JP2017191124A - 基板保持部材、搬送装置及び方法、露光装置及び方法、露光システム、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板を保持する際に、基板を保持する部材の変形による基板への影響を抑制する。
【解決手段】ウエハWを保持するシャトル36であって、ウエハWを保持する第1部材37Aと、露光装置の可動ステージ又はロボットハンドに装着される第2部材37Bと、第1部材37Aと第2部材37Bとを相対的に変位可能に接続する係合部37C1,37C2,37C3と、を備え、係合部37C1,37C2,37C3はフレクシャを有する。
【選択図】図4
【解決手段】ウエハWを保持するシャトル36であって、ウエハWを保持する第1部材37Aと、露光装置の可動ステージ又はロボットハンドに装着される第2部材37Bと、第1部材37Aと第2部材37Bとを相対的に変位可能に接続する係合部37C1,37C2,37C3と、を備え、係合部37C1,37C2,37C3はフレクシャを有する。
【選択図】図4
Description
本発明は、基板を保持する基板保持部材、物体を搬送する搬送技術、搬送技術を用いる露光技術、及び露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
半導体素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィ工程で使用され、露光ビームとして遠紫外域から真空紫外域にかけての紫外光を用いる露光装置(以下、紫外光露光装置という)においては、解像度を高めるために、露光波長の短波長化、照明条件の最適化、及び投影光学系の開口数をさらに増大するための液浸法の適用等が行われてきた。
近年では、紫外光露光装置の解像限界よりも微細なピッチの回路パターンを形成するために、紫外光露光装置の解像限界よりも小さい多数の円形スポットを電子ビームで形成し、この電子ビームの円形スポットとウエハとを相対的に走査する電子ビーム露光装置も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
電子ビーム露光装置は解像度が高いため、露光対象物(半導体ウエハ等)におけるあるレイヤの露光時と、例えばその上のレイヤの露光時とで、その露光対象物の変形状態が異なる場合には、重ね合わせ精度等に影響が生じる恐れがある。そのため、電子ビーム露光装置でウエハを露光する場合には、紫外光露光装置でウエハを露光する場合に比べ、露光対象物の変形を厳しく管理する必要性がある。
電子ビーム露光装置は解像度が高いため、露光対象物(半導体ウエハ等)におけるあるレイヤの露光時と、例えばその上のレイヤの露光時とで、その露光対象物の変形状態が異なる場合には、重ね合わせ精度等に影響が生じる恐れがある。そのため、電子ビーム露光装置でウエハを露光する場合には、紫外光露光装置でウエハを露光する場合に比べ、露光対象物の変形を厳しく管理する必要性がある。
第1の態様によれば、基板を保持し、移動可能な移動体に装着される基板保持部材であって、その基板を保持する基板保持部と、その移動体に装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部と、を備える基板保持部材が提供される。
第2の態様によれば、基板を露光する露光システムであって、その基板を保持する基板保持部と、移動体に装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材と、その基板保持部材が装着されるステージ装置を備える露光装置と、その基板保持部材が装着される搬送アーム部を有し、そのステージ装置にその基板保持部材を搬送する搬送装置とを備え、その支持部は、そのステージ装置に連結可能な第1連結部材と、その搬送アーム部に連結可能な第2連結部材とを備える露光システムが提供される。
第2の態様によれば、基板を露光する露光システムであって、その基板を保持する基板保持部と、移動体に装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材と、その基板保持部材が装着されるステージ装置を備える露光装置と、その基板保持部材が装着される搬送アーム部を有し、そのステージ装置にその基板保持部材を搬送する搬送装置とを備え、その支持部は、そのステージ装置に連結可能な第1連結部材と、その搬送アーム部に連結可能な第2連結部材とを備える露光システムが提供される。
第3の態様によれば、露光装置に基板を搬送する搬送方法であって、その基板を保持する基板保持部と、搬送アームに装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材にその基板を保持することと、その基板を保持したその基板保持部材をその搬送アームを介してその露光装置まで移動することと、を含む搬送方法が提供される。
第4の態様によれば、基板を露光する露光方法であって、その基板を保持する基板保持部と、ステージ装置に装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材にその基板を保持することと、その基板保持部材のその支持部を介してその基板保持部材をステージ装置で支持することと、その基板保持部材で保持されたその基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
第4の態様によれば、基板を露光する露光方法であって、その基板を保持する基板保持部と、ステージ装置に装着される支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材にその基板を保持することと、その基板保持部材のその支持部を介してその基板保持部材をステージ装置で支持することと、その基板保持部材で保持されたその基板を露光することと、を含む露光方法が提供される。
第5の態様によれば、基板を露光する露光方法であって、その基板を保持する基板保持部と、第1連結部材及び第2連結部材を有する支持部と、その基板保持部とその支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材のその基板保持部のその基板を保持させることと、その支持部のその第1連結部材を介して、露光装置のステージ装置にその基板保持部材を装着すること、その支持部のその第2連結部材を介して、搬送装置の搬送アーム部にその基板保持部材を装着することと、を含む露光方法が提供される。
一実施形態について、図1〜図10(B)を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る露光システム10の機構部を示す平面図、図2は、図1中の一部の構成を示す図である。図1及び図2において、露光システム10は、例えば半導体デバイス製造工場のクリーンルーム内に設置されている。また、露光システム10は、第1方向に沿って一列に配置され、それぞれ露光光を用いて露光(描画を含む)を行う5台(以下、第1列と称する)の露光装置12A,12B,12C,12D,12E、及び露光装置12A〜12Eと平行に一列に配置され露光装置12A〜12Eと同様に、露光光を用いて露光を行う5台(以下、第2列と称する)の露光装置12F,12G,12H,12I,12Jを備えている。本実施形態では、露光光の一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。ただし、露光光は、電子ビームに限るものではなく、荷電粒子線(荷電粒子ビーム)、イオンビーム、遠紫外域から真空紫外域にかけての紫外光等を用いてもよい。また、露光装置は少なくとも1台(例えば露光装置12A)あればよい。
露光装置12Aは、一例としてそれぞれ内部の空間を真空状態まで排気可能な露光用の真空チャンバ13A、及び搬送用の2つの真空チャンバ13B,13Cを有する。真空チャンバ13A内の露光室14Aには、露光対象物(ターゲット)を保持して移動可能なステージ装置WST(図8参照)、露光対象物に電子ビームを照射する電子ビーム照射装置15、及び露光対象物の受け渡しを行うためのロボットハンド46E(図8参照)等が設置されている。露光室14Aは、露光中には、クリーンルーム内の大気圧環境に比べ、常時高真空状態に維持されている。本実施形態の露光システム10において、露光装置12A〜12J以外の部分は、大気圧環境内に配置されている。
本実施形態の露光対象物は、感光剤又は感応剤(電子線レジスト)が塗布された半導体ウエハ(以下、単にウエハと称する)Wである。ウエハWは、一例として直径300mmで、厚さが700〜800μm(例えば775μm)程度の円板状の半導体基板である。また、紫外光露光装置により1回の露光(又は走査露光)で露光される領域の単位である一つのショット(ショット領域)の大きさを26mm×33mmとすると、直径300mmのウエハ(300mmウエハ)の露光面にはほぼ100個のショット(いわゆる欠けショットを含む)が形成される。なお、ウエハWの大きさは任意であり、ウエハWとしては、例えば直径200mm又は450mmなどの基板も使用できる。
本実施形態では、露光装置12Aの電子ビーム照射装置15は、鏡筒(不図示)内に所定の位置関係で配置されたm個(mは例えば数10〜100程度)の光学系カラムから構成される電子ビーム光学系を備えている。各光学系カラムは、個別にオン/オフ可能で、かつ偏向可能なn本(nは例えば数1000で一例として4000程度)のビームを照射可能なマルチビーム光学系から成る。マルチビーム光学系としては、例えば特開2011−258842号公報、国際公開第2007/017255号などに開示される光学系と同様の構成のものを用いることができる。例えば4000本のマルチビームを全てオン状態(電子ビームがウエハに照射される状態)にしたとき、例えば100μm×20nmの矩形領域(露光領域)内に等間隔に設定された4000点に同時に紫外光露光装置の解像限界よりも小さい(例えば直径20nm)の電子ビームの円形スポットが形成される。
また、例えば100個の光学系カラムは、例えば直径300mmのウエハW上に形成された(あるいはショットマップに従ってこれから形成される)例えば100個のショットにほぼ1:1で対応していてもよい。なお、実際には、光学系カラムの数は、ウエハWのショット数より多く設定されていてもよいし、又はウエハWのショット数より少なく設定されていてもよい。本実施形態では、例えば100個の光学系カラムがそれぞれ、個別にオン/オフ可能で、かつ偏向可能なn個(例えばn=4000)の直径20nmの電子ビームの円形スポットを矩形(例えば100μm×20nm)の露光領域内に照射可能である。そして、この露光領域に対してウエハWを走査しながら、その多数の電子ビームの円形スポットを偏向しながらオン/オフすることで、ウエハ上の100個のショットが露光される。この露光により、各ショットに効率的に高いスループットで紫外光露光装置の解像限界よりも小さいパターンが形成される。したがって、300mmウエハの場合、露光に際してのウエハ(ステージ)の移動ストロークは、多少の余裕を持たせても数十mm、例えば50mmあれば十分である。各光学系カラムは、通常の電子ビーム光学系と同様、反射電子を検出する反射電子検出系(不図示)を備えている。この反射電子検出系を用いて、ウエハWの所定の複数のアライメントマークの位置を検出することもできる。
なお、電子ビームを用いる露光方法としては、シングルビームで露光対象物にパターンを描画する描画方式、微小マスクのパターンを電子ビームを介して転写することと露光対象物を移動することとを繰り返す転写方式、又は他の任意の方式を使用できる。
一例として、図2に示すように、真空チャンバ13B内のロードロック室14B、及び真空チャンバ13C内のアンロードロック室14Cには、それぞれ露光対象物を含む搬送対象物(物体)の受け渡しを行うためのロボットハンド46A,46B、及び搬送対象物が載置される補助テーブル46C,46Dが設置されている。補助テーブル46C,46DはそれぞれU字形状のウエハ載置部を有し、ロボットハンド46A,46Bの可動部は、補助テーブル46C,46Dの間を通過可能である。
