JP2017184564A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇圧チョッパのスイッチング周波数の上昇に伴い、コンデンサの容量を小さくすることができる電力変換装置を提供する。【解決手段】実施形態の電力変換装置は、昇圧チョッパと、コンデンサと、第1電力変換器と、変圧器と、整流器と、第2電力変換器と、制御部と、を備える。昇圧チョッパは、架線から電気車に供給される直流電力を第1電圧に昇圧して出力する。コンデンサは、昇圧チョッパから出力された直流電力から高周波成分を除去して出力する。第1電力変換器は、コンデンサから出力された直流電力を交流電力に変換して出力する。変圧器は、第1電力変換器から出力された交流電力の電圧を昇圧して出力する。整流器は、変圧器から出力された交流電力を直流電力に変換して出力する。第2電力変換器は、整流器から出力された直流電力を、第2電圧の交流電力に変換して負荷部に供給する。制御部は、電気車の運転の停止が指示された場合、第2電圧を、所定時間かけて徐々に下げる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
鉄道車両等の電気車には、架線から供給される直流電力を所定電圧の交流電力に変換して車内設備(例えば、冷暖房装置、ドア開閉装置、表示装置)に供給する電力変換装置が設けられている。電力変換装置では、架線から集電装置を介して受電した直流電力を昇圧チョッパにより一定電圧の直流電力に安定化させた後、単相インバータにより交流電力に変換する。その後、電力変換装置は、変圧器によって架線と絶縁された整流器によって、交流電力を直流電力に変換し、さらに、三相インバータによって直流電力を所定電圧の交流電力に変換して負荷部に供給する。また、電力変換装置は、昇圧チョッパから出力される直流電力から高周波成分を除去するコンデンサを有する。このコンデンサは、昇圧チョッパのスイッチング周波数が高いほど、その容量を小さくすることができる。
特開平11−215841号公報
ところで、架線から供給される直流電力により走行する電気車特有の現象として、変電所から電気車までの架線に寄生インダクタンスが存在する。寄生インダクタンスは、架線の長さに比例するため、電気車が変電所から遠ざかるほど、大きくなる。そのため、電気車の運転を停止させるために、三相インバータから負荷部を切り離して架線に流れる電流が低下した場合、寄生インダクタンスに蓄積された磁気エネルギーをコンデンサで吸収する必要があり、昇圧チョッパのスイッチング周波数を高めても、コンデンサの容量を小さくすることができない。
実施形態の電力変換装置は、昇圧チョッパと、コンデンサと、第1電力変換器と、変圧器と、整流器と、第2電力変換器と、制御部と、を備える。昇圧チョッパは、架線から電気車に供給される直流電力を第1電圧に昇圧して出力する。コンデンサは、昇圧チョッパから出力された直流電力から高周波成分を除去して出力する。第1電力変換器は、コンデンサから出力された直流電力を交流電力に変換して出力する。変圧器は、第1電力変換器から出力された交流電力の電圧を昇圧して出力する。整流器は、変圧器から出力された交流電力を直流電力に変換して出力する。第2電力変換器は、整流器から出力された直流電力を、第2電圧の交流電力に変換して負荷部に供給する。制御部は、電気車の運転の停止が指示された場合、第2電圧を、所定時間かけて徐々に下げる。
図1は、第1の実施形態にかかる電力変換装置の構成の一例を示す図である。 図2は、第1の実施形態にかかる電力変換装置における運転停止時の処理の一例を説明するための図である。 図3は、第2の実施形態にかかる電力変換装置のフィルタコンデンサに印加される電圧の変化の一例を示す図である。
以下、添付の図面を用いて、本実施形態にかかる電力変換装置について説明する。本実施形態にかかる電力変換装置は、架線からの直流電力を所定電圧の交流電力に変換して、鉄道車両等の電気車の負荷部(例えば、冷暖房装置やドア開閉装置や表示装置等の車内設備)に供給する鉄道車両用補助電源装置である。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態にかかる電力変換装置の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態にかかる電力変換装置は、開放接触器5と、昇圧チョッパ6と、フィルタコンデンサ7と、単相インバータ8と、変圧器9と、整流器10と、フィルタコンデンサ11と、三相インバータ12と、制御部13と、充電抵抗器15と、充電接触器16と、を有する。開放接触器5は、パンタグラフ4(集電装置)と、線路を介して設置された車輪と、の間の電流経路に直列接続されている。パンタグラフ4は、架線2を介して変電所1から供給される直流電力を受電する集電装置である。
昇圧チョッパ6は、架線2から鉄道車両に供給される直流電力を第1電圧に昇圧して出力する。架線2から供給される直流電力には、変電所1に起因する特定の周波数(例えば、300Hz)のリップルが含まれるが、昇圧チョッパ6は、直流電力に含まれるリップルを取り除き、かつ架線2から供給される直流電力の電圧変動を吸収して安定した直流電力を単相インバータ8に供給する。
