、ステップS42へ処理を進め、管理情報の作業指示情報の中に、受信した機器ID情報が存在している場合(ステップS41でYES)、ステップS43へ処理を進める。
受信した機器ID情報が作業指示情報の中に存在していない場合(ステップS41でNO)、編集権限付与部410は、誤った機器の点検を行おうとしていることを警告するメッセージを表示するように表示部405に指示し、表示部405は、誤った機器の点検を行おうとしていることを警告するメッセージを表示する(ステップS42)。これにより、機器600の誤認を防ぐことができる。
受信した機器ID情報が作業指示情報の中に存在している場合(ステップS41でYES)、編集権限付与部410は、管理情報記憶部403に記憶されている管理情報の作業指示情報の中から、受信した機器ID情報に対応する作業指示情報を抽出し、受信した個人ID情報が、受信した機器ID情報に対応する作業指示情報に含まれる作業対象の個人ID情報に一致しているか否かを判定する(ステップS43)。
受信した個人ID情報が受信した機器ID情報に対応する作業指示情報の個人ID情報に一致していない場合(ステップS43でNO)、ステップS44へ処理を進め、受信した個人ID情報が受信した機器ID情報に対応する作業指示情報の個人ID情報に一致している場合(ステップS43でYES)、ステップS45へ処理を進める。
受信した個人ID情報が受信した機器ID情報に対応する作業指示情報の個人ID情報に一致していない場合(ステップS43でNO)、編集権限付与部410は、担当の作業員ではないことを警告するメッセージを表示するように表示部405に指示し、表示部405は、担当の作業員ではないことを警告するメッセージを表示する(ステップS44)。これにより、機器600の誤認を防ぐことができる。
一方、受信した個人ID情報が受信した機器ID情報に対応する作業指示情報の個人ID情報に一致している場合(ステップS43でYES)、編集権限付与部410は、作業記録情報更新部407に対して機器ID情報に対応する作業記録情報の編集権限を付与する(ステップS45)。
次に、作業記録情報更新部407は、編集権限が付与されると、表示部405の表示画面を更新し、作成記録情報の作成ボタン(例えば、図8に示す記録作成ボタンB1)を表示させる(ステップS46)。
次に、作成記録情報の作成ボタンが押されると、作業情報入力部406は、作業者により入力された各種作業結果の情報を作業記録情報更新部407に出力し、作業記録情報更新部407は、管理情報記憶部403の作業記録情報を更新する(ステップS47)。
次に、管理情報記憶部403の作業記録情報が更新されると、作業記録情報更新部407は、作業記録情報送信部408を用いて、更新された作業記録情報をサーバ装置100に対して送信する(ステップS48)。これにより、機器600の点検結果を運営本部でも参照することが可能となる。
以上のように、実施の形態2における機器点検システムの構成によれば、機器管理装置400と、モバイル端末500とによって、点検対象の機器600の機器ID情報と作業員を識別する個人ID情報とを同時に読み取り、読み取った機器ID情報及び個人ID情報と、作業指示情報に含まれる機器ID情報及び個人ID情報とを利用して、作業記録情報の編集権限を付与することにより、作業員が点検対象の機器600を誤認することなく点検業務を行うことができる。
また、作業員が点検対象の機器600の前に行って、モバイル端末500によって機器600に具備された機器識別標識601及び自身のIDカード700の個人識別標識701を認識させる必要があるので、現場に行かずに虚偽の作業記録情報を作成することを防ぐことが可能となる。
さらに、実施の形態2における機器点検システムでは、誤認により、他の作業員が担当するはずの機器600を点検してしまうことも防止することが可能である。
なお、本実施の形態では、モバイル端末500で機器600の機器識別標識601を撮影する際に、個人ID情報に対応する個人識別標識701を持つIDカード700を同時に撮影することを特徴としているが、機器600の機器識別標識601と、IDカード700の個人識別標識701とを別々に撮影し、機器ID情報及び個人ID情報の送信に加えて、機器識別標識601を読み取った際の時間情報と、個人識別標識701を読み取った際の時間情報とを機器管理装置400へ送信し、機器識別標識601を読み取った時刻と、個人識別標識701を読み取った時刻との時刻の差が所定の時間内であれば、同時に撮影したとみなしてもよい。
