JP2017184403A - 接地短絡器具及び接地短絡器具の取付方法 - Google Patents

接地短絡器具及び接地短絡器具の取付方法 Download PDF

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Mitsuhiro Takezawa
光弘 竹澤
章文 三宅
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章文 三宅
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Abstract

【課題】接地短絡器具の取外しを忘れることを抑制する。【解決手段】接地短絡器具は、短絡器具10と接地線と点灯部とを有する。短絡器具10は、フック部64とジョー部72と第1接点部80と第2接点部90とを有する。フック部64は、導電性の鉤状部材であり、接地線に電気的に接続される。ジョー部72は、内周部64Aと対向して設けられ、内周部64Aに向かって移動可能である。第1接点部80は、ジョー部72と内周部64Aとの間に設けられる。第2接点部90はジョー部72と第1接点部80との間に設けられ、ジョー部72との間に配電線が配置可能な空間を形成し、第1接点部80に向かう方向に所定荷重値以上の荷重を受けると、第1接点部80側に変形して第1接点部80に接触し、荷重が解除されると、第1接点部80との接触が解除される。点灯部は、第1接点部80と第2接点部90とが接触した際に点灯する。【選択図】図2

Description

本発明は、接地短絡器具及び接地短絡器具の取付方法に関する。
電気設備における停電作業を行う場合には、架空電線に対して接地短絡器具を取り付け、接地短絡器具を介して、地面に埋設された接地端子に架空電線を接続する。これにより、例えば停電作業中に誤通電などが起きて、架空電線に電流が流れた際も、電流が短絡、アースされることで、停電作業中の作業者の感電を防止している。例えば、特許文献1には、三相交流配電線に対する接地短絡器具が記載されている。
特開2015−165749号公報
この接地短絡器具は、停電作業の終了後は、確実に取り外される必要がある。接地短絡器具の取外しが行われなかった場合、停電作業が完了しても、停電作業が行われていた箇所に電流が流れず、誤停電を招くおそれがある。
そのため、接地短絡器具を架空電線に取付けた際には、電線が短絡、接地されていることを表示した表示旗が、接地短絡器具に取付けられる。作業者は、この表示旗を確認することで、架空電線に接地短絡器具が取り付けられていることを認識し、作業終了後の接地短絡器具の取外し忘れが抑制される。
しかし、停電作業は、夜間に行われることが一般的になってきている。停電作業が夜間に行われた場合、周辺が暗いため、作業者は、表示旗を視認できず、作業終了後の接地短絡器具の取外しを忘れるおそれが生じる。
本発明は、上記課題を解決するために、接地短絡器具の取外しを忘れることを抑制する接地短絡器具、及び接地短絡器具の取付方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の接地短絡器具は、短絡器具と接地線と点灯部とを有する接地短絡器具であって、前記短絡器具は、導電性の鉤状部材であり、前記接地線に電気的に接続されるフック部と、前記フック部の内周側の面である内周部と対向して設けられ、前記内周部に向かって移動可能なジョー部と、前記ジョー部と前記内周部との間に設けられる第1接点部と、前記ジョー部と前記第1接点部との間に設けられ、前記ジョー部との間に配電線が配置可能な空間を形成し、前記第1接点部に向かう方向に所定荷重値以上の荷重を受けると、前記第1接点部側に変形して前記第1接点部に接触し、前記所定荷重値以上の荷重が解除されると、前記第1接点部との接触が解除される第2接点部と、を有し、前記点灯部は、前記第1接点部と前記第2接点部とが接触した際に点灯する。
前記接地短絡器具は、前記配電線が前記フック部に取付けられている状態であることを示す情報を表示する表示旗を更に有し、前記点灯部は、前記表示旗に複数取り付けられることが好ましい。
前記接地短絡器具は、前記短絡器具の前記フック部を前記接地線に電気的に接続する短絡線と、前記フック部及び前記ジョー部を有し、前記第1接点部及び前記第2接点部を有さない副短絡器具と、前記副短絡器具の前記フック部を前記接地線に電気的に接続する副短絡線と、を有することが好ましい。
