JP2017186628A - スラグダーツ - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な機構を用いることなく、転炉の出鋼口に確実に差し込むことが可能なスラグダーツを提供する。
【解決手段】転炉の出鋼口からのスラグの流出を防止するスラグダーツであって、中空の軸心部と、出鋼口を封止する出鋼口封止部と、軸方向の中空部分を絞る絞り部と、を有する基体と、軸心部の内部に、基体に対して軸方向に移動可能に設けられた、絞り部から軸心部の先端までの長さよりも長く、絞り部に挿通された棒状の延長部材と、絞り部に対して軸心部の先端と反対側の、延長部材の一端側に設けられたストッパーと、を有する内挿部材とからなり、炉内挿入前は、内挿部材が、延長部材の先端が軸心部から突出しない位置で、転炉内温度で消失する材料からなる仮止め部材によって基体に仮止めされており、炉内挿入後、仮止め部材が消失し、内挿部材は基体に対してストッパーが絞り部に当接するまで軸方向に移動し、延長部材の先端が軸心部から突出する。
【選択図】図2

Description

本発明は、転炉の出鋼口からのスラグの流出を防止するスラグダーツに関する。
転炉内で処理された溶銑または溶鋼は、転炉を傾けて、転炉の側壁に設けられた出鋼口から排出される。排出前の転炉内の溶銑または溶鋼の上部にはスラグが浮遊しており、出鋼の際、溶銑または溶鋼とともにスラグも排出されると鋼の品質を低下させる要因となる。このため、出鋼時、スラグが転炉から流出する前に出鋼口を封止し、溶銑または溶鋼のみを出鋼させる必要がある。出鋼口の封止には、例えば出鋼口に差し込み出鋼口を封止するスラグダーツが用いられる。
例えば、特許文献1には、ガイド部にAlを45%以上含有することにより、高温強度および高温浸食性を改善し、ガイド部の溶損や折損の少ないスラグ流出防止具が開示されている。かかるスラグ流出防止具によれば、ガイド部の溶損や折損による短尺化を防ぐことにより、スラグ流出防止具が出鋼口に的確に挿入されることを実現している。
また、例えば特許文献2には、小容量であり、炉口径の小さな転炉に対して、スラグダーツを傾けて挿入することにより、スラグダーツを炉口との衝突を避けながら炉内に持ち込み、出鋼口に差し込むことを可能にしたスラグカット装置が開示されている。かかるスラグカット装置によれば、炉口径の小さな転炉に対しても比較的長尺のスラグダーツを使用することが可能となり、スラグダーツを出鋼口に的確に挿入させることができる。
特開2005−113192号公報 特開2003−96513号公報
しかし、上記特許文献1に記載のスラグ流出防止具は、スラグ流出防止具と炉口径とが衝突する可能性があるため、スラグ流出防止具の長さに制約があった。スラグ流出防止具の長さが短くなると、スラグ流出防止具を出鋼口に対して的確に挿入できる可能性が低下する。また、上記特許文献2に記載のスラグカット装置は、スラグダーツを旋回させるアーム先端部の機構が複雑であり、設備トラブルが発生する可能性が高い。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複雑な機構を備えるスラグカット装置を用いることなく、転炉の出鋼口に確実に差し込むことが可能な、新規かつ改良されたスラグダーツを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、転炉の出鋼口からのスラグの流出を防止するスラグダーツであって、中空の軸心部と、軸心部の外面に設けられ、出鋼口を封止する出鋼口封止部と、軸心部の内面に設けられ、軸方向の中空部分を絞る絞り部と、を有する基体と、軸心部の内部に、基体に対して軸方向に移動可能に設けられた、絞り部から軸心部の先端までの長さよりも長く、絞り部に挿通された棒状の延長部材と、絞り部に対して軸心部の先端と反対側の、延長部材の一端側に設けられたストッパーと、を有する内挿部材とからなり、炉内挿入前は、内挿部材が、延長部材の先端が軸心部から突出しない位置で、転炉内温度で消失する材料からなる仮止め部材によって基体に仮止めされており、炉内挿入後、仮止め部材が消失し、内挿部材は基体に対してストッパーが絞り部に当接するまで軸方向に移動し、延長部材の先端が軸心部から突出する、スラグダーツが提供される。