一例として、図2に示すように、真空チャンバ13B内のロードロック室14B、及び真空チャンバ13C内のアンロードロック室14Cには、それぞれ露光対象物を含む搬送対象物(物体)の受け渡しを行うためのロボットハンド46A,46B、及び搬送対象物が載置される補助テーブル46C,46Dが設置されている。補助テーブル46C,46DはそれぞれU字形状のウエハ載置部を有し、ロボットハンド46A,46Bの可動部は、補助テーブル46C,46Dの間を通過可能である。
また、真空チャンバ13A,13Bの境界部、及び真空チャンバ13A,13Cの境界部にはそれぞれシャッタ(不図示)が設けられ、真空チャンバ13B,13Cの外面にはそれぞれシャッタ14Ba,14Caが設けられている。シャッタ14Ba,14Caは例えばゲートバルブの一部であってもよい。ロードロック室14Bは、搬送対象物の搬入時に一時的に大気圧環境となり、アンロードロック室14Cは、搬送対象物の搬出時に一時的に大気圧環境となる。ロボットハンド46A,46Bのアームは、それぞれ高さ方向、及びシャッタ14Ba,14Caで覆われた開口(不図示)を通過する方向の移動が可能である。シャッタ14Ba又は14Caが開いている状態で、それぞれロボットハンド46A又は46Bがロードロック室14B又はアンロードロック室14Cと外部との間で搬送対象物の受け渡しを行う。
さらに、露光装置12Aは、露光装置全体の動作を制御するためのコンピュータよりなる露光制御系220(図8参照)を有する。露光制御系220は、工程管理用のホストコンピュータ62(図8参照)等との間で制御情報等の送信及び受信を行う。露光装置12Aのステージ装置を含む機構部の構成については後述する。露光装置12A〜12Eの構成は互いに同一であり、露光装置12F〜12Jの構成は露光装置12Aと対称である。露光装置12B,12C〜12Jもそれぞれ露光制御系(不図示)を有する。なお、露光装置12A〜12Jの構成は互いに異なっていてもよい。
以下、露光装置12A〜12Jの設置面において、第1列の露光装置12A〜12E、及び第2列の露光装置12F〜12Jの共通の配列方向に沿ってY軸を取り、Y軸に垂直な方向に沿ってX軸を取り、その設置面に垂直な方向(本実施形態では鉛直方向)に沿ってZ軸を取って説明する。また、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な方向をそれぞれX方向、Y方向、及びZ方向として説明する。
図1において、露光システム10は、不図示のコータ・デベロッパとの間で、電子線レジストが塗布されたウエハWの搬送をインライン方式で行うトラック16と、トラック16を介して搬入されたウエハWのアライメントを行うアライメント部18とを備えている。アライメント部18において、ウエハWは、保持部材であるウエハシャトル(以下、単にシャトルと称する)36の表面の凹部37Aj(図4参照)内に載置又は保持される。
本実施形態において、ウエハWは、シャトル36に保持された状態でアライメントが行われ、各露光装置12A〜12Jに搬送される。そして、ウエハWは、シャトル36に保持された状態で電子ビームによる露光が行われ、露光後もシャトル36に載置された状態でアライメント部18に戻される。このため、露光システム10は、ウエハWを保持するシャトル36(搬送対象物)を、アライメント部18と露光装置12A〜12Jとの間で搬送するためのシャトル搬送系30(搬送装置)を備えている。このように、ウエハWを保持するシャトル36は、アライメント部18と露光装置12A〜12Jとの間を繰り返し往復するため、シャトル(ウエハシャトル)と称している。
ここで、本実施形態のシャトル36の構成につき、図4、図5(A)〜(C)を参照して説明する。図4は、説明の便宜上、シャトル36からウエハWを分離し、シャトル36を分解した状態を示す。また、図4〜図5(C)の座標系(X,Y,Z)は、シャトル36をシャトル搬送系30の後述の収容ケース42Aの収容棚40A(図3参照)に収容した状態での座標系を示す。図4に示すように、シャトル36は、ウエハWが載置される第1部材37A(基板保持部)と、第1部材37Aに対して3箇所で3本のボルトBtを介して連結される平板の環状の第2部材37B(支持部)とを有する。第1部材37Aは、ほぼ等角度間隔で3箇所の凸部37Anが設けられた多角形状の平板状部材である。
第1部材37Aの上面37Aaの中央にウエハWより僅かに大きい直径の円形の凹部37Aj(ウエハWの保持領域)が形成され、凹部37Aj内の3箇所にウエハWを昇降するためのピン(不図示)を挿通させるための貫通穴37Akが形成されている。なお、ウエハWが載置される円形の凹部37Ajの載置面(ウエハWの裏面の接触面)に、窒化チタンアルミニウム(TiAlN)などの摩擦係数の高い材料をコーティングしてもよい。
また、凹部37Ajの載置面に、複数の突起部(ピン)を設け、この突起部のうち、少なくともウエハWの裏面と接触する部分に、上記窒化チタンアルミニウム(TiAlN)などの摩擦係数の高い材料をコーティングしてもよい。このように、摩擦係数の高い材料をコーティングすることで、シャトル36に対し、ウエハWの温度変化(ウエハの伸縮)によるウエハWの滑りを抑制することができる。
また、凹部37Ajの載置面に、複数の突起部(ピン)を設け、この突起部のうち、少なくともウエハWの裏面と接触する部分に、上記窒化チタンアルミニウム(TiAlN)などの摩擦係数の高い材料をコーティングしてもよい。このように、摩擦係数の高い材料をコーティングすることで、シャトル36に対し、ウエハWの温度変化(ウエハの伸縮)によるウエハWの滑りを抑制することができる。
図5(C)に示すように、第1部材37Aの凹部37Aj内にウエハWを載置したときに、第1部材37Aの上面37AaとウエハWの表面とが同じ高さになるように凹部37Ajの深さが設定されている。なお、第1部材37Aの上方にウエハWの搬送部材を設け、ウエハWの表面を非接触で保持して昇降させる場合には、貫通穴37Akを設ける必要はない。第1部材37Aの裏面37Abの中央部は、凹部37Ajよりもわずかに大きい円形の凸部37Amが形成されている。凸部37Amの表面(第1部材37Aの裏面)に、Y方向に所定間隔で、それぞれ2次元の回折格子パターンを有する回折格子38A,38B,38C(検出部)が設けられている。回折格子38A,38B,38Cは、一例としてシャトル36と露光装置のステージ装置との位置関係を例えば6自由度で計測するために使用される。なお、回折格子38A,38B,38Cは必ずしも設ける必要はない。
また、第1部材37Aの周縁部(凸部37Amの外側の厚さの薄い部分)において、隣接する2つの凸部37Anの間に、それぞれスリット状の切り欠き部Bcを隔てて弾性変形可能な板ばね状のフレクシャ部37Ac,37Ad,37Ae(弾性部材)が設けられ、フレクシャ部37Ac,37Ad,37Aeの中央の外面にほぼ正方形の平板状の固定部37Af,37Ag,37Ahが一体的に設けられている。固定部37Af,37Ag,37Ahの中央には、それぞれボルトBtを挿通させるための貫通穴37Aiが設けられている。フレクシャ部37Ac,37Ad,37Aeが弾性変形することによって、固定部37Af,37Ag,37Ahは、第1部材37Aの凹部37Ajの中心に対して半径方向(外側に向かう方向)に変位可能である。
一方、第2部材37Bの上面37Baにおいて、第1部材37Aの固定部37Af,37Ag,37Ahに対向する位置にそれぞれ小さい円柱状の台座部37Bc,37Bd,37Beが形成されている。台座部37Bc,37Bd,37Beの中央には、それぞれボルトBt用のねじ穴37Bfが形成されている。第1部材37Aの固定部37Af,37Ag,37Ahが、それぞれボルトBtによって第2部材37Bの台座部37Bc,37Bd,37Beに固定されている。言い換えると、第1部材37Aは、フレクシャ部37Ac,37Ad,37Ae及び固定部37Af,37Ag,37Ahを介して第2部材37Bに連結されている。固定部37Af,37Ag,37Ahの貫通穴37Aiの上部の幅は広く形成されているため、ボルトBtの上端は、第1部材37Aの上面37Aaよりも低い位置にある(図5(C)参照)。
第1部材37Aのフレクシャ部37Ac,37Ad,37Ae及び固定部37Af,37Ag,37Ahと、第2部材37Bの台座部37Bc,37Bd,37Beと、ボルトBtとから、第1部材37Aと第2部材37Bとを変位可能に接続(連結)する3箇所の係合部37C1,37C2,37C3(接続部)が構成されている。このように係合部37C1,37C2,37C3にはフレクシャ部37Ac,37Ad,37Aeが含まれ、実質的に、第1部材37Aはフレクシャ部37Ac,37Ad,37Aeを介して第2部材37Bに連結されている。このため、第2部材37Bが変形した場合でも、第1部材37AのウエハWが載置されている部分の変形が抑制され、露光中及び搬送中におけるウエハWの変形を抑えることが可能になる。さらに、第1部材37Aの裏面(凸部37Amの表面)と、第2部材37Bの裏面37Bbとはほぼ同一平面上にあるため、シャトル36は全体として一つの平板状部材のように扱うことができる。なお、以下では、第1部材37Aの裏面(凸部37Amの表面)を、単にシャトル36の裏面とも称する。
また、第2部材37Bの裏面37Bbにおいて、台座部37Bc,37Bd,37Beの中間に対応する位置に、第1組の3個の半球状の部材(以下、半球部と称する)44Aが設けられ、第1組の半球部44Aの内側(第2部材37Bの中心方向側)に第2組の3個の半球部44Bが設けられている。第1組の半球部44A(第1連結部材)は、シャトル36を露光装置12A〜12Jのステージ等で支持する際に使用され、第2組の半球部44B(第2連結部材)は、シャトル36を搬送用のアーム27(図1参照)等で支持する際に使用される。一例として、半球部44Aと半球部44Bとは同じ大きさである。なお、半球部44Aの大きさと半球部44Bの大きさとを異ならせてもよい。
半球部44A及び44Bは、一例として球体(ボール)の上部を第2部材37Bの裏面37Abに埋め込むことによって形成できる。または、第2部材37Bの裏面37Abに一体的に凸部を形成しておき、この凸部の表面を半球面状に研磨した部分を半球部44A及び44Bとしてもよい。シャトル36の第1部材37A及び第2部材37B(半球部44A及び44Bを含む)は、一例として熱伝導率の高い絶縁体、例えば絶縁体セラミックスから形成されている。絶縁体セラミックスとしては、例えば窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3)、又は窒化ケイ素(Si3N4)などが使用できる。また、ボルトBtは例えば金属製である。また、球部44A及び44Bを熱膨張率の小さい金属製とすることもできる。
また、シャトル36の第1部材37AのウエハWが載置される部分の内部に、静電チャック用の2つの電極部(不図示)が埋め込まれ、これらの電極部が第1部材37Aの凸部37Amの裏面にそれらの電極部に導通している2つの端子部(不図示)が設けられている。これらの端子部間に所定の電圧を印加することによって、シャトル36の搬送中にも、静電吸着によってウエハWをシャトル36に安定に保持できる。なお、半球部44A又は44Bを金属製として、第1部材37Aの静電チャック用の2つの電極部を、可撓性を持つ2つの信号ライン(不図示)を介して半球部44A又は44Bのうちの2つの半球部に接続し、これら2つの半球部を端子部として使用することも可能である。
