JP2017193674A - インクセット、インクジェット記録方法 - Google Patents

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正幸 池上
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悠平 清水
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Takashi Saito
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Abstract

【課題】 各色の画像の発色性に優れ、かつ、各インクを重ね合わせて記録した画像の耐オゾン性に優れるインクセットの提供。
【解決手段】 複数のインクの組み合わせを有するインクセットであって、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクのそれぞれが、特定の色材を含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクセット、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像保存性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。例えば、オゾンによる色間の褪色バランスを考慮したインクセットに関する提案がある(特許文献1参照)。また、インクジェット記録方法では様々な記録媒体への画像の記録が可能であり、記録媒体の種類に関わらずに高い発色性を達成することも要求されている(特許文献2参照)。
特開2010−037504号公報 特公昭60−033145号公報
耐オゾン性に優れる画像を与えるインクを得るためには、例えば、インクに含有させる色材として、高い堅牢性を有する色材を用いるというアプローチがある。しかし、各色のインクに、いたずらに堅牢性が良好である色材を用いても、これらのインクを用いて記録した画像の耐オゾン性は必ずしも良好であるとは限らないことがわかってきた。一方、画像の発色性を向上するためには、例えば、インクに含有させる色材として、高い発色性を有する色材を用いるというアプローチがある。しかし、発色性が良好である色材の分子構造と、耐オゾン性が良好である色材の分子構造とは、一般的には両立が困難である。
したがって、本発明の目的は、各色の画像の発色性に優れ、かつ、各インクを重ね合わせて記録した画像の耐オゾン性に優れるインクセット、前記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明にかかるインクセットは、複数のインクの組み合わせを有するインクセットであって、下記一般式(I)で表される化合物、及び下記一般式(II)で表される化合物を含有するブラックインク、下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物を含有するシアンインク、下記一般式(V)で表される化合物、及び下記一般式(VI)で表される化合物を含有するマゼンタインク、下記一般式(VII)、及び、C.I.ダイレクトイエロー132を含有するイエローインク、を含むことを特徴とする。
一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基、又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されても良い)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、又は、フェニルスルホニルアミノ基(フェニル部分は、ハロゲン原子、炭素数1乃至4のアルキル基、又はニトロ基で置換されても良い)を表す。Rは、水素原子、又はスルホン酸基を表す。nは、0、又は1を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
一般式(II)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、カルボン酸基、及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
一般式(III)中、破線で表される環A、B、C及びDはそれぞれ独立に、ベンゼン環、又は、複素芳香環を表す。複素芳香環の個数は平均値で0.0より大きく3.0以下であり、かつ、残りはベンゼン環である。Rはアルキレン基を表す。Rは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表し、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rはアルコキシ基を表す。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である。
一般式(IV)中、フタロシアニン環を構成する1以上のベンゼン環の3位及び3’位の少なくとも一方には置換基が導入されている。Rはアルキレン基を表す。Rはスルホン酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有するアニリノ基を表し、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又は、ジアルキルアミノ基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。lは0.0以上2.0以下であり、mは1.0以上3.0以下であり、nは1.0以上3.0以下であり、かつ、l、m及びnの和は2.0以上4.0以下である。
一般式(V)中、R、R、R、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル基を表す。R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリールオキシ基を表す。R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、下記式(a)で表される基を表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは下記式(a)で表される基である。R11はスルホン酸基、又は、スルファモイル基を表し、一般式(V)における芳香環の少なくとも1つの水素原子の位置に置換している。R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがイオン性基で置換されている場合にはnは0乃至3の整数を表し、イオン性基で置換されていない場合にはnは1乃至3の整数を表す。
