JP2017186955A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気圧センサ及び筒内圧センサのいずれが故障しているのかを判断する。
【解決手段】内燃機関10の制御装置1は、内燃機関の気筒内の所定の基準圧力からの相対圧力を検出する筒内圧センサ44と、内燃機関の吸気圧力を検出する吸気圧センサ46と、筒内圧センサの出力値と吸気圧センサの出力値とに基づいて筒内絶対圧力を算出する筒内絶対圧力算出部50と、算出された筒内絶対圧力から図示熱効率を算出する図示熱効率算出部50と、算出された図示熱効率と目標図示熱効率との差分の絶対値が第1閾値よりも大きい場合、筒内圧センサが故障していると判定する筒内圧センサ故障判定部50と、算出された図示熱効率と目標図示熱効率との差分の絶対値が第1閾値以下であり、算出された筒内絶対圧力と目標筒内圧との差分の絶対値が第2閾値よりも大きい場合、吸気圧センサが故障していると判定する吸気圧センサ故障判定部50と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
正確な筒内絶対圧力を得るには、初期圧(吸気圧)と初期圧からの相対変化を正しく検出する必要があるため、吸気圧を検出する吸気圧センサ及び筒内相対圧力を検出する筒内圧センサのいずれもが正常であることが必要である。
特許文献1には、筒内圧センサの出力値、吸気圧、及び発熱量パラメータに基づいて、筒内圧センサの故障を判定する内燃機関の制御装置が開示されている。
特開2012−207656号公報
筒内圧センサは初期圧(例えば、吸気圧センサにより検出されるクランク角−180度における吸気圧)からの相対圧しか検出できないため、筒内絶対圧力は筒内圧センサの出力値を初期圧に基づいてオフセットすることによって得られる。そのため、吸気圧センサが故障していると、正しい筒内絶対圧力を得られない。
特許文献1では、筒内圧センサの故障判定に筒内絶対圧力を用いているが、吸気圧センサが故障していた場合、吸気圧センサの故障により正しい筒内絶対圧力が得られず、筒内圧センサは故障していないにも関わらず故障していると判定されるおそれがある。
そこで、本明細書開示の内燃機関の制御装置は、吸気圧センサ及び筒内圧センサのいずれが故障しているのかを判断することを課題とする。
かかる課題を解決するために、本明細書に開示された内燃機関の制御装置は、内燃機関の気筒内の所定の基準圧力からの相対圧力を検出する筒内圧センサと、前記内燃機関の吸気圧力を検出する吸気圧センサと、前記筒内圧センサの出力値と前記吸気圧センサの出力値とに基づいて筒内絶対圧力を算出する筒内絶対圧力算出部と、算出された前記筒内絶対圧力から図示熱効率を算出する図示熱効率算出部と、算出された前記図示熱効率と図示熱効率の目標値である目標図示熱効率との差分の絶対値が第1閾値よりも大きい場合、前記筒内圧センサが故障していると判定する筒内圧センサ故障判定部と、算出された前記図示熱効率と前記目標図示熱効率との差分の絶対値が前記第1閾値以下であり、算出された前記筒内絶対圧力と筒内絶対圧力の目標値である目標筒内圧との差分の絶対値が第2閾値よりも大きい場合、前記吸気圧センサが故障していると判定する吸気圧センサ故障判定部と、を備える。
本明細書開示の内燃機関の制御装置によれば、吸気圧センサ及び筒内圧センサのいずれが故障しているのかを判断することができる。
図1は、実施形態に係る内燃機関の制御装置を適用したエンジンシステムの構成を示す概略図である。 図2は、ECUが実行する故障判定処理の一例を示すフローチャートである。 図3は、エンジンのPV線図の一例である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
まず、図1を参照し、一実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、一実施形態に係る内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステム1の構成を示す概略図である。