仮止め部材は、軸心部の先端に設けてもよい。これにより、スラグダーツを炉内に挿入した後、仮止め部材が速やかに消失し、スラグダーツの長尺化を速めることができる。
以上説明したように本発明によれば、複雑な機構を備えるスラグカット装置を用いることなく、転炉の出鋼口に確実に差し込むことができる。
本発明の一実施形態に係るスラグダーツを転炉内へ挿入する状態を示す説明図である。 同実施形態に係るスラグダーツの断面図であって、転炉内への挿入前の状態を示す。 同実施形態に係るスラグダーツの断面図であって、転炉内への挿入後の状態を示す。 同実施形態に係るスラグダーツの、溶鋼への投入後の挙動を示す説明図であって、軸心部が出鋼口の上方にあるときの状況を示す。 同実施形態に係るスラグダーツの、溶鋼への投入後の挙動を示す説明図であって、軸心部が出鋼口の上方からずれた位置にあるときの状況を示す。 従来のスラグダーツの、溶鋼への投入後の挙動を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.構成>
まず、図1〜図3に基づいて、本発明の一実施形態に係るスラグダーツ100の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係るスラグダーツ100を転炉内へ挿入する状態を示す説明図である。図2は、本実施形態に係るスラグダーツ100の断面図であって、転炉内への挿入前の状態を示す。図3は、本実施形態に係るスラグダーツ100の断面図であって、転炉内への挿入後の状態を示す。
[1−1.概要]
本実施形態に係るスラグダーツ100は、図1に示すように、転炉10の出鋼口12からのスラグの流出を防止するために使用される部材である。出鋼時、転炉10は、図1に示すように、転炉10の側壁に設けられた出鋼口12が下側となり、炉口11が水平方向を向くように傾けられる。転炉10が傾くと、炉内の溶鋼5は出鋼口12から排出される。ここで、炉内の溶鋼5の上方にはスラグ(図1には図示せず)が浮遊しており、スラグが溶鋼5とともに排出されると、鋼の品質を低下させてしまう。このため、溶鋼5がほぼ排出されたときに溶鋼5に浮遊するスラグが出鋼口12から排出されないように、出鋼口12がスラグダーツ100によって封止される。
スラグダーツ100は、スラグカット装置20のアーム24の先端に設けられ、アーム24がレール22をスライドして転炉10の炉口11から転炉10内に挿入されることにより、転炉10内へ挿入され、その後、溶鋼5上に落下される。そして、出鋼口12から溶鋼5が排出されるにつれてその流れに沿ってスラグダーツ100も出鋼口12に向かって移動し、スラグが排出される前に出鋼口12を封止する。
一般に、スラグダーツは、その長さが長いほど確実に出鋼口12を封止することができる。しかし、スラグダーツを挿入する転炉10のサイズによっては炉口11の炉口径が小さく、十分な長さのスラグダーツを炉内に挿入できない可能性がある。また、図1に示すように、炉口11には地金3が付着して実際の炉口径はさらに小さくなるため、スラグダーツの長さの制約はさらに厳しくなる。
そこで、本実施形態に係るスラグダーツ100は、炉内挿入時には転炉10の炉口径よりも短尺であり、炉内挿入後に長尺となる機構を有している。これにより、転炉10の炉口径によらずスラグダーツ100を炉内に容易に挿入可能であり、また、炉内で溶鋼5上に落下されたスラグダーツ100は、長尺となって出鋼口12を封止するため、より確実に出鋼口12を封止することができるようになる。
[1−2.スラグダーツの構成]
本実施形態に係るスラグダーツ100は、図2及び図3に示すように、基体110と、基体110の内部に設けられた内挿部材120との二重構造となっている。以下では、図2及び図3の紙面上下方向をスラグダーツ100の軸方向と称し、スラグダーツ100の軸方向下側を、出鋼口12に差し込まれる先端部とする。
(基体)
基体110は、スラグダーツ100の外郭を形成する部材であって、図2に示すように、中空の軸心部111と、軸心部111の外面に設けられ、出鋼口12を封止する出鋼口封止部113とを有する。
