この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図36は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は吸込具に電気掃除機を装着した状態を示す斜視図、図2は吸込具に電気掃除機を装着した状態を示す側面図、図3は吸込具に装着される電気掃除機の側面図、図4は図3の電気掃除機の縦断面図、図5は図3の電気掃除機を下側から見た斜視図である。
図6は吸込具を斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図7は図6の吸込具を斜め前方かつ斜め下方から見た斜視図、図8は吸込具が備える上ケースを斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図9は図8の上ケースを斜め後方かつ斜め下方から見た斜視図、図10は吸込具が備える下ケースを斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図11は図10の下ケースを斜め前方かつ斜め下方から見た斜視図、図12は図10の下ケースの上面図、図13は吸込具が備える回転ブラシカバーを斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図14は図13の回転ブラシカバーを斜め後方かつ斜め下方から見た斜視図である。
図15は吸込具が備える前車輪組立の斜視図、図16は図15の前車輪組立の平面図、図17は図15の前車輪組立からタイヤを外した状態を示す斜視図、図18は図15の前車輪組立が備えるタイヤの斜視図、図19は吸込具が備える掃除機固定具の斜視図、図20は吸込具が備える後車輪の斜視図、図21は吸込具が備える下カバー止め具の斜視図、図22は吸込具が備える下カバー組立を斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図23は図22の下カバー組立を斜め後方かつ斜め下方から見た斜視図、図24は吸込具が備える回転ブラシ組立の斜視図である。
図25は吸込具が備える継手部材を斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図26は図25の継手部材を斜め後方かつ斜め上方から見た斜視図、図27は図25の継手部材を斜め前方かつ斜め下方から見た斜視図、図28は吸込具が備える継手カバーの斜視図、図29は吸込具が備える前カバーを斜め前方かつ斜め上方から見た斜視図、図30は図29の前カバーを斜め後方かつ斜め下方から見た斜視図、図31は図6の吸込具を斜め後方かつ斜め上方から見た斜視図である。
図32から図34は、吸込具に電気掃除機を装着する際の掃除機固定具の動作を説明する図、図35は吸込具に電気掃除機を装着した状態の縦断面図、図36は吸込具から電気掃除機を取り外した状態の縦断面図である。
この発明の実施の形態1に係る吸込具1は、図1及び図2に示すように、電気掃除機4を装着して用いるものである。この吸込具1は、特に、電気掃除機4で寝具を掃除する際に好適である。ここでは、まず、電気掃除機4について説明してから、電気掃除機4に着脱される吸込具1について説明する。
以下の説明においては、吸込具1及び電気掃除機4の向きについて、以下のようにして定めた向きを必要に応じて用いる。まず、前後方向については、吸込具1の後述する吸込部2が配置された側を前とし、後述する掃除機取っ手505が配置された側を後とする。次に、水平面内において前後方向と直交する方向を左右方向とする。また、上下方向については、電気掃除機4を吸込具1に装着した状態で使用するときの上下方向に従う。すなわち、掃除機取っ手505が配置された側を上、後述する前車輪組立181及び後車輪241が配置された側を下とする。そして、塵埃を吸い込む気流の方向については、吸込具1の後述する吸込開口314の側を上流とし、電気掃除機4の後述する排気口509の側を下流とする。また、例えばゴミ、塵埃、毛髪、繊維くず等のように、電気掃除機4の清掃対象となる全ての物質を総称して「塵埃」と表記する。
この発明の実施の形態1に係る吸込具1とともに用いられる電気掃除機4は、吸込具1に代えて他のアタッチメントを装着することにより、単体でスティッククリーナーとして使用されるものである。図3から図5を参照しながら、電気掃除機4の構成を説明する。電気掃除機4は、その本体部分を構成する掃除機本体501と、後述の集塵ユニット531とを備えている。
掃除機本体501は、電動送風機502、電池ユニット520、掃除機取っ手505、掃除機吸込管507及び排気口509等を備えている。ここで、電動送風機502、電池ユニット520及び集塵ユニット531は、後述のように、互いに同径の円筒状に形成されている。そして、電気掃除機4は、集塵ユニット531が電動送風機502の前端面に着脱可能に取り付けられ、電池ユニット520が電動送風機502の後端面に取り付けられることにより、全体として細長い円筒状に形成されている。
電動送風機502は、掃除機本体501に塵埃を吸い込むための気流を発生させるもので、円筒状の送風機ケーシング521と、この送風機ケーシング521内に収納された電動モータ及びファン等の可動部とを備えている。電池ユニット520は、電池ケーシング522と、この電池ケーシング522内に収納された充電池504及び制御基板503とを備えている。電池ケーシング522は、掃除機取っ手505と対面する上面部が平坦に形成され、上面部以外が円筒状に形成されている。充電池504は、電気掃除機4の電源を構成するもので、電動送風機502、制御基板503等に電力を供給する。制御基板503は、電気掃除機4の動作を制御するもので、マイクロコンピュータ等を備えている。
掃除機取っ手505は、電気掃除機4の使用時に把持される部位であり、電池ユニット520の上面部に取り付けられ、前後方向に伸張している。掃除機取っ手505のうち人に把持されない前端部分は、電動送風機502の上面部まで伸張しており、この部位には、電気掃除機4の電源スイッチ等を含む操作部が配置されている。掃除機吸込管507は、被清掃面から吸い込んだ空気を集塵ユニット531に導入する管路である。掃除機吸込管507は、電動送風機502の前部側上面に固定されている。掃除機吸込管507は、掃除機取っ手505と直線状に並んだ状態で集塵ユニット531の上面部に沿って前後方向に伸張し、集塵ユニット531の前端面よりも前方に突出している。
掃除機吸込管507には、掃除機吸込口506及び吸込管吐出口508が形成されている。掃除機吸込口506には、吸込具1が着脱可能に接続される。吸込管吐出口508には、集塵ユニット531の流入側に着脱可能に接続される。掃除機吸込口506には、この実施の形態1で説明する吸込具1だけでなく、他の各種の吸込具、延長管(いずれも図示せず)等のアタッチメントが接続される。
掃除機吸込管507の前端側には、アタッチメントの着脱を行うための着脱ボタン510が配置されている。着脱ボタン510は、吸込具1側の接続掛け金受け373(後述)に掛け止めされる接続掛け金511(図4)と一体に形成されている。接続掛け金511は、使用者が着脱ボタン510を押すことにより接続掛け金受け373から外れた状態となり、アタッチメントの着脱が可能となる。
排気口509は、塵埃を除去した後の空気を電気掃除機4から排出するための開口部である。排気口509は、図3に示すように、例えば複数のスリットにより構成され、送風機ケーシング521のうち上部側を除く位置、すなわち、送風機ケーシング521の左右の側面部及び下面部に開口している。この構成によれば、排気口509の開口面積を大きく形成しつつ、掃除機取っ手505を把持した使用者の手等に排気が当たるのを抑制することができる。
なお、送風機ケーシング521の上部側には、排気口509と同様に見えるスリット状の凹部が形成されている。これらの凹部は、排気口509として機能しないが、排気口509と同一の円周状に並ぶことでデザイン性を向上させている。また、掃除機吸込管507の外側には、例えば集塵ユニット531の前端面に沿って突出する掃除機凸部512が取り付けられている。掃除機凸部512には、充電池504に充電するための充電端子513が配置されている。
次に、集塵ユニット531について説明する。集塵ユニット531は、掃除機本体501に着脱可能に取り付けられる。集塵ユニット531は、図4に示すように、例えば遠心力を利用して空気から塵埃を分離するサイクロン式の集塵装置により構成されている。集塵ユニット531は、集塵ケーシング523、隔壁536、集塵室537、集塵ユニット取っ手532、集塵ユニットレバー533、取っ手フランジ534、掃除機固定凸部受け535等を備えている。
集塵ケーシング523は、送風機ケーシング521及び電池ケーシング522と等しい外径を有する円筒形状に形成されている。隔壁536は、集塵ケーシング523内に同軸に配置され、先端側が開口した2重の円錐状に形成されている。集塵室537は、集塵ケーシング523の内周面と隔壁536の外周面との間に形成されている。そして、集塵ユニット531は、掃除機吸込口506から集塵ケーシング523内に流入する空気中の塵埃を除去して集塵室537に捕集し、塵埃を除去した後の空気を電動送風機502に向けて流出させる。ここで、前述したように、集塵ユニット531は、サイクロン式の集塵装置により構成されている。すなわち、集塵ユニット531の内部において含塵空気を中心軸のまわりに旋回させて含塵空気から塵埃を分離する。
集塵ユニット取っ手532は、集塵ユニット531を掃除機本体501から取り外すとき、及び、集塵室537内に溜まった塵埃を捨てるとき等に把持される部位であり、前後方向に伸張する細長い突起として形成されている。集塵ユニット取っ手532の前部側は、集塵ケーシング523の後部下端側の外周面に固着されている。また、集塵ユニット取っ手532の後部側は、電動送風機502の外周面と接触する位置まで伸張し、送風機ケーシング521に着脱可能に連結されている。
