JP2017193096A - 混練用スクリュ及び単軸押出機 - Google Patents

混練用スクリュ及び単軸押出機 Download PDF

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Abstract

【課題】
単軸押出機による樹脂組成物の混練において、高速混練時に、混練時の混練を高め、かつ樹脂の剪断発熱を抑える。

【解決手段】
複数条の螺旋状のフライトと溝を備え、前記螺旋状の溝には前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部を備え、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状であり、前記凸部の頂部部分の幅がスクリュの外径の0.3倍以下であることを特徴とした、単軸押出機用スクリュ。

【選択図】図6

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物の可塑化混練に用いる単軸押出機用スクリュ及び単軸押出機に関するものである。
樹脂同士の混練や樹脂と粉体粒子の混練といった2種類以上の原料を混練する場合、特に原料樹脂として熱可塑性樹脂を使用して、混練物を連続的に製造する場合には、スクリュを備えた押出機を用いて混練がなされる。こうした押出機による混練に対しては、押出機内で溶融された原料を十分に混練し、混練後の樹脂組成物が均一な状態で吐出されるような性能が求められる。不均一なまま押し出されると各成分の濃度の偏りによって混練物の物性が低下する、また異なる色の原料を混練した場合には混練品に色むらが発生する等の不具合が発生する。
しかし、単軸押出機におけるスクリュは、スクリュを回転させることによって、供給された原料をスクリュの螺旋方向の流路に可塑化しながら強制的に移送する機能を持っているが、螺旋方向が一定方向であるために高い混練作用は得られない問題点があった。
こうした対策として、スクリュの混練部の部品の混練性能を向上させるよう、従来、スクリュに可塑化した原料の流れを分流させるような加工が施されてきた。
例えば、特許文献1では、スクリュの混練部品として、螺旋方向に沿って混練溝を刻設し、混練溝を螺旋方向に沿って浅くて狭い浅狭溝部と深くて広い深広溝部とに交互に連続成形すると共に、浅狭溝とを流通路で各々接続して、乱流により混練を得る構造が挙げられる。
連続製造が可能である押出機による混練は、バッチ式の混練と比べて連続製造による低コスト化に向いた製造方法であるが、近年、製造コストのさらなる低減のために、高吐出条件での製造条件が求められるようになった。
しかし、こうした混練部品は混練性を上げるために原料流路を複雑にしているため、原料流路の断面積が狭く、特に高吐出の条件では樹脂組成物にかかる剪断力が大きく増加し、混練時の樹脂組成物が発熱する傾向を示す。
この発熱に伴い、溶融している樹脂の粘度および弾性は温度に依存して下がり、樹脂組成物に十分な力が掛からないため、混練性が低下する問題が生じる。また、樹脂組成物の発熱時に樹脂組成物が熱劣化を生じるため、吐出後の樹脂組成物の物性低下も問題として生じるようになった。
実用新案 平2―82514
本発明では、熱可塑性樹脂組成物の混練押出を行った際、樹脂温度の上昇を抑えながら、高い混練性能を持つスクリュ及び押出機を提供することを課題とする。
本発明者らは、課題を解決するために、スクリュの混練部品の構造について鋭意検討の結果、スクリュの混練部品の溝内に凸部を設けた構造を見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、混練部品が、複数条の螺旋状のフライトと溝を備え、前記螺旋状の溝には前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部を備え、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状であり、前記凸部の頂部部分の幅がスクリュの外径の0.3倍以下であることを特徴の形状とすることで問題が解決される。
単軸押出機では、螺旋状の溝とシリンダ間を樹脂組成物が螺旋状のフライトに沿って流れるが、本発明の形状の混練部品では、溝とシリンダ間を流れる樹脂組成物の流れを阻害するよう、溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部が形成されている。
前記凸部の頂部は溝の深さより低いため、凸部の頂部と単軸押出機のシリンダの間には狭い原料流路となる幅狭部が形成されている。凸部は溝の幅方向に渡って形成されているため、スクリュ溝を螺旋方向に流れる樹脂組成物は、前記幅狭部へ流入する際に圧縮され、また幅狭部から流出後には、圧縮されていた樹脂組成物は開放される。