前記接地短絡器具において、前記短絡器具は、前記副短絡器具の前記フック部と前記ジョー部とで挟持されることで、前記副短絡器具を支持する副短絡器具支持部を有することが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の接地短絡器具の取付方法は、前記接地短絡器具を、前記配電線に取付ける接地短絡器具の取付方法であって、前記配電線に、前記第2接点部の前記1接点部と反対側の面から、前記フック部の内周部を引っ掛ける取付ステップと、前記ジョー部を前記内周部に向かって移動させて前記配電線を前記フック部と前記ジョー部とで挟持して、前記接地短絡器具を前記配電線に固定する固定ステップと、を有する。
本発明によれば、接地短絡器具の取外しを忘れることを抑制することができる。
図1は、本実施形態に係る接地短絡器具を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係る短絡器具を示す模式図である。 図3は、本実施形態に係る副短絡器具を示す模式図である。 図4は、接地短絡器具を架空電線に取付けている状態を示す模式図である。 図5は、接地短絡器具を架空電線に取付けている状態を示す模式図である。 図6は、接地短絡器具を架空電線に取付けている状態を示す模式図である。 図7は、接地短絡器具の架空電線への取付けフローを説明するフローチャートである。 図8は、接地短絡器具の架空電線からの取外しフローを説明するフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態に係る接地短絡器具を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る接地短絡器具1は、短絡器具10と、短絡線12と、副短絡器具20、30と、副短絡線22、32と、接地線40と、接続部41と、接地器具42と、表示旗50と、電源部54と、点灯部56とを有する。接地短絡器具1は、短絡器具10及び副短絡器具20、30を架空電線(配電線)に接続し、接地器具42を接地された接地導体に接続することで、架空電線を接地する器具である。
図2は、本実施形態に係る短絡器具を示す模式図である。図2に示すように、短絡器具10は、鉤部60と可動部70とを有する。鉤部60は、導電性の部材であり、短絡線12を介して、接地線40と電気的に接続される。鉤部60は、側部62と、フック部64と、底部66と、副短絡器具支持部67と、接続端子68と、第1接点部80と、第2接点部90とを有する。
側部62は、方向Xに沿って延在する部材である。フック部64は、側部62の方向Xに沿った一方の端部に設けられる鉤状の部材である。フック部64は、円弧形状であり、側部62側の末端部65Aから、先端部65Bまで延在する。先端部65Bは、末端部65Aよりも、方向Xと直交する方向Y側に突出している。フック部64は、内周側の面、すなわち、その円弧の中心軸側の面である内周部64Aが、架空電線に引っ掛けられる。フック部64が架空電線に引っ掛けられた際は、方向Xが鉛直方向となる。
底部66は、側部62の方向Xに沿った他方の端部、すなわちフック部64と反対側の端部に設けられている。底部66は、側部62側の端部から、方向Yに沿って延在している。底部66は、方向Xに沿って、フック部64の内周部64Aと対向している。底部66は、方向Xに沿って、内周がめねじとなっている開口部66Aが貫通している。
副短絡器具支持部67は、側部62の方向Xに沿った他方の端部であって、底部66よりも方向Xに沿った下方、すなわち底部66よりも、フック部64から遠い位置に設けられている。副短絡器具支持部67は、方向X及び方向Yに直交する方向Zに沿って延在する軸状部材である。副短絡器具支持部67は、側部62の方向Zに沿った両面にそれぞれ設けられている。副短絡器具支持部67は、フック部64よりも方向Xに沿った下方に設けられ、副短絡器具20、30を支持する部材であるということができる。
接続端子68は、側部62に設けられている。具体的には、接続端子68は、側部62において、フック部64が設けられている箇所から方向Yに沿った反対側に設けられている。接続端子68は、導電線である短絡線12を、側部62に対して固定する。接続端子68は、鉤部60(フック部64)と短絡線12とを電気的に接続する。
