JP2017183814A - 静電型トランスデューサ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型且つ大きな静電容量を有する静電型トランスデューサを提供する。【解決手段】静電型トランスデューサ(1)は、第一電極部(11a)と第一端子部(14a)とをそれぞれ備える複数の第一電極シート(51)と、第二電極部(11b)と第二端子部(15a)とをそれぞれ備える複数の第二電極シート(52)と、第一電極部(11a)と第二電極部(11b)との間にそれぞれ配置される複数の誘電層(11c)とを備える。複数の第一端子部(14a)は、静電型積層体(11)の外部にて相互に接触して形成された一つの第一端子接合体(14,114,214)を構成する。複数の第二端子部(15a)は、静電型積層体(11)の外部にて相互に接触して形成された一つの第二端子接合体(15,115,215)を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、静電型トランスデューサに関するものである。
静電型トランスデューサは、静電容量の変化を利用しており、振動や音などを発生させるアクチュエータ、又は、振動や音などを検出するセンサである。特許文献1には、複数の電極被覆体を1層ごとに交互にずらして積層させたアクチュエータが記載されている。これにより、電極間の沿面放電が防止されるとされている。また、それぞれの電極被覆体を構成する電極層は、電源電極に接続されている。
特許文献2には、複数の電極層を積層方向に圧縮されたスピーカが記載されている。各電極層は、誘電層に対向する長方形状の本体部と、本体部の隅に繋げられ貫通孔を有する導電部とを備える。導電部の貫通孔に軸状の端子部材を挿通することで、端子と電極層とが電気的に接続される。
特開2014−150600号公報 国際公開2013/175662号
静電型トランスデューサは、小型で、且つ、大きな静電容量を有することが望まれる。大きな静電容量を確保するために多数の電極層と誘電層とを積層する場合において、電極層の厚みを薄くすることにより、小型で且つ大きな静電容量を有するトランスデューサとすることができる。
しかし、特許文献1に記載のアクチュエータでは、電極層を有する電極被覆体が、薄くすることが困難であり、当該電極被覆体を多数積層すると、アクチュエータ全体が大型となる。特許文献2に記載のスピーカでは、軸状の端子部材を電極層の貫通孔に挿通しているため、軸状の端子部材と電極層との接触を良好とするためには電極層を薄くすることは容易ではない。また、軸状の端子部材の存在により、スピーカは大型化する。
本発明は、小型且つ大きな静電容量を有する静電型トランスデューサを提供することを目的とする。
本発明に係る静電型トランスデューサは、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第一電極部と第一端子部とをそれぞれ備える複数の第一電極シートと、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第二電極部と第二端子部とをそれぞれ備え、前記第二電極部が複数の前記第一電極部の間に配置される複数の第二電極シートと、前記第一電極部と前記第二電極部との間にそれぞれ配置される複数の誘電層とを備える。
複数の前記第一端子部は、前記第一電極部、前記第二電極部及び前記誘電層により構成される積層体の外部にて相互に接触して形成された一つの第一端子接合体を構成し、複数の前記第二端子部は、前記積層体の外部にて相互に接触して形成された一つの第二端子接合体を構成する。
つまり、第一電極部と第一端子部とは、同一の第一電極シートである。同様に、第二電極部と第二端子部とは、同一の第二電極シートである。従って、第一電極シート及び第二電極シートは、非常に薄く形成することができる。
ただし、第一電極シートを薄く形成すると、一つの第一端子部も薄くなる。しかし、複数の第一端子部を相互に接触させることで、一つの第一端子接合体が形成されている。従って、一つの第一端子接合体は、十分な厚みを有する。同様に、第二電極シートを薄く形成すると、一つの第二端子部も薄くなる。しかし、複数の第二端子部を相互に接触させることで、一つの第二端子接合体が形成されている。従って、一つの第二端子接合体は、十分な厚みを有する。
さらに、第一端子接合体及び第二端子接合体は、第一電極部、第二電極部及び誘電層により構成される積層体の外部に位置する。従って、第一端子接合体及び第二端子接合体そのものが、例えば制御基板に接続されることで、制御基板と導通することができる。つまり、別途、軸状の端子部材を有する必要もないため、トランスデューサの小型化を図ることができる。
第一実施形態の静電型トランスデューサの断面斜視図である。 静電型積層体の電気的な接続状態を示す図である。 静電型積層体がアクチュエータとして機能する場合に、静電型積層体が変形した状態の一態様を示す静電型トランスデューサの断面斜視図である。 静電型積層体が変形した状態の他の態様を示す静電型トランスデューサの断面斜視図である。 内部ユニットの製造過程の素材配置工程を説明する図であり、内部ユニットを構成する各素材を配置した状態の斜視図である。 内部ユニットの製造過程の素材接合工程を説明する図であり、素材接合工程後の状態の内部ユニットの斜視図である。 内部ユニットの製造過程の折り曲げ工程を説明する図であり、折り曲げ工程後に完成状態の内部ユニットの斜視図である。 第二実施形態の内部ユニットの斜視図である。 第三実施形態の内部ユニットの斜視図である。
