JP2017026373A - トルクセンサ - Google Patents

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池田 幸雄
Yukio Ikeda
幸雄 池田
正憲 佐川
Masanori Sagawa
正憲 佐川
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Abstract

【課題】耐油性に優れたトルクセンサを提供する。【解決手段】磁歪特性を有する回転軸2の周囲に取り付けられ、回転軸2に付与されたトルクを測定するトルクセンサ1であって、回転軸2と離間して同軸に設けられ、中空円筒状に形成されると共にその内周面に軸方向に対して所定角度傾斜した複数の第1傾斜溝10と、軸方向に対して第1傾斜溝10と反対方向に所定角度傾斜した複数の第2傾斜溝11とが形成されたボビン3と、第1傾斜溝10に沿って絶縁電線6をボビン3に巻き付けて構成される第1検出コイル4と、第2傾斜溝11に沿って絶縁電線6をボビン3に巻き付けて構成される第2検出コイル5と、第1検出コイル4と第2検出コイル5のインダクタンスの変化を検出することにより、回転軸2に付与されたトルクを測定する測定部41と、を備え、ボビン3は、板状部材31を軸方向に複数枚積層して構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、磁歪式のトルクセンサに関する。
従来、磁歪式のトルクセンサが知られている。磁歪式のトルクセンサでは、応力が付与された際に透磁率が変化する磁歪特性を有する回転軸を用い、トルクが付与された際の回転軸の透磁率の変化を検出コイルのインダクタンスの変化として検出することにより、回転軸に付与されたトルク(回転トルク)を検出するように構成されている。
回転軸にトルクが付与されると、軸方向に対して+45度傾斜した方向に圧縮(または引張)の応力が作用し、軸方向に対して−45度傾斜した方向に引張(または圧縮)の応力が作用する。よって、軸方向に対して+45および−45度度傾斜した方向の透磁率の変化を2つの検出コイルでそれぞれ検出するように構成し、かつ、ブリッジ回路等を用いて両検出コイルの両端電圧の差分を測定するように構成することで、回転軸に付与されたトルクを感度よく検出することが可能になる。
従来の磁歪式のトルクセンサとして、特許文献1がある。
特許文献1では、フレキシブル基板に形成した配線パターンにより、回転軸の軸方向に対して+45度および−45度傾斜した辺を有する検出コイルを形成し、当該フレキシブル基板を磁性体リングの内周面に装着した基板コイル型のトルクセンサが提案されている。
特許第4888015号公報
ところで、磁歪式のトルクセンサでは、ホールIC等を用いた他方式のトルクセンサと比較して、大きなトルクを検出することが可能であるという特徴がある。本発明者らは、このような磁歪式のトルクセンサの特徴を活かし、パワートレイン系のトルクの検出や、エンジンのシャフトトルクの検出にトルクセンサを用いることを考えた。
しかしながら、上述のような用途では、トルクセンサが潤滑油等の油に浸されたり、トルクセンサに油がかかったりする場合が考えられる。このような場合、トルクセンサには、耐油性が要求されることになる。
特許文献1のトルクセンサでは、フレキシブル基板を用いているため、このフレキシブル基板に用いるフィルム状の樹脂の耐油性が問題となり、信頼性の観点から改善の余地があった。