JP2017189130A - ジグヘッド、及び釣用仕掛けセット - Google Patents

ジグヘッド、及び釣用仕掛けセット Download PDF

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Abstract

【課題】釣用仕掛けの作成を容易にし、フック部に取り付けた疑似餌やエサが水中で適切な姿勢を保つことができ、魚へのアピール力を高め、魚がフック部に喰いついたときにジグヘッドが水中で釣り糸の周囲を回転することにより、釣り糸に生じたよりを戻すことで絡みにくくするといった機能や、ジグヘッドにかかる力を適度に分散し、釣り糸が切れることを防ぐ機能を備えた、ジグヘッドを提供する。さらには、当該ジグヘッドを使用した釣用仕掛けセットを提供する。【解決手段】ヘッド部2とフック部3とを一体化したジグヘッド1であって、ヘッド部2に釣り糸4を通す貫通孔5が設けられており、貫通孔5は、釣り糸4の入口6の径(r1)が、出口7の径(r2)の1.3〜3.0倍である。【選択図】図1

Description

本発明は、ヘッド部と釣り針とを一体化したジグヘッド、及びそのジグヘッドを使用した釣用仕掛けセットに関するものである。
ジグヘッドはフック部(釣り針)の根元にヘッド部(錘)がついており、フック部にワーム等の疑似餌の他、エサ等を取り付けて使用するものである。フック部とヘッド部とが一体化しているものは、ジグヘッドのほか、伝統漁法で使われるカブラ、テンヤ等が挙げられる。ジグヘッドは、錘と釣り針とをそれぞれ釣り糸に結びつける必要がなく、手軽で、操作がしやすく、飛距離が得られることから、川釣り、海釣りを問わず、幅広く使用されている。ジグヘッドには、ヘッド部の形状がラウンド型、バレット型、ヤジリ型等の種類があり、仕掛けの作成が容易で、水中での疑似餌やエサの姿勢を適切な状態に保つことができ、魚が喰いついたときにかかる力に耐えうるものが望まれている。
従来公知のジグヘッドに釣り糸を取り付ける場合、ヘッド部に設けられた釣り糸連結部(ラインアイ)に釣り糸を通し、魚釣り特有の複雑な結び方をする必要があり、初心者にとっては、仕掛けを作成するのに手間や時間がかかるといった問題があった。釣り糸の結び方が適切でないと、ジグヘッドのフック部に取り付けた疑似餌等の水中での姿勢や動きが不自然となり、魚が警戒することから、釣果が得られないといった問題があった。また、魚がジグヘッドのフック部に喰いついたとき、魚の引く力と釣り人の引く力とが、ジグヘッドと釣り糸との結び目に一点集中し、それらの力に釣り糸が耐えることができずに切れてしまい、魚に逃げられるといった問題があった。
そこで、仕掛けの作成が容易であり、ジグヘッドのフック部に取り付けた疑似餌等が水中で適切な姿勢を保つことができ、魚の警戒心を減らすとともに魚へのアピール力を高め、魚がフック部に喰いついたときにジグヘッドにかかる力を適度に分散し、釣り糸が絡まったり、切れたりすることを防ぐことが可能なジグヘッドの開発が行われている。
例えば、特許文献1によれば、釣り針に糸を接続するための部分を2箇所設けて、道糸とおもりとを取り付けるための糸(リーダー)を別々に接続するものが開示されている。特許文献1の釣り針においては、特殊な糸の結び方を必要とせずダウンショットリグ等の仕掛けを作ることができ、釣り針の軸に対して針先のある側が上になるように糸を結ぶ事が容易となり、水中での疑似餌の姿勢が安定し、ずれることがなく、魚への針がかりが良いことが記載されている。
特開2001−157530号公報