<1.第一実施形態>
(1−1.静電型トランスデューサ1の概要)
静電型トランスデューサ1は、静電容量の変化を利用しており、振動や音などを発生させるアクチュエータ、又は、振動や音などを検出するセンサである。アクチュエータとしての静電型トランスデューサ1は、電極に電圧を印加することにより振動を発生するのに対して、センサとしての静電型トランスデューサ1は、振動や音の入力に起因してセンサが振動することで電圧を発生する。
加振アクチュエータとしての静電型トランスデューサ1は、例えば、人間に触覚振動を提示する加振装置、構造物の制振のために構造物の逆位相の振動を発生する加振装置などである。音を発生するアクチュエータとしての静電型トランスデューサ1は、人間の聴覚にて感じる音波を発生するスピーカ、ノイズ音をキャンセルするサウンドマスキングなどである。
加振装置が発生する振動は、相対的に低周波振動であり、音発生装置が発生する音は、相対的に高周波振動である。本実施形態におけるアクチュエータとしての静電型トランスデューサ1は、バネマス系の振動を利用するため、低周波振動の加振器、及び、低周波音の発生器に適している。
本実施形態においては、静電型トランスデューサ1は、人間に触覚振動を提示するアクチュエータを例に挙げて説明する。例えば、携帯端末に搭載して、携帯端末を振動させるアクチュエータに適用される。なお、センサとしての静電型トランスデューサ1についても、実質的に同様の構成となる。
(1−2.静電型トランスデューサ1の構成)
静電型トランスデューサ1の構成について図1を参照して説明する。ここで、図1は、分かりやすくするために、各部材の厚みを誇張して図示している。そのため、実際には、静電型トランスデューサ1の図1の上下方向の厚みは、非常に薄く形成されている。
静電型トランスデューサ1は、内部ユニット10と、制御基板20と、カバー30とを備える。内部ユニット10は、静電型積層体11と、第一弾性体12と、第二弾性体13と、第一端子接合体14と、第二端子接合体15とを備える。
静電型積層体11は、面状(扁平状)に形成される。静電型積層体11の外形は、長方形状に形成される。静電型積層体11は、エラストマーにより形成されており、厚み方向に伸縮すると共に、厚み方向の伸縮に伴って面方向にも伸縮する。静電型積層体11は、弾性率E(11)を有すると共に、損失係数tanδ(11)を有する材料が用いられる。つまり、静電型積層体11は、印加電圧に応じて厚みを変化させるように伸縮変形する。そして、静電型積層体11は、後述する支持構造によって、積層方向の伸縮に伴い曲げ変形する。
静電型積層体11は、少なくとも、シート状の複数の第一電極部11a、シート状の複数の第二電極部11b、シート状の複数の誘電層11c、シート状の絶縁部11d,11eを備える。静電型積層体11は、第一電極部11a、誘電層11c、第二電極部11b、誘電層11c、第一電極部11a、誘電層11c、第二電極部11bの順に積層されている。また、第一電極部11a、第二電極部11b及び誘電層11cの積層数は、適宜変更できる。絶縁部11d,11eが、静電型積層体11の最外層のそれぞれに配置される。つまり、絶縁部11d,11eは、第一電極部11a、誘電層11c、第二電極部11bの積層体における最外層を被覆する。
第一電極部11a及び第二電極部11bは、同形状に形成され、エラストマー中に導電性フィラーを配合させることにより成形する。そして、第一電極部11a及び第二電極部11bは、可撓性を有し且つ伸縮自在な性質を有する。第一電極部11a及び第二電極部11bを構成するエラストマーには、例えば、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムなどが適用できる。また、第一電極部11a及び第二電極部11bに配合される導電性フィラーは、導電性を有する粒子であればよく、例えば、炭素材料や金属等の微粒子を適用できる。
誘電層11c及び絶縁部11d,11eは、いずれもエラストマーにより成形される。そして、誘電層11c及び絶縁部11d,11eは、可撓性を有し且つ伸縮自在な性質を有する。誘電層11cには、静電型積層体11における誘電体として機能する材料が適用される。特に、誘電層11cが、静電型積層体11を構成する部材の中で最も厚みが厚く形成され、厚み方向の伸縮及び扁平面方向の伸縮を可能とする。また、絶縁部11d,11eには、絶縁性を有する材料が適用される。
誘電層11c及び絶縁部11d,11eを構成するエラストマーには、例えば、シリコーンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴムなどが適用できる。
第一弾性体12及び第二弾性体13は、同一材料により扁平状の同一形状に形成される。第一弾性体12及び第二弾性体13の厚みは、第一電極部11a、第二電極部11b及び誘電層11cに比べてかなり厚い。ただし、第一弾性体12及び第二弾性体13の厚みは、静電型積層体11より薄い場合もあれば、厚い場合もある。静電型積層体11を構成する部材の積層数に依存する。
また、第一弾性体12及び第二弾性体13の外周縁形状は、静電型積層体11の外周縁形状と同一である。第一弾性体12は、静電型積層体11の一方の面(図1の上面)、すなわち絶縁部11dの表面の全面に接触して配置される。第二弾性体13は、静電型積層体11の他方の面(図1の下面)、すなわち絶縁部11eの表面の全面に接触して配置される。
