JP2017190818A - 転がり軸受 - Google Patents

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翔太 種田
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    • F16C23/00Bearings for exclusively rotary movement adjustable for aligning or positioning
    • F16C23/06Ball or roller bearings
    • F16C23/08Ball or roller bearings self-adjusting
    • F16C23/088Ball or roller bearings self-adjusting by means of crowning

Abstract

【課題】耐食性と低回転トルク性と耐磨耗性とを同時に実現できる転がり軸受を提供すること。【解決手段】内輪と、前記内輪の外周側に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられた複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、前記外輪の外周面は、当該転がり軸受の回転軸を含む断面において略円弧の形状を成しており、前記外輪は、炭素0.2質量%以上0.5質量%以下、クロム13質量%以上18質量%以下、モリブデン0.9質量%以上3.0質量%以下、窒素0.1質量%以上0.5質量%以下、シリコン1質量%以下、マンガン1質量%以下、リン0.03質量%以下、硫黄0.03質量%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなり、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
屋外に設置される引戸式や回転式のドアの開閉機構に転がり軸受が使用される場合がある。屋外に設置される転がり軸受には、雨や雪等の水分(以降雨水等と記載する)による腐食を防止するために耐食性が求められている。
耐食性を考慮した転がり軸受としては、たとえば特許文献1に開示されるものがある。
特開2013−221188号公報
上述したように、屋外に設置される転がり軸受には、雨水等による腐食を防止するために耐食性が求められている。特に、海岸に近い地域では雨水に塩分が含まれる場合があるので、特に耐食性が求められる。また、このような転がり軸受は、ドアの開閉を人力や電動モータ等を動力として行うことを考慮すると、低トルクで回転させることができることが好ましい。さらには、転がり軸受を長寿命とするために、耐摩耗性を有することが好ましい。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐食性と低回転トルク性と耐磨耗性とを同時に実現できる転がり軸受を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る転がり軸受は、内輪と、前記内輪の外周側に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられた複数の転動体と、を備えた転がり軸受であって、前記外輪の外周面は、当該転がり軸受の回転軸を含む断面において略円弧の形状を成しており、前記外輪は、炭素0.2質量%以上0.5質量%以下、クロム13質量%以上18質量%以下、モリブデン0.9質量%以上3.0質量%以下、窒素0.1質量%以上0.5質量%以下、シリコン1質量%以下、マンガン1質量%以下、リン0.03質量%以下、硫黄0.03質量%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなり、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る転がり軸受は、前記内輪または転動体の少なくとも一方は、クロム11質量%以上、窒素0.1質量%未満、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る転がり軸受は、前記外輪の外周面は、前記断面において、当該転がり軸受の軸方向において中央に位置する第1円弧部と、前記第1円弧部に対して前記外輪の前記軸方向における端面側のそれぞれに位置する第2円弧部とを有し、前記第1円弧部の曲率半径は前記第2円弧部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る転がり軸