第1接点部80は、フック部64の内周部64Aに沿って設けられる板状の導電性部材である。第1接点部80は、内周部64Aに接触して設けられており、内周部64Aに沿って、円弧状に湾曲している。第1接点部80は、導電線82に接続されている。
第2接点部90は、第1接点部80と底部66の間に、内周部64Aに沿って設けられる板状の導電性部材である。第2接点部90は、方向Yに沿った一方の端部90Aから他方の端部90Bまで、内周部64Aに沿って、円弧状に湾曲して延在している。第2接点部90は、一方の端部90Aが、フック部64の先端部65Bに固定されている。第2接点部90は、他方の端部90Bが、第1接点部80と底部66の間に位置しており、いずれの箇所にも固定されておらず開放されている。第2接点部90は、内周部64A及び第1接点部80からは離間して設けられている。第2接点部90は、導電線92に接続されている。
第2接点部90は、荷重を受けていない場合、第1接点部80からは離間している。しかし、第2接点部90は、第1接点部80に向かう方向、すなわち方向Xに所定荷重値以上の力を受けると、第1接点部80側に弾性変形して、第1接点部80と接触する。そして、第2接点部90は、この所定荷重値以上の力が解除されると、弾性変形が元に戻って第1接点部80との接触が解除され、図2に示したような第1接点部80から離間された元の状態に戻る。この所定荷重値は、例えば、鉤部60の重さ程度の力である。
可動部70は、鉤部60の内周部64Aに対向して設けられ、内周部64Aに向かって移動可能になっている。具体的には、可動部70は、軸部71と、ジョー部72と、工具接続部74とを有する。軸部71は、内周がおねじとなっている軸状部材である。軸部71は、底部66の開口部66Aに螺合されて、回転することにより、方向Xに沿って移動可能となっている。
ジョー部72は、軸部71の先端に設けられており、軸部71より径が大きい部材である。ジョー部72は、方向Xに沿ったフック部64と底部66との間に設けられている。ジョー部72は、軸部71の方向Xに沿った移動に伴い、フック部64と底部66との間を、方向Xに沿って移動する。言い換えれば、ジョー部72は、方向Xに沿って内周部64Aに対向して設けられ、内周部64Aに向かって移動可能となっている。また、上述した第1接点部80は、方向Xに沿った内周部64Aとジョー部72との間に設けられているということができる。同様に、第2接点部90は、方向Xに沿った第1接点部80とジョー部72との間に設けられているということができる。また、第2接点部90は、ジョー部72との間に、架空電線が配置可能な空間Sを形成する。
工具接続部74は、例えば共用操作棒などの工具の先端部に対し、着脱可能に取り付けられる。工具接続部74は、ツイストロック式になっており、方向Xに沿った下方が開口される筒状の部材である。工具接続部74は、周面に、共用操作棒の先端部の周面に突設された係止用突起と係合可能なT字状の係合溝75が形成されている。
次に、副短絡器具20、30について説明する。副短絡器具30は、副短絡器具20と同じ形状であるため、副短絡器具20についてのみ説明する。図3は、本実施形態に係る副短絡器具を示す模式図である。副短絡器具20は、鉤部60aと可動部70とを有する。鉤部60aは、導電性の鉤状部材であり、接地線40と電気的に接続される。鉤部60aは、側部62と、フック部64と、底部66と、接続端子68とを有する。鉤部60aは、副短絡器具支持部67と第1接点部80と第2接点部90とを有さない以外は、短絡器具10の鉤部60と同じ構成である。副短絡器具20の可動部70は、短絡器具10の可動部70と同じ構成である。すなわち、副短絡器具20、30は、鉤部60a及び可動部70を有しており、副短絡器具支持部67と第1接点部80と第2接点部90とを有していない。言い換えれば、接地短絡器具1は、短絡器具10と副短絡器具20、30とのうち、短絡器具10のみが、副短絡器具支持部67と第1接点部80と第2接点部90とを有している。