具体的には、作業指示情報は、機器600の点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、作業員は、当該作業員の個人識別情報を表現する、作業員に固有の画像を有する個人識別標識701を有するIDカード700を保持する。
ここで、モバイル端末500の撮像部501及び画像入力部502は、機器600に具備された機器識別標識601の読み取りを行い、読み取った画像から生成した撮像画像データとともに、読み取り時刻を識別子認識部503に出力する。また、機器識別標識601の読み取りと異なる時刻(機器識別標識601の読み取り前又は後)において、撮像部501及び画像入力部502は、作業員が保持しているIDカード700が有する個人識別標識701の読み取りを行い、読み取った画像から生成した撮像画像データとともに、読み取り時刻を識別子認識部503に出力する。識別子認識部503は、各撮像画像データから、読み取られた機器識別標識601が対応する機器識別情報と、読み取られた個人識別標識701が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを送信情報生成部504に出力する。送信情報生成部504は、特定した機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを含む送信データを作成し、ID情報送信部505を用いて、作成した送信データを機器管理装置400に送信する。
機器管理装置400のID情報受信部409は、モバイル端末500から送信された、機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを含む送信データを受信して編集権限付与部410に出力する。編集権限付与部410は、機器識別標識601の読み取り時刻と、個人識別標識701の読み取り時刻との間隔が所定時間内であり、且つ、受信した機器識別情報と、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にする。
この場合、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内である場合に限り、点検対象の機器600の機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、複数の機器600を点検する際、機器識別標識601の読み取りと、作業員が保持している個人識別標識701の読み取りとを個別に行う場合でも、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。
また、複数の機器600の点検ルートが予め規定されている場合には、機器管理装置400は、受信した機器ID情報が点検ルートに規定された機器の順番に合致しているかを判定し、合致していない場合には、規定された点検ルートや次に点検すべき機器を画面上に提示するようにしてもよい。
具体的には、作業指示情報は、個人識別情報毎に点検対象の機器の点検順序を示す点検順序情報をさらに含み、編集権限付与部410は、受信した機器ID情報が、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる、受信した個人ID情報に対応付けられている点検順序情報が示す点検順序に従った機器の機器ID情報に一致しない場合、次に点検すべき機器の機器ID情報を表示するように表示部405に指示し、表示部405は、次に点検すべき機器の機器ID情報を表示する。これにより、各作業員に対して点検ルートの誤認を防ぐこともできる。なお、上記の点に関しては、後述する実施の形態も同様である。
(実施の形態3)
次に、本開示の実施の形態3に係る機器点検システムについて説明する。本実施の形態では、実施の形態2の構成と同様に、実施の形態1の構成に加えて、作業員又は作業グループ(個人)を識別するための個人ID情報(個人識別情報)を利用し、機器の機器ID情報に加えて、個人ID情報を用いて作業記録情報の編集権限を付与するが、機器の点検を行う前に、個人ID情報をモバイル端末に登録しておくことを特徴とする。
すなわち、本実施の形態の機器点検システムの構成は、モバイル端末を除き、図1に示す機器点検システムの構成と同様であり、機器管理装置の構成は、図4に示す機器管理装置400の構成と同様であるため、図示及び共通する部分の説明を省略し、実施の形態1、2と異なる点について、以下に詳細に説明する。