受は、外輪の外周面が、当該転がり軸受の回転軸を含む断面において略円弧の形状を成しているために低回転トルク性を実現できるとともに、外輪が所定の組成及びロックウェル硬さを有するマルテンサイト系ステンレス鋼からなるので、耐食性と耐磨耗性とを実現できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る転がり軸受の模式的な断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る転がり軸受の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る転がり軸受の、当該転がり軸受の回転軸を含む断面における模式的な断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る転がり軸受10は、グリースが封入されたシールド付の玉軸受であって、内輪11と、外輪12と、複数の転動体であるボール13と、保持器14と、2つのシールド15と、グリースGとを備えている。
内輪11は、後述するステンレス鋼からなり、その外周面に円周方向に延びるように形成された軌道溝を有している。
外輪12は、内輪11の外周側に配置されている。外輪12は、後述するステンレス鋼からなり、その内周面に円周方向に延びるように形成された軌道溝を有している。また、外輪12は、外周面12aと、転がり軸受10の軸方向における2つの端面12bとを有する。外周面12aは、断面において略円弧の形状を成している。また、外周面12aは、軸方向において中央に位置し、円弧の頂部を形成する第1円弧部12a1と、第1円弧部12a1に対して端面12b側のそれぞれに位置し、円弧の端部を形成する第2円弧部12a2とを有する。
各ボール13は、後述するステンレス鋼からなり、内輪11の軌道溝と外輪12の軌道溝との間に設けられている。各ボール13は軌道溝に接触しながら、起動溝が構成する軌道を転動する。なお、本実施形態ではボール13の数は8であるが、ボール13の数は特に限定されない。
保持器14は、各ボール13を回転可能に保持する合成樹脂製の冠型の保持器であり、8つのボール13を軌道内に等間隔に配置するものである。保持器14はたとえばポリアミド樹脂からなる。なお、保持器14は、冠型に限らず、もみ抜き型など他の形状のものでもよく、また、金属等の他の材質からなっていてもよい。
2つのシールド15は、たとえば金属やゴムからなる略円環形状の板材であり、それぞれの外周部で外輪12に取り付けられている。一方、各シールド15はその内周部が内輪11の直近まで延びている。これにより、シールド15は、内輪11と外輪12との間を覆い、ボール13及びグリースGを保護する。
グリースGは、内輪11と外輪12との間の軸受空間内に充填されている。グリースGは、転がり軸受10の回転時に内輪11、外輪12、ボール13及び保持器14の隙間に潤滑を行う潤滑剤である。
この転がり軸受10は、たとえば屋外に設置されるドアの開閉機構に使用される場合には、内輪11がシャフトに固定され、図1に示すように、外輪12の外周面12aがドアの表面やドアの枠の表面やドアに対するガイドレールの表面(以下、これらの表面を当接面Pと記載する)に直接当接するように配設される。そして、ドアの開閉時には、外輪12が当接面Pを転がるように回転することで、ドアの開閉が円滑に行われることとなる。このとき、外輪の12の外周面12aには、径方向において当接面Pから荷重(ラジアル荷重)が掛かる。
ここで、上述したように、外周面12aは、断面において略円弧の形状を成している。これにより、外輪12の外周面12aは円弧の頂部を形成する第1円弧部12a1の一部領域において当接面Pと当接する。その結果、外輪の外周面が平坦な面である場合と比較して、外輪12の外周面12aと当接面Pとの接触面積が小さくなるので、転がり軸受10を低トルクで回転させることができる。
このとき、上述したように外輪12の外周面12aと当接面との接触面積が小さいため、外周面12aのうち当接面Pと接触する接触領域にラジアル荷重が集中して掛かることとなる。
ここで、外輪12は、ドアやドアの枠やガイドレールの当接面Pに直接当接するように露出しているため、転がり軸受10が屋外で使用される場合に雨水等に曝される場合がある。このとき、上述した外周面12aの当接面Pとの接触領域に掛かる単位面積当たりのラジアル荷重が大きくなることと、隙間腐食とにより、外輪の外周面が平坦な面である場合よりも、当該接触領域が腐食しやすい状態となっている。さらには、接触領域に掛かる単位面積当たりのラジアル荷重が大きくなることにより、接触領域は磨耗及び変形しやすい状態となっている。