しかし、特許文献1に開示された釣り針においては、魚がフック部に喰いついたとき、魚の引く力と釣り人の引く力とが、フックアイと釣り糸との結び目に集中し、釣り糸が絡まったり、切れやすくなるといった問題があった。また、フック部に疑似餌等が少しでもずれて取り付けられると、疑似餌等が水流の影響を直接受けることから、水中で不自然な動きをするため、魚に警戒されるといった問題があった。さらに、釣り針に糸を接続するための部分を2箇所設けるためには、フックアイ部分をS字型等に成形する必要があり、製造においてコストや手間がかかるといった問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、仕掛けの作成を容易にし、フック部に取り付けた疑似餌やエサが水中で適切な姿勢を保つことができ、魚へのアピール力を高め、魚がフック部に喰いついたときにジグヘッドが水中で釣り糸の周囲を回転することにより、釣り糸に生じたよりを戻すことで絡みにくくするといった機能や、ジグヘッドにかかる力を適度に分散し、釣り糸が切れることを防ぐ機能を備えた、ジグヘッドを提供することを目的とする。さらには、当該ジグヘッドを使用した釣用仕掛けセットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るジグヘッドの特徴構成は、
ヘッド部とフック部とを一体化したジグヘッドであって、
前記ヘッド部に釣り糸を通す貫通孔が設けられており、
前記貫通孔は、前記釣り糸の入口の径(r)が、出口の径(r)の1.3〜3.0倍であることにある。
本構成のジグヘッドによれば、ヘッド部に釣り糸を通す貫通孔が設けられており、釣り糸が通しやすいように、釣り糸の入口の径(r)が出口の径(r)の1.3〜3.0倍に構成されている。釣り糸の入口の径が大きく構成されているため、釣り糸を通すことが容易となる。釣り糸をヘッド部に通し、片結び等の簡単な結び目を、貫通孔に通した釣り糸の上流側と下流側とに作成することで仕掛けが完成する。このような仕掛けは、魚がジグヘッドのフック部に喰いついたときに、ジグヘッドのヘッド部が釣り糸をスライド移動することができる構成となっているため、魚の引く力と釣り人の引く力とが、一点に集中することなく分散され、釣り糸が絡まったり、切れたりすることを防ぐことができる。また、ヘッド部は整流効果を備えており、疑似餌やエサに直接水流の影響を受けることを防ぐことから、疑似餌等が水中で自然な動きをすることができる。その結果、魚の警戒心を減らすことができる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記貫通孔は、前記ジグヘッドの軸に対して垂直に設けられていることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、ジグヘッドの軸に対して、貫通孔を垂直に設けることで、釣り糸がヘッド部の中央をまっすぐに通ることにより、ジグヘッドの軸に対して上半分と下半分との均整がとれるため、フック部に取り付けた疑似餌やエサの姿勢を適切な状態に保つことができるとともに、疑似餌等が水中で自然な動きをすることができる。その結果、魚の警戒心を減らすことができる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記貫通孔は、前記釣り糸の入口から出口方向にかけて径が連続的又は段階的に小さくなるように形成されていることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、釣り糸の入口から出口方向にかけて、径が連続的又は段階的に小さくなるように貫通孔を形成することで、釣り糸を貫通孔に通すことが容易になるとともに、水中でジグヘッドに取り付けた疑似餌やエサが不自然に動くことを防ぐことができる。また、貫通孔に通した釣り糸の上流側と下流側とに結び目を作成することで、ジグヘッドがそれらの結び目よりもさらに上流側や下流側に移動しないようにすることができる。その結果、水中の一定の層においてジグヘッドに取り付けた疑似餌やエサを自然な状態で浮遊させ、目的の層の魚を狙う事ができる。また、貫通孔をこのような構造とすることにより、ジグヘッドが釣り糸をスライド移動しやすくなり、ジグヘッドに取り付けた疑似餌やエサが水中で自然な動きをすることができるようになるとともに、魚がフック部に喰いついたときには、ジグヘッドのスライド移動により力が一点集中することなく分散され、釣り糸が切れにくくなる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記貫通孔は、少なくとも一部が円錐状に設けられていることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、貫通孔の少なくとも一部を円錐状の構造とすることで、釣り糸を通しやすくするとともに、水中で釣り糸が円滑にスライド移動することが可能となる。