例えば、フィルム状の樹脂としてポリイミドを用いる場合、油中高温下ではポリイミドが劣化してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、耐油性に優れたトルクセンサを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、磁歪特性を有する回転軸の周囲に取り付けられ、前記回転軸に付与されたトルクを測定するトルクセンサであって、前記回転軸と離間して同軸に設けられ、中空円筒状に形成されると共に、その内周面に軸方向に対して所定角度傾斜した複数の第1傾斜溝と、軸方向に対して前記第1傾斜溝と反対方向に前記所定角度傾斜した複数の第2傾斜溝とが形成されたボビンと、前記第1傾斜溝に沿って絶縁電線を前記ボビンに巻き付けて構成される第1検出コイルと、前記第2傾斜溝に沿って絶縁電線を前記ボビンに巻き付けて構成される第2検出コイルと、前記第1検出コイルと前記第2検出コイルのインダクタンスの変化を検出することにより、前記回転軸に付与されたトルクを測定する測定部と、を備え、前記ボビンは、板状部材を軸方向に複数枚積層して構成されている、トルクセンサを提供する。
本発明によれば、耐油性に優れたトルクセンサを提供できる。
本発明の一実施の形態に係るトルクセンサを示す図であり、(a)は模式的な斜視図、(b)は回転軸に取り付けた際の断面図である。 ボビンの斜視図である。 ボビンの分解斜視図である。 (a)は、図3の一番上の板状部材を示す斜視図であり、(b)は図3の上から10枚目の板状部材を示す斜視図である。 (a)は第1検出コイルにおける絶縁電線の巻き方を説明する図であり、(b)は第2検出コイルにおける絶縁電線の巻き方を説明する図である。 突起を介した絶縁電線の巻き方を説明する図である。 測定部の概略構成図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
(トルクセンサの全体構成)
図1は、本実施の形態に係るトルクセンサを示す図であり、(a)は模式的な斜視図、(b)は回転軸に取り付けた際の断面図である。
図1(a),(b)に示すように、トルクセンサ1は、磁歪特性を有する回転軸2の周囲に取り付けられ、回転軸2に付与されたトルク(回転トルク)を測定するものである。
トルクセンサ1は、ボビン3と、ボビン3に絶縁電線6を巻き付けて構成される検出コイル4,5と、を備えている。
回転軸2は、磁歪特性を有する材料から構成され、円柱状(棒状)に形成されている。磁歪特性を有する材料としては、例えば、ニッケル、鉄−アルミニウム合金、鉄−コバルト合金等が挙げられる。なお、回転軸2に用いる材料としては、圧縮時に透磁率が低下し引張時に透磁率が増加する正磁歪材料、圧縮時に透磁率が増加し引張時に透磁率が低下する負磁歪材料のどちらを用いても構わない。回転軸2は、例えば、パワートレイン系のトルク伝達に用いられるシャフト、あるいは車両のエンジンのトルク伝達に用いられるシャフトである。
(ボビン3と検出コイル4,5の構成)
図2は、ボビン3の斜視図である。図1および図2に示すように、ボビン3は、全体として中空円筒状に形成されている。ボビン3は、回転軸2に対して離間して設けられ、かつ、回転軸2と同軸に設けられる。
ボビン3は、ハウジング等の固定部材に固定され、回転軸2の回転に伴って回転しないように配置される。ボビン3の内径は、回転軸2の外径よりも若干大きく形成される。
ボビン3の内周面には、回転軸2の軸方向に対して所定角度傾斜した複数の第1傾斜溝10と、軸方向に対して第1傾斜溝10と反対方向に所定角度(第1傾斜溝10と同じ角度)傾斜した複数の第2傾斜溝11と、が形成されている。
ボビン3の内周面に傾斜溝10,11を形成することで、検出コイル4,5をより回転軸2に近い位置に配置することが可能になり、ボビン3の外周面に傾斜溝10,11を形成した場合と比較して、検出感度を向上することが可能になる。なお、切削加工や金型による成形等によりボビン3を形成する場合、ボビン3の内周面に傾斜溝10,11を形成することは困難であるが、本実施の形態では、板状部材31を軸方向に複数枚積層した構造とすることにより、内周面に傾斜溝10,11を形成したボビン3を実現している(詳細は後述する)。
ここでは、軸方向に対して+45度傾斜するように第1傾斜溝10を形成すると共に、前記軸方向に対して−45度傾斜するように第2傾斜溝11を形成している(図5参照)。トルクセンサ1では、傾斜溝10,11に沿って絶縁電線6を巻き付けて検出コイル4,5を形成するが、回転軸2にトルクが付与された際の透磁率の変化は軸方向に対して±45度の方向で最も大きくなるので、傾斜溝10,11を軸方向に対して±45度傾斜するように傾斜することで、検出感度を向上できる。
