JP2017184389A - 電動モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動モータのロックや脱調の発生を抑えること。【解決手段】EOPECUは、各相の通電状態の切り替えを実行する電圧信号生成部と、各相の端子電圧を検出する端子電圧検出部と、各相の通電状態の切り替えタイミングを指示する切替制御部とを備えている。切替制御部は、ロータの磁極として、ゼロクロス点を検出する処理と、ゼロクロス点を検出した場合、当該ゼロクロス点の検出から遅延時間を空けたタイミングで、各相の通電状態の切り替えタイミングを指示する処理と、スパイクノイズが出現中の間、非検出期間期間を設定する処理とを実行し、さらに非検出期間が解除され、ゼロクロス点の通過後であることを判断できるとき、各相の通電状態の切り替えタイミングが、本来のゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングとなるように、当該遅延時間を補正する処理を実行するようにしている。【選択図】図8

Description

本発明は、電動モータの制御装置に関する。
例えば、特許文献1に記載のように、3相のうち非通電相のモータコイルの端子電圧に基づいて、各相の通電状態を切り替えて電動モータを駆動させる、所謂、センサレスでの駆動を実現させたものがある。特許文献1では、ロータの磁極として、非通電相のモータコイルの端子電圧のゼロクロス点を検出し、当該ゼロクロス点の検出後、電気角で30°遅延させたタイミングで各相の通電状態を切り替えるようにしている。
ただし、非通電相のモータコイルの端子電圧には、通電から非通電への切り替え時に、スパイク状のノイズ(以下、「スパイクノイズ」という)が生じる。このスパイクノイズは、ゼロクロス点の誤検出の原因になることが知られており、対策が不可欠なものとなっている。この対策として、特許文献1では、スパイクノイズの発生自体を低減させる工夫がなされている。これ以外にも、例えば、特許文献2に記載のような対策もある。特許文献2では、スパイクノイズが生じる状況を予測して定めた期間中において、ゼロクロス点の検出を無視してこれを採用しないようにしている。
特許第3394765号公報 特開2012−80690号公報
スパイクノイズが生じる状況は、常に一定とは限らず、例えば、電動モータに電力を供給する電源の電圧が変動することによって、ばらつく可能性がある。そのため、特許文献2の対策では、予め定めた期間を逸脱して生じるスパイクノイズに対する効果が十分とは言えない。これに対して、ゼロクロス点の検出を無視する期間を可変させる等、新たに対策を実施することも考えられるが、ゼロクロス点の検出を無視する期間中に、本来のゼロクロス点の検出が無効とされる可能性がある。この場合、ゼロクロス点の検出を無視する期間の解除後すぐにゼロクロス点を検出したとしても、ゼロクロス点の検出が本来のゼロクロス点の検出に対して既にずれている状況である。これにより、本来のゼロクロス点の検出から遅延時間を空けたタイミングに対して、ずれたタイミングに基づいて、各相の通電状態が切り替えられるようになってしまい、最悪の場合には電動モータのロックや脱調を生じてしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動モータのロックや脱調の発生を抑えられる電動モータの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決する電動モータの制御装置は、電動モータを構成する3相のモータコイルの通電及び非通電の通電状態の切り替えを実行する通電状態切替実行部と、3相のモータコイルのうち非通電相のモータコイルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、端子電圧検出部の検出結果に基づいて、通電状態の切り替えタイミングを通電状態切替実行部に対して指示する切替制御部とを備えている。この電動モータの制御装置において、切替制御部は、端子電圧検出部の検出結果に基づいて、電動モータを構成するロータの磁極として、切り替えタイミングの指標となるゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出処理と、ゼロクロス点検出処理によって、ゼロクロス点が検出された場合、当該ゼロクロス点の検出から予め定めた電気角に相当する時間である遅延時間を空けたタイミングで、切り替えタイミングであることを指示する通電状態切替指示処理と、端子電圧検出部の検出結果に基づいて、ゼロクロス点を誤検出する可能性のあるノイズを検出している間、ゼロクロス点の検出を無効とする期間である無効期間を設定する無効期間設定処理と、無効期間が解除され、当該無効期間が設定されていなければ前記ゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、切り替えタイミングが、検出が無効とされた本来のゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングとなるように、当該遅延時間を補正する遅延時間補正処理とを実行するようにしている。
上記構成のように、ゼロクロス点の検出を無効とする無効期間を設定すると、当該無効期間は、ノイズの発生状況に応じて変化しうる。この場合、無効期間の設定中に、本来のゼロクロス点の検出を無効としている状況も想定される。この想定される状況では、上記[発明が解決しようとする課題]にも記載したように、ゼロクロス点の検出を無視する期間の解除後すぐにゼロクロス点を検出したとしても、ゼロクロス点の検出が本来のゼロクロス点の検出に対して既にずれている状況である。
その点、上記構成によれば、上記想定される状況であっても、各相の通電状態の切り替えタイミングは、無効期間が解除された後、遅延時間の補正という処理によって、本来のゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングに補正されるようになる。これにより、ノイズの発生状況に関係なく、各相の通電状態の切り替えタイミングとして、本来のゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングを維持することができ、モータのロックや脱調の発生を抑えることができる。
ここで、非通電相のモータコイルの端子電圧の変化は、ノイズの発生状況でなければ、線形的に変化する特性を有している。これを利用すれば、無効期間が解除され、当該無効期間が設定されていなければゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、本来のゼロクロス点からの経過時間を演算することができる。
すなわち、上記電動モータの制御装置において、切替制御部は、無効期間が解除され、当該無効期間が設定されていなければゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、遅延時間補正処理を通じて、端子電圧検出部で検出される端子電圧の変化率に基づいて、本来のゼロクロス点からの経過時間を演算し、当該経過時間を前記遅延時間から減算した結果を新たな遅延時間として設定することが望ましい。
上記構成によれば、本来のゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングまでの時間のうち、本来のゼロクロス点から遅延時間の補正時までの経過時間を除いた残り時間が、新たな遅延時間として設定される。これにより、遅延時間の補正時から新たな遅延時間を空けたタイミングは、本来のゼロクロス点から補正前の遅延時間を空けたタイミングと一致することとなる。このような新たな遅延時間を設定することによって、無効期間が設定されていなければゼロクロス点が検出されていたことを判断できるときであっても、各相の通電状態の切り替えタイミングを、ゼロクロス点から遅延時間を空けたタイミングに好適に維持することができる。
