JP2017194547A - ホログラフィック光学素子の製造方法及び露光光学装置 - Google Patents

ホログラフィック光学素子の製造方法及び露光光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差が十分に補正され、光源光量の効率的な利用が可能なホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造することの可能な製造方法、及びそれに用いる露光光学装置を提供する。【解決手段】波長RGBに回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料HKに対してRGBのレーザー光束KR,KG,KBを照射することにより干渉縞の露光記録を行う。その際、感材表面S1に対してレーザー光束KR,KG,KBを照射するとともに、その照射によってホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBを反射させてホログラム感光材料HKへ再入射させ、ホログラム感光材料HKの一方の表面S1に対するレーザー光束KR,KG,KBの入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整する。【選択図】図1

Description

本発明はホログラフィック光学素子の製造方法及び露光光学装置に関するものであり、例えば、光学シースルーディスプレイ(例えば、HMD(head mounted display),HUD(head-up display)等)用の観察光学系に適したホログラフィック光学素子の製造方法、及びそれに用いる露光光学装置に関するものである。
ホログラフィック光学素子の製造においては、光の干渉状態を記録する(例えば正対反射の場合、その露光波長の1/4ピッチの縞を記録する)ために、与える2つの光束(2光束露光)の位相差に高精度の安定性が必要である。2つに分岐した後の光束に個別に作用するもの(例えば、空気の揺らぎや振動)はその光の干渉状態に影響を与えるので、2つに分岐された後の光路が長いほど、また介在する部材が多いほど影響を受けやすくなる。そのため、ホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造する方法として、1つの光束のみを用いてホログラム感光材料に対する露光(1光束露光)を行う方法が、特許文献1〜4で提案されている。
ホログラフィック光学素子は、特に反射型で用いた場合、高い波長選択性を持つ。複数の波長に回折特性を持つカラーホログラフィック光学素子においては、高い波長選択性により各々の波長に対する回折の挙動が独立し、個別に制御することが可能である。しかし、それぞれの帯域においてホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差(色ムラ等)の補正や、光源光量の効率的な利用を十分に行うことは難しい。そのため、ホログラム記録時にホログラム感光材料への入射角度が上記ズレの量に応じて互いに異なるように2光束露光を行う方法が、特許文献5で提案されている。
特開平3−273276号公報 特開平7−104646号公報 特開平5−281889号公報 特開2002−258488号公報 特開2008−191527号公報
特許文献1〜4に記載の製造方法で得られるホログラフィック光学素子では、ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差の補正や、光源光量の効率的な利用を十分に行うことが困難であり(例えば表示輝度が低下することになる。)、特許文献5に記載の製造方法では、ホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造することが困難である。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差が十分に補正され、光源光量の効率的な利用が可能なホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造することの可能な製造方法、及びそれに用いる露光光学装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、複数の波長に回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料に対して複数の波長のレーザー光束を照射することにより干渉縞の露光記録を行う製造方法であって、
前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して前記複数の波長のレーザー光束を照射するとともに、その照射によって前記ホログラム感光材料を透過したレーザー光束を反射させてホログラム感光材料へ再入射させ、
前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整することを特徴とする。
第2の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第1の発明において、前記干渉縞の露光記録を露光光学装置を用いて行い、その露光光学装置が、
前記複数の波長に対応した発光波長の複数のレーザー光源を有する光源部と、
前記光源部から射出した前記複数の波長のレーザー光束を、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して照射する第1光学系と、
前記第1光学系から射出して前記ホログラム感光材料を透過した前記複数の波長のレーザー光束を、反射させてホログラム感光材料へ再入射させることにより、前記ホログラム感光材料の他方の表面に対して照射する第2光学系と、を有し、
前記第1光学系が、前記複数の波長のレーザー光束を重畳するコンバイナーと、そのコンバイナーで重畳されたレーザー光束の径を拡大するエキスパンダーと、を有し、
前記第2光学系が、前記レーザー光束の反射を行う反射面を有し、
前記第1光学系が、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整することを特徴とする。
第3の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第2の発明において、前記第2光学系が、前記反射面として曲面反射面を含む反射光学素子を有することを特徴とする。