また、シャトル36が載置される後述のシャトル搬送系30の収容棚40Aの載置部40A5の載置面S1には、シャトル36の第1組の3個の半球部44Aと同じ配置で3箇所に例えば金属製のマウント部43A,43B,43Cが固定されている。一例として、マウント部43Aの上部には円錐状の凹部(円錐面)が形成され、マウント部43Bの上部にはV字型の溝部(V字溝)が形成され、マウント部43Cの上面は平坦である(図4参照)。シャトル36を載置面S1に載置する際には、3個の半球部44Aがそれぞれマウント部43A,43B,43Cの円錐面、V字溝、及び平坦面に係合し、シャトル36は、自重によって載置面S1に対してキネマティックカップリング方式で安定に保持(支持)される。この状態で、シャトル36の裏面と載置面S1との間には、シャトル36の受け渡しを行うためのロボットハンド26Cのアーム27(図6参照)等を差し込むことができる間隔が確保されている。
なお、シャトル36が載置される載置面S1には、図7(B)に示すように、シャトル36の第1組の3個の半球部44Aと同じ配置で、3箇所に溝の方向が互いにほぼ120°で傾斜しているV字溝が形成されたマウント部43D,43E,43Fを設けておいてもよい。この場合でも、シャトル36の3個の半球部44Aをマウント部43D,43E,43FのV字溝に係合させることで、シャトル36を載置面S1に対してキネマティックカップリング方式で安定に保持できる。
ここで、露光装置12Aの機構部及び露光制御系220を含む制御系12Acの構成につき図8を参照して説明する。図8において、露光装置12Aの電子ビーム照射装置15にはフランジ部232及び計測フレーム234が取り付けられ、フランジ部232が、不図示の防振装置を介して不図示のフレームに支持されている。また、電子ビーム照射装置15は、真空チャンバ13Aの上部の開口内に設置されている。電子ビーム照射装置15のフランジ部232の周縁部と真空チャンバ13Aの開口との間には、輪帯状の取付部13Aaを介してある程度の可撓性を持つベローズ13Abが設けられている。ベローズ13Abによって、フランジ部232と真空チャンバ13Aの開口との間が封止され、真空チャンバ13A内の露光室14Aの真空度が高く維持されている。露光室14Aと、隣接する真空チャンバ13B内のロードロック室14Bとの間の受け渡し口14Bdはシャッタ14Bcによって開閉され、ロードロック室14Bとその外部との間の受け渡し口14Bbはシャッタ14Baによって開閉される。露光室14Aとアンロードロック室14Cとの境界部も同様に構成されている。
露光室14A内には、電子ビーム照射装置15の下方でウエハWを保持するシャトル36を移動するステージ装置WSTと、ロボットハンド46Eとが配置されている。ロボットハンド46Eは、X方向、Y方向、Z方向、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向(θz方向)に駆動可能なアーム46Eaを有する。アーム46Eaの上面には、シャトル36の第2組の半球部44Bと同じ配置で、図4に示す載置面S1上のマウント部43A,43B,43Cと同様のマウント部47D,47E,47Fが設けられている。アーム46Eaは、マウント部47D〜47Fを介してシャトル36の半球部44Bを支持する。これによって、シャトル36はロボットハンド46Eに対してキネマティックカップリング方式で安定に、かつ位置ずれしない状態で支持される。ロボットハンド46Eは、ロードロック室14B内の補助テーブル46C及びアンロードロック室14C内の補助テーブル46D(図2参照)とステージ装置WSTとの間でシャトル36の受け渡しを行う。なお、図8では、ロードロック室14B内のロボットハンド46Aの図示を省略している。
また、ロードロック室14B内の補助テーブル46Cの上面には、シャトル36の第1組の半球部44Aと同じ配置で、マウント部43A〜43Cと同様のマウント部46Ca,46Cb,46Cc(図2参照)が設けられている。補助テーブル46Cは、マウント部46Ca〜46Ccを介してシャトル36の半球部44Aを安定に支持できる。アンロードロック室14C内の補助テーブル46Dの上面にも、同様のマウント部46Da,46Db,46Dc(図2参照)が設けられている。なお、アーム46Eaのマウント部、及び/又は補助テーブル46C,46Dのマウント部として、図7(B)に示す載置面S1上のマウント部43D,43E,43Fと同様のV字溝のマウント部を使用してもよい。
ステージ装置WSTは、ベース部材200のXY平面に平行な表面に、磁気軸受け等の支持部202を介して載置された可動ステージ204と、可動ステージ204をX方向に貫通する中空部(不図示)に挿通されたガイド部206と、ガイド部206のX方向の両端部の底面に連結されてY方向に延びる可動部210と、を有する。可動ステージ204は、ガイド部206に対して、Y方向に所定ストローク(例えば50mm程度)で移動可能であるとともに、X方向、Y方向、Z方向、並びにX軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の回りの回転方向(θx方向、θy方向、及びθz方向)に所定範囲内で移動又は回転可能である。以下、X方向、Y方向、Z方向、並びにθx方向、θy方向、及びθz方向の位置又は相対位置を6自由度の方向の位置という。ガイド部206内の固定子と、可動ステージ204内の可動子とから、ガイド部206に対して可動ステージ204を、その6自由度の方向に駆動する閉磁界型でかつムービングマグネット型の駆動モータ208が構成されている。
また、可動部210には、ベース部材200に対して可動部210(及び可動ステージ204)をY方向に所定ストローク(例えば50mm程度)で駆動可能な例えばリニアモータ等の駆動モータ212が設けられている。本実施形態の電子ビーム照射装置15は、上述のように多くの光学系カラムを介して並行に露光を行うことができるため、可動ステージ204のX方向、Y方向の移動ストロークは、一つの光学系カラムの直径よりもわずかに大きい程度であればよい。このため、ステージ装置WSTを小型化できる。
また、可動ステージ204の上面には、シャトル36の第1組の半球部44Aと同じ配置で、図7(B)に示す載置面S1上のマウント部43D,43E,43Fと同様のV字溝のマウント部47A,47B,47Cが設けられている。可動ステージ204は、マウント部47A〜47Cを介してシャトル36の半球部44Aを支持する。これによって、シャトル36は可動ステージ204に対してキネマティックカップリング方式で安定に、かつ位置ずれしない状態で支持される。また、シャトル36をマウント部47A〜47Cを介して支持している状態で、シャトル36の裏面と可動ステージ204の上面との間には、ロボットハンド46Eのアーム46Eaを差し込むことができる間隔が確保されている。なお、可動ステージ204のマウント部として、図4のマウント部43A〜43Cと同様の互いに形状が異なるマウント部を使用してもよい。また、可動ステージ204の上面のZ方向に可動の端子部(不図示)からシャトル36の裏面の端子部(不図示)に静電吸着用の電力(電圧)が供給されている。
また、ステージ装置WSTは、複数のレーザビームを可動ステージ204に照射して、可動ステージ204のX方向、Y方向の位置をそれぞれ0.5nm程度の精度で、かつ複数箇所で計測する複数軸のレーザ干渉計214、及びウエハW(ひいては可動ステージ204)のZ方向の位置を複数箇所で計測する例えば光学式で斜入射方式のオートフォーカスセンサ(不図示)とを有する。また、可動ステージ204の上面の、シャトル36の裏面の3つの回折格子38A,38B,38C(図5(B)参照)に対向する位置には、それぞれ回折格子38A,38B,38Cに計測用のレーザビームを照射して、回折格子38A,38B,38CのX方向、Y方向、Z方向の位置を求める検出ヘッド224A,224B,224C(検出ヘッド224B,224Cは不図示)が配置されている。回折格子38A,38B,38C及び検出ヘッド224A,224B,224Cから、可動ステージ204に対するシャトル36の6自由度の方向の位置を計測するエンコーダ型の計測装置が構成されている。
さらに、例えばシャトル36の第1部材37Aの上面の複数箇所にも、回折格子38A,38B,38Cと同様の回折格子(不図示)を設けておき、計測フレーム234の可動ステージ204に対向する面の3箇所に、シャトル36の回折格子の位置を計測するための検出ヘッド226A,226B,226C(検出ヘッド226Cは不図示)を設けておいてもよい。検出ヘッド226A〜226Cの計測値からも可動ステージ204の6自由度の方向の位置を計測できる。
なお、シャトル36に検出ヘッド224A等を設け、可動ステージ204の上面に回折格子38A等を取り付けておき、シャトル36側の検出ヘッド224A等及び可動ステージ204側の回折格子38A等からなるエンコーダ型の計測装置によって、可動ステージ204とシャトル36との相対位置を計測してもよい。
なお、シャトル36に検出ヘッド224A等を設け、可動ステージ204の上面に回折格子38A等を取り付けておき、シャトル36側の検出ヘッド224A等及び可動ステージ204側の回折格子38A等からなるエンコーダ型の計測装置によって、可動ステージ204とシャトル36との相対位置を計測してもよい。
また、制御系12Acは、位置計測部216、駆動モータ208及び212の制御部218、及びロボットハンド46A,46B,46Eの制御部222を有する。露光制御系220は、位置計測部216、制御部218、及び制御部222の動作を制御する。位置計測部216は、所定のサンプリングレートでレーザ干渉計214、オートフォーカスセンサ(不図示)、検出ヘッド224A,224B、224Cの計測値、及び必要に応じて検出ヘッド226A〜226Cの計測値を取り込み、これらの計測値を処理して電子ビーム照射装置15に対する可動ステージ204の6自由度の位置、及び可動ステージ204に対するシャトル36の6自由度の位置を算出する。制御部218は、位置計測部216から供給される可動ステージ204及びシャトル36の位置に基づいて、例えばシャトル36が目標とする軌道に沿って移動するように駆動モータ208及び212の動作を制御する。
仮に外乱等によってシャトル36の可動ステージ204に対する相対位置がわずかに変動した場合でも、検出ヘッド224A,224B,224Cによって求められる可動ステージ204に対するシャトル36の位置を、電子ビーム照射装置15に対する可動ステージ204の位置に加算した位置を用いて駆動モータ208及び212を駆動することで、シャトル36(ウエハW)の電子ビーム照射装置15に対する相対位置を高精度に目標位置に設定することができる。これによって、露光精度を向上できる。
次に、図1において、アライメント部18は、トラック16を介して搬送されて来た複数枚のウエハWを保管するための第1のウエハカセット20Bと、露光済みの複数枚のウエハWを保管するための第2のウエハカセット20Aと、ウエハWが載置されていない複数のシャトル36を保管するシャトルストッカ20Cとを有する。また、アライメント部18は、シャトル36にウエハWを載置するために使用される第1のテーブル22Bと、シャトル36からウエハWを分離するために使用される第2のテーブル22Aと、アライメント系24と、ウエハWの受け渡しを行うための第1及び第2の多関節型のロボットハンド26A,26Bと、シャトル36の受け渡しを行うための第3の多関節型のロボットハンド26Cとを有する。ロボットハンド26Cは、シャトル36が載置されるアーム27を有し、アーム27のX方向、Y方向、Z方向の位置、及びZ軸に平行な軸の回りの回転角がそれぞれ所定範囲内で制御可能である。