軸心部111は、例えば管状の部材であり、スラグダーツ100の軸心である。軸心部111の外面は、出鋼口封止部113が設けられている。軸心部111の外表面は、少なくとも出鋼口封止部113より先端部側が、耐火物117に覆われている。軸心部111の内部には、後述する内挿部材120が軸方向に移動可能に設けられる。ここで、軸心部111の内面には、内挿部材120が先端部側に移動したときに内挿部材120が基体110から離脱しないように、絞り部115が設けられている。
絞り部115は、軸心部111を軸方向に対して垂直に切断したときの中空部分の断面積を絞る部材である。絞り部115は、後述する内挿部材120の延長部材121を通過可能とするが、延長部材121の一端に設けられたストッパー123は通過できないようにする。これにより、延長部材121は、ストッパー123が絞り部115に当接するまで、軸心部111内を軸方向先端部側に向かって移動することができる。なお、本実施形態において、軸方向先端部側は、鉛直方向下側である。軸心部111の軸方向における絞り部115の設置位置により、長尺となったときのスラグダーツ100の最大長さが決定される。
出鋼口封止部113は、転炉10の出鋼口12を塞ぎ、スラグの流出を防止する部材である。出鋼口封止部113は、例えば、略半球形状の部材であって、曲面が軸方向下側を向くように設けられている。なお、出鋼口封止部113の形状はかかる例に限定されず、転炉10の出鋼口12の形状に応じて適宜変更可能である。
出鋼口封止部113は、軸心部111を含めた基体110全体の比重が、溶鋼5の比重よりも小さく、スラグの比重よりも大きくなるように、その比重が調整される。これにより、スラグダーツ100は、溶鋼5に浮き、かつ、溶鋼5の上面に浮くスラグには沈むようになるので、転炉10の出鋼口12から溶鋼5がほぼ排出され、スラグが排出される前に、出鋼口12が出鋼口封止部113によって封止されるようにすることができる。出鋼口封止部113の比重は、例えば耐火物に鉄粉を混ぜて調整することができる。例えば、出鋼口封止部113の比重は、基体110全体の比重が3.4以上3.9以下程度となるように調整してもよい。
(内挿部材)
内挿部材120は、スラグダーツ100が炉内に挿入された後に、スラグダーツ100を長尺化するための部材である。内挿部材120は、炉内挿入時には、図2に示すように軸心部111に完全に収容されており、炉内挿入後に、図3に示すように軸心部111の先端部から一部突出する。具体的には、内挿部材120は、軸心部111の絞り部115を通過可能な太さの棒状の延長部材121と、延長部材121の一端側に設けられたストッパー123とからなる。
延長部材121は、スラグダーツ100が炉内に挿入された後に軸心部111の先端部から延出される部材である。スラグダーツ100は、延長部材121の延出分だけ長尺化可能である。延長部材121の先端部と反対側には、ストッパー123が設けられている。
ストッパー123は、軸心部111の絞り部115に対して先端部と反対側に位置するように配置される。内挿部材120が軸心部111内を先端側に移動した際にストッパー123が絞り部115に当接することで図3に示す状態となる。これにより、内挿部材120が基体110から抜け落ちないようにすることができる。
ここで、ストッパー123に錘125を設けてもよい。スラグダーツ100は、溶鋼5に落下されると、軸心部111の先端側から溶鋼5やスラグが軸心部111内に入り込む。これらはストッパー123の先端側への移動の抵抗となり、延長部材121が先端側へスムーズに移動できなくなる。そこで、ストッパー123に錘125を設けてストッパー123の質量を増加させることで、軸心部111を先端部から逆流するスラグの抵抗を受けにくく、内挿部材120を確実に落下させることができる。錘125の質量は、実験を行い、適宜決定すればよい。
(長尺化機構)