図15は、本開示の実施の形態3に係る機器点検システムのモバイル端末の構成の一例を示すブロック図である。なお、図15において、図5に示すモバイル端末500と同じ構成要素については、同じ符号を用い、その説明を省略する。
本実施の形態では、図5に示すモバイル端末500に代えて、図15に示すモバイル端末500aが用いられる。図15に示すモバイル端末500aは、図5に示す撮像部501、画像入力部502、識別子認識部503、送信情報生成部504、及びID情報送信部505に加えて、個人ID情報入力部506と、個人ID情報登録部507と、個人ID情報記憶部508と、個人ID情報取得部509と、表示部510とをさらに備える。撮像部501、画像入力部502、識別子認識部503、送信情報生成部504、及びID情報送信部505は、実施の形態2と同様に構成され、同様に動作する。
個人ID情報入力部506は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、又はタッチパッドなどを用いて構成され、点検作業を行う作業員の個人ID情報を入力される。また、個人ID情報入力部506は、マイクを用いて音声で個人ID情報の入力を行ってもよいし、レンズ及びイメージセンサを用いて個人ID情報を表すQRコード等の識別子を読み取って、個人ID情報に変換してもよい。個人ID情報入力部506は、入力された個人ID情報を、個人ID情報登録部507へ出力する。
個人ID情報登録部507は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、個人ID情報入力部506から入力された、個人ID情報を個人ID情報記憶部508へ出力して保存する。
個人ID情報記憶部508は、例えば、半導体メモリ、又はハードディスク装置などを用いて構成され、個人ID情報入力部506から入力された個人ID情報を唯一つ保存する。
個人ID情報取得部509は、例えば、CPU、又はMPUなどを用いて構成され、送信情報生成部504で送信データを生成する際に、個人ID情報記憶部508に保存された個人ID情報を取得し、送信情報生成部504へ出力する。
表示部510は、例えば、LCD、又は有機ELディスプレイなどを用いて構成され、モバイル端末500aを所持する作業員に種々の情報を通知するために利用される。また、表示部510は、スピーカ等を備え、種々の情報を音声で作業員に通知するようにしてもよい。
本実施の形態の機器点検システムの全体処理と、実施の形態2の機器点検システムの全体処理とは、図13に示すモバイル端末500の機器点検時処理が異なり、その他の処理は実施の形態2と同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる処理についてのみ以下に説明する。図16は、図15に示すモバイル端末500aの機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、モバイル端末500aの画像入力部502は、実施の形態1と同様に、撮像部501により撮影された画像から撮像画像データを生成し、識別子認識部503へ入力する(ステップS50)。このとき、画像入力部502は、所定のフレームレートで定期的に撮像画像データを生成し、各フレームの撮像画像データに対して以下の処理が繰り返し実行される。
次に、識別子認識部503は、入力された撮像画像データに識別子となる機器識別標識601が存在しているか否かを検出する(ステップS51)。機器識別標識601の検出に関しては、QRコードの読み取りに利用されるような既知の技術を用いればよい。該当フレームの撮像画像データに機器識別標識601が存在していない場合(ステップS51でNO)、該当フレームの撮像画像データに対して何もせずに処理を終了する。該当フレームの撮像画像データに機器識別標識601が存在している場合(ステップS51でYES)、ステップS52の処理へ進む。
次に、個人ID情報取得部509は、個人ID情報記憶部508に個人ID情報が登録されているか否かを判定する(ステップS52)。個人ID情報が登録されていない場合(ステップS52でNO)、ステップS53へ処理を進め、個人ID情報が登録されている場合(ステップS51でYES)、ステップS55へ処理を進める。
個人ID情報が登録されていない場合(ステップS52でNO)、個人ID情報取得部509は、個人ID情報の登録を行うように警告するメッセージを表示するように表示部510に指示し、表示部510は、個人ID情報の登録を行うように警告するメッセージを表示する(ステップS53)。