また、ジグヘッドのフック部に取り付けた疑似餌やエサが自然な動きをすることができるため、安定した釣果を得ることができる。さらに、魚がフック部に喰いついたとき、ジグヘッドがスライドして動くことで、魚の引く力と釣り人の引く力とが分散され、釣り糸が切れることを防ぐことができる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記ヘッド部の比重は、5.00以下であることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、ヘッド部の比重に応じて、目的の層にジグヘッドを漂わせることで、目的の層の魚を狙うことができる。本構成のジグヘッドのヘッド部の比重は、一般に使用されている鉛等の金属製の錘に比べて比重が小さいため、上層から下層まで幅広い層の魚を狙うことができる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記釣り糸の出口の径(r)は、0.2〜1.0mmであることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、小型から大型の魚用の釣り糸に対応することができ、海釣り、川釣りを問わず、目的に応じて幅広い釣りに使用することができる。また、太い釣り糸にも対応できるので、道糸とハリスとをつなげて使用しなくても、道糸をそのまま水中でハリスとして使用することもできる。太い釣り糸を使用する場合、糸を結ぶ力が強くなるため、通常はスナップ等が必要となるが、本構成のジグヘッドにおいては、簡単な結び目を作るだけで仕掛けが完成する。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記ヘッド部の材質は、樹脂、軽金属、又はこれらを組み合わせたものであることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、樹脂や軽金属は、一般的に使用されている鉛等の金属製のヘッド部より比重が小さい。樹脂を使用すると、中層から上層のうちの一定の深さの層にジグヘッドを漂わせることができる。また、軽金属を使用すると、ジグヘッドが水中をゆっくりと沈んでいき、中下層で漂うため、上層から下層までの幅広い層の魚の興味を引くことができる。さらに、樹脂に軽金属の粉末等を混合することで、ヘッド部の比重を調整することが可能となるため、目的の層の魚を狙う事ができる。
本発明に係るジグヘッドにおいて、
前記ヘッド部の外観は、色彩や光沢を有する透明乃至半透明であることが好ましい。
本構成のジグヘッドによれば、ジグヘッドのヘッド部を色彩や光沢を有する透明乃至半透明にすることで、水中において魚の興味を引くとともに、魚の攻撃性を増加させるため、釣果をさらに得ることができる。
上記課題を解決するための本発明に係る釣用仕掛けセットの特徴構成は、
前記何れか一つに記載のジグヘッドを使用したことにある。
本構成の釣用仕掛けセットによれば、前記のジグヘッドと仕掛けとをセットにしているため、この釣用仕掛けセットを釣竿に取り付けるだけで、初心者でも簡単に釣りを楽しむことができる。そして、本構成の釣用仕掛けセットは、水中での疑似餌やエサの姿勢を適切に保つことができため、ジグヘッドに取り付けた疑似餌等が水中で自然な動きをすることができる。また、魚がフック部分に喰いついたときに、ジグヘッドのヘッド部が釣り糸をスライド移動することで、魚の引く力と釣り人の引く力とが、一点に集中することなく分散され、釣り糸が絡まったり、切れたりすることを防ぐことができる。
