[第1実施形態]
[遊技システム]
図1は、本実施形態に係る遊技システム1001の全体構成を示す図である。遊技システム1001は、図1に示すように、スロットマシン1と、管理サーバ1200とを含む。スロットマシン1は、遊技場(ホール)に設置されており、管理サーバ1200は、インターネット網900に接続されている。管理サーバ1200は、スロットマシン1のメーカ(スロットマシン1の提供者)が保持している。スロットマシン1と、管理サーバ1200と、の間のデータのやり取りは、二次元コード読み取り機能及びインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介して行われる。図2、図3はそれぞれ、本実施形態の携帯端末1100の構成および管理サーバ1200の構成を示すブロック図である。
[スロットマシンの構成]
図4は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域を有しており、該表示領域で所定の演出を実行可能とする。また、スロットマシン1は、透視窓3に対応する透過可能な透過領域51bを有する。遊技者は、透視窓3(透過領域51b)を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図5は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
また、スロットマシン1は、役物200を備える。役物200は、初期位置と、駆動位置とを変位可能である。初期位置は、図4に示すように、液晶表示器51の表示領域に重複していない位置である。また、駆動位置は、図52に示すように、役物200の一部が液晶表示器51の表示領域と重複する位置である。本実施形態の役物200は女の子をモチーフとしたものである。サブ制御部91は役物駆動装置99を制御することにより、役物200を駆動させることができる。役物駆動装置99はたとえば、ステッピングモータなどを含む。なお、図4では、役物200のみを記載し、役物駆動装置99などの記載は省略している。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12(以下、払出数表示部とも称する)、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。本実施の形態では、入賞ラインLNが左下から右斜め上に上がるように形成されている。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。導出表示される図柄(表示結果)として、選択可能なものは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに入賞ラインLN上に表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。規定数の賭数(たとえば、3)が設定されると、各入賞ラインが有効化されて、ゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
また、図5の各リールの図柄配列については、右リール2Rにおいてチェリー図柄が5コマ以内に必ず配置されている。また、中リール2Cにおいてスイカ図柄が5コマ以内に必ず配置されている。各リールにおいて、所定時間内で引き込み可能な範囲内は、5コマ以内であるので、後述するチェリーリプ当選時には、必ず右リール2Rにチェリー図柄を導出することが可能であり、スイカ当選時には、必ず中リール2Cにスイカ図柄を導出することが可能である。
図6は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図7は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図7の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図7の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図7の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図7の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図7の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図7の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図7の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
また、演出制御基板90は、役物200を駆動可能な役物駆動装置99を備えるとともに、マーク検出回路105を備える。マーク検出回路105は、たとえば、フォトセンサなどを含む。役物200は、マーク201が付されている。マーク検出回路105はマーク201を検出することにより、役物200が駆動位置に存在することを特定する。このような特定が可能となるような位置に、マーク201は役物200に付され、マーク検出回路105に含まれるフォトセンサは備えられている。なお、変形例として、マーク検出回路105がマークを検出することにより、役物200が初期位置に存在することを特定するようにしてもよい。
図8〜図12は、各種の入賞役を説明するための図である。また、図11などの備考欄には、入賞役のその他の呼び方と対応する指標図柄等が示されている。指標図柄とは、入賞を発生させる図柄の組合せが入賞ラインLN上に停止したときに、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄をいう。たとえば、ベル1、ベル2、AT1〜AT32の指標図柄は「ベル」であり、スイカの指標図柄は「スイカ」である。本実施の形態では、後述する抽選対象役に当選したときに対応する指標図柄を報知する告知演出(以下、入賞示唆演出とも称する)を実行する。図13は、出目の種類、出目の図柄組合せ、及び出目に関連する技術事項について説明するための図である。図13の出目は、後述する9枚ベル左1〜8、9枚ベル中1〜8、9枚ベル右1〜8のいずれかに当選しているときであって、当選している9枚ベルの種類に応じた対応手順で操作せずに当選している入賞役を取りこぼしたときにのみ導出される特定の出目である。このような特定の出目は、メダルが払出されない。
また、入賞役のうちスイカについては、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、右下がりベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、右下がりスイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下がりスイカに当選・入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。
図14は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図14の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。具体的には、通常(遊技の大半)は、RT1で制御される。そして、RT1において準備リプ(リプ4)に入賞したときは、RT1よりも再遊技役の当選確率が高いRT2へ移行する。さらに、RT2において突入リプ(リプ5)に入賞したときは、RT2よりも再遊技役の当選確率の高いRT3へ移行する。また、RT2において、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)したときにはRT1へ移行する。また、RT2において、リプ1が入賞したときには、該RT2への制御が維持される。また、RT3において、転落リプ(リプ2,リプ3)入賞またはベルこぼし(右取りこぼし,中取りこぼし,左取りこぼし)したときにはRT1へ移行する。RT2やRT3は、再遊技役の当選確率がRT1よりも高く遊技者にとって有利な遊技状態である。
BB1〜BB5のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1〜BB5のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図8で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT0へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図15参照)。ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率でベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図15および図16は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選した抽選対象役を当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、入賞役の組合せ欄には、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示している。たとえば、図15に示すリーチ目リプは、RT0〜RT3のいずれの状態においても抽選対象となるがRT4では抽選されない。また、RT4では、はずれ、通リプ、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプ以外のリプレイは、当選しないように設定されている。その代わりに中段チェリーリプ、強チェリーリプ、および、弱チェリーリプの当選確率は、他のRT状態よりRT4の状態となっているときの方が高く設定されている。
以下では、対応手順(押し順)が対応付けられている役を「押し順役」という。また、押し順が対応付けられているベルを「押し順ベル」といい、押し順が対応付けられているリプレイを「押し順リプ」という。本実施形態では、図16に示すように、押し順ベルは、9枚ベル左1〜左8、9枚ベル中1〜中8、9枚ベル右1〜右8である。押し順リプは、図15に示すように、準備リプ1〜6、維持リプ1〜3、突入リプ1〜6である。以下では、「9枚ベル左1〜左8」をまとめて「9枚ベル左」といい、「9枚ベル中1〜中8」をまとめて「9枚ベル中」といい、「9枚ベル右1〜右8」をまとめて「9枚ベル右」という。
図17は、対応手順を説明するための図である。たとえば、9枚ベル左の対応手順(対応づけられている押し順)は、左第1停止である。したがって、たとえば、9枚ベル左が当選したときにおいて、左第1停止されたときには、ベル1を入賞させるようにリール制御が行われ、左第1停止以外の操作がされたときには、引き込み可能な場合には、その他の役(AT1,AT12,AT23,AT30のいずれか)を入賞させ、引き込み不可能な場合に左取りこぼしの出目を導出させるようにリール制御が行われる。
また、図16に示すように、RT4以外の遊技状態では、ボーナスが他の入賞役と同時当選することがある。たとえば、BB1は、BB1のみが単独当選する場合と、BB1とリーチ目リプ、BB1と中段チェリーリプ、BB1と強チェリーリプ、BB1と弱チェリーリプ、BB1とチャンス1、BB1とチャンス2、および、BB1とスイカとのうちいずれかの組合せで当選する場合とがある。また、ボーナス中においては、たとえば、共通ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率で当選するように定められている。共通ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で共通ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
また、ボーナスと同時当選する入賞役の割合は、リーチ目>中段チェリーリプ>強チェリーリプ>弱チェリーリプ>スイカ>チャンス1>チャンス2となっている。そして、ボーナスに単独当選する割合は、同時当選する割合よりも低く設定されてある。よって、遊技者は、何らかの抽選対象役に当選されることが示唆される後述する告知演出が実行された場合には、ボーナス当選に期待を持つことができる。
また、図15および図16に示す抽選対象役については、内部抽選において当該抽選対象役に当選する当選確率にかかわる判定値数が定められている。たとえば、共通ベルは、RT0〜RT4のいずれの状態においても判定値数としてたとえば「360」が定められており、360/65536で当選する。抽選対象役のうち、ボーナスや小役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、いずれのRTであっても当選確率が同じとなるように定められている。一方、抽選対象役のうち、再遊技役に相当する抽選対象役各々の判定値数は、RTの種類に応じて当選確率が異なるように定められている。
ここで、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図15,図16など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、スイカに当選したときには、スイカの当選フラグが設定される。BB1〜BB5の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1〜BB5以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる。なお、リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させるようにしてもよい。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図9〜図12など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図14で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1〜BB5のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図14など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2,RT3などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための対応手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行い(図29参照)、サブ制御部91は、液晶表示器51に対応手順を表示することによりナビ演出を行う(特に図示せず)。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定のAT抽選対象役(本実施形態では、図15,図16に示す、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、BB1〜BB5、共通ベル)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。また、AT中に、該特定の抽選対象役が当選したときには、AT上乗せ抽選が実行される。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。また、メイン制御部41は、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することを乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーリプ、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、スイカ、共通ベルの順となり、共通ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度、および、ATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1〜BB5と同時当選していないとき(たとえば、強チェリーリプ当選時)よりも、BB1〜BB5と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリーリプ当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
また、サブ制御部91は、いずれかの抽選対象役に当選したときおよびいずれかの入賞役の入賞が発生したときに対応する指標図柄を報知する告知演出を実行する。たとえば、図11に示すように、右下ベル、中段ベル、上段ベルの指標図柄は、ベルである。また、スイカについては、無効ラインLM4に揃う図柄および揃う可能性がある図柄ではないが、ベルの指標図柄と同じ「ベル」が特定入賞図柄として定められている。特定入賞図柄とは、スイカに含まれる右下スイカの入賞図柄の組合せのうち、右リール2Rに対応する図柄であり、右下スイカに入賞するときに入賞ラインLN上に停止され得る図柄である。スイカに当選しているときには、指標図柄を用いた演出と、特定入賞図柄を用いた演出とを実行可能である。告知演出では、指標図柄および特定入賞図柄に相当する図柄のキャラクタ画像が表示される。また、チェリーリプに当選しているときは、チェリーに当選したことを示す告知演出が実行される。たとえば、チェリーリプに当選したとき(強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれかに当選したとき)には、チェリー図柄に対応するキャラクタ画像が表示される。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、押し順役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。また、本実施形態においてメイン制御部41は、ATにしていない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
[内部当選コマンド設定処理について]
次に、メイン制御部41が行う内部当選コマンド設定処理の制御内容について、図18〜図23に基づいて説明する。本実施形態では、抽選対象役の種類毎に当選番号が予め割り当てられており、持ち越されることがある抽選対象役、すなわち特別役の種類毎の当選番号が設定された特別役当選番号テーブルと、持ち越されることがない抽選対象役、すなわち一般役の種類毎の当選番号が設定された一般役当選番号テーブルとがROM41bの所定領域に格納されている。
図18に示すように、特別役当選番号テーブルでは、いずれの特別役も当選していない場合、すなわちはずれの当選番号は、「0」が、BB1〜5の当選番号として「1」〜「5」が割り当てられている。また、図19に示すように、一般役当選番号テーブルでは、いずれの一般役も当選していない場合、すなわちはずれの場合の当選番号として「0」が、再遊技役の当選番号として「1」〜「25」が、小役の当選番号として「30」〜「60」が割り当てられている。このように、特別役当選番号テーブル及び一般役当選番号テーブルでは、内部抽選の抽選対象役と当選番号とが対応して設定されている。
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選処理を実行し、内部抽選にて特別役及び一般役のうちいずれかの役が当選している場合には、当選が判定された抽選対象役に対応する当選番号をRAM41cの所定領域に設定し、いずれの役も当選していない場合には、はずれに対応する当選番号をRAM41cの所定領域に設定する。一般役の当選を示す当選番号は1ゲーム終了毎にクリアされる一方で、特別役の当選を示す当選番号は当選した特別役が入賞されるまで維持され、当選した特別役が入賞することでクリアされる。
メイン制御部41は、当選番号を設定した後、内部当選コマンド設定処理を実行して、RAM41cの所定領域に設定されている内部当選番号に基づいて第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定し、その後のタイマ割込処理(メイン)により、第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
具体的には、図20に示すように、内部当選コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を取得し(Sf1)、取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定し(Sf2)、当該送信用当選番号に基づいて第1の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する。メイン制御部41が送信するコマンドは、2バイトで構成され、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの内容)を表すようになっており、メイン制御部41は、第1の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に第1の内部当選コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに特別役の送信用当選番号を格納する。
Sf3のステップにおいて、第1の内部当選コマンドを格納した後には、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号を取得し(Sf4)、取得した当選番号が、2未満であるか否か(Sf5)、17未満であるか否か(Sf6)、31未満であるか否か(Sf7)、58未満であるか否か(Sf8)、を順次判定して、取得した当選番号が予め定められた複数の所定範囲のいずれの範囲にあるかを判定する。
そして、Sf5のステップにおいて当選番号が2未満であると判定した場合、すなわち当選番号が0または1である場合には、当該取得した当選番号を、サブ制御部91に対して送信する送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。また、Sf5のステップにおいて当選番号が2未満でないと判定し、Sf6のステップにおいて17未満であると判定した場合、すなわち当選番号が2〜16のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に2を設定する(Sf11)。また、Sf6のステップにおいて当選番号が17未満でないと判定し、Sf7のステップにおいて31未満であると判定した場合、すなわち当選番号が17〜30のいずれかである場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。また、Sf7のステップにおいて当選番号が31未満でないと判定し、Sf8のステップにおいて58未満であると判定した場合、すなわち当選番号が31〜57のいずれかである場合には、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に31を設定する(Sf9)。また、Sf8のステップにおいて当選番号が58未満でないと判定した場合、すなわち当選番号が58〜60である場合には、当該当選番号を、送信用当選番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sf12)。
そして、Sf9、Sf11、Sf12のステップにおいて一般役の送信用当選番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用当選番号に基づいて第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する(Sf10)。メイン制御部41は、第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に第2の内部当選コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに一般役の送信用当選番号を格納する。Sf10のステップにおいて第2の内部当選コマンドをコマンドキューに格納した後は、内部当選コマンド設定処理を終了してメイン処理(メイン)に戻る。
このように、本実施形態の内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役の当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第1の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。
また、本実施形態の内部当選コマンド設定処理では、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された一般役の当選番号が第1の所定範囲(0〜1、17〜25、30、58〜60、押し順ベルおよび押し順リプのいずれとも異なる役に対応)内にある場合には、当該当選番号を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第1の所定範囲内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて内部抽選による当選番号を特定できるようになっている。
一方、当選番号が第2の所定範囲(2〜16、押し順リプに対応)内にある場合には、第2の所定範囲に含まれる一の当選番号(2)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第2の所定範囲内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号が第2の所定範囲の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第2の所定範囲内にあることを特定できるようになっている。
また、当選番号が第3の所定範囲(31〜57、押し順ベルに対応)内にある場合には、第3の所定範囲に含まれる一の当選番号(31)を送信用当選番号として設定し、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをコマンドキューに設定する。これにより、内部当選において第3の所定範囲内にある当選番号が設定された場合に送信されることとなる第2の内部当選コマンドでは、当該コマンドに含まれる送信用当選番号に基づいて、当選番号が第3の所定範囲の番号のいずれであるかは特定できないようになっている一方で、当選番号が第3の所定範囲内にあることを特定できるようになっている。
本実施形態の内部当選コマンド設定処理において設定された第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
なお、本実施形態のメイン制御部41は、2バイトで構成されるコマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、本実施形態で示すコマンドの形態は一例であって他のデータ形態を用いても良い。また、本実施形態では、コマンドを2バイトの信号で構成しているが、これらコマンドを1バイトの信号または3バイト以上の信号で構成しても良い。
また、本実施形態のメイン制御部41は、2バイトで構成される第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、当該各コマンドの2バイト目に送信用当選番号を含む構成であるが、本実施形態で示すコマンドの形態は一例であって他のデータ形態を用いても良く、例えば、第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドをそれぞれ3バイトの信号で構成し、3バイト目に特別役の送信用当選番号または一般役の送信用当選番号を含める構成や、第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンドを3バイトからなる一の信号で構成し、2バイト目に特別役の送信用当選番号を含み、3バイト目に一般役の送信用当選番号を含める構成としても良い。
また、本実施形態では、特別役及び一般役の当選番号を別々に分けて割り当てる構成、すなわち特別役当選番号テーブルにおいて特別役(BB1〜5)の種類及びはずれに対応する特別役の当選番号を設定し、一般役当選番号テーブルにおいて一般役の種類及びはずれに応じた一般役の当選番号を設定する構成であり、メイン制御部41は、内部抽選の結果に応じて特別役の当選番号及び一般役の当選番号をRAM41cの所定領域に各々設定する構成であるが、特別役と一般役とに分けずに当選番号を割り当てる構成、例えば、「BB1」、「小役」、「BB1+同時に当選する小役」を夫々一の抽選対象役として当選番号を割り当てる構成であっても良い。このような構成では、メイン制御部41は、内部抽選の結果に応じて一の当選番号をRAM41cの所定領域に設定することで、当該一の当選番号のみに基づいて特別役及び小役が当選しているか否かを判定して、所定制御(内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等)を行うことができる。
次に、メイン制御部41が行う押し順コマンド送信処理の制御内容について、図19、図21及び図22に基づいて説明する。本実施形態では、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能なナビ番号(0〜9)、及びナビ報知により示唆する所定の図柄を識別可能なナビ番号(10〜14)が予め割り当てられ、抽選対象役のうち押し順役は、その種類毎にナビ番号が予め割り当てられており、抽選対象役の種類毎のナビ番号が設定されたナビ番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。
図21の例では、たとえば、標準押し順(本実施形態では、左リール2Lを第1停止とする停止順)については、ナビ番号として0が対応付けられている。また、左中右については、ナビ番号として1が対応付けられている(図18、図19のナビ番号も参照)。なお、本実施形態では、ナビ番号0により特定される標準押し順として、左リール2Lを第1停止とする停止順を適用しているが、標準押し順は、遊技者にとって不利にも有利にもならない標準的な押し順であれば、他の停止順であっても良い。
本実施形態では、メイン制御部41は、スタート操作が行われたとき、及び各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、RAM41cの所定領域に設定されている一般役の当選番号に応じた押し順コマンドをコマンドキューに設定する押し順コマンド設定処理を実行し、その後のタイマ割込処理(メイン)により、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
具体的には、図22に示すように、押し順コマンド設定処理では、まず、内部抽選処理においてRAM41cの所定領域に設定された特別役及び一般役の当選番号を取得した後(Sg1)、RAM41cの所定領域に設定されているナビ報知中であるか否かを示す所定のフラグを参照して、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合、後述の特別役のナビ報知の実施条件が成立した以降から特別役が入賞するまでの状態)であるか否かを判定する(Sg2)。Sg2のステップにおいて、ナビ報知が行われる状態でないと判定した場合は、リール2L、2C、2Rの停止状況及び内部抽選の結果に基づいて、入賞ラインLNに停止する役が確定しているか否かを判定し(Sg5)、入賞ラインLNに停止する役が確定していない場合は、標準ナビ番号(本実施形態では、0)を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sg6)。
一方、Sg2のステップにおいてナビ報知が行われる状態であると判定した場合、Sg5のステップで入賞ラインLNに停止する役が確定していると判定した場合は、ROM41bの所定領域に記憶されているナビ番号テーブル(図18、図19参照)を参照して、Sg1のステップで取得した特別役及び一般役の当選番号に対応するナビ番号を送信用ナビ番号としてRAM41cの所定領域に設定する。
この際、内部当選番号に基づいて押し順リプが当選していることが特定される場合には、その当選役の種類に応じてRT状態を昇格させる有利リプレイ(図14に示すリプ4、リプ5、RT2を維持させるリプ1)の組合せが入賞ラインLNに停止される停止順を示すナビ番号を送信用ナビ番号として設定する。また、内部当選番号に基づいて押し順ベルが当選していることが特定される場合には、その当選役の種類に応じてベル1またはベル2の組合せが入賞ラインLNに停止される停止順を示すナビ番号を送信用ナビ番号として設定する。
また、内部当選番号に基づいて特別役(BB1〜BB5)のいずれかが当選しており、特別役のナビ報知の実施条件(本実施形態では、特別役の当選後、所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)が経過すること)が成立した以降であり、かついずれの小役も当選していないこと(はずれ)が特定される場合には、当選している特別役の種類に応じて、当該特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(10〜14)を送信用ナビ番号として設定する。
Sg3のステップまたはSg6のステップにおいて送信用ナビ番号をRAM41cの所定領域に設定した後は、当該送信用ナビ番号に基づいて押し順コマンドをコマンドキューに格納する(Sg4)。メイン制御部41は、押し順コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に押し順コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに送信用ナビ番号を格納する。Sg4のステップにおいて押し順コマンドをコマンドキューに格納した後は、押し順コマンド設定処理を終了してメイン処理(メイン)に戻る。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、押し順コマンド設定処理を実行することで、ナビ報知の実行中である場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定し、ナビ報知の実行中でない場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定不可能であり、遊技者にとって不利にも有利にも標準的な押し順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。
また、本実施形態のメイン制御部41は、停止操作が行われる毎に、押し順コマンド設定処理を実行することで、ナビ報知の実行中でない場合であっても、入賞ラインLNに停止する役が確定している場合には、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドをコマンドキューに設定する。
また、本実施形態のメイン制御部41は、押し順コマンド設定処理が実行されることにより、例えば、遊技状態がRT1であり、ナビ報知が行われない状態で、準備リプ1(対応手順は、左中右)が当選した場合であり、いずれのリール2L、2C、2Rも停止していないときには、有利リプレイが停止可能であるが、いずれの役が停止するかは確定していないので、標準ナビ番号(「0」)が送信用ナビ番号として設定され、当該送信用ナビ番号を含む押し順コマンドが設定されることとなる。また、第1停止として左リール2Lが停止されたときには、未だ有利リプレイが停止可能であり、いずれの役が停止するか確定していないので、送信用ナビ番号として標準ナビ番号(「0」)を含む押し順コマンドが設定される。そして、第1停止として左リール2Lが停止された後、第2停止として中リール2Cが停止されたときには、その後の右リール2Rの停止により有利リプレイのみが停止可能であり、停止する役が確定するので、ナビ報知が行われない状態であっても、遊技者にとって有利な停止順(有利リプレイを入賞させる停止順)を特定することができるナビ番号が送信用ナビ番号として設定される。また、第1停止において左リール2L以外のリールが停止されたとき、第1停止として左リール2Lが停止された後、第2停止として中リール2C以外のリールが停止されたときには、その後の停止順に関わらず、有利リプレイ以外のリプレイが停止可能であり、停止する役が確定するので、ナビ報知が行われない状態であっても、遊技者にとって有利な停止順を特定することができるナビ番号が送信用ナビ番号として設定される。
このように、本実施形態では、メイン制御部41は、ATの制御を行っていない状態で、押し順役が当選した場合に、遊技者にとって有利な停止順が確定するタイミングで、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なナビ番号を含む押し順コマンドを設定してサブ制御部91に対して送信するようになっている。有利な停止順が確定するタイミングとは、3択の役(押し順ベル、維持リプ、突入リプ)では、第1停止操作が行われたタイミングであり、6択の役(準備リプ)では、第1停止操作が行われて、遊技者にとって有利な役が停止しないことが確定したタイミング、または第2停止操作が行われたタイミングである。
また、特別役の当選が持ち越されている状態で、特別役が当選して所定のナビ報知の実施条件が成立した以降のゲームでは、内部抽選結果がいずれの小役も当選していないはずれとなった場合には、当選している一の特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(「10」〜「14」)を含む押し順コマンドが設定されるようになっている。
本実施形態の押し順コマンド設定処理において設定された押し順コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
そして、サブ制御部91は、押し順コマンド、上述の第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドに基づいて、メイン制御部41側でナビ報知が行われていることが特定される場合に、ナビ演出を行う。サブ制御部91は、ナビ演出を行う際には、第2の内部当選コマンドに基づいて押し順役の当選が特定されるとともに、押し順コマンドに基づいてナビ番号が「0」以外であること、すなわち遊技者にとって有利な押し順が標準押し順以外であることが特定される場合に、押し順コマンドに基づいて特定されるナビ番号に応じた停止順を示す停止順画像を液晶表示器51に表示させる。また、ナビ演出では、第2の内部当選コマンドに基づいて入賞する可能性がある役を示唆する画像を液晶表示器51に表示させる。このとき、例えば、押し順役として押し順ベルが当選している場合は、「ベル」の画像を表示することで、押し順ベルの入賞の可能性を示唆し、押し順リプレイが当選している場合には、遊技状態コマンド等に基づいて特定されるメイン制御部41側での遊技状態に基づいて、入賞する可能性がある押し順リプの種類を特定し、特定した押し順リプに含まれる役(例えば、維持リプでは、リプ1)に応じた演出を行うことで、遊技者にとって有利な役の入賞の可能性を示唆することができるようになっている。