図7(A)は、後述のシャトル搬送系30の収容棚40Aの載置部40A3のマウント部43A〜43Cに第1組の半球部44Aを介して支持されているシャトル36の裏面にアーム27を差し込んだ状態を示す。図7(A)に示すように、アーム27は、シャトル36の第2組の3個の半球部44Bにそれぞれ係合可能なマウント部27a,27b,27cを有する。マウント部27aは、アーム27の円弧状の分岐部27dの先端に設けられ、マウント部27bは分岐部27dの途中に設けられ、マウント部27cはアーム27の短い分岐部27eの先端に設けられている。一例として、マウント部27a,27b,27cの形状は、図4のマウント部43A〜43Cと同様の、円錐面、V字溝、及び平坦面を有する形状である。図7(A)の状態から、例えばアーム27をシャトル36に対して相対的にZ方向に上昇させることで、シャトル36の第2組の半球部44Bがアーム27のマウント部27a,27b,27cによってキネマティックカップリング方式で安定に支持されて、載置部40A3からアーム27にシャトル36が受け渡される。なお、マウント部27a,27b,27cの形状を7(B)のマウント部43D〜43Fと同様のV字溝のマウント部としてもよい。
また、露光装置12Aのロードロック室14B及びアンロードロック室14C内のロボットハンド46A,46Bもそれぞれアーム27とほぼ同じ形状で、かつマウント部27a,27b,27cと同じ配置で同じ形状のマウント部が設けられたアームを有する。このアームによって、ロボットハンド46A,46Bもシャトル36の半球部44Bを支持できる。
アライメント部18において、一例として、ロボットハンド26Aが、トラック16を介して搬入された未露光のウエハWをウエハカセット20Bに搬送し、ロボットハンド26Bが、シャトル36から分離された露光済みのウエハWをウエハカセット20Aに搬送する。そして、トラック16側のロボットハンド(不図示)がウエハカセット20A内の露光済みのウエハWをトラック16に移動し、移動された露光済みのウエハWはトラック16を介してコータ・デベロッパ(不図示)に搬出されて現像される。
また、シャトル36が載置されるテーブル22Bの上面には、シャトル36の第1組の半球部44Aと同じ配置で、それぞれ半球部44Aに係合可能な図4のマウント部43A,43B,43Cと同様のマウント部22Ba,22Bb,22Bcが設けられ、その上面の3つのマウント部22Ba〜22Bcで囲まれた領域に、シャトル36の3箇所の貫通穴37Akに挿通可能な3つのZ方向に昇降可能な細いロッド状部材(以下、センターピンと称する)22Bdが設けられている。シャトル36の半球部44Aとマウント部22Ba〜22Bcとはキネマティックカップリングを構成する。また、必要に応じて、テーブル22Bの上面には、シャトル36の端子部(不図示)に静電チャック用の電圧を印加するための端子部(不図示)が設けられる。同様に、テーブル22Aの上面にも、シャトル36の半球部44Aに係合可能な3つのマウント部(不図示)、及び3本の昇降可能なセンターピン(不図示)が設けられている。
アライメント部18において、シャトル36に未露光のウエハWを載置する際には、ロボットハンド26Cによってシャトルストッカ20Cから一つのシャトル36を取り出して、シャトル36の3つの半球部44Aがそれぞれ対応するマウント部22Ba〜22Bcに接触するように、シャトル36をテーブル22Bの上面に載置する。このため、シャトル36はテーブル22Bに安定に支持される。そして、テーブル22Bからセンターピン22Bdをシャトル36の貫通穴37Akを通して上昇させ、ロボットハンド26Aによってウエハカセット20Aから1枚の未露光のウエハWを取り出し、このウエハWをセンターピン22Bdに載置した後、センターピン22Bdを降下させることで、ウエハWがシャトル36の凹部37Aj内に載置される。そして、テーブル22Bの端子部(不図示)に所定の電圧を印加することで、静電チャック方式でウエハWがシャトル36に吸着される。その後、ロボットハンド26Cによってシャトル36はアライメント系24に搬送される。この際に、シャトル36及びウエハWの残留電荷分布によって、ウエハWはシャトル36に静電吸着されている。
シャトル36から露光済みのウエハWを離脱させる際には、ロボットハンド26CによってウエハWを保持したシャトル36をテーブル22A上に載置し、テーブル22Aのセンターピンを上昇させてウエハWをシャトル36から分離した後、ロボットハンド26BによってウエハWがウエハカセット20Aに搬送される。そして、テーブル22A上のシャトル36がロボットハンド26Cによってシャトルストッカ20Cに戻される。
アライメント系24は、一例として、ウエハWを保持するシャトル36のX方向、Y方向、及びZ方向を含む6自由度の位置決めを行うステージ24aと、例えば画像処理方式でウエハWの表面の多数のショット(ショット領域)のアライメントマーク(不図示)の検出を行うFIA(Fie1d Image A1ignment )方式のマーク検出系24bと、マーク検出系24bの検出結果を処理して例えばエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式でウエハWの全部のショットの配列座標を求める信号処理部(不図示)とを有する。さらに、アライメント系24は、マーク検出時にオートフォーカス方式でウエハWの表面をマーク検出系24bに合焦させるために、例えば光学方式で斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ24cを有する。
また、ステージ24aにも、テーブル22Bと同様に、シャトル36の3つの半球部44Aと同じ配置の、それぞれ半球部44Aに係合可能な3つのマウント部(不図示)と、シャトル36の静電吸着用の2つの端子部に接触可能な2つの端子部(不図示)とが設けられている。ステージ24aの3箇所のマウント部にウエハWを保持するシャトル36の半球部44Aが接触するように、ロボットハンド26Cがテーブル22Bからステージ24aにシャトル36を搬送する。このとき、ステージ24aの端子部からシャトル36の端子部に静電吸着用の電圧が印加されて、ウエハWはさらに安定にシャトル36に静電吸着され、この状態でウエハWのアライメントが行われる。アライメント終了後のシャトル36は、ロボットハンド26Cによってステージ24aから取り出されて、露光装置12A〜12Jに搬送される。
露光装置12A〜12Jに搬送される期間、及びウエハWの露光中においても、ウエハWはシャトル36に静電チャック方式で相対的な位置ずれが実質的に生じないように(アライメントの後でウエハWに実質的に歪みが生じないように)保持されている。なお、例えばシャトル36の受け渡し時等で、一時的にシャトル36に対して静電チャック用の電力(電圧)が供給されない期間であっても、残留電荷分布によってウエハWはシャトル36に対して相対的に位置ずれしない状態で保持されている。このため、ウエハWのアライメント情報(各ショットの配列座標)は、ウエハWの搬送中及び露光中に実質的に変化しないため、ウエハWの露光時の重ね合わせ精度を高く維持できる。
次に、シャトル搬送系30は、第1列の露光装置12A〜12Eと第2列の露光装置12F〜12Jとの中間にY方向に配置された細長いガイド部材34と、第1列の露光装置12A〜12E側(−X方向側)にガイド部材34に沿って配置された第1のシャトルキャリア32Aと、第2列の露光装置12F〜12J側(+X方向側)にガイド部材34に沿って配置された第2のシャトルキャリア32Bとを有する。ガイド部材34は、設置面に固定された平板状でY方向に細長いベース部材35(図6参照)の上面に固定されている。また、ガイド部材34は、第1列の露光装置12A〜12Eと第2列の露光装置12F〜12Jとの中間にY方向に配置されているが、ガイド部材34のアライメント部18側の端部は、アライメント部18内の受け渡し用の位置A11,A12にシャトルキャリア32A,32Bが移動できるように、アライメント部18内に配置されている。
本実施形態では、第1列及び第2列の露光装置はそれぞれ5台であるため、図2に示すように、シャトルキャリア32A,32Bはそれぞれ5個のシャトル36を収容可能な収容棚40A,40Bと、収容棚40A,40Bを保持する箱状の収容ケース42A,42Bと有する。さらに、シャトル搬送系30の制御部60(図8参照)は、シャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42B内に清浄な気体を供給する局所空調系を有する。一例として、第1列及び第2列の露光装置がそれぞれj台及びk台(j,kは1以上の整数)である場合に、収容棚40A及び40Bはそれぞれ少なくともj個及びk個のシャトル36を収容可能としてもよい。シャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42Bはそれぞれ矢印A5及びA6で示すようにY方向に駆動される。
図1において、シャトル搬送系30は、収容ケース42A,42Bをそれぞれガイド部材34に沿ってY方向に個別に駆動する例えばリニアモータよりなるY軸駆動部54A,54Bを有する。なお、Y軸駆動部54A,54Bとしてはボールネジ方式の駆動部等も使用できる。
第1のシャトルキャリア32Aはアライメント部18と第1列の露光装置12A〜12Eとの間でシャトル36の搬送(受け渡し)を行う。すなわち、シャトルキャリア32Aの収容ケース42Aは、矢印A1で示すように移動して、アライメント部18から未露光のウエハWを保持するシャトル36を露光装置12A〜12Eのロードロック室14Bに搬入し、矢印A4で示すように移動して、露光装置12A〜12Eのアンロードロック室14Cから露光済みのウエハWを保持するシャトル36をアライメント部18に搬出する。露光装置12A〜12Eにおいて、ロードロック室14Bのシャトル36は、矢印A2で示すように露光室14Aに搬入され、露光室14Aの露光済みのウエハWを保持するシャトル36は、矢印A3で示すようにアンロードロック室14Cに搬出される。同様に、第2のシャトルキャリア32Bはアライメント部18と第2列の露光装置12F〜12Jとの間でシャトル36の搬送(受け渡し)を行う。
第1のシャトルキャリア32Aはアライメント部18と第1列の露光装置12A〜12Eとの間でシャトル36の搬送(受け渡し)を行う。すなわち、シャトルキャリア32Aの収容ケース42Aは、矢印A1で示すように移動して、アライメント部18から未露光のウエハWを保持するシャトル36を露光装置12A〜12Eのロードロック室14Bに搬入し、矢印A4で示すように移動して、露光装置12A〜12Eのアンロードロック室14Cから露光済みのウエハWを保持するシャトル36をアライメント部18に搬出する。露光装置12A〜12Eにおいて、ロードロック室14Bのシャトル36は、矢印A2で示すように露光室14Aに搬入され、露光室14Aの露光済みのウエハWを保持するシャトル36は、矢印A3で示すようにアンロードロック室14Cに搬出される。同様に、第2のシャトルキャリア32Bはアライメント部18と第2列の露光装置12F〜12Jとの間でシャトル36の搬送(受け渡し)を行う。
シャトル搬送系30がガイド部材34の端部にシャトルキャリア32A,32Bを搬送させると、アライメント部18のロボットハンド26Cが収容ケース42Aの正面側の窓部42Ah(図3参照)を介して、シャトルの出し入れを行う。収容ケース42B側でも同様に正面側の窓部(不図示)を介して、シャトルの出し入れが行われる。
第2のシャトルキャリア32Bの機構部の構成は、X方向に関して第1のシャトルキャリア32Aの機構部の構成とほぼ対称である。このため、以下では主にシャトルキャリア32Aの構成につき説明する。
第2のシャトルキャリア32Bの機構部の構成は、X方向に関して第1のシャトルキャリア32Aの機構部の構成とほぼ対称である。このため、以下では主にシャトルキャリア32Aの構成につき説明する。
図3は、第1のシャトルキャリア32Aの収容ケース42Aの内部を示す斜視図である。図3において、収容ケース42Aは、天板42Aa、床板42Ab、+X方向の背面板42Ac、−X方向の正面板42Ad、−Y方向の側壁42Ae、及び+Y方向の側壁42Afを有する直方体の箱状部材であり、この内部の空間42Agに収容棚40Aが配置されている。背面板42Ac及び正面板42Adをも側壁とみなした場合、収容ケース42Aは、天板42Aa、床板42Ab、及び複数の側壁42Ac〜42Afで囲まれた容器である。
