JP2017183678A - コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドラムコアとリングコアからなるコア構造を有し、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10は、ドラムコア20が、リングコア30の貫通孔32に収納されており、ドラムコア20の一方の鍔部24の外周と、リングコア20の貫通孔32の内周の間のギャップGに、2種類の固定部が設けられている。ドラムコア20の他方の鍔部が接着される樹脂ベース70には、巻線から引出された端部と接続する端子電極が設けられている。第2の固定部60A、60Bは、ドラムコア20の鍔部24の中心Cを挟んで対向配置されており、これら第2の固定部60A、60Bの外側を覆うように、第1の固定部62A、62Bが設けられる。第2の固定部の硬度が、第1の固定部の硬度より高く、ギャップGの変動を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コイル部品に関し、更に具体的には、ドラムコアをリングコアの貫通孔に収納したコイル部品に関するものである。
近年、電子部品の用途が広がり、環境対応の要求が高くなっている。特に、自動車の分野では電子化の動きが活発で、電子部品の採用数は増える一方であり、温度変動や振動に対して壊れることがないコイルなどの電子部品が求められている。コイル部品としては、巻線が巻回されたドラムコアを、リングコア(ないしスリーブコア)の貫通孔に収納した構造のものがある。このようなドラムコアとリングコアを組み合わせたコアを有するコイル部品としては、例えば、下記特許文献1に記載の「インダクタンス素子」がある。当該文献には、ドラムコアの上端鍔とリングコアとの間には、前記リングコアの内周面に沿って全体に渡り、接着剤を塗布する構成とすることで、特定の一部分に衝撃が集中することなく、ドラムコアとリングコアとの間でほぼ均等に分散されやすくすることが開示されている。
特開2001−338818号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されたように、接着剤をリングコアとドラムコアの間のギャップ全周にわたって塗布する手法では、衝撃に対する効果は期待できるものの、全周にわたって均一に塗布することは非常に困難であり、また、熱応力に対する影響を受け易いという課題がある。例えば、全周に接着剤を塗布する手法では、コア同士(ドラムコアとリングコア)の位置決めが容易にできず、コア間のギャップの大きな部分と小さな部分が生じ、ギャップの大きさによって応力の掛かり具合が変わってしまうことがある。特に、太い導線を用いる場合には、導線の引き出し線の影響を受け、ドラムコアの位置が動いてしまうことがある。このように、従来の手法では、高い信頼性と安定した特性とを兼ね備えたコイル部品を得ることは容易ではない。
本発明は、以上のような点に着目したもので、ドラムコアとリングコアを組み合わせたコア構造を有しており、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品を提供することを、その目的とする。
本発明は、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向に見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記第1の固定部が、前記第2の固定部の外側を覆っていることを特徴とする。他の形態の一つは、前記ドラムコアの鍔部の外周面の長さに対し、前記ドラムコアの鍔部の外周面に接触する前記第1の固定部の長さの割合が、60%以上であることを特徴とする。更に他の形態の一つは、前記第2の固定部の硬度が、ショアD硬度で50N/cm以上であることを特徴とする。
更に他の形態の一つは、前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とする。更に他の形態の一つは、(1)前記第2の固定部のうち、少なくとも2つは、前記ドラムコアの中心に対して対向する位置に配置されていることを特徴とする,(2)前記第2の固定部が、前記ドラムコアの中心を通る線に対して、線対称に配置されていることを特徴とする,(3)前記第2の固定部が、等間隔で配置されていることを特徴とする。
更に他の形態の一つは、前記第1の固定部と前記第2の固定部は、前記端子電極の実装される面と反対の鍔部側に配置されることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向に見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することとした。このため、ドラムコアとリングコア間の距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品が得られる。