また、ナビ演出において押し順リプに含まれる役に応じた演出として、例えば、内部抽選において押し順リプが当選した場合でも、メイン制御部41側での内部当選コマンド設定処理において、第2の内部当選コマンドの送信用当選番号として押し順リプのいずれかの当選を示す「2」が一律に設定されることとなるが、サブ制御部91は、第2の内部当選コマンドに基づいて送信用当選番号が「2」であること、及び遊技状態コマンド等に基づいて遊技状態がRT1であることが特定されることで、押し順リプが当選していることを特定して、押し順コマンドに基づいて特定されるナビ番号に応じた停止順を示す画像とともに、当該停止順による操作によって有利リプレイが入賞する可能性を示唆する画像(本実施形態では、有利リプレイを構成する図柄の組合せを示す画像)を表示することで、押し順リプに含まれる役のうち遊技者にとって有利な役に応じた演出を行うことができるようになっている。
また、サブ制御部91は、ナビ演出において特別役の当選を示唆する演出として、第1の内部当選コマンドに基づいて特別役が当選したことが特定される場合には、その後、上述の特別役のナビ報知の実施条件が成立する所定ゲーム数(本実施形態では、5ゲーム)が経過したときに、内部抽選にて特別役が当選した旨を報知する確定報知(液晶表示器51に特別役が当選した旨を示すメッセージ及び画像等を表示させる)を行う。そして、確定報知を行った後、すなわち特別役のナビ報知の実施条件が成立した後は、押し順コマンドに基づいて特定されるナビ番号が、特別役の所定の図柄を示唆するものである場合に、当該ナビ番号に応じて所定の図柄を入賞ラインLNに停止させえるタイミングでの停止操作を行うことで、特別役の入賞を促す特別役入賞促進演出(例えば、ナビ番号に基づいて特定される所定の図柄の画像を表示させる液晶表示器51に表示させる等)を行うようになっている。このように、サブ制御部91は、第1の内部当選コマンドに基づいて特別役が当選した後所定のゲーム数が行われて、メイン制御部41側で特別役のナビ報知の実施条件が成立したと判定されるときに確定報知を行うので、メイン制御部41は、特別役のナビ報知の実施条件が成立した以降に、特別役を入賞させることが可能な図柄を示唆するナビ番号を含む押し順コマンドを送信することで、確定報知が行われた以降に当該ナビ番号に基づく特別役入賞促進演出をサブ制御部91に行わせることができるようになっている。
次に、メイン制御部41が行う入賞判定コマンド設定処理の制御内容について、図23に基づいて説明する。また、本実施形態では、図8〜図11に示す各入賞役の種類毎に入賞番号が予め割り当てられており(特に図示せず)、入賞役の種類毎に入賞番号が設定された入賞番号テーブルがROM41bの所定領域に格納されている。
メイン制御部41は、スタート操作が行われた後、全てのリール2L、2C、2Rが停止したときに、各リール2L、2C、2Rに停止された図柄の組合せに応じて入賞が発生したか否かを判定する入賞判定処理を実行する。入賞判定処理では、各リール2L、2C、2Rについて、入賞ラインLNに入賞役を構成する図柄の組合せが停止しているか否かを判定し、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していると判定した場合には、入賞番号テーブルを参照して、停止している入賞役を構成する図柄の組合せに対応する入賞番号をRAM41cの所定領域に設定する一方、入賞役を構成する図柄の組合せが停止していないと判定した場合には、はずれを示す「0」を入賞番号としてRAM41cの所定領域に設定して、入賞判定処理を終了する。
そして、メイン制御部41は、入賞判定処理を実行した後、入賞番号を特定可能な入賞判定コマンドをコマンドキューに設定する入賞判定コマンド設定処理を実行する。
図23に示すように、入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理における入賞判定結果に基づいてRAM41cの所定領域に設定された入賞番号を取得し(Sh1)、当該入賞番号に基づいて入賞判定コマンドをコマンドキューに格納して(Sh2)、入賞判定コマンド設定処理を終了する。メイン制御部41は、入賞判定コマンドをコマンドキューに格納する際に、1バイト目に入賞判定コマンドである旨を示すMODEを格納し、2バイト目のEXTに入賞番号を格納する。
入賞判定コマンド設定処理において設定された入賞判定コマンドは、その後、タイマ割込処理(メイン)が実行されることで、サブ制御部91に対して順次送信されることとなる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときに、入賞判定コマンド設定処理を実行して、入賞番号を含む入賞判定コマンドを設定し、入賞判定コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
また、本実施形態の入賞判定コマンド設定処理では、入賞判定処理においてRAM41cに設定された入賞番号を、そのまま含む入賞判定コマンドをコマンドキューに設定するので、入賞番号を特定可能な特殊なコマンド等に変換する処理を行うことなく、処理負荷を削減することができる。
また、本実施形態では、入賞役の種類毎に入賞番号が割り当てられてROM41bの所定領域に格納されているので、入賞番号を含む入賞判定コマンドを受信したサブ制御部91では、入賞番号に基づいて各リール2L、2C、2Rに停止している図柄の組合せを特定して、演出を実行することが可能となっている。
従来のスロットマシンは、遊技の制御を行う遊技制御部と、演出の制御を行う演出制御部とを含む構成であり、遊技制御部は、所定の押し順役が当選した場合に内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作手順を報知するナビ報知が実行されるATに制御するか否かを決定し、ATに制御する場合に、ナビ報知を実行するとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドを、ATに制御しているか否かに関わらず、演出制御部に対して送信し、演出制御部は、内部当選コマンドに基づいて内部抽選結果を特定し、遊技制御部においてATに制御されている場合には、特定した内部抽選結果に基づいて遊技者にとって有利な操作手順を報知するナビ演出を実行する構成である。
このような構成では、演出制御部は、ATに制御しているか否かに関わらず、内部当選コマンドに基づいて遊技者にとって有利となる操作手順を特定可能であるので、演出制御部側に不正がなされることで、遊技制御部においてATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作手順が特定され、当該操作手順が演出制御部により報知されてしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、内部抽選結果として特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であり、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が押し順役となったときに、押し順役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定するので、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることなく、ATに制御されているか否かに関わらず、共通の第2の内部当選コマンドを送信するので、第2の内部当選コマンドの送信に係る処理を簡素化できるとともに、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、内部当選により当選した押し順役に応じて遊技者にとって有利なリール2L、2C、2Rの停止順をナビ報知により報知する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知により、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様、これらの組合せによる操作態様を報知する構成であっても良く、このような構成においても、メイン制御部41は、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、押し順役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な操作態様を特定することができないように第2の内部当選コマンドを設定することで、サブ制御部91側で、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な操作態様が特定されることがない。
また、本実施形態では、メイン制御部41がナビ報知を実行する押し順役として、押し順リプレイと、押し順ベルとを含み、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、内部抽選結果が押し順役となったときに、当該押し順役が押し順リプレイであるか押し順ベルであるかを特定できるように第2の内部当選コマンドを設定して、サブ制御部91に対して送信するので、内部抽選結果が押し順役となったときに、サブ制御部91側で押し順役が押し順リプレイであるか押し順ベルであるかを特定でき、サブ制御部91は、押し順役の種類に応じて異なる演出を行うことも可能となる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ATに制御しており、ナビ報知が実行される状態において、内部抽選結果が押し順役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できる押し順コマンドを設定する押し順コマンド設定処理を実行し、設定した押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、ナビ報知が実行される状態においてサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順を報知するナビ演出を行うことができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41がナビ報知を実行する押し順役として、押し順リプレイと押し順ベルとを含み、メイン制御部41は、押し順コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態で内部抽選結果が押し順リプレイとなったときと、押し順ベルとなったときと、すなわちナビ報知が実行される状態において内部抽選にて当選した押し順役が異なる種類であっても、遊技者にとって有利な停止順が共通の場合に、該遊技者にとって有利な停止順を特定できる共通のナビ番号を含む押し順コマンドを設定するので、押し順コマンドの種類を削減することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、押し順コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態では、内部抽選結果が押し順役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できるナビ番号を含む押し順コマンドを設定する一方で、ナビ報知が実行される状態以外の状態では、内部抽選結果が押し順役となったときに、遊技者にとって有利な停止順を特定できないが標準押し順(左第1停止)を特定できるナビ番号を含む押し順コマンドを設定するので、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず、内部抽選結果が押し順役となったときに、ナビ番号を含む押し順コマンドを設定する処理を共通化することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が行われる毎に該当するリール2L、2C、2Rを段階的に停止させる構成であり、遊技者にとって有利な停止順は、全てのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作、すなわち第3停止の操作が完了するよりも前に確定するようになっている。3択の押し順ベルの当選時には、第1停止操作が行われることで、有利リプが入賞させられるか否かが確定し、6択の押し順リプの当選時には、第2停止操作が行われることで、有利リプレイが入賞させられるか否かが確定するようになっている。メイン制御部41は、押し順コマンド設定処理では、ナビ報知が実行される状態以外の状態において内部抽選結果が押し順役となったときに、遊技者にとって有利な停止順が確定した段階、すなわち第1停止、第2停止の操作が行われたとき以降に、内部当選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できるナビ番号を含む押し順コマンドを設定して送信するので、サブ制御部91に不正が施されても遊技者にとって有利な停止順が特定されることを防止しつつ、内部抽選結果が押し順役となったときにサブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順で操作されたか否かに応じた演出を行うことができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、押し順コマンド設定処理において、ナビ報知が実行される状態以外の状態において、押し順役が当選した場合に、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定したと判定されたときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なナビ番号を含む押し順コマンドを設定し、当該押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、リール2L、2C、2Rの停止操作が行われて停止する役が確定した後に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドは、押し順コマンドとは別のコマンドでもあっても良く、例えば、内部抽選にて当選した押し順役の当選番号を含む別のコマンドを送信することで、当選した押し順役の種類に基づいて遊技者にとって有利な停止順を特定可能とする構成であっても良いし、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なナビ番号を含む別途コマンドを設ける構成であっても良い。このような構成においては、メイン制御部41は、内部抽選が行われたときにのみ、押し順コマンド設定処理を実行し、その後、停止する役が確定したときに、遊技者にとって有利な停止順を特定可能なコマンドを設定する処理を行う構成とすることで、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、内部抽選が行われたとき、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、押し順コマンド設定処理を実行する構成であり、停止する役が確定した後には、押し順コマンド設定処理が行われる毎に、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、停止する役が確定した後に遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドは、少なくとも停止する役が確定したときに一度送信される構成であれば良く、停止する役が確定して、遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドを送信した後には、押し順コマンド設定処理を実行しない構成であっても良い。このような構成とすることで、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知を行う状態において、内部抽選が行われたとき、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われたときに、押し順コマンド設定処理を実行する構成であるが、ナビ報知を行う状態である場合には、内部抽選が行われたときにのみ、押し順コマンド設定処理を実行する構成であっても良い。このような構成とすることで、ナビ報知を行う状態である場合に、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、内部抽選を行い、内部抽選結果に応じて内部抽選結果毎に各々異なる当選番号をRAM41cに設定し、設定された当選番号に応じて内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L、2C、2Rの停止制御等を行う構成であるとともに、内部抽選結果を特定可能な内部当選コマンドとして、特別役の当選状況を特定可能な第1の内部当選コマンド及び一般役の当選状況を特定可能な第2の内部当選コマンドを内部当選コマンド設定処理において設定し、設定された当該コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、内部当選結果として押し順役が当選したときの当選番号は、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられており、内部当選コマンド設定処理では、ATに制御されていてナビ報知が実行される状態以外の状態において、RAM41cに設定された当選番号が、当該所定の数値範囲であるときに、押し順役となった旨は特定できるが遊技者にとって有利な停止順を特定できない第2の内部当選コマンドを設定し、設定された第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、メイン制御部41側でATに制御しているか否かに関わらず、第2の内部当選コマンドから内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもATに制御されていない状態で遊技者にとって有利な停止順がナビ演出により報知されてしまうことを防止できる。
また、内部抽選結果が押し順役となったときに設定される当選番号として、所定の数値範囲からなる連続する数値が割り当てられているとともに、メイン制御部41は、内部抽選結果が押し順役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が押し順役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
また、本実施形態では、メイン制御部41がナビ報知を実行する押し順役として、押し順リプレイと、押し順ベルと、を含み、内部抽選結果が押し順リプレイとなったときの当選番号として、第2の所定範囲の連続する数値が割り当てられ、内部抽選結果が押し順ベルとなったときの当選番号として、第3の所定範囲の連続する数値が割り当てられているので、メイン制御部41は、内部抽選結果が押し順役となったときに、当選番号が第2の所定範囲であるか、第3の所定範囲であるかに応じて、内部抽選結果が押し順リプレイであるか、押し順ベルであるかを判定できるため、内部当選コマンド設定処理において第2の内部当選コマンドを設定する処理を簡素化できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、複数のRT状態に制御することが可能であり、各遊技状態では、内部抽選において決定される押し順役としての押し順リプレイの種類が異なる(本実施形態では、例えば、RT1では、準備リプが抽選対象役である一方で、維持リプ、突入リプが抽選対象役でなく、RT2では、維持リプ、突入リプが抽選対象役である一方で、準備リプが抽選対象役でない)構成であり、RT1において内部抽選結果が押し順リプレイとなったときの当選番号、及びRT2において内部抽選結果が押し順リプレイとなったときの当選番号は、いずれも第2の所定範囲(2〜16)に割り当てられているため、内部当選コマンド設定処理において、RT1においてもRT2においても内部抽選結果が押し順リプレイであるか否かを判定するための処理を共通化できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御していない状態において内部抽選結果が、押し順役以外の役またははずれであるときには、該内部抽選結果に応じた当選番号を含む第2の内部当選コマンドを設定し、内部抽選結果が押し順役である押し順リプレイであるときには、第2の所定範囲(2〜16)に含まれる一の当選番号(本実施形態では、2)を含み、内部抽選結果が押し順役である押し順ベルであるときには、第3の所定範囲(31〜57)に含まれる一の当選番号(本実施形態では、31)を含む第2の内部当選コマンドを設定することで、ATに制御していない状態において、内部抽選結果が、押し順役であっても押し順役以外の役またははずれであっても、内部抽選結果に対応する当選番号を含む第2の内部当選コマンドを送信するので、内部抽選結果が押し順役であるか否かかかわらず、第2の内部当選コマンドを作成して送信する処理を共通化することができる。
なお、本実施形態のメイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、ATに制御されている状態か否かに関わらず、内部抽選結果が押し順役となったときに、押し順役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する構成であるが、ATに制御されている状態でないときには、内部抽選結果が押し順役となったときに、押し順役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないように一般役に係る第2の内部当選コマンドを設定する一方で、ATに制御されている状態であるときには、内部抽選結果が押し順役となったときに、当選した押し順役の種類に応じた当選番号を設定することで、ATに制御されている状態であるときには、当選した押し順役の種類を特定可能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であっても良い。このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、押し順役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定できるので、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができる。また、このような構成では、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から内部抽選における抽選対象役の当選番号を特定できるので、内部当選した抽選対象役に含まれる入賞役の種類に応じた演出、例えば、維持リプ1が当選している場合に、維持リプ1に含まれるリプレイ1が入賞する可能性を示唆する演出を行うことができる。
また、このような構成では、メイン制御部41は、押し順コマンド設定処理を実行せず、押し順コマンドを送信しない構成としても良く、このような構成とすることで、ATに制御されている状態においては、第2の内部当選コマンドに含まれる当選番号から、押し順役の種類に応じた遊技者にとって有利な停止順を特定でき、サブ制御部91側で遊技者にとって有利な停止順をナビ演出により報知することができるとともに、メイン制御部41による押し順コマンドの送信に係る負荷を削減することができる。
なお、押し順リプレイの当選番号と押し順ベルの当選番号とは、それぞれが連続する数値範囲に設定されていれば良く、押し順リプレイの当選番号が設定される第2の所定範囲と押し順ベルの当選番号が設定される第3の所定範囲とが連続する構成であっても良い。このような構成であっても、本実施形態と同様に、メイン制御部41は、内部抽選結果が押し順役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が押し順役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できる。
また、本実施形態では、一般役の当選番号として1〜60が割り当てられており、第1の第2の所定範囲に押し順役である押し順リプレイの当選番号が連続して設定され、第3の所定範囲に押し順役である押し順ベルの当選番号が連続して設定され、非押し順役の当選番号が、第2の所定範囲、第3の所定範囲の前後の数値範囲に分散されて設定される構成であるが、第4の所定範囲に全ての非押し順役の当選番号が連続して設定される構成であっても良い。このような構成とすることで、内部抽選結果が押し順役であるか否かを、所定制御を行う際に用いられる当選番号が押し順役に対して割り当てられた所定の数値範囲内にあるか否かにより判定できるため、第2の内部当選コマンドを送信する際の処理を簡素化できるとともに、非押し順役に対して割り当てられた当選番号が所定の数値範囲にあるか否かを判定する処理を簡素化することができる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、内部当選コマンド設定処理において、遊技状態に関わらず、同じ種類の押し順役のグループ(本実施形態では、押し順リプレイのグループ、押し順ベルのグループ)毎に一律に同じ送信用当選番号(本実施形態では、押し順リプレイのグループに対して「2」、押し順ベルのグループに対して一律に「31」)を設定して、当該送信用当選番号を含む第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、内部当選コマンド設定処理において、同じ送信用当選番号が設定される押し順役のグループは、少なくとも、ATに制御されているか否かに関わらず、内部抽選結果が押し順役となったときに、押し順役が当選した旨は特定できるが、遊技者にとって有利な停止順を特定することができないようにすれば良く、一の遊技状態において抽選対象となる同じ種類の押し順役のグループについては、一のグループ毎に遊技者にとって有利な役が一ずつ含まれるように複数のグループに分けて、分けられたグループ毎に異なる送信用当選番号を設定する構成としても良い。これにより、サブ制御部91側で複数のグループのうちいずれかのグループに属する押し順役が当選したかを特定し、特定したグループに応じた演出を実行することが可能となる。
[リールの回転制御について]
次に、本実施形態のメイン制御部41が行うリール2L、2C、2Rの回転制御に関して、図24〜図27に基づいて説明する。本実施形態の各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32Rによって回転されるようになっている。リールモータ32L、32C、32Rは、336ステップ(0〜335)の周期で1周するハイブリッド型ステッピングモータにより構成され、メイン制御部41による制御に基づいてモータ駆動回路45から出力される位相信号によって、ステッピングモータ内の各励磁相(本実施形態では、φ1〜φ4の4相)の励磁状態が所定順序で励磁及び非励磁に切り替えられることにより回転するようになっている。
メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rに設けられたリールセンサ33L、33C、33Rによりリール基準位置が検出されるときのステップ数を0として、各リールモータ32L、32C、32Rの回転を制御する。また、上述のメイン処理において、リールを所定の態様で回転させるための励磁パターンを設定し、上述のタイマ割込処理(メイン)において、励磁パターン及びリール基準位置からのステップ数に基づき特定されるステッピングモータの各励磁相の励磁状態を指示する制御信号をモータ駆動回路45に対して出力して、モータ駆動回路45により制御信号に基づく励磁状態を示す位相信号を各リールモータ32L、32C、32Rに対して出力させる。これにより、各リールモータ32L、32C、32Rでは、位相信号よりリールモータの励磁相の励磁状態が切り替えられて、所定の回転態様に制御されることとなり、リールモータに対応する各リール2L、2C、2Rが回転を制御するようになっている。
メイン制御部41がメイン処理により設定するリールモータの励磁パターンには、ゲームの進行状況に応じてリールの回転を制御するためのゲーム用励磁パターン群と、ゲームの進行状況とは直接関係なく、例えばリールを用いた演出を行うための非ゲーム用励磁パターン群とが含まれており、これらの励磁パターンは、ROM41bの所定領域に予め定められている。そして、リールモータの励磁パターンのうちゲーム用励磁パターン群には、停止している状態のリールの回転を開始させて、所定の定速状態まで加速させるための始動パターンと、所定の定速状態まで加速されたリールを当該定速状態で回転させ続けるための定速パターンと、所定の定速状態で回転しているリールを所定のステップ数で停止させるための停止パターンとが含まれる。
各励磁パターンでは、リールモータの各励磁相の励磁状態(励磁、非励磁)が、リールの基準位置からのステップ数毎に定められており、リールモータの励磁状態の励磁、非励磁を、ステップ数の順に定められている励磁状態に切り替えることで、リールの回転を所定の回転態様に制御することができるようになっており、メイン制御部41は、各リール2L、2C、2Rについてリールモータの励磁パターンとして始動パターンを設定した後、励磁パターンを定速パターンに切り替えることで、停止している状態のリールの回転を始動させ、所定の定速回転まで加速させる始動制御を行うことが可能であり、リールモータの励磁パターンとして定速パターンを繰り返し設定することで、リールの回転を定速回転に維持する定速回転制御を行うことが可能であり、ストップスイッチが操作されたリールについて、リールモータの励磁パターンを所定のタイミングで停止パターンに切り替えることで、ストップスイッチが操作されたタイミングに応じた所定の停止位置でリールを停止させる回転停止制御を行うことが可能である。
また、メイン制御部41のRAM41cの所定領域には、リールモータを励磁するステップ数に対応して更新され、リール基準位置が検出される毎に初期化されることで、各リール2L、2C、2Rについてリール基準位置が検出されてからのステップ数を計数するためのステップ数カウンタが設けられており、回転中のリールについてステップ数カウンタの値が、所定のステップ数(少なくともリールが1周するために要する336ステップよりも多く設定されるステップ数であり、例えば、400ステップ)以上となることで、メイン制御部41は、当該リールについて回転異常が生じていると判定し、該当するリールについてリールモータの励磁パターンを、始動パターンに再設定して、当該始動パターンの最初からリールモータの励磁状態を変化させて、リールの回転を再始動させることが可能である。
具体的には、図24(a)に示すように、メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われることに伴い、各リールモータ32L、32C、32Rの励磁パターンとして始動パターンを設定して、停止状態にある各リールモータの各励磁相の励磁状態を始動パターンに基づいて変化させることで、各リールの回転を開始させる。また、励磁パターンとして始動パターンを設定する際に、ステップ数カウンタを初期化して、ステップ数の計数を開始する。そして、励磁パターンを始動パターンから定速パターンに切り替えることで、リールの回転を所定の定速回転に制御する。その後、リールが正常に回転している場合には、ステップ数カウンタが上述の所定のステップ数(例えば、400ステップ)に達する前に、リールが少なくとも1周することでリール基準位置が検出されることとなる。そして、回転中の全てのリールについて、リールモータの励磁パターンを定速パターンに切り替え、かつリール基準位置が検出されることにより、回転中のリールの停止操作の受け付けを有効化する有効化条件が成立したと判定する。この有効化条件の成立に伴って、メイン制御部41は、回転中のリールの停止操作の受け付けを有効化して、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、該当するリールについての停止操作を有効に受け付けて、当該リールの回転を停止させる停止制御を開始する。
一方、図24(b)に示すように、メイン制御部41は、停止状態にある各リールモータ32L、32C、32の回転を開始させた後、少なくともいずれか1つのリールについて、リール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)に達した場合、すなわち回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数がリールが1周するために要するステップ数分を超えた場合には、当該リールの回転状態に異常が生じていると判断して再始動制御を行い、該当リールについて、再度、リールモータの励磁パターンを始動パターンに設定して、当該始動パターンの最初からリールモータの励磁状態を変化させて回転を再始動させる。また、再始動制御を行う際には、ステップ数カウンタを初期化する。その後、当該リールが正常に回転される場合には、ステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)に達する前に、リール基準位置が検出されることとなる。そして、回転中の全てのリールについて、励磁パターンを定速パターンに切り替え、かつリール基準位置が検出されることで、リールの停止操作の受け付けの有効化条件が成立することとなり、メイン制御部41は、有効化条件が成立したことにより、回転中のリールの停止操作の受け付けを有効化する。
また、図25に示すように、少なくともいずれか1つのリールを定速回転に制御しており、停止操作の受け付けが有効化されている状態において、例えば、瞬停が発生して極短時間にわたりリールの回転制御が停止されたり、リールの引っ掛かりや空転が生じてしまって、リールが正常に回転しなくなり、リール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)を超えた場合、すなわち前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定のステップ数を超えた場合には、メイン制御部41は、当該リールの回転状態に異常が生じていると判断して、全てのリールについて停止操作の受け付けを無効とする。そして、リール基準位置が検出されず、回転状態に異常が生じていると判断したリールについては、ステップ数カウンタを初期化するとともに再始動制御を行い、再度、始動パターンの最初からリールモータの励磁状態を変化させることで、当該リールの回転を再始動させる。その後、当該リールが正常に回転される場合には、再度、始動パターンによりリールモータの励磁状態の変化を開始させた後、ステップ数カウンタが所定ステップ数に達する前にリール基準位置が検出されることとなる。そして、回転中の全てのリールについて、励磁パターンが定速パターンに切り替えられ、かつリール基準位置が検出されることで、リールの停止操作の受け付けの有効化条件が成立することとなり、メイン制御部41は、有効化条件が成立したことにより、回転中のリールの停止操作の受け付けを有効化する。
また、図26に示すように、少なくともいずれか1つのリールを定速回転に制御しており、停止操作の受け付けが有効化されている状態において、例えば、瞬停が発生して極短時間にわたりリールの回転制御が停止されたり、リールの引っ掛かりや空転が生じてしまって、リールが正常に回転しなくなり、リール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)を超えた場合には、メイン制御部41は、当該リールの回転状態に異常が生じていると判断して、全てのリールについて停止操作の受け付けを無効化し、リール基準位置が検出されないリールについて、ステップ数カウンタを初期化するとともに再始動制御を行う。そして、再始動制御を行ったリールが正常に回転せずに、ステップ数カウンタが所定のステップ数を超える場合には、再度、ステップ数カウンタを初期化して再始動制御を繰り返し行う。その後、当該リールについて連続して最大3回、再始動制御を行ったにもかかわらず、ステップ数カウンタが所定のステップ数となる前にリール基準位置が検出されることがなかった場合には、回転中の全てのリールを停止させるとともに、エラー状態に制御するエラー制御を開始して、ゲームの進行を不能化させる。
本実施形態のメイン制御部41は、バックアップ電源により電力が供給されることで記憶内容を保持することが可能なバックアップ記憶領域を備えており、電断検出回路48の出力に基づいて電断が検出される場合には、メイン制御部41での制御状態をバックアップ記憶領域に記憶させ、スロットマシン1への電力供給が開始されたときには、電断が検出されたときの制御状態に復帰させることができるようになっている。そして、少なくともいずれか1つのリールを定速回転に制御しており、当該リールについて停止操作の受け付けが有効化している状態で、電断が検出された場合には、制御状態として、各リールの回転状態、各リールモータの励磁パターン等を含むデータをバックアップ記憶領域に記憶させるようになっている。
そして、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されることで電断から復帰する際には、バックアップ記憶領域に記憶されている制御状態に基づいて、電断が検出された時点で回転状態であったリールについて、リールモータの励磁パターンとして電断が検出された時点での励磁パターンを設定する一方で、各リールについて停止操作の受け付けの有効状態または無効状態については、電断前の状態にかかわらず、無効状態として復帰する。その後は、復帰時に再設定された制御状態に基づいて各種制御が行われることとなる。
具体的には、図27(a)に示すように、メイン制御部41は、少なくともいずれか1つのリールを定速回転に制御しており、停止操作の受け付けが有効化されている状態で電断が発生し、当該電断から復帰する際には、電断時の励磁パターンとして定速パターンが設定されているが、停止操作の受け付けが無効な状態で復帰することとなる。その後、リールの回転制御を開始することで、復帰時に設定されている励磁パターンである定速パターンに基づいて該当するリールモータの励磁状態を変化させる。これにより、リールが正常に回転される場合には、回転中のリールについてステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)となる前にリール基準位置が検出されることで、当該リールの停止操作の受け付けの有効化条件が成立することとなる。そして、回転中の全てのリールについて、停止操作の受け付けの有効化条件が成立することにより、回転中の全てのリールについて停止操作の受け付けを有効化する。この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、停止操作を有効に受け付けて、該当するリールの停止制御を行う。
一方、図27(b)に示すように、電断からの復帰時に設定されている定速パターンによりリールの回転制御を開始させたが、リールモータのトルクが足りず、リールが正常に回転しない場合には、当該リールについてリール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタが所定のステップ数を超えることとなる。このような場合には、当該リールの回転状態に異常が生じていると判断して、該当リールについて、ステップ数カウンタを初期化するとともに再始動制御を行って、リールモータの励磁パターンを始動パターンに再度設定して、始動パターンの最初からリールモータの励磁状態を変化させることで、リールの回転を再始動させる。その後、再始動制御を行ったことで、当該リールが正常に回転され、回転中の全てのリールについて、励磁パターンが定速パターンに切り替えられ、かつリール基準位置が検出されることにより、停止操作の有効化条件が成立することで、回転中の全てのリールの停止操作の受け付けを有効化する。一方、リールが正常に回転されない場合に、再始動制御を連続して最大3回行ったにもかかわらず、リールが正常に回転されない場合には、回転中の全てのリールを停止させるとともに、エラー状態に制御するエラー制御を開始して、ゲームの進行を不能化させる。