そこで、実施形態に係る転がり軸受10では、外輪12が、炭素0.2質量%以上0.5質量%以下、クロム13質量%以上18質量%以下、モリブデン0.9質量%以上3.0質量%以下、窒素0.1質量%以上0.5質量%以下、シリコン1質量%以下、マンガン1質量%以下、リン0.03質量%以下、硫黄0.03質量%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなり、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなることにより、耐食性と耐磨耗性とを実現している。
上述した通り、本実施形態では、外輪12は炭素を0.2質量%以上0.5質量%以下含有する。ここで、炭素が0.2質量%未満であると硬度が不足し、炭素が0.5質量%を上回ると発錆の起点となる炭化物が析出し、耐食性の点で問題となり得る。そこで、本実施形態では、外輪12に炭素を0.2質量%以上0.5質量%以下含有させることで、耐食性と耐摩耗性とを実現している。また、本実施形態では、外輪12はクロムを13質量%以上18質量%以下含有する。ここで、クロムが13質量%未満であると耐食性が不足し、クロムが18%を上回ると硬度が不足する。そこで、本実施形態では、外輪12にクロムを13質量%以上18質量%以下含有させることで、耐食性と耐摩耗性とを実現している。さらに、本実施形態では、外輪12は、クロムに加えて、ステンレス鋼の耐食性を向上させるモリブデンを0.9質量%以上3.0質量%以下含有するから、外輪12を構成するステンレス鋼の耐食性が向上するという前述の効果はさらに顕著である。さらに、本実施形態の外輪12は、窒素を0.1質量%以上0.5質量%以下含有する。ここで、窒素が0.1質量%未満であると耐食性の点で問題となり得る。他方、マルテンサイト系ステンレス鋼に窒素を0.5質量%より多く溶解させると、窒素によるボイドが発生し、材料が脆くなることから耐摩耗性の点で問題が生じ得る。そこで、本実施形態では、外輪12に窒素を0.1質量%以上0.5質量%以下含有させることで、耐食性と耐摩耗性とを実現している。なお、0.15質量%程度までの窒素含有量では大気圧での溶解が可能であるが、それ以上の窒素含有量とする場合は加圧溶解法を用いることが必要である。さらに、本実施形態では、ステンレス鋼中で介在物を形成して耐食性を悪化させるシリコン、マンガン、リン、硫黄が、それぞれ1質量%以下、1質量%以下、0.03質量%以下、0.03質量%以下に抑制されているから、外輪12を構成するステンレス鋼の耐食性が向上するという前述の効果はさらに顕著である。さらに、外輪12を上記組成のマルテンサイト系ステンレス鋼で構成することで、56HRC以上の硬度を実現できる。その結果、転がり軸受10は、その外輪12が、耐摩耗性を有し、かつ接触領域に高荷重が掛かっても変形が防止されるものとなる。ここで、HRCは、JIS Z 2245に規定される試験方法で測定されるロックウェルCスケール硬さを意味する。
他方、内輪11及びボール13については、転がり軸受10が屋外で使用される場合でも、当接面Pに直接接触させないので、雨水等に曝される可能性が低いまたは無いような配置とすることができる。換言すれば、内輪11及びボール13に要求される耐食性および耐磨耗性の程度は、当接面Pに直接接触する外輪12と比較して緩和され得る。そこで、内輪11およびボール13の少なくとも一方は、クロム11質量%以上、窒素0.1質量%未満、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものを用いることができる。具体的には、例えば、DD400、SUS440C等のマルテンサイト系ステンレス鋼を用いることが可能である。このようなステンレス鋼は、炭素を多く含み、熱処理後に高い表面硬さを得ることができるから、内輪11及びボール13の少なくとも一方を当該ステンレス鋼で構成すれば、必要な特性(硬度や耐摩耗性)を確保することができる。また、当該ステンレス鋼は、含まれる窒素を0.1質量%未満(例えば1000ppm未満)に抑えていることから、製造時に積極的に窒素を添加する必要がないものであり、上述の窒素含有量が0.1質量%以上0.5質量%以下であるマルテンサイトステンレス鋼よりも低コストで製造できる。したがって、外輪12に加えて、内輪11およびボール13の少なくとも一方を、窒素を0.1質量%以上含むステンレス鋼で構成した場合と比較して、転がり軸受10を低コストで実現することができる。