ただし、非通電相のモータコイルの端子電圧の変化は、線形的に変化する特性を常に有するものではなく、電動モータの回転数がある程度の回転数に達している必要がある。
そこで、上記電動モータの制御装置において、切替制御部は、通電状態切替指示処理を通じて、電動モータが始動開始状態の間、各相の通電状態を予め定めた規則にしたがって強制的に切り替える状態を維持し、当該始動開始状態と比較して電動モータの回転数が上昇した状態である定常回転状態の間、各相の通電状態をゼロクロス点の検出にしたがって切り替えるものであることが望ましい。
上記構成によれば、遅延時間が補正される状況は、電動モータの定常回転状態の間であって、非通電相のモータコイルの端子電圧の変化が線形的に変化する特性を有する状況とすることができる。これにより、非通電相のモータコイルの端子電圧の変化の変化率の演算精度を高め、本来のゼロクロス点からの経過時間の演算精度を高めることができる。
また、非通電相のモータコイルの端子電圧の変化が線形的に変化する特性は、電動モータの回転数が上昇するにつれて精度を増す特性も有している。すなわち、非通電相のモータのコイルの端子電圧の変化の変化率は、その取得間隔を大きく開けて取り込んだ端子電圧を用いるほど演算精度を増す。
そこで、上記電動モータの制御装置において、切替制御部は、遅延時間補正処理を通じて、無効期間が解除された後、取得間隔を空けて取り込んだ端子電圧検出部で検出される複数の端子電圧に基づいて、変化率を得るものであり、当該取得間隔を電動モータの回転数が小さいほど大きく可変させるものであることが望ましい。
上記構成によれば、電動モータの定常回転状態のなかでも、さらに詳細な状態に合わせて調整を図ることによって、端子電圧の変化率の演算精度を高めることができる。これにより、本来のゼロクロス点からの経過時間の演算精度をより好適に高めることができる。
ところで、上記スパイクノイズは、非通電相において、それまでの通電状態に対して逆側(正に対して負、負に対して正)に流れる電流に起因して生じる。この逆側に流れる電流は、非通電相のモータコイルの端子電圧に対して、電動モータの電力の供給源たる電源電圧よりも大きい幅の電圧変動を引き起こす。すなわち、上記スパイクノイズは、電源電圧よりも大きい電圧や基準電位よりも小さい電圧を生じさせるのが特徴である。
そこで、上記電動モータの制御装置において、切替制御部は、無効期間設定処理を通じて、非通電相のモータコイルの端子電圧が電源電圧よりも大きい間、又は非通電相のモータコイルの端子電圧が基準電位よりも小さい間、無効期間を設定することが望ましい。
上記構成によれば、非通電相のモータコイルの端子電圧に基づいて、ノイズ、すなわちスパイクノイズそのものを検出することができ、実際にスパイクノイズを生じているか否かに基づいて、無効期間を設定することができる。したがって、スパイクノイズの特徴が現れている間にのみ効果を発揮させることができるように、無効期間を設定する期間を最適化することができる。
本発明によれば、電動モータのロックや脱調の発生を抑えることができる。
電動ポンプ用制御装置を搭載したシステムの概略構成を示すブロック図。 EOPECUについてその構成を示すブロック図。 EOPECUについてそのプリドライバの構成を示すブロック図。 定常回転状態における電動モータの非通電相に現れる誘起電圧を示すチャート図。 EOPECUについてそのマイコンが実行する磁極切替制御に関わる処理を示すフローチャート。 EOPECUについてそのマイコンが実行する磁極切替制御に関わる処理として、特に磁極検出処理を示すフローチャート。 (a)〜(c)は、スパイクノイズの発生状態に応じた非検出期間の設定態様を示す図。 遅延時間と、補正時間と、補正後の遅延時間との関係を模式的に示す図。
以下、電動モータの制御装置の一実施形態として、車両に搭載される電動ポンプに内蔵の電動モータを制御する電動ポンプ用制御装置を例に挙げて説明する。はじめに、電動ポンプのシステムの概略について説明する。
図1に示すように、電動ポンプ10は、電動モータ10aを内蔵している。電動モータ10aは、表面磁石型のブラシレスDCモータである。電動モータ10aは、その中心軸mを中心に回転するロータ10bと、ロータ10bの外周に配置されるステータ10cとを備えている。ロータ10bには、その表面に永久磁石が固定されている。永久磁石は、ロータ10bの周方向に異なる極性(N極、S極)が交互に並んで配置されている。こうした永久磁石は、電動モータ10aが回転する際に磁界、すなわち界磁を形成する。ステータ10cには、3相のモータコイルの各相10u,10v,10wが円環状に配されている。
電動ポンプ10は、内蔵の電動モータ10aによってCVT(無段変速機)11にオイルを供給して油圧を発生させる。CVT11は、内燃機関12(E/G)の回転を変速して車輪に伝える変速機である。CVT11は、オイルの油圧によって変速比を連続的に可変(無段階可変)とする。CVT11に供給されるオイルは、タンク13に貯蔵されている。タンク13内のオイルは、電動ポンプ10に内蔵の電動モータ10aの駆動によって汲み上げられ、CVT11に吐出される。また、タンク13内のオイルは、内燃機関12によって駆動されるオイルポンプ14によって汲み上げられ、CVT11に吐出される。そして、タンク13内のオイルは、電動ポンプ10又はオイルポンプ14のいずれかによって汲み上げられるとともに、CVT11に吐出される。なお、電動ポンプ10とCVT11及びオイルポンプ14との間には、図示しない逆止弁が設けられている。逆止弁は、CVT11及びオイルポンプ14から電動ポンプ10側へのオイルの流入を規制する。
内燃機関12には、内燃機関12の駆動を制御するEGECU15が接続されている。EGECU15には、内燃機関12の自動停止(又は復帰)を指示するISMECU16が接続されている。ISMECU16は、車両の一時停止等において内燃機関12を自動停止させる、所謂、アイドリングストップを制御する。
電動ポンプ10には、電動モータ10aの動作、すなわち電動ポンプ10の駆動を制御する電動ポンプ用制御装置(以下、「EOPECU」という)20が接続されている。EOPECU20には、電動モータ10aの電源となるバッテリ17が接続されている。
バッテリ17は、内燃機関12によって駆動される図示しないオルタネータが発生させる電力を蓄える直流電源である。なお、バッテリ17は、EGECU15及びISMECU16にも接続されている。EOPECU20には、ISMECU16が接続されている。ISMECU16は、EOPECU20に対し、内燃機関12の自動停止等の状態に応じて電動ポンプ10の駆動又は停止を指示する。
次に、EOPECU20の電気的構成について説明する。
図1及び図2に示すように、EOPECU20には、ISMECU16から電動ポンプ制御信号Seopが入力される。一方、EOPECU20は、電動ポンプ10の駆動状態を示す状態情報PstをISMECU16に対して出力する。
具体的に、ISMECU16は、内燃機関12の自動停止又は自動停止からの復帰を指示する内燃機関制御信号Segを生成し、EGECU15に対して出力する。ISMECU16は、車両の一時停止を検出する場合、内燃機関12の運転状態やバッテリ17の電力の蓄え状態等、車両の状態に応じて内燃機関12の自動停止を指示する。また、ISMECU16は、内燃機関12を自動停止させている場合、内燃機関12の運転状態やバッテリ17の電力の蓄え状態等に応じて内燃機関12の自動停止からの復帰を指示する。なお、内燃機関12の運転状態は、EGECU15から取得する状態情報Dstに基づき判断される。また、バッテリ17の電力の蓄え状態は、バッテリ17のバッテリ電圧に基づき判断される。その他、車両の状態は、車両に搭載される図示しない各種センサから取得する情報に基づき判断される。