本発明の実施例のコイル部品を示す図であり、(A)は実装面の反対側から見た外観斜視図,(B)及び(C)は第1の固定部及び第2の固定部の位置関係を模式的に示す図である。 前記実施例を示す図であり、(A-1)はドラムコアの平面図,(A-2)はドラムコアの側面図,(B-1)はリングコアの平面図,(B-2)はリングコアの側面図,(C-1)は樹脂ベースの表面側から見た斜視図,(C-2)は樹脂ベースの裏面側を示す平面図である。 前記実施例のコイル部品の製造手順を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。 本発明の他の実施例を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図3を参照しながら本発明の実施例を説明する。本発明は、導線が巻回されるドラムコアを、リングコアの貫通孔に収納したコア構造を有するコイル部品である。図1(A)は実装面の反対側から見た外観斜視図,図1(B)及び(C)は本実施例における第1の固定部及び第2の固定部の位置関係を模式的に示す図である。図2(A-1)は、本実施例のドラムコアの平面図,図2(A-2)は前記ドラムコアの側面図,図2(B-1)は本実施例のリングコアの平面図,図2(B-2)は前記リングコアを矢印F2方向から見た側面図,図2(C-1)は樹脂ベースを表面側から見た斜視図,(C-2)は樹脂ベースの裏面側を示す平面図である。図3は、本実施例のコイル部品の製造手順を示す図である。
図1(A)及び図3に示すように、本実施例のコイル部品10は、ドラムコア20が、リングコア30の貫通孔32に収納されており、これらの間、すなわち、ドラムコア20の鍔部24の外周と、前記リングコア20の貫通孔32の内周の間のギャップGに、2種類の固定部が設けられた構造となっている。また、前記ドラムコア20の他方の鍔部26と接着される樹脂ベース70には、前記ドラムコア20に巻回する巻線40から引出された端部と接続する端子電極50A,50Bが設けられている。図1(B)に概略を示すように、前記第2の固定部60A,60Bは、ドラムコア20の鍔部24の中心Cを挟んで対向するように2箇所に設けられている。そして、前記第2の固定部60A,60Bを設けた部分を覆うように、図1(A)に示すように、第1の固定部62A,62Bが弧状に設けられている。前記第1の固定部62A,62Bは、前記第2の固定部60A,60Bの外側を覆っていればよく、例えば、後述する図4(C)に示すように、全周にリング状に設けてもよい。本発明では、前記第2の固定部の硬度が、前記第1の固定部の硬度より高いものを用いている。
次に、前記コイル部品10を構成する各部について、詳細に説明する。図2(A-1)及び(A-2)に示すように、コアの一部を構成するドラムコア20は、巻線40が巻回される巻軸22の両端に、一対の鍔部24,26を備えている。本実施例では、前記巻軸22及び鍔部24,26は、前記巻軸22の軸方向と直交する断面形状が、略円形となっている。前記鍔部24,26の表面中央部には、凹部25,27が設けられている。前記巻線40は、導線42の周囲を絶縁性の被膜44で覆ったものである。
前記リングコア30は、図2(B-1)及び(B-2)に示すように、断面略円形の貫通孔32を有する中空体であって、本実施例では、外形形状が略円形となっている。すなわち、リングコア30は、上面30A,底面30B,外周面30Cからなる略円筒状である。前記リングコア30の内周の寸法は前記ドラムコア20の外周の寸法より大きく、前記貫通孔32にギャップGを伴って、前記ドラムコア20が収納される。前記リングコア30の底面30B側には、前記ドラムコア20に巻回した巻線40の端部46A,46Bを引き出すための溝38A,38Bが形成されている。また、前記リングコア30の上面30A側には、前記第1の固定部62A,62Bとなる接着剤の厚みを増すための溝36A,36Bが形成されている。
次に、樹脂ベース70について説明する。前記樹脂ベース70は、前記ドラムコア20の一方の鍔部(本実施例では、鍔部26)を接着するとともに、巻線40の導線と電気的に導通する端子電極50A,50Bが設けられたものである。前記樹脂ベース70は、図2(C-1)及び(C-2)に示すように、上面70Aと底面70B間に所定の厚みを有し、側面72A〜72Dを有する正方形の板状体の対向する角を2箇所切り落とした形状となっている。図示の例では、側面72Aと側面72Bの間に側面74Aを形成し、側面72Cと側面72Dの間に側面74Bを形成している。