第一実施形態〜第四実施形態にかかるジグヘッドの縦断面図である。 第一実施形態にかかるジグヘッドの貫通孔に釣り糸を通した状態の拡大図である。 第一実施形態にかかるジグヘッドに疑似餌を取り付けた使用状態を示す図である。 第五実施形態にかかるジグヘッドの縦断面図、及び横断面図である。 一般に使用されている従来のジグヘッドの縦断面図である。 ダウンショットリグに本発明のジグヘッドを使用した図である。 ノーシンカーリグに本発明のジグヘッドを使用した図である。 サビキ仕掛けに本発明のジグヘッドを使用した図である。
以下、本発明のジグヘッド、及びそのジグヘッドを用いた釣用仕掛けセットに関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
初めに、従来のジグヘッドについて、簡単に説明する。図5は、一般に使用されている従来のジグヘッド20の縦断面図である。従来のジグヘッド20は、ヘッド部2に釣り糸を結び付ける釣り糸連結部(ラインアイ21)があり、釣り糸がジグヘッド20から簡単に外れないように、特殊な結び方(例えば、クリンチノット、ユニノット、パロマーノット等)が必要である。そのため、初心者にとって、仕掛けを作成するのに時間がかかるといった問題があった。また、魚がフック部3にヒットした際、魚の引く力と釣り人の引く力とが釣り糸とラインアイ21との結び目に集中し、釣り糸が絡まったり、切れたりすることで魚に逃げられるという問題があった。本発明のジグヘッドは、ジグヘッドのヘッド部2に貫通孔を設け、釣り糸の入口を出口よりも大きい構造とすることで仕掛けの作成を容易にし、水中での疑似餌の姿勢を適切な状態に保ち、魚がフック部3に喰いついたときに釣り糸にかかる力を分散させることで、釣り糸が絡んだり、切れたりする問題を解決するものである。以下、本発明のジグヘッドの代表的な実施形態について説明する。
〔第一実施形態〕
図1(a)は、本発明の第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)の縦断面図である。ジグヘッド11A(11)は、ヘッド部2とフック部3aとを一体化して構成される。ヘッド部2は、錘として機能するとともに、フック部3aの軸に対して垂直方向に釣り糸を挿通させる貫通孔5が設けられる。フック部3aは、先端が貫通孔5の入口6側に曲げられることにより、釣り針として構成される。貫通孔5のサイズは、入口6の径(r)が出口7の径(r)よりも大きくなるように形成されている。貫通孔5の形状は、入口6側が円錐状となり、出口7側が円筒状となるように構成されている。本実施形態のジグヘッド11A(11)によれば、貫通孔5の入口6側が円錐状構造を有するため、釣り糸を入口6から挿入すると、出口7までスムーズに通り抜けることができる。また、貫通孔5の出口7側が円筒状構造を有するため、水中ではジグヘッド11A(11)が釣り糸に対して略垂直な状態を保つことができる。ジグヘッド11A(11)のヘッド部2は、本実施形態のような楕円体形状の他、ラウンド型、ヤジリ型、魚頭型形状等であってもよい。
〔第二実施形態〕
図1(b)は、本発明の第二実施形態にかかるジグヘッド11B(11)の縦断面図である。第二実施形態にかかるジグヘッド11B(11)は、第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)の貫通孔5の形状のみを変更したものである。従って、ヘッド部2及びフック部3aの説明については省略する。ジグヘッド11B(11)に設けられる貫通孔5は、入口6側から出口7側にかけて連続的に径が減少するように構成されている。本実施形態のジグヘッド11B(11)によれば、釣り糸を入口6から挿入すると、出口7までスムーズに通り抜けることができる。本実施形態の場合、貫通孔5の全長に亘って幅に余裕があるため、ジグヘッド11B(11)は水中でスライドしやすく、その結果、魚の引く力と釣り人の引く力とがより分散しやすくなる。
〔第三実施形態〕