また、ISMECU16は、内燃機関制御信号SegをEGECU15に対して出力する場合、電動ポンプ10の駆動又は停止を指示する電動ポンプ制御信号Seopを生成し、EOPECU20に対して出力する。ISMECU16は、内燃機関12の自動停止を指示する場合、電動ポンプ10の駆動を指示する。この場合、オイルポンプ14は、内燃機関12の自動停止によって停止する。これに対してISMECU16は、電動ポンプ10の駆動を指示することとしている。すなわち、ISMECU16は、内燃機関12の自動停止によってオイルポンプ14が停止してしまった後もCVT11にオイルを供給可能に電動ポンプ10の駆動を指示する。また、ISMECU16は、内燃機関12の自動停止からの復帰を指示する場合、電動ポンプ10の停止を指示する。この場合、オイルポンプ14は、内燃機関12の自動停止からの復帰によって駆動する。これに対してISMECU16は、電動ポンプ10の停止を指示することとしている。すなわち、ISMECU16は、内燃機関12の自動停止からの復帰によってオイルポンプ14が駆動するので電動ポンプ10を停止させるように指示する。
図2の説明に戻り、EOPECU20は、バッテリ17から電動モータ10aに交流電力を供給するように駆動するインバータ21を備えている。インバータ21は、トランジスタに分類される複数のスイッチング素子(例えば、電界効果型トランジスタ)21a〜21fを有している。具体的に、インバータ21は、上下一対のスイッチング素子((21a,21b)、(21c,21d)、(21e,21f))3組の直列回路を基本単位(スイッチングアーム)とし、各スイッチングアームを並列に接続してなる周知の3相インバータとして構成されている。一対のスイッチング素子の上流側はバッテリ17に接続されているとともに、一対のスイッチング素子の下流側はグランド(基準電位点)に接続されている。一対のスイッチング素子の各接続点は、電動モータ10aのステータ10cの各相10u,10v,10wに接続されている。なお、各スイッチング素子21a〜21fには、それぞれダイオードが並列接続されている。また、インバータ21には、バッテリ17から供給される電力を平滑化する図示しないコンデンサが設けられている。
また、EOPECU20は、マイコン(マイクロコンピュータ)22を備えている。マイコン22は、インバータ21の駆動を制御するPWM信号等の電圧信号Svを生成する。また、EOPECU20は、電圧信号Svを増幅させるプリドライバ23を備えている。プリドライバ23は、インバータ21の各スイッチング素子21a〜21fに応じて電圧信号Svを増幅させた電圧信号Sva〜Svfを生成する。
また、EOPECU20には、インバータ21に流れる電流値Iを検出するための電流センサ24が設けられている。電流センサ24は、インバータ21の下流側の各スイッチング素子21b,21d,21fとグランドとの間に設けられている。
次に、マイコン22及びプリドライバ23の各機能について、詳しく説明する。
図2に示すように、マイコン22は、インバータ21の通電状態の切り替えを指示する切替制御信号Scを生成する切替制御部30と、電圧信号Svを生成する電圧信号生成部31とを有している。なお、電圧信号生成部31は通電状態切替実行部の一例である。
切替制御部30には、プリドライバ23が有する端子電圧検出部33を介して磁極検出信号S1〜S3が入力される。磁極検出信号S1〜S3は、電動モータ10aを構成するロータ10bの磁極を検出したか否かを判断するためのものである。切替制御部30は、磁極検出信号S1〜S3に基づいて、ロータ10bの磁極を検出する場合、切替制御信号Scを生成し、電圧信号生成部31に対して出力する。また、切替制御部30には、電動モータ10aの各相10u,10v,10wが接続されている。そして、切替制御部30には、各相10u,10v,10wのそれぞれの端子電圧として、電圧値Vu,Vv,Vwが入力される。各電圧値Vu,Vv,Vwは、アナログ信号であり、A/Dコンバータ等の変換器を介してデジタル信号に変換されることによって、デジタル信号として切替制御部30に入力される。
電圧信号生成部31には、電動ポンプ制御信号Seop、電流値I、切替制御信号Scが入力される。電圧信号生成部31は、電動ポンプ制御信号Seop、電流値I、切替制御信号Scに基づいて、電圧信号Svを生成し、プリドライバ23に対して出力する。
なお、電圧信号生成部31は、電動モータ10aに供給するべき電流の目標値を演算する。そして、電圧信号生成部31は、電流値Iと目標値との偏差を求め、この偏差を解消するように電流フィードバック(F/B)制御を実行する。また、電圧信号生成部31は、電流フィードバック(F/B)制御を実行することにより電圧信号Svを生成する。
図2に示すように、プリドライバ23は、電圧信号Sva〜Svfを出力する電圧信号出力部32と、磁極検出信号S1〜S3を生成する端子電圧検出部33とを有している。
電圧信号出力部32には、電圧信号Svが入力される。電圧信号出力部32は、電圧信号Svを増幅した各電圧信号Sva〜Svfを生成し、対応する各スイッチング素子21a〜21fのオンduty比を制御し、各相10u,10v,10wに対して電圧を印加する。
端子電圧検出部33には、各相10u,10v,10wの各電圧値Vu,Vv,Vwが入力される。これら各電圧値Vu,Vv,Vwは、アナログ信号として端子電圧検出部33に入力される。
図3に示すように、端子電圧検出部33は、3つのコンパレータ33u,33v,33wを備えている。各コンパレータ33u,33v,33wの非反転入力端子(「+」)には、各相10u,10v,10wのうち対応する電圧値が入力される。また、各コンパレータ33u,33v,33wの反転入力端子(「−」)には、バッテリ17の電圧値Ve(電圧幅である電源電圧)の中点電圧値V0(電圧値Veの1/2の値)がそれぞれ入力される。なお、中点電圧値V0は、バッテリ17に対して直列接続された同値の抵抗R1,R2の間に各コンパレータ33u,33v,33wの反転入力端子を接続することによって得られるアナログ信号である。
各コンパレータ33u,33v,33wは、各電圧値Vu,Vv,Vw(アナログ信号)と、中点電圧値V0(アナログ信号)との大小を比較する。そして、各コンパレータ33u,33v,33wは、大小を比較した結果を各磁極検出信号S1〜S3として「1(ハイレベル)」又は「0(ローレベル)」の2値のデジタル信号として出力する。各コンパレータ33u,33v,33wは、各電圧値Vu,Vv,Vwが中点電圧値V0以上の場合、各磁極検出信号S1〜S3として「1」を出力する。また、各コンパレータ33u,33v,33wは、各電圧値Vu,Vv,Vwが中点電圧値V0よりも小さい場合、各磁極検出信号S1〜S3として「0」を出力する。各磁極検出信号S1〜S3において、各電圧値Vu,Vv,Vwと中点電圧値V0との大小が反転する場合、その出力値が「1」→「0」(ハイロー)又は「0」→「1」(ローハイ)のように変化する。この出力値の変化によっては、ロータ10bの磁極が検出される。
具体的に、電動モータ10aには、インバータ21による各相10u,10v,10wの通電状態の切り替えを通じて電気角60°毎に通電相を切り替える120°矩形波駆動によって電力が供給される。すなわち、各相10u,10v,10wの通電は、電気角360°を、電気角120°の正方向(電動モータ10aが正回転する方向)の通電区間及び電気角60°の非通電区間と、電気角120°の負方向(電動モータ10aが逆回転する方向)の通電区間及び電気角60°の非通電区間とに区画して実行される。各相10u,10v,10wの通電は、互いに位相が電気角で120°ずらされる。