また、メイン制御部41は、複数のリールが回転中である状態において、いずれかのリールについてステップ数カウンタが所定のステップ数を超えた場合には、他のリールについてリール基準位置が検出されることなくステップ数カウンタが所定のステップ数を超えたか否かに関わらず、当該リールから順次リールを再始動させる制御を行うようになっており、例えば、複数のリールについて、異なるタイミングでリールの回転状態に異常が生じたような場合でも、後に回転状態の異常が判断されるリールの再始動を待たずに、先に回転状態の異常が判断されたリールから順次再始動されることとなる。
本実施形態のメイン制御部41は、リールの回転を開始させた後、回転中の全てのリールについてリール基準位置及び定速回転が検出されることで停止操作の有効化条件が成立したときに、回転中の全てのリールについてストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作の受け付けを有効な状態とする一方で、リールの回転が開始された後、少なくともいずれか1つのリールについてリール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタに基づいて特定される回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が、リールの1周分を超える所定のステップ数を超えた場合には、リールの回転状態に異常が発生していると判断するようになっている。
このような構成において、リールの回転状態に異常が1度でも生じた場合に、リールの回転異常と判断して、エラー状態に制御して遊技の進行を不能化してしまうと、一時的にリールの回転が滞ったのみで、その後、当該リールを正常に回転させることが可能となる状況でも、遊技の進行が不能化されてしまうこととなり、遊技を円滑に進行させることに支障をきたすという問題がある。
これに対して、本実施形態では、リールの回転が開始された後、回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行しており、停止操作の有効化条件が成立した状況において、リールの回転異常が判断されたときに、リール始動時の励磁パターンである始動パターンによりリールモータの励磁状態を再度変化させることでリールを再始動させる再始動制御を行うので、回転異常と判定される度に、遊技の進行が不能化されることがなく、遊技を円滑に進行させることができる。
また、回転異常と判断されてから、再始動制御を行った後に停止操作の有効化条件が成立するまでの期間においては停止操作の受け付けを無効化するので、リールの回転が正常でない状況でリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、停止操作の有効化条件が成立した状態で電断が生じて電力供給が停止された後、電力供給が再開されて電断から復帰したときには、電断前の制御状態からリールモータの励磁状態を変化させる制御を再開することとなるが、その後、リール基準位置が検出されることで正常回転が特定された場合には、そのときから停止操作の受け付けを有効化するため、瞬停などが発生しても、回転中のリールについて正常回転が維持されていれば、電力供給が再開されて直ぐに遊技を進行させることが可能となる。
また、停止操作の有効化条件が成立した状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、リールを回転させるためのトルクが足りず、リールが回転されないために回転異常と判定されても、当該リールについて再始動制御が行われ、すぐに遊技の進行が不能化されることがないため、遊技を円滑に進行させることができる。
また、このような場合には、電力供給が再開されたときから、リールの回転異常と判定されて再始動制御が行われた後に、回転中の全てのリールについてリール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することで有効化条件が成立するまでの期間においては、停止操作の受け付けを無効化するので、電力供給が再開した後、リールが正常回転であるかが不明な状況においてリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、リール基準位置が検出され、かつリールの回転が定速回転に移行することで、停止操作の有効化条件が成立したと判断するようになっており、リールが定速回転に到達していないにも関わらず、停止操作により回転中のリールの停止制御が実行されてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、始動時の励磁パターンでリールモータの励磁状態を変化させる再始動制御の後、リール基準位置が検出されず、停止操作の有効化条件が成立しない場合に、再始動制御を繰り返し実施し、再始動制御を所定回数(本実施形態では3回)行っても停止操作の有効化条件が成立しない場合に、エラー状態に制御して遊技を不能化するようになっており、再始動制御によってもリールが正常回転とならない場合、すなわち再始動制御では、問題を解決できない状況であれば、遊技を不能化させることができる。
また、本実施形態では、停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、回転異常が判定されたリールから順次再始動制御を行うようになっており、複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合でも、各リールを極力早い段階で正常回転とすることができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41が、停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、回転異常が判定されたリールから順次再始動制御を行う構成であるが、例えば、いずれかのリールの回転異常が判定された場合に、残りのリールの回転異常が判定され得る期間(所定ステップ数分の期間)が経過するまで、再始動制御を遅延させる構成、すなわち停止操作の有効化条件が成立した状態で複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合に、最も早く回転異常が判定されたリールの再始動制御を、最も遅く回転異常が判定されたリールの再始動制御まで遅延させる構成としても良く、このような構成とすることで、複数のリールにおいて異なるタイミングで回転異常が判定された場合にも、回転異常が判定された複数のリールを同じタイミングで再始動させることができるので、再始動時の見栄えが良くなる。
また、本実施形態では、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数がリール1周を超える所定ステップ数(400ステップ)を超えた場合に、リールの回転異常を特定する構成であるが、当該所定ステップ数は、リールが1周するために要するステップ数よりも大きな値、すなわち、リールが正常回転している場合にリール基準位置が検出されるまでに要するステップ数よりも大きな値であれば良い。
また、本実施形態では、リール基準位置が検出されることなく、回転開始または前回リール基準位置が検出されてからのステップ数が所定ステップ数を超えた場合に、当該リールを再始動させる制御を所定回数(本実施形態では3回)行っても停止操作の有効化条件が成立しない場合に、リール回転異常と判定して遊技を不能化する構成であるが、停止操作の有効化条件が成立しない場合に、リールを再始動させる制御を少なくとも1回以上行う構成であれば、頻繁に遊技が不能化されることを防止することができる。
また、本実施形態では、回転開始後、リール基準位置が検出され、かつ定速回転に移行することで停止操作の受け付けが有効化される構成であるが、少なくともリール基準位置が検出されることで停止操作の受け付けが有効化される構成であれば良い。
また、本実施形態では、リール回転開始時からのステップ数が、定速回転へ移行するのに必要なステップ数以上であるか否かにより定速回転に移行したか否かを判定する構成であるが、リール基準位置が検出され、次回リール基準位置が検出されるまでのステップ数または時間に基づいて一定速度を満たすか否かを判定することにより、定速回転に移行したか否かを判定する構成としても良い。
次に、本実施形態のメイン制御部41が遊技補助表示器12を用いて行うナビ報知に関する制御について、図28〜図31に基づいて説明する。
図28に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L、12Rからなり、それぞれのセグメントを赤色に点灯させることが可能な表示器である。遊技補助表示器12の各セグメントは、遊技制御基板40上に設けられた所定の出力バッファに格納されている点灯態様データに基づいて、LED駆動回路47により駆動されることで、所定の点灯態様での点灯状態または消灯状態に制御されるようになっている。なお、遊技補助表示器12として、それぞれのセグメントを白色、桃色、黄色、橙色、赤色、緑色、青色等のいずれかの色または複数色に点灯させることが可能な表示器や液晶表示器等を用いても良い。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに点灯態様データとしてナビ報知表示データを設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させ、ナビ報知を行うことが可能である。また、出力バッファに点灯態様データとして払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に入賞の発生により付与されるメダルの枚数を表示させる払出枚数報知を行うことが可能であり、出力バッファに点灯態様データとしてエラー表示データを設定することで、遊技補助表示器12にエラー発生時にその内容を示すエラーコードを表示させるエラー報知を行うことが可能である。
メイン制御部41は、ゲームの開始時に内部抽選が行われたときに、RAM41cの所定領域に設定される内部抽選の結果を参照し、特別役(BB1〜5)のいずれかが当選しており、かつ所定の特別役のナビ報知の実施条件(本実施形態では、特別役の当選後、所定数(例えば、5ゲーム)が行われることで成立する)が成立しているか否かを判定し、特別役のナビ報知の実施条件が成立している場合には、特別役のナビ報知の実施条件が成立したことに伴いナビ報知を行う旨を示すフラグをRAM41cの所定領域に設定し、上述の押し順コマンド設定処理を行う。当該フラグは、押し順コマンド設定処理にて参照されることで、特別役のナビ報知の実施条件が成立した以降であり、かつ当選している特別役を入賞させることが可能なタイミング、すなわち内部抽選の結果がはずれとなったときには、当選している特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(10〜14)が送信用ナビ番号として設定されることとなる。
そして、押し順コマンド設定処理が終了した後に、遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理を行う。遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理では、特別役が当選していない、または実施条件が成立していない場合には、前述の押し順コマンド送信処理によりRAM41cの所定領域に設定されており、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能な送信用ナビ番号(「0」〜「9」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを出力バッファに設定する。一方、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合には、押し順コマンド送信処理により設定されており、ナビ報知により示唆する所定の図柄(本実施形態では、「青7」「赤7」の図柄)を識別可能な送信用ナビ番号(「10」〜「14」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを選択して出力バッファに設定する。
図29(a)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知表示データを設定する際に、ナビ番号が標準押し順の番号「0」であり、ナビ報知を行わないときには、ナビ報知表示データとして出力バッファの初期値を設定する、すなわち遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、各表示器12L、12Rの第1〜第8セグメントを全て消灯状態に設定することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する。また、ナビ番号が標準押し順以外のナビ番号「1」〜「9」のいずれかであり、ナビ報知を行うときには、ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合に、特別役に応じた図柄を示唆するナビ番号を含むナビ報知表示データを選択した場合には、当該ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。
これにより、報知される停止順(左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左、左第1停止、中第1停止、右第1停止)毎に、点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せからナビ番号を識別可能に表示するようになっており、ナビ報知として、内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利となる停止順を、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合には、当選している特別役に応じた図柄(青7、赤7)が示唆されるナビ番号(「10」〜「14」)を認識可能に表示することで、遊技者にとって有利な停止操作のタイミングとして所定の図柄を示唆するになっており、ナビ報知として、特別役を入賞させることが可能な停止操作のタイミングを、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、メイン制御部41は、ナビ報知を行うときには、ナビ番号とともに表示器12Rの第8セグメインを点灯状態に制御する一方で、ナビ報知を行わないときには、表示器12Rの第8セグメインを消灯状態に制御することで、ナビ報知が実行されているか否かが遊技補助表示器12の点灯態様により認識できるようになっている。
なお、本実施形態のナビ報知では、遊技補助表示器12の表示態様がナビ番号となるように、ナビ番号に応じたセグメントの組合せを点灯させる構成であるが、ナビ報知として遊技補助表示器12の表示態様は、停止順を直接的に示すような表示態様であっても良いし、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できない表示態様であっても良い。
具体的には、図30において変形例1として示すように、例えば、左リール2Lのリール番号を「1」、中リール2Cのリール番号を「2」、右リール2Rのリール番号を「3」として、2つの遊技補助表示器12のうちの一方の表示器12Lに第1停止のリール番号を表示し、他方の表示器12Rに第2停止のリール番号を表示することで(遊技補助表示器12に、例えば、「21」を表示させることで、中左右の停止順であることを示す)、ナビ報知として停止順を直接的に示唆することができる。なお、図示しないが、青7の図柄を「b7」、赤7の図柄を「r7」として、これら「b7」「r7」を遊技補助表示器12に表示することで、青7、赤7の図柄を示唆するようにしてもよい。
また、図30において変形例2として示すように、予め停止順に、即座に停止順を識別することが困難なセグメントの組合せ(例えば、左中右の停止順を示唆するセグメントの組合せとして、表示器12Lの第2セグメント、表示器12Rの第4及び第6セグメント組合せ等)を割り当て、該当するセグメントを点灯させることで、即座に停止順を識別することは困難であるが、対応表等を用いることで識別することが可能な表示態様により、停止順を示唆することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームが進行されて、全てのリール2L、2C、2Rが停止されたときに、いずれかの役の入賞が発生しているか否かを判定し、払い出しを伴ういずれかの役(小役)の入賞が発生している場合には、当該入賞の発生により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして出力バッファに設定して、遊技補助表示器12に払い出されるメダル枚数を表示させる。
図29(b)に示すように、払出枚数表示データを出力バッファに設定する際には、メダルの払出枚数を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするし、第8セグメントを含む他のセグメントを消灯状態とする払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示するように制御する。例えば、8枚のメダルが払い出されるときには、表示器12Rの第1〜第7セグメントを点灯させる一方で、表示器12Lの第1〜第8セグメント及び表示器12Rの第8セグメントを消灯させる。これにより、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる際には、表示器12Rの第8セグメントを消灯状態に制御するので、上述のようにナビ報知での点灯態様と払い出しメダル枚数の報知での点灯態様とが異なる点灯態様となり、遊技補助表示器12でナビ報知が行われているか、払い出されるメダルの枚数の報知が行われているかが誤認されることのないようになっている。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの進行中にエラーを検出したときには、当該エラーの種類に応じて予め定められているエラーコード(E1〜E8、図31参照)をRAM41cの所定領域に設定し、後述する所定のエラー表示条件が成立したとき(本実施形態では、リールの回転制御中にエラーを検出した場合には、全てのリールが停止されたときであり、リールの回転制御中以外のときにエラーを検出した場合には、エラーを検出したときである)に、RAM41cに設定されているエラーコードを含むエラー表示データを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。
図31に示すように、メイン制御部41は、エラー表示データを設定する際には、エラーコードの英字及び数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12に検出されたエラーの種類を特定可能なエラーコードを表示させるように制御する。そして、予め定められている所定のエラー解除条件(図31参照)が成立したときに、出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12でのエラーコードの表示を終了させる。エラー表示データでは、表示器12Lの第1、2、4、5、7セグメントを点灯させることで、「E」の文字を表示するとともに、表示器12Rのセグメントのうちエラーコードの数字に対応するセグメントを点灯させる一方で、表示器12L、12Rの他のセグメントを消灯させる。これにより、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させる際には、ナビ報知や払出枚数表示では、表示されることがない英字「E」を表示器12Lに表示させるように点灯態様を制御するので、エラーコードを報知する際の点灯態様は、ナビ報知での点灯態様、払い出しメダル枚数の報知での点灯態様と異なる点灯態様となり、遊技補助表示器12によりエラーコードの報知が行われているか、ナビ報知、払い出されるメダルの枚数の報知が行われているかが誤認されることのないようになっている。
次に、メイン制御部41がゲームの進行状況等に応じて遊技補助表示器12の点灯態様を切り替えるタイミングについて、図32〜図35に基づいて説明する。
図32(a)に示すように、メイン制御部41は、ゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されるときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の全てのセグメントを消灯させて非表示に制御する。そして、規定数の賭数が設定された状態でスタート操作が行われることで、ゲームに関するリール2L、2C、2Rの回転制御を開始させる。この際、RAM41cの所定領域を参照して標準押し順のナビ番号「0」が設定されており、ナビ報知を行わない場合には、遊技補助表示器12の全てのセグメントを消灯させた状態で維持する。そして、第3停止の操作が行われた後、全てリール2L、2C、2Rが停止されたときに、いずれかの小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。そして、次のゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されることで、遊技補助表示器12の出力バッファを再び初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御する。これにより、ナビ報知を行わないゲームにおいては、1以上の賭数が設定されるときから、入賞によりメダルの払い出しが開始されるときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12が非表示に制御され、全てのリール2L、2C、2Rが停止されてメダルの払い出しが開始されたときから、1以上の賭数が設定されるか、または待機条件(一定時間操作がないこと、精算操作がされること)が成立して待機状態に移行するまでの期間にわたり、遊技補助表示器12に払出枚数表示としてメダルの枚数を表示させるように制御されることとなる。なお、第3停止の操作が行われて、全てリール2L、2C、2Rが停止されたときに、再遊技役が入賞している場合及びいずれの入賞も発生していない場合には、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定しないことで、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示で維持して、一のゲームを開始させるために1以上の賭数が設定されるときから、次のゲームを開始させるために賭数が設定されるときまでの期間にわたり、すなわち一のゲーム中の全ての期間にわたって、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御する。
一方で、図32(b)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知を行う場合には、規定数の賭数が設定された状態でスタート操作が行われた後に、ゲームに関するリール2L、2C、2Rの回転制御を開始させるときに、RAM41cの所定領域を参照して、前述の押し順コマンド送信処理によりナビ番号「1」〜「9」のいずれかが送信用ナビ番号として設定されている場合、または特別役のナビ報知の実施条件が成立しており、ナビ番号「10」〜「13」のいずれかが送信用ナビ番号として設定されている場合には、該当するナビ番号を表示させるナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させる。その後、第3停止のストップスイッチの操作が行われ、当該ストップスイッチが離されたときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御し、その後、所定の待機期間にわたり待機する。そして、所定の待機期間が経過した後に、いずれかの小役の入賞が発生しているか否かを判定し、小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。これにより、ナビ報知を行うゲームにおいては、ゲームの開始に伴ってリールの回転が開始されたときから、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知としてナビ番号が継続して表示されるように制御される。そして、出力バッファが初期化されることで、遊技補助表示器12の点灯態様が一旦非表示に制御された後、全てのリール2L、2C、2Rが停止されてメダルの払い出しが開始されたときから、1以上の賭数が設定されるときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12に払出枚数表示としてメダルの枚数が表示させるように制御される。
また、本実施形態のメイン制御部41は、上述のように(図25参照)、少なくともいずれか1つのリールについて定速回転に制御しており、停止操作の受け付けを有効化している状態において、回転中のリールに回転状態に異常が生じていると判断した場合には、全てのリールについて停止操作の受け付けを無効として、異常が生じていると判断したリールについて、回転を再始動させるために再始動制御を行う。その後、回転中の全てのリールが正常に回転される場合に、停止操作の受け付けを再び有効化するようになっている。一方で、図32(b)に示したように、ナビ報知を行う場合には、ゲームに関するリール2L、2C、2Rの回転制御を開始させるときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定し、その後、第3停止のストップスイッが離されたときに、出力バッファを初期化するようになっている。これにより、ナビ報知を行う場合には、ゲームに関するリール2L、2C、2Rの回転制御を開始させるときから、第3停止のストップスイッが離されたときまでの期間において、停止操作の受け付けが有効化されているか無効化されているかにかかわらず、遊技補助表示器12でのナビ番号の表示を継続させるようになっている。
また、図32(b)に示すように、メイン制御部41は、ゲームのスタート操作が行われた際には、上述の押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。これに対して、サブ制御部91は、押し順コマンドに基づきナビ番号を特定し、当該ナビ番号に基づいてナビ報知が行われることが特定される場合には、当該ナビ番号に基づいて特定される有利操作態様を示唆するナビ演出を実行する。ナビ演出では、例えば、ナビ番号に基づく停止順を示す数字を、液晶表示器51の表示領域上のストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する位置に表示させたり、ナビ番号に基づく停止操作のタイミングを示唆する画像(例えば、「赤7」の画像等)を、液晶表示器51の表示領域に表示させることで、有利操作態様を示唆する。
なお、本実施形態では、サブ制御部91は、ナビ演出を行う場合には、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を開始させる構成であるが、ナビ演出が開始されるタイミングは、メイン制御部41側にてストップスイッチの停止操作が有効化される以前であれば良く、例えば、ゲームの開始に伴いリール2L、2C、2Rの回転を開始させる旨を示すリール加速情報コマンドを受信したタイミングや、押し順コマンド受信した以降から遊技の開始に伴いリールを所定の定速回転まで加速させる制御が完了した旨を示す加速完了コマンドを受信する以前までの期間内のタイミング等であっても良い。特に、停止操作が有効化されるときに、メイン制御部41側でのナビ報知が開始されるとともにサブ制御部91側でのナビ演出を開始される構成とすることで、ナビ報知が行われる状態であっても、スタート操作を行ったときから停止操作が有効化されるときまでの期間において、ナビ報知及びナビ演出により押し順役の当選が示唆されることがないので、当該期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持することができる。また、特に、ゲームに関するリールの回転を開始したとき以降に、メイン制御部41側でのナビ報知が開始されるとともにサブ制御部91側でのナビ演出を開始される構成とすることで、例えば、メイン制御部41が、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間において、遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御し、フリーズ状態においてリールを用いたリール演出を実行可能な構成である場合に、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間、すなわちフリーズ状態に制御されている期間において、ナビ報知及びナビ演出により押し順役の当選が示唆されることがないので、当該期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ナビ報知を開始した後、第3停止操作のストップスイッチが離され際に、当該ナビ報知を終了させ、遊技終了コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であり、サブ制御部91は、遊技終了コマンドを受信したことに基づいて、メイン制御部41側でのナビ報知が終了される際に、ナビ演出を終了させることが可能であるが、ナビ演出は、少なくとも停止順によってゲームの結果が変化する場合に行われる構成であれば良く、例えば、ナビ報知及びナビ演出により示唆される停止順以外の停止順でのストップスイッチが操作されることで押し順役が入賞しないことが確定した場合、第1停止操作または第2停止操作が行われることで一の役のみが入賞することが確定した場合などにおいては、メイン制御部41側にてナビ報知が終了されるより前に、ナビ演出が終了される構成としても良い。このような構成とすることで、ゲームの結果が確定した以降にもナビ演出が継続されないようにすることができる。
本実施形態のメイン制御部41のRAM41cは、スロットマシン1への電力供給が停止された場合であっても、バックアップ電源により電力が供給されることで記憶内容を保持することが可能であり、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断検出回路48の出力に基づいて電断が検出される場合には、RAM41cに設定されているメイン制御部41での制御状態を、電断から復帰する際に復帰させることができるように電断処理を行って、その後、スロットマシン1への電力供給が開始されたときには、電断が検出されたときの制御状態で制御を開始することができるようになっている。
図33に示すように、メイン制御部41は、ゲームの進行に伴い少なくとも1つ以上のリールを回転制御しており、かつ遊技補助表示器12にナビ報知を行っている場合に、電断が検出されたときには、電断に関連する制御を行って、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御するとともに、回転制御を行っているリールのリールモータの励磁パターン、励磁制御のステップ数やナビ番号等を含む制御状態をスロットマシン1への電力供給が再開された際に、電断が検出されたときの内容で復帰させることができるように電断処理を行う。
その後、スロットマシン1への電力供給が再開されることで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させるが、制御状態のうち全てのストップスイッチによる停止操作の受け付け状態については、無効に変更して設定する。これにより、メイン制御部41は、全てのストップスイッチによる停止操作の受け付けが無効化されている状態で復帰することになる。
また、メイン制御部41は、制御状態を電断前の状態に復帰させる際に、ナビ番号、各リールのリールモータの励磁パターン及びステップ数については、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていたままの内容で復帰させる。そして、復帰した際には、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンド、及びナビ番号を特定可能な押し順コマンドを含むメイン制御部41側での制御状態を特定可能な各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後は、上述のゲーム開始時と共通の制御を実行して、RAM41cに設定されている制御状態に基づいてゲームを進行させるための制御を行うことで、RAM41cに設定されているナビ番号に基づいてナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させるように制御した後、RAM41cに設定されているリールモータの励磁パターンすなわち定速パターンに基づいて、電断前に回転制御していたリールのリールモータを電断が検出された時の励磁パターンのステップ数から励磁して、該当するリールを再び所定の定速回転で回転させるように制御し、当該リールが所定の定速回転となった場合に、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する制御を行う。
この際、該当するリールを再び所定の定速回転で回転させる制御においては、電断が検出された時点で設定されている励磁パターンとして定速パターンに基づいて、該当するリールモータの回転制御を開始させることとなり、このような場合には、上述のように(図27(a)(b)参照)、該当するリールの状態(回転状態または停止状態)によって、該当するリールが正常に回転される場合もあれば、正常に回転されない場合もあり、正常に回転されない場合には、該当するリールについて正常に回転さるために再始動制御が行われることとなる。
そして、正常に回転される場合及び正常に回転されない場合であって再始動制御により正常に回転されるようになった場合に、当該リールが所定の定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。その後、受け付けが有効化されたストップスイッチが操作されるまで待機し、ストップスイッチの操作が行われるときに、該当するリールを停止させる制御を行う。
これに対して、サブ制御部91は、電断から復帰した後、復帰コマンドを受信した後、押し順コマンドを受信することで、押し順コマンドにより特定されるナビ番号に基づいて、メイン制御部41側においてナビ報知が行われることが特定さえる場合には、ナビ番号に基づく遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能なナビ演出を再開させる。その後、ゲームの進行に応じて受信される各種コマンドに基づいて演出の制御を行うこととなる。これにより、メイン制御部41では、電断から復帰し、押し順コマンド等を送信した後、リールの回転制御を再開して、該当するリールが定速回転となることで、ストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するのに対して、サブ制御部91では、電断からの復帰後、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を再開させるので、サブ制御部91は、メイン制御部41側において停止操作が有効化されるときには、既にナビ演出を行っている状態とすることとができるようになっている。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御するので、電断が検出されたときから、スロットマシン1への電力供給が完全に停止するまでの期間において、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。また、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化し、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、出力バッファにナビ報知表示データを再設定するように制御するので、電力供給が再開されたときからメイン制御部41が復帰するときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。
また、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定し、その後、電断が検出された時に回転制御を行っていたリールを再び所定の定速回転で回転させる制御を行って、該当するリールが定速回転となった場合に、当該リールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するように制御するので、スロットマシン1への電力供給が再開された際には、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号の表示を開始させた後に、ストップスイッチによる停止操作の受け付けが有効化されるようになっており、ナビ番号の表示が既に行われている状態で、停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。
また、メイン制御部41は、リールの回転制御を行っているときに電断が検出され、その後、電断から復帰したときには、ゲーム開始時と共通の処理を実行して、復帰時に設定された制御状態に基づいてゲームの進行を制御するようになっている。
従来のスロットマシンとして、遊技の制御を行う遊技制御手段と、演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、遊技者にとって有利な操作態様の報知を遊技制御手段側が制御する報知手段にて行うようにしたものが開示された文献(たとえば、特許第5770922号公報)があった。この文献に記載のスロットマシンでは、遊技制御手段が有利な操作態様の報知を行っている状態で電断が発生した場合に、電断復帰後も有利な操作態様の報知が行われることとなるが、電断復帰後に、有利な操作態様の報知が復帰する前に、停止操作が有効化されると、報知された有利な操作態様とは異なる操作態様にて停止操作がされてしまう虞がある。本実施形態では、このような問題点に着目してなされたものであり、遊技者が報知された操作態様とは異なる操作態様にて操作してしまうことを防止できるスロットマシンを提供することを目的とする。