図1(c)は、本発明の第三実施形態にかかるジグヘッド11C(11)の縦断面図である。第三実施形態にかかるジグヘッド11C(11)は、第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)の貫通孔5の形状のみを変更したものである。従って、ヘッド部2及びフック部3aの説明については省略する。ジグヘッド11C(11)に設けられる貫通孔5は、第二実施形態と同様に、入口6側から出口7側にかけて連続的に径が減少するものであるが、径の減少率が徐々に小さくなるように構成されている。本実施形態のジグヘッド11C(11)によれば、釣り糸を入口6から挿入すると、出口7までよりスムーズに通り抜けることができる。本実施形態の場合、貫通孔5の出口7側は円筒に近い形状となっているため、水中ではジグヘッド11C(11)が釣り糸に対して略垂直な状態を保つことができる。また、貫通孔5の全長に亘って幅に余裕があるため、ジグヘッド11C(11)は水中でスライドしやすく、その結果、魚の引く力と釣り人の引く力とがより分散しやすくなる。
〔第四実施形態〕
図1(d)は、本発明の第四実施形態にかかるジグヘッド11D(11)の縦断面図である。第四実施形態にかかるジグヘッド11D(11)は、第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)の貫通孔5の形状のみを変更したものである。従って、ヘッド部2及びフック部3aの説明については省略する。ジグヘッド11D(11)に設けられる貫通孔5は、入口6側から出口7側にかけて段階的に径が減少するように構成されている。本実施形態のジグヘッド11D(11)によれば、貫通孔の一部が円筒状構造を有するため、水中ではジグヘッド11D(11)が釣り糸に対して略垂直な状態を保つことができる。なお、図1におけるジグヘッド11D(11)は、貫通孔5の径が二段に設定されているが、三段以上に設定したものであってもよい。
貫通孔5は、釣り糸の入口6の径(r)が、出口7の径(r)の1.3〜3.0倍に設定され、好ましくは1.5〜2.5倍に設定される。釣り糸の入口6の径(r)が、出口7の径(r)の1.3倍より小さくなると、釣り糸の入口6の径と出口7の径との差を十分に確保できなくなる。そのため、釣り糸を通しやすくするために、入口6の径を大きくすると、出口7の径も大きくしなければならなくなり、ジグヘッド11を介した釣り糸の上流側と下流側との結び目を通り越してジグヘッド11がスライド移動し過ぎる虞がある。また、ジグヘッド11が移動し過ぎないようにするために、釣り糸の結び目を二重、三重にすると、釣り糸が不自然に曲がり、魚の警戒心が増す虞がある。一方、釣り糸の入口6の径(r)が、出口7の径(r)の3.0倍よりも大きくなると、水中でジグヘッド11が必要以上にぐらつき、ジグヘッド11に取り付けた疑似餌等の姿勢が適切な状態に保たれずに動きが不自然となり、魚の警戒心が増す虞がある。
図2は、第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)のヘッド部2の貫通孔5に釣り糸4を通した状態の拡大図である。ジグヘッドのヘッド部2の貫通孔5に釣り糸4を通し、貫通孔5に通した釣り糸4の上流側及び下流側に、夫々片結び等の簡単な結び目4a、4bを作成することにより仕掛けが完成する。図3は、ジグヘッド11A(11)に疑似餌12を取り付けた使用状態を示す図である。ジグヘッド11A(11)が釣り糸4の上流側の結び目4aと下流側の結び目4bとの間をスライドすることができるとともに、水中で疑似餌12が適切な姿勢を保つことができる。また、魚が疑似餌12に喰いついたときに、ジグヘッド11A(11)が釣り糸4をスライドするため、魚の引く力と釣り人の引く力とが分散され、釣り糸4が切れることを防ぐことができる。さらに、ジグヘッド11A(11)のヘッド部2に使用する材料の比重を変えることにより、上層から下層までの目的の層の魚を狙うことができる。