集塵ユニットレバー533は、集塵ユニット531と電動送風機502との連結を解除するときに操作されるもので、集塵ユニット取っ手532の下面部に配置されている。使用者は、集塵ユニットレバー533を操作することにより、集塵ユニット531を掃除機本体501から取り外すことができる。
取っ手フランジ534は、図5に示すように、集塵ユニット取っ手532の左右の側面の周縁部に形成された枠状の突起である。取っ手フランジ534は、集塵ユニット取っ手532を掴み易くする機能と、後述のように電気掃除機4を吸込具1に取り付けるときの掛け止め部としての機能とを有している。掃除機固定凸部受け535は、集塵ユニット取っ手532の前面部に開口する凹部である。吸込具1に電気掃除機4を装着した際に、掃除機固定凸部受け535内に吸込具1側の掃除機固定凸部125が挿入されるようになっている。
次に、吸込具1について説明する。吸込具1は、電気掃除機4に装着された状態で、例えば布団、絨毯、床面等の被清掃面を掃除するためのアタッチメントであり、特に布団等の寝具の表面を効率よく掃除する機能を有している。吸込具1は、電動送風機502の吸引力を利用して被清掃面から塵埃を吸い込み、この塵埃を空気と共に電気掃除機4の掃除機吸込口506に送り込むものである。
図6及び図7に示すように、吸込具1は、例えば上ケース101と下ケース261とを組み合わせることにより全体としてT字状に形成され、吸込具1の前端部を構成する吸込部2と、吸込部2の後端部に固定された掃除機装着部3とを備えている。吸込部2は、吸込口ノズルとして機能する部位であり、左右方向に細長く伸張している。
掃除機装着部3は、例えば扁平な四角形状の台座として形成され、吸込具1の左右方向の中間部から後方に伸張している。電気掃除機4は、掃除機装着部3に取り付けられた状態で、吸込部2に接続される。掃除機装着部3の機能は、電気掃除機4を下側から支持すること、寝具等の被清掃面上で電気掃除機4を使用するときの操作性及び使い勝手を向上させること、及び、電気掃除機4から下方にも吹き出す排気が被清掃面に直接当たるのを防止することである。
図6及び図7に示すように、吸込具1は、上ケース101及び下ケース261を備えている。上ケース101は、主に、吸込具1の上側の外殻を構成する部材である。上ケース101により、吸込部2の上側と掃除機装着部3の上側とが一体に形成される。下ケース261は、主に、吸込具1の下側の外殻を構成する部材である。下ケース261により、吸込部2の下側と掃除機装着部3の下側とが一体に形成される。
図8及び図9に示すように、上ケース101における吸込部2の上側を形成する部分には、前カバー装着部102、前カバー爪受け103、前カバー爪穴104、継手穴105、継手カバー装着部106及び継手カバー爪受け107が形成されている。
前カバー装着部102は、上ケース101における吸込部2の上側を形成する部分の上面に形成された凹部である。前カバー装着部102には、図6に示すように前カバー421が装着される。前カバー421の詳細については後述する。前カバー装着部102は、その周囲に比べ前カバー421の厚みとほぼ同等な深さで凹んでいる。そして、前カバー装着部102の輪郭は、前カバー421の外形に合わせた形状になっている。
前カバー爪受け103は、前カバー装着部102に前カバー421を取り付けた際に、前カバー421の後述する前カバー爪422を係合させる部位である。前カバー爪穴104は、前カバー爪受け103に前カバー爪422を係合させる際に、前カバー爪422を上ケース101の表側から裏側へと通すためのものである。前カバー爪穴104は、それぞれの前カバー爪受け103に対応して設けられている。そして、それぞれの前カバー爪受け103は、対応する前カバー爪穴104の奥に形成されている。
継手穴105は、上ケース101の表側と裏側とを貫通して形成された開口である。継手穴105には、後述する回転ブラシカバー141の継手部材装着部145が通される。継手カバー装着部106は、後述する継手カバー401を装着する部位である。継手カバー装着部106の輪郭は、継手カバー401の外形に合わせた形状をしている。継手カバー装着部106は、その周囲に比べ凹んでいる。継手カバー装着部106は、継手穴105の縁の外側に沿って設けられている。
図9に示すように、上ケース101の裏側の継手穴105の周囲には、継手カバー爪受け107が設けられている。継手カバー爪受け107は、継手カバー401の継手カバー爪402と係合する部位である。
図8に示すように、上ケース101における掃除機装着部3の上側を形成する部分の表側には、掃除機装着面108、掃除機逃げ凹み109、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110、集塵ユニットレバー逃げ凹み111、傾斜部112、排気口逃げ凹み113及び掃除機受け115が形成されている。
掃除機装着面108は、上ケース101の掃除機装着部3の上面のほぼ全域である。掃除機装着面108は、電気掃除機4の外形に合わせた形状で凹んでいる。掃除機逃げ凹み109は、掃除機装着面108のうち、電気掃除機4の排気口509に対向する位置から前方の部分である。ただし、掃除機装着面108のうち、排気口509に対向する部分は、後述する排気口逃げ凹み113に含まれ、掃除機逃げ凹み109には含まれない。
集塵ユニット取っ手逃げ凹み110は、掃除機装着面108のうち、電気掃除機4の集塵ユニット取っ手532に対向する位置から傾斜部112までの部分である。集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の中央部には、前後方向に沿ってさらに凹んだ集塵ユニットレバー逃げ凹み111が形成されている。
集塵ユニットレバー逃げ凹み111は、電気掃除機4を吸込具1に装着する際に、集塵ユニット取っ手532から突出する集塵ユニットレバー533が、掃除機装着面108と干渉するのを避けるためのものである。集塵ユニットレバー逃げ凹み111は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の底面部から始まり、傾斜部112、排気口逃げ凹み113と、上ケース101の掃除機装着部3の最後間まで続いている。このようにすることで、吸込具1に電気掃除機4を装着する際、集塵ユニットレバー533がどのような位置にあっても、集塵ユニットレバー533を動作させないようにすることができる。
掃除機装着面108のうち、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の後方側は、傾斜部112になっている。傾斜部112は、前方がより低く、後方にいくに従って次第に高くなる傾斜状になっている。傾斜部112の前端は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110に滑らかに接続されている。このように構成された傾斜部112は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110と排気口逃げ凹み113との間を、なだらかにつなぐ部分でもある。
排気口逃げ凹み113は、電気掃除機4の排気口509に対向する位置から後方の部分である。排気口逃げ凹み113は、掃除機逃げ凹み109より大きく凹んでいる。このため、吸込具1に電気掃除機4が装着された状態で、電気掃除機4の掃除機本体501と排気口逃げ凹み113との間に隙間が生じるようになっている。この隙間が、電気掃除機4の排気口509からの排気が通る排気風路となる。
上ケース101の掃除機装着部3の後端部分には、掃除機受け115が形成されている。掃除機受け115は、吸込具1に装着された電気掃除機4の後方部を支持するための部位である。ここでは、掃除機受け115は、排気口逃げ凹み113に形成されている。
図9に示すように、上ケース101における掃除機装着部3の上側を形成する部分の裏側には、掃除機固定具回動面(上ケース側)116、掃除機固定具軸117、掃除機固定具支持リブ(上ケース側)118、掃除機固定具開口(傾斜突起側)119、掃除機固定具開口(固定突起側)120、後車輪室(上ケース側)121及び後車輪軸受(上ケース側)122が形成されている。
掃除機固定具回動面(上ケース側)116は、上ケース101の裏側における集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の左右両側にそれぞれ形成された、円錐台状突起の端面である。掃除機固定具回動面(上ケース側)116は、後述する掃除機固定具211の掃除機固定具軸受214の端面を上側から押えるための面である。なお、掃除機固定具回動面(上ケース側)116は、吸込具1への電気掃除機4の装着方向と平行になるように形成される。このようにすることで、掃除機固定具211を、吸込具1への電気掃除機4の装着方向と平行に配置することができる。
掃除機固定具軸117は、それぞれの掃除機固定具回動面(上ケース側)116から突出して設けられている。この際の掃除機固定具軸117の突出方向は、掃除機固定具回動面(上ケース側)116に対して垂直である。掃除機固定具軸117は、掃除機固定具211が回転する際の支点となる。
なお、ここでは、掃除機固定具軸117の形状は、先細りのテーパー状になっている。これは、射出成形にて製造される上ケース101の抜き方向と、掃除機固定具211の配置角度とが異なっているためである。掃除機固定具軸117の形状を、上ケース101の射出成形時の抜き方向に合わせた角度のテーパー状にすることで、上ケース101の金型を、スライド機構を有しない簡潔なものにすることができる。