(式(a)中、R12は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、又は、ヘテロ環基を表す。*は一般式(V)における芳香環との結合部位を表す。
一般式(VI)中、R、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に、アルキル基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。
一般式(VII)中、Rは1価の基を表す。Rは−OR、又は、−NHRを表す〔R及びRは、水素原子、又は、1価の基を表す〕。Rは、アルキル基、アリール基、又は、1価のトリアジン環基を表す。Rは、アリーレン基、又は、2価のヘテロ環基を表す。Rは2価の連結基を表す。nは0、又は1を表す。
本発明によれば、各色の画像の発色性に優れ、かつ、各インクを重ね合わせて記録した画像の耐オゾン性に優れるインクセット、前記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。色材のイオン性基は遊離酸型、塩型のいずれであってもよく、塩型の場合は、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムなどの塩とすることができる。
<インクセット>
本発明のインクセットは複数のインクの組み合わせを有するものであり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及び、イエローインクを少なくとも含み、好適にはさらにグレーインクを含む、インクジェット用として好適なインクセットである。本発明のインクセットは、シアンインクやマゼンタインクとして濃度が互いに異なる2種類以上のインクを有してもよい。これらのインクはいわゆる濃インクや淡インクと呼ばれるものである。以下、各インクの色材について説明する。
(ブラックインクの色材)
ブラックインクは、下記一般式(I)で表される化合物、及び、下記一般式(II)で表される化合物で表される化合物を含有する。
(一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基、又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されても良い)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、又は、フェニルスルホニルアミノ基(フェニル部分は、ハロゲン原子、炭素数1乃至4のアルキル基、又はニトロ基で置換されても良い)を表す。Rは、水素原子、又はスルホン酸基を表す。nは、0、又は1を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
(一般式(II)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、カルボン酸基、及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
一般式(I)で表される化合物、及び、一般式(II)で表される化合物の好適な具体例としては、それぞれ、下記の例示化合物Bk1、及び、例示化合物Bk2を挙げることができる。例示化合物は遊離酸の状態で示す。勿論、本発明においては、一般式(I)、及び、一般式(II)のそれぞれの構造及びそれらの定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。
ブラックインク中の各色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。ブラックインク中の各色材の含有量(質量%)は、それぞれ、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、ブラックインク中の一般式(I)で表される化合物、一般式(II)で表される化合物の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。前記合計含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性が十分に得られない場合があり、10.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られない場合がある。
ブラックインク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、色材の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、50.0%以上90.0%以下であることが好ましい。なかでも、65.0%以上80.0%以下であることがさらに好ましい。前記質量比率が、50.0%未満、又は、90.0%超であると、階調性を有する画像(初期の画像)において、ブラックインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。
ブラックインク中の一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)は、色材の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、10.0%以上50.0%以下であることが好ましい。なかでも、15.0%以上40.0%以下であることがさらに好ましい。前記質量比率が10.0%未満、又は、50.0%超であると、階調性を有する画像(初期及び耐オゾン性試験後の画像)において、ブラックインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。
また、ブラックインク中の一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)は、一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.20倍以上1.00倍未満であることが好ましい。この条件を満たす場合、階調性を有する画像(初期の画像)を、よりニュートラルな色調とすることができる。