収容棚40Aは、それぞれ正面板42Ad側に突き出た5個の平板状の載置部(凸部)40A1,40A2,40A3,40A4,40A5を有する。載置部40A1が最下段、載置部40A5が最上段であり、5個の載置部40A1〜40A5の載置面(上面)にそれぞれウエハWを保持するシャトル36を載置できる。収容ケース42Aの正面板42AdのZ方向の中央よりもわずかに高い位置に、収容棚40Aと外部との間でシャトル36を受け渡すための、シャトル36の側面形状よりも大きい矩形の窓部42Ahが形成されている。露光装置12A〜12Jのロードロック室14B及びアンロードロック室14Cのシャッタ14Ba,14Caの高さは窓部42Ahとほぼ同じ高さである。また、ロードロック室14B及びアンロードロック室14C内のロボットハンド46A,46Bは、一例としてシャトル搬送系30の一部であるとみなすこともできる。同様に、アライメント部18のロボットハンド26Cもシャトル搬送系30の一部であるとみなすこともできる。
図4は、シャトルキャリア32A内の収容棚40Aの最上段の載置部40A5をも示し、図6は、収容ケース42Aの内部を示す一部を切り欠いた正面図である。図6において、収容棚40Aの背面に設けられた凸部よりなるリニアモータの可動子(不図示)が、収容ケース42Aの背面板42AcのZ方向に細長い溝部42Aiに係合している。その可動子と、背面板42Acに設けられたZ方向に細長い固定子(不図示)とから、収容ケース42A内で収容棚40AをZ方向に移動するためのリニアモータよりなるZ軸駆動部が構成されている。Z軸駆動部は、収容棚40AのZ方向の位置を検出するためのエンコーダ(不図示)を有し、このエンコーダの計測値に基づいて収容棚40Aが駆動される。本実施形態では、収容棚40AがZ方向の可動範囲の中央に位置しているときに、3段目の載置部40A3に載置されているシャトル36が窓部42Ahに対向する位置にある。また、Z軸駆動部によって収容棚40AのZ方向の位置を調整することで、他の載置部40A1,40A2,40A4,又は40A5を窓部42Ahに対向する位置に移動できる。
そして、アライメント部18のロボットハンド26C、又は露光装置12A〜12E側のロボットハンド46A,46Bは、窓部42Ahを通して窓部42Ahに対向する位置にある任意の載置部(図6では載置部40A3)との間でシャトル36の受け渡しを行うことができる。例えばロボットハンド26Cのアーム27は、シャトル36の受け渡し時に、窓部42Ah内の点線で示す位置(図6参照)に挿入される。このため、ロボットハンド26C及びロボットハンド46A,46Bは、シャトルキャリア32Aとの間でシャトル36の受け渡しを行う際に、Z方向の位置の調整範囲を狭くでき、制御が容易である。
同様に、収容ケース42Bにも、収容ケース42Bに対して5段の載置部を有する収容棚40BをZ方向に駆動するZ軸駆動部(不図示)が設けられている。ロボットハンド26C、又は露光装置12F〜12J側のロボットハンド46A,46Bは、収容ケース42Bの窓部(不図示)を通してその窓部に対向する位置にある任意の載置部との間でシャトル36の受け渡しを行うことができる。
また、収容ケース42Aの背面板42Acの背面に設けられた凸部よりなる可動子(不図示)が、ガイド部材34の−X方向の側面に設けられたY方向に細長い溝部34aに係合している。その可動子と、ガイド部材34に設けられたY方向に細長い固定子(不図示)とから、収容ケース42Aをガイド部材34に対してY方向に駆動するY軸駆動部54Aが構成されている。Y軸駆動部54Aも収容ケース42AのY方向の位置を検出するためのエンコーダ(不図示)を有し、このエンコーダの計測値に基づいて収容ケース42Aが駆動される。収容ケース42Bを駆動するY軸駆動部54Bも同様に構成されている。
また、図4を参照して説明したように、収容棚40Aの載置部40A5の載置面S1には、シャトル36の第1組の半球部44Aと同じ配置で、半球部44Aに係合するマウント部43A〜43Cが設けられている。シャトル36の3つの半球部44Aを載置面S1のマウント部43A〜43Cに係合させた状態で、シャトル36の静電吸着用の2つの端子部(不図示)に対向する位置に、それらの端子部に接触可能な2つの端子部(不図示)が配置されている。これらの端子部にはそれぞれ絶縁体で覆われて可撓性を持つ信号ケーブル(不図示)を介してシャトル搬送系30の制御部60(図8参照)から所定の電圧が印加される。
同様に、収容棚40Aの他の載置部40A1〜40A4の載置面、及び収容棚40Bの5段の載置部にも、載置部40A5上のマウント部43A〜43C及び端子部(不図示)と同じ配置で、それぞれ3箇所のマウント部43A〜43C及び端子部(不図示)が設けられている。収容棚40Aの載置部40A1〜40A5、及び収容棚40Bの載置部の載置面では、それぞれマウント部43A〜43Cを介してシャトル36の第1組の半球部44Aをキネマティックカップリング方式で安定に、位置ずれしない状態で支持できる。この際に、シャトル36には静電吸着の電圧も印加されるため、ウエハWはシャトル36に安定に保持される。
上述のように、本実施形態のシャトル搬送系30は、シャトル36の搬送中にもシャトル36に対して静電チャック用の電力を供給可能である。なお、搬送時間が短く、残留電荷分布によってウエハWがシャトル36に対して安定に保持可能な場合には、シャトル搬送系30は、シャトル36の搬送中に、必ずしもシャトル36に対して静電チャック用の電力を供給する必要はない。また、シャトル36のそれぞれがバッテリ(充電可能なバッテリを含む)を備え、このバッテリから常時電力が供給されている場合には、収容棚の端子部を省略することもできる。
次に、図6に示すように、収容ケース42Aの−Y方向の側壁42Aeの内面に複数の送風口48aが設けられ、これらの送風口48aは、側壁42Ae内の送風路48を介して、可撓性を有する配管82Aに連通している。また、収容ケース42Aの+Y方向の側壁42Afの内面に複数の排気口49aが設けられ、これらの排気口49aは、側壁42Af内の排気路49を介して、可撓性を有する配管84Aに連通している。
一例として、複数の排気口49aは複数の送風口48aに対向する位置に配置されている。
図8の制御部60内の局所空調系から送風される温度調整されて除湿された清浄な気体(例えば空気)B1は、配管82Aを介して図6の収容ケース42Aの側壁42Aeの送風路48に供給される。供給された気体B2は、側壁42Aeの送風口48aを介して、収容棚40A(ウエハWを保持するシャトル36)が収容された空間42Agに+Y方向(収容ケース42Aの移動方向に平行な方向)に送風される。空間42Agに送風される気体の目標温度は、一例として搬送中のウエハWの目標温度に設定されている。このため、例えば載置部40A5上に温度センサ(不図示)を配置し、この温度センサで計測される気体(雰囲気)の温度が目標温度になるように、その局所空調系で気体の温度を制御してもよい。
図8の制御部60内の局所空調系から送風される温度調整されて除湿された清浄な気体(例えば空気)B1は、配管82Aを介して図6の収容ケース42Aの側壁42Aeの送風路48に供給される。供給された気体B2は、側壁42Aeの送風口48aを介して、収容棚40A(ウエハWを保持するシャトル36)が収容された空間42Agに+Y方向(収容ケース42Aの移動方向に平行な方向)に送風される。空間42Agに送風される気体の目標温度は、一例として搬送中のウエハWの目標温度に設定されている。このため、例えば載置部40A5上に温度センサ(不図示)を配置し、この温度センサで計測される気体(雰囲気)の温度が目標温度になるように、その局所空調系で気体の温度を制御してもよい。
送風された気体は、収容ケース42Aの側壁42Aeの排気口49a及び排気路49を介して配管84Aに排気される。そして、配管84Aに排気された気体は、矢印B3で示すように、図8の制御部60内の局所空調系に戻され、再び配管82Aを介して収容ケース42A内に供給される。同様にシャトルキャリア32Bの収容ケース42B内にもその局所空調系から温度制御された清浄な気体が供給されている。
また、本実施形態では、収容ケース42A内に清浄な気体が+Y方向に送風されているが、収容ケース42A内に清浄な気体を−Y方向に送風してもよい。また、可撓性を持つ配管82A,84A及び信号ケーブル(不図示)等をまとめて可撓性を持つカバー部材(不図示)内に配置し、このカバー部材をガイド部材34の側面に沿わせて配置してもよい。そのカバー部材は、シャトルキャリア32A,32B用の用力(ユーティリティ)(電力等の動力源及び/又は温度制御された気体等を含む)を供給するための部材とみなすことも可能である。
なお、上述の制御部60内の局所空調系において、収容ケース42A,42Bから排気された気体を局所空調系で回収することなく、その排気された気体をフィルタ部を介してクリーンルーム外に排気して、局所空調系では、大気から取り込んだ気体をフィルタ部を介して収容ケース42A,42Bに供給してもよい。さらに、シャトル搬送系30では局所空調系を備えることなく、工場に備えられている気体供給源(不図示)から供給される気体を、フィルタ部、除湿部、温度制御部等を介して収容ケース42A,42Bに供給してもよい。
上述のように収容ケース42A,42B内に清浄な気体をY方向(収容ケース42Aの移動方向)に送風する場合には、収容ケース42A,42BのX方向の幅を狭くすることができ、図1の第1列の露光装置12A〜12Eと第2列の露光装置12F〜12JとのX方向の間隔を狭くすることができる。このため、露光システム10の設置面積(フットプリント)を小さくできる。
また、シャトルキャリア32A,32Bの1つ〜5つのシャトル36を収容した収容ケース42A,42Bをアライメント部18と露光装置12A〜12Jとの間で搬送する際に、収容ケース42A,52B内のシャトル36を収容した局所的な空間42Ag等には清浄な気体が常時循環するように供給されている。このため、収容ケース42A,42Bが移動する搬送経路上の微小な異物(コンタミネーション)、及びシャトル36に保持されているウエハWに塗布されている感光剤から発生する気体に含まれる微小な異物等がウエハWに付着することを防止できる。このため、露光装置12A〜12Jにおいて、ウエハWに高精度に露光を行うことができ、その後の現像工程における歩留まりを向上できる。また、収容ケース42A,42Bが移動する搬送経路の全体を高精度に空調する場合に比べて、空調装置を大幅に小型化することができ、空調装置の製造コストを大幅に低減できる。
次に、図8のシャトル搬送系30の制御部60は、シャトルキャリア32A,32B、アライメント部18のロボットハンド26A,26B,26C、テーブル22A,22B、及びアライメント系24の動作を制御する。さらに、制御部60は、ホストコンピュータ62を介して露光装置12A〜12Jの露光制御系220等との間で各種制御情報(シャトル36の受け渡しのタイミングを示す情報を含む)の送受信を行う。また、制御部60はアライメント系24のステージ24aの動作を制御し、マーク検出系24bの検出結果を処理して得られるウエハWのショット配列の情報を、ホストコンピュータ62を介して露光制御系220等に供給する。
次に、本実施形態の露光システム10を用いる搬送方法及び露光方法の一例につき、図9(A)、図9(B)のフローチャートを参照して説明する。この搬送方法及び露光方法は主に制御部60及び露光制御系220によって制御される。ウエハWを保持するシャトル36を露光装置12A〜12Jに搬入する際には、シャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42Bを図1のアライメント部18内の位置A11,A12に移動しておく。以下では、説明の便宜上、収容ケース42A,42BをY方向に移動(駆動)することを、シャトルキャリア32A,32BをY方向に移動するともいう。そして、制御部60から収容ケース42A,42B内の収容棚40A,40Bが収容される空間に対する清浄で除湿された気体の供給を開始し、静電吸着用の電力の供給を開始する。