図4は、本発明の第五実施形態にかかるジグヘッド11E(11)の縦断面図(図4(a))、及び横断面図(図4(b))である。第五実施形態にかかるジグヘッド11E(11)は、第一実施形態にかかるジグヘッド11A(11)のフック部3aを変更したものである。本実施形態におけるフック部3bは、ヘッド部2と一体化する部分がリング状に構成されている。図4(b)に示すように、フック部3bのリング部分は、貫通孔5の周囲を取り囲むように設けられている。フック部3bのリング部分が、ヘッド部2の内部に存在することにより、ジグヘッド11E(11)の強度がさらに高まり、魚がフック部3bにヒットした際に強い力が加わっても、ジグヘッド11E(11)が破損することを防ぐことができる。なお、図4では、第一実施形態にかかるジグヘッド(図1(a))のフック部3aをフック部3bに変更した実施形態を図示しているが、第二実施形態にかかるジグヘッド(図1(b))、第三実施形態にかかるジグヘッド(図1(c))、又は第四実施形態にかかるジグヘッド(図1(d))のフック部3aを、第五実施形態に使用するフック部3bに変更してもよい。
ジグヘッド11のヘッド部2の比重は、5.00以下であることが好ましく、より好ましくは4.00以下である。ヘッド部2の比重が5.00より大きくなると、ジグヘッド11がすぐに水底へと沈んでしまうため、上層から下層までの魚をじっくりと狙うことができない。なお、ヘッド部2の比重が、1.00以下であると、水面に浮かぶため、カエル等の小動物の形状の疑似餌を取り付けて上層の魚を狙う事ができる。ヘッド部2の比重が1.00〜1.70であると、中層から上層を漂うため、この領域の層の魚を狙うことができる。ヘッド部2の比重が1.70〜5.00であると、水中をゆっくりと沈んでいくため、上層から下層まで幅広い層の魚の興味を引くことができる。
釣り糸4の出口7の径(r)は、0.2〜1.0mmであることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8mmである。出口7の径が0.2mmより小さくなると、最も径の小さい0.8号(標準直径0.15mm)の釣り糸であっても、貫通孔5に通すことが難しくなる。また、釣り糸4を通して仕掛けを作成できたとしても、釣り糸4が貫通孔5の出口7にひっかかり、水中でジグヘッド11が円滑にスライドし難くなる。そのため、ジグヘッド11に取り付けた疑似餌等に魚が喰いついたとき、魚の引く力と釣り人の引く力とが分散され難いため、釣り糸が絡まったり切れたりする虞がある。一方で、出口7の径が1.0mmを超えると、貫通孔5を通した釣り糸4の上流側の結び目4a及び下流側の結び目4bをジグヘッド11が通り抜けてしまう虞がある。また、釣り糸は、最も径の大きいもので30号(標準直径0.91mm)であるため、出口の径(r)が1.0mmあれば、十分対応することができる。
ジグヘッド11のヘッド部2の材質は、鉛、タングステン、亜鉛、ステンレス、ニッケル、チタン、鉄、アルミニウム、銅等の金属の他、セラミック、樹脂等の非金属を使用することができるが、樹脂又は軽金属が好ましい。樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂が挙げられる。樹脂は、一般的に使用されているジグヘッドのヘッド部の材質よりも比重が小さく、比重は1.05〜1.50であるため、中層から上層にかけてジグヘッド11を漂わせることができる。また、軽金属としては、アルミニウム、マグネシウム、ベリリウム、チタンが挙げられる。軽金属の比重も一般的に使用されているジグヘッドのヘッド部の材質よりも比重が小さく、1.70〜5.00であるため、ジグヘッド11が水中をゆっくりと沈んでいき、中下層で漂うため、上層から下層まで幅広い層の魚の興味を引くことができる。また、樹脂に軽金属の粉末等を混合することで、ヘッド部の比重を調整することが可能となるため、目的の層の魚を狙う事ができる。ヘッド部2の材質として樹脂や軽金属を使用した場合、加工がしやすいため、貫通孔5の形成やフック部3の取り付けがしやすく、製造コストを抑えることができる。
ヘッド部2の外観は、色彩や光沢を有する透明乃至半透明であることが好ましく、魚の警戒心を抑えつつ、興味を引かせるために、透明度を保つ範囲内で薄い色を付したり、ラメ粉末を混ぜて光沢を付することもできる。特にヘッド部2に樹脂を使用した場合は、様々な色彩やラメ粉末等によりデザインを施すことが可能であるため、模様のバリエーションや自由度が増すこととなる。