本実施形態に係るスラグダーツ100は、基体110に対して、内挿部材120を、炉内挿入時には軸心部111に完全に収容させ、炉内挿入後に軸心部111の先端部から一部突出させる。このような機構を実現するため、本実施形態では、スラグダーツ100を炉内に挿入させるときの短尺状態において、図2に示すように、基体110の軸心部111の先端に仮止め部材130を設け、軸心部111の先端から内挿部材120の延長部材121が突出しないようにする。本実施形態では、短尺状態でのスラグダーツ100の全長(以下、「短尺時スラグダーツ全長」ともいう。)Aは、軸心部111の全長と同一である。
スラグダーツ100の炉内挿入時には、スラグダーツ100の破損防止等のため、スラグダーツ100と炉口とが衝突しないようにする必要がある。また、設備トラブル発生を低減するため、スラグダーツ100の炉内挿入は、例えば上記特許文献2に記載のようなスラグダーツを旋回させる複雑な機構を有する装置を用いることなく、スラグダーツ100の一端のみを支持してつり下げた状態で挿入するシンプルな装置で実施可能であることが望ましい。これより、スラグダーツ100の炉内挿入時には、スラグダーツ100の全長は、炉口径よりも小さくなるようにする。実際には、転炉10の炉口には地金3が付着しており、その厚み分だけ炉口径は小さくなる。したがって、短尺時スラグダーツ全長Aは、地金3が付着した炉口の炉口径B(図1参照。)よりも小さくなるように設定する。これにより、スラグダーツ100を炉口の開口方向に対して垂直にした状態で炉内へ挿入することが可能となる。
短尺状態のスラグダーツ100は、内挿部材120は、延長部材121の先端121aが仮止め部材130に接触して支持された状態となっている。このとき、ストッパー123は、絞り部115に当接していない状態で絞り部115の上方に位置している。仮止め部材130は、スラグダーツ100を炉内に挿入後、炉内の熱により消失する部材である。例えば、仮止め部材130は、炉内温度以下の融点を有する材料、または、炉内温度以下で酸化燃焼する材料から形成されるものであって、炉内温度で仮止め効果が無くなるもの(すなわち、仮止め効果が消失するもの)であればよい。具体的には、例えば炉内温度が約1000℃であるとき、耐熱温度が約200℃のエポキシ樹脂系接着剤、融点が1000℃未満の金属(例えばろう付けに用いるろう材)、あるいは木製の楔等を仮止め部材130として用いることができる。
仮止め部材130は、スラグダーツ100が炉内に挿入されると、炉内の熱により消失する。そうすると、図2に示した短尺状態において存在していた内挿部材120の支持がなくなり、内挿部材120はストッパー123が絞り部115に当接するまで落下する。ストッパー123が絞り部115に当接すると、スラグダーツ100は、図3に示すような長尺状態となる。
長尺状態でのスラグダーツ100の全長(以下、「長尺時スラグダーツ全長」ともいう。)Aは、図3に示すように、軸心部111の全長(すなわち、短尺時スラグダーツ全長A)と、軸心部111の先端から突出した延長部材121の突出長さとの和となる。ここで、スラグダーツ100の全長が長いほど、出鋼口12に対してスラグダーツ100をより確実に挿入できる。本実施形態に係るスラグダーツ100は、炉内挿入後の長尺時スラグダーツ全長Aを、地金3が付着した炉口の炉口径B以上長くすることが可能である。このように、スラグダーツ100を炉内に挿入された後に長尺化することで、出鋼口12をより確実に封止することができる。
なお、仮止め部材130による内挿部材120の仮止め位置は、図2に示すように軸心部111の先端に限定されず、スラグダーツ100が炉内へ挿入されるまでの間、内挿部材120が軸心部111に固定されていればよい。図2に示すように、溶鋼5の熱を受けやすい軸心部111の先端で内挿部材120を仮止めすることで、スラグダーツ100の炉内挿入後、速やかにスラグダーツ100を長尺化することができる。
<2.スラグダーツの挙動>
本実施形態に係るスラグダーツ100の炉内挿入後の挙動について、以下説明する。図4は、本実施形態に係るスラグダーツ100の、溶鋼5への投入後の挙動を示す説明図であって、軸心部111が出鋼口12の上方にあるときの状況を示す。図5は、本実施形態に係るスラグダーツ100の、溶鋼5への投入後の挙動を示す説明図であって、軸心部111が出鋼口12の上方からずれた位置にあるときの状況を示す。図6は、従来のスラグダーツ30の、溶鋼5への投入後の挙動を示す説明図である。図6に示すスラグダーツ30は、その全長が図2に示した短尺状態のスラグダーツ100の全長と等しく、溶鋼5への投入後もその長さは変化しない。