具体的には、本実施形態のスロットマシン1は、遊技の制御を行うメイン制御部41と、演出の制御を行うサブ制御部91と、を備え、メイン制御部41は、メイン制御部41側が制御する遊技補助表示器12にて、遊技者にとって有利な操作態様を報知するナビ報知を行うことが可能な構成である。このような構成では、遊技補助表示器12にてナビ報知を行っている状態で、電断が発生した場合に、電断復帰後もナビ報知が行われることとなるが、電断復帰後に、ナビ報知が復帰する前に停止操作を有効化する構成とすると、報知される有利な操作態様とは異なる操作態様にて停止操作がされてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、メイン制御部41側が制御する遊技補助表示器12にて、遊技者にとって有利な操作態様を報知するナビ報知を行うことが可能な構成であり、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付ける一方で、所定の有効化条件が成立した状態かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときには、電力供給が再開されてから所定の有効化条件が成立するまでの期間において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けず、遊技補助表示器12にてナビ報知を再開し、所定の有効化条件が成立した後に、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けるので、所定の有効化条件が成立した状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、電力供給が再開されてから有効化条件が成立するまでの期間においてストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作が受け付けられないこととなり、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況においてリール2L、2C、2Rが停止されてしまうことを防止できる。また、所定の有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が再開されることとなるので、ナビ報知が行われることで遊技者が有利操作態様が報知されることを知らずに、誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、メイン制御部41が制御する遊技補助表示器12に、所定内容として、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数と、発生しているエラーの内容を示すエラーコードとを表示させることが可能であり、また、遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として、遊技者にとって有利な有利操作態様を識別可能なナビ番号を表示させることが可能であるので、メイン制御部41側が直接制御する遊技補助表示器12でナビ番号を表示させる場合に、所定内容を表示させる表示手段を利用してナビ番号を表示させることにより新たな表示手段を設けることなく、所定内容もナビ番号も表示することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、所定の有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開した後、スロットマシン1への電力供給が停止された際に回転制御を行っていたリールについて、リールの回転制御を再開する構成であり、電力供給が再開された後には、リールの停止状態に関わらず、電力供給が停止されたときと共通の表示態様にて遊技補助表示器12にナビ番号を表示させて、有利操作態様を報知するので、ナビ報知により有利操作態様を報知させる制御の再開に係る制御を簡素化することができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様として、複数の異なる操作タイミング(「青7」、「赤7」、「白7」、「BAR」を入賞ラインLNに停止させるタイミング)のうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、複数の操作順(例えば、左中右、左右中の操作順等)のうちいずれかの操作順で操作する操作態様を、ナビ報知により報知する構成であるが、これらの組合せによる操作態様等を報知する構成であっても良い。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付けるので、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることとなり、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、所定の有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作を受け付ける構成であるが、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するまでに、ナビ報知を開始する構成であれば良く、例えば、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに、ナビ報知を開始する構成であっても良いし、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときから、所定の有効化条件が成立するときまでの期間内のいずれかのタイミングでナビ報知を開始する構成であっても良い。このような構成においても、ゲームの開始後、所定の有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることで、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、所定の有効化条件が成立した後、リールの回転状態に異常が検出されたときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを無効化し、再び所定の有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを有効化する一方で、ナビ報知を開始した後は、リールの回転状態に異常が検出されたときでも、ナビ報知による有利操作態様の報知を継続するので、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信可能であるのに対して、サブ制御部91は、押し順コマンドに基づいて有利操作態様を特定可能なナビ演出を実行可能であり、メイン制御部41側にてナビ報知が行われる場合に、サブ制御部91側にて制御する液晶表示器51を用いて有利操作態様を報知することが可能であるので、有利操作態様を報知する際の演出効果を高めることができる。
本実施形態のメイン制御部41は、有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開させるとともに、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信し、その後、リールの回転制御を開始して、所定の有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けを有効化するので、有効化条件が成立するよりも早いタイミングで有利操作態様を特定可能な押し順コマンドがサブ制御部91に対して送信されることとなり、サブ制御部91側において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときにストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作が有効となる前にナビ演出を開始させることが可能となり、遊技者が有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、スロットマシン1への電力供給が再び開始されたことで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させる構成であり、特に、電断前に回転制御を行っていたリールについては、電断時点でのリールモータの励磁パターン及びステップ数が設定されている状態で復帰させるようになっており、電断からの復帰時には、電断時点での励磁パターンすなわち定速パターン及びステップ数からリールモータの励磁状態を変化させて、リールの回転を再開させるように制御した後、リールが正常に回転されない場合に、該当するリールの励磁パターンを始動パターンに再設定して回転を再始動させる再始動制御を行う構成であるが、メイン制御部41は、電断前にいずれかのリールを回転制御している状態で、電力供給が停止され、電力供給が再開された際に、電断前の制御状態に復帰させる場合には、該当するリールについてリールモータの励磁パターンを始動パターンに設定する構成であっても良い。
具体的には、メイン制御部41は、通常のゲームの制御を行う場合には、リールモータの励磁パターンを始動パターン、定速パターン、停止パターンの順序で選択するようになっており、図34(a)に示すように、有効なスタートスイッチ7の操作が行われたことを条件として始動パターンを選択して、停止している状態のリールを始動させて所定の定速回転まで加速させた後、定速パターンを選択してリールを所定の定速で回転させる。そして、この状態で待機して、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを条件として操作されたストップスイッチに対応するリールについて滑りコマ数に応じて停止パターンを選択し、ストップスイッチの操作から最大停止遅延時間(本実施形態では190ms)内にストップスイッチの操作に応じた停止位置でリールを停止させる。その後は、メイン制御部41は、次のゲームが開始されるまで励磁パターンを選択せず、リールを停止状態で維持する構成において、図34(b)に示すように、電断前に始動パターンによりリールの回転を制御しており、電断により始動の途中でリールが停止状態となった場合には、電断から復帰する際に、電断時に選択されていた始動パターンを用いて、当該始動パターンの最初のステップから励磁状態を変化させることで、一旦リールが正常に回転されない状態とすることなく、リールを始動させることができる。
また、図34(c)に示すように、電断前に定速パターンによりリールの回転を制御しており、電断により始動の途中でリールが停止状態となった場合には、電断から復帰する際に、励磁パターンを電断時に選択されていた定速パターンから始動パターンに変更して、当該始動パターンの最初のステップから励磁状態を変化させることで、一旦リールが正常に回転されない状態とすることなく、リールを始動させることができる。
また、図34(d)に示すように、電断前に停止パターンによりリールの回転を停止させる制御しており、電断により停止させる制御の途中でリールが停止状態となった場合には、電断から復帰する際に、電断時に選択されていた停止パターンを用いて、当該停止パターンにおける電断時のステップ数から励磁状態を変化させることで、電断時に実行していた停止パターンを続けて実行することで、電断時に実行していた停止パターンを、電断前に開始してから電断中の時間を除いて特定時間(本実施形態では190ms)内に最後まで実行することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、メイン処理やタイマ割込処理(メイン)において、メダルの払い出しに関するエラーやメダルの投入に関するエラー、リールの回転に関するエラーなどゲームに関する各種エラーの発生を検出可能になっており、上述のように各種エラーを検出した後に所定のエラー表示条件が成立したときに、エラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる。所定のエラー表示条件は、ゲームに伴いリールが回転制御されていない状態で各種エラーを検出した場合は、当該エラーを検出したときであり、リールが回転制御されている状態で各種エラーを検出した場合は、全てのリールが停止されたときである。
図35に示すように、本実施形態のメイン制御部41は、上述のようにゲームの開始時に遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を行い、その後、第3停止の操作が行われたストップスイッチが離されたときから所定の待機期間が経過したときに、入賞状況に応じて払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、メダルの払い出し枚数を表示させる構成である。このような構成において、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を開始したときから、第3停止の操作が行われたストップスイッチが離されてさらに所定の待機期間が経過するときまでの制限期間において、ゲームに関する各種エラー、特にメダルの投入に関するエラー、リールの回転に関するエラーを検出した場合には、上述の制限期間が経過するまでゲームに関する制御を継続して行い、制限期間が経過したときに、検出されたエラーの内容を示すエラーコードをエラー表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させる制御を開始した後、エラー状態に制御する。
その後、検出された異常の種類に応じた解除条件(例えば、リセットスイッチ23の所定手順での操作等)が成立することで、ゲームの制御をエラー状態の制御を開始する前の時点から再開する。ゲームの制御を再開することで、第3停止の操作が行われて所定の定期期間が経過した後の制御、すなわち、いずれかの小役の入賞が発生しているか否かを判定し、小役の入賞が発生している場合には、入賞により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして遊技補助表示器12の出力バッファに設定し、遊技補助表示器12に払い出されるメダルの枚数を表示させる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを設定してナビ報知を行っている状態で、各種エラーが検出された場合には、ナビ報知が終了されて所定の待機期間が経過したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定することで、ナビ報知が開始されてから終了されるまでの期間においてエラー報知が行われることを制限するようになっている。
従来のスロットマシンは、遊技の進行に関する制御を行うメイン制御部と、演出に関する制御を行うサブ制御部とを備え、メイン制御部は、遊技者に払い出されるメダル枚数や、遊技に関するエラーの発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能な遊技補助表示器を備え、また、内部抽選結果を特定可能なコマンドをサブ制御部に対して送信することが可能であり、サブ制御部は、当該コマンドに基づいて特定される内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利な操作態様を、サブ制御部が備える液晶表示器等に表示させて報知する構成であった。
このような構成では、サブ制御部や液晶表示器に不具合が生じることで有利な操作態様が特定できず、遊技者に不利益が生じる虞があるため、本実施形態では、メイン制御部41側で有利な操作態様を表示させる制御を行うとともに、遊技者に払い出されるメダル数が表示される遊技補助表示器12を利用して有利な操作態様を表示させるようになっているが、遊技者に払い出されるメダル数と遊技者にとって有利な操作態様とを、メイン制御部41が備える遊技補助表示器12に表示させる構成とすると、一の表示器において遊技者に払い出されるメダル数と、遊技者にとって有利な操作態様と、がいずれも表示されることとなるため、その際の表示が切り替わったときに表示内容を誤認させてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、所定内容として遊技者に払い出されるメダルの払出枚数や、遊技に関するエラーの発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能な遊技補助表示器12を備え、遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順及び停止タイミング)を識別可能なナビ番号を表示させることが可能であり、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから所定内容を表示させるので、メイン制御部41側が直接制御する表示器にナビ番号を表示させる場合に、新たな表示手段を設けることなく、所定内容としてメダルの払出枚数等を表示させる遊技補助表示器12を利用してナビ番号を表示させることにより、所定内容もナビ番号も表示することができるとともに、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示としてから所定内容を表示させるので、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
なお、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから所定内容を表示させる構成であれば良く、遊技補助表示器12が非表示の状態をされる期間は、少なくとも消灯したことを遊技者等が認識可能な期間であれば良い。本実施形態では、メイン制御部41が遊技補助表示器12の出力バッファを初期化した後に待機する所定の待機期間を設けており、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、確実に遊技補助表示器12が非表示に制御するようになっている。
また、メイン制御部41が遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、待機する当該所定の待機期間は、遊技補助表示器12の表示態様が、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間において、少なくとも消灯したことを遊技者等が認識可能な期間であれば良く、例えば、タイマ割込処理(メイン)が少なくとも1回行われるまで待機することで、タイマ割込処理(メイン)が行われて遊技補助表示器12の表示態様が切り替えられることとなるため、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間に、遊技補助表示器12を一旦消灯状態に制御することができる。また、例えば、第3停止のストップスイッチの操作が行われ、ストップスイッチが離されたときに、タイマを作動させて、タイマにより所定の待機時間の経過が計時されることに基づいて、所定の待機期間にわたり待機することで、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間に、遊技補助表示器12を一旦消灯状態に制御する構成であっても良い。
また、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ報知を行っている場合に、第3停止のストップスイッチの操作が行われた際に、遊技補助表示器12の出力バッファを一旦初期化した後、払出枚数表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12の表示態様を、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間に、一旦消灯状態に制御する構成であるが、ナビ報知から払出枚数の報知に切り替わる間に、ゲームに関連しない表示(例えば、「‐」や「_」等)を表示させることで、ナビ報知の表示内容と払出枚数の報知の表示内容とが誤認されることを防止できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、メダルの払出枚数を表示させる構成であり、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して非表示の状態としてから、払出枚数表示データを設定する際に、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの総枚数を表示させるデータを設定することで、メダルの払い出しが開始されてから完了するまでの期間にわたり、払い出されるメダルの総枚数が表示される構成であるが、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データとして0枚を表示させるデータを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、当該払出枚数表示データを、払い出されたメダルの枚数の合計数に更新して、払い出しが完了したメダルの枚数の合計数を順次表示させ、最終的に、小役の入賞に伴い払い出されたメダルの総枚数を表示させるように制御する構成であっても良い。このような構成においても、本実施形態の構成と同様に、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容を一旦初期化して、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成においては、払出枚数表示データの初期データとして0枚を示すとともに遊技補助表示器12での表示を非表示とするデータを設定し、その後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に払出枚数表示データを1ずつ加算するように更新するように制御する構成であっても良い。このような構成とすることで、小役の入賞に伴いメダルの払出が開始されてから1枚目のメダルの払い出しが検出されるまでの期間、すなわち払い出されたメダルの枚数が0枚である期間は、遊技補助表示器12が非表示に制御され、その後、1枚目のメダルの払い出しが検出された時点から、遊技補助表示器12が表示され、払い出しが完了したメダルの枚数の合計数が順次表示されることとなる、すなわち遊技補助表示器12にナビ番号を表示させた後、所定内容としてメダルの払出枚数を表示させる場合に、遊技補助表示器12の表示内容としてナビ番号が表示させた後、一旦非表示の状態となってから、メダルの払出枚数が表示されることとなり、本実施形態の構成と同様の効果を奏し、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成においては、ナビ報知が終了されて所定の待機期間が経過したときに、払出枚数表示データの初期データとして0枚を示すとともに遊技補助表示器12での表示を非表示とするデータを設定し、その後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に払出枚数表示データを1ずつ加算するように更新するように制御する構成としても良い。このような構成とすることで、ナビ報知が終了された後から所定の待機時間が経過するまでの期間及び払出枚数表示データの初期データを設定したときから払出センサ34cにより1枚目のメダルの払い出しが検出されて払出枚数表示データが更新されるまでの期間にわたり、遊技補助表示器12の表示を非表示の状態とすることができ、本実施形態の構成と同様の効果を奏し、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成においては、第3停止操作が行われたときにナビ報知表示データを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を一旦非表示とし、ナビ報知表示データを初期化した後から所定の待機期間が経過したときに、払出枚数表示データの初期データとして0枚を示すとともに遊技補助表示器12での表示を非表示とするデータを設定し、その後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に払出枚数表示データを1ずつ加算するように更新するように制御する構成としても良い。このような構成とすることで、ナビ報知が終了された後にナビ報知表示データが初期化されている状態の期間と、ナビ報知表示データを初期化した後から所定の待機時間が経過するまでの期間と、払出枚数表示データの初期データを設定したときから払出センサ34cにより1枚目のメダルの払い出しが検出されて払出枚数表示データが更新されるまでの期間とにわたり、遊技補助表示器12の表示を非表示の状態とすることができ、本実施形態の構成と同様の効果を奏し、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。なお、これらの期間、すなわちナビ報知が終了された後にナビ報知表示データが初期化されている状態の期間、ナビ報知表示データを初期化した後から所定の待機時間が経過するまでの期間、払出枚数表示データの初期データを設定したときから払出センサ34cにより1枚目のメダルの払い出しが検出されて払出枚数表示データが更新されるまでの期間のうちいずれか一の期間のみを適用することで、遊技補助表示器12にてナビ報知を表示させた後、一旦非表示の状態とし、メダルの払出枚数を表示さる構成であっても良いし、これの期間のうちのいずれか2つの期間を適用する構成であっても良い。
また、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成においては、遊技補助表示器12での払出枚数の表示態様として、「1」〜「9」が表示され得ることとなり、ナビ報知での表示態様(ナビ番号「1」〜「13」と「.」)の一部が払出枚数の表示態様に含まれることとなるが、ナビ報知での表示態様と払出枚数の表示態様とが、2つの表示器12L、12Rでの表示を一体としたときに異なる表示態様とすること、例えば、ナビ報知では、表示器12Rの第8セグメントと、ナビ番号に対応する表示器12L、12Rの第1〜第7セグメントを点灯させる一方で、払出枚数表示では、払出枚数に対応する表示器12L、12Rの第1〜第7セグメントのみを点灯させる構成とすることで、ナビ報知の表示内容と払出枚数の報知の表示内容とが誤認されることを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始後、リール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるときにから、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順及び停止タイミング)を識別可能なナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させるので、ゲームの開始から終了までの期間にわたり継続して遊技者にとって有利な有利操作態様を遊技者に対して認識させることができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ゲームの開始時として、リール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるときから、ゲームの終了時として、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、ナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させる構成であるが、ゲームの開始時として、ゲームの進行に伴いストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となるまでの一の開始タイミングから、ゲーム終了時として、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された以降の一の終了タイミングまでの期間にわたりナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させる構成であれば良く、ゲームの開始時として、例えば、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7が操作されたとき、リール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるとき、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となったときのいずれかの一の開始タイミングから、ゲームの終了時として、例えば、第3停止操作のストップスイッチが押下されたとき、全てのリール2L、2C、2Rが停止されたとき、入賞に伴いメダルの払出が開始または終了されたとき、次のゲームのために賭数の設定操作が行われたときのいずれか一の終了タイミングまでの期間わたり、ナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させる構成であっても良い。
このような構成のうち、特に、一の開始タイミングを、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7が操作されたとき、リール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるときのいずれかとすることで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に、遊技補助表示器12でのナビ番号の表示を開始させることができる。また、一の開始タイミングを、リール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるとき、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となったときのいずれかとすることで、例えば、スタートスイッチ7が操作された後からリール2L、2C、2Rを所定の定速で回転させる制御が開始されるまでの期間において、リールを通常のゲームと異なる態様で回転させるリール演出等を行う構成としたり、遊技の進行を所定時間遅延させるフリーズ状態に制御しても、当該リール演出やフリーズ状態等の終了後に、遊技補助表示器12でのナビ番号の表示を開始させることができ、リール演出等を行っている期間に、ナビ番号が表示されてしまうことを制限することができる。また、一の開始タイミングを、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となったときとすることで、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となるまでの期間において生じる事象、例えば、上述のリール演出や電断からの復帰に伴うリールの再加速などが生じるか否かに関わらず、ゲーム開始の際の所定のタイミングで、遊技補助表示器12でのナビ番号の表示を開始させることができる。
また、特に、一の終了タイミングを、第3停止操作のストップスイッチが押下されたときとすることで、第3停止操作のストップスイッチが押下されたときから、その後、全てのリール2L、2C、2Rが停止して入賞判定が行われるまでの期間において、遊技補助表示器12での表示内容を非表示とすることができるので、入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数を表示させる場合に、ナビ番号と払出枚数とが誤認されてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、所定内容としてゲームの結果に関する情報であり、ゲームの終了時に入賞の発生により遊技者に払い出されるメダルの払出枚数を表示するために用いる遊技補助表示器12に、所定内容とは異なる表示内容として遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順及び停止タイミング)を識別可能なナビ番号を表示させるようになっており、遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様をゲーム中に表示させるのに対して、所定内容としての払出枚数をゲームの終了後に表示させるので、遊技補助表示器12においてナビ番号の表示期間と、払出枚数の表示期間とが重複せずに済む。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利となる停止態様を特定可能なナビ番号と、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの払出枚数とを、遊技補助表示器12に表示させることが可能な構成であり、遊技補助表示器12に表示させるナビ番号の表示態様と、メダルの払出枚数の表示態様とは、共通の態様を含まないので、ナビ番号が表示されているのか、所定内容として払出枚数が表示されているのか、が誤認されることを防止できる。
なお、遊技補助表示器12に表示させるナビ番号の表示態様と、メダルの払出枚数の表示態様とは、遊技補助表示器12の2つの表示器12L、12Rでの表示を一体の表示としたときに、共通の態様を含まない構成であれば良く、例えば、ナビ番号の表示態様が、払出枚数の表示態様の一部を含む構成やその逆の関係を含む構成であっても良い。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知での遊技補助表示器12の表示態様(ナビ番号「1」〜「13」と「.」)の一部には、払い出されるメダル枚数を報知する表示態様(例えば、8枚払い出し時の「8」)を含む構成であるが、ナビ報知による表示態様に、払い出されるメダル枚数の表示態様(例えば、8枚払出時の「8」)を含まない構成としても良い。このような構成とすることで、ナビ報知とメダル枚数の報知とで、遊技補助表示器12の表示態様を同じ態様に制御されることがなく、ナビ報知による表示態様と払い出されるメダル枚数の報知による表示態様とが誤認されることを防止できる。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、ナビ報知での遊技補助表示器12の表示態様では、表示器12Lの第8セグメントを点灯させる一方で、払い出されるメダル枚数を報知する表示態様では、当該表示器12の第8セグメントを消灯させることで、2つの表示器12L、12Rのうちの1つの表示器の表示態様により、ナビ報知での表示態様であるか払い出されるメダル枚数を報知する表示態様であるかを識別可能な構成であるが、少なくとも2つの表示器12L、12Rの表示態様を一体としてみたときに、ナビ報知による表示態様と払い出されるメダル枚数の報知による表示態様とを識別可能な構成としても良い。このような構成として、例えば、ナビ報知においてナビ番号「8」を報知する際には、表示器12Lに「8」、表示器12Rに「‐」を表示さることで一体表示として「‐8」を表示させる一方で、払い出されるメダル枚数の報知では、表示器12Lに「 」(表示無し)、表示器12Rに「8」を表示させることで一体表示として「 8」を表示させるようにすることで、ナビ報知による表示態様と払い出されるメダル枚数の報知による表示態様とが誤認されることを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に、遊技者にとって有利な有利操作態様としてナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示にするので、スロットマシン1への電力供給が停止されて、メイン制御部41等の作動が不安定となる電断時において、遊技補助表示器12で意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させている状態で、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の表示態様を非表示に制御する構成であるが、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であれば良く、例えば、出力バッファに設定されているデータに基づいて、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47に対して制御信号を出力する出力ポートをクリアすることで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47から遊技補助表示器12に対して出力される駆動信号の出力を制限することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成等であっても良い。このような構成においても、本実施形態の構成と同様に、電断時において、遊技補助表示器12で意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの進行に伴いリールが所定の定速回転に制御されて、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効な状態で、かつ遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、スロットマシン1への電力供給が再開されて、電断前の状態に復帰する場合に、遊技補助表示器12にナビ番号を再表示させた後、電断前に回転制御されていたリールが定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチの操作受付を有効化するように制御することで、電断からの復帰する時において、ストップスイッチの操作受付が有効となる前に、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開あせるので、誤ってナビ番号により示唆される有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチが操作されてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、制御状態を電断前の状態に復帰させる際に、ストップスイッチの操作受付の状態及びリールの励磁パターンについて、電断前の状態で復帰させることで、メイン制御部41の復帰時に、ストップスイッチの操作受付を有効化するとともに、電断前の励磁パターンでリールの回転制御を開始させる構成であり、電断により停止しているリールを、電断前の励磁パターンすなわち定速回転で回転させるための定速パターンにより回転制御を開始することとなるが、停止しているリールの回転を開始させるためには、トルクが不足して回転が開始されないので、リールの回転制御を開始した後、リールセンサにより基準位置が検出されることなく所定の期間(リールが回転される場合にリールセンサにより基準位置が検出されるまでに要する時間以上の期間)が経過したときに、リールの回転エラーと判定して、ストップスイッチの操作受付を無効化し、励磁パターンを停止状態から加速させるための始動パターンに変更して、再度リールの回転制御を開始させるので、リールを所定の定速回転まで加速させることができる。そして、リールの回転エラーと判定したことに伴い無効化したストップスイッチの操作受付を、リールが所定の定速回転まで加速したときに再び有効化することができる。このような構成では、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定することで、スロットマシン1への電力供給が再開された際には、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号の表示が開始させた後に、ストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効にすることができ、遊技者がストップスイッチによる停止操作を行うことができるときには、遊技補助表示器12に確実にナビ番号を表示させてナビ報知を行うことができる。また、このような構成では、メイン制御部41が復帰したときに、一旦ストップスイッチによる停止操作が有効化された後、無効化されることとなり、さらにその後、再度リールの回転制御が行われてリールが定速回転となることで、ストップスイッチによる停止操作が再度有効化されることとなるが、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定することで、遊技補助表示器12によるナビ報知は、メイン制御部41が復帰した以降、トップスイッチによる停止操作が再度有効化されるまでの期間においても継続して表示させることができるので、遊技者がストップスイッチによる停止操作を行うことができるときには、遊技補助表示器12に確実にナビ番号を表示させてナビ報知を行うことができる。