図4に示すように、各電圧値Vu,Vv,Vwは、正方向の通電(以下、「正通電」という)時、中点電圧値V0以上であるバッテリ17の電圧値Veとなる。この場合、各磁極検出信号S1〜S3の出力値は「1」である。また、各電圧値Vu,Vv,Vwは、負方向の通電(以下、「負通電」という)時、中点電圧値V0よりも小さいグランド電位(基準電位)の電圧値Vbaseとなる。この場合、各磁極検出信号S1〜S3の出力値は「0」である。
一方、各電圧値Vu,Vv,Vwは、正通電及び負通電の何れでもない非通電時、電動モータ10aのロータ10bの永久磁石によるステータ10cの鎖交磁束によって生じる誘起電圧の電圧値となる。この誘起電圧は、各相10u,10v,10wのうち非通電相における端子電圧の変化として現れる。こうした誘起電圧の変化は、バッテリ17の電圧値Ve又はグランド電位の電圧値Vbaseから中点電圧値V0と所定の勾配を有して交差する、所謂、ゼロクロスする変化を現す。このゼロクロスする瞬間のことを、本実施形態ではゼロクロス点という。ゼロクロス点では、各磁極検出信号S1〜S3の出力値は「1」→「0」(ハイロー)の立ち下り又は「0」→「1」(ローハイ)の立ち上がりのエッジである。こうしたゼロクロス点は、各相の通電状態を切り替える指標である。
そして、切替制御部30は、各磁極検出信号S1〜S3に基づいて、ロータ10bの磁極として、ゼロクロス点、すなわち立ち下がり又は立ち上がりのエッジを検出する。切替制御部30は、ゼロクロス点を検出した場合、各相の通電状態を切り替えることを指示する切り替えタイミングであることを判断する。この場合、切替制御部30は、ゼロクロス点を検出してから予め定めた電気角(本実施形態では、30°)に相当する時間である遅延時間Tdthを空けたタイミングを切り替えタイミングとして、各相の通電状態の切り替えを指示する。なお、遅延時間Tdthは、その時の電動モータ10aの回転数Nに応じて変化するものである。
これに対し、各電圧値Vu,Vv,Vwには、同じく非通電時、各スイッチング素子21a〜21fがオンからオフに切り替えられることに起因し、スパイク状(エッジ状)に変化する誘起電圧が生じる場合がある。このスパイク状に変化する誘起電圧は、バッテリ17の電圧値Ve又はグランド電位の電圧値Vbaseから中点電圧値V0とスパイク状に交差する、所謂、スパイクノイズである。スパイクノイズは、ロータ10bの磁極として、ゼロクロス点を検出していないにもかかわらず、ゼロクロス点と同様、ゼロクロスする変化を現すものであり、ゼロクロス点の誤検出の原因として一般的に知られているものである。そのため、スパイクノイズによるゼロクロス点の誤検出を防ぐべく、スパイクノイズを検出している間は、ゼロクロスが検出されないように、各磁極検出信号S1〜S3のマスク処理を実施するようにしている。このマスク処理については、後で詳しく説明する。
次に、電動モータ10aを駆動させるための処理内容について説明する。
ゼロクロス点の検出精度は、その時の電動モータ10aの回転数Nに応じて変化する。本実施形態では、電動モータ10aの回転数Nを、電動モータ10aの駆動状態に応じて、低回転域、中回転域、及び高回転域の大きく3種類に分類している。低回転域は、電動モータ10aの駆動状態が、停止からの駆動開始時や駆動開始から間もない始動開始状態における回転数である。中回転域及び高回転域は、電動モータ10aの駆動状態が、始動開始状態と比較して電動モータ10aの回転数Nが上昇した状態である定常回転状態における回転数である。中回転域は、電動モータ10aの駆動状態が定常回転状態のなかでも始動開始状態に寄った側、比較的に低回転側の回転数である。一方、高回転域は、電動モータ10aの駆動状態が定常回転状態のなかでも始動開始状態から離れた側、比較的に高回転側の回転数である。
電動モータ10aの回転数Nが低回転域の場合、非通電相において誘起電圧を生じることに変わりないが、誘起電圧の変化が定まらず中点電圧値V0付近でぶれることとなる。これに起因して、電動モータ10aの回転数Nが低回転域の場合、ゼロクロス点の検出精度が著しく低下し、ロータ10bの磁極の検出による各相の通電状態の切り替えが困難となる。
そこで、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが低回転域の間、ロータ10bの磁極の検出に関係なく、予め定めたタイミングで各相の通電状態を強制的に切り替える強制切替制御、所謂、強制転流を実行する駆動モードに制御する。
これに対して、電動モータ10aの回転数Nが中回転域及び高回転域の場合、誘起電圧の変化が低回転域の場合と比較して定まることとなる。そのため、電動モータ10aの回転数Nが中回転域及び高回転域の場合、低回転域の場合と比較してゼロクロス点の検出精度が上昇し、ロータ10bの磁極の検出による各相の通電状態の切り替えが可能となる。
すなわち、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが中回転域及び高回転域の間、ロータ10bの磁極として、ゼロクロス点を検出することに基づいて、各相の通電状態を切り替える磁極切替制御、所謂、センサレスでの駆動を実行する駆動モードに制御する。
なお、低回転域、中回転域、及び高回転域における、電動モータ10aの具体的な回転数Nは、ゼロクロス点の検出精度の試験等を通じて、経験的に求められる回転数に設定される。
強制切替制御において、切替制御部30は、8ms毎に正通電、負通電、及び非通電の相の組み合わせを予め定めた規則にしたがって切り替える。この場合、最初の相の組み合わせを、相10u(U相)が非通電相、相10v(V相)が通電相(負通電)、相10w(W相)が通電相(正通電)の組み合わせとする場合、その次に、相10uが通電相(正通電)、相10vが通電相(負通電)、相10wが非通電相の組み合わせに切り替えられる。その後、予め定めた規則したがった相の組み合わせとなるように、相の組み合わせが順次切り替えられる。各相の組み合わせの切り替えは、強制切替制御が実行される間、繰り返し実行される。
この強制切替制御を実行する駆動モードの制御中、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが上昇して中回転域又は高回転域に達する場合、磁極切替制御を実行する駆動モードに制御する。以後、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが中回転域又は高回転域に維持される間、磁極切替制御を実行する駆動モードの制御を維持する。
次に、切替制御部30が実行する磁極切替制御について説明する。なお、切替制御部30は、制御周期(例えば、70μs)毎に周期処理を実行することによって、磁極切替制御に関わる以下の処理を実行する。
図5に示すように、切替制御部30は、ロータ10bの磁極として、ゼロクロス点を検出することに基づいて、各相の通電状態を切り替えることを指示する(S10)。S10にて、切替制御部30は、上述の強制切替制御と同様、予め定めた規則にしたがった相の組み合わせとなるように、各相の通電状態の切り替えを指示する。
続いて、切替制御部30は、各電圧値Vu,Vv,Vwのうち非通電相の端子電圧を取得する(S11)。S11にて、切替制御部30は、非通電相の端子電圧のデジタル値を非通電相電圧値Vadとして所定の記憶領域に記憶する。非通電相電圧値Vadは、ロータ10bの磁極の検出に基づいて、通電から非通電に切り替えられた直後の端子電圧である。
そして、切替制御部30は、S11で検出した非通電相電圧値Vadが電圧値Veよりも大きいか否か、又は電圧値Vbaseよりも小さいか否かを判断する(S12)。S12にて、切替制御部30は、非通電相に対して負通電から非通電に切り替えを指示していた場合、非通電相電圧値Vadと電圧値Veとの比較を実行する。一方、切替制御部30は、非通電相に対して正通電から非通電に切り替えを指示していた場合、非通電相電圧値Vadと電圧値Vbaseとの比較を実行する。なお、切替制御部30は、非通電相に対して負通電及び正通電の何れから切り替えを指示したかを示す情報について、予め定めた規則から把握することができる。