さらには、内輪11及びボール13の両方を、クロム11質量%以上、窒素0.1質量%未満、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものとしてもよい。以上の構成によれば、内輪11およびボール13の一方のみが、クロム11質量%以上、窒素0.1質量%未満、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなる転がり軸受10と比較して、より低コストで実現することができる。ただし、内輪11及びボール13の構成材料はこれに限らず、内輪11及びボール13として必要な特性(硬度や耐摩耗性)を実現できる他の低コストの鋼材を用いてもよい。たとえば、ボール13は潤滑のための油膜で覆われているが、その油膜が防錆効果も発揮するので、ボール13の材料をステンレス鋼よりも低コストのSUJ2やAISI E52100等の高炭素クロム鋼とすることができる。
また、グリースGについては、転がり軸受に使用されるグリースであれば特に限定無く使用できる。転がり軸受に使用されるグリースには、一般的に、基油と、増ちょう剤と、必要に応じて分散剤、酸化防止剤、摩擦防止剤、金属不活性剤、錆止め剤、油性剤、粘度指数向上剤などの添加剤とが含有されている。なお、基油としてフッ素油、シリコーン油以外の基油、たとえば合成炭化水素油、アルキルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、エステル油、鉱油等を単独または混合して用い、増ちょう剤としてウレア化合物やリチウム石けんを用いたグリースは、ラジアル荷重に強い。そのため、このようなグリースをグリースGとして使用すれば、内輪11、外輪12とボール13との間の低回転トルク性をより長期に渡って好適に維持できるので好ましい。
さらに、上述したように、転がり軸受10の外輪12の外周面12aは、第1円弧部12a1と第2円弧部12a2とを有するが、第1円弧部12a1の曲率半径R1は、第2円弧部12a2の曲率半径R2よりも大きい(R1>R2)。ここで、外周面12aの曲率半径を一定とした場合、転がり軸受10が傾いた場合に当接面Pに角当たりしないためには、転がり軸受10の傾きが無く、かつ外周面12が当接面Pに当接している状態において、両側の角部(すなわち、軸方向における2つの端面12bのそれぞれと、外周面12aの円弧部との角部)が、当接面Pから十分離れていることが必要となる。ここで、外周面12aの曲率半径を一定とした構成では、曲率半径を小さくすれば、両側の角部と当接面Pとの距離が大きくなり、両者を離すことができるので、角当たりの発生を抑制することができる。しかしながら、曲率半径を小さくすると、外周面が当接面Pに接触する領域の面積(接触面積)が小さくなり、単位面積当たりに掛かる接触応力が大きくなる。一方、曲率半径を大きくすれば接触面積を大きくでき、単位面積当たりに掛かる接触応力を小さくできるが、両側の角部と当接面Pとの距離が小さくなり、上述した角当たりが発生し易くなるので、曲率半径を大きくするには限度がある。そこで、本実施形態では、外周面12aを、曲率半径の異なる円弧部(第1円弧部12a1と第2円弧部12a2)で構成し、第1円弧部12a1の曲率半径R1を、第2円弧部12a2の曲率半径R2よりも大きくしている。以上のように、外周面12aを、曲率半径の異なる第1円弧部12a1と第2円弧部12a2とにより構成し、第1円弧部12a1の曲率半径R1を第2円弧部12a2の曲率半径R2よりも大きくした構成では、外周面12aの曲率半径を一定とした構成と比較して、両側面の角部を当接面から十分に離間させることができるから、角部の角当たりを抑制できるとともに、第1円弧部12a1が当接面Pに接触する領域の面積(接触面積)を大きくして、単位面積当たりに掛かる接触応力を下げることができる。したがって、第1円弧部12a1の曲率半径R1を第2円弧部12a2の曲率半径R2よりも大きくした構成によれば、接触領域にラジアル荷重が過度に掛かることを抑制しつつ、適切な接触面積を確保できるので、低回転トルク性と耐摩耗性と長寿命化を実現することができる。さらに、第2円弧部12a2の曲率半径R2を第1円弧部12a1の曲率半径R1よりも小さくすることで、外輪を研削加工して第1円弧部12a1を仕上げるときに角部に発生するバリを抑制することができる。このようなバリは転がり軸受10が当接面Pをスムーズに転がる妨げになるのは勿論のこと、発錆の起点となることもあるので、R1>R2の関係とすることは耐食性の観点からも好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係る転がり軸受10は、耐食性と低回転トルク性と耐磨耗性とを同時に実現し、長寿命なものであり、さらに低コストなものとすることが可能である。