なお、傾斜溝10,11の傾斜角度は±45度に限定されない。ただし、傾斜溝10,11の傾斜角度が小さすぎたり大きすぎたりすると感度が低下するため、傾斜溝10,11の傾斜角度は±30〜60度の範囲とすることが望ましい。
本実施の形態では、8つの第1傾斜溝10を周方向に等間隔に形成すると共に、8つの第2傾斜溝11を周方向に等間隔に形成しており、全体として網目状の溝をボビン3の内周面に形成している。なお、傾斜溝10,11の数はこれに限定されず、ボビン3の内径(回転軸2の外径)等に応じて適宜変更可能である。
トルクセンサ1を潤滑油等の油が接触する環境で使用する場合、ボビン3として、耐油性を有する材料からなるものを用いる必要がある。さらに、トルクセンサ1を高温環境で使用する場合には、ボビン3として、耐熱性を有する材料からなるものを用いることが望ましい。
さらにまた、ボビン3の熱による変形により絶縁電線6が断線しないように、ボビン3として、銅(絶縁電線6)と同等の線膨張係数を有するものを用いることが望ましい。より具体的には、ボビン3に用いる材料としては、線膨張係数が、銅の線膨張係数の±25%以内のものを用いることが望ましい。なお、銅の線膨張係数は1.66×10−5〜1.68×10−5/℃であるから、ボビン3に用いる材料としては、線膨張係数が1.25×10−5/℃以上2.1×10−5/℃以下のものを用いることが望ましい。
本実施の形態では、ボビン3は、強磁性体から構成されている。ボビン3を強磁性体で構成することで、検出コイル4,5で生じた磁束が外部に漏れて感度が低下することを抑制することが可能になる。
なお、これに限らず、ボビン3として樹脂からなるものを用い、ボビン3の周囲に、中空円筒状の強磁性体からなる磁性体リングを設けるようにしてもよい。この場合、ボビン3に用いる樹脂としては、耐油性および耐熱性に優れた樹脂、例えば、ポリフタルアミド樹脂(PPA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を用いるとよい。このうちPPA及びPPSの線膨張係数は1.3×10−5〜1.5×10−5/℃である。ボビン3を構成する樹脂にガラス繊維を混入することで、線膨張係数を調整することも可能である。
さて、本実施の形態のようにボビン3の内周面に傾斜溝10,11を形成する場合、ボビン3を金型を用いた成形や切削加工により形成することは困難である。そこで、本実施の形態に係るトルクセンサ1では、板状部材31を軸方向に複数枚積層してボビン3を構成した。
ボビン3の分解斜視図を図3に示す。また、図3の一番上の板状部材31の斜視図を図4(a)に、図3の上から10枚目の板状部材31の斜視図を図4(b)に示す。
図2〜4に示すように、本実施の形態では、20枚の板状部材31を積層してボビン3を構成するようにした。なお、ボビン3を構成する板状部材31の枚数はこれに限定されるものではなく、ボビン3の大きさや板状部材31の板厚等に応じて適宜設定可能である。
各板状部材31は、例えば、金属板をプレス加工することにより形成される。各板状部材31の内周側の縁部には、傾斜溝10,11となる内周側切欠き32が形成されている。内周側切欠き32を形成する位置は、板状部材31を積層した際に全体として傾斜角度±45度の傾斜溝10,11が形成されるように、各板状部材31の軸方向の位置に応じて設定されている。本実施の形態では、各板状部材31を積層することで、階段状の側面を有する傾斜溝10,11が形成されることになる。なお、上述の傾斜溝10,11の傾斜角度とは、傾斜溝10,11の中心を繋いだ線の回転軸2の軸方向に対する角度である。
また、各板状部材31の外周側の縁部には、各板状部材31を積層する際の位置合わせのための位置合わせ用切欠き33が形成されている。本実施の形態では、位置合わせ用切欠き33と同じ形状の突起を内周面に有する筒状の治具を用い、当該治具に板状部材31を順次挿入することで、各板状部材31の位置合わせを行いつつ、各板状部材31を積層するようにした。