本発明におけるブラックインクとして好ましい色調、すなわち、ニュートラルであり好ましい画像を与える色調とは、以下のことを意味する。ブラックインクを用いて記録デューティを100%から記録デューティを落として記録した階調性を有する画像について、分光光度計を用い、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbを測定する。そして、少なくとも記録デューティが100%である部分におけるa及びbの値が、−5≦a≦5かつ−5≦b≦5であるインクを、本発明においてはブラックインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。さらには、以下の規定を満たすブラックインクを、本発明においてはブラックインクとしてより好ましい色調を有するインクであるとしている。記録デューティが100%である部分におけるa及びbの値が−5≦a≦5かつ−5≦b≦5、さらに、記録デューティを落として記録した各階調においてはa及びbの値が−10≦a≦10かつ−10≦b≦10であることが好ましい。
(シアンインクの色材)
シアンインクは、下記一般式(III)で表される化合物、及び、下記一般式(IV)で表される化合物を含有する。
(一般式(III)中、破線で表される環A、B、C及びDはそれぞれ独立に、ベンゼン環、又は、複素芳香環を表す。複素芳香環の個数は平均値で0.0より大きく3.0以下であり、かつ、残りはベンゼン環である。Rはアルキレン基を表す。Rは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表し、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rはアルコキシ基を表す。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である。)
(一般式(IV)中、フタロシアニン環を構成する1以上のベンゼン環の3位及び3’位の少なくとも一方には置換基が導入されている。Rはアルキレン基を表す。Rはスルホン酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有するアニリノ基を表し、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又は、ジアルキルアミノ基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。lは0.0以上2.0以下であり、mは1.0以上3.0以下であり、nは1.0以上3.0以下であり、かつ、l、m及びnの和は2.0以上4.0以下である。)
一般式(III)で表される化合物、及び、一般式(IV)で表される化合物の好適な具体例としては、それぞれ、下記の例示化合物C1(m=2.8、n=0.2)、及び、例示化合物C2(m=2.0、n=2.0)を挙げることができる。例示化合物は遊離酸の状態で示し、置換基数は平均値であり、例示化合物C2はフタロシアニン環を構成する1以上のベンゼン環の3位及び3’位の少なくとも一方に置換基を有する。勿論、本発明においては、一般式(III)、及び、一般式(IV)のそれぞれの構造及びそれらの定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。
シアンインク中の各色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。シアンインク中の各色材の含有量(質量%)は、それぞれ、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、シアンインク中の一般式(III)で表される化合物、及び、一般式(IV)で表される化合物の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。前記合計含有量が0.1質量%未満であると、画像の耐オゾン性及び発色性が十分に得られない場合があり、10.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られない場合がある。
シアンインク中の一般式(III)で表される化合物の含有量(質量%)は、一般式(III)で表される化合物、及び、一般式(IV)で表される化合物の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、0.4倍以上0.8倍以下であることが好ましい。なかでも、0.6倍以上0.8倍以下であることがさらに好ましい。前記質量比率が0.4倍未満であると、高いレベルの画像の耐オゾン性が十分に得られない場合があり、0.8倍超であると、高いレベルの画像の耐ブロンズ性が十分に得られない場合がある。
本発明におけるシアンインクとして好ましい色調とは、以下のことを意味する。シアンインクを用いて記録デューティを100%として記録した画像について、分光光度計を用い、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、下記式に基づいて算出される色相角(H°)が、236°以上244°以下であるインクを、本発明においてはシアンインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。
≧0、b≧0(第一象限)では、H°=tan−1(b/a
≦0、b≧0(第二象限)では、H°=180+tan−1(b/a
≦0、b≦0(第三象限)では、H°=180+tan−1(b/a
≧0、b≦0(第四象限)では、H°=360+tan−1(b/a)。
(マゼンタインクの色材)
マゼンタインクは、下記一般式(V)で表される化合物、及び、下記一般式(VI)で表される化合物を含有する。
(一般式(V)中、R、R、R、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル基を表す。R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリールオキシ基を表す。R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、下記式(a)で表される基を表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは下記式(a)で表される基である。R11はスルホン酸基、又は、スルファモイル基を表し、一般式(V)における芳香環の少なくとも1つの水素原子の位置に置換している。R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがイオン性基で置換されている場合にはnは0乃至3の整数を表し、イオン性基で置換されていない場合にはnは1乃至3の整数を表す。)