第一弾性体12及び第二弾性体13には、小さな弾性率E(12),E(13)を有すると共に、小さな損失係数tanδ(12),tanδ(13)を有する材料が用いられる。言い換えると、第一弾性体12及び第二弾性体13は、柔らかく、且つ、減衰特性が低い材料が好適である。特に、第一弾性体12及び第二弾性体13は、静電型積層体11の厚み方向の弾性率E(11)より小さな弾性率E(12),E(13)有する。
特に、静電型積層体11の厚み方向の弾性率E(11)に対する第一弾性体12の弾性率E(12)の比は、15%以下である。また、静電型積層体11の厚み方向の弾性率E(11)に対する第二弾性体13の弾性率E(13)の比は、15%以下である。これらの比は、好ましくは、10%以下である。
さらに、第一弾性体12及び第二弾性体13は、所定条件下において、静電型積層体11の損失係数tanδ(11)より小さな損失係数tanδ(12),tanδ(13)を有する。所定条件下とは、温度を−10〜50℃、振動周波数を300Hz以下とする使用環境下を意味する。
上記を満たす材料として、第一弾性体12及び第二弾性体13には、例えば、シリコーンゴムが好適である。例えば、ウレタンゴムは、シリコーンゴムに比べて減衰特性が良いため、第一弾性体12及び第二弾性体13には、ウレタンゴムはシリコーンゴムに比べてあまり適しない。ただし、目的の特性によっては、ウレタンゴムを使用することも可能である。
第一端子接合体14は、静電型積層体11の外部にて、各第一電極部11aと一体的に形成された各第一端子部14aを接合させて形成される。つまり、第一端子接合体14は、各第一電極部11aから延在する導電性のシート部分を複数枚積層したものである。そのため、第一端子接合体14は、各第一電極部11aの厚みよりも厚い。また、第一端子接合体14は、第一電極部11aと同様のエラストマーにより形成されている。従って、第一端子接合体14は、弾性変形可能なシート状の部材となる。
第一端子接合体14は、静電型積層体11の縁から折り曲げられ、さらに、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げられる。つまり、第一端子接合体14の先端側は、第二弾性体13の外側面(図1の下面)に接触する。
第二端子接合体15は、静電型積層体11の外部にて、各第二電極部11bと一体的に形成された各第二端子部15aを接合させて形成される。つまり、第二端子接合体15は、各第二電極部11bから延在する導電性のシート部分を複数枚積層したものである。そのため、第二端子接合体15は、各第二電極部11bの厚みよりも厚い。また、第二端子接合体15は、第二電極部11bと同様のエラストマーにより形成されている。従って、第二端子接合体15は、弾性変形可能なシート状の部材となる。
第二端子接合体15は、第一端子接合体14とは反対側の静電型積層体11の縁から折り曲げられ、さらに、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げられる。つまり、第二端子接合体15の先端側は、第二弾性体13の外側面(図1の下面)に接触する。また、第二端子接合体15は、第二弾性体13の外側面において、第一端子接合体14に隣接する。
制御基板20は、静電型積層体11、第一弾性体12及び第二弾性体13に平行に配置され、且つ、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に配置される。つまり、制御基板20は、第一端子接合体14及び第二端子接合体15を、第二弾性体13との間に挟む。そして、制御基板20は、第一端子接合体14及び第二端子接合体15に電気的に接続される。
カバー30は、内部ユニット10及び制御基板20を囲む。カバー30には、例えば、金属、樹脂など、種々の材料が適用される。カバー30は、制御基板20を固定するための面状の第一カバー31と、第一カバー31に取り付けられる第二カバー32とを備える。
第一カバー31及び第二カバー32は、静電型積層体11、第一弾性体12及び第二弾性体13を積層方向に圧縮した状態で保持する。この状態において、各部材の弾性率Eの関係から、第一弾性体12及び第二弾性体13が、静電型積層体11より大きく圧縮された状態となる。
(1−3.静電型積層体11の電気的接続状態)
静電型積層体11の電気的接続状態について、図2を参照して説明する。ここで、図2の上下方向と、図1の上下方向とは、共通する。ただし、図2には、静電型積層体11を構成する1つの静電セルについて図示する。静電セルとは、1つの第一電極部11a、1つの第二電極部11b及び1つの誘電層11cである。
図2に示すように、第一電極部11aと第二電極部11bとは、静電型積層体11の厚み方向に距離を隔てて対向して配置される。第一電極部11aには、制御基板20における駆動回路によって、周期的な電圧を供給する一方の端子が電気的に接続される。第二電極部11bには、周期的な電圧を供給する他方の端子が電気的に接続される。
(1−4.静電型トランスデューサ1の動作)
静電型トランスデューサ1の動作について、図2、図3A及び図3Bを参照して説明する。第一電極部11a及び第二電極部11bには、第一端子接合体14及び第二端子接合体15を介して、周期的な電圧が印加される。ここで、周期的な電圧は、交流電圧(正負を含む周期的な電圧)としてもよいし、正値にオフセットされた周期的な電圧としてもよい。