図1に示すように、エンジンシステム1は、内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1では、エンジン10の1気筒のみを例示しているが、本発明は、単気筒を含む任意の気筒数のエンジンに適用可能である。
エンジン10は、各気筒の燃焼室14内(筒内)に吸入空気を吸い込む吸気通路18と、各気筒から排気ガスが排出される排気通路20と、を備えている。
吸気通路18には、アクセル開度等に基づいて吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22が設けられている。また、吸気通路18には、吸入空気量を検出するエアフロメータ42と、エンジン10の吸気圧に対応する信号を出力する吸気圧センサ46と、が設けられている。吸気圧センサ46は、例えば、吸気通路18が備えるサージタンクに設けられる。
排気通路20には、排気ガスを浄化する触媒24が設けられている。
エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が画成されており、ピストン12はクランクシャフト16に連結されている。クランクシャフト16には、クランクシャフト16の回転に同期した信号を出力するクランク角センサ40が設けられている。
また、各気筒には、吸気ポートに燃料を噴射する燃料噴射弁26と、筒内の混合気に点火する点火プラグ28と、吸気ポートを筒内に対して開閉する吸気バルブ30と、排気ポートを筒内に対して開閉する排気バルブ32とが設けられている。
さらに、各気筒には、筒内相対圧力に対応する信号を出力する公知のセンサにより構成される筒内圧センサ44が設けられている。
また、エンジンシステム1は、ECU(Electronic Control Unit)50を備えている。ECU50は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU50は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU50は、筒内絶対圧力算出部、図示熱効率算出部、筒内圧センサ故障判定部、及び吸気圧センサ故障判定部の一例である。
ECU50の入力側には、前述したクランク角センサ40、エアフロメータ42、筒内圧センサ44、及び吸気圧センサ46のほか、アクセル開度を検出するアクセル開度センサやその他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU50は、各種センサの出力値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ28、スロットルバルブ22、燃料噴射弁26等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。
また、ECU50は、筒内圧センサ44および吸気圧センサ46のいずれが故障しているのかを判定する故障判定処理を実行する。図2は、ECU50が実行する故障判定処理の一例を示すフローチャートである。図2の処理は、例えば、1サイクル毎に実行される。
まず、ECU50は、筒内圧センサ44の出力値と吸気圧センサ46の出力値とから、筒内絶対圧力Pcylを算出する(ステップS11)。
次に、ECU50は、図示熱効率ηを算出する(ステップS13)。より詳細には、ECU50は、図3に示すエンジン10のPV線図における圧縮工程〜膨張行程の面積を、投入熱量で除算して、図示熱効率ηを算出する。なお、図3のPV線図において、縦軸は、筒内絶対圧力Pcyl、横軸は筒内容積Vであり、Vtdc及びVbdcはそれぞれピストン上死点及び下死点の筒内容積を表す。なお、投入熱量は、燃料噴射量に燃料の低位発熱量を乗算することにより算出される。
次に、ECU50は、エンジン回転数とエンジン負荷率(吸入空気量)とに基づいて、図示熱効率の目標値である目標図示熱効率ηtrgを読み込む(ステップS15)。
続いて、ECU50は、目標図示熱効率ηtrgと図示熱効率ηとの差分の絶対値が、予め定められた閾値αよりも大きいか否か判断する(ステップS17)。閾値αは、条件によらず一定の値をとる。