(式(a)中、R12は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、又は、ヘテロ環基を表す。*は一般式(V)における芳香環との結合部位を表す。)
(一般式(VI)中、R、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に、アルキル基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。)
一般式(V)で表される化合物、及び、一般式(VI)で表される化合物の好適な具体例としては、それぞれ、下記の例示化合物M1(n=1〜2)、及び、例示化合物M2を挙げることができる。例示化合物は遊離酸の状態で示す。勿論、本発明においては、一般式(V)、及び、一般式(VI)のそれぞれの構造及びそれらの定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。
マゼンタインク中の各色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。マゼンタインク中の各色材の含有量(質量%)は、それぞれ、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、マゼンタインク中の一般式(V)で表される化合物、及び、一般式(VI)で表される化合物の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。前記合計含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性が十分に得られない場合があり、10.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られない場合がある。
マゼンタインク中の一般式(V)で表される化合物の含有量(質量%)は、一般式(V)で表される化合物、及び、一般式(VI)で表される化合物の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、90.0%以下であることが好ましい。前記質量比率が90.0%超であると、高いレベルの画像の耐光性が十分に得られない場合がある。また、前記質量比率は、50.0%以下であることがより好ましい。この場合、画像の耐光性を特に高いレベルとすることができる。一方、前記質量比率は、10.0質量%以上であることが好ましい。この場合、画像の発色性をより高いレベルとすることができる。
本発明におけるマゼンタインクとして好ましい色調とは、以下のことを意味する。マゼンタインクを用いて記録デューティを100%として記録した画像について、分光光度計を用い、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、シアンインクの場合と同様にして算出される色相角(H°)が、7°以上12°以下であるインクを、本発明においてはマゼンタインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。
(イエローインクの色材)
イエローインクは、下記一般式(VII)で表される化合物、及び、C.I.ダイレクトイエロー132を含有する。
(一般式(VII)中、Rは1価の基を表す。Rは−OR、又は、−NHRを表す〔R及びRは、水素原子、又は、1価の基を表す〕。Rは、アルキル基、アリール基、又は、1価のトリアジン環基を表す。Rは、アリーレン基、又は、2価のヘテロ環基を表す。Rは2価の連結基を表す。nは0、又は1を表す。)
一般式(VII)で表される化合物の好適な具体例としては、下記の例示化合物Y1を挙げることができる。例示化合物は遊離酸の状態で示す。勿論、本発明においては、一般式(VII)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。
イエローインク中の各色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。イエローインク中の各色材の含有量(質量%)は、それぞれ、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、イエローインク中の一般式(VII)で表される化合物、及び、C.I.ダイレクトイエロー132の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。前記合計含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性及び耐光性が十分に得られない場合があり、10.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られない場合がある。
イエローインク中の一般式(VII)で表される化合物の含有量(質量%)は、C.I.ダイレクトイエロー132の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.7倍以上10.0倍以下であることが好ましい。前記質量比率が0.7倍未満であると、光沢紙において、高いレベルの画像の発色性及び耐光性が十分に得られない場合があり、10.0倍超であると、普通紙において、高いレベルの画像の発色性が十分に得られない場合がある。
本発明におけるイエローインクとして好ましい色調とは、以下のことを意味する。イエローインクを用いて記録デューティを60%として記録した画像について、分光光度計を用い、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbを測定する。そして、得られたa及びbの値から、シアンインクの場合と同様にして算出される色相角(H°)が、86°以上93°以下であるインクを、本発明においてはイエローインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。さらには、色相角(H°)が88°以上90°以下であるイエローインクを、本発明においてはイエローインクとして特に好ましい色調を有するインクであるとしている。