第一電極部11aと第二電極部11bに蓄積される電荷が増加すると、誘電層11cが圧縮変形する。つまり、図2に示すように、静電型積層体11の厚みが小さくなり、静電型積層体11の面方向の大きさ(幅及び奥行き)が大きくなる。反対に、第一電極部11a及び第二電極部11bに蓄積される電荷が減少すると、誘電層11cが元の厚みに戻る。つまり、図2に示すように、静電型積層体11の厚みが大きくなり、静電型積層体11の面方向の大きさが小さくなる。このように、静電型積層体11は、厚み方向に伸縮すると共に、面方向に伸縮する。
静電型積層体11が伸縮動作を行うとき、静電型トランスデューサ1は、以下のように動作する。静電型トランスデューサ1は、図1に示すように、第一弾性体12及び第二弾性体13が圧縮された状態を初期状態とする。従って、電荷の増加によって静電型積層体11の厚みが小さくなると、第一弾性体12及び第二弾性体13は、初期状態に対して圧縮量が小さくなるように変形する。反対に、電荷の減少によって静電型積層体11の厚みが大きくなると、第一弾性体12及び第二弾性体13は初期状態に戻るように動作する。つまり、第一弾性体12及び第二弾性体13は、電荷の増加の場合に比べて、圧縮量が大きくなるように変形する。
印加電圧は周期的に変化するため、上記動作が繰り返される。そうすると、図3Aに示すように静電型積層体11の中央が第一弾性体12側に凹となる状態と、図3Bに示すように静電型積層体11の中央が第一弾性体12側に凸となる状態とを繰り返す。静電型積層体11は、第一弾性体12及び第二弾性体13を介してカバー30によって規制されているために、上記動作となる。
静電型積層体11の上記変形動作に伴って、静電型積層体11の第一弾性体12側(図3A及び図3Bの上面側)の変位が、第一弾性体12を介してカバー30に伝達される。加えて、静電型積層体11の伸縮動作によって第一弾性体12の弾性変形力が変化する。第一弾性体12の弾性変形力の変化が、カバー30に伝達される。従って、初期状態として、第一弾性体12及び第二弾性体13が圧縮されていることにより、カバー30に効率的に振動を付与することができる。つまり、静電型積層体11単体としては小さな振動であっても、カバー30に触覚振動を付与することができる。
ここで、仮に、第一弾性体12及び第二弾性体13の損失係数tanδ(12),tanδ(13)が非常に大きいとすると、静電型積層体11が伸縮動作を行ったとしても、第一弾性体12及び第二弾性体13によって振動が吸収されてしまう。この場合、静電型積層体11が伸縮動作を行ったとしても、カバー30に伝達されることはない。
しかし、本実施形態においては、第一弾性体12及び第二弾性体13は、損失係数tanδ(12),tanδ(13)の小さな材料を用いる。従って、静電型積層体11の伸縮動作が、第一弾性体12及び第二弾性体13にほとんど吸収されることなく、カバー30に伝達される。
さらに、第一弾性体12及び第二弾性体13の弾性率E(12),E(13)は、静電型積層体11の厚み方向の弾性率E(11)より小さい。そのため、第一電極部11a及び第二電極部11bに電圧を印加していない初期状態において、静電型積層体11はほとんど圧縮されていない状態となる。従って、カバー30が静電型積層体11を押圧したとしても、静電型積層体11の伸縮動作に影響を与えることはない。つまり、静電型積層体11は確実に伸縮動作を行うことができる。
(1−5.内部ユニット10の製造方法)
上述したように、内部ユニット10は、機能的には、静電型積層体11、第一弾性体12、第二弾性体13、第一端子接合体14、第二端子接合体15に分離される。ただし、第一端子接合体14を構成する各第一端子部14aは、静電型積層体11を構成する各第一電極部11aと一体的に形成されている。また、第二端子接合体15を構成する各第二端子部15aは、静電型積層体11を構成する各第二電極部11bと一体的に形成されている。このように、準備する部材としては、静電型積層体11の一部と第一端子接合体14の構成部位とが同一部材により形成されており、また静電型積層体11の他の一部と第二端子接合体15の構成部位とが同一部材により形成されている。
以上のことを踏まえて、内部ユニット10の製造方法について、図4−図6を参照して説明する。以下の説明において、既に説明した構成と同一構成については、同一符号を付す。
まず、内部ユニット10に用いる素材を準備する(準備工程)。具体的には、内部ユニット10に用いる素材は、図4に示すように、複数の第一電極シート51、複数の第二電極シート52、複数の誘電層11c、第一絶縁シート61、第二絶縁シート62、第一弾性体12、第二弾性体13である。
第一電極シート51は、誘電層11cより大きな長方形状に形成される。詳細には、第一電極シート51の第一辺は、誘電層11cの第一辺と同一長であり、第一電極シート51の第二辺は、誘電層11cの第二辺より長い。第一電極シート51は、全面に亘って、上述した第一電極部11aにて説明した材料を適用される。第二電極シート52は、第一電極シート51と同形状に形成される。第二電極シート52は、全面に亘って、上述した第二電極部11bにて説明した材料を適用される。