なお、警告の通知方法は、表示部510がディスプレイで構成される場合には、警告メッセージを表示してもよいし、表示部510がスピーカで構成されるのであれば、音声による警告通知を行うようにしてもよい。
次に、モバイル端末500aを所持する作業員が個人ID情報を登録するため、個人ID情報を入力すると、個人ID情報入力部506は、入力された個人ID情報を、個人ID情報登録部507へ出力し、個人ID情報登録部507は、個人ID情報入力部506から入力された個人ID情報を個人ID情報記憶部508に登録する(ステップS54)。
次に、個人ID情報取得部509は、個人ID情報記憶部508に保存された個人ID情報を取得して送信情報生成部504へ出力し、また、識別子認識部503は、撮像画像データから既知の技術を用いて機器識別標識601を認識し、機器識別標識601を機器ID情報に変換して送信情報生成部504へ出力する(ステップS55)。
次に、送信情報生成部504は、変換された機器ID情報及び個人ID情報記憶部508に保存されていた個人ID情報を用いて送信データを作成する(ステップS56)。
次に、ID情報送信部505は、ネットワークを介して、作成された送信データを機器管理装置400へ送信する(ステップS57)。
機器ID情報及び個人ID情報が機器管理装置400で受信されると、実施の形態2と同様の処理により、作業記録情報の編集権限が付与され、作業記録の作成が可能となる。
以上のように、本実施の形態における機器点検システムの構成によれば、機器管理装置400と、モバイル端末500aとによって、読み取った点検対象の機器600の機器ID情報及び登録された作業員を識別する個人ID情報と、作業指示情報に含まれる機器ID情報及び個人ID情報とを利用して、作業記録情報の編集権限を付与することにより、作業員が点検対象の機器を誤認することなく点検業務を行うことができる。
また、作業員が点検対象の機器600の前に行って、モバイル端末500aによって機器600に具備された機器識別標識601を認識させる必要があるので、現場に行かずに虚偽の作業記録情報を作成することを防ぐことが可能となる。さらに、機器600の点検を行う前に、個人ID情報をモバイル端末500aに登録しておくことにより、作業現場での処理を減らすことができる。
(実施の形態4)
次に、本開示の実施の形態4に係る機器点検システムについて説明する。本実施の形態では、実施の形態2の構成と同様に、運営本部から作業指示が出される際の作業指示情報は、少なくとも機器の機器ID情報に加えて、作業を行う予定の作業員又はグループの個人ID情報を含み、機器の機器ID情報に加えて、個人ID情報を用いて作業記録情報の編集権限を付与するが、機器は、個人認証機能を持つ機器表示板を備え、機器表示板に個人ID情報に対応した識別子を表示することを特徴とする。
すなわち、本実施の形態では、実施の形態2のように個人ID情報に対応する個人識別標識701を持つIDカード700を用いて個人ID情報の判定を行うのではなく、個人識別標識を表示する表示部となる機器表示板を撮影することを特徴とする。
したがって、本実施の形態の機器点検システムの構成は、機器が機器表示板を備える点を除き、図1に示す機器点検システムの構成と同様であり、機器管理装置の構成は、図4に示す機器管理装置400の構成と同様であり、モバイル端末の構成は、図5に示すモバイル端末500の構成と同様であるため、図示及び共通する部分の説明を省略し、実施の形態1、2と異なる点について、以下に詳細に説明する。
図17は、本開示の実施の形態4に係る機器点検システムの機器に備えられた機器表示板の構成の一例を示すブロック図である。図17に示す機器600aは、機器表示板610を備え、機器表示板610は、生体情報入力部611と、作業員情報記憶部612と、個人識別部613と、機器情報記憶部614と、識別子生成部615と、識別子表示部616とを備える。
機器表示板610は、例えば、機器600aの前面の所定位置に設けられている。機器表示板610は、作業員の生体情報から作業員の個人ID情報に対応するQRコード等の識別子となる個人識別標識(例えば、図12に示す個人識別標識701と同様のQRコード)を生成し、機器600aの機器番号を示す識別子となる機器識別標識(例えば、図2に示す機器識別標識601と同様のQRコード)と同時に表示する。