ここで、スパイクノイズの特徴について説明する。
図4に示すように、スパイクノイズは、誘起電圧の変化として非通電区間で現れる。同図において、電圧値Ve側に突出するスパイクノイズのピーク付近を拡大して示すように(図中、右側の拡大)、非通電区間では、負通電から切り替えられる場合、電圧値Veを上回るピークを有するスパイクノイズNz(+)が現れる。このスパイクノイズNz(+)が現れている間は、対応する相の端子電圧が電圧値Veを上回っていることが特徴である。そのため、非通電区間では、負通電から切り替えられる場合、対応する相の端子電圧が電圧値Veを上回っているか否かを判断すれば、スパイクノイズNz(+)の出現中であるか否かを判断することができる。
一方、同図において、電圧値Vbase側に突出するスパイクノイズのピーク付近を拡大して示すように(図中、左側の拡大)、非通電区間では、正通電から切り替えられる場合、電圧値Vbaseを下回るピークを有するスパイクノイズNz(−)が現れる。このスパイクノイズNz(−)が現れている間は、対応する相の端子電圧が電圧値Vbaseを下回っていることが特徴である。そのため、非通電区間では、正通電から切り替えられる場合、対応する相の端子電圧が電圧値Vbaseを下回っているか否かを判断すれば、スパイクノイズNz(−)の出現中であるか否かを判断することができる。
具体的に、切替制御部30は、負通電から切り替えることを指示した非通電区間において、S11で取得した非通電相電圧値Vadが電圧値Veよりも大きい場合(S12:YES)、スパイクノイズNz(+)の出現中であることを判断する(S13)。一方、切替制御部30は、正通電から切り替えることを指示した非通電区間において、S11で取得した非通電相電圧値Vadが電圧値Vbaseよりも小さい場合(S12:YES)、スパイクノイズNz(−)の出現中であることを判断する(S13)。
続いて、切替制御部30は、S13でスパイクノイズの出現中であることを判断したことに基づいて、マスク処理を実施する(S14)。S14にて、切替制御部30は、スパイクノイズの出現中であることを判断する間、各磁極検出信号S1〜S3を無効にし、ゼロクロスの検出を無効にするようにする。なお、各磁極検出信号S1〜S3を無効にする場合、各磁極検出信号S1〜S3自体が入力されないようにしてもよいし、入力されても採用しないようにしてもよい。同じく、ゼロクロスの検出を無効にする場合、ゼロクロスの検出自体を実行しないようにしてもよいし、ゼロクロスを検出しても採用しないようにしてもよい。
その後、切替制御部30は、S11の処理に戻りスパイクノイズが出現中でないことを判断できるようになるまでの間、S11〜S14の処理を繰り返し実行する。これにより、切替制御部30は、各磁極検出信号S1〜S3の検出結果を所定の期間無効にすることによって、ロータ10bの磁極を検出しない非検出期間(無効期間)をS11〜S14の処理を通じて設定する。なお、S11〜S14の処理は無効期間設定処理の一例である。
一方、切替制御部30は、スパイクノイズが出現中でないことを判断できる場合(S12:NO)、各磁極検出信号S1〜S3のうち非通電相に対応する磁極検出信号に基づいて、ロータ10bの磁極を検出するための磁極検出処理(S15)を実行する。この場合、切替制御部30は、それまで設定していた非検出期間の設定を解除している。
図6に示すように、磁極検出処理(S15)において、切替制御部30は、S11と同様、各電圧値Vu,Vv,Vwのうち非通電相の端子電圧を取得する(S20)。S20にて、切替制御部30は、非通電相の端子電圧のデジタル値を非通電相電圧値Vad1として所定の記憶領域に記憶する。非通電相電圧値Vad1は、ロータ10bの磁極の検出に基づいて、通電から非通電に切り替えられた後、スパイクノイズが消えて非検出期間の設定の解除直後の端子電圧である。
そして、切替制御部30は、S20で検出した非通電相電圧値Vad1に基づいて、ゼロクロス点の通過後であるか否かを判断する(S21)。S21にて、切替制御部30は、S20で検出した非通電相電圧値Vad1が、中点電圧値V0よりも大きいか否か、又は中点電圧値V0よりも小さいか否かを判断する。
図4に示すように、非通電区間では、負通電から切り替えられている場合、ゼロクロス点(中点電圧値V0と交差する点)に向かって増加する勾配を有する誘起電圧(正勾配)が現れる。そのため、非通電区間では、負通電から切り替えられる場合、対応する相の端子電圧が中点電圧値V0よりも大きいか否かを判断すれば、ゼロクロス点の通過後であるか否かを判断することができる。
一方、同図に示すように、非通電区間では、正通電から切り替えられている場合、ゼロクロス点(中点電圧値V0と交差する点)に向かって減少する勾配を有する誘起電圧(負勾配)が現れる。そのため、非通電区間では、正通電から切り替えられる場合、対応する相の端子電圧が中点電圧値V0よりも小さいか否かを判断すれば、ゼロクロス点の通過後であるか否かを判断することができる。
具体的に、切替制御部30は、負通電から切り替えることを指示した非通電区間において、S20で取得した非通電相電圧値Vad1が中点電圧値V0よりも大きい場合(S21:YES)、ゼロクロス点の通過後であることを判断する。また、切替制御部30は、負通電から切り替えることを指示した非通電区間において、S20で取得した非通電相電圧値Vad1が中点電圧値V0以下の場合(S21:NO)、ゼロクロス点の通過前であることを判断する。
一方、切替制御部30は、正通電から切り替えることを指示した非通電区間において、S20で取得した非通電相電圧値Vad1が中点電圧値V0よりも小さい場合(S21:YES)、ゼロクロス点の通過後であることを判断する。また、切替制御部30は、正通電から切り替えられることを指示した非通電区間において、S20で取得した非通電相電圧値Vad1が中点電圧値V0以上の場合(S21:NO)、ゼロクロス点の通過前であることを判断する。
本実施形態において、ゼロクロス点の通過前は、非通電区間の間において、スパイクノイズがゼロクロス点を検出する時点で消えている場合のことであり、非検出期間の設定の解除後、ゼロクロス点が検出される場合のことである。一方、ゼロクロス点の通過後は、非通電区間の間において、非検出期間が設定されていなければ本来、ゼロクロス点を検出している時点で消えていない場合のことであり、非検出期間の設定の解除後、ゼロクロス点が検出されない場合のことである。
続いて、切替制御部30は、S21でゼロクロス点の通過前であることを判断する場合(S21:NO)、各磁極検出信号S1〜S3のうち非通電相に対応する磁極検出信号に基づいて、ロータ10bの磁極を検出したか否かを判断する(S22)。S22にて、切替制御部30は、ゼロクロス点を検出したか否かを判断する。切替制御部30は、ロータ10bの磁極を検出しない場合(S22:NO)、以後、ロータ10bの磁極を検出するまでの間、S22の処理を繰り返し実行する。なお、S22の処理はゼロクロス点検出処理の一例である。
一方、切替制御部30は、ロータ10bの磁極を検出した場合(S22:YES)、遅延時間カウンタTdが遅延時間Tdthを超えているか否かを判断する(S23)。S23にて、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdに「0(零)」の値を設定する。遅延時間カウンタTdは、ゼロクロス点の検出後、実際に各相の通電状態を切り替える切り替えタイミングを判断する指標である。遅延時間カウンタTdは、制御周期(例えば、70μs)毎にインクリメント(1加算(+1))して更新される。なお、切替制御部30は、遅延時間Tdthと電動モータ10aの回転数Nとの関係を定めたマップを備えている。このマップは、遅延時間Tdthが予め定めた電気角(例えば、電気角30°)に相当する時間となるように、回転数Nが大きくなるにつれて遅延時間Tdthが小さくなる。