前記側面74A,74Bからは、接合用の引き出し部52A,52Bが引き出されている。前記引き出し部52A,52Bは、前記樹脂ベース70の内部で、前記端子電極50A,50Bと導通している。すなわち、前記側面74A,74Bを設けることによって、接合用のスペースが形成されている。また、前記樹脂ベース70の表面70Aには、中央に突起76が設けられ、ドラムコア30の鍔26側の凹部27を位置合わせして取り付けられている。
次に、図3も参照して、本実施例のコイル部品10の製造方法の一例を説明する。まず、図3(A)に示すように、上述したドラムコア20とリングコア30と樹脂ベース70を準備する。上述したように、前記樹脂ベース70には、あらかじめ実装面側に端子電極50A,50Bが設けられている。次に、図3(B)に示すように、前記ドラムコア20の巻軸22に巻線40を、例えば、被膜44を持つ断面が円形である丸線を用い、一方側から巻軸22に沿って導線を重ねるようにして巻回する。巻線40は、前記巻軸22の周りに巻回し、巻軸22から外側に向かい、ドラムコア20より外側に両端部46A,46Bを引き出す。引き出した端部46A,46Bは、前記端子電極50A,50Bとの接続位置に合うようにフォーミングする。
ここでは、両端部46A,46Bは、ドラムコア20の一方の鍔部26の内側に沿うように高さを揃え(図3(B))、ドラムコア30から、周方向外側に向けて、それぞれの端部46A,46Bが反対方向に向かうようにフォーミングしている。すなわち、一方の端部(例えば端部46A)側から他方の端部(例えば端部46B)を見ると、これらの端部46A,46Bがほぼ一直線上にある。このように、前記端部46A,46Bが一直線上にあると、次工程以降の被膜剥離を精度良くでき、接合の安定性も良くなる。
次に、前記図3(C)に示すように、前記巻線40の引き出された両端部46A,46Bから端子電極50A,50Bと接続する位置の被膜44を剥離する。被膜剥離は、例えば、グリーンレーザを巻線端部46A,46Bの外周面に対し一方向から照射したのち、巻線したドラムコア20を180度反転して再度照射を行う。このように、180度角度の異なる2方向からレーザ照射を行うことで、巻線端部46A,46Bの導線42のほぼ全周の被膜44を取ることができる。
以上のようにして巻線40が巻回され、端部46A,46Bから被膜44が剥離されたドラムコア20を、図3(D)に示すように、鍔部26の表面26Aが前記樹脂ベース70の表面70A側を向くように置く。前記鍔部26の表面26Aと前記樹脂ベース70の表面70Aの間には、熱硬化性接着剤を塗布しておく。このとき前記表面70Aの中央部の突起76と、鍔部26の中央の凹部27の位置を合わせるとともに、前記巻線40の端部46A,46Bと、前記樹脂ベース70の接合用引き出し部54A,54Bの位置が合うようにする。
続いて、図3(E)に示すように、前記リングコアの貫通孔32に前記ドラムコア20が収納されるように、リングコア30を前記樹脂ベース70上に配置する。前記リングコア30と前記樹脂ベース70の間には、熱硬化性樹脂を塗布しておく。そして、画像認識により、ドラムコア20とリングコア30の位置調整を行う。この状態で、ドラムコア20の上面側、すなわち、実装面と反対側(本実施例では、鍔部24の上面24A側)からディスペンサを用い、ドラムコア20の鍔部24の外周面とリングコア30の内周面との間にUV接着剤を2点塗布し、UVランプで硬化させる。
前記塗布して硬化させたUV接着剤が、前記第2の固定部60A,60Bとなる。第2の固定部60A,60Bは、ドラムコア20とリングコア30を位置決めした位置に固定する。そのため、以後の工程間や、環境試験等による位置の変動を抑制できる。また、図示の例では、複数(2箇所)配置し、ドラムコア20の中心に対して対向した位置にあるため、リングコア30に掛かる応力も均等になる。
次に、図3(F)に示すように、前記ドラムコア20とリングコア30間のギャップGに、前記第2の固定部60A,60Bの上面(外側)を覆うように、熱硬化性接着剤をディスペンサを用いて塗布し、150℃で硬化させる。硬化後の熱硬化性接着剤は、前記第1の固定部62A,62Bとなる。また、この熱硬化工程により、前記ドラムコア20及び前記リングコア30と前記樹脂ベース70の間に塗布された熱硬化性接着剤も硬化し、前記ドラムコア20及びリングコア30と、前記樹脂ベース70が接着される。このように、第1の固定部62A,62Bが、第2の固定部60A,60Bを覆うことで、第2の固定部60A,60Bとは重ならず、ドラムコア20の外周面と接する部分では、第1の固定部62A,62Bの高さ方向の厚みを確保できる。また、第1の固定部62A,62Bとドラムコア20の外周面と接する部分の長さを長く取ることで、この厚みを確保した部分を長くでき、剥離などの欠陥を抑制できる。このため、第1の固定部62とドラムコア20の外周面と接触している部分の長さの割合が、ドラムコア20の外周面の長さに対して60%以上存在しているほうがよい。なお、第1の固定部62A,62Bと第2の固定部60A,60Bの重なっている部分については、第2の固定部60A,60Bとドラムコア20の外周面と接している部分の長さを、第1の固定部62とドラムコア20の外周面と接触している部分の長さに含む。