第4の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第2又は第3の発明において、前記第2光学系が、前記ホログラム感光材料へ再入射する前記複数の波長のレーザー光束の波面を波長ごとに相違させる補正用光学素子を有することを特徴とする。
第5の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第4の発明において、前記補正用光学素子が、前記ホログラム感光材料と前記曲面反射面との間に配置され、前記複数の波長のレーザー光束の偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束を透過させることにより、前記波面を波長ごとに相違させる透過光学素子であることを特徴とする。
第6の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第4の発明において、前記補正用光学素子が、前記複数の波長のレーザー光束の偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束を回折させることにより、前記波面を波長ごとに相違させる回折光学素子であることを特徴とする。
第7の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第4の発明において、前記補正用光学素子が、前記曲面反射面として特定の波長に反応する複数のダイクロイック反射面を有することにより前記反射光学素子と一体化されており、前記複数の波長のレーザー光束の反射波面がそれぞれ異なるように各レーザー光束を反射させることにより、前記波面を波長ごとに相違させるダイクロイック積層ミラーであることを特徴とする。
第8の発明のホログラフィック光学素子の製造方法は、上記第7の発明において、前記複数のダイクロイック反射面での反射が裏面反射であることを特徴とする。
第9の発明のホログラフィック光学素子製造用の露光光学装置は、複数の波長に回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料に対して複数の波長のレーザー光束を照射することにより干渉縞の露光記録を行う露光光学装置であって、
前記複数の波長に対応した発光波長の複数のレーザー光源を有する光源部と、
前記光源部から射出した前記複数の波長のレーザー光束を、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して照射する第1光学系と、
前記第1光学系から射出して前記ホログラム感光材料を透過した前記複数の波長のレーザー光束を、反射させてホログラム感光材料へ再入射させることにより、前記ホログラム感光材料の他方の表面に対して照射する第2光学系と、を有し、
前記第1光学系が、前記複数の波長のレーザー光束を重畳するコンバイナーと、そのコンバイナーで重畳されたレーザー光束の径を拡大するエキスパンダーと、を有し、
前記第2光学系が、前記レーザー光束の反射を行う反射面を有し、
前記第1光学系が、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整するために、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることを特徴とする。
本発明によれば、ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差が十分に補正され、光源光量の効率的な利用が可能なホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造することができる。
第1の実施の形態の製造方法に用いる露光光学装置を示す概略断面図。 第2の実施の形態の製造方法に用いる露光光学装置を示す概略断面図。 第3の実施の形態の製造方法に用いる露光光学装置を示す概略断面図。 第4の実施の形態の製造方法に用いる露光光学装置を示す概略断面図。 ホログラム感光材料に対する物体光及び参照光と、ホログラフィック光学素子に対する照明光及び再生光と、の関係を示す説明図。 1光束露光法によるホログラム記録時の物体光及び参照光と干渉縞との関係を垂直入射の場合と斜め入射の場合で示す説明図。 ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差を補正するためのホログラム記録時の入射角度調整を示す説明図。 楔プリズムで発生する色収差とそれを補正するホログラフィック光学素子との関係を説明するための断面図。 第5,第6の実施の形態の製造方法に用いるタイリング用の露光光学装置を示す模式図。
以下、本発明を実施したホログラフィック光学素子の製造方法、ホログラフィック光学素子製造用の露光光学装置等を、図面を参照しつつ説明する。なお、各実施の形態等の相互で同一の部分や相当する部分には同一の符号を付して重複説明を適宜省略する。
まず最初に、ホログラム記録時の物体光及び参照光とホログラム再生時の照明光及び再生光との関係を説明する。図5(A)に、ホログラム記録時のホログラム感光材料HKに対する物体光R1及び参照光R2の光路を示し、図5(B)に、ホログラム再生時のホログラフィック光学素子HEに対する照明光C1及び再生光C2の光路を示す。
図5(A)に示す物体光R1と参照光R2は、説明を簡単にするためにいずれも平行光とし、また、いずれもレーザー光源から放射された波長λのコヒーレント光とする。ホログラム感光材料HK(n:屈折率)に波長λの物体光R1と参照光R2が入射すると、その干渉により干渉縞FKが形成される。その干渉縞FKの間隔(ピッチ)Λと傾きΨは、以下の式(F1),(F2)で表される。
Λ=λ/[2n・sin{(θr−θo)/2}] …(F1)
Ψ=(θr+θo)/2 …(F2)
ただし、
Λ:干渉縞FKの間隔、
Ψ:干渉縞FKの傾き角度、
θo:物体光R1の入射角度(媒質内角度)、
θr:参照光R2の入射角度(媒質内角度)、
n:媒質の屈折率、
である。
ここで、ホログラム記録(図5(A))における2つの露光状態(図6(A),(B))を考える。図6(A),(B)に示すように、ホログラム感光材料HKの底面側に平面ミラーMRを配置し、平面ミラーMRと相対する方向から物体光R1として平行光束をホログラム感光材料HKに入射させる。物体光R1は、ホログラム感光材料HKを透過し、平面ミラーMRで反射され、参照光R2として再びホログラム感光材料HKに入射する。この1光束露光状態は、ホログラムのコンタクトコピー法による露光状態に相当する。