そして、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdが遅延時間Tdthを超えていない場合(S23:NO)、遅延時間カウンタTdをインクリメントし(S24)、S23の処理に戻る。
一方、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdが遅延時間Tdthを超えている場合(S23:YES)、磁極検出処理(S15)を終了し、磁極切替制御のS10の処理に戻り、各相の通電状態を切り替えることを指示する。これにより、電圧信号生成部31は、各相の通電状態を切り替えるように電圧信号を生成する。なお、S10,S23,S24の処理は通電状態切替指示処理の一例である。
また、切替制御部30は、S21でゼロクロス点の通過後であることを判断する場合(S21:YES)、電動モータ10aの回転数Nが回転数閾値Nth以上であるか否かを判断する(S25)。S25にて、切替制御部30は、ロータ10bの磁極の検出間隔等から電動モータ10aの回転数Nを算出する。回転数閾値Nthは、高回転域に設定される回転数のうち最小回転数である。
S21:YESの場合、非検出期間の設定の解除後すぐにゼロクロス点を検出したとしても、ゼロクロス点の検出タイミングが、非検出期間が設定されていたことによって検出が無効とされた本来のゼロクロス点に対して既にずれている状況である。またこの場合、非検出期間の設定の解除後すぐにゼロクロス点を検出し、さらに遅延時間Tdthを設定したとしても、各相の通電状態の切り替えタイミングが、本来のゼロクロス点の検出から遅延時間Tdthを空けたタイミングに対してずれることは必至である。このずれを補正し、各相の通電状態の切り替えタイミングが、本来のゼロクロス点から遅延時間Tdthを空けたタイミングとなるようにするために、切替制御部30は、S25〜S32の処理を実行する。なお、S25〜S32の処理は遅延時間補正処理の一例である。
すなわち、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが回転数閾値Nth以上、すなわち電動モータ10aが高回転域における定常回転状態である場合(S25:YES)、電圧取得回数Xthとして、「0(零)」を設定する(S26)。一方、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが回転数閾値Nthよりも小さい、すなわち電動モータ10aが中回転域における定常回転状態である場合(S25:NO)、電圧取得回数Xthとして、「1」を設定する(S27)。
続いて、切替制御部30は、S11やS20と同様、各電圧値Vu,Vv,Vwのうち非通電相の端子電圧を取得し、電圧取得カウンタXをインクリメント(1加算(+1))して更新する(S28)。S28にて、切替制御部30は、非通電相の端子電圧のデジタル値を非通電相電圧値Vad2として所定の記憶領域に記憶する。非通電相電圧値Vad2は、ロータ10bの磁極の検出に基づいて、通電から非通電に切り替えられた後、スパイクノイズが消えて非検出期間の設定の解除直後であって、さらに非通電相電圧値Vad1とは異なる時点での端子電圧である。
そして、切替制御部30は、電圧取得カウンタXが電圧取得回数Xthを超えているか否かを判断する(S29)。S29にて、切替制御部30は、電圧取得カウンタXに「0(零)」の値を設定する。電圧取得カウンタXは、非通電相電圧値Vad2が取得される(S28が実行される)毎にインクリメント(1加算(+1))して更新される。
一方、切替制御部30は、電圧取得カウンタXが電圧取得回数Xthを超えていない場合(S29:NO)、S28の処理に戻る。一方、切替制御部30は、電圧取得カウンタXが電圧取得回数Xthを超えている場合(S29:YES)、S21及びS28で取得した非通電相電圧値Vad1及び非通電相電圧値Vad2に基づいて、非通電相に現れる誘起電圧の変化率(勾配)Vagを演算する(S30)。
このように、切替制御部30は、電圧取得回数Xthが「0(零)」の場合に非通電相電圧値Vad2を1回のみ取得し、電圧取得回数Xthが「1」の場合に非通電相電圧値Vad2を2回取得する。すなわち、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nが高回転域の場合、中回転域の場合と比較して非通電相電圧値Vad2を多く取得し、多く取得する分(非通電相電圧値Vad2の取得を繰り返す制御周期分)だけ非通電相電圧値Vad1に対して時間間隔を空けた非通電相電圧値Vad2を取得する。なお、切替制御部30は、S28を繰り返すことによって、非通電相電圧値Vad2を2回取得する場合、当該非通電相電圧値Vad2として、最新の値のみを所定の記憶領域に記憶する。
S30にて、切替制御部30は、非通電相電圧値Vad1及び非通電相電圧値Vad2と、変化率Vagとを関係づける以下の式(c1)を利用する。
Vag=|(Vad1−Vad2)|/ΔT …(c1)
上記の式(c1)において、ΔTは、非通電相電圧値Vad1及び非通電相電圧値Vad2の取得間隔であり、制御周期の整数倍で規定することができる。例えば、非通電相電圧値Vad1が取得された次の制御周期で非通電相電圧値Vad2が取得される場合のΔTは1制御周期分(例えば、70μs)であり、非通電相電圧値Vad2が2回取得される場合のΔTは2制御周期分(例えば、140μs)である。
続いて、切替制御部30は、上記の式(c1)によって演算された変化率Vagに基づいて、遅延時間Tdthを補正するための時間として補正時間Trvを演算する(S31)。
S31にて、切替制御部30は、変化率Vagと、補正時間Trvとを関係づける以下の式(c2)を利用する。
Trv=|(Vad2−V0)|/Vag …(c2)
上記の式(c2)において、Trvは、本来のゼロクロス点とVad2の取得時との時間間隔であり、これを補正時間として用いる。
続いて、切替制御部30は、上記の式(c2)によって演算された補正時間Trvに基づいて、補正後の遅延時間Tdth´を演算し、これを新たな遅延時間Tdthとして設定する(S32)。
S31にて、切替制御部30は、補正時間Trvと、補正後の遅延時間Tdth´とを関係づける以下の式(c3)を利用する。
Tdth´=Tdth−Trv …(c3)
上記の式(c3)において、Tdth´は、本来のゼロクロス点から本来の遅延時間Tdthのうち、現在(Vad2の取得時)までの経過時間を除いた残り時間であり、これを補正後の遅延時間として用いる。
続いて、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdが、上記の式(c3)によって演算された新たな遅延時間Tdthを超えているか否かを判断する(S23)。
そして、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdが新たな遅延時間Tdthを超えていない場合(S23:NO)、遅延時間カウンタTdをインクリメントし(S24)、S23の処理に戻る。
一方、切替制御部30は、遅延時間カウンタTdが新たな遅延時間Tdthを超えている場合(S23:YES)、磁極検出処理(S15)を終了し、磁極切替制御のS10の処理に戻り、各相の通電状態を切り替えることを指示する。これにより、電圧信号生成部31は、各相の通電状態を切り替えるように電圧信号を生成する。