まず、本実施形態に係るスラグダーツ100は、炉内へ挿入されると、炉内の熱により仮止め部材130が消失し、図2に示した短尺状態から図3に示した長尺状態となる。なお、スラグダーツ100の長尺化は、炉内で行われればよく、溶鋼5への投入前であっても投入後であってもよい。溶鋼5に投入されたスラグダーツ100は、長尺状態で溶鋼5に浮く。
溶鋼5への投入後、図4左側に示すように、スラグダーツ100の先端部が出鋼口12に入れば、スラグダーツ100が出鋼口12から抜け出ることはなく、溶鋼5が炉外に流出して溶鋼面が下がるにつれて、スラグダーツ100の先端部がより深く出鋼口12に差し込まれる。そして、溶鋼5がほぼ炉外に流出されると、溶鋼5とスラグ7との境界面に位置していたスラグダーツ100の出鋼口封止部113は、図4右側に示すように、スラグ7が出鋼口12から排出される前に出鋼口12を塞ぐ。このように、スラグダーツ100は出鋼口12に投入されると、スラグ7が流出する前に確実に出鋼口12を封止することができる。
一方、図5左側に示すように、溶鋼5へ投入されたスラグダーツ100の先端部が出鋼口12に入らなかった場合にも、本実施形態に係るスラグダーツ100によれば、スラグ7が流出する前に確実に出鋼口12を封止することができる。この場合にも、溶鋼5へ投入されたスラグダーツ100は、仮止め部材130の消失により、内挿部材120の延長部材121が軸心部111から突出する。スラグダーツ100は、溶鋼5へ投入された直後は溶鋼5に浮いていても、溶鋼5が流出して溶鋼面が下がってくると、図5左側に示すように延長部材121の先端121aが転炉10の内壁面10aに接触するようになる。
ここで、本実施形態に係るスラグダーツ100では、延長部材121の先端121aのみが転炉10の内壁面10aと接触している。延長部材121は、軸方向に移動可能であり、また、スラグダーツ100の全質量よりも軽いため、先端121aと転炉10の内壁面10aとの接触抵抗は、スラグダーツ100の全質量が転炉10の内壁面10aに作用する場合と比較して小さくなる。したがって、スラグダーツ100の先端部が出鋼口12に入らなかった場合でも、スラグダーツ100は、先端121aが転炉10の内壁面10aと接触していても内壁面10aに沿って移動可能することができる。そして、スラグダーツ100が出鋼口12まで移動すると、図5中央に示すように先端部が出鋼口12に入り込み、その後はスラグダーツ100が出鋼口12から抜け出ることはない。
これに対して、軸心部31の長さは炉内挿入前後で変化しない従来のスラグダーツ30では、図6左側に示すように、溶鋼5へ投入されたスラグダーツ30の先端部が出鋼口12に入らなかった場合には、その後当該スラグダーツ30により出鋼口12を封止するのは難しい。溶鋼5が流出して溶鋼面が下がると、スラグダーツ30の先端35が転炉10の内壁面10aに接触する。このとき、軸心部31は軸方向に移動しないため、スラグダーツ30の全質量が転炉10の内壁面10aに作用し、先端35と転炉10の内壁面10aとの接触抵抗大きくなる。したがって、図6中央に示すように、スラグダーツ30の上部側の出鋼口封止部33が溶鋼5の流れにより移動したとしても、先端35が転炉10の内壁面10aとの高い接触抵抗のために移動することができない。そして、スラグダーツ30は、溶鋼面の低下に伴い大きく傾いていき、最後には図6左側に示すように出鋼口12に入り込めずに倒れてしまう。出鋼口封止部33により封止できなかった出鋼口12からはスラグ7が流出してしまう。
このように、本実施形態に係るスラグダーツ100は、軸心部111に対して延長部材121が軸方向に移動可能に構成されていることで、スラグダーツ100と転炉10の内壁面10aとの接触抵抗が小さいため、スラグダーツ100は移動することができる。したがって、投入当初にスラグダーツ100が出鋼口12に入らなかった場合でも、その後スラグダーツ100は出鋼口12に向かって移動し、軸心部111を出鋼口12に挿入させることができる。