また、本実施例では、図4(C)に示すように、ドラムコア20の外周の全周にわたって第1の固定部62を形成しても良いが、応力を逃がすためには、一部存在しない部分を設ける必要があるため実際には90%以下がよい。更に、ドラムコア20の上面24Aや外周面、またはリングコア30の上面30Aや内周面に段差を設けることで、この部分に接着剤の厚みを持たせることができ、この部分を接着剤の溜まりとすることで濡れ拡がりをとめることができ、接着剤の形状の安定性が良く、画像認識のしやすさにもつながる。これらの形態については後述するが、本実施例では、図2(A-2)及び図4(F)に示すように、ドラムコア20の上面、すなわち、鍔部24の表面24Aの外縁部に、僅かな面取り64が設けられており、この面取り64を利用して接着剤の厚みを持たせることが可能となっている。
本実施例では2種類の接着剤を用いているが、第2の固定部60A,60Bとなる接着剤は、硬化後の硬度の高いものを用い、第1の固定部62A,62Bとなる接着剤(熱硬化性接着剤)としては、硬化後の線膨張係数の低いものを用いる。第2の固定部60A,60Bは、ショアD硬度として、50N/cm以上であれば、コアの位置が動いてしまうことはない。また、第1の固定部62A,62Bは、線膨張係数は、2×10−5/K以下であればよく、低UV接着剤、熱硬化接着剤等が挙げられる。また、線膨張係数以外の条件としては、ガラス転移点が150℃以上であること、硬化前の粘度は、80000mPa・s以上であることなどがある。これらの条件を満たすことにより、一度の塗布でも接着剤の厚みが得られやすく、150℃の高温下の用途にも対応できる。
<試作例>・・・次に、本実施例の試作例について説明する。以下の表1に示す条件で、比較例及び試作例1〜6のコイル部品を製作し、インダクタンスのバラツキ(%)と、ヒートサイクル試験後の欠陥について確認を行った。コイル部品10は、12.5×12.5×6mmの寸法の巻線型インダクタとし、磁性体であるドラムコア20及びリングコア30としては、Ni−Znフェライトを用いた。このドラムコア20とリングコア30の間のギャップ設計は、鍔部24の外周面とリングコア30の内周面30Dの距離を2倍し、0.22〜0.3mmとした。また、巻線40としては、ポリアミドイミド被膜付のφ0.4mmの導線を用い(導線自体はCu)、巻数は10.5とした。また、第2の固定部60A,60Bには短時間で硬化が可能な接着剤として、硬度としてショアDの40〜65であるUV接着剤を用い、第1の固定部62A,62B、および樹脂ベース70と2つのコアの接着には熱硬化性接着剤を用い、硬度としてショアDの30、または40であるエポキシ接着剤を用いた。樹脂ベース70としては、150℃以上の耐熱性のエポキシ樹脂からなる外形寸法(最大部分)12.5×12.5mmで厚みが1mmのものを用いた。また、端子電極50A,50Bとしては、Ni/Snめっきが施された厚み0.15mmのCu板を、前記樹脂ベース70に埋め込んだものを用いた。
以下、具体的な試作例、比較例を示す。
試作例1は、リングコア30の内周面30Dの寸法を設定し、ギャップ設計を0.25mmとし、インダクタンスの設計値は10.0μHとした。第1の固定部62A,62Bとして、数が2箇所、割合が40%、硬度が30、第2の固定部60として、数が1箇所、割合が8%、硬度が40とした。また、比較例は、ギャップ設計を0.3mm、インダクタンスの設計値は9.8μHとし、第2の固定部60を設けないこと以外は、試作例1と同様に行った。
試作例2は、同様の方法によりギャップ設計を0.25mmとし、インダクタンスの設計値は10.0μHとした。第1の固定部62A,62Bとして、割合を60%としたこと以外は、試作例1と同様に行った。試作例3は、第1の固定部62A,62Bとして、割合が80%、第2の固定部60A,60Bとして、硬度が50としたこと以外は、試作例2と同様に行った。