本実施形態のメイン制御部41は、規定数の賭数が設定された状態で、スタートスイッチ7が操作されて、ゲームが開始された後から、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されて全てのリール2L、2C、2Rが停止してゲームが終了する前の状態であり、かつ遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、所定内容としてエラーコードを表示することとなるエラーが検出された場合には、ゲームが終了するときに、遊技補助表示器12におけるエラーコードの表示を開始させることで、ゲーム中においてエラーが検出されたときから、ゲームが終了するまので期間において、遊技補助表示器12に所定内容としてエラーコードを表示させることを制限するので、遊技補助表示器12に表示された表示内容が有利操作態様を示すナビ番号であるか、所定内容としてのエラーコードであるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、ナビ番号以外の所定内容としてエラーコードを表示する条件が成立した場合には、ゲームが終了するときまで遊技補助表示器12に所定内容を表示させない構成であるが、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させている状態で、ナビ番号以外の表示内容を表示させない構成であれば良く、所定内容としてエラーコード以外の表示内容を適用する構成であっても、遊技補助表示器12に表示された表示内容がナビ番号であるか、所定内容であるか、が誤認されてしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41が行う遊技補助表示器12の出力バッファの設定に関する制御について、図36に基づいて説明する。
本実施形態のメイン制御部41は、上述のように、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、第1の表示内容として小役の入賞により付与されるメダルの払出枚数を表示させることが可能であり、当該出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号を表示させることが可能であり、さらに、当該出力バッファにエラー表示データを設定することで、特別表示内容としてエラー発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能である。
図36(a)に示すように、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに払出枚数表示データが設定されており、第1の表示内容として払出枚数を表示させている期間中にエラーを検出した場合には、その後、遊技補助表示器12の表示内容を特別表示内容に切り替える所定の表示切替条件としてエラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御するとともに、出力バッファのデータをRAM41cの所定領域に退避させる退避処理を行って、出力バッファに設定されている払出枚数表示データをRAM41cの所定領域に退避させる。そして、出力バッファを一旦初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示に制御した後、特別表示内容を表示させるためのデータとしてエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12に特別表示内容としてエラーコードを表示させるように制御しつつ、エラー状態に制御して待機する。
そして、リセットスイッチ23が所定の操作手順で操作さることで、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、RAM41cに退避されているデータを出力バッファに復帰させる復帰処理を行って、第1の表示内容としての払出枚数を表示させるための払出枚数表示データをRAM41cの所定領域から出力バッファに復帰させることで、遊技補助表示器12に第1の表示内容として払出枚数を表示させる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、エラーを検出した後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定するので、エラーを検出したときからエラー表示条件が成立するまでの期間において、遊技補助表示器12の表示内容が変更されることを制限して、当該期間の経過したときに、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させることができるようになっている。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ゲームが開始され少なくとも1つのリールを回転制御しているときに、エラーを検出した場合には、全てのリールの停止操作が行われて、全てのリールが停止することで、当該ゲームが終了したときに、当該エラーを報知する構成であるが、ゲームが開始されリールを回転制御している場合に、エラーを検出した場合には、エラーを検出したときに当該エラーを報知する構成としても良く、このような構成では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ報知としてナビ番号を表示させているときに、エラーを検出したことにより、遊技補助表示器12にエラーの内容を示すエラーコードを表示させる場合がある。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに、払出枚数表示データとして、小役の入賞に伴い払い出されるメダルの総枚数(本実施形態では、8枚)を表示させるデータを設定することで、第1の表示内容として遊技補助表示器12に払い出されるメダルの総枚数を表示させている期間中にエラーを検出した場合には、その後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の表示内容を特別表示内容として検出されたエラーの内容を示すエラーコードを表示させるように切り替える構成(図31参照)であるが、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成としても良く、このような構成において、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新しつつ、小役の入賞に伴い所定枚数のメダルを払い出す制御を行っている途中で、例えば、ホッパーユニット34内のメダルが不足して払出エラー(E1)が検出されて、エラー表示条件が成立するような場合には、払出センサ34cにより最後に検出されたメダルの枚数(例えば、4枚目等)を表示させるための払出枚数表示データを退避領域に退避させることとなる。その後、出力バッファを一旦初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示に制御し、払出エラーを示すエラー表示データを出力バッファに設定して、エラーコードを表示させる。そして、復帰条件が成立したときには、払出枚数表示データとして、払出センサ34cにより最後に検出されたメダルの枚数(例えば、4枚目等)を表示させるための払出枚数表示データを、遊技補助表示器12の出力バッファに復帰させることで、遊技補助表示器12での払出枚数の表示を、エラーが検出されたときの表示内容に復帰させることができる。
図36(b)に示すように、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データが設定されており、第2の表示内容としてナビ番号を表示させている期間中にエラーを検出した場合には、その後、エラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御するとともに、上述の第1の表示内容を特別表示内容に切り替える際と共通の退避処理を行うことで、出力バッファに設定されているナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることができる。
そして、遊技補助表示器12の出力バッファにエラー表示データを設定して、特別表示内容としてエラーコードを表示させつつ、エラー状態で待機して、復帰条件が成立したときには、上述のRAM41cに退避されている第1の表示内容のデータを出力バッファに復帰させる際と共通の復帰処理を行うことで、RAM41cのナビ報知表示データを出力バッファに復帰させて、遊技補助表示器12にエラー検出前と同様のナビ番号を表示させることができる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに、払出枚数表示データが設定されている場合にも、ナビ報知表示データが設定されている場合にも、共通の退避処理を行うことで、払出枚数表示データ、ナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることができるようになっている。
また、メイン制御部41は、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに復帰させる場合にも、RAM41cの所定領域に退避されているナビ報知表示データを当該出力バッファに復帰させる場合にも、共通の復帰処理を行うことで、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データ、ナビ報知表示データを出力バッファに復帰させることができるようになっている。
本実施形態のように、一の表示器において遊技者に払い出されるメダル数と、遊技者にとって有利な有利操作態様と、がいずれも表示される構成では、払い出されるメダル数を表示させるための表示処理と、有利操作態様を表示させるための表示処理とが互いに干渉して、遊技補助表示器に意図しない表示が行われる虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41が備える遊技補助表示器12は、出力バッファに所定のデータが設定されることで、当該所定のデータに基づく表示内容を表示させることが可能な構成であり、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに所定のデータとして払出枚数表示データを設定することで、第1の表示内容として小役の入賞により付与されるメダルの払出枚数を表示させることが可能であり、当該出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号を表示させることが可能であり、さらに、当該出力バッファにエラー表示データを設定することで、特別表示内容としてエラー発生時にその内容を示すエラーコードを表示させることが可能な構成であって、遊技補助表示器12に、第1の表示内容としてメダルの払出枚数を表示させている状態で、特別表示内容を表示させる条件としてエラー表示条件が成立したときには、退避処理を実行して、出力バッファに設定されている払出枚数表示データをRAM41cの所定領域に退避させた後、特別表示内容としてエラーコードを表示させるためのエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させ、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、復帰処理を実行して、RAM41cに退避させていた払出枚数表示データを出力バッファに復帰させることで、遊技補助表示器12に再び第1の表示内容としてメダルの払出枚数を表示させることが可能であり、遊技補助表示器12に、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号を表示させている状態で、エラー表示条件が成立する場合に、上述の退避処理を実行することで、出力バッファに設定されているナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させた後、特別表示内容としてエラーコードを表示させるためのエラー表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させ、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、上述の復帰処理を実行することで、RAM41cの所定領域に退避させたナビ報知表示データを出力バッファに復帰させることで、遊技補助表示器12に再び第2の表示内容としてナビ番号を表示させることが可能な構成であり、第1の表示内容または第2の表示内容の表示中に特別表示内容の表示に切り替える条件が成立したときに、出力バッファに設定されている第1の表示内容させるためのデータまたは第2の表内容させるためのデータを退避し、特別表示内容を出力バッファに設定することで特別表示内容を表示させ、復帰条件が成立したときに退避した第1の表示内容を表示させるためのデータまたは第2の表示内容を表示させるためのデータを、出力バッファに復帰させて、第1の表示内容または第2の表示内容を再び表示させるので、異なる種類の情報をそれぞれ正しく表示させることができる。
また、共通の退避処理を実行することで、出力バッファに設定されている払出枚数表示データをRAM41cの所定領域に退避させること、出力バッファに設定されているナビ報知表示データをRAM41cの所定領域に退避させることが可能であるので、これらの表示内容を退避する退避処理の容量を軽減することができる。
また、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の表示内容が非表示の状態であっても、特別表示内容を表示させる切り替え条件が成立したときに、共通の退避処理を実行することで、出力バッファに設定されている非表示のデータを、RAM41cの所定領域に退避させる構成としても良く、このような構成とすることで、遊技補助表示器12に表示されている表示内容に関わらず、特別表示内容を表示させる切り替え条件が成立したときの処理を共通化できるため、特別表示内容の表示させる切り替え条件が成立したときに行う処理の容量を軽減することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、共通の復帰処理を実行することで、RAM41cの所定領域に退避されている払出枚数表示データを出力バッファに復帰させること、RAM41cの所定領域に退避されているナビ報知表示データを出力バッファに復帰させることが可能であるので、これらの表示内容を復帰させる復帰処理の容量を軽減することができる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されることで、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示とする構成であるが、遊技補助表示器12に表示させている表示内容に関わらず、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化する構成としても良い。このような構成とすることで、遊技補助表示器12における表示状態に関わらず、電断時において、遊技補助表示器12に意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに所定のデータを設定することで、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させることが可能であり、表示内容を切り替える際には、出力バッファに設定されているデータをRAM41cに退避させて、新たなデータを設定することで、遊技補助表示器12の表示内容を新たなデータに基づく表示内容に切り替えることが可能な構成であるが、第1の出力バッファと第2の出力バッファとを切り替え可能に設けて、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファが設定されているときには、第1の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容が遊技補助表示器12に表示される一方で、遊技補助表示器12の出力バッファとして第2の出力バッファが設定されているときには、第2の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容が遊技補助表示器12に表示される構成として、出力バッファを第1の出力バッファと第2の出力バッファとで切り替えることで、遊技補助表示器12の表示内容を切り替え可能な構成としても良い。
具体的には、図37に示すように、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファと第2の出力バッファとが設けられている構成において、メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファとして設定されている第1の出力バッファに払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に払出枚数を表示させている場合に、エラーを検出したときには、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを含むエラー表示データを第2の出力バッファに設定する一方で、第1の出力バッファに設定されている払出枚数表示データをそのまま保持させる。その後、エラー表示条件が成立したときに、エラー状態に制御するとともに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファから第2の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12に第2の出力バッファに設定されているエラー表示データに基づいてエラーコードを表示させるように制御しつつ、エラー状態に制御して待機する。
そして、リセットスイッチ23が所定の操作手順で操作さることで、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファから第1の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12に第1の出力バッファに保持されている払出枚数表示データに基づいて払出枚数を表示させる。また、復帰条件が成立したときに遊技補助表示器12の出力バッファを切り替える際には、エラー状態が解除されたことに基づいて、第2の出力バッファを初期化する。
また、図示しないが、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファとして、当該第1の出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させているときに、エラーを検出し、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させる場合には、エラーを検出したときに、第2の出力バッファにエラー表示データを設定し、その後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12にエラーコードを表示させることができ、その後、復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファに切り替えることで、遊技補助表示器12の表示内容をナビ番号に復帰させることができる。
このような構成とすることで、本実施形態の構成と同様に、第1の表示内容として小役の入賞により付与されるメダルの払出枚数、第2の表示内容として遊技者にとって有利な停止操作態様を示唆するナビ番号、特別表示内容としてエラー発生時にその内容を示すエラーコードを、共通の遊技補助表示器12に表示させることが可能である。
また、メイン制御部41は、エラーを検出したときに、発生しているエラーの内容示すエラーコードを含むエラー表示データを第2の出力バッファに設定し、エラー状態が解除されて復帰条件が成立するときに、第2の出力バッファを初期化してエラー表示データを消去するので、エラーを検出したときから復帰条件が成立するまでの期間、すなわちエラーが発生している期間にわたり、第2の出力バッファにエラー表示データが保持されるので、当該第2の出力バッファに設定されているデータを利用して所定の判定処理、例えば、エラーの発生状況の判定等を行うことができるようになっている。
また、メイン制御部41は、エラーを検出したときにエラー表示データを第2の出力バッファに設定する一方で、第1の出力バッファに設定されているデータをそのまま保持させるので、当該第1の出力バッファに設定されているデータを利用して所定の判定処理、例えば、ナビ報知中であるか、払い出し中であるか等の制御状況の判定等を行うことができるようになっている。
また、メイン制御部41は、エラー表示データを第2の出力バッファに設定した後、エラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファに切り替えるので、出力バッファを第2の出力バッファに切り替えた後に遅延なく、遊技補助表示器12に第2の出力バッファに設定されているデータに基づく表示内容を表示させることができるようになっている。
また、このような構成においても、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数を表示させる際に、払出枚数表示データの初期データを設定した後、払出センサ34cによりメダルの払い出しが検出される毎に、払出枚数表示データを更新して、遊技補助表示器12の表示を更新するように制御する構成としても良く、このような構成においても、払出枚数表示データが更新されている途中でエラーが発生し、エラー表示条件が成立した場合に、第2の出力バッファに基づいて遊技補助表示器12においてエラーコードを表示させている期間においては、更新の途中である払出枚数表示データが第1の出力バッファに保持されるので、復帰条件が成立したときに、第1の出力バッファに基づいて遊技補助表示器12の表示を行わせることで、遊技補助表示器12での払出枚数の表示を、エラーが検出されたときの表示内容に復帰させることができる。
このように、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファ及び第2の出力バッファを備える構成において、メイン制御部41は、通常表示内容として遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号及び特別表示内容として発生しているエラーの内容を示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させることが可能な構成であり、遊技補助表示器12の出力バッファとして第1の出力バッファを設定し、当該第1の出力バッファにナビ報知表示データを設定することで、通常表示内容としてナビ番号を表示させることが可能であり、通常表示内容を表示させている状態で、特別表示内容を表示させる切り替え条件としてエラー表示条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第1の出力バッファから第2の出力バッファに切り替えることにより、第2の出力バッファに設定されているデータに基づいて、遊技補助表示器12に特別表示内容を表示させ、エラー状態が解除されることで復帰条件が成立したときに、遊技補助表示器12の出力バッファを第2の出力バッファから第1の出力バッファに切り替えることにより、再び、遊技補助表示器12に第1の表示内容としてナビ番号を表示させる構成とすることでも、本実施形態の構成と同様に、遊技補助表示器12において異なる種類の情報をそれぞれ正しく表示させることができる。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファ及び第2の出力バッファを備える構成では、メイン制御部41は、特別表示内容としてエラーコードを表示させる切り替え条件としてエラー表示条件が成立する前であって、エラーが検出されたとき以降に、発生しているエラーの内容を示すエラーコードを含むエラー表示データを設定する構成とすることで、エラー表示条件が成立するタイミングを意識することなく、特別表示内容としてエラーコードを表示させるためのエラー表示データを第2の出力バッファに設定するタイミングを比較的自由に設計することができる。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファ及び第2の出力バッファを備える構成では、所定の判定処理(例えば、エラー判定)において、第1の出力バッファまたは第2の出力バッファに設定されているデータを参照することが可能な構成とすることで、第1の出力バッファまたは第2の出力バッファに設定されているデータ(例えば、エラー判定の場合は、第2の出力バッファに設定されているデータ)を利用して所定の判定処理が行えるため、所定の判定処理に用いるデータを表示内容のデータと別個に持たずに済む。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファ及び第2の出力バッファを備える構成において、通常表示内容として、入賞に伴い遊技者に払い出されるメダルの払出枚数(第1の表示内容)、及び第1の表示内容と表示期間が重複しない、遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号(第2の表示内容)を含み、メイン制御部41は、第1の表示内容も第2の表示内容も第1の出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にメダルの払出枚数及びナビ番号を表示させる構成とすることで、表示期間の重複しない異なる表示内容についてはともに、第1の出力バッファに設定することで遊技補助表示器12に表示させることができ、余分に出力バッファを備える必要がない。
また、メイン制御部41が、遊技補助表示器12と、遊技補助表示器12に所定の表示内容を表示させるためのデータを設定するための出力バッファとして第1の出力バッファ及び第2の出力バッファを備える構成において、遊技補助表示器12にいずれの表示を行っている状態であるかに関わらず、電断が検出されたときに、第1の出力バッファ及び第2の出力バッファに設定されているデータを初期化する構成とすることで、電断時において、遊技補助表示器12に意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
本実施形態では、図38に示すように、遊技制御基板40は、第1インターフェイス基板(IF1)1100及び第2インターフェイス基板(IF2)1200を介して試験装置1300と接続可能とされており、スロットマシン1における遊技の結果に関連して発生する試験信号が遊技制御基板40から試験装置1300に対して出力されるとともに、試験装置1300から遊技制御基板40に対して試験用信号が入力されるようになっており、遊技制御基板40と試験装置1300を接続することにより自動的にシミュレーション試験を行うことが可能とされている。
遊技制御基板40には、IF1基板1105に接続され、第1の試験信号を出力する第1情報出力回路40a及び試験用信号を入力する入力回路40d、IF2基板1205に接続され、第2の試験信号を出力する第2情報出力回路40bが搭載されている。
第1の試験信号は、制御状態及び遊技の結果を示すものであり、投入要求ランプ信号、スタート可能ランプ信号、BB中信号、ゲーム中信号、リプレイゲーム中信号、第1〜3リールストップ可能ランプ信号、第1〜3リールインデックス信号、払出要求信号、払出カウント信号、打止信号、設定値表示用7セグメント表示a〜g信号、内部当選フラグ1〜8信号、信号遅延中信号、第1リールモータ励磁信号、第2リールモータ励磁信号、第3リールモータ励磁信号を含む。これら第1の試験信号は、メイン制御部41の制御によって出力されるようになっている。
投入要求ランプ信号は、投入要求LED17の駆動信号、すなわち投入要求LED17が点灯しているか否かを示す信号であり、メダルの投入が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
スタート可能ランプ信号は、スタート有効LED18の駆動信号、すなわちスタート有効LED18が点灯しているか否かを示す信号であり、ゲームの開始操作が要求されている状態か否かを特定可能とされている。
BB中信号、ゲーム中信号、リプレイゲーム中信号は、各々遊技状態がBB中、中、リプレイゲーム中を示す信号であり、その時点の遊技状態を特定可能とされている。
第1〜3リールストップ可能ランプ信号は、左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rの駆動信号、すなわち左、中、右停止有効LED22L、22C、22Rが点灯しているか否かを示す信号であり、左リール、中リール、右リールの停止操作が可能か否かを特定可能とされている。
第1〜3リールインデックス信号は、リールセンサ33L、33C、33Rの検出信号であり、左リール、中リール、右リールの基準位置の通過を特定可能とされている。
払出要求信号は、ホッパーモータ34bの駆動信号、すなわちホッパーモータ34bが駆動しているか否かを示す信号であり、メダルの払出動作が行われている旨を特定可能とされている。
払出カウント信号は、入賞に伴うメダルの払出を検出する毎に出力される信号であり、試験装置1300側でメダルの払出をカウントさせるための信号である。
打止信号は、打止状態に制御されている旨を示す信号である。
設定値表示用7セグメント表示a〜g信号は、設定値表示器24の各セグメントを構成するLEDの駆動信号であり、設定値表示器24に表示されている設定値を特定可能とされている。
内部当選フラグ1〜8信号は、役の当選状況を示す信号である。また、信号遅延中信号は、ゲーム中の演出等の実行に伴い信号を遅延させている状態である旨を示す信号である。
第1〜3リールモータ励磁信号は、リールモータ32L、32C、32R、すなわち左リール、中リール、右リールを駆動するリールモータの駆動信号であり、各リールの駆動状況を特定可能とされている。
試験用信号は、投入スイッチ信号、リールスタートスイッチ信号、第1〜3リールストップスイッチ信号、払出スイッチ信号、打止解除スイッチ信号、設定キースイッチ信号、設定スイッチ信号を含み、試験装置1300から遊技制御基板40に対して入力される。これら試験用信号は、スロットマシン1が備える各種スイッチやセンサの検出信号と同様に機能する信号であり、遊技制御基板40が備えるスイッチ検出回路44により検出され、メイン制御部41により各試験用信号に対応したスイッチやセンサの検出が判定されるようになっている。
投入スイッチ信号は、投入メダルセンサ31に対応する信号であり、リールスタートスイッチ信号は、スタートスイッチ7に対応する信号である。第1〜3リールストップスイッチ信号は、ストップスイッチ8L、8C、8Rに各々対応する信号である。払出スイッチ信号は、払出センサ34cに対応する信号である。打止解除スイッチ信号は、リセットスイッチ23に対応する信号である。設定キースイッチ信号は、設定キースイッチ37に対応する信号である。設定スイッチ信号は、リセット/設定スイッチ38に対応する信号である。
第1情報出力回路40aは、第1の試験信号をIF1基板1105に対して出力するための回路であり、第1情報出力回路40aから出力された第1の試験信号は、IF1基板1105を介して試験装置1300に対して出力される。
入力回路40dは、試験装置1300から出力された試験用信号をIF1基板1105を介して入力するための回路であり、入力回路40dに入力された試験用信号は、スイッチ検出回路44により検出される。
IF1基板1105は、第1情報出力回路40aから出力される第1の試験信号が入力される入力端子と、入力された第1の試験信号を試験装置1300に対して出力する出力端子とを備えている。入力端子と出力端子とは、フォトカプラを介して接続されており、第1情報出力回路40aから出力された第1の試験信号に含まれる情報は、電気的に絶縁された状態で試験装置1300側に伝達されるようになっている。また、IF1基板1105は、試験装置1300から出力される試験用信号が入力される入力端子と、入力された試験用信号を入力回路40dに対して出力する出力端子とを備えている。入力端子と出力端子とは、フォトカプラを介して接続されており、試験装置1300から出力された試験用信号に含まれる情報は、電気的に絶縁された状態で入力回路40dに伝達されるようになっている。なお、入力端子と出力端子とが電気的に絶縁された状態で、第1の試験信号や試験用信号が伝達される構成であれば良く、例えば、フォトインタラプタやアイソレータを介して入力端子と出力端子とを接続する構成であっても良い。
第2の試験信号は、ナビ報知により報知される操作態様を示すものであり、ゲーム開始信号、ナビ報知信号を含む。第2の試験信号は、メイン制御部41の制御によって出力されるようになっている。
ゲーム開始信号は、ゲームの開始を示す信号である。また、ナビ中信号は、上述の遊技補助表示器12を用いて行うナビ報知に関する制御において、ナビ番号を遊技補助表示器12に表示させるためのナビ報知表示データが遊技補助表示器12の出力バッファに設定されたことに基づいて、遊技補助表示器12のうちの表示器12Rの第8セグメントを点灯させるための駆動信号であり、ナビ報知が実行されて、当選した押し順役の種類や遊技者にとって有利な停止操作態様を示すナビ番号が表示器12L、12Rに表示されているときにon状態となり、ナビ報知が実行されておらず、ナビ番号が表示器12L、12Rに表示されていないときにoff状態となることで、ナビ報知が実行中であるか否かを示す信号である。
表示信号は、上述の遊技補助表示器12を用いて行うナビ報知に関する制御において、ナビ報知表示データ、払出枚数表示データ、エラー表示データが遊技補助表示器12の出力バッファに設定されたことに基づいて、遊技補助表示器12の表示器12L、12Rの第1〜7セグメントをナビ番号、払出枚数、エラーコードのいずれかを表示する点灯態様で点灯させるための駆動信号であり、ナビ報知に係る情報、入賞の発生により払い出されたメダル枚数に係る情報、エラー発生時にその内容を示すエラーコードに係る情報等の複数の情報を含む。
ナビ報知信号は、第2情報出力回路に搭載されている変換回路40cにより、表示信号からナビ報知に係る情報のみが抽出されることで生成される信号であって、ナビ報知中にナビ番号を表示させる点灯態様で表示器12L、12Rの第1〜7セグメントを点灯させるための駆動信号であり、ナビ報知により報知される停止操作態様を示すナビ番号を特定可能な信号である。
第2情報出力回路40bは、第2の試験信号をIF2基板1205に対して出力するための回路であり、第2情報出力回路40bから出力された第2の試験信号は、IF2基板1205を介して試験装置1300に対して出力される。
また、第2情報出力回路40bには、遊技制御基板40に設けられた遊技補助表示器12に入力されるナビ中信号及び表示信号が遊技制御基板40上で分岐されて入力されるようになっているとともに、ナビ中信号に基づいて表示信号を有効化または無効化することで表示信号をナビ報知信号に変換して出力する変換回路40cが設けられており、ナビ中信号出力時における遊技補助表示器12の表示信号をナビ報知信号としてIF2基板1205に対して出力可能になっている。
IF2基板1205は、第2情報出力回路40bから出力される第2の試験信号が入力される入力端子と、入力された第2の試験信号(ゲーム開始信号、ナビ報知信号)に基づいて試験装置1300側で認識可能な第2の試験信号に変換するIF2制御部1203と、IF2制御部1203により生成された第2の試験信号を試験装置1300に対して出力する出力端子と、を備えている。
IF2制御部1203は、CPU、RAM、ROM、CPUをリセットするためのリセット回路等により構成されており、第2情報出力回路40bから出力されたナビ報知信号を、停止実行位置信号、停止リール指定信号、停止ストローブ信号に変換して出力する。IF2制御部1203から出力される停止実行位置信号、停止リール指定信号、停止ストローブ信号は、フォトカプラを介して出力端子から出力されるようになっており、IF2制御部1203側と試験装置1300側とが電気的に絶縁された状態で信号が伝達されるようになっている。なお、IF2制御部1203と出力端子とが電気的に絶縁された状態で、停止実行位置信号、停止リール指定信号、停止ストローブ信号が伝達される構成であれば良く、例えば、フォトインタラプタやアイソレータを介してIF2制御部1203と出力端子とを接続する構成であっても良い。
停止実行位置信号は、後述する停止リール指定信号が示すリールについて現在の遊技状態、演出態様に応じて最も推奨する停止操作位置を示す信号であり、最も推奨する停止操作位置に含まれる該当するリールのリールモータのステップ数(0〜336)を特定可能とされている。
停止リール指定信号は、停止実行位置信号が示す停止操作位置での停止操作を推奨するリールが左リールであるか、中リールであるか、右リールであるか、を指定する信号であり、停止実行位置信号が示す停止操作位置での停止操作を適用するリールを特定可能とされている。
停止ストローブ信号は、停止実行位置信号及び停止リール指定信号の取得を要求する信号である。
また、遊技制御基板40とIF1基板1105とは電源線を介して接続され、遊技制御基板40から電源線を介してIF1基板1105に搭載されたフォトカプラ等のデバイスが用いる電力が供給される。一方、遊技制御基板40とIF2基板1205とは、電源線により接続されることはなく、IF1基板1105とIF2基板1205とが電源線を介して接続され、遊技制御基板40からIF1基板1105に供給された電力の一部がIF1基板1105を介して、IF2基板1205に搭載されたIF2制御部1203やフォトカプラ等のデバイスが用いる電力として供給される。このため、遊技制御基板40から電源線を介してIF1基板1105に対して供給される電力として、IF1基板1105に搭載されたデバイスが用いる電力と、IF2基板1205に搭載されたデバイスが用いる電力と、の双方が確保される電力が供給されるようになっている。