(グレーインクの色材)
グレーインクは、前記一般式(II)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、及び、下記一般式(IX)で表される化合物を含有する。一般式(II)で表される化合物は、ブラックインクに用いる色材として先に説明したものである。
(一般式(VIII)中、Rは置換基を有するフェニル基を表し、前記置換基は、カルボキシ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)、及び、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有するパラフェニレン基を表し、前記置換基は、カルボキシ基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)、及び、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。Rは、カルボキシ基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又は、カルボキシ基を表す。Rは、シアノ基、カルバモイル基、又は、カルボキシ基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、スルホン酸基を表す。)
(一般式(IX)中、R、R、R、R、R、R、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は、1価の置換基を表す。R10は、窒素原子、又は、−C(R11)=を表す〔R11は、水素原子、スルホン酸基、カルボキシ基、置換されていてもよいカルバモイル基、又は、シアノ基を表す〕。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。)
一般式(VIII)で表される化合物、及び、一般式(IX)で表される化合物の好適な具体例としては、それぞれ、下記の例示化合物Bk3、及び、例示化合物Bk4を挙げることができる。例示化合物は遊離酸の状態で示す。勿論、本発明においては、一般式(VIII)、及び、一般式(IX)のそれぞれの構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。
グレーインク中の各色材の含有量は以下のようにすることが好ましい。グレーインク中の各色材の含有量(質量%)は、それぞれ、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。また、グレーインク中の一般式(II)で表される化合物、一般式(VIII)で表される化合物、及び、一般式(IX)で表される化合物の合計含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。前記合計含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性が十分に得られない場合があり、10.0質量%超であると、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られない場合がある。
グレーインク中の一般式(II)で表される化合物の含有量(質量%)は、色材の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、3.0%以上25.0%以下であることが好ましい。前記質量比率が3.0%未満であると、階調性を有する画像(初期の画像)において、グレーインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。また、前記質量比率が25.0%超であると、階調性を有する画像(耐光性試験後の画像)において、グレーインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。
グレーインク中の一般式(VIII)で表される化合物の含有量(質量%)は、色材の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、1.0%以上15.0%以下であることが好ましい。なかでも、1.0%以上10.0%以下であることがさらに好ましい。前記質量比率が1.0%未満、又は、15.0%超であると、階調性を有する画像(初期及び耐光性試験後の画像)において、グレーインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。
グレーインク中の一般式(IX)で表される化合物の含有量(質量%)は、色材の合計含有量(質量%)に対する質量比率で、65.0%以上95.0%以下であることが好ましい。なかでも、70.0%以上90.0%以下であることがさらに好ましい。前記質量比率が65.0%未満、又は、95.0%超であると、階調性を有する画像(初期及び耐光性試験後の画像)において、グレーインクとして十分に好ましい色調が得られない場合がある。
本発明におけるグレーインクとして好ましい色調、すなわち、ニュートラルであり好ましい画像を与える色調とは、以下のことを意味する。グレーインクを用いて記録デューティを100%から記録デューティを落として記録した階調性を有する画像について、分光光度計を用い、CIE(国際照明委員会)により規定されたL表示系におけるa及びbを測定する。そして、少なくとも記録デューティが100%である部分におけるa及びbの値が、−5≦a≦5かつ−5≦b≦5であるインクを、本発明においてはグレーインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。さらには、以下の規定を満たすグレーインクを、本発明においてはグレーインクとしてより好ましい色調を有するインクであるとしている。記録デューティが100%である部分におけるa及びbの値が−5≦a≦5かつ−5≦b≦5、さらに、記録デューティを落として記録した各階調においてはa及びbの値が−10≦a≦10かつ−10≦b≦10であることが好ましい。
(水性媒体)