試作例4は、同様の方法によりギャップ設計を0.22mmとし、インダクタンスの設計値は10.3μHとした。第1の固定部62A,62Bとして、割合が90%、第2の固定部60A,60Bとして、数が2箇所としたこと以外は、試作例3と同様に行った。試作例5は、第1の固定部62として、割合が100%、第2の固定部60A,60B,60C,60Dとして、数が4箇所、割合が16%としたこと以外は、試作例4と同様に行った。試作例6は、第2の固定部60A,60Bとして、硬度が65としたこと以外は、試作例4と同様に行った。
Figure 2017183678
前記表1中、ギャップGの大きさは、(リングコア内径D2−ドラムコア鍔部外径D1)/2として算出した。また、ドラムコア20の鍔部24の外周面と接する第1の固定部及び第2の固定部の長さの割合は、鍔部24から巻軸22の方向を見て、ドラムコア20の鍔部24の外周に対する長さの割合で示した。測定には、工場顕微鏡を用い10〜20倍の倍率で、ドラムコア20の鍔部24の中心に第1及び第2の固定部それぞれの存在する範囲の角度を求め、鍔部24の外周の全周に対する割合を求めた。第1の固定部62は、上記倍率で、鍔部24から巻軸22の方向に当たる上面側から見て、各固定部の見える範囲の角度を求めている。また、第2の固定部60A,60Bは、ドラムコア20の鍔部24、またはリングコア30の上面30Aのいずれか高さの低い方のコアの上面に対し、上下方向に0.05mmの範囲で研磨して、この研磨面を上面側から同様に、第2の固定部の見える範囲を求める。また、硬度はショア式硬さ試験機のD型を用い、第1及び第2の固定部の比較を行う。また、具体的な硬度の数値については、第2の固定部を形成するための接着剤により外形寸法φ10mm、厚み2mmの試験試料し、所定の硬化をしてから各硬度を求めた。
インダクタンスのバラツキはMAX値より計算した。比較例は、本実施例の第2の固定部に相当するものが存在しない例である。なお、インダクタンス評価について補足すると、インダクタンスのバラツキはギャップのバラツキによって生じる。この場合、ドラムコア20の外周面とリングコア30の内周面の間に、全体的に均等な距離を確保できることが好ましく、この距離が均等でない場合は、距離の近い部分が存在することでインダクタンスは高くなる。これが組み立て精度によるバラツキになる。上記のようにインダクタンスのバラツキは設計値よりプラス側に振れることになるため、ここでの評価は設計値と最大値の差(ずれの大きさ)の割合を求めている。測定器は、LCRメーター4285A 周波数100kHzを用いた。また、ヒートサイクル試験は、−55〜150℃の温度で、1000サイクル、3000サイクルでの試験前後での変化を評価し、いずれかで変化の有無を確認している。この確認としては、外観的な変化として、工場顕微鏡を用い50倍の倍率で、第1の固定部62の部分の観察を行った。
前記表1に示した比較例及び試作例の結果から、以下のことが確認された。
比較例は、インダアクタンスのバラツキが大きい。これは、2つのコアの間のギャップが全周で見て場所によってバラツキがあるためである。また、ヒートサイクル試験では、ドラムコア20、またはリングコア30と第1の固定部62との間で、界面剥離が見られた。これは、ギャップの大きな部分では、接着剤の厚みが薄くなってしまい、熱による収縮膨張の応力により欠陥につながってしまう。
試作例1は、2つのコアの間の距離に当たるギャップ設計を小さくしても、インダクタンスのバラツキは小さくなった。これは、UV接着剤を用いて第2の固定部を設けることにより、ギャップ精度がよく、ギャップを小さくしてもインダクタンスのバラツキを小さくできることが確認された。しかしながら、第1の固定部62A,62Bの長さ方向の端の部分にわずかにクラックのような痕跡が見られ、微小クラックと判別した。ただし、1000サイクルから3000サイクルでの変化は見られず、またこれが原因となる不具合は確認されなかった。これは、第2の固定部60Aのみが存在する部分の周方向の長さが十分確保されないことで、第2の固定部60Aを切っ掛けに、第1の固定部62の端の部分に応力が掛かったものである。
試作例2は、インダクタンスのバラツキがわずかであるが良くなった。これは、第1の固定部62の周方向の長さを長く設けたことで、位置の安定性が良くなったためである。また、試作例2〜6では、上記の欠陥は全て解消された。これは、第1の固定部62の周方向の長さを増やすことで、第1の固定部62の高さ方向の厚みを十分確保できたためである。
試作例3は、インダクタンスのバラツキを更に小さくできた。これは、実験例2よりも硬度の高い第2の固定部60Aとしたことで、より位置精度が良くなったためである。
試作例4〜6では、更にギャップ設計を小さくでき、インダクタンスのバラツキも低く抑えられた。これは、第1の固定部の割合を増やすことで、ギャップ変動がより抑えられたためである。