ステップS17では、筒内圧センサ44が故障しているか否かを判断している。吸気圧センサ46の故障により筒内絶対圧力の値がずれたとしても、図3に示すPV線図の曲線は上下に移動するだけで曲線内の面積は変化しない。すなわち、図3の曲線内の面積は、筒内圧センサ44の出力値にのみ依存する。したがって、図3のPV線図における圧縮工程〜膨張行程の面積を投入熱量で除算して求められる図示熱効率ηの値も、筒内圧センサ44の出力値にのみ依存し、吸気圧センサ46の故障の影響を受けない。そのため、図示熱効率ηと目標図示熱効率ηtrgとの差分の絶対値が閾値αよりも大きいか否かを判断することにより、筒内圧センサ44が故障しているか否かを判断できる。
ステップS17の判断が肯定された場合、ECU50は、筒内圧センサ44が故障していると判定する(ステップS19)。
続くステップS21〜S29の処理は、筒内圧センサ44に加えて吸気圧センサ46も故障しているか否かを判断するための処理である。
まず、ECU50は、筒内圧センサ学習値を算出する(ステップS21)。筒内圧センサ学習値は、筒内圧センサ44が出力すべき正しい出力値に相当する。言い換えると、筒内圧センサ学習値は、故障していない筒内圧センサ44が出力する出力値に相当する。
筒内圧センサ44が故障している場合、筒内圧センサ44の出力値は誤った値となっている。そのため、ECU50は、ROM等の記憶装置に学習値として記憶されている筒内圧センサ44の出力値のずれ特性に基づき、筒内圧センサ44の出力値を補正し、正しい出力値に相当する筒内圧センサ学習値を算出する。なお、筒内圧センサ44の出力値のずれ特性は、図示熱効率ηと目標図示熱効率ηtrgとの差分に対して記憶されるため、ECU50は、図示熱効率η及び目標図示熱効率ηtrgを用いて、筒内圧センサ学習値を算出することができる。
次に、ECU50は、補正筒内絶対圧力Pcyl´を算出する(ステップS23)。補正筒内絶対圧力Pcyl´は、筒内圧センサ学習値と、吸気圧センサ46の出力値とに基づいて算出される。
次に、ECU50は、筒内絶対圧力の目標値である目標筒内圧Ptrgを読み込む(ステップS25)。
次に、ECU50は、目標筒内圧Ptrgと補正筒内絶対圧力Pcyl´との差分の絶対値が、閾値βよりも大きいか否かを判断する(ステップS29)。閾値βは、条件によらず一定の値をとる。
ステップS29では、吸気圧センサ46が故障しているか否かを判断している。補正筒内絶対圧力Pcyl´は、筒内圧センサ44の出力値を補正した筒内圧センサ学習値を用いて算出しているため、補正筒内絶対圧力Pcyl´と目標筒内圧Ptrgとの差分の絶対値が閾値βよりも大きい場合、吸気圧センサ46の出力値が正しくないと判断できる。したがって、目標筒内圧Ptrgと補正筒内絶対圧力Pcyl´との差分の絶対値が、閾値βよりも大きいか否かを判断することにより、吸気圧センサ46が故障しているか否かを判断することができる。すなわち、本実施形態の故障判定処理では、筒内圧センサ44及び吸気圧センサ46の両方が故障しているか否かも判断することができる。
ステップS29の判断が否定された場合、ECU50は、図2の処理を終了する。
一方、ステップS29の判断がYESの場合、ECU50は、吸気圧センサ46が故障していると判定する(ステップS35)。
ところで、目標図示熱効率ηtrgと図示熱効率ηとの差分の絶対値が、閾値α以下の場合(ステップS17/NO)、ECU50は、目標筒内圧Ptrgを読み込む(S31)。
次に、ECU50は、目標筒内圧Ptrgと筒内絶対圧力Pcylとの差分の絶対値が、閾値βよりも大きいか否か判断する(ステップS33)。
ステップS33では、吸気圧センサ46が故障しているか否かを判断している。筒内圧センサ44は故障していないため、筒内絶対圧力Pcylと目標筒内圧Ptrgとの差分の絶対値が閾値βよりも大きい場合、吸気圧センサ46の出力値が正しくないと判断できる。したがって、目標筒内圧Ptrgと筒内絶対圧力Pcylとの差分の絶対値が、閾値βよりも大きいか否かを判断することにより、吸気圧センサ46が故障しているか否かを判断することができる。
ステップS33の判断が否定された場合、ECU50は、図2の処理を終了する。