本発明では、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状にした場合、前記幅狭部への流入直前の流路断面積と幅狭部の流路断面積の差、ならびに幅狭部の流路断面積と流出後の流路断面積の差が大きくなる。前記の結果、幅狭部では樹脂組成物の急激な圧縮、開放が与えられる。
本発明者らは、樹脂組成物が流入する凸部の斜面の形状を前記形状とすることで、幅狭部へ樹脂組成物が流入する際の圧縮による混練効果が大きく、前記凸部の頂部の幅を狭くして、流路断面積が小さい幅狭部の区間が少ない場合にも、十分な混練効果は得られながら、幅狭部での樹脂の剪断発熱は抑えられることを見出した。
口径の異なる押出機ならびにスクリュの場合、スクリュの単位断面積あたりに占める樹脂組成物の量が異なるため、本発明者らは口径の異なるスクリュで、さらに検討した結果、前記凸部の頂部の幅が、スクリュ外径の0.3倍以下であれば、樹脂の剪断発熱を抑えられることを見出した。
また、本発明者らは、樹脂組成物が前記幅狭部から流出する側の凸部の斜面も前記形状とすることで、急激な開放による吸熱により、樹脂の剪断発熱は抑えられることを見出した。
また、本発明者らは、前記の圧縮と開放による混練効果は、凸部の溝からの高さを低くし、凸部の頂部とシリンダとの距離を長くとり、幅狭部の断面積が広くなった場合にも本発明は有効に作用することも見出し、幅狭部の断面積が広くなった結果、樹脂の剪断発熱をさらに抑えられることも見出した。
また、十分な混練を得るためには混練部品内に前記凸部の数を多く設けることが好ましいが、本発明者らは、凸部で圧縮、及び開放を受けた樹脂組成物が、一定の間、開放された状態で溝の流路を流動することで、圧縮時に樹脂組成物内にかかった力を十分に緩和された後、次の凸部で圧縮、ならびに開放を受けることで、発熱を抑制しながら、有効に混練されることを見出した。
この観点から、混練部品の螺旋部分の条数を複数条とすることで各条に凸部を多数設けることが望ましく、本発明者らは、前記螺旋部分の条数について検討した結果、2〜6条であれば、混練効果を有効に得られ、かつ樹脂の剪断発熱を抑えられることを見出した。
また、発明者らは、スクリュの螺旋状のフライトに切れ込みを設けることで、幅狭部へ流入する樹脂組成物の圧力を任意に調整することで、樹脂温度の上昇をさらに抑えられる事を見出した。
また、本発明は、上記構造を混練部品として備えたスクリュ、ならびにそのスクリュを備えた押出機を提供する。
本発明では、熱可塑性樹脂組成物の混練押出を高吐出の製造条件で行った際、樹脂温度の上昇を抑えながら、高い混練性能を持つスクリュ及び単軸押出機が得られる。
すなわち、スクリュの混練部品が、複数条の螺旋状のフライトと溝を備え、前記螺旋状の溝には前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部を備え、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状であり、前記凸部の頂部部分の幅がスクリュの外径の0.3倍以下であることを特徴とした、単軸押出機用スクリュとすることで、原材料の発熱を抑えながら優れた混練効果を持つスクリュ及び押出機が得られる。
本発明に係る単軸押出機及びスクリュの全体を示す断面図 本発明の混練部品の側面図 図2の混練部品のA−A’断面の凸部10付近の図 凸部頂部の幅が広い場合の図2の混練部品のA−A’断面の凸部10付近の図 凸部を溝の螺旋方向に溝の底面と垂直に切った断面ならびに樹脂の流路 凸部を溝の幅方向に溝の底面と垂直に切った断面の頂部および斜面の形状 比較例5,6の凸部を溝の幅方向に溝の底面と垂直に切った断面の頂部および斜面の形状
本発明は、混練部品を備えた単軸押出機に使用されるスクリュであって、前記混練部品が、複数条の螺旋状のフライトと溝を備え、前記螺旋状の溝には前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部を備え、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状であり、前記凸部の頂部部分の幅がスクリュの外径の0.3倍以下であることを特徴とした、単軸押出機用スクリュである。以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、単軸押出機では、内部が空洞となったシリンダ2とシリンダ内に収容された回転可能なスクリュ3を有している。スクリュは螺旋状のフライト5と溝6を有し、スクリュを回転させることで、ホッパー4から供給された原料を、加熱されたシリンダ2と溝6の間に定量供給しながら押出口方向7へと移送する。このシリンダ2と溝6の間で移送される原料は、押出口方向7へ移送されるに伴い、シリンダに巻かれたヒーター8からの熱、ならびに原料とシリンダ及び原料とスクリュの剪断熱により加温されて樹脂が溶融して原料は可塑化される。