本発明のインクセットを構成する各インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。各インク中の水の含有量(質量%)は、各インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。各インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、各インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。なかでも、10.0質量%以上50.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクセットを構成する各インクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクは必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
国際公開第2006/051850号公報の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物Bk1を合成した。国際公開第2006/001274号の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物Bk2を合成した。国際公開第2007/077391号の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物Bk3を合成した。国際公開第2012/014954号の記載を参考にして、リチウム及びナトリウムの混合塩型(Li/Na=80%/20%)の例示化合物Bk4を合成した。
国際公開第2012/050061号の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物C1を合成した。特開2004−323605号公報の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物C2を合成した。特開2011−148973号公報の記載を参考にして、ナトリウム塩型の例示化合物M1を合成した。特開2006−143989号公報の記載を参考にして、リチウム塩型の例示化合物M2を合成した。特開2004−083903号公報の記載を参考にして、カリウム塩型の例示化合物Y1(カリウム塩)を合成した。
<インクの調製>
表1に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.2μmのフィルターを用いて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。表1中の「アセチレノールE100」はノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、表2の左側に示す組み合わせでインクセットとした。インクセットを構成する各インクを、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS Pro9000 MarkII」、キヤノン製)にそれぞれ搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を記録デューティが100%であると定義する。記録媒体としては、光沢紙(商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT201」、キヤノン製)、及び、マット紙(商品名「マットフォトペーパー」MP101、キヤノン製)を用いた。画像の光学濃度は、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用い、光源:D50、視野:2°の条件で測定を行った。評価結果を表2の右側に示す。
(単色の耐オゾン性)
インクセットを構成する各インクをそれぞれ用いて、光沢紙に、記録デューティを10%から180%まで10%刻みで変化させた各階調のベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物における各階調のベタ画像の光学濃度を測定し、光学濃度が1.0となるベタ画像を特定した。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmの条件で24時間、オゾン曝露を行った。その後、先に測定したものと同じベタ画像の光学濃度を再び測定した。そして、光学濃度の残存率(%)=(曝露後の光学濃度/曝露前の光学濃度)×100を算出し、以下に示す評価基準にしたがって単色の耐オゾン性を評価した。
A:インクセットを構成する全てのインクについて、光学濃度の残存率が70%以上であった。
B:少なくとも1種のインクについて、光学濃度の残存率が70%未満であった。
(褪色バランス)
インクセットを構成する各インクを用いて、光沢紙にコンポジットブラックのベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物におけるベタ画像について、シアン、マゼンタ、及び、イエローの各色成分についての光学濃度をそれぞれ測定した。この記録物をオゾン試験装置(商品名「OMS−H」、スガ試験機製)中に載置し、槽内温度23℃、相対湿度50%、オゾンガス濃度10ppmの条件で24時間、オゾン曝露を行った。その後、各色成分についての光学濃度を再び測定した。そして、各色成分について、光学濃度の残存率(%)=(曝露後の光学濃度/曝露前の光学濃度)×100を算出した。そして、シアン成分、マゼンタ成分、及び、イエロー成分の光学濃度の残存率の最大値及び最小値の差の絶対値(ΔOD値)を求め、以下に示す評価基準にしたがって褪色バランスを評価した。ΔOD値が大きいほど、いずれかの色相の方向に褪色し、カラーバランスが低くなることを意味する。
A:ΔOD値が15未満であった。
B:ΔOD値が15以上であった。
(発色性)
インクセットを構成する各インクを用いて、光沢紙及びマット紙に、記録デューティを60%とした各色のベタ画像を記録して記録物を得た。得られた記録物におけるベタ画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって発色性を評価した。
〔光沢紙における発色性の評価基準〕
A:ブラック、シアン、マゼンタ、及び、イエローの各インクの全てについて、光学濃度が1.7以上であった。
B:少なくとも1種のインクについて、光学濃度が1.7未満であった
〔マット紙における発色性の評価基準〕
A:シアン、マゼンタ、及び、イエローの各インクの全てについて、光学濃度が1.2以上であった。
B:少なくとも1種のインクについて、光学濃度が1.2未満であった。