図6(A)に示す第1の露光状態では、ホログラム感光材料HK及び平面ミラーMRに対して物体光R1が垂直に入射する(θo=0°)。また、図6(B)に示す第2の露光状態では、ホログラム感光材料HK及び平面ミラーMRに対して物体光R1が傾きを持って斜め入射する(θo>0°。例えば、媒質内での角度θo=60°の場合)。
干渉縞FKの間隔Λの式(F1)から、干渉縞FKの間隔Λは、物体光R1が垂直入射する第1の露光状態のとき(θo=0°)に最も狭くなり、物体光R1が斜め入射する第2の露光状態のとき(θo>0°)、入射角度θoが大きくなるほど広くなることが分かる。例えば、媒質内での入射角度θo=60°の場合、Λ=λ/[2n・sin{(120−60)/2}]=Λ/(2n)となり、媒質内での入射角度θo=0°の場合(垂直入射)、Λ=λ/[2n・sin{(180−0)/2}]=Λ/nとなるので、θo=60°の場合には垂直入射の場合に比べて間隔Λが2倍になる。
干渉縞FKの傾きΨの式(F2)から、物体光R1が垂直入射する第1の露光状態の場合(θo=0°)と、物体光R1が斜め入射する第2の露光状態の場合(θo>0°)とで、干渉縞FKの傾き角度Ψは同じであることが分かる。つまり、どちらの露光状態でも干渉縞FKはホログラム感光材料HK及び平面ミラーMRに対して平行になる。
ホログラム再生時、図5(B)に示すように、ホログラフィック光学素子HEに照明光C1を入射させると、その入射した照明光C1の回折は、記録されているホログラム干渉縞FEによって決定される。そして、ブラッグの条件を満たす以下の式(F3),(F4)が同時に成立する方向に、回折する光(すなわち再生光C2)の強度が最大となる。
(sinθo−sinθr)/λr=(sinθi−sinθc)/λc …(F3)
(cosθo−cosθr)/λr=(cosθi−cosθc)/λc …(F4)
ただし、
λr(nm):ホログラム記録時(ホログラフィック光学素子HEを作製するとき)の波長、
θo(°):ホログラム記録時(ホログラフィック光学素子HEを作製するとき)の物体光R1の入射角度(媒質内角度)、
θr(°):ホログラム記録時(ホログラフィック光学素子HEを作製するとき)の参照光R2の入射角度(媒質内角度)、
λc(nm):ホログラム再生時(ホログラフィック光学素子HEを使用するとき)の波長、
θi(°):ホログラム再生時(ホログラフィック光学素子HEを使用するとき)の照明光C1の入射角度(媒質内角度)、
θc(°):ホログラム再生時(ホログラフィック光学素子HEを使用するとき)の再生光C2の射出角度(媒質内角度)、
である。
図6(A),(B)から明らかなように、いずれの露光状態で作製されたホログラフィック光学素子HEも、ホログラム干渉縞FEの傾きは同じになり、下に配置されている平面ミラーMRと同じように、入射した照明光C1を正反射方向に回折反射させる。ただし、作製されたホログラム干渉縞FEの間隔Λは異なる。そのため、例えば、物体光R1が斜め入射する第2の露光状態(図6(B))で作製したホログラフィック光学素子HEに、照明光C1を垂直入射させた場合(図6(A)中の物体光R1と同じ垂直入射の場合)、回折する光の波長λcは、斜め入射(図6(B))でのホログラム記録に用いた光の波長λrの倍になる。
例えば、仮に45度入射で使用するホログラフィック光学素子HEを想定した場合、ホログラム記録に使用した波長λrとホログラム再生に使用する波長λcとが同じときには、使用状態と同様に45度入射でホログラフィック光学素子HEを作製すればよいが、再生に使用する波長λcが異なる場合、上記入射角と波長変化との関係を利用してこれを補正することが可能である。例えば、ホログラム記録時に物体光R1の入射角度θoを大きくする側に振ると、使用波長λcを長くする側に補正することができ、ホログラム記録時に物体光R1の入射角度θoを小さくする側に振ると、使用波長λcを短くする側に補正することができる。
ホログラフィック光学素子HEの作製に用いられる光は、可干渉性が重要であるため、一般に可干渉性の高いレーザー光が用いられる。そのため、レーザーの発振波長は、その原理上発振用媒体の結晶やガスの種類により選択肢が限られてしまう。例えば、緑色のレーザーとしてはYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)又はYVO4(イットリウム・バナデート結晶)が実用的であり、これらはいずれも1064nmの光を発振し、その2倍波(波長532nm)を可視緑とする光源として用いられる。
一方、ホログラフィック光学素子HEの再生光源としては、LED(light emitting diode)が一般的に用いられる。特に反射型のホログラフィック光学素子HEの場合、その回折特性では、ある特定の波長の光のみを回折する波長選択性が特に高くなるため、材料によって特定の波長に偏った発光を行うLED光源は、光の利用効率の点から都合が良い。LEDの発光波長は、そのLEDの材料によって決まり、これもレーザーと同様(レーザーほどではないが)、発光波長の選択肢は限られている。例えば、可視緑の代表的な材料の1つにAlAsがあるが、これの発光波長ピークは520nm前後であり、緑の一般的なレーザーの発振波長とは異なる。レーザーとLEDの波長が一致することはまれであり、緑(G)に限らず、例えばカラー化に必要な青(B),赤(R)の領域でも同様である。これは各々の材料に起因する課題であるため、そのズレ量に規則性はない。
ホログラフィック光学素子HEで所望の角度の回折を行いたいとき、その最適な回折波長と使用する発光波長とが異なると、光の利用効率が落ちることになる(例えば表示輝度が低下することになる。)。例えば、異なる波長で回折を行うカラーホログラムの場合は、赤,緑,青各々でズレ量に規則性がないために使用する光源波長とのマッチングは各々バラバラとなり、ホログラフィック光学素子HEに所望の回折効率を与えたとしても色ムラやカラーバランスの悪化に繋がる。この各色でのマッチングを最適化するためには、各色でのズレに起因する収差(色ムラ等)を個別に補正する必要がある。
前述したように(図6(A),(B))、1光束露光法ではホログラム記録時の物体光R1の入射角度θoを調整することで、ホログラム記録時の露光波長λrとホログラム再生時の使用波長λcとのズレに起因する収差を補正し、光源光量を効率的に利用することが可能である。そして、カラーホログラムの場合は、このホログラム記録時の物体光R1の入射角度θoを各波長にて所望の補正となるよう個別に制御すればよい。1光束露光法はホログラフィック光学素子を安定的・効率的に製造するのに有効な方法であり、ホログラム記録時に複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させて、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整すれば、使用状態での光源との波長マッチングを最適化することができる。