そして、図9(A)のステップ102において、ロボットハンド26Cによってシャトルストッカ20Cから取り出したシャトル36をテーブル22Bに載置し(シャトル36の第1組の半球部44Aがマウント部22Ba〜22Bcに係合する)、そのシャトル36の凹部37Aj内に未露光のウエハWを載置する。そして、ロボットハンド26Cのアーム27をシャトル36の裏面に差し込み、アーム27を上昇させて、アーム27のマウント部27a〜27cでシャトル36の第2組の半球部44Bを支持する(ステップ104)。さらに、ロボットハンド26Cでシャトル36をアライメント系24に搬送し、シャトル36のウエハWのアライメントを行う。この際に、収容ケース42A内のZ軸駆動部(不図示)によって収容ケース42A内の収容棚40Aの第1の載置部40A1が窓部42Ahに対向する位置に移動している。そして、アライメント終了後のウエハWを保持するシャトル36を、ロボットハンド26Cによって載置部40A1の上方に搬入する(ステップ106)。
そして、例えば収容ケース42Aを上昇させることで、載置部40A1のマウント部43A〜43Cがシャトル搬送系30の第1組の半球部44Aを支持して、ロボットハンド26Cから収容ケース42Aにシャトル36が受け渡される(ステップ108)。ステップ102〜108の動作を繰り返すことによって、収容ケース42Aの残りの4段の載置部40A2等及び収容ケース42Bの5段の載置部に、順次アライメントが終了したウエハWを保持するシャトル36が搬入(載置)される。この状態で、Y軸駆動部54A,54Bを駆動して、シャトルキャリア32A,32B(収容ケース42A,42B)をそれぞれ第1組及び第2組の1番目の露光装置12A,12Fのロードロック室14Bに対向する位置まで移動する(ステップ110)。
そして、露光装置12Aのロードロック室14B内を大気圧にし、シャッタ14Baを開く。さらに、ロードロック室14B内のロボットハンド46Aによって収容棚40Aの1段目の載置部40A1に載置されているシャトル36の第2組の半球部44Bを支持し、ロボットハンド46Aによってシャトル36をロードロック室14B内の補助テーブル46Cの上方に搬送し、シャッタ14Baを閉じる。さらに、ロボットハンド46Aによってシャトル36を降下させると、シャトル36の第1組の半球部44Aが補助テーブル46Cのマウント部46Ca〜46Cc(図8参照)に係合し、ロボットハンド46Aから補助テーブル46Cにシャトル36が受け渡される。これによって、ロードロック室14B内へのシャトル36の搬入が完了する(ステップ112)。露光装置12Fのロードロック室14B内へも同様にシャトル36が搬入される。ステップ110,112を繰り返すことによって、他の露光装置12B〜12E,12G〜12Jのロードロック室14B内へも同様にシャトル36が搬入される。
次に、図9(B)のフローチャートを参照して、露光装置においてシャトルのウエハWを露光する方法を説明する。露光装置12Aにおいてシャトル36のウエハWを露光する際、まずフローチャートのスタートの時点では、図8において、シャトル36はロードロック室14B内の位置P11に支持されており、ステージ装置WSTの可動ステージ204には載置されていないものとする。そして、図9(B)のステップ122において、ロードロック室14Bのシャッタ14Baを閉じ、ロードロック室14B内を高真空にした後、露光室14Aのシャッタ14Bcを開く。そして、露光室14A内のロボットハンド46Eのアーム46Eaを、受け渡し口14Bdを通してロードロック室14B内の補助テーブル46Cによって位置P11に支持されているシャトル36の裏面に移動し、アーム46Eaを上昇させる。これによって、ロボットハンド46Eのマウント部47D〜47Fがシャトル36の第2組の半球部44Bを支持し、補助テーブル46Cからロボットハンド46Eにシャトル36が受け渡される。
さらに、ロボットハンド46Eによってシャトル36を露光室14A内へ搬入し、シャッタ14Bcを閉じ、図10(A)に示すように、可動ステージ204を降下させる。この状態で、ロボットハンド46Eによって、シャトル36を可動ステージ204の上方の位置P12に移動する(ステップ124)。この際に可動ステージ204のマウント部47A〜47Cの上方にそれぞれシャトル36の第1組の半球部44Aが位置している。そして、図10(B)に示すように、可動ステージ204を上昇させると、可動ステージ204のマウント部47A〜47Cがシャトル36の第1組の半球部44Aを支持し、ロボットハンド46Eから可動ステージ204にシャトル36が受け渡される(ステップ126)。この後、ロボットハンド46Eのアーム46Eaはシャトル36と可動ステージ204との間から引き抜かれる。そして、ウエハWのアライメントの結果に基づいて、電子ビーム照射装置15に対して可動ステージ204によってシャトル36(ウエハW)を移動しながらウエハWに電子ビームを照射することで、ウエハWの全面に露光が行われる(ステップ128)。
露光終了後には、ステップ130において、ロボットハンド46Eのアーム46Eaをシャトル36と可動ステージ204との間に差し込み、可動ステージ204を降下することで、シャトル36の第2組の半球部44Bがロボットハンド46Eのマウント部47D〜47Fで支持される。そして、アンロードロック室14Cに通じるシャッタ(不図示)を開き、ロボットハンド46Eによってシャトル36をアンロードロック室14C内の補助テーブル46Dに載置する。シャトル36の第1組の半球部44Aが、補助テーブル46Dのマウント部46Da,46Db,46Dc(図2参照)によって支持される。そして、露光室14Aとアンロードロック室14Cとの間のシャッタを閉じ、図2のシャッタ46Caを開き、ロボットハンド46Bによって補助テーブル46Dで支持されているシャトル36を収容ケース42Aの収容棚40Aの載置部40A1に搬出する。その後、収容ケース42Aは次の露光装置12B等のアンロードロック室14Cの前に移動する(ステップ132)。
他の露光装置12B〜12Jに関しても、ステップ122〜134の露光及びシャトル36の搬出の動作が実行されて、シャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42B内には、露光済みのウエハWを保持する10個のシャトル36が収容される。そして、収容ケース42A,42Bを図1のアライメント部18内の位置A11,A12に移動した後、ロボットハンド26Cによって、収容ケース42Aの収容棚40Aの載置部40A1のシャトル36をテーブル22Bに搬出する(ステップ134)。この状態で、テーブル22Bのセンターピン22Bdを介してウエハWを上昇させ、ロボットハンド26Bによってその露光済みのウエハWをウエハカセット20Aに格納し、ロボットハンド26Cでシャトル36をシャトルストッカ20Cに格納することで、シャトル36からウエハWが分離される(ステップ136)。ステップ134,136を繰り返すことによって、収容棚40Aの他の載置部40A2等及び収容棚40Bの5段の載置部のシャトル36からそれぞれウエハWが分離され、分離後のシャトル36はシャトルストッカ20Cに格納され、露光済みのウエハWはウエハカセット20Aに格納される。さらに、他のウエハWに対する露光を行う場合には、図9(A)及び(B)の動作が繰り返される。
この搬送方法によれば、シャトル搬送系30を使用しているため、アライメント部18と複数の露光装置12A〜12Jとの間で、効率的に、かつウエハWに対する異物の付着が少ない状態で、ウエハWを保持するシャトル36を搬送できる。
また、ウエハWを保持するシャトル36は第1組の半球部44A及び第2組の半球部44Bを有するため、露光装置12A〜12Jの可動ステージ204で第1組の半球部44Aを介してキネマティックカップリング方式でシャトル36を支持することによって、露光中のシャトル36(ウエハW)の位置ずれがない状態で安定にシャトル36を支持できる。このため、ウエハWを高精度に露光できる。さらに、ロードロック室14B内の補助テーブル46Cでも第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持している。このため、シャトル搬送系30で補助テーブル46Cにシャトル36を載置する直前の補助テーブル46Cとシャトル36との相対位置が目標位置からずれていても、補助テーブル46Cにシャトル36が載置されたときに、補助テーブル46Cとシャトル36との相対位置はその目標位置に設定される。このため、ロボットハンド46Eによって補助テーブル46Cから可動ステージ204にシャトル36を移動する際に、シャトル36の位置検出を省略できるか、又はシャトル36の位置検出を短時間に行うことができるため、シャトル36の移動を効率的に行うことができる。
また、ウエハWを保持するシャトル36は第1組の半球部44A及び第2組の半球部44Bを有するため、露光装置12A〜12Jの可動ステージ204で第1組の半球部44Aを介してキネマティックカップリング方式でシャトル36を支持することによって、露光中のシャトル36(ウエハW)の位置ずれがない状態で安定にシャトル36を支持できる。このため、ウエハWを高精度に露光できる。さらに、ロードロック室14B内の補助テーブル46Cでも第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持している。このため、シャトル搬送系30で補助テーブル46Cにシャトル36を載置する直前の補助テーブル46Cとシャトル36との相対位置が目標位置からずれていても、補助テーブル46Cにシャトル36が載置されたときに、補助テーブル46Cとシャトル36との相対位置はその目標位置に設定される。このため、ロボットハンド46Eによって補助テーブル46Cから可動ステージ204にシャトル36を移動する際に、シャトル36の位置検出を省略できるか、又はシャトル36の位置検出を短時間に行うことができるため、シャトル36の移動を効率的に行うことができる。
さらに、可動ステージ204に対するシャトル36のローディング時(搬入時)、及び可動ステージ204からのシャトル36のアンローディング時(搬出時)には、ロボットハンド46Eのアーム46Eaで第2組の半球部44Bを介してシャトル36を支持することによって、補助テーブル46C又は可動ステージ204と、ロボットハンド46Eとの間のシャトル36の受け渡しを円滑に行うことができる。
また、シャトル搬送系30の収容ケース42A,42Bの収容棚40A,40Bでは第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持し、露光装置12A〜12Jのロボットハンド46A,46B、及びアライメント部18内のロボットハンド26Cでは、第2組の半球部44Bを介してシャトル36を支持している。このため、アライメント部18と収容ケース42A,42Bとの間、及び収容ケース42A,42Bと露光装置12A〜12Jとの間のシャトル36の受け渡しを円滑に行うことができる。さらに、シャトル36の搬送中に、収容棚40A,40Bの各載置部とシャトル36との相対位置、及びロボットハンド46A,46B,26Cのアームとシャトル36との相対位置がそれぞれ目標位置に維持されるため、シャトル36の受け渡しを効率的に、短時間に行うことができる。このため、露光工程のスループットを向上できる。
