JP2017193931A - 扉の取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 建物の開口部に取付けた外枠と扉本体との隙間を丁番の簡単な部品の交換作業のみで所要寸法にすること及び扉本体全体を外枠に対して所要の方向に移動できて、外枠又は扉本体の変形・変位に対応した補修が容易にできるようにする。【解決手段】 丁番Tの扉本体Dに固着させる取付面板(ヒンジ板)M2に扉本体Dを移動させるシフト方向に長い長孔状の皿ネジJの取付孔M22を設け、又同取付面板M2に開口M23を設け、同開口M23に嵌合体ADを嵌合し、同嵌合体ADの偏心した位置に皿ネジJの取付孔AD1を設け、皿ネジJで長孔の取付孔M22と円形状の取付孔AD1を扉本体Dに固着させることで、取付孔AD1の偏心量だけシフトさせる。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の人の出入口・窓の開口・収納室の物の出し入れ口等の開口部の外枠に丁番で枢着した扉本体でその開口部を開閉できるようにした扉の取付構造であって、外枠に対する扉本体の取付位置を水平方向・垂直方向又は斜め方向に移動できる技術に関する。
前記の丁番を使用して開口部の外枠に扉本体を取付け、開口部を開閉する扉の取付構造は広く使用され、周知の構造である。
しかし、この扉を長年使用して劣化することで、あるいは地震・建物の不等沈下等があると、開口部自体及び外枠の変形・変位又は扉本体の変形が生じ、扉本体の開閉動作に支障が生じたり、開閉が円滑でなくなったりする。あるいは、扉本体が直接外枠に当って閉鎖が困難となる問題が生起していた。
このような場合の解決法として、建物の開口部と扉全体の全面補修と扉の取り替え工事を行えば問題を解消するが、補修費が嵩むものであった。
又、扉の開閉に問題がなくとも、扉を閉じた状態における外枠と扉本体との間隙から雨水・外気の空気流(風)の進入・室内から室外へ又はその逆の室外から室内への騒音の伝播による騒音の問題、室内の空調の有効性保持又は扉本体の閉時の衝突音の問題点を解決する為に間隙の寸法を小さく調整することで問題点を軽減できるが、その間隙調整は困難であった。別の解決法として、扉本体と外枠との間の雨水・空気流・騒音遮断の気密ゴム又は扉閉時の衝撃振動を抑える気密ゴムを取付ける方法があるが、その気密ゴムを取付ける間隙の確保が従来の扉構造では難しいもので、気密ゴムによる解決ができないケースがあった。
更に、扉本体と出入口の開口周縁との間の上下・左右間隙を調整できる蝶番が特許文献1に開示されている。この特許文献1の構造は、出入り口の開口と扉本体との間の上下左右の隙間を調整できる舌片を進退自在に蝶番のヒンジ板に取付け、それを進退方向に移動量を決める調整ねじでの隙間寸法を決める構造である。
しかし、この構造では扉本体の外周に舌片が突出するので開口を出入りする人・物がその舌片で傷つく可能性があり、安全上問題がある。
又、長年使用した開口が変形・変位した場合、舌片の先端が開口部の隙間を閉鎖できず、隙間が残るものと判断される。又、気密性ゴムの取付けも舌片では難しいという問題点がある。
特開平8−121008号公報
従来の丁番を使った扉の取付構造の上記問題点を解消するもので、扉本体と外枠との間隙の寸法調整及び扉本体の外枠に対する取付位置の変更が丁番の交換又は嵌合体の取付孔の位置が違う適切な嵌合体の交換によって容易に迅速に行え、且つ安価な補修費用で済むという、扉の取付構造を提供することにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 建物に設けた人の出入口・窓の開口あるいは収納室の物の出し入れ口の開口部の外枠に丁番を介して枢着された扉本体が同開口部を開閉する扉の取付構造において、前記丁番の枢軸に回転自在に取付けられて且つ建物の外枠又は扉本体のいずれかに軸体外周にねじを螺刻して頭部が拡径したねじ又はボルトの連結具を複数用いて固着する一対の丁番の取付面板のうち、外枠に固着する側の取付面板には円形状の前記連結具を挿入する取付孔を複数設け、扉本体に固着する側の取付面板に設けた前記連結具を挿入する取付孔を複数設けるとともにその取付孔の孔形状を扉本体の取付位置を外枠に対して移動させるシフト方向に長く延びた長孔とし、又同扉本体側の取付面板に開口を設け、同開口の口縁と同形状の外形を有する別体の平板に連結具を挿入する円形状の取付孔を所定位置に設けた位置設定用嵌合体を前記開口に嵌合し、前記扉本体側の取付面板の長円状の取付孔と外枠側の取付面板の円形状の取付孔及び嵌合体の円形状の取付孔にそれぞれ連結具を挿入して取付孔から突出した軸体先端のねじ部を外枠又は扉本体に設けたタップとねじ螺合して固着する構造とし、嵌合体の取付孔の孔位置を変えることで扉本体と外枠との閉時の間隙を調整できることを特徴とする、扉の取付構造