例えば、図7(A)に示すように、使用波長λc(ピーク)520nmの照明光C1を入射角度θi=45度(媒質内)でホログラフィック光学素子HEに入射させ、その回折反射により、再生光C2の射出角度θc=135度(媒質内)で使用する状態を考える。このホログラフィック光学素子HEを、露光波長λr=532nmのレーザー光で作製する場合、図7(B)に示すように、使用するときの入射角θiより物体光R1の入射角度θoを所定の角度だけずらすことで、使用波長λcに即したホログラフィック光学素子HEを作製することができる。具体的には、式(F1)から求まる以下の表1に示すホログラム記録条件で補正を行えばよい。
Figure 2017194547
次に、上述した波長λr,λc間のズレに対応可能な補正を行うための露光光学装置,製造方法等を説明する。図1〜図4に、第1〜第4の実施の形態に係る露光光学装置X1〜X4の概略断面構造をそれぞれ模式的に示す。露光光学装置X1〜X4は、複数の波長に回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料HKに対して複数の波長のレーザー光束KR,KG,KBを照射することにより、干渉縞の露光記録を行うものであり、光源部LS,第1光学系L1,第2光学系L2等で構成されている。
そして、露光光学装置X1〜X4を用いた製造方法では、干渉縞の露光記録において、ホログラム感光材料HKの一方の表面S1に対して複数の波長のレーザー光束KR,KG,KBを照射するとともに、その照射によってホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBを反射させて他方の表面S2からホログラム感光材料HKへ再入射させ、ホログラム感光材料HKの一方の表面S1に対する複数の波長のレーザー光束KR,KG,KBの入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整する。露光光学装置X2〜X4ではさらに、干渉縞の露光記録において、ホログラム感光材料HKへ再入射する複数の波長のレーザー光束を、その波面が波長ごとに相違するように照射する。
ここでは、ホログラム感光材料HKの形態として、シート状のものを想定しているが、ホログラム感光材料HKはこれに限らず、例えば透明基板上に被膜として形成されたもの等、他の形態を有するものであってもよい。また、各図中の矢印DX,DY,DZは互いに直交する方向を示しており、長方形のホログラム感光材料HKにおいて、長辺方向をDX方向とし、短辺方向をDY方向としている。したがって、感材表面S1,S2はDX−DY平面に対して平行であり、露光光学装置X1〜X4でのホログラム感光材料HKにおいて光軸AXはDZ方向に対して平行である。
光源部LSは、RGBの3波長に対応した発光波長の3つのレーザー光源を有している。なお、露光光学装置X1〜X4では、複数の波長として、R(赤)・G(緑)・B(青)の3波長を想定しているが、これに限らず他の複数波長に設定してもよい。したがって、光源部LSを構成するレーザー光源の発振波長はRGBに限らない。
第1光学系L1は、光源部LSとホログラム感光材料HKとの間に配置され、ホログラム感光材料HKの一方の感材表面S1に対してRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBを照射する。また第1光学系L1は、RGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBをほぼ1つの光路に重畳するコンバイナーLCと、そのコンバイナーLCでほぼ1つの光路に重畳されたレーザー光束KR,KG,KBの径を拡大するエキスパンダーLEと、を有している。
露光光学装置X1〜X4において、光源部LSから射出したRGBの3本のレーザー光束KR,KG,KBは、コンバイナーLCでほぼ1つの光路に重ね合わされるが、その際に射出角度が波長ごとに異なるように重ね合わされる。コンバイナーLCの例としては、ダイクロミラー,ダイクロプリズム,ハーフミラー等が挙げられる。
重ね合わされた3本のレーザー光束KR,KG,KBは、エキスパンダーLEで径の拡大された略平行光束となって射出し、ホログラム感光材料HKに照射される。エキスパンダーLEに入射する光束の入射角度は波長ごとに異なっているため、エキスパンダーLEからの射出光の角度も波長ごとに異なったものとなる。エキスパンダーLEの例としては、負正のパワー配置を有するガリレオ型光学系,正正のパワー配置を有するケプラー型光学系等が挙げられるが、ここではケプラー型光学系の使用を想定している。
露光光学装置X1〜X4では、レーザー光束KGがホログラム感光材料HKの感材表面S1に対して垂直に入射し、レーザー光束KR,KBがホログラム感光材料HKの感材表面S1に対して斜めに入射する。つまり、感材表面S1に対する3本のレーザー光束KR,KG,KBの入射角度は波長ごとに異なったものとなる。そして、感材表面S2から射出することによってホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBは第2光学系L2に入射する。
第2光学系L2は、第1光学系L1から射出してホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBを反射させてホログラム感光材料HKへ再入射させることにより、ホログラム感光材料HKの他方の感材表面S2に対してRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBを照射する。レーザー光束KR,KG,KBを反射させるために、第2光学系L2は、レーザー光束KR,KG,KBの反射を行う曲面反射面を含む反射光学素子を有しており、その反射光学素子として、露光光学装置X1〜X3は凹面ミラーMCを有しており、露光光学装置X4はダイクロイック積層ミラーMDを有している。このように、第2光学系L2が、反射面として曲面反射面を含む反射光学素子を有することにより、作製するホログラフィック光学素子HEに偏向機能だけでなく、発散や集光のための光学的パワーを持たせることができる。