図示していないが、図3における上下方向に隣り合う板状部材31の一方には突起が、他方には穴が設けられており、突起を穴に圧入することにより、隣り合う板状部材31が互いに固定されるように構成されている。なお、板状部材31を互いに固定する方法はこれに限定されるものではなく、例えば、全ての板状部材31を貫通するようにボルト穴を設け、当該ボルト穴にボルトを挿通してボルト固定することにより、板状部材31を固定するように構成してもよい。
図2および図4(a)に示すように、軸方向における最も外側に配置される板状部材31には、軸方向外方に突出する複数の突起34が形成されている。突起34は、絶縁電線6を巻き付ける際に絶縁電線6が脱落しないように係止するためのものであり、第1検出コイル4を構成する絶縁電線6と、第2検出コイル5を構成する絶縁電線6は、それぞれ突起34を介してボビン3に巻き付けられる。突起34は、例えば、板状部材31に形成したねじ穴に棒状の部材を螺合させること、あるいは棒状の部材を板状部材31に溶接により固定することで形成される。
また、軸方向における最も外側に配置される板状部材31の内周側切欠き32には、径方向内方に突出するガイド突起35が形成されている。各内周側切欠き32には、それぞれ2つずつのガイド突起35が形成されている。各ガイド突起35は、絶縁電線6を巻き付ける際に絶縁電線6の方向転換をガイドするためのものであり、その周方向の両側面には、軸方向に沿った複数(ここでは4つ)の溝35aが形成されている。溝35aは、絶縁電線6を係止して絶縁電線6の脱落を抑制する役割と、方向転換部での絶縁電線6の位置決めの役割とを果たすものである。ガイド突起35に複数の溝35aを形成しておくことで、複数の検出コイル4,5を形成する場合であっても、絶縁電線6の重なり調整し、過度の重なりを抑制することが可能になる。
(検出コイル4,5の説明)
第1検出コイル4は、第1傾斜溝10に沿って絶縁電線6をボビン3に巻き付けて構成される。
図5(a)に示すように、本実施の形態では、第1検出コイル4を形成する際に、最初の第1傾斜溝10に絶縁電線6を沿わせた後、ガイド突起35で絶縁電線6を方向転換させ、ボビン3の側面に沿って絶縁電線6を隣の(図示左隣の)第1傾斜溝10に移動させることを繰り返し、絶縁電線6がボビン3の内周を1周して最初の第1傾斜溝10に到達するまで略クランク状に(ジグザグに)配線する(図示実線)。その後、再び最初の第1傾斜溝10に絶縁電線6を沿わせた後、これまでの配線方向と逆周りに切欠き13を通して絶縁電線6を隣の(図示右隣の)第1傾斜溝10に移動させることを繰り返し、最初の第1傾斜溝10まで戻る(図示破線)。以上により、1ターン分の配線が完了する。
同様の配線を複数ターン(例えば7ターン)繰り返すことで、第1検出コイル4が形成される。なお、図5(a)は、ボビン3を展開して平面で示したものであり、図示右側の端部と図示左側の端部は連結されている。
絶縁電線6をボビン3に巻き付ける際には、ボビン3を治具に固定して作業を行う。絶縁電線6を巻き付ける作業を行う際には、絶縁電線6の張力によりボビン3が回転してしまわないように、ボビン3を治具に係止することが望ましい。このとき、ボビン3の外周に形成された位置合わせ用切欠き33に治具の一部(突起等)を係止させ、ボビン3の回転を抑制するようにしてもよい。
第2検出コイル5は、第2傾斜溝11に沿って絶縁電線6をボビン3に巻き付けて構成される。
図5(b)に示すように、本実施の形態では、第2検出コイル5を形成する際に、最初の第2傾斜溝11に絶縁電線6を沿わせた後、ガイド突起35で絶縁電線6を方向転換させ、ボビン3の側面に沿って絶縁電線6を隣の(図示右隣の)第2傾斜溝11に移動させることを繰り返し、絶縁電線6がボビン3の外周を1周して最初の第2傾斜溝11に到達するまで略クランク状に(ジグザグに)配線する(図示実線)。その後、再び最初の第2傾斜溝11に絶縁電線6を沿わせた後、これまでの配線方向と逆周りに切欠き13を通して絶縁電線6を隣の(図示左隣の)第2傾斜溝11に移動させることを繰り返し、最初の第2傾斜溝11まで戻る(図示破線)。以上により、1ターン分の配線が完了する。