また、掃除機固定具軸117は、上ケース101と下ケース261をねじにて締結する際用いるねじボスを兼ねている。このようにすることで、掃除機固定具211が回転する際の支点となる掃除機固定具軸117の強度を向上することができるとともに、掃除機固定具211を上ケース101及び下ケース261へ強固に取り付けることができる。
掃除機固定具支持リブ(上ケース側)118は、上ケース101の裏側における掃除機固定具回動面(上ケース側)116の前後にそれぞれ形成されている。掃除機固定具支持リブ(上ケース側)118は、掃除機固定具211の回転時における、掃除機固定具211の後述する傾斜突起215及び固定突起216の移動を案内するための部位である。したがって、掃除機固定具支持リブ(上ケース側)118は、傾斜突起215及び固定突起216の移動する範囲に合わせた長さになっている。
集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の左右の両側壁のそれぞれには、掃除機固定具開口(傾斜突起側)119が形成されている。掃除機固定具開口(傾斜突起側)119は、掃除機固定具211の傾斜突起215が上ケース101の表側へと突出するための開口である。また、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の左右の両側壁のそれぞれには、掃除機固定具開口(固定突起側)120も形成されている。掃除機固定具開口(固定突起側)120は、掃除機固定具211の固定突起216が上ケース101の表側へと突出するための開口である。
上ケース101の後端部分には、後車輪室(上ケース側)121が形成されている。後車輪室(上ケース側)121が配置される位置は、掃除機受け115の裏側にあたっている。後車輪室(上ケース側)121は、前後左右の四方を囲うように設けられた壁部材の内側の空間である。後車輪室(上ケース側)121の内側には、後述する後車輪241のおおよそ上半分が収容される。
後車輪室(上ケース側)121を囲う壁部材のうちの左右に位置するものの下端部には、後車輪軸受(上ケース側)122がそれぞれ形成されている。後車輪軸受(上ケース側)122は、後車輪室(上ケース側)121の左右両側の壁部材の下端部が半円状に切り欠かれて形成される。後車輪軸受(上ケース側)122は、後車輪241の後述する後車輪軸243を支持するための部位である。
次に、図10から図12を参照しながら、下ケース261の構成について説明する。下ケース261は、主に、吸込具1の下側の外殻を構成する部材である。下ケース261により、吸込部2の下側と掃除機装着部3の下側とが一体に形成される。
下ケース261における吸込部2の下側を形成する部分には、下カバー収納部263、前側吸込口(下ケース側)264、被清掃面押えリブ(下ケース側)265、回転ブラシ軸受収納部266及び回転ブラシ軸端面受け267、大歯車室(下ケース側)268、前車輪室(下ケース側)269、前車輪開口270、外側前車輪軸受(下ケース側)271及び内側前車輪軸受(下ケース側)272、中央前車輪軸受(下ケース側)273、下カバー止め具装着部274及び乗り上げ突起(下ケース側)275、指掛け部凹み276、並びに、下カバー軸受(下ケース側)277が形成されている。
下カバー収納部263は、下ケース261の下面に形成された開口と、当該開口から下ケース261の内側へと続く空間とからなる。下カバー収納部263は、後述する下カバー組立311が収まるように形成された空間である。
下ケース261の下面における下カバー収納部263の開口より前方側には、前側吸込口(下ケース側)264が形成されている。前側吸込口(下ケース側)264が形成される部分の下ケース261の下面が、その周囲よりも上方に凹むことで、当該部分に開口が形成されている。この開口が前側吸込口(下ケース側)264である。前側吸込口(下ケース側)264は、吸込具1の前方にある比較的大きなゴミを吸い込むための開口である。前側吸込口(下ケース側)264は、下カバー収納部263の前端から下ケース261の前端部まで続いている。
前側吸込口(下ケース側)264には、複数の被清掃面押えリブ(下ケース側)265が設けられている。それぞれの被清掃面押えリブ(下ケース側)265は、前後方向に沿って配置されている。被清掃面押えリブ(下ケース側)265は、例えば、ふとんに掛けられたシーツまでも吸い込まぬよう、被清掃面を押え付けるための部位である。それぞれの被清掃面押えリブ(下ケース側)265の下端の位置は、前車輪組立181の前車輪走行面190と後車輪241の後車輪走行面242とに接する面(すなわち、被清掃面)より上側にある。このようにすることで、吸込具1がフローリング等の固い被清掃面で使用された場合でも、被清掃面押えリブ(下ケース側)265が被清掃面に当たることがないようにできる。
下カバー収納部263の左右両側には、回転ブラシ軸受収納部266がそれぞれ形成されている。下ケース261の下面における下カバー収納部263の左右両側にそれぞれ形成された開口と、当該開口から下ケース261の内側へと続く空間とからなる。回転ブラシ軸受収納部266は、下カバー組立311の後述する小歯車室(下カバー側)319が収まるように形成された空間である。それぞれの回転ブラシ軸受収納部266の左右の外側に設けられた壁の上部には、回転ブラシ軸端面受け267がそれぞれ形成されている。回転ブラシ軸端面受け267は、後述する回転ブラシ組立351の左右両側に取り付けられた回転ブラシ軸356の両端面を押えるための部位である。
それぞれの回転ブラシ軸受収納部266の後方には、大歯車室(下ケース側)268がそれぞれ設けられている。大歯車室(下ケース側)268は、後述する前車輪組立181の大歯車(駆動歯車)187のおおよそ下半分を収容するための空間である。それぞれの大歯車室(下ケース側)268の左右の外側には、前車輪室(下ケース側)269がそれぞれ設けられている。前車輪室(下ケース側)269は、前車輪組立181の前車輪部のおおよそ下半分を収容するための空間である。
それぞれの前車輪室(下ケース側)269の下端面は、下ケース261の下面において開口となっている。このそれぞれの前車輪室(下ケース側)269の下端の開口が、前車輪開口270である。前車輪開口270は、前車輪室(下ケース側)269に収容された前車輪組立181のタイヤ189の前車輪走行面190を、下ケース261の下面から下方に露出させるためのものである。
それぞれの前車輪室(下ケース側)269の左右の外側には、外側前車輪軸受(下ケース側)271がそれぞれ設けられている。それぞれの大歯車室(下ケース側)268の左右方向中心側には、内側前車輪軸受(下ケース側)272がそれぞれ設けられている。また、左右それぞれの大歯車室(下ケース側)268と前車輪室(下ケース側)269との間には、中央前車輪軸受(下ケース側)273がそれぞれ設けられている。これらの外側前車輪軸受(下ケース側)271、内側前車輪軸受(下ケース側)272及び中央前車輪軸受(下ケース側)273は、前車輪組立181の前車輪軸186を支持するための部位である。
それぞれの回転ブラシ軸受収納部266の左右の外側には、下カバー止め具装着部274がそれぞれ設けられている。下カバー止め具装着部274は、後述する下カバー止め具301を装着するための部位である。それぞれの下カバー止め具装着部274の上側には、乗り上げ突起(下ケース側)275がそれぞれ設けられている(図12)。乗り上げ突起(下ケース側)275は、下カバー止め具301の後述する乗り上げ突起(下カバー止め具側)303と組み合わせて用いられることにより、下カバー組立311の閉状態を保持及び解除する機能を実現するためのものである。
下ケース261の下面における、それぞれの乗り上げ突起(下ケース側)275の下側には、指掛け部凹み276がそれぞれ形成されている。指掛け部凹み276は、下カバー止め具301の後述する指掛け部304が収まるところである。指掛け部凹み276の外形は、指掛け部304の外形と指掛け部304がスライドする(この指掛け部304のスライドについては後述する)範囲とを合わせた形状になっている。また、指掛け部凹み276は、下ケース261の下面に対して指掛け部304の厚みより大きく上方に凹んでいる。このようにすることで、指掛け部304の下端を下ケース261の下面よりも上方に位置させることができ、指掛け部304と被清掃面との接触を防止することができる。なお、下ケース261の下面よりも凹んだ位置に指掛け部304が配置されるので、指掛け部304に指を掛けやすくするために、指掛け部凹み276の周囲になだらかな傾斜面が形成されている。
下カバー収納部263の後端部における左右両端部には、下カバー軸受(下ケース側)277がそれぞれ形成されている。下カバー軸受(下ケース側)277は、下カバー312の後述する下カバー軸322を支持するための部位である。
下ケース261における掃除機装着部3の下側を形成する部分には、掃除機固定具回動面(下ケース側)278、掃除機固定具支持リブ(下ケース側)279、後車輪室(下ケース側)280、後車輪開口281、後車輪軸受(下ケース側)282及び底面凹み283が形成されている。
上ケース101と下ケース261とを組み合わせた際に、掃除機固定具軸117と対向する位置には、掃除機固定具回動面(下ケース側)278が形成されている。掃除機固定具回動面(下ケース側)278は、円錐台状突起の端面である。掃除機固定具回動面(下ケース側)278は、掃除機固定具211の掃除機固定具軸受214の端面を下側から押えるための面である。なお、掃除機固定具回動面(下ケース側)278は、吸込具1への電気掃除機4の装着方向と平行になるように形成される。このようにすることで、掃除機固定具211を、吸込具1への電気掃除機4の装着方向と平行に配置することができる。