第1光学系L1から射出してホログラム感光材料HKに入射したレーザー光束KR,KG,KBと、第2光学系L2から射出してホログラム感光材料HKに再入射したレーザー光束KR,KG,KBと、の重なった領域において干渉縞FKが形成され(図5(A),図7(B))、その干渉状態がホログラム干渉縞FEとして記録される(図5(B),図7(A))。このとき、先に説明したように、ホログラム感光材料HKの感材表面S1に対するレーザー光束KR,KG,KBの入射角度を波長ごとに相違させることにより、記録される干渉縞FKの縞間隔Λを個別に制御して(図6(A),(B))、ホログラム再生の回折波長(使用波長)を波長ごとに個別に調整する。その調整により、ホログラム記録時の露光波長とホログラム再生時の使用波長とのズレに起因する収差を補正し、光源光量を効率的に利用することができる。つまり、使用状態での光源との波長マッチングが最適化された回折構造を有するカラー反射型のホログラフィック光学素子HEを、1光束露光で安定的・効率的に製造することができる。
第1の実施の形態に係る露光光学装置X1(図1)は、上記補正を行うための基本構成を有するものである。ホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、第2光学系L2を構成する凹面ミラーMCの凹面反射面SCで反射されて集光状態となり、再びホログラム感光材料HKに入射する。そして、第1光学系L1から感材表面S1に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、第2光学系L2で折り返されて感材表面S2に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、の重なった領域において、前記補正された干渉縞の露光記録が行われる。なお、像面IM0上には各波長の集光点が位置する。
また、露光光学装置X2〜X4における第2光学系L2は、ホログラム感光材料HKへ再入射するRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる補正用光学素子を更に有している。その補正用光学素子として、露光光学装置X2(図2)は楔プリズムPRを有しており、露光光学装置X3(図3)は回折光学素子DOを有している。また、前記反射光学素子及び補正用光学素子が一体化されたものとして、露光光学装置X4(図4)はダイクロイック積層ミラーMDを有している。
上記楔プリズムPR,回折光学素子DO等の補正用光学素子は、ホログラフィック光学素子に色収差補正機能を持たせるためのものである。その色収差とそれを補正するホログラフィック光学素子との関係を以下に説明する。
図8(A)は、反射型のホログラフィック光学素子H1で平行光束K1を像面IM上の1点に結像させる光学系を示している。この光学系に入射する光束K1は、例えば、3つのLEDからそれぞれ射出したRGBの3波長の光束を平行光束とし、重ね合わせたものである。また、ホログラフィック光学素子H1は、RGBの3波長に回折効率のピークを有する3つのホログラム(カラーホログラム)が記録されたカラーホログラフィック光学素子である。
ここで、図8(B)に示すように、ホログラフィック光学素子H1と像面IMとの間に楔プリズムP1を配置すると、縦方向(光軸AX方向,奥行き方向)DAと横方向(光軸AXに対して垂直方向,偏向方向)DBとに色ズレ(つまり色収差)が発生して、高い解像度での結像ができなくなる。この色収差は、それとは逆の方向DA,DBに発生させた色収差により補正することができる。図8(C)に示すホログラフィック光学素子HEは、その色収差補正機能を持たせたものであり、楔プリズムP1で発生した色収差をホログラフィック光学素子HEで発生させた色収差で補正する構成になっている。
露光光学装置X2〜X4のように、第2光学系L2の補正用光学素子で、ホログラム感光材料HKを照射するRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる構成にすれば、ホログラフィック光学素子HEでの再生波面を波長ごとに調整して、色収差を補正することが可能となる。また、第1光学系L1で、RGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBをホログラム感光材料HKの一方の感材表面S1に対して照射し、第2光学系L2で、第1光学系L1から射出してホログラム感光材料HKを透過したRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBを、反射させてホログラム感光材料HKへ再入射させることにより、ホログラム感光材料HKの他方の感材表面S2に対して照射する構成にすれば、効率的で安定した1光束露光が可能となる。したがって、高い色収差補正機能を有するホログラフィック光学素子HEを安定的・効率的に製造することができる。なお、波面の再現を波長ごとに調整制御可能とするには、製造するホログラフィック光学素子HEを波長選択性の高い反射型とすることが好ましい。
第2の実施の形態に係る露光光学装置X2(図2)において、ホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、第2光学系L2内の楔プリズムPRに入射する。楔プリズムPRは、分光用の屈折光学素子(透過光学素子)であり、屈折作用によりレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる。その結果、レーザー光束KR,KG,KBは偏向方向と光路長が波長ごとに異なったものとなって分散する。楔プリズムPRを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、凹面ミラーMCの凹面反射面SCで反射されて集光状態となり、再び楔プリズムPRに入射する。レーザー光束KR,KG,KBは、楔プリズムPRで再び偏向方向と光路長が波長ごとに異なったものとなって分散した後、楔プリズムPRから射出する。
楔プリズムPRを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、再びホログラム感光材料HKに入射する。そして、第1光学系L1から感材表面S1に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、第2光学系L2で折り返されて感材表面S2に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、の重なった領域において干渉縞の露光記録が行われる。このとき再入射したレーザー光束KR,KG,KBは、最初に入射したときとは波長ごとに波面が異なる(RGBの集光点が縦方向DA,横方向DB共に異なる)ため、記録されるカラーホログラムの再生波面も各波長ごとに異なることになる。つまり、組み込まれる光学系全体の色収差を補正する機能をホログラム感光材料HKに持たせて、高い色収差補正機能を有するホログラフィック光学素子HE(図8(C))を製造することができる。