生体情報入力部611は、例えば、レンズとイメージセンサとを有するカメラなどを用いて構成され、生体認証を行うための顔の撮影等に用いられる。具体的には、生体情報入力部611は、作業者が点検現場に到着したとき、作業者の顔を撮影し、撮影した画像を電気信号に変換して画像データを個人識別部613に出力する。なお、生体認証は、上記の例に特に限定されず、指紋や虹彩等の他の生体情報を用いてもよい。
作業員情報記憶部612は、例えば、半導体メモリ、又はハードディスク装置などを用いて構成され、作業員の顔の情報などの生体情報と、作業員の個人ID情報とを対応付けて記憶している。
個人識別部613は、例えば、CPU、MPU、DSP、ASIC、又はFPGA等によって構成され、入力された画像データから生体情報を抽出し、作業員情報記憶部612に保存された生体情報と照合する機能を有する。例えば、個人識別部613は、生体情報入力部611から入力された画像データから顔を検出し、検出した顔の情報と作業員情報記憶部612に記憶された顔の情報とを比較し、一致した顔の情報に対応する個人ID情報を識別子生成部615へ出力する。
機器情報記憶部614は、例えば、半導体メモリ、又はハードディスク装置などを用いて構成され、機器600aの機器ID情報を記憶している。
識別子生成部615は、例えば、CPU、MPU、DSP、ASIC、又はFPGA等によって構成され、機器情報記憶部614から機器600aの機器ID情報を読み出し、既知の技術を用いて、入力された個人ID情報及び読み出した機器ID情報から識別子となる個人識別標識及び機器識別標識を生成し、識別子表示部616へ出力する。
識別子表示部616は、例えば、LCD、又は有機ELディスプレイなどを用いて構成されたディスプレイ装置である。例えば、識別子表示部616は、識別子生成部615から識別子となる個人識別標識及び機器識別標識の情報を受信すると、一定時間の間だけ個人識別標識及び機器識別標識を画面上に表示する機能を有する。
本実施の形態の機器点検システムの全体処理と、実施の形態2の機器点検システムの全体処理とは、機器表示板610の機器点検時処理が追加された点が異なり、その他の処理は実施の形態2と同様であるので、詳細な説明を省略し、異なる処理についてのみ以下に説明する。図18は、図17に示す機器表示板610の機器点検時処理の一例を示すフローチャートである。
まず、機器表示板610の生体情報入力部611は、作業者の顔を撮影し、撮影した画像から画像データを生成し、個人識別部613へ入力する(ステップS60)。このとき、生体情報入力部611は、所定のフレームレートで定期的に画像データを生成し、各フレームの画像データに対して以下の処理が繰り返し実行される。
次に、個人識別部613は、入力された画像データから顔の検出を行う(ステップS61)。なお、顔の検出や生体情報の照合については、既知の技術を用いるため、説明を割愛する。
次に、個人識別部613は、上記の顔検出処理により作業者の顔を検出したか否かを判定する(ステップS62)。顔が検出できなかった場合(ステップS62でNO)、該当フレームの画像データに対する処理を終了し、顔が検出できた場合(ステップS62でYES)、ステップS63へ処理を進める。
次に、個人識別部613は、検出された顔について、作業員情報記憶部612に登録されている作業員の生体情報(顔情報)との照合を行う(ステップS63)。
次に、個人識別部613は、検出された顔と一致する生体情報(顔情報)が作業員情報記憶部612に存在するか否かを判定する(ステップS64)。生体情報の照合に失敗した場合(ステップS64でNO)、該当フレームの画像データに対する処理を終了し、生体情報の照合に成功した場合(ステップS64でYES)、ステップS65へ処理を進める。
次に、個人識別部613は、検出された顔と一致する生体情報(顔情報)に対応する個人ID情報を作業員情報記憶部612から読み出して識別子生成部615へ出力し、識別子生成部615は、機器情報記憶部614に記憶された機器ID情報を取得し、取得した機器ID情報と、入力された個人ID情報とから既知の技術を用いてQRコード等の識別子となる個人識別標識及び機器識別標識を生成する(ステップS65)。
次に、識別子表示部616は、生成された識別子となる個人識別標識及び機器識別標識を表示する(ステップS66)。その後、次のフレームの画像データを処理するために、ステップS60以降の処理を繰り返す。以上が機器表示板610の処理の説明である。
以上のように、本実施の形態における機器点検システムの構成によれば、機器600aの点検を行う作業員は、モバイル端末500を用いて、機器表示板610に表示された機器ID情報及び個人ID情報を示す機器識別標識及び個人識別標識を読み取り、読み取った機器ID情報及び個人ID情報と、機器管理装置400の作業指示情報に含まれる機器ID情報及び個人ID情報とを利用して、作業記録情報の編集権限を付与することにより、作業員が点検対象の機器600aを誤認することなく点検業務を行うことができる。