また、掃除機固定具回動面(下ケース側)278は、上ケース101と下ケース261をねじにて締結する際用いるねじ穴を兼ねている。このようにすることで、掃除機固定具211が回転する際の支点となる掃除機固定具軸117の強度を向上することができるとともに、掃除機固定具211を上ケース101及び下ケース261へ強固に取り付けることができる。
掃除機固定具支持リブ(下ケース側)279は、下ケース261の内側における掃除機固定具回動面(下ケース側)278の前後にそれぞれ形成されている。掃除機固定具支持リブ(下ケース側)279は、掃除機固定具211の回転時における、掃除機固定具211の傾斜突起215及び固定突起216の移動を案内するためのものである。したがって、掃除機固定具支持リブ(下ケース側)279は、傾斜突起215及び固定突起216の移動する範囲に合わせた長さになっている。
下ケース261の後端部分には、後車輪室(下ケース側)280が形成されている。後車輪室(下ケース側)280は、上ケース101と下ケース261とを組み合わせた際に、後車輪室(上ケース側)121と対向する位置に配置される。後車輪室(下ケース側)280は、前後左右の四方を囲うように設けられた壁部材の内側の空間である。後車輪室(下ケース側)280の内側には、後車輪241の後車輪軸243より下側の一部が収容される。
後車輪室(下ケース側)280の下端面は、下ケース261の下面において開口となっている。この後車輪室(下ケース側)280の下端の開口が後車輪開口281である。後車輪開口281は、後車輪241の後車輪走行面242を、下ケース261の下面から下方に露出させるためのものである。
後車輪室(下ケース側)280を囲う壁部材のうちの左右に位置するものの上端部には、後車輪軸受(下ケース側)282がそれぞれ形成されている。後車輪軸受(下ケース側)282は、後車輪室(下ケース側)280の左右両側の壁部材の上端部が半円状に切り欠かれて形成される。後車輪軸受(下ケース側)282は、後車輪241の後車輪軸243を支持するための部位である。
下ケース261の下面の一部は、上方に凹んで底面凹み283を形成している。下ケース261の下面に、底面凹み283を設けることで、例えば寝具等の柔らかい被清掃面と下ケース261の下面とが接触する面積を小さくして、被清掃面上で吸込具1を動かす際の接触抵抗を低減することができる。
図8及び図9に示すように、上ケース101には、複数のねじボス(上ケース側)123及びねじ穴(上ケース側)124が設けられている。また、図10及び図11に示すように、下ケース261には、複数のねじボス(下ケース側)285及びねじ穴(下ケース側)284が設けられている。これらのねじボス及びねじ穴は、上ケース101と下ケース261とを組み合わせたときに、対応するねじボスとねじ穴とが互いに対向するように配置されている。
これらのねじボスとねじ穴を用いてねじで締結することで、上ケース101と下ケース261とが組み合わされた状態で固定される。この際、上ケース101と下ケース261とが十分強固に組み合わされるように、これらのねじボスとねじ穴の配置が調整されている。
なお、上ケース101と下ケース261とを組み合わせたとき、後車輪室(上ケース側)121と後車輪室(下ケース側)280とが組み合わされて、後車輪室が形成される。このようにして形成された後車輪室は、吸込具1の他の内部空間とは隔離される。
次に、図13及び図14を参照しながら、回転ブラシカバー141の構成について説明する。回転ブラシカバー141は、上ケース101と下ケース261の間に挟まれるようにして、吸込部2の内部に固定される。回転ブラシカバー141は、吸込部2に取り付けられた回転ブラシ組立351の上方を覆うとともに、吸込部2の下面に形成される吸込開口314等から吸い込んだ塵埃を、電気掃除機4の集塵ユニット531へ運ぶ経路の一部を構成する。
回転ブラシカバー141は、主に塵埃の吸い込みに関連する構成と、主に回転ブラシ組立351の駆動に関連する構成とを備えている。まず、回転ブラシカバー141が備える主に塵埃の吸い込みに関連する構成について説明する。回転ブラシカバー141には、主に塵埃の吸い込みに関連して、回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142、円弧壁(回転ブラシカバー側)143、吸込風路(回転ブラシカバー側)144、継手部材装着部145及びねじボス(回転ブラシカバー側)147が形成されている。
回転ブラシカバー141の内側中央には、回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142が形成されている。回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142は、回転ブラシ組立351の上方を覆うように形成された空間である。回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142の上方には、円弧壁(回転ブラシカバー側)143が形成されている。円弧壁(回転ブラシカバー側)143の径は、回転ブラシ組立351の後述する植毛354の先端が描く円の径より、一定の余裕をもって大きくなっている。
回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142の前方から上方へかけて、吸込風路(回転ブラシカバー側)144が形成されている。吸込風路(回転ブラシカバー側)144は、後述する吸込風路(下カバー側)316と組み合わされて、吸込部2が吸い込んだ塵埃を集塵ユニット531へ運ぶ経路の最初の部分を構成する。吸込風路(回転ブラシカバー側)144の境界の一部は、円弧壁(回転ブラシカバー側)143の外壁により構成されている。
吸込風路(回転ブラシカバー側)144の上端部分には、継手部材装着部145が形成されている。継手部材装着部145には、継手部材371が装着される。継手部材装着部145は、継手部材371に設けられた後述する管路374の継手フランジ375より下方の部分を覆う壁部材からなる。継手部材装着部145は、回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142の上方に配置される。
継手部材装着部145の上端には、シール面146が形成されている。シール面146には、継手部材371の後述するシール部材391が当接する。継手部材装着部145の前側及び左右両側には、ねじボス(回転ブラシカバー側)147が設けられている。これらのねじボス(回転ブラシカバー側)147は、ねじで継手部材371を継手部材装着部145に締結する際に用いられる。
次に、回転ブラシカバー141には、主に回転ブラシ組立351の駆動に関連して、小歯車室(回転ブラシカバー側)148、外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149及び内側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)150、大歯車室(回転ブラシカバー側)151、前車輪室(回転ブラシカバー側)152、外側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)153、内側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)154及び中央前車輪軸受(回転ブラシカバー側)155、並びに、下カバー軸受(回転ブラシカバー側)156が形成されている。
小歯車室(回転ブラシカバー側)148は、回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142の左右両側にそれぞれ形成されている。小歯車室(回転ブラシカバー側)148は、回転ブラシ組立351が備える小歯車(被動歯車)357のおおよそ上半分を覆うように形成された空間である。
それぞれの小歯車室(回転ブラシカバー側)148の左右両側には、外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149及び内側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)150が設けられている。これらの外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149及び内側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)150は、回転ブラシ組立351の回転ブラシ軸356を支持するための部位である。
なお、これらの軸受のうち、回転ブラシ軸356の両端を支持する外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149が主たる軸受である。外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149の軸受面は、内側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)150より広くなっている。これは、被清掃面に対する反力、すなわち、吸込具1及び電気掃除機4の質量と使用者の操作力とを受け止めるのが上側の軸受だからである。
それぞれの小歯車室(回転ブラシカバー側)148の後方には、大歯車室(回転ブラシカバー側)151がそれぞれ設けられている。大歯車室(回転ブラシカバー側)151は、前車輪組立181が備える大歯車(駆動歯車)187のおおよそ上半分を覆うように形成された空間である。それぞれの大歯車室(回転ブラシカバー側)151の左右の外側には、前車輪室(回転ブラシカバー側)152が設けられている。前車輪室(回転ブラシカバー側)152は、前車輪組立181の前車輪部のおおよそ上半分が収容される空間である。