図1に示すように、短絡線12は、導電線である。短絡線12は、一方の端部が短絡器具10の鉤部60に接続されており、他方の端部が接続部41に接続されている。短絡線12は、短絡器具10のフック部64を接地線40に電気的に接続する。また、副短絡線22、32も、導電線である。副短絡線22は、一方の端部が副短絡器具20の鉤部60aに接続されており、他方の端部が接続部41に接続されている。副短絡線22は、副短絡器具20のフック部64を接地線40に電気的に接続する。副短絡線32は、一方の端部が副短絡器具30の鉤部60aに接続されており、他方の端部が接続部41に接続されている。副短絡線32は、副短絡器具30のフック部64を接地線40に電気的に接続する。
接地線40は、導電線である。接地線40は、一方の端部が接続部41に接続されており、他方の端部が接地器具42に接続されている。接地器具42は、導電性の部材であり、接地された接地導体に接続可能となっている。接地器具42は、短絡器具10の鉤部60、及び副短絡器具20、30のそれぞれの鉤部60aが架空電線に取付けられている状態で、接地導体に接続されると、架空電線を短絡、接地状態にする。
図1に示すように、表示旗50は、表面に「接地」という文字が表示されている旗である。すなわち、表示旗50は、架空電線が、短絡器具10のフック部64、及び副短絡器具20、30のそれぞれのフック部64に取付けられている状態であることを示す情報を表示する。言い換えれば、表示旗50は、架空電線が短絡、接地状態であることを示す情報を表示している。表示旗50は、紐51により、接続部41のカバーに取付けられている。表示旗50と紐51とは、導電性を有さない。
電源部54は、電圧を発生させる電源であり、本実施形態では電池である。電源部54は、表示旗50に取付けられている。また、電源部54は、点灯部56に接続されている。点灯部56は、電流が流れることで点灯する。本実施形態では、点灯部56は、シート状のLEDである。点灯部56は、表示旗50に複数取付けられている。複数の点灯部56は、表示旗50の上縁部に並んで配置されている。
電源部54と点灯部56とは、導電線82、92に接続されている。上述のように、導電線82は第1接点部80に接続され、導電線92は第2接点部90に接続されている。すなわち、電源部54と点灯部56と第1接点部80と第2接点部90とは、回路を構成する。第1接点部80と第2接点部90とが接触しない場合、この回路は開路となり、点灯部56に電流が流れず、点灯部56は点灯しない。第1接点部80と第2接点部90とが接触した場合、この回路は閉路となり、点灯部56に電流が流れて、点灯部56は点灯する。
次に、接地短絡器具1を架空電線に取付ける方法について説明する。本実施形態に係る接地短絡器具1は、三相交流の3本の電線である架空電線(配電線)L1、L2、L3に取付けられる。架空電線L1は、架空電線L2、L3の間に位置している。
図4から図6は、接地短絡器具を架空電線に取付けている状態を示す模式図である。図4は、接地短絡器具1を架空電線L1に取付けようとしている状態を示している。図5は、接地短絡器具1における短絡器具10の鉤部60を、架空電線L1に取付けた(引っ掛けた)状態を示している。図6は、接地短絡器具1における短絡器具10を、架空電線L1に固定した状態を示している。
図4に示すように、接地短絡器具1は、架空電線L1、L2、L3に取付ける際、副短絡器具支持部67に、副短絡器具20、30を取り付ける。具体的には、作業者が、副短絡器具20の鉤部60aの内周部64Aを副短絡器具支持部67に引っ掛けて、可動部70を方向Xに移動させることにより、副短絡器具20を副短絡器具支持部67に取付け、固定する。作業者は、副短絡器具20を取り付けた側と反対側の副短絡器具支持部67に、同様の方法で、副短絡器具30を取り付け、固定する。すなわち、接地短絡器具1は、図1に示すように、短絡器具10の両側に副短絡器具20、30を固定した状態で、架空電線に取付けられる。
作業者は、図4に示すように、短絡器具10の工具接続部74に、共用操作棒Aを取り付け、共用操作棒Aを用いて、架設されている架空電線L1に、短絡器具10を近づける。作業者は、架空電線L1、L2、L3に接地短絡器具1を取付ける際、ジョー部72を底部66側に位置させておき、鉤部60の第2接点部90と可動部70のジョー部72との間に、空間Sを形成させる。空間Sは、その内部に架空電線L1を入れることが可能な空間である。すなわち、接地短絡器具1は、第2接点部90とジョー部72との間が、架空電線L1を通すことが可能な程度に広げられている。作業者は、鉤部60の先端部65B側から、架空電線L1に、短絡器具10を近づけて、架空電線L1を空間S内に入れる。