2) 前記扉本体の取付位置を前記外枠に対し移動させる前記シフト方向を前記丁番の鉛直な枢軸と直交する左右水平方向とした、前記1)記載の扉の取付構造
3) 前記扉本体側の前記取付面板に設けた前記開口の平面形状及び前記嵌合体の外形状が円形状であり、嵌合体の円形状取付孔は嵌合体の中心から偏心した位置に設けられた、前記1)又は2)記載の扉の取付構造
4) 扉本体側の前記取付面板に設けた前記開口の平面形状及び前記嵌合体の外形状が楕円形状である、前記1)又は2)記載の扉の取付構造
5) 扉本体側取付面板の開口の口縁が、扉本体側に向けて縮径した傾斜面であり、又嵌合体の外縁が扉本体側に向けて縮径した傾斜したもので、上記傾斜面で嵌合して嵌合体の外縁が開口縁の上側となるように嵌合した、前記1)〜4)いずれか記載の扉の取付構造
にある。
本発明によれば、丁番の扉本体側に固着する取付面板の連結具の取付孔の形状を、扉本体の取付位置の移動のシフト方向に長くした長孔としたことによって、扉本体の取付位置を長孔の長くしたシフト方向で1〜7mm程変更できる。そのシフトの寸法は嵌合体の円形状の取付孔の適切な位置の嵌合体を使用(選択)し、その取付孔に連結具を挿入して扉本体に固着することでそのシフト寸法が決定し、この位置で連結具(ねじ・ボルト)で緊締することで扉本体をシフト方向の所要の位置に取付けることができる。
このように、扉本体を外枠に対してシフト方向の所要位置に取付けることができることで、外枠が変形・変位した場合には、その変形・変位の影響を避けることができる支障がないシフト方向の長孔の取付面板の丁番を選び、又そのシフト方向の取付位置の寸法はそれを可能とする嵌合体の適切な位置に設けた円形状取付孔のものを選択すればよく、複数のシフト方向の長孔の扉本体側取付面板を用意し、又円形状取付孔の位置が異なる複数の嵌合体を用意していれば、その選択のみで扉本体の取付位置を変更でき、外枠の変形・変位に対してかなり対応できる。又、外枠と扉本体との間隙も嵌合体の取付孔の位置選択で調整でき、間隙を狭くすることも又気密ゴムの間装を可能にするやや広めの間隙にすることも容易にでき、従来の問題点をかなり解消できるものとなった。
本体側取付面板の開口・嵌合体が円形状で且つ嵌合体の円形状取付孔が嵌合体の円中心から偏心した位置に設けられれば、一つの嵌合体はその方向を変えて2つの取付位置を可能にできる。
図1は実施例の要部である丁番の取付面板を拡げた状態を示す正面図である。 図2は実施例の丁番の平面図である。 図3は実施例の扉の取付状態を示す平面図である。 図4は実施例の扉本体側取付面板の開口と嵌合体の円形状取付孔との種々の偏心位置に設けた(A),(B),(C)タイプの例を示す説明図である。 図5は実施例の丁番の外枠と扉本体との取付状態を示す説明図である。 図6は実施例の丁番の外枠側の取付面板の皿ネジによる取付け状態を示す説明図である。 図7は本発明の扉本体側取付面板の開口と嵌合体との種々の外形状例を示す説明図である。 図8は本発明における種々のシフト方向の例を示す説明図である。 図9は図4のX−X線における拡大断面図である。
本発明の扉本体側に固着する取付面板の嵌合体及び開口の平面形状は、図7に示すように円形,楕円形,おむすび形,その他四角形,長方形,多角形等の種々の形状のものも使用可能である。又、嵌合体と開口との嵌合させる断面形状(端面形状)として嵌合体の外周縁及び開口の口縁の端面それぞれに取付ける扉本体の方向に向けて縮径するように傾斜面を設け、嵌合体が上となるように開口に嵌合させれば、嵌合体の上面の突出が少なく取付面板を扉本体に強く固定できるので好ましい。このように、端面を傾斜させなくても嵌合体及び開口を直角に遊びもなく、嵌合体を開口に嵌入するだけでも取付面板は位置決めできるので、このタイプも使用可能である。