試作例5は、第1の固定部を全周に設けた例であり、試作を行った寸法では、バラツキも小さく、欠陥もなかったが、例えば、リングコア20の稜線部分のR付けが難しいような小型部品(7mm以下)では、全周に形成すると応力がコアの稜線部分に掛かることは考慮が必要となる。
なお、試作例6と試作例4の比較からは、第2の固定部の硬度の上限は特に設ける必要はなく、ショアD硬度で50以上あれば大きな変化もなく、これ以上無理に硬度の高いものを使う必要はなく、100程度までの範囲であれば十分である。
このように、実施例によれば、次のような効果がある。
(1)ドラムコア20とリングコア30のギャップGの一部に第2の固定部60A,60Bと、第1の固定部62を設けるとともに、前記第2の固定部60A,60Bが、前記第1の固定部62より硬度が高いこととしたので、コア部材間の距離の変動を抑えることができる。
(2)ドラムコア20の外周の長さに対する第1の固定部62の割合を60%以上とすることで、欠陥をなくすことができる。
(3)第2の固定部60A,60Bが、ショアD硬度で50N/cm以上とすることで、変動(コア間の位置の変動)を小さくできる。
(4)第2の固定部を複数設け、かつ、ドラムコア20の中心Cに向かって対向した配置としたので、さらにギャップを小さくでき、また、リングコア30に掛かる応力が均等になるため、バラツキが小さくなる。
(5)端子電極50A,50Bを埋め込んだ樹脂ベース70を用意しておき、当該樹脂ベース70にドラムコア20の一方の鍔部26を接着して、前記ドラムコア20に巻回した巻線40の端部を引き出して接合することとしたので、容易に導通をとることができる。
(6)前記第1の固定部62が、第2の固定部60A,60Bの上面(外側)を覆っているため、第2の固定部60A,60Bが欠落することない。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した形状,寸法は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。例えば、前記実施例では、リングコア30の外形断面形状を円形としたが、八角形や四角形等であってもよく、また、角に回転しない程度のRを付けた形状としてもよい。
(2)前記実施例で示したリングコア30からの巻線の引き出し構造も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。
(3)前記実施例で示した端子電極50A,50Bの形状や、樹脂ベース70を用いた巻線40の端部46A,46Bとの接合形態も一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。
(4)前記実施例では、2つの第2の固定部60A,60Bを設けることとしたが、これも一例であり、第2の固定部は2つ以上であれば、その数や配置は適宜変更可能である。例えば、図4(A)に示すコイル部品10Aのように、ドラムコア20とリングコア30の間のギャップGに、均等に3つの第2の固定部60A〜60Cを設けるようにしてもよい。均等に配置することにより、リングコア30に掛かる応力を均等に分散させることができる。また、図4(C)に示す4つの第2の固定部60A〜60Dを有するコイル部品10Cについても同様である。また、複数の第2の固定部の間隔は不均等であってもよい。例えば、図4(B)に示すコイル部品10Bでは、ドラムコア20の中心を通る線Lに対して、線対称に3つの第2の固定部60A〜60Cを配置したが、線対称配置ではなく、3つの第2の固定部を全くの不均等・非対称に配置してもよい。図4(D)に示すコイル部品10Dでは、4つの第2の固定部60A〜60Dが前記線Lを境に線対称に配置されている。このほかに、第2の固定部を3つや5つなどの奇数としてもよく、必ずしもギャップGの円周上に均等間隔配置,線対称配置,点対称配置とする必要はなく、端子電極の形状等を考慮して配置を決定してもよい。
(5)前記実施例で示した樹脂ベース70も一例であり、同様の効果を奏する範囲で、材料や形状等を適宜変更してよい。
(6)前記実施例では、第2の固定部60A,60Bの上面を完全に覆うように第1の固定部62A,62Bを設けることとしたが、これも一例であり、必ずしも第2の固定部の全体を覆う必要はなく、一部を覆うような形態であってもよい。少なくとも第2の固定部60A,60Bは第1の固定部62A,62Bのいずれかに接していれば良い。いずれの形態であっても、第1及び第2の固定部が部品から脱落するようなことがない。