なお、図4のように、架空電線L1に短絡器具10を引っ掛ける前の状態では、第2接点部90に方向Xに沿った力が作用しておらず、第2接点部90は、第1接点部80と接触していない。従って、この状態では、点灯部56は点灯しない。
そして、作業者は、図5に示すように、フック部64の内周部64Aを、架空電線L1に引っ掛ける。より具体的には、作業者は、第2接点部90の第1接点部80と反対側の面である下面90Cから、フック部64の内周部64Aを、架空電線L1に引っ掛ける(取り付ける)。このようにフック部64を架空電線L1に引っ掛けた状態で、短絡器具10と架空電線L1とは、電気的に接続された状態となる。また、引っ掛けた状態では、第2接点部90は、フック部64の内周部64Aと架空電線L1とに挟まれる。これにより、第2接点部90は、下面90Cから方向Xに沿った所定荷重値以上の力を受け、第1接点部80側に変形し、第1接点部80に接触する。そして、点灯部56が点灯する。すなわち、フック部64を架空電線L1に引っ掛けると、第2接点部90が第1接点部80に接触して、点灯部56が点灯する。
作業者は、フック部64を架空電線L1に引っ掛けた後、共用作業棒を回転させることにより、図6に示すように、ジョー部72を方向Xに沿って移動させる。これにより、架空電線L1は、フック部64の内周部64Aとジョー部72とに挟持され、固定される。
作業者は、このようにして短絡器具10を架空電線L1に固定した後は、共用操作棒Aを副短絡器具20の工具接続部74に取付けて、副短絡器具20を副短絡器具支持部67から取り外す。作業者は、副短絡器具20のフック部64を、短絡器具10と同様の方法で、架空電線L2に取付ける(引っ掛ける)。フック部64が架空電線L2に引っ掛けられると、副短絡器具20と架空電線L2とは、電気的に接続される。その後、作業者は、副短絡器具20のジョー部72を、方向Xに沿って移動させて、短絡器具10と同様の方法で、副短絡器具20を架空電線L2に固定する。その後、作業者は、同様にして、副短絡器具30を、架空電線L3に取付け、固定する。なお、副短絡器具20、30は、短絡器具10の後に取付けられれば、互いの取付け順は任意である。
短絡器具10を架空電線L1に固定し、副短絡器具20、30をそれぞれ架空電線L2、L3に固定し、接地器具42を接地された接地導体に接続することで、接地短絡器具1の架空電線L1、L2、L3への取付けは終了する。これにより、この短絡器具10が取り付けられた箇所より配電電流の下流側は、停電状態となる。作業者は、この停電状態の箇所で、停電作業を行う。ここで、点灯部56は、短絡器具10を架空電線L1に引っ掛けた状態で、点灯し続ける。すなわち、点灯部56は、短絡器具10を架空電線L1から取り外すまでは点灯しづけるため、作業者は、この点灯部56を視認することで、接地短絡器具1の架空電線からの取外し忘れを抑制することができる。
停電作業の終了後は、作業者は、取付時と逆の順番で、接地短絡器具1を架空電線L1、L2、L3から取り外す。すなわち、作業者は、副短絡器具30の可動部70のジョー部72を、方向Xと反対側に移動させて、副短絡器具30の架空電線L3への固定を解除する。そして、作業者は、副短絡器具30のフック部64を、架空電線L3から取り外す。これにより、副短絡器具30と架空電線L3とは、電気的に非接続になる。その後、作業者は、副短絡器具30を副短絡器具支持部67に再度固定する。その後、作業者は、同様の方法で、副短絡器具20を架空電線L2から取り外し、副短絡器具支持部67に固定する。なお、副短絡器具20、30は、短絡器具10より先に取り外されれば、互いの取外し順は任意である。
作業者は、副短絡器具20、30を副短絡器具支持部67に固定した後、短絡器具10のジョー部72を、方向Xと反対側に移動させて、短絡器具10の架空電線L1への固定を解除する。この状態でも、短絡器具10のフック部64は、架空電線L1に引っ掛けられているため、点灯部56は点灯し続けている。作業者は、その後、短絡器具10のフック部64を、架空電線L1から取り外す。これにより、短絡器具10と架空電線L1とは、電気的に非接続になる。また、フック部64を架空電線L1から取り外すと、第2接点部90への力が解除されて第2接点部90の変形が戻り、第2接点部90は、第1接点部80と接触しなくなる。従って、点灯部56が消灯する。これにより、接地短絡器具1の架空電線からの取外しが終了する。