それぞれの前車輪室(回転ブラシカバー側)152の左右の外側には、外側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)153がそれぞれ設けられている。それぞれの大歯車室(回転ブラシカバー側)151の左右方向の中心側には、内側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)154がそれぞれ設けられている。それぞれの前車輪室(回転ブラシカバー側)152と大歯車室(回転ブラシカバー側)151との間には、中央前車輪軸受(回転ブラシカバー側)155がそれぞれ設けられている。
これらの外側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)153、内側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)154及び中央前車輪軸受(回転ブラシカバー側)155は、前車輪組立181の前車輪軸186を支持するための部位である。なお、これらの軸受のうち、前車輪軸186の左右両端を支持する外側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)153及び内側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)154が主たる軸受である。外側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)153及び内側前車輪軸受(回転ブラシカバー側)154の軸受面は、外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149と同様の理由により、中央前車輪軸受(回転ブラシカバー側)155よりも広くなっている。
回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142の後方の左右には、下カバー軸受(回転ブラシカバー側)156がそれぞれ設けられている。下カバー軸受(回転ブラシカバー側)156は、下カバー312の下カバー軸322を支持するための部位である。
なお、回転ブラシカバー141には、固定部157も形成されている。固定部157は、回転ブラシカバー141の周囲に、複数形成されている。ねじボス(上ケース側)123及びねじ穴(上ケース側)124、並びに、ねじボス(下ケース側)285及びねじ穴(下ケース側)284の先端部分を覆う形状の凹みが形成されている。固定部157は、上ケース101と下ケース261をねじにて締結する際、これらのねじボス及びねじ穴の間に挟み込まれる。このようにして、固定部157により、回転ブラシカバー141を吸込部2の内部における所定の位置に固定される。
次に、図15から図18を参照しながら、前車輪組立181の構成について説明する。前車輪組立181は、回転ブラシカバー141と下ケース261とを組み合わせた際に、前車輪室(回転ブラシカバー側)152及び前車輪室(下ケース側)269により形成される前車輪室に回転自在に装着される。前車輪組立181は、吸込具1を被清掃面上で動かした際における吸込具1と被清掃面との接触抵抗を減らして操作性を向上させるためのものである。さらに、吸込具1を被清掃面上で動かした際に生じる前車輪組立181の回転力は、回転ブラシ組立351の回転の駆動源として用いられる。
前車輪組立181は、その主体をなすリム182、前車輪軸186、大歯車(駆動歯車)187等が一体に形成された部材と、タイヤ189とで構成されている。リム182、前車輪軸186、大歯車(駆動歯車)187等が一体に形成された部材は、例えばプラスチック等の硬質材により構成される。タイヤ189は、例えばエラストマー等の軟質材により構成される。
リム182は、厚みのある円板状を呈する。リム182の外周面の両端部には、円周に沿って外側フランジ183及び内側フランジ184が形成されている。リム182の外周面には、回り止め突起受け185が形成されている。回り止め突起受け185は、リム182の外周面に形成された凹部である。
リム182の円板状の中心には、前車輪軸186が設けられている。前車輪軸186は、大歯車(駆動歯車)187及びタイヤ189を含む前車輪組立181の回転支点となる。前車輪軸186は、回転ブラシカバー141と下ケース261とが組み合わされた際に、外側前車輪軸受153、271と内側前車輪軸受154、272と中央前車輪軸受155、273とにより支持される。
前車輪軸186には、大歯車(駆動歯車)187が設けられている。リム182と大歯車(駆動歯車)187とは同軸、すなわち、リム182の回転軸と大歯車(駆動歯車)187の回転軸とは共通しており、この共通する回転軸が前車輪軸186である。大歯車(駆動歯車)187は、回転ブラシ組立351の小歯車(被動歯車)357と噛み合って動力を伝達するためのものである。前車輪軸186のリム182と大歯車(駆動歯車)187との間には、円板188が設けられている。円板188も、リム182及び大歯車(駆動歯車)187と同軸である。
リム182の外周面には、タイヤ189が装着される。タイヤ189は、吸込具1の使用時に被清掃面と接する部材である。タイヤ189の外周面には凹凸のパターン191が形成されている。タイヤ189の内周面には回り止め突起192が形成されている。回り止め突起192は、タイヤ189をリム182に装着した際に、リム182の回り止め突起受け185内にはまるようになっている。タイヤ189のパターン191の凸となっている最も外側の部分が前車輪走行面190を形成している。
次に、図19を参照しながら、掃除機固定具211の構成について説明する。掃除機固定具211は、吸込具1に電気掃除機4を装着した際、電気掃除機4の集塵ユニット取っ手532を、左右両側から固定するためのものである。掃除機固定具211は、上ケース101と下ケース261とが組み合わされた際に、掃除機固定具回動面(上ケース側)116と掃除機固定具回動面(下ケース側)278とに挟まれて、上ケース101と下ケース261との間に配置される。
掃除機固定具211は、左右対称な一対の部材と掃除機固定具ばね231とを備えている。掃除機固定具211が備える前記一対の部材のそれぞれには、腕部212、補強リブ213、掃除機固定具軸受214、傾斜突起215、固定突起216、逃げ面217及びばね掛け部218が形成されている。
腕部212及び補強リブ213は、断面が略コの字からなる、掃除機固定具211の主体をなすものである。腕部212及び補強リブ213の前後方向中央には、掃除機固定具軸受214が設けられている。掃除機固定具軸受214内には、上ケース101に形成された掃除機固定具軸117が挿入される。掃除機固定具軸受214の内面は、掃除機固定具軸117の形状に合わせて、テーパー状になっている。掃除機固定具211は、掃除機固定具軸受214を軸にして、予め定められた範囲内で両方向に回転可能に取り付けられる。
傾斜突起215は、腕部212の前側において左右方向の中心側に向けて突出して形成されている。傾斜突起215は、カムの働きを持つもので、吸込具1に電気掃除機4が装着される際に集塵ユニット取っ手532により押される部位である。固定突起216は、腕部212の後端部において左右方向の中心側に向けて突出して形成されている。固定突起216は、吸込具1に電気掃除機4が装着される際に、集塵ユニット取っ手532の取っ手フランジ534に係合する部位である。固定突起216の集塵ユニット取っ手532に対向する先端部には、逃げ面217が形成されている。逃げ面217は、固定突起216が集塵ユニット取っ手532に接触する面積を、必要最小限にするために形成されている。
掃除機固定具ばね231は、初張力を有する引張コイルばねである。掃除機固定具ばね231の両端には、丸フックが形成されている。掃除機固定具ばね231の丸フックは、腕部212の前端部に形成されたばね掛け部218にそれぞれ引っ掛けられる。掃除機固定具ばね231は、傾斜突起215が内側方向に移動し、固定突起216が外側方向に移動する向きに、掃除機固定具211を回転させるように付勢している。
次に、図20を参照しながら、後車輪241の構成について説明する。後車輪241は、掃除機装着部3の幅に見合った幅広の車輪である。後車輪241は、後車輪走行面242、後車輪軸243及び後車輪リブ244を備えている。後車輪走行面242は、中央部の外径より左右の端部の外径が小さい、樽形の面に形成されている。後車輪軸243は、後車輪走行面242の内周側に形成された後車輪リブ244により支持され、後車輪241の内部を貫通し、左右の先端は後車輪走行面242の左右両端部よりも突出している。
後車輪241は、吸込具1の後端部において、上ケース101と下ケース261とが組み合わされた際に、後車輪軸受(上ケース側)122と後車輪軸受(下ケース側)282とにより後車輪軸243が挟まれて回転自在に支持されている。後車輪241は、後車輪室(上ケース側)121と後車輪室(下ケース側)280とにより形成される後車輪室内にほぼ収容される。後車輪241は、吸込具1を被清掃面に対して移動させた際の吸込具1と被清掃面との抵抗を低減し、操作性を向上させるためのものである。
次に、図21を参照しながら、下カバー止め具301の構成について説明する。下カバー止め具301は、下カバー組立311が、下ケース261の下カバー収納部263内において、下ケース261の下面とほぼ平行な状態(これを「下カバー組立311の閉状態」と呼ぶ)を保持するためのものである。下カバー止め具301は、下ケース261の左右に形成された下カバー止め具装着部274に、スライド可能にそれぞれ装着されている。