同様の配線を複数ターン(例えば7ターン)繰り返すことで、第2検出コイル5が形成される。なお、図5(b)は、ボビン3を展開して平面で示したものであり、図示右側の端部と図示左側の端部は連結されている。
なお、絶縁電線6の巻き付け方は図示の方法に限らず、例えば、隣り合う2つの第1傾斜溝10(または第2傾斜溝11)に繰り返し絶縁電線6を巻き付けることを繰り返して第1検出コイル4(または第2検出コイル5)を形成してもよい。なお、絶縁電線6の巻き付けは専用の巻き付け装置によりなされるのが通常であるが、この際の絶縁電線6の巻き付け易さを考慮すると、図5(a),(b)で説明した方法を用いることがより望ましいといえる。すなわち、図5(a),(b)で説明した方法で絶縁電線6を巻き付けることで、生産性を向上することが可能になる。
また、本実施の形態では、絶縁電線6を巻き付ける際には、ボビン3から軸方向に突出する突起34を介して絶縁電線6を巻き付けている。絶縁電線6を突起34を介して巻き付ける方法は特に限定するものではないが、例えば、図6に示すように、絶縁電線6を隣の傾斜溝10,11に移動させる際に、隣り合う傾斜溝10,11間に配線される絶縁電線6を突起34の外側を通るように(径方向における突起34の外側を通るように)配線すればよい。図示の例では、隣り合う傾斜溝10,11間に配線される絶縁電線6が2本の突起34の外側を通るように配線しているが、傾斜溝10,11間で介在させる突起34の数は1本でもよいし、3本以上であってもよい。
検出コイル4,5に用いる絶縁電線6としては、銅または銅にニッケル等のめっきを施した導体の外周に、耐油性、耐熱性に優れた絶縁層を形成したものを用いるとよい。絶縁電線6の絶縁層としては、例えば、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミドからなるものを用いることができる。また、ここでは、絶縁電線6として外径0.12mmのものを用いたが、絶縁電線6の外径は適宜変更可能である。
本実施の形態では、第1検出コイル4を2層、第2検出コイル5を2層形成し、合計4つの検出コイル4,5を形成した。検出コイル4,5の積層順序は特に限定するものではないが、ここでは、内側(回転軸2側)から順に、第1検出コイル4(第1層という)、第2検出コイル5(第2層という)、第2検出コイル5(第3層という)、第1検出コイル4(第4層という)を形成した。各層の検出コイル4,5は、使用する絶縁電線6の長さが同じ長さとされ、抵抗値が同じとなるように構成される。
(測定部の構成)
図7に示すように、トルクセンサ1は、第1検出コイル4と第2検出コイル5のインダクタンスの変化を検出することにより、回転軸2に付与されたトルクを測定する測定部41を備えている。
以下、第1層(第1検出コイル4)のインダクタンスをL1、第2層(第2検出コイル5)のインダクタンスをL2、第3層(第2検出コイル5)のインダクタンスをL3、第4層(第1検出コイル4)のインダクタンスをL4とする。
測定部41は、第1層、第3層、第4層、第2層の検出コイル4,5を順次環状に接続して構成されるブリッジ回路42と、第1層と第2層の検出コイル4,5間の接点aと第3層と第4層の検出コイル4,5間の接点bとの間に交流電圧を印加する発信器43と、第1層と第3層の検出コイル4,5巻の接点cと第4層と第2層の検出コイル4,5間の接点d間の電圧を検出する電圧測定回路44と、電圧測定回路44で測定した電圧を基に回転軸2に付与されたトルクを演算するトルク演算部45と、を備えている。
測定部41では、回転軸2にトルクが付与されない状態では、各層の検出コイル4,5のインダクタンスL1〜L4は等しくなり、電圧測定回路44で検出される電圧は略0となる。