露光光学装置X2の第2光学系L2は、レーザー光束KR,KG,KBの反射を行う凹面反射面SCを含む凹面ミラーMCと、ホログラム感光材料HKを照射するRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる楔プリズムPRと、を有している。そしてホログラム感光材料HKと凹面反射面SCとの間に配置されている楔プリズムPRは、RGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束KR,KG,KBを屈折させることにより、波面を波長ごとに相違させるので(色ズレの配置は波長の大きさ順になる。)、偏向方向の差が横方向DBの色収差補正に対応し、楔プリズムPRの分散による波長ごとの光路長差が縦方向DAの色収差補正に対応する。したがって、波長による色ズレ量の調整は、横方向DBについては楔の傾き(偏向度合)、縦方向DAについては楔プリズムPRの厚み(光路長)をパラメーターとして行うことができる。なお、各波長の集光点である像面IMの位置は、楔プリズムPRが無い場合の像面IM0の位置からシフトする。
第3の実施の形態に係る露光光学装置X3(図3)において、ホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、第2光学系L2内の回折光学素子DOに入射する。回折光学素子DOは、凹面ミラーMC側の面に1次元ブレーズ形状の回折面SDを有する分光用の表面レリーフ型・透過型の回折光学素子であり(図3の紙面に対して垂直方向が横方向DBの集光点差を得るための1次元方向となる。)、回折作用によりレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる。その結果、回折光学素子DOを通過したレーザー光束KR,KG,KBは偏向方向と光路長が波長ごとに異なったものとなって分散する。回折光学素子DOを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、凹面ミラーMCの凹面反射面SCで反射されて集光状態となり、再び回折光学素子DOに入射する。レーザー光束KR,KG,KBは、回折光学素子DOで再び偏向方向と光路長が波長ごとに異なったものとなって分散した後、回折光学素子DOから射出する。なお、回折面SDは回折光学素子DOのホログラム感光材料HK側の面に設けてもよく、また、回折光学素子DOの形状は平行平板形状に限らず楔プリズム形状でもよい。
回折光学素子DOを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、再びホログラム感光材料HKに入射する。そして、第1光学系L1から感材表面S1に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、第2光学系L2で折り返されて感材表面S2に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、の重なった領域において干渉縞の露光記録が行われる。このとき再入射したレーザー光束KR,KG,KBは、最初に入射したときとは波長ごとに波面が異なる(RGBの集光点が縦方向DA,横方向DB共に異なる)ため、記録されるカラーホログラムの再生波面も各波長ごとに異なることになる。つまり、組み込まれる光学系全体の色収差を補正する機能をホログラム感光材料HKに持たせて、高い色収差補正機能を有するホログラフィック光学素子HE(図8(C))を製造することができる。
露光光学装置X3の第2光学系L2は、レーザー光束KR,KG,KBの反射を行う凹面反射面SCを含む凹面ミラーMCと、ホログラム感光材料HKを照射するRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる回折光学素子DOと、を有している。そしてホログラム感光材料HKと凹面反射面SCとの間に配置されている回折光学素子DOは、RGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束KR,KG,KBを回折させることにより、波面を波長ごとに相違させるので(色ズレの配置は波長の大きさ順になる。)、偏向方向の差が横方向DBの色収差補正に対応し、回折光学素子DOの分散による波長ごとの光路長差が縦方向DAの色収差補正に対応する。したがって、波長による色ズレ量の調整は、横方向DBについては回折パワー(偏向度合)、縦方向DAについては回折光学素子DOの厚み(光路長)をパラメーターとして行うことができる。回折光学素子DOの分散は大きいので、より大きな偏向差を与えることが可能となり、その結果、第2光学系L2の配置の自由度が向上して効果的な薄型化が可能となる。なお、各波長の集光点である像面IMの位置は、回折光学素子DOが無い場合の像面IM0の位置からシフトする。
第4の実施の形態に係る露光光学装置X4(図4)において、ホログラム感光材料HKを透過したレーザー光束KR,KG,KBは、第2光学系L2を構成しているダイクロイック積層ミラーMDに入射する。ダイクロイック積層ミラーMDは、曲面形状のダイクロイック反射面としてR反射面SR,G反射面SG及びB反射面SBを有する分光用の反射光学素子であり、波長選択的な反射作用によりレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させる。その結果、レーザー光束KR,KG,KBは焦点位置が波長ごとに異なったものとなって、凹面反射面SCでの反射により集光状態となって射出する。このとき、R反射面SRではRのレーザー光束KRのみ反射し、G反射面SGではGのレーザー光束KGのみ反射し、B反射面SBではBのレーザー光束KBのみ反射する。
ダイクロイック積層ミラーMDで反射したレーザー光束KR,KG,KBは、再びホログラム感光材料HKに入射する。そして、第1光学系L1から感材表面S1に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、第2光学系L2で折り返されて感材表面S2に入射したレーザー光束KR,KG,KBと、の重なった領域において干渉縞の露光記録が行われる。このとき再入射したレーザー光束KR,KG,KBは、最初に入射したときとは波長ごとに波面が異なる(RGBの集光点が縦方向DA,横方向DB共に異なる)ため、記録されるカラーホログラムの再生波面も各波長ごとに異なることになる。つまり、組み込まれる光学系全体の色収差を補正する機能をホログラム感光材料HKに持たせて、高い色収差補正機能を有するホログラフィック光学素子HE(図8(C))を製造することができる。