下カバー止め具301は、止め部302、乗り上げ突起(下カバー止め具側)303及び指掛け部304を備えている。止め部302は、下カバー312の後述する止め具受け324に係合する部位である。乗り上げ突起(下カバー止め具側)303は、下カバー止め具301を左右方向にスライドさせた場合に、乗り上げ突起(下ケース側)275を乗り込えて移動する部位である。
下カバー止め具301をスライドさせて、乗り上げ突起(下カバー止め具側)303が、乗り上げ突起(下ケース側)275より左右方向の中心側に位置する時は、止め部302が左右方向の中心側に突出する。そして、突出した止め部302が止め具受け324内に挿入され、下カバー組立の閉状態を保持することができる。下カバー止め具301をスライドさせて、乗り上げ突起(下カバー止め具側)303が、乗り上げ突起(下ケース側)275より左右方向の外側に位置する時は、止め部302が引っ込んで止め部302は止め具受け324から外れる。この状態では、下カバー組立の閉状態を解除することができる。
下カバー組立の閉状態を保持する位置から解除する位置へ(又は逆に)下カバー止め具301をスライドさせる際には、乗り上げ突起(下カバー止め具側)303が、乗り上げ突起(下ケース側)275を乗り越える必要がある。これが下カバー止め具301をスライドさせる抵抗となり、意図せずに下カバー組立の閉状態を保持する位置から解除する位置へ(又は逆に)下カバー止め具301が移動してしまうことを防止することができる。
指掛け部304は、下カバー止め具301をスライドさせる際に使用者が操作するための部位である。なお、指掛け部304は、下カバー止め具301を下カバー止め具装着部274に装着した際、下ケース261に形成された指掛け部凹み276内に収まる。
次に、図22及び図23を参照しながら、下カバー組立311の構成について説明する。下カバー組立311は、その主体をなす下カバー312と傾斜パイル341とを備えている。下カバー組立311は、下ケース261に形成された下カバー収納部263に、開閉可能に装着されている。
下カバー312は、回転ブラシ室(下カバー側)313、吸込開口314、円弧壁(下カバー側)315、吸込風路(下カバー側)316、前側吸込口(下カバー側)317、被清掃面押えリブ(下カバー側)318、小歯車室(下カバー側)319、外側回転ブラシ軸受(下カバー側)320、内側回転ブラシ軸受(下カバー側)321、下カバー軸322、下カバー軸スリット323及び止め具受け324が形成されている。
回転ブラシ室(下カバー側)313は、回転ブラシ組立351のおおよそ下半分を覆うように形成された空間である。回転ブラシ室(下カバー側)313の下端面は開口されている。この開口が、吸込開口314である。吸込開口314は、下カバー312における被清掃面に対向する面に形成されている。吸込開口314は、被清掃面の塵埃を吸い込むための開口である。
円弧壁(下カバー側)315は、回転ブラシ室(下カバー側)313のおおよそ下半分の後方側を閉塞する壁である。円弧壁(下カバー側)315の径は、回転ブラシ組立351の後述する植毛354の先端が描く円の径より、一定の余裕をもって大きくなっている。吸込風路(下カバー側)316は、吸込風路(回転ブラシカバー側)144と組み合わされて、吸込部2が吸い込んだ塵埃を集塵ユニット531へ運ぶ経路の最初の部分を構成する。吸込風路(下カバー側)316は、回転ブラシ室(下カバー側)313の前方に形成されている。
吸込風路(下カバー側)316と壁部を隔てた下方側には、前側吸込口(下カバー側)317が形成されている。前側吸込口(下カバー側)317と吸込風路(下カバー側)316との間の壁部は、下カバー312の下面の他部よりも上方に凹んでいる。こうして、当該壁部と下カバー312の下面の他部を延長した面との間に空間が形成され、当該空間の下端面が前側吸込口(下カバー側)317として機能するようになっている。前側吸込口(下カバー側)317は、進行方向にある比較的大きなゴミを吸い込むための開口である。
前側吸込口(下カバー側)317には、複数の被清掃面押えリブ(下カバー側)318が設けられている。それぞれの被清掃面押えリブ(下カバー側)318は、前後方向に沿って配置されている。被清掃面押えリブ(下カバー側)318は、例えば、ふとんに掛けられたシーツまでも吸い込まぬよう、被清掃面を押え付けるための部位である。それぞれの被清掃面押えリブ(下カバー側)318の下端の位置は、前車輪組立181の前車輪走行面190と後車輪241の後車輪走行面242とに接する面(すなわち、被清掃面)より上側にある。このようにすることで、吸込具1がフローリング等の固い被清掃面で使用された場合でも、被清掃面押えリブ(下カバー側)318が被清掃面に当たることがないようにできる。
小歯車室(下カバー側)319は、回転ブラシ室(下カバー側)313の左右両側にそれぞれ形成されている。小歯車室(下カバー側)319は、回転ブラシ組立351が備える小歯車(被動歯車)357のおおよそ下半分を覆うように形成された空間である。それぞれの小歯車室(下カバー側)319の左右両側には、外側回転ブラシ軸受(下カバー側)320及び内側回転ブラシ軸受(下カバー側)321が設けられている。これらの外側回転ブラシ軸受(下カバー側)320及び内側回転ブラシ軸受(下カバー側)321は、回転ブラシ組立351の回転ブラシ軸356を支持するための部位である。
下カバー312の後部の左右両端には、下カバー軸322がそれぞれ設けられている。各下カバー軸322は、下カバー312の後部の左右両端から、左右外側に向かって突出している。各下カバー軸322は、下カバー軸受(下ケース側)277と下カバー軸受(回転ブラシカバー側)156とで形成された下カバー軸受内に配置される。下カバー軸322は、下カバー組立311が下ケース261に対して回転する際の軸となる部位である。
各下カバー軸322の先端には、下カバー軸スリット323が形成されている。下カバー軸スリット323は、下カバー軸322が軸方向に引っ込み易くなるよう設けたものである。これにより、下カバー組立311が開いた状態で過負荷が加わっても、破損することなく下カバー組立311を取り外すことができる。
下カバー312の前部の左右両端部には、止め具受け324が設けられている。各止め具受け324は、小歯車室(下カバー側)319の左右の外側に配置されている。各止め具受け324は、左右の外側に向けて開放された凹部を備えている。各止め具受け324は、下カバー組立311が閉状態のときに、下カバー止め具301の止め部302が挿入される部位である。
下カバー312の下面(すなわち、被清掃面に対向する面)における吸込開口314より後方には、傾斜パイル貼付け部325が形成されている。そして、傾斜パイル貼付け部325には、傾斜パイル341が、例えば両面テープ等を用い固着されている。傾斜パイル341は、被清掃面から塵埃を取り除くためのものである。傾斜パイル341は、特に、繊維に絡みついた塵埃を取り除くのに適している。
次に、図24を参照しながら、回転ブラシ組立351の構成について説明する。回転ブラシ組立351は、回転ブラシ室(回転ブラシカバー側)142と回転ブラシ室(下カバー側)313とが組み合わされて構成される回転ブラシ室内に回転自在に取り付けられる。回転ブラシ組立351は、被清掃面の塵埃をかき上げるためのものである。回転ブラシ組立351は、植毛支持具352、植毛354、キャップ355、回転ブラシ軸356及び小歯車(被動歯車)357を備えている。なお、キャップ355、回転ブラシ軸356及び小歯車(被動歯車)357は、一体に形成されている。
植毛支持具352は、軸方向に細長い円筒状の部材である。植毛支持具352の円筒面には、複数の植毛装着溝353が螺旋状に形成されている。複数の植毛装着溝353には、植毛354がそれぞれ取り付けられている。植毛354は、複数の繊維を束ねたもので、実際に被清掃面と接する部材である。
植毛支持具352の軸方向の両端面には、キャップ355、回転ブラシ軸356及び小歯車(被動歯車)357が一体に形成された部材がそれぞれ取り付けられている。当該部材は、特にキャップ355が植毛支持具352の両端面に取り付けられることで、植毛支持具352に取り付けられる。各キャップ355は、例えば接着剤等を用いて植毛支持具352に固着されている。キャップ355は、複数の植毛装着溝353に装着された植毛354が、その植毛装着溝353の端部から抜け落ちるのを防止するものである。
それぞれのキャップ355からは、回転ブラシ軸356が突出して設けられている。回転ブラシ軸356は、植毛支持具352の軸の延長上に沿って配置されている。回転ブラシ軸356は、外側回転ブラシ軸受及び内側回転ブラシ軸受により支持される。外側回転ブラシ軸受は、外側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)149と外側回転ブラシ軸受(下カバー側)320とが組み合わされて構成される。内側回転ブラシ軸受は、内側回転ブラシ軸受(回転ブラシカバー側)150と内側回転ブラシ軸受(下カバー側)321とが組み合わされて構成される。回転ブラシ軸356は、回転ブラシ組立351の回転軸となる。
各回転ブラシ軸356には、小歯車(被動歯車)357がそれぞれ設けられている。植毛支持具352と各小歯車(被動歯車)357とは同軸、すなわち、植毛支持具352の回転軸と各小歯車(被動歯車)357の回転軸とは共通しており、この共通する回転軸が回転ブラシ軸356である。小歯車(被動歯車)357は、前車輪組立181の大歯車(駆動歯車)187と噛み合って、大歯車(駆動歯車)187から動力を受け取るためのものである。
次に、図25から図27を参照しながら、継手部材371の構成について説明する。継手部材371は、図6等に示すように、吸込具1の吸込部2の上面部分に取り付けられ、当該上面部分から上方へと突出して配置される。継手部材371は、電気掃除機4の掃除機吸込口506と、機械的かつ風路的に接続されるとともに、吸込具1が吸い込んだ塵埃を電気掃除機4の集塵ユニット531へ運ぶ経路の一部を構成する部材である。継手部材371は、継手372、接続掛け金受け373、管路374、継手フランジ375、ねじ切欠き376、シール部材装着部377、前立て378、前立てつば379及び継手押えリブ受け380を備えている。