上述のように本実施形態のウエハW(基板)を保持するシャトル36(基板保持部材)は、ウエハWを保持する第1部材37A(基板保持部)と、露光装置12Aの可動ステージ204又はロボットハンド46A,46E(移動体)に装着される第2部材37B(支持部)と、第1部材37Aと第2部材37Bとを相対的に変位可能に接続する係合部37C1,37C2,37C3(接続部)と、を備えている。本実施形態によれば、シャトル36の第1部材37AにウエハWを保持し、第2部材37Bを可動ステージ204又はロボットハンド46A,46Eに装着する際に、第2部材37Bにわずかな変形が生じても、第1部材37AのウエハWを保持する領域は実質的に変形しないため、その第2部材37Bの変形のウエハWへの影響が軽減される。このため、ウエハWの変形が小さい状態で、ウエハWに高精度に露光を行うことができる。
また、係合部37C1,37C2,37C3には弾性変形可能なフレクシャ部37Ac,37Ad,37Aeが含まれており、第1部材37Aと第2部材37Bとは、第1部材37Aに設けられたフレクシャ部37Ac,37Ad,37Ae(ヒンジ部)を介して連結されている。このため、第2部材37Bの変形のウエハWへの影響がさらに軽減される。なお、第1部材37Aにはフレクシャ部37Ac等を設けることなく、第2部材37Bの例えば台座部37Bc,37Bd,37Beを支持する部分をフレクシャ部としてもよい。
また、シャトル36は第1組の半球部44A(第1連結部材)及び第2組の半球部44B(第2連結部材)を備えている。この構成によって、可動ステージ204で第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持している際に、ロボットハンド46Eで第2組の半球部44Bを介してシャトル36を支持できるため、可動ステージ204とロボットハンド46Eとの間のシャトル36の受け渡しを円滑に行うことができる。
また、本実施形態のシャトル搬送系30(搬送装置)及び搬送方法は、露光装置12AにウエハW(基板)を搬送する装置及び方法である。そして、シャトル搬送系30は、ウエハWを保持するための上述のシャトル36と、シャトル36の第2組の半球部44Bが装着される搬送用の装着部を有するロボットハンド46A,46B(搬送アーム部)と、を備え、ロボットハンド46A,46Bが第2組の半球部44Bを介して、収容ケース42Aと露光装置12Aとの間でシャトル36の受け渡しを行う。
また、その搬送方法は、シャトル36の第1部材37AにウエハWを保持するステップ102と、シャトル36を露光装置12Aまで移動するステップ110と、ロボットハンド46Aに半球部44Bを介してシャトル36を装着するステップ104と、露光装置12Aにシャトル36を搬入するステップ112とを有する。
シャトル搬送系30及びその搬送方法によれば、シャトル搬送系30の収容ケース42Aで第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持し、ロボットハンド46Aは第2組の半球部44Bを介してシャトル36を移動するため、シャトル36の受け渡しを円滑に行うことができる。
シャトル搬送系30及びその搬送方法によれば、シャトル搬送系30の収容ケース42Aで第1組の半球部44Aを介してシャトル36を支持し、ロボットハンド46Aは第2組の半球部44Bを介してシャトル36を移動するため、シャトル36の受け渡しを円滑に行うことができる。
また、本実施形態のウエハWを露光する露光装置12Aは、ウエハWを保持するためのシャトル36と、シャトル36の第1組の半球部44Aが装着されるマウント部47A〜47C(連結用の装着部)を有する可動ステージ204(ステージ装置)とを備えている。また、露光装置12Aを用いる露光方法は、シャトル36の第1部材37AでウエハWを保持するステップ102と、シャトル36の第1組の半球部44Aを可動ステージ204のマウント部47A〜47Cに装着するステップ126と、シャトル36で保持されたウエハWを露光するステップ128とを有する。
露光装置12A及びその露光方法によれば、シャトル36でウエハWを保持した状態でウエハWを露光しており、ウエハWの変形が少ないため、高い露光精度(重ね合わせ精度等)を得ることができる。さらに、可動ステージ204とロボットハンド46A等との間のシャトル36の受け渡しを円滑に行うことができるため、露光工程のスループットを向上できる。
また、本実施形態の露光システム10は、複数の露光装置12A〜12Eと、シャトル搬送系30と、露光装置12A〜12Eとシャトル搬送系30が備えるシャトルキャリア32Aの収容ケース42A(収容部)との間で、シャトル36の受け渡しを行うロボットハンド46A,46B(搬送アーム)と、を備えている。
また、本実施形態の露光システム10は、シャトル36と、シャトル36が装着される可動ステージ204を備える露光装置12Aと、シャトル36が装着されるロボットハンド46A(搬送アーム部)を有し、可動ステージ204にシャトル36を搬送するシャトル搬送系30とを備え、シャトル36の第2部材37Bは、可動ステージ204に連結可能な第1組の半球部44Aと、ロボットハンド46Aに連結可能な第2組の半球部44Bとを備える。また、露光システム10を用いる露光方法は、シャトル36の第2部材37Bの第1組の半球部44Aを介して可動ステージ204にシャトル362を装着するステップ126と、シャトル36の第2組の半球部44Bを介してロボットハンド46Aにシャトル36を装着するステップ112とを有する。この露光システム及び露光方法によれば、露光工程のスループットを向上できる。
また、本実施形態の露光システム10は、シャトル36と、シャトル36が装着される可動ステージ204を備える露光装置12Aと、シャトル36が装着されるロボットハンド46A(搬送アーム部)を有し、可動ステージ204にシャトル36を搬送するシャトル搬送系30とを備え、シャトル36の第2部材37Bは、可動ステージ204に連結可能な第1組の半球部44Aと、ロボットハンド46Aに連結可能な第2組の半球部44Bとを備える。また、露光システム10を用いる露光方法は、シャトル36の第2部材37Bの第1組の半球部44Aを介して可動ステージ204にシャトル362を装着するステップ126と、シャトル36の第2組の半球部44Bを介してロボットハンド46Aにシャトル36を装着するステップ112とを有する。この露光システム及び露光方法によれば、露光工程のスループットを向上できる。
なお、上述の実施形態では以下のような変形が可能である。
上述の実施形態では、シャトル36は第1組及び第2組の半球部44A,44Bを備えているが、シャトル36は第1組の半球部44Aを備えるのみでもよい。この場合、ロボットハンド26C,46A,46B,46Eでは、例えばシャトル36の第2部材37Bの裏面37Bbの半球部44Aが設けられていない部分を支持することで、シャトル36を搬送できる。
上述の実施形態では、シャトル36は第1組及び第2組の半球部44A,44Bを備えているが、シャトル36は第1組の半球部44Aを備えるのみでもよい。この場合、ロボットハンド26C,46A,46B,46Eでは、例えばシャトル36の第2部材37Bの裏面37Bbの半球部44Aが設けられていない部分を支持することで、シャトル36を搬送できる。
また、上述の実施形態では、シャトル36に半球部44A,44Bが設けられている。他の構成として、シャトル36の第2部材37Bにマウント部43A〜43Cと同様の円錐面、V字溝面、及び平坦面を持つ複数(例えば3個)の部分(係合部)を2組設け、露光装置12Aの可動ステージ204にはそのうちの第1組の部分に係合する半球部44Aと同様の複数の半球部(支持部材)を設け、例えばロボットハンド46Eのアーム46Eaには、そのうちの第2組の部分に係合する半球部44Bと同様の複数の半球部を設けてもよい。この場合でも、ウエハWの変形が小さい状態でシャトル36を保持して、シャトル36を効率的に搬送できる。さらに、シャトル36の第2部材37Bにマウント部43D〜43Fと同様のV字溝面を持つ複数(例えば3個)の部分(係合部)を2組設けてもよい。
また、上述の実施形態では、シャトル36の第2部材37Bの裏面において、第1組の半球部44Aに対して内側に第2組の半球部44Bが設けられているため、可動ステージ204に支持されているシャトル36を容易にロボットハンド46Eで支持できる。しかしながら、例えば第1組の2つの半球部44Aに対して中間の位置にそれぞれ第2組の半球部44Bを設けてもよい。さらに、第1組の半球部44Aに対してほぼ同じ半径の円周上の異なる位置に第2組の半球部44Bを設けてもよい。この場合、半球部44Aと半球部44Bとの大きさが同じであると、外観上では、第1組の半球部44Aと第2組の半球部44Bとの区別はできないことになる。
また、上述の実施形態では、シャトル36の第1組の半球部44A及び第2組の半球部44Bはそれぞれ3個であるが、第1組の半球部44A及び第2組の半球部44Bはそれぞれ少なくとも3個であればよい。例えば第1組の半球部44Aを4個以上設け、そのうちの3個の半球部44Aを可動ステージ204で支持するようにしてもよい。
なお、上述の実施形態では、シャトル36と可動ステージ204やロボットハンド46A等との連結を、半球部とV字溝等とのキネマティックカップリング方式で行ったが、連結部材として一方に突起を設け、他方からこの突起をクランプしてもよい。クランプと突起の連結時に第2部材37Bにわずかな変形が生じても、第2部材37BとウエハWを保持する第1部材37Aとの間に存在するフレクシャ部によって、第1部材37AのウエハWを保持する領域は実質的に変形しない。そこで、第2部材37Bの変形のウエハWへの影響が軽減され、ウエハWの変形が小さい状態で、ウエハWに高精度に露光することができる。
なお、上述の実施形態では、シャトル36と可動ステージ204やロボットハンド46A等との連結を、半球部とV字溝等とのキネマティックカップリング方式で行ったが、連結部材として一方に突起を設け、他方からこの突起をクランプしてもよい。クランプと突起の連結時に第2部材37Bにわずかな変形が生じても、第2部材37BとウエハWを保持する第1部材37Aとの間に存在するフレクシャ部によって、第1部材37AのウエハWを保持する領域は実質的に変形しない。そこで、第2部材37Bの変形のウエハWへの影響が軽減され、ウエハWの変形が小さい状態で、ウエハWに高精度に露光することができる。
また、上述の実施形態のシャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42Bは、Y軸駆動部54A,54Bによってガイド部材34に沿って移動しているため、収容ケース42A,42BのY方向の位置を高精度に制御できる。これに対して、収容ケース42A,42Bの移動機構として、収容ケース42A,42B(収容部)を保持し、複数の露光装置12A〜12Eに沿って移動する自走式移動部を使用してもよい。自走式移動部は、例えば4輪駆動される駆動部である。
また、上述の実施形態では、シャトルキャリア32A,32Bと露光装置12A〜12Eとの間でシャトル36の受け渡しを行うアーム部として、露光装置12Aのロードロック室14B及びアンロードロック室14C内のロボットハンド46A,46Bが使用されている。そのアーム部は、露光装置12A〜12Eとシャトルキャリア32A,32Bとの少なくとも一方に設けるのみでよい。すなわち、そのアーム部を例えばシャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42Bの上面、内部、又は側面等に設けてもよい。この場合には、露光装置12Aのロードロック室14B及びアンロードロック室14C内の構成を簡素化できる。
さらに、アライメント部18のロボットハンド26Cの機能を、その収容ケース42A,42Bに設けたアーム部に持たせてもよい。
また、上述の実施形態では、シャトル搬送系30の収容ケース42A,42Bはそれぞれ5個のウエハWを保持するシャトル36を収容可能である。しかしながら、収容ケース42A,42Bで収容可能なシャトル36の個数は任意である。