本発明で、扉本体側の取付面板の長孔の取付孔は孔周縁が孔内側に向って傾斜させることによって、連結具の皿ネジを使用したとき長孔方向(シフト方向)に皿ネジを移動して、所要の位置でその傾斜面で嵌合して強固に連結できるので、連結具として皿ネジを使用する場合好ましい。
本発明は、扉の新設の場合の扉取付構造となるが、既設の扉の改修でも使用できる。この場合は、同じ枢軸で同じ寸法・取付孔位置の取付面板の本発明の所要のシフト方向で、シフト寸法の扉本体側取付板に既設の扉本体側取付面板を交換することで目的を達成できる。よって、既設の扉の補修としても使用できる。特に、既設の扉で外枠又は扉本体に気密ゴム(パッキン)を付設したい場合のその付設の為の扉本体と外枠との間隔(空隙)の寸法を確保したい場合にも使用できる。
一般に丁番は扉には通常複数取り付けられているので、本発明では扉の丁番を全部同じ構造のものとして扉本体が同じ方向で同じ寸法だけシフトできるようにする。尚、扉に一組の丁番のものは、本発明の丁番は一組又は複数組設けるようにしてもよい。
本発明の丁番の連結具は、通常の扉では皿ネジを使用し、同皿ネジの先端を取付ける側(外枠,扉本体)に設けた裏板のタップ(雌ねじ)に螺合して固着するのが通常である。外枠及び扉本体が木製の場合、通常の木ネジでも可能であり、更に頭の突出量が小さなボルトとタップ、又はボルトとナットでの連結でも可能であり、本発明はこれらを含むものである。
本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本実施例は、コンクリート建造物の出入口(玄関)に設けられたステンレス製の外枠と扉本体の扉での使用で、丁番は上下2組あって各組の丁番の各取付面板の寸法は62mm×60mm程で、20mm直径の枢軸に取付けられている。そして、外枠側取付面板には取付孔が5個あり、扉本体側の取付面板には鉛直な枢軸と直角な水平方向に11mm程延びた長孔の取付孔が4個所あり、その取付面板の中央に口径20mm直径の開口を設け、これに外径20mmの嵌合体を備えている。嵌合体の偏心位置の1mm,2mm,3mmに円形状取付孔を設けた3種類の嵌合体が用意されている。これによって、±1mm,±2mm,±3mmのシフト量を可能にした例である。
又、連結具は皿ネジを使用し、同皿ネジは外枠・扉本体側外周枠板に熔着された裏板のタップに螺合して固着される。更に、外枠と扉本体との間隙に防音・雨水進入防止・遮風及びドア閉時の衝撃・振動を抑える気密ゴム(パッキン)を付着している。
図面に示す実施例の符号を説明する。
Gは実施例の扉の取付構造、Dは扉本体、Dは扉本体Dのステンレス製の外周フレーム、Dは同外周フレームの内部側に熔着した裏板、D21は同裏板Dに設けた皿ネジJと螺合するタップ、Fは建造物の開口部の内周縁に固設したステンレス製の外枠、Fは同外枠Fの内部側に熔着した裏板、F12は同裏板に設けたタップである。
Tは実施例の丁番、Tは丁番Tの20mm直径の枢軸、Mは丁番Tの外枠Fに固着する側の取付面板、M11は同取付面板Mの枢軸Tに回転自在に取付けるためのC形状に曲げた抱持部、M12は取付面板Mを外枠Fに固着するため5個所設けた円形状の取付孔、Mは扉本体D側に固着する取付面板、M21は同取付面板Mを枢軸Tまわりに回転自在に取付けるためのC字状に曲げた抱持部、M22は取付面板Mに4個所設けた枢軸Tと直角の左右水平方向に延びたシフト用長孔の取付孔であって、孔縁は孔内側に向けて傾斜させている。M23は同取付面板Mの中央に設けた20mm直径の円形状開口であって、扉本体D方向に向って内側へ縮径させて端面を傾斜させている。Mは丁番Tの上下の取付面板M,Mの間に取付けているプラスチック製化粧カラーである。
ADは同開口M23に嵌合する20mm直径の円形の嵌合体であり、外周縁の端面を傾斜させている。ADは嵌合体ADの中心から1mm,2mm又は3mm偏心された位置に設けた円形状の取付孔であって、1,2,3mmのシフト寸法の取付孔を有する3種類の嵌合体ADが用意されている。
又、Jは連結具である皿ネジ、Pは外枠F又は扉本体Dの外周縁に沿って付着させた断面U字状の長尺の気密ゴムである。