継手372は、中空で、根元の外径より先端の外径が小さい、先細りのテーパー状に形成されている。継手372は、一端が管路374の上端に接続され、一端から他端にかけて後方かつやや斜め上方に向けて延びるように配置されている。継手372の他端側は、電気掃除機4の掃除機吸込口506と接続される。継手372の前記他端側の上面には、接続掛け金受け373が形成されている。接続掛け金受け373は、掃除機吸込口506の接続掛け金511が係合する凹部である。
継手372の前記一端には、管路374の上端が接続されている。管路374は、吸込具1が吸い込んだ塵埃を集塵ユニット531へ運ぶ経路の一部である。管路374は、吸込風路(回転ブラシカバー側)144と吸込風路(下カバー側)316とが組み合わされて構成される吸込風路と、継手372とを接続する風路を構成している。管路374は、上下方向に沿って配置されている。
管路374の下端部には、継手フランジ375が形成されている。継手フランジ375は、管路374の下端部において全周にわたって外周方向に突出するようにして設けられている。継手フランジ375は、継手部材371を回転ブラシカバー141の継手部材装着部145に装着する際に上下方向の押えになる部材である。継手フランジ375の後端は、前立て378と結合されている。
継手フランジ375の前部及び左右両部には、ねじ切欠き376が形成されている。ねじ切欠き376は、ねじで継手部材371を継手部材装着部145に締結する際に用いる部位である。ねじ切欠き376を補強するために、各ねじ切欠き376の近傍には、継手フランジ375と管路374をつなぐ補強リブが設けられている。
特に図27に示すように、管路374の下端部外周における継手フランジ375の下縁部には、シール部材装着部377が設けられている。シール部材装着部377は、継手フランジ375の全周にわたって溝状に形成されている。シール部材装着部377には、シール部材が装着される。シール部材は、継手部材371と継手部材装着部145との間の空気漏れを防止するためのものである。
管路374の後方には、前立て378が設けられている。前立て378は平板状を呈する。前立て378は、継手フランジ375の後端から継手372の前部にかけて、管路374の後側に上下に配置される。前立てつば379は、前立て378の外周全体の部位である。前立てつば379は、継手部材371と上ケース101及び継手カバー401との係合を安定させるために用いられる。
継手372の前部上面における前立て378よりも前側には、継手押えリブ受け380が設けられている。継手押えリブ受け380は、継手372の前部上面から上方に突出した板状の部材である。継手押えリブ受け380と、前立て378との間には一定の間隔が形成されている。継手押えリブ受け380は、継手部材371と継手カバー401との係合を安定させるためのものである。
次に、図28を参照しながら、継手カバー401の構成について説明する。継手カバー401は、例えば図1、2、6、7等に示すように、吸込具1の吸込部2における上面に、継手部材371の前側を覆うようにして取り付けられる。継手カバー401は、継手カバー爪402、前立てつば受け403及び継手押えリブ404を備えている。継手カバー401の下面と後面とは開放されている。
継手カバー401の下端における左右両側には、継手カバー爪402がそれぞれ下方に突出して設けられている。これらの継手カバー爪402を継手カバー爪受け107へと係合させることで、継手カバー401が上ケース101の継手カバー装着部106に装着される。継手カバー401の後端面には、前立てつば受け403が形成されている。前立てつば受け403は、継手カバー401と継手部材371の前立てつば379との係合を安定させるための部位である。
継手カバー401の後端部における上面の内側には、複数の継手押えリブ404が形成されている。継手押えリブ404は、継手カバー401の上面内側から下方に突出している。継手カバー401を取り付ける際、継手押えリブ404の先端部が継手押えリブ受け380と前立て378との間に入り、継手カバー401と継手部材371との係合を安定させることができる。なお、継手カバー401の上面部分は、継手372に接続された掃除機吸込管507の上面部と滑らかに連なるような形状をしている。
次に、図29及び図30を参照しながら、前カバー421の構成について説明する。前カバー421は、例えば図6等に示すように、吸込具1の吸込部2の上面前端部に取り付けられる。前カバー421は、吸込具1の意匠性を向上させるものである。前カバー421の上面は、例えば塗装、シルクスクリーン印刷等により加飾されている。前カバー421の例えば前端部及び後端部には、複数の前カバー爪422が下方に突出して設けられている。これらの前カバー爪422を前カバー爪受け103へ係合させることで、前カバー421が、上ケース101の前カバー装着部102に装着される。
なお、図31に示すように、上ケース101の集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の前端面には、掃除機固定凸部125が形成されている。掃除機固定凸部125は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の前端面の上端部から後方に向けて突出して設けられている。掃除機固定凸部125は、前述したように、吸込具1に電気掃除機4を装着した際に、掃除機固定凸部受け535内に挿入される部位である。
全体として以上のように構成された吸込具1の要部の構成について、さらに詳しく説明する、この発明の実施の形態1に係る吸込具1は、これまでに説明した通り、下面に吸込口(吸込開口314)が形成された吸込部2と、吸込部2に設けられ、一端側が吸込開口314に通じ、他端部に掃除機吸込管507が接続される継手部材371と、吸込部2の後端から後方に延びて設けられ、電気掃除機4の掃除機本体501を下側から支持する掃除機装着部3と、を備えている。
そして、この発明の実施の形態1に係る吸込具1は、さらに、継手部材371の他端部(後端部)に掃除機吸込管507が接続された状態を保持する第1の保持手段と、掃除機装着部3の上面部で電気掃除機4の掃除機本体501を下側から支持した状態を保持する第2の保持手段と、を備えている。
ここで、前述したように、掃除機吸込管507の先端部には、接続掛け金511が設けられている。そして、電気掃除機4が吸込具1に装着された状態では、接続掛け金511が継手372の後端部の上面に設けられた接続掛け金受け373に掛け止めされて、継手部材371の他端部(後端部)に掃除機吸込管507が接続された状態が保持される。したがって、継手部材371に設けられた接続掛け金受け373が、吸込具1の第1の保持手段に相当している。
さらに、前述したように、接続掛け金511は、使用者が着脱ボタン510を押すことにより接続掛け金受け373から外れ、吸込具1から電気掃除機4を外すことができる状態となる。すなわち、第1の保持手段はラッチ式である。なお、第1の保持手段は、継手部材371の他端部(継手372の後端部)に形成されたテーパーを利用して継手部材371の他端部に掃除機吸込管507が接続された状態を保持する圧入式としてもよい。
また、吸込具1には、吸込具1に電気掃除機4を装着した際に電気掃除機4の集塵ユニット取っ手532を左右両側から固定して保持する掃除機固定具211が設けられている。この掃除機固定具211は、掃除機装着部3の上面部で掃除機本体501を下側から支持した状態を保持する第2の保持手段に相当している。
このように、第1の保持手段により継手部材371に掃除機吸込管507が接続された状態を保持し、同時に、第2の保持手段により、掃除機装着部3で掃除機本体501を下側から支持した状態を保持することで、吸込具に電気掃除機を装着した際に吸込具に対して電気掃除機を確実に固定することができ、使用者が電気掃除機のみを持って吸込具に装着された電気掃除機を操作した場合に、吸込具と電気掃除機との固定が外れてしまうおそれを低減することが可能であって、使用者による操作に十分耐えることができる。
次に、図32から図34を参照しながら、第2の保持手段である掃除機固定具211による、集塵ユニット取っ手532の固定保持動作について説明する。なお、以降においては、吸込具1から電気掃除機4が取り外された状態(図36に示す状態)から、吸込具1に電気掃除機4が装着された状態(図1及び図34に示す状態)にする操作を「装着操作」と呼ぶ。また、図1及び図34に示す、吸込具1に電気掃除機4が装着された状態における吸込具1に対する電気掃除機4の位置を「装着位置」と呼ぶ。装着操作は、掃除機装着部3の上面部の予め定められた装着位置に掃除機本体501を配置する操作である。
図32から図34は、それぞれ、上側の図が水平断面図であり、下側の図が前後方向に垂直な断面による断面図である。そして、図32は、装着操作の初期段階、図33は、装着操作の途中の段階、図34は、装着操作が完了し、電気掃除機4が装着位置に配置された状態をそれぞれ示している。
まず、前述したように、掃除機固定具211は、掃除機固定具軸受214を軸にして、予め定められた範囲内で両方向に回転可能に取り付けられている。そして、この掃除機固定具211の回転により、一対の固定突起216は、それぞれが、掃除機固定具開口(固定突起側)120から突出した第1の位置と、掃除機固定具開口(固定突起側)120内に後退した第2の位置とに移動可能に設けられている。