図5の説明に戻り、先端部が出鋼口12に入り込んだスラグダーツ100は、溶鋼5が炉外に流出して溶鋼面が下がるにつれて、より深く出鋼口12に差し込まれる。そして、溶鋼5がほぼ炉外に流出されると、図5右側に示すように、スラグ7が出鋼口12から排出される前に出鋼口封止部113により出鋼口12が封止される。このように、スラグダーツ100が溶鋼5に投入された当初は先端部が出鋼口12に入り込んでいなくとも、徐々にスラグダーツは出鋼口12に向かって移動して先端部が出鋼口12に入り込み、スラグ7が流出する前に、より確実に出鋼口12を封止することが期待できる。
<3.まとめ>
以上、本発明の一実施形態に係るスラグダーツ100について説明した。スラグダーツ100は、炉内挿入時には転炉10の炉口径よりも短尺であり、炉内挿入後に長尺となる機構を有することで、転炉10の炉口径によらずスラグダーツ100を炉内に容易に挿入させることができる。また、炉内で溶鋼5上に落下されたスラグダーツ100は、長尺となって出鋼口12を封止する。スラグダーツ100の投入当初に軸心部111が出鋼口12に入り込んでいなくても、転炉10の内壁面10aに接触する内挿部材120が軸心部111に対して軸方向に移動可能に構成されているため、内壁面10aと内挿部材120との接触抵抗は小さく、スラグダーツ100は内壁面10aに沿って移動することができる。これより、スラグダーツ100は出鋼口12に向かって移動し、軸心部111を出鋼口12に挿入させることができる。このような長尺化機構により、出鋼口12からのスラグの漏えい量を低減することができる。
また、軸心部111と内挿部材120とを固定する仮止め部材を軸心部111の先端部に設けることで、仮止めを速やかに解除することができ、スラグダーツ100を迅速に長尺化することができる。これにより、スラグダーツ100を迅速に出鋼口12に挿入することができ、スラグの漏えい量を低減することが可能となる。さらに、本実施形態に係るスラグダーツ100は、例えば上記特許文献2に記載のようなスラグダーツを旋回させるスラグカット装置は不要であり、炉口径によらず長尺のスラグダーツを炉内に投入することができる。したがって、設備トラブルの発生も低減することができる。
上記本発明の実施形態に係るスラグダーツの有効性を検証すべく、炉口とスラグダーツとの衝突可能性、設備トラブル発生頻度およびスラグダーツ的中率についての評価を行った。実施例1として上記本発明の実施形態に係るスラグダーツについて検証し、比較例1〜3として炉内挿入前後で全長が変化しない従来のスラグダーツについて検証した。具体的には、実施例1のスラグダーツは、炉内挿入前の短尺時の全長が1000mm、炉内挿入後の長尺時の全長が1300mmである。比較例1のスラグダーツは、全長が1000mmと、実施例1の短尺時の全長と同一である。比較例2、3のスラグダーツは、全長が1300mmと比較例1よりも長尺であるが、比較例3のスラグダーツは、スラグダーツを旋回させて炉内に挿入するスイング機構を備えたスラグカット装置によって炉内に挿入される。比較例2のスラグダーツは、比較例3のようなスイング機構は備えておらず、比較例1及び実施例1と同様に、その長さのまま炉内に挿入される。
本実施例では、炉口径2000mmの転炉に対して、スラグダーツを炉内へ挿入し、出鋼口からのスラグの漏えい状況により、スラグダーツによる出鋼口の封止の可否を判定した。具体的には、実施例1及び比較例1〜3について、それぞれ30〜50回出鋼し、目視で出鋼口からのスラグの漏えい状況を判定した。そして、全出鋼回数に対する出鋼口からスラグが漏えいしなかった回数の比率をスラグダーツ的中率とした。
炉口とスラグダーツとの衝突可能性については、炉内へのスラグダーツ挿入時のスラグダーツの全長、及び、スラグダーツを炉内へ挿入するスラグカット装置がスラグダーツを旋回させるスイング機構を備えているか否かによって判定した。上述のように炉口径は2000mmであるが、操業中は炉口に地金が付着するため、実際の径は2000mmよりも小さくなる。そこで、本実施例においては、炉内挿入時のスラグダーツの全長が炉口径より半分より大きい場合に、炉口とスラグダーツとの衝突可能性が高いと判定した。また、スイング機構を備えるスラグカット装置としては、上記特許文献2に記載のスラグカット装置を想定し、スイング機構を備えていればスラグダーツを炉口に衝突させることなく挿入できると判定した。