この実施例では、丁番Tの外枠F側の取付面板Mをその取付位置に配置し、その取付面板Mの5個の円形状の取付孔M12に連結具の皿ネジJを挿入し、外枠Fの裏板FのタップF12に螺合して取付面板Mを外枠に固着する。
次に、扉本体D側に固着する取付面板Mの4個所の長孔の取付孔M22に皿ネジJを挿入する。この時は、皿ネジJを裏板DのタップD21に緩やかに螺合させる。この状態で、取付面板Mをシフト方向に動かして、所定寸法のシフトした所でそれに応じたシフト量となる嵌合体AD(例えば、2mm偏心の取付孔ADのもの)を嵌合し、皿ネジJをその取付孔ADに挿入して、扉本体D側の裏板DのタップD21に螺合して仮止めする。このシフト量2mmでよければ、取付面板Mの全ての取付孔の皿ネジJを深く螺合して取付面板Mを扉本体Dに固着する。扉にある全ての組の丁番Tをこのように設定し、取付面板Mを扉本体Dに固着する。
この結果、扉本体Dの外枠Fに対する取付位置が水平(左右)方向に2mmシフトさせることができる。これによって、外枠Fと扉本体Dとの間隙を調整できる。これによって、気密ゴムPをその間隙に配置して、外枠F又は扉本体D側の外周縁に付着できるようになる。又は、多少の外枠の変形・変位に対応できるように扉本体Dを取り付け直すことができるようになる。
上記例では、扉本体を水平方向にシフトさせた例であるが、斜め方向・上下方向にも同様に扉本体の取付位置を変更できる。
更に、実施例の外枠側取付面板Mを取付面板Mの構造として上下方向にシフトさせれば、上下方向にも扉本体を強くシフトさせることができる。
本発明は、玄関・窓の扉以外にも収納庫の扉にも使用できる。
G 実施例の扉の取付構造
D 扉本体
外周フレーム
裏板
21 タップ
F 外枠
裏板
12 タップ
T 丁番
枢軸
取付面板(外枠側)
11 抱持部
12 取付孔
取付面板(扉本体側)
21 抱持部
22 取付孔(長孔)
23 開口
化粧カラー
AD 嵌合体
AD 取付孔
J 皿ネジ
P 気密ゴム

Claims (5)

  1. 建物に設けた人の出入口・窓の開口あるいは収納室の物の出し入れ口の開口部の外枠に丁番を介して枢着された扉本体が同開口部を開閉する扉の取付構造において、前記丁番の枢軸に回転自在に取付けられて且つ建物の外枠又は扉本体のいずれかに軸体外周にねじを螺刻して頭部が拡径したねじ又はボルトの連結具を複数用いて固着する一対の丁番の取付面板のうち、外枠に固着する側の取付面板には円形状の前記連結具を挿入する取付孔を複数設け、扉本体に固着する側の取付面板に設けた前記連結具を挿入する取付孔を複数設けるとともにその取付孔の孔形状を扉本体の取付位置を外枠に対して移動させるシフト方向に長く延びた長孔とし、又同扉本体側の取付面板に開口を設け、同開口の口縁と同形状の外形を有する別体の平板に連結具を挿入する円形状の取付孔を所定位置に設けた位置設定用嵌合体を前記開口に嵌合し、前記扉本体側の取付面板の長円状の取付孔と外枠側の取付面板の円形状の取付孔及び嵌合体の円形状の取付孔にそれぞれ連結具を挿入して取付孔から突出した軸体先端のねじ部を外枠又は扉本体に設けたタップとねじ螺合して固着する構造とし、嵌合体の取付孔の孔位置を変えることで扉本体と外枠との閉時の間隙を調整できることを特徴とする、扉の取付構造。
  2. 前記扉本体の取付位置を前記外枠に対し移動させる前記シフト方向を前記丁番の鉛直な枢軸と直交する左右水平方向とした、請求項1記載の扉の取付構造。
  3. 前記扉本体側の前記取付面板に設けた前記開口の平面形状及び前記嵌合体の外形状が円形状であり、嵌合体の円形状取付孔は嵌合体の中心から偏心した位置に設けられた、請求項1又は2記載の扉の取付構造。
  4. 扉本体側の前記取付面板に設けた前記開口の平面形状及び前記嵌合体の外形状が楕円形状である、請求項1又は2記載の扉の取付構造。
  5. 扉本体側取付面板の開口の口縁が、扉本体側に向けて縮径した傾斜面であり、又嵌合体の外縁が扉本体側に向けて縮径した傾斜したもので、上記傾斜面で嵌合して嵌合体の外縁が開口縁の上側となるように嵌合した、請求項1〜4いずれか記載の扉の取付構造。
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