以上説明した接地短絡器具1の架空電線への取付け、取外しのフローを、フローチャートを用いて説明する。図7は、接地短絡器具の架空電線への取付けフローを説明するフローチャートである。図7に示すように、接地短絡器具1を架空電線L1、L2、L3に取付ける際、作業者は、最初に、短絡器具10のフック部64を、架空電線L1に取付ける(ステップS10;取付けステップ)。具体的には、作業者は、第2接点部90の第1接点部80と反対側の面である下面90Cから、フック部64の内周部64Aに、架空電線L1を引っ掛ける。
短絡器具10のフック部64を、架空電線L1に取付けられると、接地短絡器具1は、第2接点部90が変形して、短絡器具10の第1接点部80と第2接点部90とが接触し
(ステップS12)、点灯部56が点灯する(ステップS14)。点灯部56が点灯した後、作業者は、短絡器具10のジョー部72を移動させて、短絡器具10を架空電線L1に固定する(ステップS16;固定ステップ)。具体的には、作業者は、ジョー部72を方向Xに沿って移動させ、フック部64の内周部64Aとジョー部72とで架空電線L1を挟持することで、短絡器具10を架空電線L1に固定する。
短絡器具10を架空電線L1に固定した後、作業者は、副短絡器具20を短絡器具10の副短絡器具支持部67から取り外し(ステップS18)、副短絡器具20のフック部64を架空電線L2に取付け(ステップS20)、副短絡器具20のジョー部72を移動させて、副短絡器具20を架空電線L2に固定する(ステップS22)。その後、作業者は、副短絡器具30についても、ステップS18からステップS22と同様の処理を行って、副短絡器具30を架空電線L3に固定する。これにより、接地短絡器具1の架空電線への取付けが終了する。
作業者は、第1接点部80及び第2接点部90を有する短絡器具10を、副短絡器具20、30よりも先に架空電線L1に取付ける。従って、接地短絡器具1は、最初に短絡させた際に、点灯部56が点灯する。そのため、作業者は、架空電線が短絡、接地していることを、より確実に確認することができる。
図8は、接地短絡器具の架空電線からの取外しフローを説明するフローチャートである。図8に示すように、作業者は、最初に、副短絡器具30の可動部70を移動させて、副短絡器具30の架空電線L3への固定を解除し(ステップS30)、副短絡器具30を架空電線L3から取り外し(ステップS32)、副短絡器具30を短絡器具10の副短絡器具支持部67に取付ける(ステップS34)。作業者は、副短絡器具20についても、ステップS30からステップS34と同様の処理を行って、副短絡器具20を架空電線L2から取り外し、短絡器具10の副短絡器具支持部67に取付ける。
副短絡器具20、30を短絡器具10の副短絡器具支持部67に取付けた後、作業者は、短絡器具10の可動部70を移動させて、短絡器具10の架空電線L1への固定を解除し(ステップS36)、短絡器具10を架空電線L1から取り外す(ステップS38)。短絡器具10が架空電線L1から取り外されると、接地短絡器具1は、第2接点部90の変形が元に戻り、第1接点部80と第2接点部90との接触が解除されて(ステップS40)、点灯部56が消灯する(ステップS42)。これにより、接地短絡器具1の架空電線からの取外しが終了する。
作業者は、第1接点部80及び第2接点部90を有する短絡器具10を、副短絡器具20、30よりも後に架空電線L1から取り外す。従って、接地短絡器具1は、全ての架空電線の短絡を解除した際に、点灯部56が消灯する。そのため、作業者は、架空電線が短絡、接地していることを、より確実に確認することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る接地短絡器具1は、短絡器具10と接地線40と点灯部56とを有する。短絡器具10は、フック部64と、ジョー部72と、第1接点部80と、第2接点部90とを有する。フック部64は、導電性の鉤状部材であり、接地線40に電気的に接続される。