第一絶縁シート61は、第一電極シート51より大きな長方形状に形成される。詳細には、第一絶縁シート61の第一辺は、第一電極シート51の第一辺と同一長であり、第一絶縁シート61の第二辺は、第一電極シート51より長い。さらに、第一絶縁シート61の第二辺方向の両端側には、長方形状の貫通孔61d,61eが形成されている。第二絶縁シート62は、第一絶縁シート61と同様の外形状に形成される。ただし、第二絶縁シート62には、第一絶縁シート61とは異なり、貫通孔が形成されていない。第一絶縁シート61及び第二絶縁シート62は、上述した絶縁部11d,11eにて説明した材料を適用される。
次に、上述した素材11c,12,13,51,52,61,62を、図4に示すように、積層方向に配列する(部材配置工程)。つまり、第一弾性体12、第一絶縁シート61、第一電極シート51、誘電層11c、第二電極シート52、誘電層11c、第一電極シート51、誘電層11c、第二電極シート52、・・・・、第一電極シート51、誘電層11c、第二電極シート52、第二絶縁シート62、第二弾性体13の順に配列する。
つまり、複数の第一電極シート51、複数の第二電極シート52及び複数の誘電層11cが積層された状態において、これらの積層体の最外層に、それぞれ、第一絶縁シート61及び第二絶縁シート62が積層される。さらに、第一絶縁シート61の外側に、第一弾性体12が積層され、第二絶縁シート62の外側に、第二弾性体13が積層される。
このとき、第一電極シート51の一端(図4の右端)と誘電層11cの一端(図4の右端)とが図4の上下方向に対応するように、第一電極シート51と誘電層11cとが配列される。また、第二電極シート52の一端(図4の左端)と誘電層11cの他端(図4の左端)とが図4の上下方向に対応するように、第二電極シート52と誘電層11cとが配列される。つまり、第二電極シート52は、誘電層11cの位置を基準として見た場合に、第一電極シート51とは反対側に延在する。
ここで、第一電極シート51において、誘電層11cと同等の大きさの部分51aが、第一電極部11aに相当し、残りの部分51bが、第一端子部14aに相当する。つまり、第一電極シート51は、上述した第一電極部11aと第一端子部14aとを一体にした部材である。また、第二電極シート52において、誘電層11cと同等の大きさの部分52aが、第二電極部11bに相当し、残りの部分52bが、第二端子部15aに相当する。つまり、第二電極シート52は、上述した第二電極部11bと第二端子部15aとを一体にした部材である。
また、第一絶縁シート61の中央部分61aが、誘電層11cと対向する。さらに、第一絶縁シート61の一端部分61bが、第一電極シート51の部分51b(第一端子部14aに相当)に対向する。第一絶縁シート61の他端部分61cが、第二電極シート52の部分52b(第二端子部15aに相当)に対向する。そして、第一絶縁シート61の一端部分61bには、上述した貫通孔61dが形成される。また、第一絶縁シート61の他端部分61cには、上述した貫通孔61eが形成される。第一絶縁シート61の中央部分61aが、絶縁部11dに相当する。
さらに、第二絶縁シート62の中央部分62aが、誘電層11cと対向する。さらに、第二絶縁シート62の一端部分62bが、第一電極シート51の部分51b(第一端子部14aに相当)に対向する。第二絶縁シート62の他端部分62cが、第二電極シート52の部分52b(第二端子部15aに相当)に対向する。つまり、第二絶縁シート62の中央部分62aが、絶縁部11eに相当する。
第一弾性体12は、第一絶縁シート61の中央部分61aに対向するように配置される。第二弾性体13は、第二絶縁シート62の中央部分62aに対向するように配置される。
従って、図4に示すように、図4の左右方向の中央においては、第一弾性体12、第一絶縁シート61の中央部分61a、第一電極シート51の部分51a、誘電層11c、第二電極シート52の部分52a、第二絶縁シート62の中央部分62a、及び、第二弾性体13が、積層される。一方、図4の左側においては、複数の第一電極シート51の部分51b、第一絶縁シート61の一端部分61b、及び、第二絶縁シート62の一端部分62bが、積層される。また、図4の右側においては、複数の第二電極シート52の部分52b、第一絶縁シート61の他端部分61c、及び、第二絶縁シート62の他端部分62cが、積層される。
次に、上述したように配列された素材11c,12,13,51,52,61,62を、図5に示すように接合する(素材接合工程)。つまり、図5の左右方向の中央に位置する、第一弾性体12及び第二弾性体13を除く部分が、接合される。すなわち、第一絶縁シート61の中央部分61a、複数の第一電極シート51の部分51a(第一電極部11aに相当)、複数の誘電層11c、複数の第二電極シート52の部分52a(第二電極部11bに相当)、及び、第二絶縁シート62の中央部分62aが接合される。当該接合体が、上述した静電型積層体11に相当する。当該接合体において、第一絶縁シート61の中央部分61a及び第二絶縁シート62の中央部分62aが、複数の第一電極シート51の部分51a(第一電極部11aに相当)、複数の誘電層11c、複数の第二電極シート52の部分52a(第二電極部11bに相当)を被覆する。
そして、第一弾性体12及び第二弾性体13が、静電型積層体11に相当する接合体の両外側に接合される。このようにして、図5の左右方向の中央に位置する積層体が形成される。