また、本実施形態において遊技制御基板40には、IF1基板1105及びIF2基板1205からの配線を接続可能な接続端子、及び第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを搭載可能なソケットが設けられているともに、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された第1の試験信号を第1情報出力回路40aのソケットに伝達するための配線パターン、第2の試験信号を第2情報出力回路40bのソケットに伝達するための配線パターン及び接続端子から入力回路40dを介してスイッチ検出回路44へ試験用信号を伝達するための配線パターンが形成されており、メイン制御部41及び各種駆動回路から出力された第1の試験信号及び第2の試験信号がこれら配線パターン、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b及び接続端子を介して出力されるとともに、接続端子、入力回路40d及び配線パターンを介して入力された試験用信号がスイッチ検出回路44に入力されるようになっている。
また、接続端子は、例えば、IF1基板1105からのプローブを接続可能な信号ピンやIF1基板1105からのケーブルを接続可能なコネクタにて構成されているため、これら接続端子を介してIF1基板1105からの配線を簡単に接続することが可能となる。
また、接続端子は、IF1基板1105、IF2基板1205を接続するために便宜的に設けられたものであり、これらの試験信号及び試験用信号の入出力が行われる接続端子は、遊技店に出荷されるスロットマシンの遊技制御基板40には必要のないものである。このため、本実施形態の遊技制御基板40には、接続端子が設けられた部分を切断するための複数の切断孔が形成され、これら切断孔に沿って切断できるようになっており、遊技店への出荷時には、接続端子が設けられた部分を切断して不要な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、例えば、ホール機器にて内部当選フラグ1〜8信号を検出し、内部当選フラグ1〜8信号から内部当選フラグの当選状況を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、遊技制御基板40に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
また、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40bは、IF1基板1105、IF2基板1205に対して第1の試験信号、第2の試験信号を出力するために便宜的に設けられたものであり、入力回路40dは、IF1基板1105から試験用信号を入力するために便宜的に設けられたものであり、遊技店に出荷されるスロットマシンの遊技制御基板40には必要のないものである。このため、本実施形態の遊技制御基板40には、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを搭載可能なソケットが設けられており、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを容易に取り外すことができるようになっており、遊技店への出荷時には、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを取り外して不要な信号の入出力ができない状態とすることができる。これにより、例えば、ホール機器にて内部当選フラグ1〜8信号を検出し、内部当選フラグ1〜8信号から内部当選フラグの当選状況を特定してその旨を報知する等、試験信号が試験以外の目的で容易に利用できてしまうことを防止できる。また、遊技制御基板40に対して不要な信号が容易に入力されてしまうことを防止できる。
なお、第3者機関が試験を行うために提供するスロットマシンは、通常、数台程度であり、その他、遊技店に出荷される量産用のスロットマシンは、これら試験信号や試験用信号の入出力を行う必要性が低いことから、これら量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した接続端子を設けない遊技制御基板40を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、遊技制御基板40に試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、接続端子を実装するのみでIF1基板1105、IF2基板1205や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターン及びIF1基板1105、IF2基板1205や試験装置1300と接続するための接続端子を設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンや接続端子を設けない構成としても良い。すなわちメイン制御部41が試験信号の出力制御を行うが、実際に試験信号が出力されない構成としても良い。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
また、量産用のスロットマシンには、配線パターンは形成されているものの前述した第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dのソケットを設けない遊技制御基板40を搭載するようにしても良く、これにより量産用のスロットマシンの製造コストを軽減することができる。更にこの場合には、遊技制御基板40に試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターンは形成されているため、ソケットを実装して、第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを取り付けるのみでIF1基板、IF2基板や試験装置1300を簡単に接続することが可能となる。また、試験用のスロットマシンのみ試験信号や試験用信号を伝達するための配線パターン及び第1情報出力回路40a、第2情報出力回路40b、入力回路40dを取り付けるためのソケットを設け、量産用のスロットマシンには、これら配線パターンやソケットを設けない構成としても良い。すなわちメイン制御部41が試験信号の出力制御を行うが、実際に試験信号が出力されない構成としても良い。これにより量産用のスロットマシンの製造コストを更に軽減できる。
本実施形態では、このような試験用信号、試験信号のやりとりをスロットマシン1と試験装置1300との間で行うことにより、自動的にシミュレーション試験が行われるようになっており、試験装置1300では、これらの試験結果としてスロットマシン1の払出率を出力することが可能とされている。詳しくは、試験対象となる期間に投入スイッチ信号を出力した回数(メダルの消費枚数)に対する、試験対象となる期間に払出カウント信号を検出した回数(メダルの払出枚数)の割合を算出し、その結果(消費枚数/払出枚数)が払出率として出力されることとなる。
IF2制御部1203は、ゲーム開始信号をメイン制御部41が出力した時点から最大2秒の間に、ナビ報知の有無に応じて、まず停止リール指定信号を第1停止リールとして推奨するリールを示す出力状態に更新するとともに、停止実行位置信号を当該リールに対して推奨する停止操作位置を示す出力状態に更新し、これら停止リール指定信号及び停止実行位置信号の更新完了後、一定時間(50ms)にわたり停止ストローブ信号を出力し、推奨する第1停止リール及びその停止操作位置を試験装置1300に対して通知し、停止ストローブ信号の停止後、一定時間(50ms)待機する。次いで、同様の手順で、順次推奨する第2停止リール及びその停止操作位置を試験装置1300に対して通知し、第3停止リール及びその停止操作位置を試験装置1300に対して通知する。第3停止リール及びその停止操作位置の通知後、一定時間(50ms)経過した時点で停止実行位置信号及び停止リール指定信号をクリアする。
このようにIF2制御部1203が、推奨する操作態様に従って、第1停止リール及びその停止操作位置、第2停止リール及びその停止操作位置、第3停止リール及びその停止操作位置を順次試験装置1300に対して通知することで、試験装置1300が推奨する操作手順を特定できるようになっている。
なお、本実施形態では、第1停止リール及びその停止操作位置、第2停止リール及びその停止操作位置、第3停止リール及びその停止操作位置を試験装置1300に対して最大2秒の間に連続して通知する構成であるが、これらを連続して送信することなく、ゲーム開始時、リール停止時に順次送信する構成としても良い。
IF2制御部1203のROMには、ナビ報知の有無に応じて推奨する操作態様が予め登録された推奨操作態様テーブルが格納されており、IF2制御部1203は、ナビ報知の有無に応じて推奨する操作態様を推奨操作手順テーブルから取得し、取得した操作態様に基づいて停止実行位置信号及び停止リール指定信号の出力を行う。なお、予め登録された推奨操作態様テーブルを持たず、ナビ報知の有無に応じてIF2制御部1203が推奨操作態様を判断するプログラムを用いて推奨する操作態様を取得するようにしても良い。
本実施形態では、ナビ報知信号が、ナビ報知が行われていない旨を示し、BBの当選を示唆するナビ番号(10〜13)が出力されていない場合には、左中右の停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについて、取りこぼしの生じ得る角チェリー1、2、中段スイカ、右下がりスイカの構成図柄をいずれも引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力する。なお、このような操作態様は、ナビ報知が行われていない状況において最もメダルの払出率が高くなる操作態様に該当する。
また、ナビ報知信号が、ナビ報知が行われている旨を示し、BBの当選を示唆するナビ番号(10〜13)が出力されている場合には、左中右の停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについて、ナビ番号に応じた特別役を構成する図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力する。例えば、特別役としてBB1が当選しており、ナビ番号として11が出力されている場合には、回転中の各リールについて、「青7」の図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力し、特別役として他のBB2、3が当選しており、ナビ番号として10、12、13が出力されている場合には、出力されているナビ番号に応じて「赤7」「白7」「BAR」の図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力する。
また、ナビ報知信号が、ナビ報知が行われている旨を示す場合には、ナビ報知信号から特定される停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについて任意の停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力する。
このように本実施形態では、ナビ報知の有無に応じて推奨する操作態様を取得し、取得した操作態様を示す停止実行位置信号及び停止リール指定信号を試験装置1300に対して出力するので、試験装置1300側でナビ報知の有無に応じて推奨する操作態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、本実施形態では、内部抽選の結果として特別役(BB)が当選した後、メイン制御部41側にて決定された特別役のナビ報知の実施条件が成立した以降において、当選している特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(10〜13)を設定して、当該ナビ番号に対応する図柄を停止させる操作態様を示す停止実行位置信号及び停止リール指定信号を試験装置1300に対して出力するので、市場のスロットマシンにおいて内部抽選での特別役の当選後、サブ制御部91による確定報知により特別役の当選が報知された後に、特別役を入賞させる停止操作態様で操作が行われて、特別役が入賞されるのと同様に、特別役のナビ報知の実施条件が成立して、確定報知が行われる以降のゲームにおいて、ナビ番号を出力し、特別役を入賞させる操作態様にてリールストップスイッチ信号を出力することが可能となり、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、本実施形態では、停止実行位置信号として推奨するストップスイッチ信号の出力タイミングに対応するリールモータのステップ数を特定可能な信号が試験装置1300に対して出力されるので、リールに配置された図柄数や1図柄に割り当てられたステップ数がスロットマシンの機種によって異なる場合であっても、試験装置1300側で停止実行位置信号に対するストップスイッチ信号の出力制御を共通化することができる。
本実施形態のスロットマシン1と、スロットマシンによる遊技の試験を行うことが可能な試験装置1300と、を含む試験システムは、遊技制御基板40から出力される試験信号のうち第1の試験信号は、IF1基板1105を介して試験装置に出力され、第2の試験信号は、IF2基板1205を介して試験装置1300に出力される構成である。
このような構成において、IF1基板1105及びIF2基板1205に対して電源を供給するために、電力線を遊技制御基板40からIF1基板1105及びIF2基板1205に対してそれぞれ接続すると、遊技制御基板40と1のインターフェイス基板(IF1)及びIF2基板1205と間の配線が多くなってしまう。
これに対して、本実施形態では、遊技制御基板40と、IF1基板1105とは電源線を介して接続可能とされ、遊技制御基板40から、IF1基板1105に対して直接電源が供給される一方で、遊技制御基板40からIF2基板1205には直接電源が供給されず、IF1基板1105に対して供給された電源が該IF1基板1105からIF2基板1205に対して供給されるようになっているので、遊技制御基板40と、IF1基板1105及びIF2基板1205と、の間の配線を少なくできる。
また、本実施形態のスロットマシン1は、遊技制御基板40が、IF1基板1105を介して試験装置1300に対して第1の試験信号を出力可能であり、IF2基板1205を介して試験装置1300に対して第2の試験信号を出力可能な構成であり、遊技制御基板40は、IF1基板1105と電源線を介して接続可能であって、遊技制御基板40からIF1基板1105に対して直接電源を供給可能である一方で、IF2基板1205と電源線を介して接続されず、遊技制御基板40からIF2基板1205には直接電源が供給されることがなく、IF1基板1105を介してIF2基板1205に対して電源を供給可能であるので、遊技制御基板40と、IF1基板1105及びIF2基板1205と、の間の配線を少なくできる。
また、本実施形態では、遊技制御基板40は、第2の試験信号として、ナビ報知に係る情報を含むナビ報知信号をIF2基板1205に対して出力可能であり、IF2基板1205は、ナビ報知信号に基づいて試験装置1300にて入力可能な態様の信号(停止実行位置信号、停止リール指定信号、停止ストローブ信号)を生成するIF2制御部1203を備えており、IF2制御部1203は、遊技制御基板40からIF1基板1105を介して供給される電源により動作するようになっているので、遊技制御基板40からIF2基板1205に対して電源を出力する必要がなく、第2の試験信号を出力するのみでIF2制御部1203により試験装置1300にて入力可能な態様の信号が生成されて、試験装置1300に対して出力されることとなり、遊技制御基板40から出力される試験信号を簡素化することができる。
なお、遊技制御基板40側で、試験装置1300にて入力可能な態様の第2の試験信号を生成し、当該第2の試験信号をIF2基板1205を介して試験装置1300に出力する構成としても良い。
また、IF1基板1105は、遊技制御基板40から出力された第1の試験信号を中継するのみであるが、IF1基板1105においてもCPU等が搭載された制御部を搭載し、遊技制御基板40から出力された第1の試験信号を試験装置1300にて入力可能な態様に変化する構成としても良く、このような構成とすることで、遊技制御基板40から出力される試験信号を簡素化することができる。
また、本実施形態では、IF1基板1105及びIF2基板1205には、フォトカプラが搭載され、各基板における入力端子と出力端子とは、フォトカプラを介して接続されており、遊技制御基板40から出力された第1の試験信号及び第2の試験信号は、IF1基板1105及びIF2基板1205に搭載されたフォトカプラを介して試験装置に出力されることで、スロットマシン1と試験装置1300とが電気的に接続されないので、一方の機器の異常により他方の機器が破損してしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、遊技制御基板40は、ナビ報知により報知されるリール2L、2C、2Rの停止順を表示する表示器12L、12Rが搭載されており、ナビ報知により表示器12L、12Rを点灯させるための駆動信号である表示信号が分岐されて、第2情報出力回路40bを介してナビ報知信号としてIF2基板に対して出力されるようになっていることで、表示器12L、12Rの駆動信号をナビ報知信号として利用することができる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、ATに制御する場合にナビ報知を実行可能であり、遊技制御基板40は、遊技の結果を示す第1の試験信号をIF1基板1105に対して出力する第1情報出力回路40aと、ナビ報知に係る情報を含むナビ報知信号を第2の試験信号をIF2基板1205に対して出力する第2情報出力回路40bとを備える構成であるが、メイン制御部41がナビ報知を実行せず、遊技制御基板40がIF2基板1205に対してナビ報知信号を出力しない構成としても良く、このような構成においては、本実施形態の第1情報出力回路40aと共通の回路を用いて、遊技の結果を示す試験信号をIF1基板1105に対して出力するようにすることで、ナビ報知を実行する手段及びナビ報知信号を出力する手段を備えるか否かに関わらず、遊技制御基板40において遊技の結果を示す試験信号をIF1基板1105に対して出力するための回路を共通化することができる。
また、本実施形態では、表示信号及びナビ中信号が第2情報出力回路40bに入力され、第2情報出力回路40b内の変換回路により表示信号からナビ報知に係る情報のみが抽出されてナビ報知信号が生成され、ナビ報知信号が第2情報出力回路40bからIF2基板1205に対して送信される構成であるが、ナビ報知に係る情報のみが含まれる信号をメイン制御部41が直接生成して、当該信号を第2情報出力回路40bに入力することで第2情報出力回路40bからIF2基板1205に対して送信する構成としても良い。
また、サブ制御部91に対して送信される第1の内部当選コマンド、第2の内部当選コマンド、押し順コマンドの全部または一部のデータを利用してナビ報知信号として出力する構成としても良く、このような構成とすることで、ナビ報知信号を出力するためだけの信号を生成せずに済む。このような構成として、例えば、メイン制御部41が、IF2制御部1203に対して押し順コマンドを送信可能な構成とし、IF2制御部1203は、押し順コマンドに基づいてナビ番号を特定し、当該ナビ番号に応じたリールの停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについてナビ番号に応じた構成図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力する構成としても良い。
また、本実施形態では、ナビ報知により表示器12L、12Rを点灯させる点灯態様は、押し順役の当選時において一の点灯態様により表示器12L、12Rが点灯されることで、第1停止から第3停止までのすべての停止順を特定でき、当該点灯態様で表示器12L、12Rを点灯させる駆動信号が分岐され、IF2基板1205を介して試験装置1300に対して送信される構成であるが、ナビ報知により表示器12L、12Rを点灯させる点灯態様は、次に停止操作すべきリール2L、2C、2Rを示した後、停止操作が行われる毎に点灯態様を切り替えることで停止順を順次特定できるように報知する構成であっても良く、このような構成においては、押し順役の当選時に第1停止から第3停止までのすべての停止順を特定可能な信号をメイン制御部41が生成して、IF2基板1205を介して試験装置1300に対して送信するように構成することが好ましく、これにより、試験装置1300側でより早い段階でナビ報知により報知された停止順を特定することが可能となる。
また、本実施形態では、ナビ報知として、遊技者にとって有利となる停止操作態様(停止順や停止操作タイミング)を報知する構成であるが、演出として遊技者にとっての有利度が変化することがないが所定の停止操作態様でリールの停止操作を行われるためのナビ報知を行う構成であっても良い。このような構成として、例えば、停止順によらず入賞して再遊技が付与される一の再遊技役として、一の停止順(例えば、右中左の停止順)で操作が行われることで第1の図柄の組合せ(例えば、「赤7‐赤7‐赤7」)が停止し、他の停止順(例えば、左中右の停止順)で停止操作が行われることで、第1の図柄の組合せとは異なる図柄の組合せ(例えば、「リプレイ‐リプレイ‐リプレイ」)が停止する構成において、メイン制御部41側にて演出として第1の図柄の組合せを停止させることを決定した場合には、一の停止順を示すナビ番号を出力し、第1の図柄の組合せを停止させないことを決定した場合には、他の停止順を示すナビ番号を出力する構成とすることで、演出として第1の図柄の組合せを停止させる場合に、IF2制御部1203は、押し順コマンドに基づいてナビ番号を特定し、当該ナビ番号に応じたリールの停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについてナビ番号に応じた構成図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力することで、試験装置1300による試験によっても市場のスロットマシンに近い停止操作を行わせることができる。
また、このような構成とすることで、例えば、第1の図柄の組合せが停止されることを条件として、次ゲーム以降の有利度が変化させる構成(第1の図柄の組合せが停止することで所定の遊技状態に移行される構成や、第1の図柄の組合せが停止することで、ATに制御されるゲーム数が上乗せされる構成等)であって、ナビ番号により第1の図柄の組合せを停止させる停止操作態様が遊技者に示唆される構成においても、ナビ番号に応じたリールの停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについてナビ番号に応じた構成図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力することで、試験装置1300による試験によって市場の払出率に近い払出率を得ることができる。
また、このような構成とすることで、例えば、同じ有利度合の役(例えば、リプレイ)であり、第1の図柄の組合せにより構成される役及び第2の図柄の組合せにより構成される役が、内部抽選にて当選している場合に、単に演出として第1の図柄の組合せをリールに停止させるために、当該第1の図柄の組合せの役を入賞させることが可能な停止操作態様を示すナビ番号を出力する場合に、ナビ番号に応じたリールの停止順となる順番で停止リール指定信号を出力し、かつ対応する停止リールについてナビ番号に応じた構成図柄を引込可能となる停止操作位置を示す停止実行位置信号を出力することで、試験装置1300による試験によって市場のスロットマシンにおいて停止されるリールの停止態様の内容に近い内容でリールを停止させることができる。
[RAM91c内のデータベースについて]
次に、スロットマシン1のRAM91c内の遊技履歴データベースについて説明する。以下では、データベースを「DB」という場合もある。図39(A)を用いて、RAM91c内の遊技履歴データベースについて説明する。図39(A)は遊技履歴データベースの一例を示したものである。遊技履歴データベースは、遊技履歴更新期間での、消化ゲーム数、所定役(ボーナス、小役、再遊技役の少なくとも1つなど)の入賞回数、およびAT回数(ATに制御された回数)、経験値、キャラレベルなどから構成される。遊技履歴更新期間とは、パスワードが入力されたときから、二次元コードが出力されるときまでの期間である。パスワードは、管理サーバ1200により発行されるものであり、遊技者が携帯端末1100により管理サーバ1200にアクセスすることにより、取得できる(携帯端末1100の表示部に表示される)ものである。なお、遊技者は、パスワードを入力せずとも、遊技することもできる。
遊技履歴更新期間内で、1ゲーム消化するごとに、遊技履歴データベースのゲーム数は1ずつ増加更新される。遊技履歴更新期間内で、ATに制御される毎に、遊技履歴データベースのAT回数は増加更新される。
次に、経験値について説明する。図44に示す所定のミッションを達成すると、サブ制御部91により、ミッション達成報知が実行されるとともに、該ミッションに対応付けられている経験値が付与される。経験値が付与される度に、該付与された経験値だけ加算更新される。加算更新された経験値が所定数(本実施形態では、30)に到達する度に、キャラのレベルが1加算更新される。スロットマシン1のサブ制御部91は、キャラのレベルに応じた演出を実行することなどが可能である。したがって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2二次元コードは、パスワードモード中において、遊技者により、2次元コード出力操作が行われることにより表示されるものである。遊技者の携帯端末1100により該2次元コードが撮像されると、遊技履歴更新期間で蓄積されたゲーム数、入賞回数、AT回数、キャラレベル、経験値など(つまり、RAM91cに格納されている各種の情報であり、以下、「蓄積情報」という。)が、該携帯端末1100経由で、管理サーバ1200に送信される。また、本実施形態のRAM91cでは、端末識別情報ごとに、遊技履歴情報が記憶されるものではない。したがって、RAM91cの記憶容量を削減できる。
[遊技履歴データベースについて]
次に、管理サーバ1200の記憶部220が記憶する遊技履歴データベースについて説明する。図39は、遊技履歴データベースの一例を示したものである。図39に示すように、遊技履歴データベースには、遊技者の所有する携帯端末1100を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)、遊技日時、パスワード(最後に発行されたもの)、消化ゲーム数、所定役(ボーナス、小役、再遊技役の少なくとも1つなど)の入賞回数、AT回数、キャラの現在のレベル、遊技者が獲得した経験値などが、遊技者別(端末識別情報別)に登録されている。遊技者の携帯端末1100経由で送信された蓄積情報は記憶部220の遊技履歴データベースに記憶される。
[メイン制御部41により実行される起動処理について]
メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が停止された(電断された)後において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに、起動処理を実行する。ここで、スロットマシン1への電力供給が停止される要因として、店員などにより、スロットマシン1の電源スイッチ39がオフにされるというものと、たとえば停電のような突発的な電断されるというものとを含む。
図40は、メイン制御部41による起動処理を示すフローチャートである。図40では、主要な処理について示す。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定する(S22)。メイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態である場合には(S22でY)、設定変更状態に移行する(S24)。設定変更状態とは、前面扉1bを開放した後に、スロットマシン1の内部に設けられたリセット/設定スイッチ38(図6参照)への操作により設定値を変更できる状態である。また、設定値とは、内部抽選における当選確率を特定する値であり、設定値ワークに保存される値である。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も遊技者にとっての有利度合いが高く(メダル払出率が高く)、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度合いは低くなる(メダル払出率が低くなる)。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
また、S24では、メイン制御部41は、設定開始コマンドをサブ制御部91に対して送信し(S24)、S26の処理へ移行する。設定開始コマンドとは、設定変更状態が開始されたことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、設定開始コマンドを受信することにより、設定変更状態への移行が開始されたことを認識する。
一方、メイン制御部41は、設定キースイッチ37がOFFの状態である場合には(S22でN)、S24の処理を行わずに、S26の処理へ移行する。S26では、所定の報知部の報知状態を電断前の状態に制御する。ここで、スロットマシン1は、バックアップ電源を有している。よって、突然の電断(たとえば、停電)が発生した場合であっても、バックアップ電源がメイン制御部41およびサブ制御部91に供給されることにより、所定期間、バックアップ領域に記憶されている情報(以下、電断前情報ともいう。)を保持できる。メイン制御部41およびサブ制御部91は、電断から復帰したときには、バックアップ領域に退避された情報およびフラグに基づいて、各種の報知部の表示状態を電断前の表示状態に戻すことができる。ここで、所定の報知部とは、図50にも示すように、「1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16(以下、BET表示部ともいう。)」と、「払出数表示部(遊技補助表示器)12」と、「小役が入賞しときにリールLED55を点灯させ小役が入賞したことを報知する透視窓3に対応する透過領域51b(以下、入賞表示部ともいう。)」とがある。S26の処理の後に、S32の処理へ移行する。
S32では、メイン制御部41は、設定開始コマンドを送信したか否か(つまり、S24での処理を実行したか否か)を判定する。この判定の手法について説明すると、たとえば、S24の処理が実行された場合には、設定開始コマンド送信済みフラグが、メイン制御部41のRAMに格納される。S32において、設定開始コマンド送信済みフラグが格納されているか否かを判定し、設定開始コマンド送信済みフラグが格納されていると判定された場合には、S32でYESと判断される。一方、S32において、設定開始コマンド送信済みフラグが格納されていないと判定された場合には、S32でNOと判断される。また、S32でYESと判断された場合には、設定開始コマンド送信済みフラグは消去される。
S34において、設定値確定操作が実行されたか否かを判定する。ここで設定値確定操作とは、設定変更状態で変更された設定値を確定させる操作である。本実施形態の設定値確定操作は、「スタートスイッチ7への操作、および該スタートスイッチ7への操作後において設定キースイッチ37をオフにする操作、該設定キースイッチ37をオフにする操作後において前面扉1bを閉める操作」である。S34では、設定値確定操作が実行されるまで待機する(S34でNO)。また、S34において、設定値確定操作が実行されたと判定されたときには、S36の処理へ移行する。
S36においては、設定変更状態を終了させるとともに、設定終了コマンドをサブ制御部91に対して送信する。設定終了コマンドとは、設定変更状態が終了されたことを特定可能なコマンドである。サブ制御部91は、設定終了コマンドを受信することにより、設定変更状態が終了されたことを認識する。
一方、メイン制御部41は、設定コマンド(開始コマンド)を送信しなかった場合には(S32でN)、S34の処理を行わずに、処理を終了する。
また、起動処理では、図40の処理の他に、メイン制御部41の各部においてエラーの有無を検出するエラー検出処理などが実行される。
[サブ制御部91により実行される起動処理について]
サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が停止された(電断された)後において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに、起動処理を実行する。図41は、サブ制御部91における起動処理を示すフローチャートである。サブ制御部91は、役物200の初期動作を実行する(S52)。ここで、役物200の初期動作とは、初期位置(図4に示す位置)に存在する役物200を駆動位置(図52に示す位置)まで変位させることである。このように、役物200の初期動作を実行させることにより、電断復帰時において、役物200が正常に変位するか否かを店員などが確認することができる。
次に、サブ制御部91は、設定開始コマンドを受信したか否かを判定する(S54)。ここで、設定開始コマンドは、図40のS24で送信されるものである。サブ制御部91は、設定開始コマンドを受信した場合には(S54でY)、「設定変更中」という文字を表示する(S56、図53(B−1)、(B−2)参照)。次いで、サブ制御部91は、設定終了コマンドを受信したか否かを判定する(S58)。サブ制御部91は、設定終了コマンドを受信しなかった場合には(S58でN)、設定終了コマンドを受信するまで待機し、設定終了コマンドを受信した場合には、(S58でY)、「設定変更中」という文字の表示を終了し(S60)、処理を終了する。一方、サブ制御部91は、設定開始コマンドを受信しなかった場合には(S54でN)、処理を終了する。また、起動処理では、図41の処理の他に、サブ制御部91の各部においてエラーの有無を検出するエラー検出処理などが実行される。
[サブ制御部91により実行される遊技中処理について]
次に、サブ制御部91により遊技中に実行される遊技中処理について説明する。遊技中とは、起動処理が終了した後の状態をいう。図42は、遊技中処理を示すフローチャートである。サブ制御部91は、AT抽選が実行されたか否かを判定する(S102)。サブ制御部91は、AT抽選が実行された場合において(S102でY)、演出抽選が実行される。演出抽選は、図45〜図49で説明する告知演出、図52で説明するじゃんけん演出、および演出無しのうちいずれかが乱数抽選により決定される。演出抽選により、じゃんけん演出の実行が決定されたときには、図43に示す演出テーブルを用いてじゃんけん演出の種別を決定する(S104)。じゃんけん演出は、煽り演出と、AT結果演出とを含む演出である。煽り演出とは、AT当選したか否かを煽る演出(AT当選した可能性を示唆する演出)である。また、AT結果演出とは、煽り演出の実行後に実行される演出であって、AT抽選の結果を示す演出である。
本実施形態では、煽り演出は、図52(B)に示すように、役物200と、敵キャラ画像400とがお互いに手を振る演出である。該煽り演出は所定時間(たとえば、5秒間)実行される。煽り演出の後、S102で実行されたAT抽選により、AT当選したときには、役物200がじゃんけんに勝つ勝利演出がAT結果演出として実行される。一方、S102で実行されたAT抽選により、AT非当選したときには、役物200がじゃんけんに負ける敗北演出がAT結果演出として実行される。なお、図52(C)は、勝利演出を示すものである。
さらに、煽り演出には、炎なし演出と、小炎演出と、大炎演出とがある。小炎演出は、敵キャラ画像400が手を振る箇所に小炎画像を表示させる演出である。大炎演出は、敵キャラ画像400が手を振る箇所に大炎画像を表示させる演出である。炎なし演出は、炎画像を表示することなく、役物200と、敵キャラ画像400とがお互いに手を振る演出である。なお、図52(B)は、大炎である炎画像310が表示された大炎演出を示したものである。小炎演出は、大炎よりも小さい炎画像が表示される演出である(特に図示せず)。
図43は、じゃんけん演出テーブルを説明するための図である。図43(A)は、AT非当選時のじゃんけん演出決定用テーブルである。図43(B)は、AT当選時のじゃんけん演出決定用テーブルである。
図43(A)、(B)の例では、炎なし負け、小炎負け、大炎負け、炎なし勝ち、小炎勝ち、および大炎勝ち、が規定されている。炎なし負けは、煽り演出として炎なし演出が実行され、AT結果演出として敗北演出が実行される演出をいう。小炎負けは、煽り演出として小炎演出が実行され、AT結果演出として敗北演出が実行される演出をいう。大炎負けは、煽り演出として大炎演出が実行され、AT結果演出として敗北演出が実行される演出をいう。炎なし勝ちは、煽り演出として炎なし演出が実行され、AT結果演出として勝利演出が実行される演出をいう。小炎勝ちは、煽り演出として小炎演出が実行され、AT結果演出として勝利演出が実行される演出をいう。大炎勝ちは、煽り演出として大炎演出が実行され、AT結果演出として勝利演出が実行される演出をいう。
図43(A)では、炎なし負け、小炎負け、および大炎負けの実行確率は、98%、1%、1%であると規定されている。図43(B)では、付与ATゲーム数が1〜150である場合における炎なし勝ち、小炎勝ち、および大炎勝ちの実行確率は、50%、25%、25%であると規定されている。また、付与ATゲーム数が151〜300である場合における炎なし勝ち、小炎勝ち、および大炎勝ちの実行確率は、10%、20%、70%であると規定されている。
説明を図42に戻す。S104の処理が終了すると、S106に移行する。一方、AT抽選が実行されなかった場合には(S102でN)、S104の処理を行わずに、S106の処理へ移行する。
S106では、サブ制御部91は、ミッション達成条件が成立したか否かを判定する。図44は、ミッションデータベースの一例を示したものである。このミッションデータベースは、ROM91bに格納されている。図44の例では、各ミッション毎に、ミッション達成条件と、ミッションが達成されたときのミッション達成報知の開始タイミングが規定されている。また、ミッション達成条件が成立したときには、該ミッション達成条件に対応するミッションに応じた経験値がサブ制御部91により付与される。
本実施形態では、100種類のミッションが存在する。以下では、ミッション識別情報をミッションの参照符号として説明する。たとえば、ミッション識別情報M1のミッションは、ミッションM1とする。たとえば、ミッションM1のミッション達成条件は、遊技履歴更新期間に制御されてから、ベルが5回入賞することにより成立する条件である。
また、ミッションM3のミッション達成条件は、じゃんけん演出(図52参照)が実行されることにより成立する条件である。また、ミッションM5のミッション達成条件は、遊技履歴更新期間に制御されてからの500ゲーム消化することにより成立する条件である。また、ミッションM3のミッション達成条件またはミッションM5のミッション達成条件が成立したときには、役物200が動作する。このように、ミッションの中には、ミッションM3、ミッションM5のように、達成することにより役物200が動作することミッション(以下、「役物関連ミッション」という。)が存在する。