ここで、回転軸2にトルクが付与されると、軸方向に対して+45度の方向の透磁率が減少(または増加)し、軸方向に対して−45度方向の透磁率が増加(または減少)する。よって、発信器43から交流電圧を印加した状態で回転軸2にトルクが付与されると、第1,4層の第1検出コイル4ではインダクタンスが減少(または増加)し、第2,3層の第2検出コイル5ではインダクタンスが増加(または減少)する。その結果、電圧測定回路44で検出される電圧が変化するので、この電圧の変化を基に、トルク演算部45が回転軸2に付与されたトルクを演算する。
各層の検出コイル4,5は巻き付け方向が異なる以外は全く同じ構成であるから、図7のようなブリッジ回路42を用いることで、温度による各検出コイル4,5のインダクタンスへの影響をキャンセルすることが可能であり、精度よく回転軸2に付与されたトルクを検出することができる。また、トルクセンサ1では、第1検出コイル4でインダクタンスが増加(または減少)すれば、必ず第2検出コイル5ではインダクタンスが減少(または増加)するため、図7のようなブリッジ回路42を用いることで、検出感度をより向上することができる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係るトルクセンサ1では、ボビン3に絶縁電線6を巻き付けることで検出コイル4,5を形成している。
検出コイル4,5をボビン3に絶縁電線6を巻き付ける構成とすることにより、従来のフレキシブル基板を用いた基板コイル式のトルクセンサと比較して、耐油性に優れ信頼性の高いトルクセンサ1を実現できる。
トルクセンサ1は、特に潤滑油等の油が付着する環境下での使用に好適であり、例えば、パワートレイン系のトルク検出、エンジンのシャフトトルクの検出等に好適に用いることができる。
なお、回転軸2に磁性の部分と非磁性の部分を交互に、かつ軸方向に対して傾斜して配置し、回転軸2と同軸に配置した検出コイルにより回転軸に付与されたトルクを検出するトルクセンサも知られているが、このような構造のトルクセンサでは、回転軸2を加工したり回転軸2の周囲にシート状の部材を貼付したりする必要がある。本実施の形態に係るトルクセンサ1では、回転軸2に加工を行う必要がないため、信頼性が高い。
また、本実施の形態では、ボビン3の内周面に傾斜溝10,11を形成しており、かつ、ボビン3が、板状部材31を軸方向に複数枚積層して構成されている。
ボビン3の内周面に傾斜溝10,11を形成することで、検出コイル4,5をより回転軸2に近い位置に配置することが可能になり、検出感度を向上することが可能になる。また、ボビン3を強磁性体で構成することで、ボビン3に磁束の漏れによる感度低下を抑制する役割を付与することも可能となり、別途磁性リング等の磁束漏れ防止用の部材を設ける場合と比較して、トルクセンサ1の小型化が可能になる。
また、ボビン3を、板状部材31を軸方向に複数枚積層した構造とすることで、内周面に傾斜溝10,11を有するボビン3を容易に形成することが可能になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]磁歪特性を有する回転軸(2)の周囲に取り付けられ、前記回転軸(2)に付与されたトルクを測定するトルクセンサ(1)であって、前記回転軸(2)と離間して同軸に設けられ、中空円筒状に形成されると共に、その内周面に軸方向に対して所定角度傾斜した複数の第1傾斜溝(10)と、軸方向に対して前記第1傾斜溝(10)と反対方向に前記所定角度傾斜した複数の第2傾斜溝(11)とが形成されたボビン(3)と、前記第1傾斜溝(10)に沿って絶縁電線(6)を前記ボビン(3)に巻き付けて構成される第1検出コイル(4)と、前記第2傾斜溝(11)に沿って絶縁電線(6)を前記ボビン(3)に巻き付けて構成される第2検出コイル(5)と、前記第1検出コイル(4)と前記第2検出コイル(5)のインダクタンスの変化を検出することにより、前記回転軸(2)に付与されたトルクを測定する測定部(41)と、を備え、前記ボビン(3)は、板状部材(31)を軸方向に複数枚積層して構成されている、トルクセンサ(1)。
[2]前記第1傾斜溝(10)は、前記軸方向に対して+45度傾斜するように形成され、前記第2傾斜溝(11)は、前記軸方向に対して−45度傾斜するように形成される、[1]に記載のトルクセンサ(1)。