また、第一絶縁シート61の一端部分61b、複数の第一電極シート51の部分51b(第一端子部14aに相当)、及び、第二絶縁シート62の一端部分62bが、接合される。当該接合体が、上述した第一端子接合体14に相当する。このとき、複数の第一電極シート51の部分51bは、直接接触しているため、相互に電気的に接続される。さらに、第一電極シート51の部分51bは、第一絶縁シート61の一端部分61bにおける貫通孔61dの存在により、露出している。つまり、第一電極シート51の部分51bにおいて貫通孔61d以外の部位は、第一絶縁シート61の一端部分61b及び第二絶縁シート62の一端部分62bにより被覆される。
また、第一絶縁シート61の他端部分61c、複数の第二電極シート52の部分52b(第二端子部15aに相当)、及び、第二絶縁シート62の他端部分62cが、接合される。当該接合体が、上述した第二端子接合体15に相当する。このとき、複数の第二電極シート52の部分52bは、直接接触しているため、相互に電気的に接続される。さらに、第二電極シート52の部分52bは、第一絶縁シート61の他端部分61cにおける貫通孔61eの存在により、露出している。つまり、第二電極シート52の部分52bにおいて貫通孔61e以外の部位は、第一絶縁シート61の他端部分61c及び第二絶縁シート62の他端部分62cにより被覆される。
次に、上述した接合体において第一端子接合体14及び第二端子接合体15の部分を、図6に示すように、折り曲げる(折り曲げ工程)。このようにして、内部ユニット10が製造される。
詳細には、第一端子接合体14は、静電型積層体11の縁から折り曲げられ、さらに、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げられる。つまり、第一端子接合体14の第二弾性体13と反対側において、第一電極シート51の部分51bが露出する。当該露出部分が、制御基板20(図1に示す)に電気的に接続される。
また、第二端子接合体15は、第一端子接合体14と同様に折り曲げられる。つまり、第二端子接合体15は、静電型積層体11の縁から折り曲げられ、さらに、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げられる。つまり、第二端子接合体15の第二弾性体13と反対側において、第二電極シート52の部分52bが露出する。当該露出部分が、制御基板20(図1に示す)に電気的に接続される。
<2.第二実施形態>
第二実施形態の内部ユニット110について、図7を参照して説明する。第一実施形態の内部ユニット10において、第一端子接合体14及び第二端子接合体15は、第二弾性体13に正対するように折り曲げられた。第二実施形態の内部ユニット110においては、第一端子接合体114及び第二端子接合体115は、静電型積層体11の縁から同一方向(図7の下側)に折り曲げられ、さらに、第二弾性体13から遠ざかる方向(図7の左右外側)に折り曲げられる。
この場合、第一端子接合体114の図7の下側に、第一電極シート51の部分51b(第一端子部14aに相当)が露出することになる。さらに、第二端子接合体115の図7の下側に、第二電極シート52の部分52b(第二端子部15aに相当)が露出することになる。この場合、第二絶縁シート62の一端部分62b及び他端部分62cに、貫通孔(図7の破線にて示す)が形成される。一方、第一絶縁シート61の一端部分61b及び他端部分61cは、貫通孔61d,61eを形成する必要はない。
ただし、静電型トランスデューサ1(図1に示す)は、第一端子接合体114及び第二端子接合体115に対応する位置に、制御基板20を有することになる。
<3.第三実施形態>
第三実施形態の内部ユニット210について、図8を参照して説明する。第二実施形態の内部ユニット110において、第一端子接合体114及び第二端子接合体115は、静電型積層体11の縁から同一方向に折り曲げられた。第三実施形態の内部ユニット210においては、第一端子接合体214は、第二実施形態の第一端子接合体114と同様に2回折り曲げられる。
一方、第二端子接合体215は、静電型積層体11の縁から、第一端子接合体214とは反対側、すなわち図8の上側に折り曲げられる。さらに、第二端子接合体215は、第一弾性体12から遠ざかる方向(図8の右側)に折り曲げられる。
この場合、第一端子接合体214の図8の下側に、第一電極シート51の部分51b(第一端子部14aに相当)が露出することになる。つまり、第一絶縁シート61の一端部分61bには貫通孔61dが形成されず、第二絶縁シート62の一端部分62bに貫通孔(図8の破線にて示す)が形成される。また、第二端子接合体115の図8の上側に、第二電極シート52の部分52b(第二端子部15a)が露出することになる。つまり、第一絶縁シート61の他端部分61cに貫通孔61eが形成される。
ただし、静電型トランスデューサ1は、第一端子接合体114及び第二端子接合体115に対応する位置に、制御基板20を有することになる。
<4.実施形態の効果>
第一実施形態−第三実施形態の静電型トランスデューサ1は、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第一電極部11a(51a)と第一端子部14a(51b)とをそれぞれ備える複数の第一電極シート51と、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第二電極部11b(52a)と第二端子部15a(52b)とをそれぞれ備え、第二電極部11b(52a)が複数の第一電極部11a(51a)の間に配置される複数の第二電極シート52と、第一電極部11a(51a)と第二電極部11b(52a)との間にそれぞれ配置される複数の誘電層11cとを備える。