(7)更に、前記実施例では、図2(A-2)及び図4(F)に示すように、ドラムコア20の上面、すなわち、鍔部24の表面24Aの縁部に、僅かな面取り64が設けられており、この面取りを利用して接着剤の厚みを持たせることとしたが、これも一例であり、同様の効果を奏する範囲内で適宜設計変更可能である。例えば、リングコア30側に、図4(F)に点線で示すように、テーパ66等を設けてもよいし、図4(E)に示すように、ドラムコア20とリングコア30の若干の高さの差のみを利用して、接着剤の厚みを確保するようにしてもよい。
(8)あるいは、図5(A-1)〜(A-3)に示す例のリングコア90Aのように、上面92に、比較的範囲の狭い接着用の溝36A,36Bを設けてもよいし、図5(B-1)〜(B-3)に示すリングコア90Bのように、上面92に、範囲の広い接着用の溝36A,36Bを設けてもよい。いずれの場合であっても、接着剤の厚みの確保と、接着剤の両端の位置の安定のために、図5(A-3)及び(B-3)に示すように、前記溝36A,36Bに、接着剤の両端が位置するように塗布して、第1の固定部62A,62Bを形成するとよい。特に、溝36A,36Bによる電気的特性の影響を考慮すると、溝36A,36Bを狭い範囲とし、溝36A、溝の無い部分、溝36Bにわたって第1の固定部を設ける方がよい。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することとした。このため、ドラムコアとリングコア間の距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品の用途に適用できる。特に、耐温度や耐衝撃性に優れることから、自動車や産業機械の分野向けのコイル部品の用途に好適である。
10,10A〜10D:コイル部品
20:ドラムコア
22:巻軸
24,26:鍔部
24A,26A:表面
25,27:凹部
30:リングコア
30A:上面
30B:底面
30C:外周面
30D:内周面
32:貫通孔
36A,36B,38A,38B:溝
40:巻線
42:導線
44:被膜
46A,46B:端部
50A,50B:端子電極
54A,54B:引き出し部
56A,56B:接合部
60A〜60D:第2の固定部
62,62A〜62C:第1の固定部
64:面取り
70:樹脂ベース
70A:表面
70B:裏面
72A〜72D:側面
74A,74B:側面
76:突起
90A,90B:リングコア
92:上面
C:ドラムコアの中心
D1:ドラムコアの外径
D2:リングコアの内径
G:ギャップ
L:ドラムコアの中心を通る線
本発明は、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向に見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することを特徴とするコイル部品。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向に見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することとした。このため、ドラムコアとリングコアの距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品が得られる。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向に見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有することとした。このため、ドラムコアとリングコア間の距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品の用途に適用できる。特に、耐温度や耐衝撃性に優れることから、自動車や産業機械の分野向けのコイル部品の用途に好適である。
本発明は、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられており、かつ、前記ドラムコアの中心を通る線に対して、線対称に配置されていることを特徴とするコイル部品。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられており、かつ、前記ドラムコアの中心を通る線に対して、線対称に配置されていることとした。このため、ドラムコアとリングコアの距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品が得られる。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられており、かつ、前記ドラムコアの中心を通る線に対して、線対称に配置されていることとした。このため、ドラムコアとリングコア間の距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品の用途に適用できる。特に、耐温度や耐衝撃性に優れることから、自動車や産業機械の分野向けのコイル部品の用途に好適である。