スクリュ3は、前記のようにホッパー4から供給された材料を定量供給する供給部31、原料中の樹脂が溶融して原料が可塑化される圧縮部32、可塑化された材料を計量する計量部33の3箇所のゾーンに分けられる。
本発明となる混練部品は、図2及び図5に示すように、螺旋状に多条の溝6を有し、溝6内の原料の螺旋方向への流れを阻害するよう、前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部10が設けられ、凸部の頂部14とシリンダ2の間には狭い原料流路となる幅狭部18が存在する。
本発明では、急激な圧縮、開放を得るため、図5及び図6に示すように、流入前の原料流路16と前記幅狭部18との、また幅狭部18と流入後の原料流路17との流路断面積の差が大きいことが必要である。この観点、ならびに原料の流れの停滞箇所がないようにする観点から、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状とすることが好ましい。
前記凸部の斜線の形状は、図6に示すように、凸部の頂点20−aと、凸部の斜面が溝の底面15から立ち上がり始める点21−aとを結んだ仮想直線22−aより、溝の底面側に凹んでいる形状を示し、また同様に凸部の頂点20−bと、凸部の斜面が溝の底面15から立ち上がり始める点21−bとを結んだ仮想直線22−bより、溝の底面側に凹んでいる形状を示す。
前記凸部の斜面12の曲率は、前記のように凹となっていることで、凸部前後の前記原料流入側と幅狭部、また原料流出側と幅狭部の間の断面積に差が生まれるので、任意の曲率としてよい。また、幅狭部への流入側の斜面12−aと流出側の斜面12−bの曲率を別としてもよい。
樹脂温度の上昇を抑えるために、図3、図5及び図6に示すように、前記凸部10の頂部14の幅19は、幅が0mmとなるような頂部が尖った形状が望ましいが、前記形状の場合、頂部が刃物状の突起となり製造時に作業者の接触による傷害が生じたり、また長期使用時に樹脂との摩擦により突起部分の摩耗が生じる。このため、樹脂の発熱に影響しない範囲で、図4に示すように、頂部の幅は0mm以上としても良い。
この観点から、凸部の頂部の幅19は、好ましくはスクリュ口径の0〜0.3倍、より好ましくは0〜0.15倍とすることができる。
十分な混練性能を得るためには、混練部品内に前記凸部10の数を多く設けることが好ましいが、凸部で圧縮、及び開放を受けた樹脂組成物は、一定の間、開放された状態で溝の流路を流動する中で、圧縮時に樹脂組成物内にかかった力を十分に緩和された後、次の凸部で圧縮、ならびに開放を受けることで、有効に混練される。
この観点から、混練部品の螺旋部分の条数を複数条とすることで凸部を多数設けることができる。ただし、条数が増えるに従い、溝の断面積は小さくなり溝を流れる樹脂組成物も剪断発熱するため、条数は2〜6条とすることが好ましい。
混練部品の全長は、長くすることで凸部を多数設置できる。樹脂の発熱を抑えた適度な樹脂温度で成形するためには、スクリュの全長の1/20〜1/2が好ましく、より好ましくは1/10〜1/2が望ましい。
前記凸部の頂部14の溝の底面12からの高さは、高い程、幅狭部の断面積が狭くなるため、混練効果が得られ、低い程、幅狭部の断面積は広くなるため、樹脂の剪断発熱が抑えられる。
凸部頂部の溝の底面からの高さは、溝深さの1/10〜9/10であることが好ましく、より好ましくは1/10〜6/10であることが好ましい。
各凸部の幅狭部へ流入する樹脂組成物の圧力は、各々の凸部で異なるため、効率的に樹脂組成物の発熱を抑制できるよう、各凸部の幅狭部14へ流入する樹脂組成物の圧力を任意に調整するためにフライト部に複数の切れ込み11を設けることができる。
本発明のスクリュは、混練部品を原料が可塑化された箇所であれば、混練効果ならびに、樹脂の剪断発熱を抑えた効果が発現されるので、混練部品は、図2に示すスクリュの計量部31、または圧縮部32のいずれか、あるいは両方に備えることができる。
本発明の単軸押出機は、図1に示すように、前記スクリュ3を備えたものであればよく、シリンダの形状は一般的な円筒状のものでもよく、任意にシリンダに溝を設けたものでもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、実施例などにおいて「部」および「%」は特に断りのない限り、「質量部」および「質量%」を表わす。
(原料)
実施例及び比較例に説明する、原料として使用した原料樹脂組成物は、混練時の色を確認するために、以下のように熱可塑性樹脂と顔料とが混合されているペレットを使用した。