複数の第一端子部14a(51b)は、第一電極部11a(51a)、第二電極部11b(52a)及び誘電層11cにより構成される静電型積層体11の外部にて相互に接触して形成された一つの第一端子接合体14,114,214を構成する。さらに、複数の第二端子部15a(52b)は、静電型積層体11の外部にて相互に接触して形成された一つの第二端子接合体15,115,215を構成する。
つまり、第一電極部11aと第一端子部14aとは、同一の第一電極シート51である。同様に、第二電極部11bと第二端子部15aとは、同一の第二電極シート52である。従って、第一電極シート51及び第二電極シート52は、非常に薄く形成することができる。
ただし、第一電極シート51を薄く形成すると、一つの第一端子部14a(51b)も薄くなる。しかし、複数の第一端子部14a(51b)を相互に接触させることで、一つの第一端子接合体14,114,214が形成されている。従って、一つの第一端子接合体14,114,214は、十分な厚みを有する。同様に、第二電極シート52を薄く形成すると、一つの第二端子部15a(52b)も薄くなる。しかし、複数の第二端子部15a(52b)を相互に接触させることで、一つの第二端子接合体15,115,215が形成されている。従って、一つの第二端子接合体15,115,215は、十分な厚みを有する。
さらに、第一端子接合体14,114,214及び第二端子接合体15,115,215は、第一電極部11a、第二電極部11b及び誘電層11cにより構成される静電型積層体11の外部に位置する。従って、第一端子接合体14,114,214及び第二端子接合体15,115,215そのものが、制御基板20に接続されることで、制御基板20と導通することができる。つまり、別途、軸状の端子部材を有する必要もないため、静電型トランスデューサ1の小型化を図ることができる。
また、第一実施形態―第三実施形態の静電型トランスデューサ1は、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第一電極部11a、第二電極部11b及び誘電層11cの積層体における最外層を被覆する第一絶縁シート61及び第二絶縁シート62を備える。複数の第一端子部14aと、第一絶縁シート61及び第二絶縁シート62における複数の第一端子部14aを被覆する部分61b,62bとが、第一端子接合体14,114,214を構成する。さらに、複数の第二端子部15aと、第一絶縁シート61及び第二絶縁シート62における複数の第二端子部15aを被覆する部分61c,62cとが、第二端子接合体15,115,215を構成する。これにより、静電型積層体11における絶縁被覆と、第一端子接合体14,114,214における絶縁被覆と、第二端子接合体15,115,215における絶縁被覆が、非常に簡易にできる。
また、第一実施形態−第三実施形態の静電型トランスデューサ1において、第一端子接合体14,114,214は、第一電極部11a(51a)の面方向から少なくとも1回折り曲げ形成されている。さらに、第二端子接合体15,115,215は、第二電極部11b(52a)の面方向から少なくとも1回折り曲げ形成されている。ここで、第一端子接合体14,114,214及び第二端子接合体15,115,215は、薄く形成されるため、折り曲げが非常に容易な構造である。そして、第一端子接合体14,114,214及び第二端子接合体15,115,215は、少なくとも1回折り曲げ形成されることで、制御基板20の配置の自由度が向上する。結果として、静電型トランスデューサ1の小型化を図ることができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態の静電型トランスデューサ1において、第一端子接合体14,114と第二端子接合体15,115は、第一電極部11a及び第二電極部11bのそれぞれから同方向に延びるように折り曲げ形成されている。これにより、制御基板20を一箇所に配置するだけで、制御基板20と第一端子接合体14,114との接続、及び、制御基板20と第二端子接合体15,115との接続とが、可能となる。
また、第一実施形態の静電型トランスデューサ1は、静電型積層体11の一方側に積層される第二弾性体13を備える。そして、第一端子接合体14及び前記第二端子接合体15は、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げ形成されている。これにより、静電型トランスデューサ1は、非常に小型となる。
また、第一実施形態の静電型トランスデューサ1において、第二弾性体13の弾性率E(13)は、静電型積層体11の弾性率E(11)より小さく設定されている。そして、静電型トランスデューサ1は、静電型積層体11を積層方向に押圧し、第二弾性体13を静電型積層体11より大きく圧縮させた状態で保持するカバー30を備える。そして、第一端子接合体14及び前記第二端子接合体15は、第二弾性体13における静電型積層体11と反対側に回り込むように折り曲げ形成されている。
ここで、第二弾性体13の弾性率E(13)は、静電型積層体11の弾性率E(11)より小さい。従って、カバー30により押圧された状態において、第二弾性体13が静電型積層体11より大きく圧縮した状態となる。そして、カバー30は、この状態を初期状態として保持している。さらに、カバー30により静電型積層体11及び第二弾性体13を押圧した状態において、静電型積層体11の圧縮量は小さい。そのため、カバー30により静電型積層体11を押圧したとしても、静電型積層体11の伸縮動作にそれほど影響を与えることはない。