また、上述の実施形態では、シャトル搬送系30の収容ケース42A,42Bはそれぞれ5個のウエハWを保持するシャトル36を収容可能である。しかしながら、収容ケース42A,42Bで収容可能なシャトル36の個数は任意である。
また、シャトル搬送系の変形例として、ガイド部材34の一方の側面及び他方の側面のそれぞれに、1個のシャトル36を収容可能な1つの載置部を有する収容ケースをY方向に移動可能に設けてもよい。すなわち、本実施形態において、シャトルキャリア32A,32Bは、少なくとも1つのシャトルを収容出来ればよい。
また、上述の実施形態では、左右の露光装置の間に、シャトルキャリア32A,32Bを配置しているが、左右の露光装置の間を移動する一つのシャトルキャリア32Aのみを設け、このシャトルキャリア32Aに収容ケース42Aを180°回転する機構を設けてもよい。この変形例では、収容ケース42Aを露光装置12A〜12Eに対向させることで、収容ケース42Aと露光装置12A〜12Eとの間でシャトル36の受け渡しを行い、収容ケース42Aを180°回転して露光装置12F〜12Jに対向させることで、収容ケース42Aと露光装置12F〜12Jとの間でシャトル36の受け渡しを行うことができる。
また、上述の実施形態では、左右の露光装置の間に、シャトルキャリア32A,32Bを配置しているが、左右の露光装置の間を移動する一つのシャトルキャリア32Aのみを設け、このシャトルキャリア32Aに収容ケース42Aを180°回転する機構を設けてもよい。この変形例では、収容ケース42Aを露光装置12A〜12Eに対向させることで、収容ケース42Aと露光装置12A〜12Eとの間でシャトル36の受け渡しを行い、収容ケース42Aを180°回転して露光装置12F〜12Jに対向させることで、収容ケース42Aと露光装置12F〜12Jとの間でシャトル36の受け渡しを行うことができる。
また、上述の実施形態では、露光装置12A〜12Jは2列に配置されているが、例えば複数の露光装置12A等を一列に配置してもよい。さらに複数の露光装置12A等を3列以上の配列で配置してもよい。また、上述の実施形態では、シャトルキャリア32A,32Bの収容ケース42A,42B内に収容棚40A,40Bを昇降させるZ軸駆動部を設けているが、このZ軸駆動部を省略することも可能である。
また、上述の実施形態において、例えば収容棚40Aの載置部40A1(他の載置部も同様)に温度センサ(不図示)及び温度制御素子(ヒータ、ペルチエ素子等)を設け、温度制御素子によって載置部40A1及びこれに載置されているシャトル36の温度が目標温度になるように制御してもよい。
また、上述の実施形態において、収容ケース42A,42Bの窓部42Ah等にシャッタを設け、シャトル36の受け渡し期間以外では、シャッタで窓部42Ah等を閉じてもよい。
また、上述の実施形態において、収容ケース42A,42Bの窓部42Ah等にシャッタを設け、シャトル36の受け渡し期間以外では、シャッタで窓部42Ah等を閉じてもよい。
また、アライメント部18及びシャトル搬送系のそれぞれを空調可能なチャンバに収容してもよい。
また、シャトルキャリア32A,シャトルキャリア32Bを移動させる時の振動を低減するために、設置面とベース部材35との間に、高周波振動を低減させるエアサスペンション等のダンパー装置を設けてもよい。
また、シャトルキャリア32A,シャトルキャリア32Bを移動させる時の振動を低減するために、設置面とベース部材35との間に、高周波振動を低減させるエアサスペンション等のダンパー装置を設けてもよい。
また、上記の実施形態の露光システム10(露光装置12A〜12J)又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造する場合、この電子デバイスは、図11に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ321、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)又は電子ビームによる露光パターンを製作するステップ322、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ323、前述した実施形態の露光システム又は露光方法によりマスク又は露光パターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ324、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)325、並びに検査ステップ326等を経て製造される。
言い替えると、上記のデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光システム又は露光方法を用いて、所定のパターンを介して基板(ウエハW)に形成する工程と、その所定のパターンを介して基板を加工する工程と、を含んでいる。
このデバイス製造方法によれば、露光工程の露光精度を向上できるとともに、スループットを高めることができるため、電子デバイスを高精度にかつ安価に製造できる。
このデバイス製造方法によれば、露光工程の露光精度を向上できるとともに、スループットを高めることができるため、電子デバイスを高精度にかつ安価に製造できる。
なお、上記実施形態では、ターゲットが半導体素子製造用のウエハである場合について説明したが、本実施形態に係る露光システムは、ガラス基板上に微細なパターンを形成してマスクを製造する際にも好適に適用できる。また、上記実施形態では、露光装置として荷電粒子線を用いる露光装置を使用している。別の構成として、露光装置として、例えば軟X線等の極端紫外光(Extreme Ultraviolet Light:EUV光)を露光ビームとして用いるEUV露光装置等を用いる場合にも、上記実施形態を適用することができる。
W…ウエハ、10…露光システム、12A〜12J…露光装置、13A〜13C…真空チャンバ、15…電子ビーム照射装置、18…アライメント部、26C…ロボットハンド、30…シャトル搬送系、32A,32B…シャトルキャリア、36…シャトル、37A…第1部材、37B…第2部材、37C1〜37C3…係合部、44A…第1組の半球部、44B…第2組の半球部、46E…ロボットハンド、47A〜47C…第1組の半球部用のマウント部、47D〜47F…第2組の半球部用のマウント部、204…可動ステージ
Claims (20)
- 基板を保持し、移動可能な移動体に装着される基板保持部材であって、
前記基板を保持する基板保持部と、
前記移動体に装着される支持部と、
前記基板保持部と前記支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部と、
を備える基板保持部材。 - 前記接続部は、弾性変形可能な弾性部材を有する請求項1に記載の基板保持部材。
- 前記弾性部材は、前記基板保持部の周縁部に設けられた複数のフレクシャ部を有する請求項2に記載の基板保持部材。
- 前記基板保持部は、前記基板を保持する保持領域を有し、
前記フレクシャ部のそれぞれは、前記基板保持部における前記基板の保持領域の中央部から外側に向かって弾性変形可能である請求項3に記載の基板保持部材。 - 前記支持部は、前記移動体に連結可能な第1連結部材を備える請求項1から4のいずれか一項に記載の基板保持部材。
- 前記第1連結部材と異なる位置に設けられ、前記移動体に連結可能な第2連結部材をさらに備える請求項5に記載の基板保持部材。
- 前記第1連結部材及び前記第2連結部材は、それぞれ前記支持部の複数箇所に設けられる請求項6に記載の基板保持部材。
- 複数の前記第1連結部材は、前記支持部のうち、前記基板保持部が接続される面の裏面に設けられ、
複数の前記第2連結部材は、前記支持部の前記裏面のうち、複数の前記第1連結部材に対して内側の位置に設けられる請求項6又は7に記載の基板保持部材。 - 複数の前記第1連結部材及び複数の前記第2連結部材は、それぞれ前記移動体に接触可能な半球面を有する請求項6から8のいずれか一項に記載の基板保持部材。
- 露光装置に基板を搬送する搬送装置であって、
請求項6から9のいずれか一項に記載の基板保持部材と、
前記基板を保持した前記基板保持部材の複数の前記第2連結部材が装着される搬送用の装着部を有する搬送アーム部と、を備え、
前記移動体は、前記搬送アームを含む搬送装置。 - 基板を露光する露光装置であって、
請求項5から9のいずれか一項に記載の基板保持部材と、
前記基板を保持した前記基板保持部材の複数の前記第1連結部材が装着される連結用の装着部を有するステージ装置とを備え、
前記移動体は、前記ステージ装置の少なくとも一部を含む露光装置。 - 前記基板保持部材と前記ステージ装置との間に設けられ、前記ステージ装置に対する前記基板保持部材の位置を検出する検出部を備える請求項11に記載の露光装置。
- 前記露光装置は荷電粒子線を用いて前記基板を露光する荷電粒子線露光装置である請求項11又は12に記載の露光装置。
- 基板を露光する露光システムであって、
前記基板を保持する基板保持部と、移動体に装着される支持部と、前記基板保持部と前記支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材と、
前記基板保持部材が装着されるステージ装置を備える露光装置と、
前記基板保持部材が装着される搬送アーム部を有し、前記ステージ装置に前記基板保持部材を搬送する搬送装置とを備え、
前記支持部は、前記ステージ装置に連結可能な第1連結部材と、前記搬送アーム部に連結可能な第2連結部材とを備える露光システム。 - 露光装置に基板を搬送する搬送方法であって、
前記基板を保持する基板保持部と、搬送アームに装着される支持部と、前記基板保持部と前記支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材に前記基板を保持することと、
前記基板を保持した前記基板保持部材を前記搬送アームを介して前記露光装置まで移動することと、
を含む搬送方法。 - 基板を露光する露光方法であって、
前記基板を保持する基板保持部と、ステージ装置に装着される支持部と、前記基板保持部と前記支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材に前記基板を保持することと、
前記基板保持部材の前記支持部を介して前記基板保持部材をステージ装置で支持することと、
前記基板保持部材で保持された前記基板を露光することと、
を含む露光方法。 - 基板を露光する露光方法であって、
前記基板を保持する基板保持部と、第1連結部材及び第2連結部材を有する支持部と、前記基板保持部と前記支持部とを相対的に変位可能に接続する接続部とを備える基板保持部材の前記基板保持部に前記基板を保持させることと、
前記支持部の前記第1連結部材を介して、露光装置のステージ装置に前記基板保持部材を装着すること、
前記支持部の前記第2連結部材を介して、搬送装置の搬送アーム部に前記基板保持部材を装着することと、
を含む露光方法。 - 前記基板保持部材と前記ステージ装置との間に設けられ、前記ステージ装置に対する前記基板保持部の位置を検出する検出部を備え、
前記検出部を用いて、前記基板保持部材と前記ステージ装置との位置関係を計測することと、
前記計測された位置関係を用いて前記ステージ装置を駆動することと、を含む請求項16又は17に記載の露光方法。 - 請求項11から13のいずれか一項に記載の露光装置を用いて、所定のパターンを基板に形成することと、
前記所定のパターンを介して前記基板を加工することと、を含むデバイス製造方法。 - 請求項16から18のいずれか一項に記載の露光方法を用いて、所定のパターンを基板に形成することと、
前記所定のパターンを介して前記基板を加工することと、を含むデバイス製造方法。
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