・原料Aは、直鎖状低密度ポリエチレン(製品名 ノバテックLL UF230、メルトフローレート 1g/10min(JIS K7210:1999)、日本ポリエチレン株式会社製)80部と酸化チタン(製品名 R−103:製造元 ケマーズ株式会社製)20部の混合物。

・原料B 直鎖状低密度ポリエチレン(製品名 ノバテックLL UJ790、メルトフローレート 50g/10min(JIS K7210:1999)、日本ポリエチレン株式会社製)90部とシアニンブルー(製品名 Lionol Blue SL:製造元 トーヨーカラー株式会社)10部の混合物。

・原料C 直鎖状低密度ポリエチレン(製品名 ノバテックLL UF230、メルトフローレート 1g/10min(JIS K7210:1999)、日本ポリエチレン株式会社製)90部とカーボンブラック(製品名 BP880:製造元 Cabot社)10部の混合物。

・原料D 直鎖状低密度ポリエチレン(製品名 ノバテックLL UJ480、メルトフローレート 30g/10min(JIS K7210:1999)、日本ポリエチレン株式会社製)90部と酸化チタン(製品名 R−103:製造元 ケマーズ株式会社製)10部の混合物。
(混練樹脂組成物の作成方法)
混練樹脂組成物の作成は以下のようにして行った。作成に使用する機械は、各実施例及び比較例に記載した構造のスクリュを、各実施例及び比較例に記載した単軸押出機に装着し、単軸押出機の吐出部にダイ穴径3mm、ダイ穴数5個のダイを装着したものを使用した。
サンプルの作成は、単軸押出機の押出温度が供給部80℃、圧縮部150℃、計量部240℃となるよう設定し、各実施例及び比較例で指定した2種類の原料のペレット各50部をハンドブレンドにより混ぜ合わせたうえで、単軸押出機のホッパーに投入し、各実施例及び比較例に記載したスクリュ回転で混練押出し、得られたストランドを長さ3mmとなるようストランドカットして、混練樹脂組成物のペレットを得た。
(混練性の評価)
混練樹脂組成物の混練の状態の評価は以下のようにして実施した。
まず、各実施例及び比較例で得られた混練樹脂組成物のペレットを、熱プレスを用いて潰して20×20×0.1cmのシートを作成した。このシートの色ムラを目視により確認して、1〜3の3段階の状態で評価した。数値が低い程、シート全体に色ムラが見られない均一な混練物が得られたことを表し、シート全面に渡り色が均一なシートを1、潰されたペレット内に微小な色ムラが見られるシートを2、潰されたペレットによりシート全面に渡って色ムラが見られるシートを3とした。数値が低いほど、均一に混練が得られていることを表す。結果を表1に示す。
(混練時の樹脂温度の上昇の評価)
実施例と比較例における混練樹脂組成物作成時の樹脂温度の上昇の評価は、押出機ダイより吐出される溶融樹脂を温度計により測定して、押出機の設定温度の240℃に対する樹脂温度の上昇分を評価し、押出機の設定温度+15℃以上となる樹脂温度255℃以上を×(不良)、それ以下を○(良好)とした。
各実施例と比較例で使用した押出機は、シリンダ口径の異なるものを比較するため、下記の2種類を使用した。
押出機A PSV−30押出機(タニフジエンジニアリング製、シリンダ口径30mm)
押出機B SPM−45押出機(タニフジエンジニアリング製、シリンダ口径45mm)
<実施例1、2>
スクリュ外径30mm、スクリューの長さとスクリュー外径の比(L/D)=36のスクリュの、圧縮部に下記混練部品を設けたスクリュを押出機Aの単軸押出機を使用した。
(a)条数 3条
(b)凸部の設置箇所 各溝の1ピッチ周期に1箇所
(c)凸部の斜面 図6に示すように、凸部の斜面が溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状
(d)凸部の頂部の幅 1mm(スクリュ外径との比 0.03)
(e)凸部頂部の溝の底面からの高さ 混練部の溝深さに対して3/10
(f)混練部品の長さ 360mm(スクリュー全長の1/3)