設備トラブル発生頻度は、スラグカット装置のスイング機構の有無により判定した。スイング機構はその機構が複雑であるため、動作不良を生じやすい。そこで、本実施例においては、スイング機構を有するスラグカット装置を用いている場合には設備トラブルの発生頻度が高く、スイング機構を有していないスラグカット装置を用いている場合には設備トラブルの発生頻度は低いと判定した。
実施例1及び比較例1〜3の検証結果は、下記表1の通りである。
Figure 2017186628
比較例1については、スラグダーツが短尺であることから、スイング機構を有するスラグカット装置を用いることなく炉内に挿入可能である。したがって、炉口とスラグダーツとの衝突可能性はなく、スイング機構は有していないことから設備トラブルの発生頻度も低い。しかしながら、スラグダーツが短尺であるため、出鋼口に対するスラグダーツ的中率が78%と低かった。
比較例2については、スラグダーツが長尺であることから出鋼口に対するスラグダーツ的中率は比較例1と比較して高くなった。しかし、比較例2では、スラグダーツの炉内挿入の際、スイング機構を有していないスラグカット装置を用いているため、設備トラブルの発生頻度は低いものの、炉口とスラグダーツとの衝突可能性が高くなった。
比較例3については、比較例2と同様、スラグダーツが長尺であることから出鋼口に対するスラグダーツ的中率は比較例1と比較して高くなった。しかし、比較例3では、スラグダーツの炉内挿入の際、スイング機構を有するスラグカット装置を用いて、スラグダーツを旋回させて炉内に挿入させるため、炉口とスラグダーツとの衝突可能性はないものの、設備トラブルの発生頻度が高くなった。
一方、実施例1については、スラグダーツは、炉内挿入時は短尺であり、炉内挿入後は長尺となる機構を有する。このため、炉内挿入時に炉口とスラグダーツとの衝突可能性はなく、スイング機構を有するスラグカット装置も用いる必要がないため、設備トラブルの発生頻度も低い。また、炉内挿入後は長尺となるので出鋼口に対してスラグダーツが投入され易く、かつ、上述したように、スラグダーツの投入当初に出鋼口に投入されなくても、その後出鋼口まで移動可能であるため、当該スラグダーツは、より確実に出鋼口を塞ぐことが期待できる。本実施例での検証においても、当該スラグダーツは、比較例1〜3と比較した場合、スラグダーツ的中率が向上している。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
5 溶鋼
7 スラグ
10 転炉
20 スラグカット装置
100 スラグダーツ
110 基体
111 軸心部
113 出鋼口封止部
115 絞り部
120 内挿部材
121 延長部材
123 ストッパー
125 錘

Claims (2)

  1. 転炉の出鋼口からのスラグの流出を防止するスラグダーツであって、
    中空の軸心部と、
    前記軸心部の外面に設けられ、前記出鋼口を封止する出鋼口封止部と、
    前記軸心部の内面に設けられ、軸方向の中空部分を絞る絞り部と、
    を有する基体と、
    前記軸心部の内部に、前記基体に対して軸方向に移動可能に設けられた、
    前記絞り部から前記軸心部の先端までの長さよりも長く、前記絞り部に挿通された棒状の延長部材と、
    前記絞り部に対して前記軸心部の先端と反対側の、前記延長部材の一端側に設けられたストッパーと、
    を有する内挿部材とからなり、
    炉内挿入前は、前記内挿部材が、前記延長部材の先端が前記軸心部から突出しない位置で、転炉内温度で消失する材料からなる仮止め部材によって前記基体に仮止めされており、
    炉内挿入後、前記仮止め部材が消失し、前記内挿部材は前記基体に対して前記ストッパーが前記絞り部に当接するまで軸方向に移動し、前記延長部材の先端が前記軸心部から突出する、スラグダーツ。
  2. 前記仮止め部材は、前記軸心部の先端に設けられる、請求項1に記載のスラグダーツ。
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