本実施形態では、昇圧チョッパ6は、昇圧リアクトル62と、スイッチング素子61と、逆流防止ダイオード63と、を有する。昇圧リアクトル62は、コイル等で構成され、開放接触器5に直列接続されて、架線2から供給される電力を蓄える。スイッチング素子61は、半導体スイッチ等で構成され、制御部13によりチョッパ制御されてオンオフを繰り返して、昇圧リアクトル62に蓄えられた電力をGNDまたは負荷部3側に放電する。逆流防止ダイオード63は、負荷部3側から架線2側への電流の逆流を防止するダイオードである。
フィルタコンデンサ7(コンデンサの一例)は、昇圧チョッパ6から出力される直流電力から高周波成分を除去して出力する。単相インバータ8(第1電力変換器の一例)は、フィルタコンデンサ7から出力される直流電力を交流電力に変換して出力する。変圧器9は、単相インバータ8から出力される交流電力を昇圧して出力する。本実施形態では、変圧器9は、単相インバータ8から出力される交流電力を、磁気的に結合した複数のコイル(一次側のコイルおよび二次側のコイル)の巻数比に応じた変圧比によって昇圧して出力する。ここで、変圧器9の一次側のコイルと二次側のコイルとの間は絶縁されているので、本実施形態にかかる電力変換装置は、絶縁型のDC/DCコンバータとして機能する。
整流器10は、変圧器9から出力される交流電力を、再び、直流電力に変換して出力する。フィルタコンデンサ11は、整流器10から出力された直流電力の高周波成分を除去して出力する。三相インバータ12(第2電力変換器の一例)は、フィルタコンデンサ11から出力される直流電力を、第2電圧の交流電力に変換して負荷部3に供給する。制御部13は、昇圧チョッパ6のチョッパ制御を行う。また、制御部13は、三相インバータ12のインバータ制御を行うと共に、運転停止時には、出力される交流電力の第2電圧を変更する。
充電抵抗器15および充電接触器16は、運転開始時にフィルタコンデンサ11の初期充電回路として機能する。具体的には、充電接触器16は、運転開始時において開放されて、充電抵抗器15を介して架線2からの電力をフィルタコンデンサ11に供給することで、初期充電の際に過大な電流がフィルタコンデンサ11に流れることを防止する。そして、充電接触器16は、フィルタコンデンサ11の電圧が所定値に達すると、充電接触器16を閉路して、フィルタコンデンサ11の初期充電を完了させる。電力変換装置は、フィルタコンデンサ11の初期充電の完了後に、運転を開始する。
次に、図1および図2を用いて、本実施形態にかかる電力変換装置の制御部13による運転停止時の処理について説明する。図2は、第1の実施形態にかかる電力変換装置における運転停止時の処理の一例を説明するための図である。図2において、縦軸は三相インバータ12から出力される交流電力の電圧を表し、横軸は時間を表す。
本実施形態にかかる電力変換装置は、スイッチング素子61が、昇圧リアクトル62と逆流防止ダイオード63と連携して、架線2から供給される直流電力を昇圧する昇圧動作を行う。そして、電力変換装置は、スイッチング素子61のスイッチング周波数が高くなるに従い、フィルタコンデンサ7の容量を小さくすることができる。従来のスイッチング素子のスイッチング周波数は、1.0〜2.0kHz程度であったが、スイッチング素子61は、SiC(炭化ケイ素)等のワイドギャップの半導体スイッチの登場によって、スイッチング周波数を従来のスイッチング素子の10倍以上に高めることができるようになっている。それにより、フィルタコンデンサ7の容量を小さくすることが可能になっている。
ところで、変電所1から開放接触器5に直流電力を供給する架線2には、寄生インダクタンス14が存在する。寄生インダクタンス14は、架線2の長さに比例して大きくなるため、電気車が変電所1から遠くなるに従って大きくなる。そのため、電気車の運転を停止させるために、三相インバータ12から負荷部3を切り離して架線2に流れる電流が低下すると、寄生インダクタンス14に蓄積された磁気エネルギーをフィルタコンデンサ7で吸収する必要がある。この場合に、昇圧チョッパ6のスイッチング周波数の向上に伴ってフィルタコンデンサ7の容量を小さくすると、フィルタコンデンサ7の電圧の上昇が大きくなり、フィルタコンデンサ7や昇圧チョッパ6が故障する可能性がある。そのため、昇圧チョッパ6のスイッチング周波数を高めても、フィルタコンデンサ7の容量を小さくすることができない。
そこで、本実施形態では、制御部13は、電気車の運転の停止が指示された場合、三相インバータ12から負荷部3へ供給される交流電力の第2電圧を、所定時間かけて徐々に下げる。従来の電力変換装置では、図2(a)に示すように、電気車の運転の停止が指示されてから、マイクロ秒オーダーで、三相インバータ12から出力する交流電力の第2電圧を0Vに下げている。そのため、三相インバータ12から負荷部3が切り離された場合に、架線2に流れる電流の変化率が大きくなり、フィルタコンデンサ7の電圧の上昇を抑えるために、当該フィルタコンデンサ7の容量を大きくする必要がある。