ジョー部72は、フック部64の内周側の面である内周部64Aと対向して設けられ、内周部64Aに向かって(方向Xに向かって)移動可能となっている。第1接点部80は、ジョー部72と内周部64Aとの間に設けられる。第2接点部90は、ジョー部72と第1接点部80との間に設けられ、ジョー部72との間に架空電線が配置可能な空間Sを形成する。第2接点部90は、第1接点部80に向かう方向(方向X)に所定荷重値以上の荷重を受けると、第1接点部80側に変形して第1接点部80に接触する。第2接点部90は、その所定荷重値以上の荷重が解除されると、第1接点部80との接触が解除される。点灯部56は、第1接点部80と第2接点部90とが接触した際に点灯する。
この接地短絡器具1は、第2接点部90とジョー部72との間の空間Sに架空電線L1を入れて、第2接点部90の第1接点部80と反対側の面である下面90Cから、フック部64の内周部64Aを、架空電線L1に引っ掛けることができる。これにより、第2接点部90には、方向Xに所定荷重以上の力が加えられるため、第2接点部90は、第1接点部80と接触し、点灯部56が点灯する。すなわち、接地短絡器具1は、フック部64が架空電線L1に引っ掛けられると、点灯部56が点灯する。従って、作業者は、例えば夜間の作業時にも、フック部64が架空電線L1に引っ掛けられている、すなわち架空電線L1が短絡、接地していることを容易に視認することが可能となる。従って、この接地短絡器具1によると、作業者は、接地短絡器具1の取外しを忘れることを抑制することができる。
なお、接地短絡器具1は、ジョー部72によって架空電線L1に固定されていなくても、フック部64が架空電線L1に引っ掛けられている状態で、架空電線L1に対して電気的に接続状態になっている。この接地短絡器具1は、架空電線L1に引っ掛けられる際に、第1接点部80と第2接点部90とが、架空電線L1の方向Xの上側に位置する。従って、この接地短絡器具1によると、ジョー部72によって架空電線L1に固定されていなくても、フック部64が架空電線L1に引っ掛けられるだけで、点灯部56が点灯する。従って、この接地短絡器具1によると、例えばジョー部72が緩んだり、作業者がジョー部72による固定を忘れたりした場合であっても、接地短絡器具1の取外しを忘れることを、より好適に抑制することができる。
接地短絡器具1は、さらに、架空電線L1がフック部64に取付けられている状態であることを示す情報を表示する表示旗50を更に有する。点灯部56は、この表示旗50に複数取り付けられる。架空電線に接地短絡器具1を取り付けて、架空電線を短絡、接地している際は、このような表示旗50を接地短絡器具1に付けておくことが義務付けられている。表示旗50は、例えば接続部41など、鉛直方向における高い位置に取付けられる。この接地短絡器具1は、この表示旗50に点灯部56が複数取り付けられることで、点灯部56の視認性を向上させることができる。従って、この接地短絡器具1によると、作業者は、接地短絡器具1の取外しを忘れることをより好適に抑制することができる。
接地短絡器具1は、さらに、短絡線12と、副短絡器具20、30と、副短絡線22、32と、を有する。短絡線12は、短絡器具10のフック部64を接地線40に電気的に接続する。副短絡器具20、30は、それぞれフック部64とジョー部72とを有し、第1接点部80と第2接点部90とを有さない。副短絡線22、32は、副短絡器具20、30のフック部64を接地線40に電気的に接続する。この接地短絡器具1は、第1接点部80と第2接点部90とを有さない副短絡器具20、30を有する。この接地短絡器具1は、短絡器具10に加え、副短絡器具20、30を有するため、配電線が複数あった場合でも、適切に短絡、接地を行うことができる。さらに、副短絡器具20、30は、第1接点部80と第2接点部90とを有さない。従って、接地短絡器具1は、副短絡器具20、30が架空電線に取付けられなくても、短絡器具10が架空電線に取付けられるだけで、点灯部56が点灯する。そのため、作業者は、架空電線が短絡、接地していることを、より適切に確認することができる。なお、本実施形態では、副短絡器具は2つであったが、その数は、架空電線の数に合わせて、適宜設定することができる。