[3]前記ボビン(3)は、軸方向外方に突出する複数の突起(34)を有し、前記第1検出コイル(4)を構成する絶縁電線(6)と、前記第2検出コイル(5)を構成する絶縁電線(6)とが、それぞれ前記突起(34)を介して前記ボビン(3)に巻き付けられている、[1]又は[2]に記載のトルクセンサ(1)。
[4]前記ボビン(3)が、強磁性体からなる、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のトルクセンサ(1)。
[5]前記ボビン(3)が、樹脂からなり、前記ボビン(3)の周囲に設けられた中空円筒状の強磁性体からなる磁性体リングをさらに備えた、[1]乃至[3]の何れか1項に記載のトルクセンサ(1)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態では、ブリッジ回路42を用いた測定部41について説明したが、測定部41の構成はこれに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、第1検出コイル4と第2検出コイル5をそれぞれ2つ形成する場合について説明したが、検出コイル4,5の数はこれに限定されず、1つあるいは3つ以上であってもよい。
1…トルクセンサ
2…回転軸
3…ボビン
4…第1検出コイル
5…第2検出コイル
6…絶縁電線
10…第1傾斜溝
11…傾斜溝
31…板状部材
32…内周側切欠き
33…位置合わせ用切欠き
34…突起
35…ガイド突起
35a…溝
41…測定部

Claims (5)

  1. 磁歪特性を有する回転軸の周囲に取り付けられ、前記回転軸に付与されたトルクを測定するトルクセンサであって、
    前記回転軸と離間して同軸に設けられ、中空円筒状に形成されると共に、その内周面に軸方向に対して所定角度傾斜した複数の第1傾斜溝と、軸方向に対して前記第1傾斜溝と反対方向に前記所定角度傾斜した複数の第2傾斜溝とが形成されたボビンと、
    前記第1傾斜溝に沿って絶縁電線を前記ボビンに巻き付けて構成される第1検出コイルと、
    前記第2傾斜溝に沿って絶縁電線を前記ボビンに巻き付けて構成される第2検出コイルと、
    前記第1検出コイルと前記第2検出コイルのインダクタンスの変化を検出することにより、前記回転軸に付与されたトルクを測定する測定部と、を備え、
    前記ボビンは、板状部材を軸方向に複数枚積層して構成されている、
    トルクセンサ。
  2. 前記第1傾斜溝は、前記軸方向に対して+45度傾斜するように形成され、
    前記第2傾斜溝は、前記軸方向に対して−45度傾斜するように形成される、
    請求項1に記載のトルクセンサ。
  3. 前記ボビンは、軸方向外方に突出する複数の突起を有し、
    前記第1検出コイルを構成する絶縁電線と、前記第2検出コイルを構成する絶縁電線とが、それぞれ前記突起を介して前記ボビンに巻き付けられている、
    請求項1又は2に記載のトルクセンサ。
  4. 前記ボビンが、強磁性体からなる、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサ。
  5. 前記ボビンが、樹脂からなり、
    前記ボビンの周囲に設けられた中空円筒状の強磁性体からなる磁性体リングをさらに備えた、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載のトルクセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019105478A (ja) * 2017-12-11 2019-06-27 多摩川精機株式会社 歪みセンサのステータ構造
CN112146805A (zh) * 2020-09-21 2020-12-29 哈尔滨工程大学 一种基于等效载荷测量法的水下爆炸测量系统

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