そして、静電型積層体11の第一電極部11a及び第二電極部11bに電圧を印加すると、静電型積層体11は、厚み方向に伸縮する。静電型積層体11の伸縮動作によって生じる静電型積層体11の面の変位が、第二弾性体13を介してカバー30に伝達される。加えて、静電型積層体11の伸縮動作によって第二弾性体13の弾性変形力が変化して、第二弾性体13の弾性変形力の変化がカバー30に伝達される。従って、初期状態として、第二弾性体13が圧縮されていることにより、カバー30に効率的に振動を付与することができる。つまり、静電型積層体11単体としては小さな振動であっても、カバー30に触覚振動を付与することができる。
さらに、第一実施形態−第三実施形態の静電型トランスデューサ1は、静電型積層体11の一方側に積層される第二弾性体13に加えて、静電型積層体11の他方側に積層される第一弾性体12を備える。第一弾性体12は、第二弾性体13と同様に、静電型積層体11の弾性率E(11)より小さな弾性率E(12)を有する。
つまり、第一弾性体12及び第二弾性体13が、静電型積層体11を挟んだ状態で、カバー30により圧縮されている。そのため、静電型積層体11の振動を、効率的にカバー30に伝達できる。
さらに、第一弾性体12及び第二弾性体13には、損失係数tanδ(12),tanδ(13)の小さな材料が用いられる。これにより、第一弾性体12及び第二弾性体13は、静電型積層体11の伸縮動作を吸収することなく、カバー30に伝達できる。特に、第一弾性体12及び第二弾性体13にシリコーンゴムが適用されることで、上記動作を確実に実現できる。また、第一弾性体12及び第二弾性体13の損失係数tanδ(12),tanδ(13)は、温度を−10〜50℃、振動周波数を300Hz以下とする使用環境下において、静電型積層体11の損失係数tanδ(11)以下である。このことにより、第一弾性体12及び第二弾性体13は、静電型積層体11の伸縮動作を吸収することなく、確実に、カバー30に伝達できる。
1:静電型トランスデューサ、 10,110,210:内部ユニット、 11:静電型積層体、 11a(51a):第一電極部、 11b(52a):第二電極部、 11c:誘電層、 11d(61a):絶縁部、 11e(62a):絶縁部、 12:第一弾性体、 13:第二弾性体、 14,114,214:第一端子接合体、 14a(51b):第一端子部、 15,115,215:第二端子接合体、 15a(52b):第二端子部、 20:制御基板、 30:カバー、 51:第一電極シート、 52:第二電極シート、 61:第一絶縁シート、 61d,61e:貫通孔、 62:第二絶縁シート

Claims (6)

  1. 弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第一電極部と第一端子部とをそれぞれ備える複数の第一電極シートと、
    弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、第二電極部と第二端子部とをそれぞれ備え、前記第二電極部が複数の前記第一電極部の間に配置される複数の第二電極シートと、
    前記第一電極部と前記第二電極部との間にそれぞれ配置される複数の誘電層と、
    を備え、
    複数の前記第一端子部は、前記第一電極部、前記第二電極部及び前記誘電層により構成される積層体の外部にて相互に接触して形成された一つの第一端子接合体を構成し、
    複数の前記第二端子部は、前記積層体の外部にて相互に接触して形成された一つの第二端子接合体を構成する、静電型トランスデューサ。
  2. 前記静電型トランスデューサは、弾性変形可能な材料によりシート状に形成され、前記第一電極部、前記第二電極部及び前記誘電層の積層体における最外層を被覆する絶縁シートを備え、
    前記複数の第一端子部と、前記絶縁シートにおける前記複数の第一端子部を被覆する部分とが、前記第一端子接合体を構成し、
    前記複数の第二端子部と、前記絶縁シートにおける前記複数の第二端子部を被覆する部分とが、前記第二端子接合体を構成する、請求項1に記載の静電型トランスデューサ。
  3. 前記第一端子接合体は、前記第一電極部の面方向から少なくとも1回折り曲げ形成されており、
    前記第二端子接合体は、前記第二電極部の面方向から少なくとも1回折り曲げ形成されている、請求項1又は2に記載の静電型トランスデューサ。
  4. 前記第一端子接合体と前記第二端子接合体は、前記第一電極部及び前記第二電極部のそれぞれから同方向に延びるように折り曲げ形成されている、請求項3に記載の静電型トランスデューサ。
  5. 前記静電型トランスデューサは、前記積層体の一方側に積層される弾性体を備え、
    前記第一端子接合体及び前記第二端子接合体は、前記弾性体における前記積層体と反対側に回り込むように折り曲げ形成されている、請求項4に記載の静電型トランスデューサ。
  6. 前記弾性体の弾性率は、前記積層体の弾性率より小さく設定され、
    前記静電型トランスデューサは、前記積層体を積層方向に押圧し、前記弾性体を前記積層体より大きく圧縮させた状態で保持するカバーを備える、請求項5に記載の静電型トランスデューサ。
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