S106において、ミッションM1〜M100のうちのいずれかのミッション達成条件が成立したと判定された場合には(S106でY)、役物関連ミッション(ミッションM3、M5など)のミッション達成条件が成立したか否かを判定する(S108)。サブ制御部91は、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したと判定した場合には(S108でY)、マーク検出回路105がマーク201(図7参照)を検出したか否かを判定する(S110)。S110でYESと判定されるとき、つまり、役物200が正常に変位したと判定された場合には、S116に進む。S116では、サブ制御部91は、達成したミッションの報知(以下、ミッション達成報知という。)を実行する。たとえば、ミッションM1のミッション達成条件が成立したときには、液晶表示器51に「ミッションM1達成!おめでとう!」といった文字を表示する。これとともに、サブ制御部91は、ミッションM1に対応した経験値を付与する(図39(A)に示す遊技履歴データベースに記憶されている経験値を加算更新する)。
一方で、サブ制御部91は、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立しなかった場合には(S108でN)、S110の処理を行わずに、S116の処理を実行し、処理を終了する。
サブ制御部91は、マーク201を検出しなかった場合には(S110でN)、役物関連ミッション達成時から所定時間経過したか否かを判定する(S112)。サブ制御部91は、役物関連ミッション達成条件時から所定時間経過したと判定した場合には(S112でY)、役物エラー処理を行い(S114)、ミッション達成報知を実行し(S116)、処理を終了する。
ここで、S112の処理について説明すると、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したときにおいて(S108でY)、役物駆動装置99が正常である場合には、役物200を正常に変位させることができることから、S110でYESと判定される筈である。ところが、S108でYESと判定されたときにおいて、所定時間の間(S112)、マーク201が検出されない場合には、役物駆動装置99が故障している、または故障の可能性が高い、ということである。このような場合には、役物エラー処理(S114)を実行する。
役物エラー処理は、たとえば、液晶表示器51に、役物がエラーである旨を表示するようにしてもよい。また、遊技店に設置されているホールコンピュータ(図示せず)に対して、役物がエラーである旨を示すエラー信号を出力するようにしてもよい。これにより、店員などに、役物駆動装置99が故障していることを報知できる。
また、S114の処理終了後には、S116のミッション達成報知が実行されるとともに経験値が付与される。つまり、マーク201が検出されなかったときにも、ミッション達成報知が実行されるとともに経験値が付与される。これは、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したにもかかわらず、役物駆動装置99が故障しているという理由で、ミッション達成報知が実行されないとなると、遊技者にとって酷となり、遊技の興趣を低下させる虞がある。そこで、本実施形態では、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したときには、マーク201が検出されたか否かに関わらず、ミッション達成報知および経験値付与を行う。これにより、遊技の興趣を低下させることを防止できる。なお、所定時間は、役物駆動装置99が故障していると判断可能な時間であって、予め計測される時間であるとする。本実施形態の所定時間は、たとえば、10秒間とする。
S108において、また、ミッションM1〜M100のミッション達成条件のうちの少なくとも一部のミッション(以下では、「特定ミッション」という。)について、遊技履歴更新期間に制御されてから一度達成したミッションは2回以上達成したとしても該成立したミッション達成条件は達成していないと判断するようにしてもよい。たとえば、特定ミッションがミッション1であるとした場合について説明する。遊技履歴更新期間に制御されてから、最初に、ベルが5回入賞したときには、S106においては、YESと判断される。さらに、ベルが5回入賞したとき(つまり、遊技履歴更新期間に制御されてからベルが10回入賞したとき)には、S106においては、NOと判断される。これにより、重複して、ミッション達成報知、および経験値の付与が実行されることを防止できる。
また、役物200は、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したとき以外でも、動作するようにしてもよい。たとえば、所定の役物動作条件が成立したときに、所定確率(100%も含む)で役物200は動作するようにしてもよい。役物動作条件は、遊技者にとって有利となるような条件とすることが好ましい。たとえば、役物動作条件は、ボーナス当選することにより成立する条件としてもよい。
[小役当選時のリール制御について]
図45〜図49は、小役当選時のリール制御について説明するための図である。図45〜図49では、AT抽選対象役が当選したときに実行される演出抽選で告知演出の実行が決定されたときについて説明する。告知演出が実行されることにより、いずれの抽選対象役に当選したかを示唆することが可能となる。これらの演出が実行されているにも関わらず、告知演出で表示されるキャラクタ画像(たとえば、チェリーを示す図柄やスイカを示す図柄)が入賞ライン上ではなく、無効ライン上の表示結果を示すものである場合、無効ライン上の表示結果を遊技の結果であると誤認させてしまう虞がある。
本実施の形態では、このような告知演出で表示される画像に対する遊技者の誤認を防止するために、入賞ラインLN上に実際に表示される図柄との関係において、以下のようなリール制御を実行している。図45は、強チェリーリプまたは弱チェリーリプに当選したときのリール制御を示している。図45では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。左、中、右の停止順で停止操作する場合は、左リール2Lにおいて図5に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内(枠の上段の位置)に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。このような位置でストップスイッチを押せば、チェリーやスイカの取りこぼしを抑えることができる。強チェリーリプに当選した場合には、チェリーのキャラクタ画像を液晶表示器51の表示領域に表示する告知演出が実行される。
図45(a)〜(c)は、目押し成功となるタイミングで操作された場合を示し、図45(d)〜(f)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し成功となるタイミング、目押し失敗となるタイミングについて、図5を用いて具体的に説明する。たとえば、強チェリーリプ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図5の2番のチェリー図柄を左リール2Lの下段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。2番のチェリー図柄から4コマ先にある図柄までが引き込み可能な範囲であるため、18番のブランク図柄、19番のリプレイ図柄、20番のベル図柄、1番のスイカ図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合および、2番のチェリー図柄が左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄を左リール2Lの下段の位置に停止させることが可能となる。このような場合が目押し成功となるタイミングである。また、3番の赤7図柄〜17番のバー図柄を左リール2Lの下段の位置にある場合にストップスイッチ8Lの停止操作が実行されるとチェリー図柄は、左リール2Lの下段の位置に停止させることが不可能となる。このような場合が目押し失敗となるタイミングである。
強チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図45(a)に示すように左リール2Lの下段にチェリー図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて図5に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Cを停止させる。目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図45(b)に示すように中リールの中段にチェリー図柄が停止する。また、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、強チェリーリプ当選時は、図45(c)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図45(c)に示すように、入賞ラインLN上には、チェリー図柄が3つ停止し、再遊技役が入賞する。これは、図15に示す強チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図45(d)に示すように左リール2Lの下段にリプレイ図柄が停止する。次いで、中リール2Cにおいて、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8Cが停止操作された場合には、図45(e)に示すように中リールの中段にリプレイ図柄が停止する。しかし、右リール2Rは、5コマ以内に必ずチェリー図柄が配列されているため、目押し失敗のタイミングであるか否かに関わらず、強チェリーリプ当選時に右リール2Rには、図45(f)に示すように上段に必ずチェリー図柄が停止する。図45(f)に示すように、入賞ラインLN上には、リプレイ−リプレイ−チェリーとなる図柄組合せで図柄が停止し、再遊技役が入賞する。これは、図15に示す強チェリーリプ当選時のリプ16の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
なお、左リール2Lについては目押しが成功し、中リール2Cは目押しが失敗した場合には、チェリー−リプレイ−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。また、左リール2Lについては目押しが失敗し、中リール2Cは目押しが成功した場合には、リプレイ−チェリー−チェリー図柄組合せが入賞ラインLN上に表示される。いずれにしても入賞ラインLN上(右リール2Rの上段)には、チェリー図柄が表示されることとなる。
サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図45(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図45(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。つまり、告知演出で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、目押し成功となるタイミングでも、目押し失敗となるタイミングでも入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が遊技の結果ではないという誤認を防止することができる。
また、図45(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図45(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
また、図45(c),(f)に示すように、目押しを成功し全てのリールにチェリー図柄が導出された場合であっても、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合であっても、強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
また、図45(g)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにチェリー図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリー図柄が導出されない。その代わり、右リールにおいては、無効ラインLM4上(右リール2R下段)にチェリー図柄が導出される。よって、チェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出が実行され、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リール2Rにおけるチェリー図柄の位置により、強チェリーリプ当選であるのか弱チェリーリプ当選であるのかを確認することができる。なお、図45(g)は、弱チェリーリプ当選時のリプ15の入賞を示す図柄組合せが導出された場合を示している。
また、図45(h)に示すように、弱チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合には、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が導出され、入賞ラインLN上の右リール2Rに、チェリー図柄が導出される。この入賞ラインLN上の図柄組合せ(リプレイ−リプレイ−チェリー)は、強チェリーリプ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが停止操作された場合の入賞ラインLN上の図柄組合せと同じである。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果の誤認を防止することができる。なお、図45(f)と図45(h)とは同じ表示結果が導出されることから、チェリーリプ当選したことは判断できるが、チェリーリプの強弱までは、判断できない。
なお、弱チェリーリプ当選時に、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図46は、中段チェリーリプに当選したときを示している。図46では、中、左、右の停止順で停止操作が実行されている。中リール2Cを第1停止する際には、図5に示す3番の赤7図柄を透視窓3の枠内に狙いストップスイッチ8Lを停止させる。赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。
中段チェリーリプ当選時に中リール2Cを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図46(a)に示すように、中リール2Cの中段に赤7図柄が停止する。さらに、左リール2Lを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図46(b)に示すように、左リール2Lの中段にチェリー図柄が停止する。さらに、右リール2Rを目押し成功となるタイミングで操作した場合、図46(c)に示すように、右リール2Rの上段にチェリー図柄が停止するとともに右リール2Rの下段に赤7図柄が停止する。なお、図46(c)は、中段チェリー入賞とともにBB5が同時当選している場合の図柄組合せである。このように、右リール2Rのチェリー図柄の配列のみではなく、中リール2Cの赤7図柄によってもチェリーリプ当選を示唆することができ、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
なお、左リール2Lおよび中リール2Cのいずれも目押し失敗となるタイミングでストップスイッチを操作したときは、左リール2Lおよび中リール2Cには、入賞ラインLN上にリプレイ図柄が導出され、右リール2Rの上段にチェリー図柄が導出される。つまり、図45(f)や図45(h)と同じ制御が実行される。このように、弱チェリーリプ、強チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれに当選していても目押し失敗となるタイミングで実行されたときの制御を共通化することができる。また、左リール2Lまたは、中リール2Cのいずれか一方のみ目押しが成功した場合には、目押しが成功したリールの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出させ、失敗したリールにはリプレイ図柄を導出させるリール制御が行われる。そして、右リール2Rについては、入賞ラインLN上(右リール2R上段)にチェリー図柄を導出させる制御が行われる。
図47は、スイカに当選したときを示している。図47では、左、中、右の停止順で停止操作が実行されている。図47(a)〜(c)は、目押し失敗となるタイミングで操作された場合を示す。目押し失敗となるタイミングについて、図5を用いて具体的に説明する。たとえば、スイカ当選時に左リール2Lを第1停止させるとき、図5の1番のスイカ図柄、6番のスイカ図柄、11番のスイカ図柄を左リール2Lの上段に停止できたときが目押し成功となるタイミングである。そして、12番のベル図柄〜16番のバー図柄までを左リール2Lの上段に停止させるタイミングで停止させたときが、目押し失敗となるタイミングである。
スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Lが停止操作された場合には、図47(a)に示すように左リール2Lの上段にBAR図柄が停止する。なお、BAR図柄は、スイカを構成する図柄として使用される図柄である。次いで、中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、目押しのタイミングに関わらず、スイカ当選時に中リール2Cには、図47(b)に示すように中段に必ずスイカ図柄が停止する。また、スイカ当選時に目押し失敗となるタイミングでストップスイッチ8Rが停止操作された場合には、図47(c)に示すように右リール2Rの下段にブランク図柄a(ブラa)が停止する。
中リール2Cにおいては、5コマ以内に必ずスイカ図柄が配置されているため、図47に示すように、スイカ当選時には、中リール2Cにおいて必ずスイカ図柄が中段に表示されるようにリール制御を実行することができる。このようにすれば、入賞ライン上にスイカ図柄が表示されることで、告知演出で表示される図柄が、入賞ラインLN上に必ず表示されることになる。よって、スイカ当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図48は、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、あるいは中段チェリーリプに当選したときを示している。図48では、右、中、左の停止順で停止操作が実行されている。図48(a)に示すようにリールが回転しているときから右リール2Rを第1停止させる。図48(b)に示すように、右リール2Rを第1停止させた場合、チェリーリプに当選したときには、入賞ライン上にある右リール2Rの上段に必ずチェリー図柄が出現する。よって、第1停止の段階でチェリーリプ当選を示唆することができる。しかし、この時点では、左リール2Lと中リール2Cとには、どのような図柄が停止されるかが不明であるので、チェリーリプが強、弱、中段のいずれであるかまでは分からない。
目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、強チェリーリプ当選時は、図48(c)に示すように、入賞ライン上にチェリー図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、弱チェリーリプ当選時は、図48(d)に示すように、入賞ライン上にリプレイ−チェリー−チェリーとなる図柄が揃う。また、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L,8Cが停止操作された場合に、中段チェリーリプ当選時は、図48(e)に示すように、無効ラインLM2上(左リール2Lの中段)にチェリー図柄が導出される。なお、図48(e)は、ボーナスと中段チェリーリプとが同時当選しているときを示している。中段チェリーリプ当選単独の場合は、右下がりに赤7図柄が揃うことはない。
このように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示される表示結果がチェリー当選であることを示唆することができる。つまり、告知演出で表示される図柄が、入賞ラインLN上に表示されることが第1停止の時点で示唆されることになる。よって、チェリー当選となる遊技の結果が入賞ラインLN上にないことの誤認を防止することができる。
図49は、スイカに当選したときを示している。図49では、中、右、左の停止順で停止操作が実行されている。図49(a)に示すようにリールが回転しているときから中リール2Cを第1停止させる。図49(b)に示すように、中リール2Cを第1停止させた場合、スイカに当選しているときには、入賞ライン上にある中リール2Cの中段に必ずスイカ図柄が出現する。よって、第1停止の段階でスイカ当選を示唆することができる。
このように、スイカ当選時に中リール2Cが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の中リール2Cにスイカ図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび右リール2Rの操作前に入賞ライン上に表示される表示結果の誤認を防止することができる。
[各種報知部の報知態様について]
次に、所定の報知部(1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16(BET表示部)、払出数表示部12(遊技補助表示器)、透過領域51b(入賞表示部))の報知態様について説明する。図50は、各種報知部の報知態様を説明するための図である。
図50(a)〜(c)は、遊技(ゲーム)がされた結果、小役入賞として中段ベルの入賞が発生したときの各種報知部の報知状態を示している。また、図50(d)〜(f)は、各種の条件の成立により、初期状態となったときの各種報知部の報知状態を示している。たとえば、中段ベルの入賞が発生した際には、図11に示すように9枚のメダルの払出しがある。中段ベルの入賞が発生した場合には、図50(a)に示すように、BET表示部が点灯状態に維持される。また、中段ベルの入賞が発生した場合には、図50(b)に示すように、払出数表示部12が9枚を示す値で表示される。払出数表示部12は、セグメント表示により表示される。また、中段ベルの入賞が発生した場合には、図50(c)に示すように、中段ベルが入賞したことがリールLED55の点灯により示される。リール2L〜2Rの中段に示されるベル図柄(図11に示す指標図柄)に対応する部分が発光することが、入賞表示部により確認できる。
また、図50(a)〜(c)のように、中段ベルの小役入賞が発生してからBET操作されることなく所定時間として30秒が経過すると、各種報知部は、図50(d)〜(f)のような初期状態へと表示態様が変化する。たとえば、BET表示部は、図50(a)の状態から30秒が経過すると、図50(d)に示すLEDの消灯状態へとBET表示部の表示態様が変化する。また、払出数表示部12は、図50(b)に示す「09」の表示から図50(e)に示す「00」の状態へと変化する。また、入賞表示部は、図50(c)に示すリールLED55の点灯状態から図50(f)に示すリールLED55の消灯状態へと変化する。
ここで、30秒の経過時間は、遊技制御基板40側に設けた小役の払出しによる表示が実行されてから計時が開始されるタイマ(図示省略)により、計時されるようにすればよい。また、リールLED55の点灯時間に関しては、メイン制御部41からサブ制御部91に送信されるタイマの計時に関する情報に基づいて消灯の制御が実行されるようにすればよい。なお、小役入賞時の計時の開始時点は、3つのリール2L、2C、2Rが停止した時点からでもよく、メダルの払出しが完了した時点からでもよい。
ここで、所定時間として示した30秒は、特定モードへの移行時間と同じ時間である。特定モードとは、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するモードのことである。デモ演出では、たとえば、液晶表示器51の表示領域にスロットマシン1の演出で登場するキャラクタやストーリーの内容、実行される演出を説明する映像等が流れる。特定モードとしてのデモ演出を解除するには、メダルを投入したり、BET操作があればよい。
なお、特定モードでは、所定時間として30秒経過することにより節電モードに移行するようにしてもよい。節電モードとは、遊技者が遊技をしていないときのスロットマシン1における消費電力を抑えるために、光量や音量を遊技中よりも減少させるモードのことである。たとえば、節電モードでは、液晶表示器51の表示領域の光量が減少されるとともに、音量が無しに設定される。また、表示領域には、現在節電モードであることを示す「節電モード」の文字が表示される。特定モードとしての節電モードを解除するには、メダルを投入したり、BET操作があればよい。
このように、前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となる。よって、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となることを計時するためのタイマとを共通化することができる。また、前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとしてもよい。このようにすれば、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとなることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
また、本実施の形態のスロットマシン1では、設定変更状態となることにより、各種報知部の表示状態が図50(a)〜(c)で示す表示状態から図50(d)〜(f)で示す初期状態の表示状態へと変化する。設定変更状態とは、リセット/設定スイッチ38により設定値を変更できる状態である。筐体1aの内部には、電源ボックス100が設けられている。電源ボックス100には、電源投入時(起動時)に設定変更状態に切り替えるために、店員が設定キーを挿入する鍵穴が設けられている。店員が所有する設定キーを鍵穴に挿入したまま右に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がON状態になる。設定キースイッチ37がON状態となった状態が設定変更状態である。一方、設定キーを鍵穴に挿入したまま左に回す鍵操作をしたときには、設定キースイッチ37がOFF状態になる。
設定キースイッチ37は、前面扉1bを解錠して開放しなければ操作できないため、ドアキーを所有する店員以外の者は、外部から設定キースイッチ37を操作不可能である。さらに、設定キースイッチ37は、設定キーを鍵穴に挿入しなければ操作できないため、設定キーを所有する店員以外の者は、設定キースイッチ37を操作不可能である。
また、電源ボックス100には、設定変更状態において内部抽選の当選確率(払出率)の設定値を変更するための設定スイッチ38と、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39とが設けられている。ここで、設定値表示器24にRAMから読み出された設定値が設定値表示器24に表示されることで設定値を確認可能な状態のことを設定確認状態という。
小役入賞時の図50(a)〜(c)に示す各種報知部の表示状態は、設定変更状態となることにより、初期状態としての図50(d)〜(f)の表示状態へと変化する。
また、精算スイッチ10を押すことにより、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる精算操作があった場合、図50(a)〜(c)に示す各種報知部の表示状態が、図50(d)〜(f)の初期状態の表示状態へと変化する。また、MAXBETスイッチ6操作などにより賭数を設定するBET操作により、BET表示部は、図50(a)の点灯状態から図50(d)の消灯状態となった後、すぐに図50(a)の点灯状態となる。また、払出数表示部12および入賞表示部は、BET操作により、図50(b),(c)のような表示状態から図50(e),(f)のような初期状態となる。
また、スロットマシン1は、バックアップ電源を有している。よって、突然の電断(たとえば、停電)が発生した場合であっても、バックアップ電源がメイン制御部41およびサブ制御部91に供給されることにより、所定期間、バックアップ領域に記憶されている情報を保持できる。メイン制御部41およびサブ制御部91は、電断から復帰したときには、バックアップ領域に退避された情報およびフラグに基づいて、電断前の図50(a)〜(c)に各種報知部の表示状態から、電源再投入による電断復帰後に、再度図50(a)〜図50(c)の状態へと制御する。そして、各種報知部は、電断から復帰する電断復帰処理が終了してゲームを開始するためのゲーム処理が開始されてから30秒の時間経過により、図50(d)〜(f)の表示状態となる。また、リールの回転中に電断が発生した場合には、復帰後にリールを初期位置に戻し、各種報知部は、電断から復帰する電断復帰処理が終了してゲームを開始するためのゲーム処理が開始されてから30秒の時間経過により、図50(d)〜(f)の表示状態となる。
ここで、設定値が前日のホール(遊技場)の閉店から変更されていたか否かを翌日の営業開始時に知るために従来実行されていた仕込みについて説明する。仕込みとは、前日の閉店時に払出しのある役を入賞させ、払出数表示部12に「1」以上の数が表示された状態(図50(b)の状態)で遊技を終了する行為である。このような行為により、翌日の営業開始時にその値が維持されていれば(図50(b)の状態)、設定変更が行われておらず、表示内容が「0」となっていれば(図50(e)の状態)設定変更が行われたことが判明する。また、BET表示部や入賞表示部が翌日の営業開始時に点灯状態が維持されていれば、設定変更されていないことが容易に理解されてしまっていた。
このような仕込みの対策として、ホールの店員は、払出数表示部12の表示を「0」にするために閉店後に複数回ゲームを実行しなければならなかった。また、精算操作やBET操作により、払出数表示部12の表示を「0」にできるような場合であっても、閉店後に精算操作やBET操作を実行しなければならず、手間が掛かっていた。
本実施の形態では、このようなホールの店員の作業負担を減らしつつ、仕込みを防止するために、小役入賞が発生し、払出数表示部12にメダルの払出し枚数が表示された状態から30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示を初期状態である「0」へと変化する制御を実行している。また、BET操作部や入賞表示部についても同様に、小役入賞から30秒が経過することにより点灯状態から初期状態の消灯状態へ変化するように制御している。
[払出数表示部の表示パターンについて]
図51は、払出数表示部(遊技補助表示器)12の表示パターンを説明するための図である。払出数表示部12の表示パターンとして、図51のようなパターンにより表示することができる。図51の表において、左側のリプレイ入賞時等の欄は、スロットマシン1における状態を示している。また、払出数表示部12の表示パターンであるA〜Cのパターンにおいて、「初期」は、払出数表示部12の表示の初期状態(たとえば、図50(e))を示しており、「維持」は、払出数表示部12の表示が維持される状態(たとえば、図50(b))を示している。払出数表示部12は、スロットマシン1の状態において、表中の「○」で示される「初期」または「維持」の状態に制御される。表中の「×」は、制御されない状態を示している。また、表中の「−」は、BET操作からレバー操作への一連のゲームを開始する操作においてBET操作時に払出数表示部12が初期状態へと変化したので、レバー操作時には、初期状態であることが示されている。なお、初期状態として払出数表示部12に「0」表示される場合を示したが、初期状態は、0以外の記号で示すようにしてもよいし、0と記号との組合せ(たとえば、「0.」)でもよいし、表示が消灯されるようにしてもよい。
図51に示すように、A〜Cパターンのいずれのパターンでも、再遊技役としてのリプレイ入賞時には、払出数表示部12が初期状態となる。また、精算操作時には、AパターンおよびBパターンは、払出数表示部12が初期状態となるが、Cパターンでは、払出数表示部12の表示が維持される。また、BET操作からレバー操作にかけての一連の操作において、Aパターンでは、BET操作時には、払出数表示部12の表示が維持されるが、レバー操作時に払出数表示部12が初期状態となる。また、BパターンおよびCパターンでは、BET操作時に払出数表示部12が初期状態となり、レバー操作時には、初期状態のままである。
また、遊技を停止してから30秒が経過するとAパターンでは、払出数表示部12が初期状態となり、BパターンおよびCパターンでは、払出数表示部12の表示が維持される。また、設定変更状態後(デフォルト後)には、A〜Cパターンのいずれのパターンでも、払出数表示部12が初期状態(デフォルト状態)となる。また、電断復帰後には、A〜Cパターンのいずれのパターンでも払出数表示部12の表示が電断前の状態で維持される。なお、払出数表示部12の表示状態は、A〜Cのパターンに限らず、各状態で初期状態または表示が維持される状態のいずれかになるものの組合せであればよい。
[じゃんけん演出について]
次に、図52を用いて、じゃんけん演出の詳細について説明する。演出抽選によりじゃんけん演出が決定されたときにおいて、じゃんけん演出が開始されるときには、役物200は、初期位置(図4参照)から駆動位置(図52(A)の位置)に変位する。さらに、役物200に隠蔽されていた腕部材300が突出される。じゃんけん演出では、役物200は、味方キャラクタとして機能する。
図52(A)に示すように、「じゃんけんチャンス」といった、じゃんけん演出が開始されることを報知する報知画像を、液晶表示器51に表示させることにより、じゃんけん演出は開始される。また、サブ制御部91は、液晶表示器51の表示領域における向かって左側の領域に、敵キャラとして、敵キャラ画像400が電子的に表示される。このように、敵キャラ画像400と、役物200(味方キャラクタ)とが左右方向で対峙することになる。
その後、サブ制御部91は、煽り演出として、じゃんけんの「じゃん」、「けん」という拍子に合わせて、たとえば、「じゃん」、「けん」といった音声をスピーカ53、54から出力させる。また、サブ制御部91は、煽り演出として、「じゃん」、「けん」の拍子に合わせて、役物200の腕部材300を上下方向に振らせる。これとともに、サブ制御部91は、煽り演出として、決定された煽り演出(炎なし演出、小炎演出、大炎演出のうちのいずれか)を実行する。また、煽り演出として、敵キャラ画像400についても、腕を振っている態様で表示される。
この煽り演出が終了後に、図52(C)に示すようなAT結果演出が実行される。サブ制御部91は、じゃんけんの「ぽん」という拍子に合わせて、たとえば、「ぽん」といった音声をスピーカ53、54から出力させる。また、サブ制御部91は、「ぽん」の拍子に合わせて、図52(C)に示すように、役物200の腕部材300の指部材311をグー、チョキ、パーのいずれかに変化させる。このように、腕部材300の指部材311は、決まり手として、グー、チョキ、パーのいずれかに、サブ制御部91の制御により変化可能となるような構造となっている。図52(C)では、指部材311が、決まり手として、チョキを出している例が示されている。さらに、サブ制御部91は、役物200の腕部材300と重畳する位置に、指部材311の変化後の形状に応じたエフェクト画像320を表示する。本実施形態では、エフェクト画像320として、腕部材300の影を示す影画像が表示される。これにより、決まり手を立体的に見せることができる。図52(C)の例では、チョキの決まり手を模したエフェクト画像320が表示されている。
一方、敵キャラ画像400についても、決まり手として、グー、チョキ、パーのいずれかを出している画像に変化される。サブ制御部91は、役物200の指部材311の変化後の形状を、所定時間(たとえば、5秒間)維持するとともに、決まり手を出している敵キャラ画像400の表示も該所定時間、継続させる。また、図52(C)には示さないが、AT当選したときには、「じゃんけん勝ち!ATゲーム300ゲームGET!」といった画像が表示される。一方、AT非当選しているときには、「じゃんけん負け!残念!」といった画像が表示される。
[煽り演出実行中と起動処理実行中とにおける液晶表示器51の表示の違いについて]
次に、図53を用いて、煽り演出実行中と起動処理実行中とにおける液晶表示器51の表示の違いについて説明する。図53(A)は、煽り演出実行中について示したものであり、図53(B)は、起動処理実行中(図41参照)における役物200の初期動作(S52)について示したものである。
図53(A−1)は、煽り演出実行中における、役物200と液晶表示器51の表示とを示したものである。図53(A−2)は、図53(A−1)の役物200を省略したものである。図53(A−1)、(A−2)に示すように、煽り演出実行中は、装飾表示として、炎画像310と、敵キャラ画像400と、じゃんけんという文字とを表示する。
図53(B−1)は、起動処理実行中における、役物200と液晶表示器51の表示とを示したものである。図53(B−2)は、図53(B−1)の役物200を省略したものである。図41のS52でも説明したように、サブ制御部91による起動処理では、役物200の初期動作として、該役物200を駆動位置に変位させる処理が実行される。図53(B−1)、(B−2)に示すように、起動処理実行中は、図53(A−2)に示す装飾表示は実行されずに、「設定変更中」という文字(図41のS56参照)が表示される。なお、この文字は、設定変更状態に制御されていないとき(つまり、図40のS24において、設定開始コマンドが送信されていないとき)には、画像は何ら表示されない。
また、特に図示しないが、起動処理実行中の役物200の初期動作として、図53(B−1)のように役物200が手を振る動作を5秒間行った後は、所定の決まり手(本実施形態では、グー)を出す。役物200が、該所定の決まり手を出したときには、じゃんけん演出中には表示されたエフェクト画像320を表示しない。
[第1実施形態により得られる主な効果について]
次に、第1実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 第1実施形態によれば、図53(A)に示すように、遊技中(たとえば、煽り演出実行中)では、役物200が駆動位置に変位したときに、装飾表示(図52(B)の炎画像310と、敵キャラ画像400と、じゃんけんという文字の表示、図52(C)のエフェクト画像320などの表示)を実行することから遊技の興趣を向上させることができる。仮に、遊技機の初期動作中(起動処理中)において、煽り演出が実行されたときと同様の装飾表示が実行された場合には、役物200の初期動作を店員などが確認する際に、役物200の初期動作への確認を該装飾表示が阻害する虞がある。これに対し、本実施形態では、図53(B)に示すように、遊技機の初期動作中(起動処理中)では、装飾表示を実行しない。したがって、装飾表示によって、役物200への確認を阻害することを防止できることから、役物200の確認処理をさせ易くすることができる。