また、短絡器具10は、副短絡器具支持部67を有する。副短絡器具支持部67は、副短絡器具20、30のフック部64とジョー部72とで挟持されることで、副短絡器具20、30を支持する。この接地短絡器具1によると、作業者は、短絡器具10で副短絡器具20、30を固定して取り付け作業を行うことが可能となるため、取付作業を容易に行うことが可能となる。また、作業者は、短絡器具10が副短絡器具20、30を支持しているため、短絡器具10を、最初に架空電線L1に取付け易くなる。最初に短絡器具10が架空電線L1に取付けられると、点灯部56は、最初に短絡させた際に、点灯することになる。そのため、作業者は、架空電線が短絡、接地していることを、より確実に確認することができる。
また、接地短絡器具1を架空電線に取付ける取付方法は、取付ステップと固定ステップとを有する。取付ステップは、架空電線L1に、第2接点部90の第1接点部80と反対側の下面90Cから、フック部64の内周部64Aを引っ掛ける。固定ステップは、ジョー部72を内周部64Aに向かって移動させて架空電線L1をフック部64とジョー部72とで挟持して、接地短絡器具1を架空電線L1に固定する。この取付方法によると、取付ステップにおいて、第1接点部80と第2接点部90とが接触し、点灯部56が点灯する。従って、この取付方法によると、接地短絡器具1の取外しを忘れることを抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態の内容によりこの発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1 接地短絡器具
10 短絡器具
12 短絡線
20、30 副短絡器具
22、32 副短絡線
40 接地線
41 接続部
42 接地器具
50 表示旗
54 電源部
56 点灯部
60、60a 鉤部
62 側部
64 フック部
64A 内周部
66 底部
67 副短絡器具支持部
68 接続端子
70 可動部
72 ジョー部
80 第1接点部
90 第2接点部
L1、L2、L3 架空電線

Claims (5)

  1. 短絡器具と接地線と点灯部とを有する接地短絡器具であって、
    前記短絡器具は、
    導電性の鉤状部材であり、前記接地線に電気的に接続されるフック部と、
    前記フック部の内周側の面である内周部と対向して設けられ、前記内周部に向かって移動可能なジョー部と、
    前記ジョー部と前記内周部との間に設けられる第1接点部と、
    前記ジョー部と前記第1接点部との間に設けられ、前記ジョー部との間に配電線が配置可能な空間を形成し、前記第1接点部に向かう方向に所定荷重値以上の荷重を受けると、前記第1接点部側に変形して前記第1接点部に接触し、前記所定荷重値以上の荷重が解除されると、前記第1接点部との接触が解除される第2接点部と、を有し、
    前記点灯部は、前記第1接点部と前記第2接点部とが接触した際に点灯する、接地短絡器具。
  2. 前記配電線が前記フック部に取付けられている状態であることを示す情報を表示する表示旗を更に有し、
    前記点灯部は、前記表示旗に複数取付けられる、請求項1に記載の接地短絡器具。
  3. 前記短絡器具の前記フック部を前記接地線に電気的に接続する短絡線と、
    前記フック部及び前記ジョー部を有し、前記第1接点部及び前記第2接点部を有さない副短絡器具と、
    前記副短絡器具の前記フック部を前記接地線に電気的に接続する副短絡線と、を有する、請求項1又は請求項2に記載の接地短絡器具。
  4. 前記短絡器具は、前記副短絡器具の前記フック部と前記ジョー部とで挟持されることで、前記副短絡器具を支持する副短絡器具支持部を有する、請求項3に記載の接地短絡器具。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の接地短絡器具を、前記配電線に取付ける接地短絡器具の取付方法であって、
    前記配電線に、前記第2接点部の前記1接点部と反対側の面から、前記フック部の内周部を引っ掛ける取付ステップと、
    前記ジョー部を前記内周部に向かって移動させて前記配電線を前記フック部と前記ジョー部とで挟持して、前記接地短絡器具を前記配電線に固定する固定ステップと、を有する、接地短絡器具の取付方法。
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