以上に説明した本実施形態によれば、以下に示す作用及び効果を奏する。
(1)本実施形態のように、ゼロクロス点の検出を無効とする非検出期間を設定する場合、当該非検出期間は、ノイズの発生状況、すなわちスパイクノイズがどのタイミングでどれだけの時間現れるかに応じて、変化しうる。
例えば、図7(a)に示すように、非通電相において、スパイクノイズが生じる場合、S11,S12の処理を通じてスパイクノイズが出現中であることが判断される。このスパイクノイズが出現中であることが判断される間は、S13,S14の処理を通じてロータ10bの磁極が検出されないようになる非検出期間が設定される。
また、図7(b)に示すように、非通電相において、図7(a)に対して、長期に亘ってスパイクノイズが生じる場合であっても同様、S11,S12の処理を通じてスパイクノイズが出現中であることが判断される。このスパイクノイズが出現中であることが判断される間も同様、S13,S14の処理を通じて非検出期間が設定される。ただし、この場合には、図7(a)の場合と比較して、非検出期間が長期に亘って設定される。
また、図7(c)に示すように、非通電相において、図7(a),(b)に対して、短期のスパイクノイズが生じる場合であっても同様、S11,S12の処理を通じてスパイクノイズが出現中であることが判断される。このスパイクノイズが出現中であることが判断される間も同様、S13,S14の処理を通じて非検出期間が設定される。ただし、この場合には、図7(a),(b)の場合と比較して、非検出期間が短期で設定される。
このように、その時々で長短変化するスパイクノイズが生じる場合であっても、スパイクノイズの発生状況に応じて、非検出期間を長短変化させながら設定することができるようにしている。これにより、その時々で長短変化するスパイクノイズが生じる場合であっても、ロータ10bの磁極の誤検出を低減できるようにしている。
ただし、図8に示すように、非通電相において、図7(b)に対して、さらに長期のスパイクノイズが生じる場合、ゼロクロス点(図中、P0で示す)の通過後まで続く長期に亘ってスパイクノイズが生じることも考えられる。この場合、非検出期間の設定中に、本来のゼロクロス点P0の検出を無効としている状況となる。この状況では、非検出期間の設定の解除後すぐにゼロクロス点を検出したとしても、ゼロクロス点の検出が本来のゼロクロス点P0の検出に対して既にずれている状況である。
その点、本実施形態によれば、図8に示す状況であっても、各相の通電状態の切り替えタイミングは、非検出期間が解除された後、S25〜S32の処理を通じた遅延時間Tdthの補正という処理によって、本来のゼロクロス点P0から遅延時間Tdthを空けたタイミングに補正されるようになる。これにより、スパイクノイズの発生状況に関係なく、各相の通電状態の切り替えタイミングとして、本来のゼロクロス点P0から遅延時間Tdthを空けたタイミングを維持することができ、電動モータ10aのロックや脱調の発生を抑えることができる。
(2)図8の拡大図に示すように、非通電相の端子電圧の変化(非通電相に現れる誘起電圧の変化)は、スパイクノイズの発生状況でなければ、線形的に変化する特性を有している。これを利用すれば、非検出期間の設定が解除され、S21:YESによって、当該非検出期間が設定されていなければゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、本来のゼロクロス点P0からの経過時間を演算することができる。
同図に示すように、S20における非通電相電圧値Vad1の取得時を時点P1、その後のS28における非通電相電圧値Vad2の取得時を時点P2とする場合、これらの電圧差がVad1−Vad2となり、これらの取得間隔がΔTとなる。これにより、時点P1及び時点P2を結ぶ直線の傾きが、上記の式(c1)を用いたS30の処理を通じて算出される変化率Vagとなる。この変化率Vagに基づいて、時点P2における本来のゼロクロス点P0からの経過時間が、上記の式(c2)を用いたS31の処理を通じて算出される補正時間Trvとなる。この場合、本来のゼロクロス点P0から補正時間Trvだけ経過していることとなり、遅延時間Tdthから補正時間Trvを除いた残り時間が、上記の式(c3)を用いたS32の処理を通じて算出される補正後の遅延時間Tdth´となる。そして、時点P2から補正後の遅延時間Tdth´を空けたタイミングは、本来のゼロクロス点P0から遅延時間Tdthを空けたタイミングと一致することとなる。
このようにして算出される補正後の遅延時間Tdth´を新たな遅延時間Tdthとして設定することによって、非検出期間が設定されていなければゼロクロス点が検出されていたことを判断できるときであっても、各相の通電状態の切り替えタイミングを、ゼロクロス点から遅延時間Tdthを空けたタイミングに好適に維持することができる。
(3)ただし、非通電相の端子電圧の変化は、線形的に変化する特性を常に有するものではなく、電動モータ10aの回転数Nがある程度の回転数(本実施形態では、定常回転状態である中回転域及び高回転域)に達している必要がある。
そこで、本実施形態において、切替制御部30は、電動モータ10aが始動開始状態の間、強制切替制御を実行し、始動開始状態と比較して電動モータ10aの回転数Nが上昇した状態である定常回転状態の間、磁極切替制御を実行するようにしている。
そのため、遅延時間Tdthが補正される状況は、電動モータ10aの定常回転状態の間であって、非通電相の端子電圧の変化が線形的に変化する特性を有する状況とすることができる。これにより、非通電相の端子電圧の変化率Vagの演算精度を高め、本来のゼロクロス点からの経過時間である補正時間Trvの演算精度を高めることができる。
(4)また、非通電相の端子電圧の変化が線形的に変化する特性は、電動モータ10aの回転数Nが上昇するにつれて精度を増す特性も有している。すなわち、非通電相の端子電圧の変化の変化率Vagは、その取得間隔を大きく開けて取り込んだ端子電圧を用いるほど演算精度を増す。
そこで、本実施形態において、切替制御部30は、非検出期間の設定を解除した後、その時の電動モータ10aの回転数Nに基づいて、定常回転状態のなかでも比較的に低回転側の回転数(N<Nth)の場合、高回転側の回転数(N≧Nth)の場合と比較して、電圧取得回数Xthとして大きい値を設定するようにしている。なお、電圧取得回数Xthが大きい値ほど非通電相電圧値Vad1及び非通電相電圧値Vad2の取得間隔が大きくなる。
そのため、電動モータ10aの定常回転状態のなかでも、さらに詳細な状態に合わせて調整を図ることによって、端子電圧の変化率Vagの演算精度を高めることができる。これにより、本来のゼロクロス点からの経過時間の演算精度をより好適に高めることができる。
(5)ところで、上記スパイクノイズの特徴は上述した通りであり、そこで、本実施形態では、非通電相の端子電圧がバッテリ17の電圧値Veよりも大きい間、又は非通電相の端子電圧がグランド電位の電圧値Vbaseよりも小さい間、非検出期間を設定するようにしている。
そのため、非通電相の端子電圧に基づいて、スパイクノイズそのものを検出することができ、実際にスパイクノイズを生じているか否かに基づいて、非検出期間を設定することができる。したがって、スパイクノイズの特徴が現れている間にのみ効果を発揮させることができるように、非検出期間を設定する期間を最適化することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・S26,S27にて設定する電圧取得回数Xthは、適宜変更してもよく、例えば、S26では「1」、S27では「2」を設定するようにしたり、S27では「3」以上を設定するようにしてもよい。
・S25,S26,S27の処理を省いてもよく、電動モータ10aの回転数Nに関係なく、電圧取得回数Xthを固定するようにしてもよい。