一方、ステップS33の判断がYESの場合、ECU50は、吸気圧センサ46が故障していると判定する(ステップS35)。
吸気圧センサ46が故障していると判定すると、ECU50は、吸気圧センサ学習値を算出する(ステップS37)。吸気圧センサ学習値は、吸気圧センサ46が出力すべき正しい値に相当する。言い換えると、吸気圧センサ学習値は、故障していない吸気圧センサ46から出力される出力値に相当する。ROM等の記憶装置には、筒内絶対圧力Pcyl又は補正筒内絶対圧力Pcyl´が目標筒内圧Ptrgからずれていた場合の、吸気圧センサ46の出力値のずれ特性が学習値として記憶されている。そこで、ECU50は、筒内絶対圧力Pcyl又は補正筒内絶対圧力Pcyl´と、目標筒内圧Ptrgと、を用いて、吸気圧センサ46の出力値を補正した吸気圧センサ学習値を算出する。そして、次に図2の処理を実行する場合、ECU50は、筒内絶対圧力Pcylの算出に、吸気圧センサ学習値を使用する。
ステップS37の後は、図2の処理を終了する。
なお、上記図2の故障判定処理において、ECU50は、筒内圧センサ44が故障していると判定した場合には(ステップS17/YES、ステップS19)、ステップS21〜S37の処理を行わず、図2の処理を終了してもよい。
以上、詳細に説明したように、本実施形態にかかるエンジンシステム1は、エンジン10の気筒内の所定の基準圧力からの相対圧力を検出する筒内圧センサ44と、エンジン10の吸気圧力を検出する吸気圧センサ46と、筒内圧センサ44の出力値と吸気圧センサ46の出力値とに基づいて筒内絶対圧力を算出し、筒内絶対圧力Pcylから図示熱効率ηを算出し、図示熱効率ηと目標図示熱効率ηtrgとの差分の絶対値が閾値αよりも大きい場合、筒内圧センサ44が故障していると判定し、図示熱効率ηと目標図示熱効率ηtrgとの差分の絶対値が閾値α以下であり、筒内絶対圧力Pcylと目標筒内圧Ptrgとの差分の絶対値が閾値βよりも大きい場合、吸気圧センサ46が故障していると判定するECU50と、を備える。吸気圧センサ46の故障の影響を受けない、筒内圧センサ44の出力値にのみ依存する図示熱効率ηを用いることにより、吸気圧センサ46の故障の有無に関わらず、筒内圧センサ44の故障の有無を判断することができる。また、筒内圧センサ44が故障していないと判定された場合には、吸気圧センサ46の出力値に依存する、筒内絶対圧力と目標筒内圧との差分を用いることにより、吸気圧センサ46の故障の有無を判断することができる。これにより、筒内圧センサ44及び吸気圧センサ46のいずれが故障しているのかを判断することができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 エンジンシステム(内燃機関の制御装置)
10 エンジン(内燃機関)
18 吸気通路
20 排気通路
44 筒内圧センサ
46 吸気圧センサ
50 ECU(筒内絶対圧力算出部、図示熱効率算出部、筒内圧センサ故障判定部、吸気圧センサ故障判定部)

Claims (1)

  1. 内燃機関の気筒内の所定の基準圧力からの相対圧力を検出する筒内圧センサと、
    前記内燃機関の吸気圧力を検出する吸気圧センサと、
    前記筒内圧センサの出力値と前記吸気圧センサの出力値とに基づいて筒内絶対圧力を算出する筒内絶対圧力算出部と、
    算出された前記筒内絶対圧力から図示熱効率を算出する図示熱効率算出部と、
    算出された前記図示熱効率と図示熱効率の目標値である目標図示熱効率との差分の絶対値が第1閾値よりも大きい場合、前記筒内圧センサが故障していると判定する筒内圧センサ故障判定部と、
    算出された前記図示熱効率と前記目標図示熱効率との差分の絶対値が前記第1閾値以下であり、算出された前記筒内絶対圧力と筒内絶対圧力の目標値である目標筒内圧との差分の絶対値が第2閾値よりも大きい場合、前記吸気圧センサが故障していると判定する吸気圧センサ故障判定部と、
    を備える内燃機関の制御装置。


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