前記単軸押出機を使用して、原料A 50部と原料B 50部を、実施例1ではスクリュ回転150rpm、実施例2では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。スクリュの構成は、混練部品以外の箇所は1条のフルフライトの構成とした。
各評価結果を表1に示す。実施例1及び実施例2とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価ともに良好な結果が得られた。
<実施例3、4>
実施例1及び2と同じスクリュと押出機を使用し、原料として原料C 50部と原料D 50部に変更し、実施例3ではスクリュ回転150rpm、実施例4では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。実施例3及び実施例4とも、実施例1及び実施例2から原料を変更した場合も、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価ともに良好な結果が得られた。
<実施例5、6>
スクリュの構成として、実施例1及び2から、混練部品をスクリュ内に備える箇所を計量部に変更し、混練部品以外の箇所は1条のフルフライトの構成とした。混練部品の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、実施例5ではスクリュ回転150rpm、実施例6では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。実施例5及び実施例6とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価とも良好な結果が得られた。
<実施例7、8>
混練部品の条数を、実施例1及び2から変更し、6条とした。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、実施例7ではスクリュ回転150rpm、実施例8では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。実施例7及び実施例8とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価とも良好な結果が得られた。
<実施例9、10>
混練部品の凸部の頂部の幅を実施例1及び2から変更し、9mm(スクリュ外径との比0.3)とした。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、実施例9ではスクリュ回転150rpm、実施例10では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。実施例9及び実施例10とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価とも良好な結果が得られた。
<実施例11、12>
スクリュ外径を変更するため、単軸押出機を押出機Bに変更し、スクリュとして外径45mm、L/D=36、圧縮部に下記混練部品を設けたものを使用した。
(a)条数 3条
(b)凸部の設置箇所 各溝の1ピッチ周期に1箇所
(c)凸部の斜面 図6に示すように、凸部の斜面が溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状
(d)凸部の頂部の幅 13mm(スクリュ外径との比 0.29)
(e)凸部頂部の溝の底面からの高さ 混練部の溝深さに対して3/10
(f)混練部品の長さ 540mm(スクリュ全長の1/3)