・切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nからその時の非通電相の端子電圧(誘起電圧)の変化率Vagを推定演算することによって、補正時間Trvを演算するようにしてもよい。この場合、切替制御部30は、電動モータ10aの回転数Nと変化率Vagとの関係を定めたマップを備えていればよい。その他の方法であっても、変化率Vagを推定演算することができれば、補正時間Trvを演算することができる。
・S21:YESの場合、この時点で遅延時間カウンタTdによる計時を開始させるように構成することもできる。この場合、マップに基づいて、とりあえず遅延時間Tdthを設定しておき、時点P1における本来のゼロクロス点P0からの経過時間を算出し、これを補正時間Trvとして、設定中の遅延時間Tdthから減算して得られるものを補正後の遅延時間Tdth´とするようにしてもよい。
・図5のS12では、電圧値Ve以上であるか否か、電圧値Vbase以下であるか否かを判定してもよい。ここで設定する閾値は、電圧値Veの変動を考慮して電圧値Ve未満や、電圧値Vbaseよりも大きく設定してもよい。すなわち、閾値は、幅を持って設定されるものであってもよい。
・図5のS12では、非通電相の端子電圧(誘起電圧)の所定の変化(単なる落差や勾配等)によってスパイクノイズを生じていることを判断し、その後の端子電圧(誘起電圧)の所定の変化(単なる落差や勾配等)によってスパイクノイズが消えることを判断するようにしてもよい。
・磁極切替制御の間においては、通電相の切り替え後、原則、スパイクノイズを生じていることとし、図5のS12ではスパイクノイズが消えることのみを判断するようにしてもよい。
・図5のS12は、非通電相が正通電及び負通電のいずれから切り替えられたかに応じて異なる処理を実行するようにしてもよい。この場合、S12の処理に先立って、非通電相が正通電及び負通電のいずれから切り替えられたかを判断するようにしてもよい。これは、図6のS21についても同様である。
・図5のS14において、切替制御部30は、この間については各磁極検出信号S1〜S3自体を入力しない、すなわちロータ10bの磁極の検出の機能を停止させて磁極を検出しないようにしてもよい。この場合、端子電圧検出部33において、非通電相電圧値Vadが電圧値Veよりも大きい場合や、非通電相電圧値Vadが電圧値Vbaseよりも小さい場合、各磁極検出信号S1〜S3が出力されないような回路を組み込んだりすればよい。
・端子電圧検出部33は、マイコン22に組み込まれるようにしてもよい。また、EOPECU20は、プリドライバ23を備えていなくてもよく、プリドライバ23の機能をマイコン22に持たせるようにしてもよい。
・上記実施形態では、強制切替制御が実行される間、8ms毎に通電相を強制的に切り替えることとしたが、通電相を強制的に切り替える手法は、適宜変更してもよい。例えば、電動モータ10aの停止中に予め磁極位置を検出しておき、その結果に基づき通電相を強制的に切り替える手法等でもよい。
・上記実施形態では、電動ポンプ10のオイルの供給先をCVT11としたが、有段変速機であってもよい。また、電動ポンプ10のオイルの供給先は、内燃機関12であってもよい。また、電動ポンプ10は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車等に搭載される二次電池(バッテリ)を冷却するための冷媒を供給するものであってもよい。
10a…電動モータ、10b…ロータ、10c…ステータ、10u,10v,10w…モータコイル、20…EOPECU、22…マイコン、30…切替制御部、31…電圧信号生成部、33…端子電圧検出部、N…回転数、Nz(+),Nz(−)…スパイクノイズ、P0…ゼロクロス点、P1…Vad1の取得時、P2…Vad2の取得時、S1〜S3…磁極検出信号、Tdth…遅延時間、Trv…補正時間、V0…中点電圧値、Vbase…グランド電位の電圧値、Ve…バッテリの電圧値、Vag…変化率、Vad,Vad1,Vad2…非通電相電圧値、Vu,Vv,Vw…端子電圧。

Claims (5)

  1. 電動モータを構成する3相のモータコイルの通電及び非通電の通電状態の切り替えを実行する通電状態切替実行部と、
    前記3相のモータコイルのうち非通電相のモータコイルの端子電圧を検出する端子電圧検出部と、
    前記端子電圧検出部の検出に基づいて、前記通電状態の切り替えタイミングを前記通電状態切替実行部に対して指示する切替制御部と、を備え、
    前記切替制御部は、
    前記端子電圧検出部の検出結果に基づいて、前記電動モータを構成するロータの磁極として、前記切り替えタイミングの指標となるゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出処理と、
    前記ゼロクロス点検出処理によって、前記ゼロクロス点が検出された場合、当該ゼロクロス点の検出から予め定めた電気角に相当する時間である遅延時間を空けたタイミングで、前記切り替えタイミングであることを指示する通電状態切替指示処理と、
    前記端子電圧検出部の検出結果に基づいて、ゼロクロス点を誤検出する可能性のあるノイズを検出している間、ゼロクロス点の検出を無効とする期間である無効期間を設定する無効期間設定処理と、
    前記無効期間が解除され、当該無効期間が設定されていなければ前記ゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、前記切り替えタイミングが、検出が無効とされた本来のゼロクロス点から前記遅延時間を空けたタイミングとなるように、当該遅延時間を補正する遅延時間補正処理と、
    を実行する電動モータの制御装置。
  2. 前記切替制御部は、前記無効期間が解除され、当該無効期間が設定されていなければ前記ゼロクロス点が検出されていたことを判断できるとき、前記遅延時間補正処理を通じて、前記端子電圧検出部で検出される端子電圧の変化率に基づいて、前記本来のゼロクロス点からの経過時間を演算し、当該経過時間を前記遅延時間から減算した結果を新たな遅延時間として設定する請求項1に記載の電動モータの制御装置。
  3. 前記切替制御部は、前記通電状態切替指示処理を通じて、前記電動モータが始動開始状態の間、前記通電状態を予め定めた規則にしたがって強制的に切り替える状態を維持し、当該始動開始状態と比較して前記電動モータの回転数が上昇した状態である定常回転状態の間、前記通電状態を前記ゼロクロス点の検出にしたがって切り替えるものである請求項2に記載の電動モータの制御装置。
  4. 前記切替制御部は、前記遅延時間補正処理を通じて、前記無効期間が解除された後、取得間隔を空けて取り込んだ前記端子電圧検出部で検出される複数の端子電圧に基づいて、前記変化率を得るものであり、当該取得間隔を前記電動モータの回転数が小さいほど大きく可変させるものである請求項2又は請求項3に記載の電動モータの制御装置。
  5. 前記切替制御部は、前記無効期間設定処理を通じて、前記非通電相のモータコイルの端子電圧が電源電圧よりも大きい間、又は前記非通電相のモータコイルの端子電圧が基準電位よりも小さい間、前記無効期間を設定する請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の電動モータの制御装置。
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WO2023127341A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 村田機械株式会社 モータシステム

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