また、図8等に示したように、吸込具1の掃除機装着部3の上面部に形成された掃除機装着面108には、装着位置に配置された掃除機本体501から下方に突出した集塵ユニット取っ手532との干渉を避ける凹部である集塵ユニット取っ手逃げ凹み110が、前後方向にわたって形成されている。
装着操作においては、使用者は、まず、電気掃除機4の例えば掃除機取っ手505を持って、掃除機装着部3の集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内に集塵ユニット取っ手532を入れる。そして、その状態で、吸込具1に対して電気掃除機4を前方へと移動させると、集塵ユニット取っ手532は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の前端部に接近する。
ここで、掃除機固定具211には掃除機固定具ばね231が取り付けられている。掃除機固定具ばね231は、傾斜突起215が内側方向に移動し、固定突起216が外側方向に移動する向きに、掃除機固定具211を回転させるように付勢している。したがって、吸込具1から電気掃除機4が取り外された状態では、一対の固定突起216は、掃除機固定具開口(固定突起側)120内に後退した第2の位置にある。
第2の位置にある固定突起216は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内の集塵ユニット取っ手532の左右両側面に当接しない。このため、図32に示すように、集塵ユニット取っ手532は固定突起216には接触せず、まず、集塵ユニット取っ手532の前端部が、傾斜突起215の傾斜面(カム面)に当接する。
この状態で吸込具1に対して電気掃除機4をさらに前方へと移動させると、図33に示すように、集塵ユニット取っ手532の前端部が傾斜突起215のカム面を押し、傾斜突起215は、掃除機固定具開口(傾斜突起側)119内へと押し込まれる。傾斜突起215が押されると、掃除機固定具211の腕部212は掃除機固定具ばね231の弾性力に抗して掃除機固定具軸受214を中心にして回転し、固定突起216が第2の位置から第1の位置へと移動し始める。
ここからさらに電気掃除機4を前方へと移動させて電気掃除機4が装着位置までくると、図34に示すように、傾斜突起215がさらに押し込まれ、掃除機固定具211の腕部212がさらに回転し、固定突起216が第1の位置に到達する。第1の位置にある一対の固定突起216は、集塵ユニット取っ手532の左右両側面にそれぞれ当接する。したがって、集塵ユニット取っ手532の左右両側面が一対の固定突起216により挟まれて固定され、電気掃除機4が装着位置で下側から支持された状態が保持される。
この際、集塵ユニット取っ手532は、左右両側面の周縁にそれぞれ左右の外側に突出して形成されたフランジ部(取っ手フランジ534)を備えている。したがって、装着位置にある電気掃除機4を、吸込具1に対して例えば上方に動かす力が掛かったとしても、固定突起216が取っ手フランジ534に引っ掛かり、吸込具1から電気掃除機4が外れてしまうことを、確実に防止することができる。
このように、掃除機固定具211は、装着操作により一対の固定突起216を第2の位置から第1の位置へと移動させる固定突起移動機構を備えている。また、この固定突起移動機構は、装着操作により集塵ユニット取っ手532で押し込まれる傾斜突起215と、傾斜突起215が集塵ユニット取っ手532で押し込まれる動作により一対の固定突起216を第2の位置から第1の位置へと移動させる機構(腕部212及び掃除機固定具軸受214によるてこ機構)を備えている。
なお、以上の装着操作により、掃除機吸込管507に継手372が挿入され、接続掛け金511が接続掛け金受け373に掛け止めされて、第1の保持手段により保持された状態になる。すなわち、装着操作により、第1の保持手段による保持と、第2の保持手段による保持の両方を同時に行うことができる。
ここで、図8に示すように、掃除機装着面108には、掃除機逃げ凹み109が形成されている。このため、図34の特に下側の図に示すように、掃除機本体501を装着位置に配置した際に、掃除機本体501の特に集塵ユニット531と掃除機装着部3の上面部との間には隙間が形成される。このようにすることで、掃除機装着部3による掃除機本体501の支持に支障がない範囲で、掃除機装着部3と掃除機本体501との接触面積を少なくし、掃除機装着部3と掃除機本体501とのこすれ等により掃除機装着部3及び掃除機本体501の表面が傷付くことを抑制することができる。
また、図8に示すように、集塵ユニット取っ手532との干渉を避ける凹部である集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の後端部には、後方にいくに従って次第に高くなる傾斜部112が形成されている。したがって、装着操作に入る際に、傾斜部112により集塵ユニット取っ手532を集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内に案内して、円滑に装着操作に入ることができる。
さらに、この傾斜部112が配置される位置については、傾斜部112の前端から掃除機本体501が装着位置にあるときの集塵ユニット取っ手532の後端までの距離が、装着操作において継手部材371の他端部(後端部)に掃除機吸込管507の先端が到達した位置から掃除機本体501が装着位置にあるときの掃除機吸込管507の先端の位置までの距離以上となるように調整されている。
この点について、図35を参照しながら説明する。傾斜部112の前端から掃除機本体501が装着位置にあるときの集塵ユニット取っ手532の後端までの距離は、図35中にAで示す距離である。また、装着操作において継手部材371の他端部(後端部)に掃除機吸込管507の先端が到達した位置から掃除機本体501が装着位置にあるときの掃除機吸込管507の先端の位置までの距離は、図35中にBで示す距離である。そして、この実施の形態1においては、この距離Aが距離B以上となるように構成されている。
ここで、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110は、継手372への掃除機吸込管507の接続方向と平行となるように、緩やかに傾斜している。そして、傾斜部112は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の傾斜よりも急な角度で傾斜している。
距離Aが距離B以上であるため、図36に示すように、装着操作に入る際に、集塵ユニット取っ手532が一部でも傾斜部112上にある状態では、掃除機吸込管507の先端は継手372の後端にまで達しておらず、集塵ユニット取っ手532の全てが集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内に入ってから、掃除機吸込管507の先端は継手372の後端に達して継手372と掃除機吸込管507との接続が始まることになる。
また、逆に、装着された電気掃除機4を取り外す際には、継手372が一部でも掃除機吸込管507内に入っている状態では、集塵ユニット取っ手532は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内にあって傾斜部112には達しておらず、継手372から掃除機吸込管507が完全に外れてから、集塵ユニット取っ手532が傾斜部112に乗り上げ始める。
したがって、継手372と掃除機吸込管507との着脱を、集塵ユニット取っ手532が常に集塵ユニット取っ手逃げ凹み110内にある状態で行うことができ、集塵ユニット取っ手532を集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の傾斜に沿って動かすだけで、常に正しい方向で継手372と掃除機吸込管507との着脱を行うことが可能である。
また、図31に示すように、集塵ユニット取っ手532との干渉を避ける凹部である集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の前端部には、掃除機固定凸部125が設けられている。この掃除機固定凸部125は、集塵ユニット取っ手逃げ凹み110の前端部から後方に突出して設けられている。一方、図5に示すように、この掃除機固定凸部125に対応して、集塵ユニット取っ手532の前端部には、穴部である掃除機固定凸部受け535が形成されている。
そして、掃除機本体501を装着位置に配置した際には、掃除機固定凸部125が掃除機固定凸部受け535内に挿入される。このため、集塵ユニット取っ手532の前端部においても掃除機装着部3と係合させることができ、吸込具1と電気掃除機4の装着をより強固なものとすることができる。また、このことから、掃除機固定凸部125は、第3の保持手段であるとも言える。
なお、電気掃除機4の集塵ユニット531は、前述したように掃除機本体501から取り外すことができる。しかしながら、電気掃除機4を使用する際には、集塵ユニット531が掃除機本体501に取り付けられている必要がある。一方で、掃除機固定具211により固定保持される集塵ユニット取っ手532は、この集塵ユニット531に設けられている。
このため、仮に集塵ユニット531が掃除機本体501に取り付けられていない状態で、電気掃除機4を吸込具1に装着した場合には、掃除機固定具211により集塵ユニット取っ手532を固定保持することができない。したがって、吸込具1への電気掃除機4の装着状態が不十分で不安定な状態となるため、集塵ユニット531が掃除機本体501に取り付けられていない状態で、電気掃除機4を吸込具1に装着して使用しようとした場合に、正常時とは異なる不安定な操作感となり、使用者に不適切な(集塵ユニット531が掃除機本体501に取り付けられていない)状況であることへの注意を喚起することもできる。