露光光学装置X4の第2光学系L2は、レーザー光束KR,KG,KBの反射を行うとともに、ホログラム感光材料HKを照射するRGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの波面を波長ごとに相違させるR反射面SR,G反射面SG及びB反射面SBを、曲面形状のダイクロイック反射面として有するダイクロイック積層ミラーMDからなっている。曲面反射面として特定の波長にそれぞれ反応するダイクロイック反射面SR,SG,SBを有することにより反射光学素子と補正用光学素子とが一体化されており、RGBの3波長のレーザー光束KR,KG,KBの焦点位置がそれぞれ異なるように各レーザー光束KR,KG,KBを反射させることにより、波面を波長ごとに相違させるので、焦点位置の差が横方向DBと縦方向DAの色収差補正に対応する。したがって、波長による色ズレ量の調整は、横方向DBについては各反射面SR,SG,SBの傾き(反射角,偏向度合)、縦方向DAについては主には反射面SR,SG,SBの曲率と間隔(光路長)をパラメーターとして行うことができる。
露光光学装置X2,X3のように、屈折作用や回折作用を利用する補正用光学素子では色ズレの配置は波長の大きさ順(連続的変化)になるのに対し、露光光学装置X4のダイクロイック積層ミラーMDでは、分散が屈折作用や回折作用を利用したものではないため、波長ごとに個別の波面調整が可能である。例えば露光光学装置X2,X3では、縦横方向DA,DBの集光点位置がRGBの順になっているのに対し、露光光学装置X4では、横方向DBの集光点位置がRBGの順、縦方向DAの集光点位置がBRGの順になっている。このようにRGBの集光位置に対する波長順の制約を外して縦横方向DA,DBとも各波長個別の完全に独立した自由な波面調整制御が可能となるので、高い自由度の色収差補正が可能である。
また露光光学装置X4のように、RGBの3波長のダイクロイック反射面SR,SG,SBでの反射が裏面反射であることが好ましい。裏面反射にすると硝種ブロック内を光束が通過することにより波長に対する光路長差が発生し、これを調整することで縦方向DAの色収差補正に対応することができる。つまり、裏面反射を使うと、楔プリズムPR(図2)と同じ作用を1つのミラーブロック(露光光学装置X4ではダイクロイック積層ミラーMD)で達成することができる。
図9(A),図9(B)に、第5,第6の実施の形態に係る露光光学装置X5,X6の概略断面構造をそれぞれ模式的に示す。露光光学装置X5,X6は、上述した露光光学装置X1〜X4をタイリング用に改良した例であり、複数のホログラフィック光学素子HEに対応する複数の領域(領域の境界を点線で示す。)を有する1枚のシート状のホログラム感光材料HKに対し、干渉縞の露光記録を行うものである。露光記録等が施された1枚のシート状のホログラム感光材料HKを、前記領域の境界(図9中の点線)で切断すれば、複数のホログラフィック光学素子HE(図8等)が得られる。図9(A),図9(B)はいずれも、ホログラム感光材料HK以外はDX方向から見た状態を示しており、ホログラム感光材料HKに関しては、各領域の形状が長方形であることを分かり易くするために、DZ方向から見た状態を示している。
図9(A)に示す露光光学装置X5では、1つの光源部LSから射出したレーザー光束KR,KG,KBが、1つの第1光学系L1を通ってホログラム感光材料HKへ入射する。このとき、第1光学系L1からホログラム感光材料HKへ入射するレーザー光束KR,KG,KBは、RGBの各波長1本ずつの1セットからなる略平行光束(つまり、波長ごとに前記複数の領域を覆う略平行光束)である。第2光学系L2はホログラム感光材料HKの表面S1,S2に沿ってDY方向に複数配置されており、第1光学系L1から射出したレーザー光束KR,KG,KBと複数の第2光学系L2から射出したレーザー光束KR,KG,KBとをホログラム感光材料HKに同時に入射させることにより、複数のホログラフィック光学素子HEに対応する露光記録が同時に行われる。このようにタイリングされた露光光学装置X5を用いることにより、ホログラフィック光学素子HEを多数個同時に作製することができる。
図9(B)に示す露光光学装置X6では、ホログラム感光材料HKの表面S1,S2に沿ってDY方向に、第1,第2光学系L1,L2が複数配置されている。複数の光源部LSから射出したレーザー光束KR,KG,KBが、複数の第1光学系L1を通ってホログラム感光材料HKへ入射する。このとき、複数の第1光学系L1からホログラム感光材料HKへ入射するレーザー光束KR,KG,KBは、RGBの各波長1本ずつの複数セットからなる略平行光束(つまり、波長ごとに前記複数の領域に対応する複数の略平行光束)である。複数の第1光学系L1から射出したレーザー光束KR,KG,KBと複数の第2光学系L2から射出したレーザー光束KR,KG,KBとをホログラム感光材料HKに同時に入射させることにより、複数のホログラフィック光学素子HEに対応する露光記録が同時に行われる。このようにタイリングされた露光光学装置X6を用いることにより、ホログラフィック光学素子HEを多数個同時に作製することができる。また、第1光学系L1の射出光に自由度を与えることができるため、多様なホログラフィック光学素子HEを多数個同時に作製することも可能である。
露光光学装置X5,X6では、ホログラム感光材料HKに有する複数の領域がいずれも長方形であり、その短辺方向であるDY方向に沿って第2光学系L2が複数並んで配置されている。このように第2光学系L2を短辺方向(DY方向)に複数並べて配置すると、ホログラム感光材料HKの面積を有効に使うことができるため、効果的なタイリングが可能となる。なかでも露光光学装置X1〜X4のように、第1光学系L1からホログラム感光材料HKへレーザー光束KR,KG,KBが垂直又は略垂直に入射する場合には、より効果的なタイリングが可能となる。また、2次元タイリングの場合には、長辺方向(DX方向)よりも短辺方向(DY方向)にタイリング数を多くするのが好ましい。