また、作業員が点検対象の機器600aの機器表示板610の前に行って、モバイル端末500によって、機器表示板610に表示された機器識別標識及び個人識別標識を認識させる必要があるので、現場に行かずに虚偽の作業記録情報を作成することを防ぐことが可能となる。
さらに、生体認証を用いて、機器600aの機器表示板610に作業員の個人ID情報を表示させているので、IDカードを利用することや、個人ID情報をモバイル端末に登録する手間を省略し、現場での点検業務を行うことができる。
なお、本実施の形態では、モバイル端末500で機器識別標識及び個人識別標識を同時に撮影することを特徴としているが、実施の形態2の変形例と同様に、機器識別標識と個人識別標識701とを別々に撮影し、機器ID情報及び個人ID情報の送信に加えて、機器識別標識601を読み取った際の時間情報と、個人識別標識701を読み取った際の時間情報とを機器管理装置400へ送信し、機器識別標識601を読み取った時刻と、個人識別標識701を読み取った時刻との時刻の差が所定の時間内であれば、同時に撮影したとみなしてもよい。
具体的には、作業指示情報は、機器600aの点検を行う作業員を識別するための個人識別情報をさらに含み、機器表示板610は、機器600aの機器識別標識と、機器600aの点検を行う作業員の個人識別標識とを表示する。
ここで、モバイル端末500の撮像部501及び画像入力部502は、機器表示板610に表示された機器600a機器識別標識の読み取りを行い、読み取った画像から生成した撮像画像データとともに、読み取り時刻を識別子認識部503に出力する。また、機器識別標識の読み取りと異なる時刻(機器識別標識の読み取り前又は後)において、撮像部501及び画像入力部502は、機器表示板610に表示された個人識別標識の読み取りを行い、読み取った画像から生成した撮像画像データとともに、読み取り時刻を識別子認識部503に出力する。識別子認識部503は、各撮像画像データから、読み取られた機器識別標識が対応する機器識別情報と、読み取られた個人識別標識が対応する個人識別情報とを特定し、特定した機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを送信情報生成部504に出力する。送信情報生成部504は、特定した機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを含む送信データを作成し、ID情報送信部505を用いて、作成した送信データを機器管理装置400に送信する。
機器管理装置400のID情報受信部409は、モバイル端末500から送信された、機器識別情報及び個人識別情報と、各読み取り時刻とを含む送信データを受信して編集権限付与部410に出力する。編集権限付与部410は、機器識別標識の読み取り時刻と、個人識別標識の読み取り時刻との間隔が所定時間内であり、且つ、受信した機器識別情報と、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の機器識別情報とが一致し、且つ、受信した個人識別情報と、管理情報記憶部403に記憶されている作業指示情報に含まれる点検対象機器の個人識別情報とが一致する場合に、作業記録情報を編集可能にする。
この場合、機器識別標識と、個人識別標識とが読み取られた間隔が所定時間内である場合に限り、点検対象の機器600aの機器識別情報の一致に加えて、作業員の個人識別情報の一致も確認しているので、複数の機器600aを点検する際、機器識別標識の読み取りと、個人識別標識の読み取りとを個別に行う場合でも、作業員が点検対象となる機器を誤認して作業記録情報を作成してしまうことを確実に防止することができるとともに、点検対象となる機器の現場に行ったことを担保し、現場に行かずに虚偽の作業記録情報が作成されることを確実に防止することができる。
また、本実施の形態では、機器表示板610が機器識別標識及び個人識別標識を同時に表示しているが、この例に特に限定されず、機器600aが機器識別標識(例えば、図2に示す機器識別標識601)を具備し、機器表示板610が個人識別標識のみを表示する等の種々の変更が可能である。また、この場合も、機器識別標識及び個人識別標識の読み取りは、同時であってもよいし、個別であってもよい。