図6は、ダウンショットリグと呼ばれる仕掛けにジグヘッド1を使用した図である。この釣用仕掛けセット8においては、シンカー13を着底させて、釣り糸4を張っておくと、疑似餌12やエサを取り付けたジグヘッド1は一定の層に漂うことができるため、従来のダウンショットリグのように下層から中下層のみならず、中層から上層の魚も丹念に狙うことができる。また、ジグヘッド1のフック部3に魚が喰いついたとき、ジグヘッド1のヘッド部2が釣り糸4をスライドすることができるとともに、ヘッド部2が釣り糸4の周りを自由に回転することができるため、魚の引く力と釣り人の引く力とが分散される。その結果、釣り糸4が絡まったり、切れたりすることを防ぐことが可能となる。
図7は、ノーシンカーリグと呼ばれる仕掛けにジグヘッド1を使用した図である。この釣用仕掛けセット9においては、ジグヘッド1のヘッド部2の比重によって、上層から下層までの魚を狙うことができる。また、疑似餌12やエサが水流に乗って、本物の魚のような自然な動きをすることができるため、狙う魚へのアピールを高めることができる。魚が疑似餌12やエサに喰いついたときには、ジグヘッド1のヘッド部2が自由に回転することができるとともに釣り糸4をスライドすることができるため、魚の引く力と釣り人の引く力とが分散され、釣り糸4が絡まったり、切れたりすることを防ぐことができる。
図8は、サビキ仕掛けにジグヘッド1を使用した図である。この釣用仕掛けセット10においては、比重の異なるヘッド部2を使用したジグヘッド1を使用して、複数の層の魚を狙う事ができる。比重の小さい順に釣り糸4の上方から下方に取り付けて、各ジグヘッド上下間に結び目4a及び4b、4c及び4d、4e及び4fを作成して仕掛が完成する。魚が疑似餌12やエサに喰いついたときには、ジグヘッド1のヘッド部2が自由に回転することができるとともに上下にスライドすることができるため、一般に使用される枝糸を用いたサビキ仕掛けに比べ、釣り糸4が絡まったり、切れることを防ぐことができる。図8では、シンカー13を使用して、一定の層を丹念に狙う釣用仕掛けセットを示しているが、シンカーを取り付けずに、使用することも可能である。
本発明のジグヘッド、及び釣用仕掛けセットは、小型から大型の魚に適用することができ、ルアーフィッシング等のレジャーのみならず、漁業用にも使用することができる。本発明のジグヘッド、及び釣用仕掛けセットの利用場面としては、川、湖、海、ダム等が挙げられる。
1、11 ジグヘッド
2 ヘッド部
3(3a、3b) フック部
4 釣り糸
5 貫通孔
6 入口
7 出口
8 釣用仕掛けセット(ダウンショットリグ)
9 釣用仕掛けセット(ノーシンカーリグ)
10 釣用仕掛けセット(サビキ仕掛け)

Claims (9)

  1. ヘッド部とフック部とを一体化したジグヘッドであって、
    前記ヘッド部に釣り糸を通す貫通孔が設けられており、
    前記貫通孔は、前記釣り糸の入口の径(r)が、出口の径(r)の1.3〜3.0倍であるジグヘッド。
  2. 前記貫通孔は、前記ジグヘッドの軸に対して垂直に設けられている請求項1に記載のジグヘッド。
  3. 前記貫通孔は、前記釣り糸の入口から出口方向にかけて径が連続的又は段階的に小さくなるように形成されている請求項1又は2に記載のジグヘッド。
  4. 前記貫通孔は、少なくとも一部が円錐状に設けられている請求項3に記載のジグヘッド。
  5. 前記ヘッド部の比重は、5.00以下である請求項1〜4の何れか一項に記載のジグヘッド。
  6. 前記釣り糸の出口の径(r)は、0.2〜1.0mmである請求項1〜5の何れか一項に記載のジグヘッド。
  7. 前記ヘッド部の材質は、樹脂、軽金属、又はこれらを組み合わせたものである請求項1〜6の何れか一項に記載のジグヘッド。
  8. 前記ヘッド部の外観は、色彩や光沢を有する透明乃至半透明である請求項1〜7の何れか一項に記載のジグヘッド。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のジグヘッドを使用した釣用仕掛けセット。
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