(2) また、図53(B)に示すように、初期動作中(起動処理中)において設定変更状態に制御されているときには、遊技中では表示されることがない「設定変更中」という文字を表示する。したがって、店員などに、設定変更状態に制御されていることを認識させることができる。また、起動処理中には、装飾表示は実行されないことから、「設定変更中」という文字への視認が該装飾表示により阻害されることを防止できる。
(3) ところで、従来から、役物200などの可動部材を動作させるときに、液晶表示器51などの表示手段において、可動部材の動作に合せてエフェクト画像等の演出効果表示を表示可能なものが開示されている文献(たとえば、特開2013−208308号公報)があった。しかし、この文献に記載の遊技機においては、可動部材が動作するときの状況に合せた演出効果表示が表示可能ではなく、可動部材の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出の効果が不十分であるという問題があった。本実施形態ではかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、可動体の動作と表示手段の演出効果表示とを連携させた演出効果を高めることが可能な遊技機を提供することである。具体的には、図43に示すように、煽り演出として、炎なし演出と、小炎演出と、大炎演出とのうちのいずれかを実行可能である。さらに、これらの演出に応じて、炎画像を表示させないようにしたり、炎画像の大きさを異ならせるようにすることができる(異なる装飾表示ができる)。したがって、役物200の変位と装飾表示とを連携させた演出の効果を向上させることができる。
(4) ところで、従来から、液晶表示器51などの表示手段と、役物200などの可動部材とを備えた遊技機がある。こうした遊技機では、可動部材が表示手段と重なる位置まで変位したときに、表示手段に所定画像が表示され、可動部材の動作を強調するようにしたものが開示されている文献(たとえば、特開2013−099572号公報)があった。この文献に記載の遊技機においては、可動部材の動作を強調するために大まかな所定画像を表示しているに過ぎず、可動部材を用いた演出による遊技の興趣を十分に高めることができない。本実施形態ではかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、可動部材を用いた演出による遊技興趣をより高めることができる遊技機を提供することである。
具体的には、図52(C)に示すように、役物200の指部材311は、グー、チョキ、パーに変化可能であり、該変化後の形状に応じたエフェクト画像320を表示可能である。したがって、指部材311の変化と、エフェクト画像320の表示とを連携させた演出の効果を向上させることができる。
(5) ところで、従来から、遊技者に遊技中における何らかの指令(ミッション)を与えて、そのミッションが遊技中に達成されると、遊技者に対してミッションの達成を報知する遊技機が開示された文献(たとえば、特開2014−158854号公報)があった。この文献に記載の遊技機においては、ミッションとして予め定められた演出条件に、可動部材の動作が含まれている場合、演出動作以外の原因で可動部材が動作したときにミッションを達成してしまう場合があった。本実施形態は、かかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、演出動作以外の原因で可動役物が動作したときにはミッションの達成を防止する遊技機を提供することである。
本実施形態では、図44に示す100種類のミッション達成条件のうち、役物200を動作させるミッションが存在する(たとえば、ミッションM3およびM5)。ミッションM3またはミッションM5のミッション達成条件が成立したときにおいて、役物200が動作するとともに、ミッション達成報知が実行される。しかしながら、役物200が演出動作とは異なる動作をしたときに、ミッション達成報知の実行を制限する(ミッション達成報知は実行されない)。本実施形態では、図41に示すように、サブ制御部91の起動処理においては、S52で、役物の初期動作を実行するが、この初期動作に基づいて、ミッション達成報知は実行されない。仮に、遊技機の初期動作中(起動処理中)において、ミッション達成報知が実行された場合には、役物200の初期動作を店員などが確認する際に、役物200の初期動作への確認を該ミッション達成報知が阻害する虞がある。これに対し、本実施形態では、遊技機の初期動作中(起動処理中)では、ミッション達成報知を実行しない。したがって、ミッション達成報知によって、役物200への確認を阻害することを防止できることから、役物200の確認処理をさせ易くすることができる。
(6) また、役物200が動作するタイミングは、複数存在する。本実施形態では、図44に示す役物関連ミッション(ミッションM3、M5)のミッション達成条件が成立したとき、または、所定の役物動作条件が成立したときに、役物200は動作する。したがって、役物200を動作させる機会を増加させることができることから、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) また、役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したときにおいて、(図42のS108のYES)、役物駆動装置99の故障などにより、役物200が動作しなかった場合でも(S112のYES)、ミッション達成報知を実行する(S116)。したがって、「役物関連ミッションのミッション達成条件が成立したとしても、故障などにより役物200の動作が不能であることから、ミッション達成報知が実行されないといった不合理」を解消することができることから、興趣の低下を防止できる。
(8) ところで、従来のスロットマシンとして、入賞の発生(遊技の結果)にかかわる入賞ラインと、入賞の発生にかかわらない無効ラインとが設定され、入賞役に当選したときに所定の報知演出を行い、入賞役に対応する入賞図柄組合せが入賞ライン上に停止すると入賞発生となるものが開示されている文献(たとえば、特開2014−083302号公報)があった。また、入賞役として、入賞図柄組合せがばらけ目に設定され、入賞ライン上に当該入賞図柄組合せが停止されたときに、無効ライン上に所定図柄の揃い目が停止され、入賞発生となる所定役(たとえば上段ベル)が設けられていた。しかしながら、この文献に記載のスロットマシンにおいて実行される報知演出は、入賞ライン上に停止する入賞図柄組合せを構成する図柄ではなく、無効ライン上に停止する所定図柄を示唆するものであった。その結果、無効ライン上に停止された所定図柄が遊技の結果であるかのように遊技者を誤認させてしまう虞があった。本実施形態は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技の結果を誤認させることを防止するスロットマシンを提供することである。
具体的には、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図45(a)〜(c)に示すように、目押し成功となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、左リール2Lと中リール2Cとを含む入賞ラインLN上にチェリー図柄が揃う。また、サブ制御部91によりチェリーリプ当選を示唆する演出が実行され、図45(d)〜(f)に示すように、目押し失敗となるタイミングでストップスイッチが操作されたときは、入賞ラインLN上の左リール2Lと中リール2Cとにリプレイ図柄が揃う一方、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。このように、成功タイミングとは異なるタイミングでストップスイッチが操作されたときであっても、入賞ラインLN上の右リール2Rには、チェリーリプ当選を示す表示結果が導出される。よって、入賞ラインLN上に表示された表示結果がチェリーリプ当選であることを示すことができ、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(9) また、図45(c)に示すように、強チェリーリプ当選時に、目押し成功となるタイミングでストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときには、入賞ラインLN上の左リール2L、中リール2Cのみならず右リール2Rにもチェリー図柄が揃う。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されているか否かに関わらず、右リール2Rにもチェリー図柄を導出することができるので、図45(c),(f)に示すように、右リール2Rに対する制御内容を共通化することができる。
(10) また、図48(b)に示すように、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合には、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出される。よって、左リール2Lおよび中リール2Cの操作前に入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
(11) また、図45(c),(f)に示すように、目押しを失敗し左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されず、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出された場合にも強チェリーリプの入賞として再遊技役が入賞する。よって、左リール2L、中リール2Cにチェリー図柄が導出されなくても入賞が発生するので、遊技の興趣が向上する。
(12) ところで、従来のスロットマシンとして、遊技者の有利不利に関わる設定変更がホール(遊技場)の閉店から翌日の営業開始の間に実行されたか否かを把握する仕込みを防止する措置を取ったスロットマシンが開示されている文献(たとえば、特許第5757489号公報)があった。ここで、仕込みとは、前日の閉店時に払出しのある役を入賞させ、表示装置に「1」以上の数が表示された状態で遊技を終了する行為である。このような行為により、翌日の営業開始時にその値が維持されていれば、設定変更が行われておらず、表示内容が「0」となっていれば設定変更が行われたことが判明する。この文献では、このような仕込みを防止するために、従来よりも簡易なメダルの精算操作やBET操作により表示内容を「0」とすることができる技術が開示されていた。しかしながら、この文献に記載のスロットマシンにおいても仕込みを防止するためには、店員による操作が必要であり、作業による手間が掛かっていた。本実施形態は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、店員の作業負担を減らしつつ、仕込みを防止するスロットマシンを提供することである。
具体的には、図50に示すように、小役入賞が発生し、払出数表示部12にメダルの払出し枚数が表示された状態から30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示を初期状態である「0」へと変化する制御を実行している。BET表示部、入賞表示部についても同様に、小役入賞から30秒が経過することにより点灯状態を初期状態の消灯状態へ変化するように制御している。このようにすれば、ホールの店員の作業負担を減らしつつ、仕込みを防止することができる。
(13) また、図50(b),(e)に示すように、払出数表示部12においてメダルの払出し枚数に関する情報が報知される。このようにすれば、遊技者が容易に仕込みを実行可能な払出数表示部12に対して仕込みに対する対策を実行することができる。
(14) また、図50に示すように、払出数表示部12に払出し枚数が表示された状態で、スロットマシン1の電源が切られ、再度電源が投入された場合には、30秒が経過することにより、払出数表示部12の表示態様が「0」を表示した状態に制御される。このようにすれば、閉店時に時間経過を待つことなく開店時の電源投入動作により、払出数表示部12の報知状態を「0」を表示した状態に制御することができる。
(15) また、前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となる。よって、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過によりデモ演出が実行される状態となることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
(16) また、前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとしてもよい。このようにすれば、小役入賞から30秒を計時するためのタイマと前回のゲーム終了から30秒経過により節電モードとなることを計時するためのタイマとを共通化することができる。
(17) また、図50(b),(e)に示すように、払出数表示部12に払出し枚数を表示した状態で30秒が経過すると、払出数表示部12に「0」を表示した状態に制御される。このようにすれば、30秒が経過することを待つことで、店員の操作なしに払出数表示部12の表示状態を設定変更状態の終了後の表示態様の同一の状態とすることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態で説明した思想を可能な限りパチンコ遊技機に適用したものである。本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技媒体(遊技玉)が所定の始動領域を通過したときに、大当り抽選が実行される。大当り抽選は、「大当りに制御させない」、「確変なし大当りに制御させる」、「確変付き大当りに制御させる」のうちのいずれかに決定する抽選である。大当たり状態は、可変入賞装置が開放状態となるラウンド遊技を所定回数実行する有利状態である。確変付き大当りは、大当り状態の終了後に、確変状態に制御させるものをいう。確変状態とは、所定の状態(確変状態に制御されていない状態)よりも、大当りの当選確率が高い状態である。
また、遊技領域の中央付近には、様々な画像を表示可能な演出表示装置が設けられている。また、パチンコ遊技機は、役物200を備え、じゃんけん演出も実行可能である。じゃんけん演出の実行契機は、本実施形態では大当り抽選である。また、パチンコ遊技機の起動処理においては、役物200の初期動作が実行されるとともに、(図41のS52に相当する処理)。メイン制御部の各部およびサブ制御部の各部において、エラーの有無を検出するエラー検出処理が実行される。また、第1実施形態では、図53の例では、初期動作中においては、「設定変更中」という文字が表示されていた。第2実施形態では、初期動作中において、エラー検出処理が実行されることにより、エラーがないことが検出されたときには、「エラー無し」という文字が表示される。また、図43のテーブルにおいて、図43(A)は、大当り抽選で大当り当選しなかったときに用いられるテーブルであり、図43(B)は、大当り抽選で大当り当選したときに用いられるテーブルである。また、図43(B)においては、「付与ATゲーム数が1〜150」というのが、「確変無し大当りが当選したとき」に代替され、「付与ATゲーム数が151〜300」というのが、「確変付き大当りが当選したとき」に代替される。このような構成パチンコ遊技機であっても、第1実施形態で説明した効果などを奏することができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[初期動作中に表示される情報について]
第1実施形態では、起動処理実行中において、液晶表示器に表示される特定情報は、第1実施形態では、「設定変更中」という文字であり、第2実施形態では、「エラー無し」という文字であるとして説明した。しかしながら、この特定情報は、遊技中には表示されない情報であれば如何なる情報であってもよい。たとえば、第1実施形態の起動処理において、エラーの有無を検出するエラー検出処理が実行されることにより、エラーが存在しないことが検出されたときには、「エラー無し」という文字を表示するようにしてもよい。また、該エラー検出処理において、チェックサムを用いて、エラー検出処理が実行される場合には、特定情報として、「チェックサムOK」などといった文字を表示するようにしてもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態のうちの少なくとも一方の特定情報は、他の情報であってもよい。たとえば、特定情報として、「初期動作実行中」といった文字を表示するようにしてもよい。また、初期動作中において、特定情報を表示しないようにしてもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[役物の態様について]
本実施形態では、役物200(指部材311が)が変化可能な態様として、図52(C)などに示すように、グー、チョキ、パーのいずれかであるとして説明した。しかしながら、役物200が変化可能な態様は、他の概念としてもよい。役物200が変化可能な態様は、たとえば、役物200の駆動位置としてもよい。たとえば、第1特典が付与されているときにおける役物200の駆動距離(移動距離)をL1とし、第1特典よりも有利な(特典の量が多い)第2特典が付与されているときにおける役物200の駆動距離(移動距離)をL2とする。このような構成によれば、役物200の移動距離により、付与されている特典の有利度を遊技者に認識させることができることから、該移動距離に対して注目を集めることができる。
また、役物200のエフェクト画像は、役物200の移動距離に応じて異なる装飾表示が実行可能である。たとえば、役物200の駆動位置が、駆動距離がL1である駆動位置であるときには、該駆動位置にエフェクト画像を表示する。また、役物200の駆動位置が、駆動距離がL2である駆動位置であるときには、該駆動位置にエフェクト画像を表示する。
このような構成によれば、役物200の移動距離を多様にすることができるとともに、役物200の変化後の態様に応じた装飾表示を実行可能であることから、役物200の変化と、装飾表示とを連携させた演出の効果を向上させることができる。
また、役物が動作するとは、役物が変位するものに限られず、役物は変位しないが役物の少なくとも一部が変化するものも含む。
[役物200の演出動作とは異なる動作について]
本実施形態では、役物200の演出動作とは異なる動作として、起動処理における初期動作(図41のS52参照)を例示した。しかしながら、役物200の演出動作とは異なる動作は他の動作としてもよい。
たとえば、AT抽選が実行されて、該AT抽選でAT当選しなかった場合には、初期位置に位置する役物200が駆動位置方向に移動するが、該駆動位置までは移動せずに、途中で初期位置に戻ってしまう特定制御を実行するようにしてもよい。該特定制御は、つまり、ガセの制御である。役物200の演出動作とは異なる動作は他の動作は、この特定制御により、役物200を途中まで移動させる動作としてもよい。
また、役物駆動装置99の故障などにより、役物200を移動させるための条件が成立していないにもかかわらず、役物200が動作してしまう場合がある。役物200の演出動作とは異なる動作は他の動作は、このような役物駆動装置99の故障時などにおける役物200の動作としてもよい。
また、遊技機に対して、遊技者などにより外部から振動が加えられたときに、役物200を動作させるための条件が成立していないにもかかわらず、役物200が動作してしまう場合がある。役物200の演出動作とは異なる動作は他の動作は、このような振動が加えられたときなどにおける役物200の動作としてもよい。
[ミッション達成報知について]
第1実施形態のスロットマシンでは、物理的なリール(以下、メインリールという。)のみで構成されるとして説明した。しかしながら、該メインリールの他にサブリールを備えるようにしてもよい。サブリールは、メインリールの数と対応して設けられ、たとえば、サブリールは3つ設けられる。また、サブリールの変動制御および停止制御は、メインリールの変動制御および停止制御に対応して実行される。また、サブリールは、液晶表示器51に電子的に表示されるリールとしてもよく、物理的なリールとしてもよい。また、メインリールの各識別情報は、遊技者から特定され難い図形(たとえば、全て類似している図形)である一方、サブリールの各識別情報は、遊技者により特定され易い図形(たとえば、図5に示すような図形)としてもよい。このような構成によれば、遊技者は、サブリールの変動および停止を見ながら、遊技を進行させることになる。また、ミッション達成報知は、ミッションM1を達成したときには、「ミッションM1達成!おめでとう!」といったミッション達成文字を表示することである。
このような構成の場合において、サブリールが変動しているときには、ミッション達成報知をサブリールの変動表示よりも優先して実行し、サブリールが停止することで表示結果を導出しているときには、該表示結果を優先してミッション達成報知を実行する。
たとえば、「サブリールが変動しているときには、該サブリールの前面のレイヤーにミッション達成文字を表示する一方、サブリールが停止することにより表示結果が導出されているときには、該表示結果が表示されている領域とは異なる領域に、該ミッション達成文字を所定態様で(たとえば、小さく)表示する」という特定表示制御を実行するようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者にとってあまり重要でないサブリールの変動中には、見易い態様でミッション達成文字を表示することから、該ミッション達成文字を遊技者に認識させることができる。一方、遊技者にとって重要なサブリールの表示結果が導出されているときには、該表示結果を見易い態様で、ミッション達成文字を表示することから、導出されたサブリールの表示結果の視認を妨げないようにすることができる。
また、第1実施形態において、サブリールを備えずに、メインリールを備えた上で、特定表示制御を実行するようにしてもよい。この場合には、メインリールの変動中において、遊技者の目押しを阻害しないような態様で、特定表示制御を実行することが好ましい。たとえば、メインリールの前面に、薄い濃度でミッション達成文字を表示するようにしてもよい。また、メインリールが停止することにより、表示結果が導出されたときには、ミッション達成文字を所定態様で(たとえば、小さく)表示するようにしてもよい。
また、第2実施形態のパチンコ遊技機においても、特定表示制御を実行するようにしてもよい。
[装飾表示について]
(1) 本実施形態の装飾表示は、役物200の一部が液晶表示器51と重複したときに実行されるとして説明した。しかしながら、装飾表示は、役物200の全てが液晶表示器51と重複したときに実行されるようにしてもよい。また、装飾表示は、役物200が液晶表示器51と重複していないときに実行されるようにしてもよい。
(2) 本実施形態の装飾表示は、液晶表示器51に、特定画像(図53の例では、炎画像310および敵キャラ画像400の画像など)を表示する処理であるとして説明した。しかしながら、装飾表示は、画像を表示する処理でなくてもよい。たとえば、所定の情報(たとえば、「チャンス」という文字)が、発光されることにより表示される発光ボードを用いる構成としてもよい。このような構成を採用している場合には、装飾表示は、該発光ボードを発光させる処理としてもよい。
(3) 本実施形態では、役物200の駆動に伴って、実行される処理は、装飾表示であるとして説明した。しかしながら、役物200の駆動に伴って、実行される処理は、役物演出の実行としてもよい。役物演出は、所定の画像を表示する演出、所定の演出音を出力する演出、所定の態様で、発光手段を発光させる演出のうちの少なくとも1つを含む演出としてもよい。
たとえば、役物演出が、所定の音を出力する演出である場合には、図53で説明した制御は、以下のような構成となる。煽り演出中は、役物200が駆動すると共に、演出音が出力される。また、起動処理実行(初期動作)中は、役物200が駆動する一方、演出音は出力されない。このような構成によれば、「役物演出により出力される演出音により役物200への確認を阻害されること」を防止できることから、役物200の確認処理をさせ易くすることができる。
[リール配列について]
第1実施形態では、図5に示すように、右リール2Rにおいてチェリー図柄が引き込み可能な範囲内である5コマ以内に必ず配置されていた。よって、チェリーリプ当選時は、入賞ラインLN上の右リール2Rに必ずチェリー図柄を導出させることが可能であった。しかしながら、右リール2Rに加え、左リール2Lまたは中リール2Cのうち少なくともいずれか一方のリールにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすることで、様々な制御に対応することができる。
たとえば、中リール2Cと右リール2Rとにおいて、チェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置するようにしてもよい。このようなリール配列にすれば、強チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−チェリー−チェリーの図柄組合せを導出させることができる。このようにすれば、チェリーリプ当選をより明確に示すことができる。また、弱チェリーリプ当選時に左図柄を取りこぼした場合、リプレイ−リプレイ−チェリーの図柄組合せを導出させることで、強チェリーリプを取りこぼしたことを示すことができる。また、たとえば、無効ラインLM4にリプレイ図柄が揃いそうな場合に、中リール2C中段にチェリー図柄を導出させることで、チェリーリプ入賞していることを分かりやすくすることができる。このように、図柄配列を変更することで、様々な導出表示に対応させることができ、臨機応変に機械にあった制御を実行することができる。
[告知演出について]
第1実施形態では、告知演出として、キャラクタ画像を用いた演出を実行することを説明した。しかし、告知演出は、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御を行い、その点灯色によって示されるようにしてもよい。また、告知演出は、スタートスイッチ7の操作時に実行されるものではなく、1ゲームにおけるどのタイミングで実行されるようにしてもよい。たとえば、全てのリールが停止後にチェリーリプに当選したことをLEDを赤色に発光させることで示唆するようにしてもよい。
[押し順について]
第1実施形態では、図45に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれかのタイミングにより、同じ抽選対象役が当選したときであっても、導出される図柄組合せが異なっていた。しかしながら、同じ抽選対象役が当選したときに、押し順(操作手順)により導出される図柄組合せが異なるようにしてもよい。
たとえば、強チェリーリプ当選時の図柄組合せとしてリプレイ−リプレイ−チェリーとチェリー−チェリー−チェリーとを入賞役として設定する。そして、押し順として左第1停止を正解手順として、中および右第1停止を不正解手順とする。このような場合において、強チェリーリプ当選時に左第1停止が実行された場合には、チェリー−チェリー−チェリーを優先的に引込み、中または右第1停止が実行された場合には、リプレイ−リプレイ−チェリーを優先的に引込むようにしてもよい。なお、全てのリールにおいてチェリー図柄を必ず引き込み可能な範囲内に配置すれば、正解手順で操作された場合に、必ずチェリー−チェリー−チェリーを導出させることができる。また、左リール2Lのチェリー図柄の位置においてチェリーリプ入賞が確定するとともに、強チェリーリプ、弱チェリーリプ、中段チェリーリプのいずれの入賞役であるかが確定するようにしてもよい。
また、図柄の変動表示を特定の押し順で停止させる操作であって、かつ、当該操作が特定のタイミングで操作されたときにのみ正解手順となる表示結果が導出されるようにしてもよい。
[払出し枚数について]
第1実施形態では、図45に示すように、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとのいずれのタイミングであっても、入賞が発生することを示した。しかし、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が異なるようにしてもよい。たとえば、目押し成功となるタイミングで図柄が導出された場合には、目押し失敗となるタイミングで図柄が導出された場合よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、押し順についても正解手順では不正解手順よりも払出し枚数を多くしてもよい。また、目押し成功となるタイミングと目押し失敗となるタイミングとで、メダルの払出し枚数が同じになるようにしてもよい。
[所定入賞について]
第1実施形態では、所定入賞として、チェリーリプなどの再遊技役を例示したが、これに限らず、メダルの付与を伴う小役であってもよい。この場合、所定入賞としての小役は、第1実施形態において示したチェリーリプやスイカと同じ図柄組合せで構成されるものであってもよい。このような場合、タイミングや押し順に関わらず、複数の可変表示部のうちの特定可変表示部である右リール2Rの表示結果として入賞ラインLN上の識別情報が特定識別情報(チェリー図柄)となる表示結果を導出するようにしてもよい。たとえば、所定入賞としての小役であるチェリーに当選したときに、チェリーの入賞示唆演出を実行する。そして、目押し成功となるタイミングで左リール2Lが停止された場合には、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を導出し、3枚のメダルを払出せばよい。また、目押し失敗となるタイミングで左リール2Lが停止された場合(左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合)には、メダルの払出しが無いようにすればよい。しかしながら、左リール2Lの入賞ラインLN上にチェリー図柄を取りこぼした場合であっても、右リール2Rの入賞ラインLN上にはタイミングに関係なくチェリー図柄を停止させることができる(たとえば、リプレイ−リプレイ−チェリーが入賞ラインLNに揃う)ので、チェリー当選の入賞示唆演出と表示結果との誤認が生じることを防止することができる。なお、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合に比べ少なからずメダルの払出しがあるようにしてもよい。また、小役を取りこぼした場合であっても、小役を取りこぼしていない場合であっても、同じ枚数のメダルの払出しがあるようにしてもよい。
[所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報について]
第1実施形態では、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報として、チェリーリプを発生させる図柄組合せのうちの右リールの図柄である例について説明した。しかし、所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は、所定入賞の発生に関わらない図柄であってもよい。すなわち、所定入賞は、一部のリールに特定識別情報が停止することにより、他のリールに停止した識別情報に関わらず発生するものであってもよく、この場合に所定可変表示部の表示結果として所定ライン上に導出可能な特定識別情報は他のリールに停止する図柄であってもよい。より具体的に、たとえば、所定入賞は、チェリー−ANY−ANYと、リプ−ANY−ANYとのいずれでも入賞が発生するものであってもよい。この場合でも、当該所定入賞に当選している場合には、右リール2Rのチェリー図柄を必ず入賞ラインLN上に引き込むようなリール制御を行うようにして、入賞ラインLN上に表示された表示結果が無効ライン上に表示された表示結果として誤認されることを防止することができる。
[所定ラインについて]
第1実施形態では、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、所定ラインとしての入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、右リールのみ入賞ラインLN上に特定の図柄(チェリー図柄)が表示されていた。しかし、所定ラインは、入賞ラインではなく無効ラインであってもよい。そして、目押し成功となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示され、目押し失敗となるタイミングで停止操作が実行された場合には、無効ライン上に特定の図柄が表示されるようにしてもよい。
[リール停止タイミングについて]
第1実施形態では、チェリーリプ当選時に右リール2Rが最初に停止された場合に、入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されていた。しかし、右リール2Rが最初に停止されない場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄が導出されるようにしてもよい。たとえば、第1停止で目押しを失敗し、右リール2Rが第2停止された場合であっても入賞ラインLN上の右リール2Rにチェリー図柄を導出するようにしてもよい。
[当選示唆演出について]
第1実施形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当選示唆演出については、第1実施形態で説明したように、サブ制御部91により決定されるように構成してもよい。
[赤7図柄について]
第1実施形態では、いずれかのチェリーリプ当選時は、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が停止する場合を説明した。しかし、チェリーリプ当選時に、入賞ラインLNのいずれかにチェリー図柄が導出させなくてもよい。たとえば、中段チェリーリプ当選時の図46(c)において有効ライン上にチェリー図柄が停止しない場合(右リールの上段にチェリー図柄が導出されない場合)を設けてもよい。このような場合、赤7図柄は、チェリー図柄と赤色の態様という点で共通する図柄である。よって、赤7図柄が入賞ラインLN上に停止した場合には、チェリー図柄が導出されていない場合であっても、チェリーリプ当選時にチェリーリプ当選を示唆する入賞示唆演出(たとえば、赤色のキャラクタ画像や赤色のLEDでの報知)を実行することができる。このように、入賞ラインLN上に関連する図柄(色が共通する図柄)があることで、入賞示唆演出を実行しても遊技者の誤認を防止することができる。
[RT3での状態について]
第1実施形態では、RT3中においては、さらに維持リプ1〜3を抽選対象役として読み出して内部抽選されるようにしてもよい。これにより、たとえば非ATであるにもかかわらずRT3に制御された場合などにおいて、維持リプ1〜3に当選したときに操作手順によって転落リプに入賞させてRT1へ転落させやすくすることができる。
[報知部について]
第1実施形態では、報知部としてBET表示部、払出数表示部12、入賞表示部を示した。しかしながら、報知部は、スロットマシン1における別の部分で示されるようにしてもよい。たとえば、演出効果LED52を用いて、その点灯色により小役入賞を報知し、所定時間経過により、当該点灯が消去されるようにしてもよい。
また、第1実施形態をいずれか1つの報知部のみに適用するようにしてもよい。たとえば、報知部として払出数表示部12のみにおいて、第1実施形態を適用するようにしてもよい。
[初期状態について]
第1実施形態では、報知部の初期状態として、表示が「0」を示す表示ものや、点灯が消去されるものを示した。しかしながら、報知部の表示状態の初期状態は、「0」を示すものではなく、通常状態では表示されない表示でもよい。また、完全に消灯させるのではなく、表示の輝度を低下させ、薄暗く表示するものでもよい。
[電断について]
第1実施形態では、スロットマシン1に電断が発生した場合、電断復帰後に電断が発生する前の報知部の表示態様で表示され、30秒の経過で表示態様が初期状態となる場合を示した。しかし、電断が発生する前の時間をカウントし、カウントしたタイマ値と電断復帰後のタイマ値を合計した値が30秒となったことに基づいて、報知部の表示態様が初期状態となるようにしてもよい。
[特定モードについて]
第1実施形態では、特定モードに移行する時間と、小役入賞時から報知部の表示態様が初期状態となる時間とが同じであった。しかし、これらの2つの期間は、同じでなくてもよい。
[設定確認状態について]
第1実施形態では、リセット/設定スイッチ38により設定値を変更できる状態である設定変更状態となったときに、各種報知部の表示状態が初期状態に変化する場合を示した。しかし、設定変更状態後の設定値を確認可能な設定確認状態となったときに、各種報知部の表示状態を初期状態に変化させるようにしてもよい。
[はずれについて]
第1実施形態では、はずれとなった場合に以下のような制御を実行してもよい。はずれの場合には、図50のうち払出数表示部12および入賞表示部は初期状態のままであるが、BET操作部は、点灯表示状態が維持されるようにしてもよい。そして、はずれとなってから30秒経過によりBET操作部の表示態様が消灯されるようにしてもよい。なお、BET操作部が点灯状態であるときに、電断発生時は、復帰後に点灯状態が維持され、設定変更状態後、精算操作後、BET操作後は、消灯状態となるようにすればよい。
[再遊技役について]
第1実施形態では、再遊技役に入賞した場合に以下のような制御を実行してもよい。たとえば、再遊技役であるリプレイ入賞が発生した場合には、払出数表示部12は初期状態のままであるが、BET操作部は、一旦消灯した後、すぐに点灯状態に制御される。また、入賞表示部は点灯状態に制御される。このような状態のとき、30秒経過により入賞表示部を消灯状態とするようにしてもよい。なお、BET操作部は30秒経過の際にも点灯状態に制御するのが好ましい。また、設定変更状態では、BET操作部および入賞表示部を初期状態に制御すればよい。また、リプレイ入賞時は、BET操作および精算操作は受付けないように制御されるようにすればよい。なお、リプレイ入賞時に、BET操作および精算操作を受付けることができるように制御してもよい。また、リプレイ入賞時に電断が発生した場合には、電断前の点灯状態が維持されるようにすればよい。なお、リプレイ入賞時に電断が発生した場合には、消灯状態で復帰するようにしてもよい。このような場合には、遊技者がメダルを投入した際(1枚検知した際)またはBET操作を実行した際に1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16のLEDを点灯状態に制御するようにしてもよい。このようにすれば、閉店時にリプレイ入賞をさせて遊技を終了したとしても、開店時には消灯状態に制御されるので、仕込みを防止することができる。
[有利状態について]
前述した例では、有利状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス()やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、たとえば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、第1実施形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からのコマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。