(実施例、比較例)
本発明の実施例として、上記実施形態に係る転がり軸受と同じ構成の転がり軸受のサンプルを複数個作製した。なお、転がり軸受の外輪は、炭素0.5質量%、クロム13質量%、モリブデン0.9質量%、窒素0.4質量%、シリコン1質量%以下、マンガン1質量%以下、リン0.03質量%以下、硫黄0.03質量%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなり、ロックウェル硬さが57HRCであるマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものとした。また、保持器はポリアミド樹脂製とし、内輪はクロム11質量%、窒素0.1質量%未満、ロックウェル硬さが57HRCのマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものとした。ボールは、クロム11質量%、窒素0.1質量%未満、ロックウェル硬さが62HRCのマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものとした。
一方、比較例1として、内輪に加えて、外輪をクロム11質量%、窒素0.1質量%未満、ロックウェル硬さが57HRCのマルテンサイト系ステンレス鋼からなるものとした転がり軸受のサンプルを複数個作製した。さらに、比較例2として、外輪の外周面がストレートの円筒状であること以外は実施例と同じである転がり軸受のサンプルを作製した。
作製したサンプルに対して、次のような試験を行った。まず、当接面としてのSUS303製のレール面に中性5%塩水を噴霧してレール面を濡らした。次に、実施例、比較例1および比較例2の各サンプルを塩水で濡れたレール面の上で転がし、そのまま外周面がレール面に接した状態で静置させた。これを一時間に1回の頻度で繰り返して錆の発生を観察した。このように濡れたレール面の上を転がすことで、転がり軸受が引戸式や回転式のドアに使用されたときに、ドアの開閉で外周面が塩分を含んだ水で濡れる状況をシミュレーションした。その結果、比較例1のサンプルでは、試験時間が1〜2時間で外輪に錆が発生した。また、比較例2のサンプルでは試験時間が200〜500時間で外輪に錆が発生した。こ一方、実施例のサンプルでは、試験時間が1000〜2000時間で外輪に錆が発生した。このように、本発明の実施例の転がり軸受は、耐食性が極めて高いことが確認された。
なお、上記実施形態に係る転がり軸受10は玉軸受であるが、本発明はこれに限らず、ローラ軸受等の他の構造の転がり軸受にも適用することができる。
また、上記の実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
10 転がり軸受
11 内輪
12 外輪
12a 外周面
12a1 第1円弧部
12a2 第2円弧部
12b 端面
13 ボール
14 保持器
15 シールド
G グリース
P 当接面

Claims (3)

  1. 内輪と、
    前記内輪の外周側に配置された外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に設けられた複数の転動体と、
    を備えた転がり軸受であって、
    前記外輪の外周面は、当該転がり軸受の回転軸を含む断面において略円弧の形状を成しており、
    前記外輪は、炭素0.2質量%以上0.5質量%以下、クロム13質量%以上18質量%以下、モリブデン0.9質量%以上3.0質量%以下、窒素0.1質量%以上0.5質量%以下、シリコン1質量%以下、マンガン1質量%以下、リン0.03質量%以下、硫黄0.03質量%以下、残部が鉄及び不可避不純物からなり、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記内輪または転動体の少なくとも一方は、クロム11質量%以上、窒素0.1質量%未満、硬度がロックウェル硬さで56HRC以上であるマルテンサイト系ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記外輪の外周面は、前記断面において、当該転がり軸受の軸方向において中央に位置する第1円弧部と、前記第1円弧部に対して前記外輪の前記軸方向における端面側のそれぞれに位置する第2円弧部とを有し、
    前記第1円弧部の曲率半径は前記第2円弧部の曲率半径よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の転がり軸受。
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