本発明は、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部の硬度が、ショアD硬度で50N/cm 以上であることを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記第1の固定部が、前記第2の固定部の外側を覆っていることを特徴とする。他の形態の一つは、前記ドラムコアの鍔部の外周面の長さに対し、前記ドラムコアの鍔部の外周面に接触する前記第1の固定部の長さの割合が、60%以上であることを特徴とする。更に他の形態の一つは、前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とし、前記第2の固定部のうち少なくとも2つが、前記ドラムコアの中心に対して対向する位置に配置されているか、前記第2の固定部が、前記ドラムコアの中心を通る線に対して線対称に配置されているか、前記第2の固定部が、等間隔で配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部の硬度が、ショアD硬度で50N/cm 以上であることとした。このため、ドラムコアとリングコアの距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品が得られる。
本発明によれば、巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、前記巻軸に巻回する導線と、一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、前記導線と電気的に導通する端子電極と、前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に、前記鍔部の外周に沿って複数箇所に設けられた第1の固定部と、前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、を有しており、前記第2の固定部の硬度が、ショアD硬度で50N/cm 以上であることとした。このため、ドラムコアとリングコア間の距離の変動を抑えることができ、高い信頼性と安定した特性を兼ね備えたコイル部品の用途に適用できる。特に、耐温度や耐衝撃性に優れることから、自動車や産業機械の分野向けのコイル部品の用途に好適である。

Claims (9)

  1. 巻軸の両端に一対の鍔部を備えたドラムコアと、
    前記巻軸に巻回する導線と、
    一方の鍔部から巻軸方向を見て、前記鍔部との間にギャップを有し、前記ドラムコアを貫通孔内に備えたリングコアと、
    前記導線と電気的に導通する端子電極と、
    前記ドラムコアの一方の鍔部と前記リングコアの間のギャップの一部に設けられた第1の固定部と、
    前記ギャップのうち、前記第1の固定部以外の部分の一部に設けられ、前記第1の固定部より硬度の高い第2の固定部と、
    を有することを特徴とするコイル部品。
  2. 前記第1の固定部が、前記第2の固定部の外側を覆っていることを特徴とする請求項1記載のコイル部品。
  3. 前記ドラムコアの鍔部の外周面の長さに対し、前記ドラムコアの鍔部の外周面に接触する前記第1の固定部の長さの割合が、60%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のコイル部品。
  4. 前記第2の固定部の硬度が、ショアD硬度で50N/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイル部品。
  5. 前記第2の固定部が少なくとも2つ以上設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のコイル部品。
  6. 前記第2の固定部のうち、少なくとも2つは、前記ドラムコアの中心に対して対向する位置に配置されていることを特徴とする請求項5記載のコイル部品。
  7. 前記第2の固定部が、前記ドラムコアの中心を通る線に対して、線対称に配置されていることを特徴とする請求項5記載のコイル部品。
  8. 前記第2の固定部が、等間隔で配置されていることを特徴とする請求項5記載のコイル部品。
  9. 前記第1の固定部と前記第2の固定部は、前記端子電極の実装される面と反対の鍔部側に配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のコイル部品。
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