Claims (5)

  1. 複数のインクの組み合わせを有するインクセットであって、
    下記一般式(I)で表される化合物、及び下記一般式(II)で表される化合物を含有するブラックインク、

    (一般式(I)中、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルファモイル基、N−アルキルアミノスルホニル基、N−フェニルアミノスルホニル基、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基で置換されていてもよい)、ニトロ基、アシル基、ウレイド基、炭素数1乃至4のアルキル基(ヒドロキシ基、又は炭素数1乃至4のアルコキシ基で置換されても良い)、炭素数1乃至4のアルコキシ基(アルキル部分は、ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボン酸基で置換されても良い)、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、又は、フェニルスルホニルアミノ基(フェニル部分は、ハロゲン原子、炭素数1乃至4のアルキル基、又はニトロ基で置換されても良い)を表す。Rは、水素原子、又はスルホン酸基を表す。nは、0、又は1を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)

    (一般式(II)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、カルボン酸基、及びスルホン酸基の少なくとも一方を有する脂肪族アミン残基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
    下記一般式(III)で表される化合物、及び下記一般式(IV)で表される化合物を含有するシアンインク、

    (一般式(III)中、破線で表される環A、B、C及びDはそれぞれ独立に、ベンゼン環、又は、複素芳香環を表す。複素芳香環の個数は平均値で0.0より大きく3.0以下であり、かつ、残りはベンゼン環である。Rはアルキレン基を表す。Rは1以上のスルホン酸基を有するアニリノ基を表し、カルボキシ基、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rはアルコキシ基を表す。mは0.0より大きく3.9未満であり、nは0.1以上4.0未満であり、かつ、m及びnの和は1.0以上4.0未満である。)

    (一般式(IV)中、フタロシアニン環を構成する1以上のベンゼン環の3位及び3’位の少なくとも一方には置換基が導入されている。Rはアルキレン基を表す。Rはスルホン酸基及びカルボキシ基の少なくとも一方を有するアニリノ基を表し、リン酸基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、ニトロ基、及び、ハロゲン原子からなる群より選ばれる1以上の置換基を有していてもよい。Rは、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、又は、ジアルキルアミノ基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。lは0.0以上2.0以下であり、mは1.0以上3.0以下であり、nは1.0以上3.0以下であり、かつ、l、m及びnの和は2.0以上4.0以下である。)
    下記一般式(V)で表される化合物、及び下記一般式(VI)で表される化合物を含有するマゼンタインク、

    (一般式(V)中、R、R、R、及びR10はそれぞれ独立に、アルキル基を表す。R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリールオキシ基を表す。R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、下記式(a)で表される基を表し、R、R、R、及びRの少なくとも1つは下記式(a)で表される基である。R11はスルホン酸基、又は、スルファモイル基を表し、一般式(V)における芳香環の少なくとも1つの水素原子の位置に置換している。R、R、R、R、R及びRの少なくとも1つがイオン性基で置換されている場合にはnは0乃至3の整数を表し、イオン性基で置換されていない場合にはnは1乃至3の整数を表す。)

    (式(a)中、R12は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アルケニル基、又は、ヘテロ環基を表す。*は一般式(V)における芳香環との結合部位を表す。)

    (一般式(VI)中、R、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に、アルキル基を表す。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。)
    下記一般式(VII)、及び、C.I.ダイレクトイエロー132を含有するイエローインク、

    (一般式(VII)中、Rは1価の基を表す。Rは−OR、又は、−NHRを表す〔R及びRは、水素原子、又は、1価の基を表す〕。Rは、アルキル基、アリール基、又は、1価のトリアジン環基を表す。Rは、アリーレン基、又は、2価のヘテロ環基を表す。Rは2価の連結基を表す。nは0、又は1を表す。)
    を含むことを特徴とするインクセット。
  2. 前記インクセットがさらに、前記一般式(II)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、及び、下記一般式(IX)で表される化合物を含有するグレーインクを含む請求項1に記載のインクセット。

    (一般式(VIII)中、Rは置換基を有するフェニル基を表し、前記置換基は、カルボキシ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、スルファモイル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)、及び、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。R及びRはそれぞれ独立に、置換基を有するパラフェニレン基を表し、前記置換基は、カルボキシ基、スルホン酸基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基(ヒドロキシ基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)、及び、炭素数1乃至4のアルキルスルホニル基(ヒドロキシ基、スルホン酸基、又はカルボキシ基で置換されていてもよい)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。Rは、カルボキシ基で置換されていてもよい炭素数1乃至4のアルキル基、スルホン酸基で置換されていてもよいフェニル基、又は、カルボキシ基を表す。Rは、シアノ基、カルバモイル基、又は、カルボキシ基を表す。R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至4のアルキル基、ハロゲン原子、又は、スルホン酸基を表す。)

    (一般式(IX)中、R、R、R、R、R、R、R、R、及び、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は、1価の置換基を表す。R10は、窒素原子、又は、−C(R11)=を表す〔R11は、水素原子、スルホン酸基、カルボキシ基、置換されていてもよいカルバモイル基、又は、シアノ基を表す〕。Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は、有機アンモニウムを表す。)
  3. 前記シアンインクとして、濃度が互いに異なる2種類以上のインクを有する請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記マゼンタインクとして、濃度が互いに異なる2種類以上のインクを有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセットを構成する各インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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