露光光学装置X5,X6を露光光学装置X5,X6のようなタイリング用に改良すると、第1光学系L1からホログラム感光材料HKへレーザー光束KR,KG,KBが斜めに入射し、その傾斜方向(偏心方向)に対して垂直方向(DY方向)に第2光学系L2が複数並んで配置されたものとなる。このように第2光学系L2をホログラム感光材料HKに対するレーザー光束KR,KG,KBの傾斜方向(偏心方向)に対して垂直方向(DY方向)に複数並べて配置すると、ホログラム感光材料HKの面積を有効に使うことができ、また、斜入射するレーザー光束KR,KG,KBの傾斜方向が光学セットの長手に位置しやすくなるため、効果的なタイリングが可能となる。また、2次元タイリングの場合には、レーザー光束KR,KG,KBの傾斜方向(偏心方向)に対して垂直方向(DY方向)にタイリング数を多くするのが好ましい。
X1〜X6 露光光学装置
LS 光源部(レーザー光源)
L1 第1光学系
LC コンバイナー
LE エキスパンダー
HK ホログラム感光材料
FK 干渉縞
L2 第2光学系
PR 楔プリズム(補正用光学素子)
MC 凹面ミラー(反射光学素子)
SC 凹面反射面(曲面反射面)
DO 回折光学素子(補正用光学素子)
SD 回折面
MD ダイクロイック積層ミラー(反射光学素子,補正用光学素子)
SR R反射面(曲面反射面,ダイクロイック反射面)
SG G反射面(曲面反射面,ダイクロイック反射面)
SB B反射面(曲面反射面,ダイクロイック反射面)
MR 平面ミラー
KR,KG,KB レーザー光束
HE ホログラフィック光学素子
FE ホログラム干渉縞
S1,S2 感材表面
R1 物体光
R2 参照光
C1 照明光
C2 再生光
K1 光束
P1 楔プリズム
IM0,IM 像面

Claims (9)

  1. 複数の波長に回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料に対して複数の波長のレーザー光束を照射することにより干渉縞の露光記録を行う製造方法であって、
    前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して前記複数の波長のレーザー光束を照射するとともに、その照射によって前記ホログラム感光材料を透過したレーザー光束を反射させてホログラム感光材料へ再入射させ、
    前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整することを特徴とする製造方法。
  2. 前記干渉縞の露光記録を露光光学装置を用いて行い、その露光光学装置が、
    前記複数の波長に対応した発光波長の複数のレーザー光源を有する光源部と、
    前記光源部から射出した前記複数の波長のレーザー光束を、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して照射する第1光学系と、
    前記第1光学系から射出して前記ホログラム感光材料を透過した前記複数の波長のレーザー光束を、反射させてホログラム感光材料へ再入射させることにより、前記ホログラム感光材料の他方の表面に対して照射する第2光学系と、を有し、
    前記第1光学系が、前記複数の波長のレーザー光束を重畳するコンバイナーと、そのコンバイナーで重畳されたレーザー光束の径を拡大するエキスパンダーと、を有し、
    前記第2光学系が、前記レーザー光束の反射を行う反射面を有し、
    前記第1光学系が、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることにより、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第2光学系が、前記反射面として曲面反射面を含む反射光学素子を有することを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 前記第2光学系が、前記ホログラム感光材料へ再入射する前記複数の波長のレーザー光束の波面を波長ごとに相違させる補正用光学素子を有することを特徴とする請求項2又は3記載の製造方法。
  5. 前記補正用光学素子が、前記ホログラム感光材料と前記曲面反射面との間に配置され、前記複数の波長のレーザー光束の偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束を透過させることにより、前記波面を波長ごとに相違させる透過光学素子であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 前記補正用光学素子が、前記複数の波長のレーザー光束の偏向方向がそれぞれ異なるように各レーザー光束を回折させることにより、前記波面を波長ごとに相違させる回折光学素子であることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  7. 前記補正用光学素子が、前記曲面反射面として特定の波長に反応する複数のダイクロイック反射面を有することにより前記反射光学素子と一体化されており、前記複数の波長のレーザー光束の反射波面がそれぞれ異なるように各レーザー光束を反射させることにより、前記波面を波長ごとに相違させるダイクロイック積層ミラーであることを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  8. 前記複数のダイクロイック反射面での反射が裏面反射であることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 複数の波長に回折効率のピークを有するホログラフィック光学素子の製造において、ホログラム感光材料に対して複数の波長のレーザー光束を照射することにより干渉縞の露光記録を行う露光光学装置であって、
    前記複数の波長に対応した発光波長の複数のレーザー光源を有する光源部と、
    前記光源部から射出した前記複数の波長のレーザー光束を、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対して照射する第1光学系と、
    前記第1光学系から射出して前記ホログラム感光材料を透過した前記複数の波長のレーザー光束を、反射させてホログラム感光材料へ再入射させることにより、前記ホログラム感光材料の他方の表面に対して照射する第2光学系と、を有し、
    前記第1光学系が、前記複数の波長のレーザー光束を重畳するコンバイナーと、そのコンバイナーで重畳されたレーザー光束の径を拡大するエキスパンダーと、を有し、
    前記第2光学系が、前記レーザー光束の反射を行う反射面を有し、
    前記第1光学系が、ホログラム再生の回折波長を波長ごとに個別に調整するために、前記ホログラム感光材料の一方の表面に対する前記複数の波長のレーザー光束の入射角度を波長ごとに相違させることを特徴とする露光光学装置。
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