前記スクリュを押出機に備え、原料A 50部と原料B 50部を、実施例1ではスクリュ回転150rpm、実施例2では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。スクリュの構成は、混練部品以外の箇所は1条のフルフライトの構成とした。
各評価結果を表1に示す。実施例11及び実施例12とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価とも良好な結果が得られた。
<実施例13、14>
実施例1及び2のスクリュの混練部品のフライトに、各凸部から半ピッチ先の箇所に、長さ6mm、スクリュ頂部からの深さ3mmの切れ込みを設けた。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、実施例13ではスクリュ回転150rpm、実施例14では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。実施例13及び実施例14とも、混練性の評価及び樹脂温度の上昇の評価とも良好な結果が得られた。
<比較例1、2>
混練部品の凸部の頂部の幅を実施例1及び2から変更し、13mm(スクリュ外径との比0.43)とした。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、比較例1ではスクリュ回転150rpm、比較例2では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。比較例1及び比較例2では、混練性評価及び樹脂温度の上昇の評価とも不良であった。
<比較例3、4>
混練部品の凸部の頂部の幅を実施例3及び4から変更し、13mm(スクリュ外径との比0.43)とした。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例3及び4と同様とした。
前記構成で、実施例3及び4と同様、原料C 50部と原料D 50部を、比較例3ではスクリュ回転150rpm、比較例4では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。比較例3及び比較例4では、混練性評価及び樹脂温度の上昇の評価とも不良であった。
<比較例5、6>
混練部品の凸部の斜面の断面形状を、図7に示すように、前記凸部の頂部14の頂点20−aならびに20−bと、溝の底面から立ち上がる点21−aならびに21−bとを結ぶ、凸部の斜面に相当する斜線が直線となる形状とした。その他の混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、比較例5ではスクリュ回転150rpm、比較例6では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。比較例5及び比較例6では、混練性評価及び樹脂温度の上昇の評価とも不良であった。
<比較例7、8>
混練部品の条数を実施例1及び2から変更し、1条とした。混練部品及びスクリュのその他の構成、及び単軸押出機は実施例1及び2と同様とした。
前記構成で、実施例1及び2と同様、原料A 50部と原料B 50部を、比較例7ではスクリュ回転150rpm、比較例8では高速とした200rpmの条件下で混練し、評価を行った。
各評価結果を表1に示す。比較例7及び比較例8では、混練性の評価が不良であった。

本発明は、単軸押出機に関し、特に樹脂組成物の溶融混練について、その処理量を増大させることに関するものである。
1 混練部品
2 シリンダ
3 スクリュ
4 ホッパー
5 スクリュのフライト
6 スクリュの溝
7 押出口方向
8 単軸押出機のヒーター
9 ダイ
10 凸部
11 フライトの切れ込み
12 凸部の斜面に相当する斜線
12−a 原料流入側の凸部の斜面に相当する斜線
12―b 原料流出側の凸部の斜面に相当する斜線
14 凸部の頂部
15 溝の底面
16 原料流入側の樹脂の流れ
17 原料流出側の樹脂の流れ
18 シリンダと凸部頂部の間の幅狭部流路
19 凸部の頂部の幅
20−a 原料流入側の凸部の斜線12の頂点
20−b 原料流出側の凸部の斜線12の頂点
21−a 原料流入側の凸部の斜線の立ち上がり始める点
21−b 原料流出側の凸部の斜線の立ち上がり始める点
22−a 原料流入側の凸部の頂点と立ち上がりを始める点を結ぶ仮想直線
22−b 原料流出側の凸部の頂点と立ち上がりを始める点を結ぶ仮想直線
31 スクリュの供給部
32 スクリュの圧縮部
33 スクリュの計量部
41 凸部の頂部の溝からの高さ

Claims (4)

  1. 混練部品を備えた単軸押出機に使用されるスクリュであって、前記混練部品が、複数条の螺旋状のフライトと溝を備え、前記螺旋状の溝には前記螺旋状の溝の底面から溝の幅方向に渡って延びて隆起した凸部を備え、前記凸部を前記螺旋の方向に溝の底面と垂直に切った断面形状において、斜面に相当する凸部の斜線が、溝の底面から凸部の頂部に向かって凹状に立ち上がる形状であり、前記凸部の頂部部分の幅がスクリュの外径の0.3倍以下であることを特徴とした、単軸押出機用スクリュ。
  2. 前記フライトに切れ込みを設けた請求項1記載のスクリュ。
  3. 前記フライトならびに溝が、2〜6条である請求項1又は2記載のスクリュ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスクリュを備える単軸押出機。
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