これに対して、本実施形態では、制御部13は、図2(b)に示すように、電気車の運転の停止が指示されてから、所定時間(例えば、1秒)かけて、第2電圧を徐々に0Vに下げる。これにより、三相インバータ12から負荷部3を切り離す場合に、架線2に流れる電流の変化率が小さくなり、それに伴って、寄生インダクタンス14が発生する電圧も低くなるので、フィルタコンデンサ7の電圧の上昇を抑えるために、フィルタコンデンサ7の容量を大きくする必要がなくなる。よって、フィルタコンデンサ7は、昇圧チョッパ6から出力される直流電力の高周波成分の除去に要する容量を有していれば良いので、昇圧チョッパ6のスイッチング周波数が上がるのに従ってフィルタコンデンサ7の容量を小さくすることができ、かつ電力変換装置の低廉化および小型化に寄与することができる。
このように、第1の実施形態にかかる電力変換装置によれば、昇圧チョッパ6のスイッチング周波数の上昇に伴い、フィルタコンデンサ7の容量を小さくすることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、寄与インダクタンスのインダクタンスとフィルタコンデンサの容量との商の平方根と、フィルタコンデンサの定格電流と、の積の分、フィルタコンデンサの連続定格電圧より高くした電圧を、不連続定格電圧として有するフィルタコンデンサを有する例である。以下の説明では、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
電力変換装置は、保護動作によって三相インバータ12から負荷部3への交流電力の供給が遮断された場合、三相インバータ12から出力される交流電力の第2電圧を徐々に下げる時間を確保することができず、架線2に流れる電流が急激に下がり、寄生インダクタンス14が発生する電圧が大きくなる。しかしながら、昇圧チョッパ6のチョッパ制御、単相インバータ8、三相インバータ12の制御によって、寄生インダクタンス14が発生する電圧を抑制することは難しい。そのため、フィルタコンデンサ7には、寄生インダクタンス14に蓄積された磁気エネルギーを吸収することが求められる。
そこで、本実施形態では、フィルタコンデンサ7には、寄与インダクタンス14のインダクタンスLとフィルタコンデンサ7の容量Cの商の平方根と、フィルタコンデンサ7の定格電流Iと、の積ΔV(下記の式(1)参照)の分、フィルタコンデンサ7の連続定格電圧Eより高くした不連続定格電圧Eを有するコンデンサを用いる。ここで、連続定格電圧Eは、フィルタコンデンサ7に対して第1時間t連続して印加可能な電圧である。不連続定格電圧Eは、フィルタコンデンサ7に対して第2時間t連続して印加可能な電圧である。ここで、第2時間tは、第1時間tより短い時間であり、例えば、第1時間tの1/1000以下である。
Figure 2017184564
図3は、第2の実施形態にかかる電力変換装置のフィルタコンデンサに印加される電圧の変化の一例を示す図である。図3において、縦軸は三相インバータ12から出力される交流電力の電圧を表し、横軸は時間を表す。一般的に、フィルタコンデンサ7は、短時間かつ低頻度であれば、過電圧が印加されても故障する可能性が低い。そのため、図3に示すように、保護動作によって三相インバータ12から負荷部3への交流電力の供給が遮断されて、フィルタコンデンサ7に対して印加される電圧が、連続定格電圧Eを超えたとしても、当該電圧が印加される時間が第2時間tより短い時間であれば、フィルタコンデンサ7が故障することはないので、フィルタコンデンサ7の容量を最低限に抑えることができる。
このように、第2の実施形態にかかる電力変換装置によれば、フィルタコンデンサ7の容量を最低限に抑えることができる。
以上説明したとおり、第1,2の実施形態によれば、昇圧チョッパ6のスイッチング周波数の上昇に伴い、フィルタコンデンサ7の容量を小さくすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 変電所
2 架線
3 負荷部
4 パンタグラフ
5 開放接触器
6 昇圧チョッパ
7,11 フィルタコンデンサ
8 単相インバータ
9 変圧器
10 整流器
12 三相インバータ
13 制御部
14 寄生インダクタンス
61 スイッチング素子
62 昇圧リアクトル
63 逆流防止ダイオード

Claims (1)

  1. 架線から電気車に供給される直流電力を第1電圧に昇圧して出力する昇圧チョッパと、
    前記昇圧チョッパから出力された直流電力から高周波成分を除去して出力するコンデンサと、
    前記コンデンサから出力された直流電力を交流電力に変換して出力する第1電力変換器と、
    前記第1電力変換器から出力された交流電力の電圧を昇圧して出力する変圧器と、
    前記変圧器から出力された交流電力を直流電力に変換して出力する整流器と、
    前記整流器から出力された直流電力を、第2電圧の交流電力に変換して負荷部に供給する第2電力変換器と、
    前記電気車の運転の停止が指示された場合、前記第2電圧を、所定時間かけて徐々に下げる制御部と、
    を備えた電力変換装置。



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JP2020108215A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 セイコーインスツル株式会社 制御装置及びプログラム

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