JP2017183223A - 多孔質膜及び固体高分子型燃料電池用電解質膜 - Google Patents

多孔質膜及び固体高分子型燃料電池用電解質膜 Download PDF

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Abstract

【課題】電解質の埋め込み性に優れ、薄膜(特に20μm以下)においても、高い強度と優れた面内寸法変化抑制効果を有する固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜、及び上記多孔質膜で補強された、膜抵抗の小さい固体高分子型燃料電池用電解質膜を提供することを目的とする。
【解決手段】三次元網目構造を形成し、連続孔を有する多孔質膜であって、前記多孔質膜はポリエーテルスルホンを構成要素とし、前記多孔質膜の一方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdAとし、他方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdBとし、dA≧dBの関係が成立するとしたとき、前記多孔質膜を構成する幹の平均の太さ((dA+dB)/2)が、0.5〜2.5μmであり、比dA/dBが、1以上2未満である、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜と、その多孔質膜を含有する固体高分子型燃料電池用電解質膜に関する。
燃料電池は、電池内で、水素、メタノール等を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを、直接、電気エネルギーに変換して取り出すものであり、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子型燃料電池は、他と比較して低温で作動することから、自動車代替動力源、家庭用コージェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。このような固体高分子型燃料電池は、電極触媒層とガス拡散層とが積層されたガス拡散電極が高分子電解質膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。ここでいう高分子電解質膜は、高分子鎖中にスルホン酸基、カルボン酸基等の強酸性基を有し、プロトンを選択的に透過する性質を有する材料である。
高分子電解質膜は、燃料電池などの用途で水分量の変化する環境で使用されるが、水分の膨潤による寸法変化が大きく、耐久性・信頼性の点で改善の余地があった。そこで、寸法変化を小さくするために、電解質中に補強膜を埋め込む手法が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、第一の主面及び第二の主面を有し、ポリマーのフィブリルの微細構造を有する、厚さ0.06ミル(1.5μm)〜0.8ミル(20μm)及び平均孔径0.05〜0.4μmの延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン膜(a)、及び膜の微細構造の全体に含浸された含浸イオン交換材料(b)、を有する複合膜であって、その含浸延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン膜は、10000秒を上回るガーレイ数を有し、そのイオン交換材料は膜に実質的に含浸され、よって膜の第一の主面及び第二の主面並びに内部体積全部が実質的にかつ均一に閉塞されている、ポリマー電解質燃料電池用複合膜が記載されている。
特許文献2には、坪量あたりの引張弾性率が30N・cm-1・g-1・m2以上であり、分子内に芳香族環を含む重合体からなり、空孔率が20〜98%である多孔質体にイオン交換樹脂が充填されてなるイオン交換膜からなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用電解質膜が記載されている。多孔性補強膜を製造する方法として、ポリマーを含むドープ配合物の相分離を利用する方法が挙げられる。
例えば、特許文献3には、ポリエーテルスルホン系樹脂と親水性高分子と溶媒とを含むドープを成膜し、加湿してポリエーテルスルホン系樹脂を凝固させて、前記親水性高分子及び前記溶媒を除去し、前記ポリエーテルスルホン系樹脂で構成された多孔質膜を製造する方法であって、ポリエーテルスルホン系樹脂の粘度が、20質量%N−メチル−2−ピロリドン溶液において、B型粘度計を用いて、6rpm及び23℃の条件下で測定したとき、0.5〜8Pa・sであり、前記親水性高分子が数平均分子量100〜500のポリエチレングリコールであり、前記溶媒がN−メチル−2−ピロリドンであり、親水性高分子100質量部に対してポリエーテルスルホン系樹脂を5〜30質量部の割合で含み、前記親水性高分子と溶媒とを、前者/後者(重量比)=2.3/1〜2.6/1の割合で用いるとともに、前記ポリエーテルスルホン系樹脂、親水性高分子及び溶媒が、ポリエーテルスルホン系樹脂/親水性高分子/溶媒(重量比)=13/63/24であるドープの粘度が、B型粘度計を用いて6rpm及び23℃の条件下で測定したとき、0.5〜9Pa・sであり、前記成膜したドープに対し、1〜1000g/m2・秒の割合で1〜10秒間水蒸気を供給して加湿し、前記ポリエーテルスルホン系樹脂を凝固させて多孔質膜を製造する方法と、その方法により製造された多孔質膜が記載されている。
特許文献4には、支持体上に複数のドープ配合物をキャストして、第1主表面を有する多層シートを得ることと、水蒸気が前記第1主表面内に拡散し、前記多層シートが準安定状態に転換するように、前記多層シートを第1相対湿度レベルにさらすことと、微多孔性膜を得るために追加の水蒸気が前記多層シート中に拡散して相分離が生じるように、前記多層シートを、前記第1相対湿度レベルより大きい第2相対湿度レベルにさらすことと、前記微多孔性膜を洗浄することと、前記微多孔性膜を乾燥させることと、を含む、微多孔性膜を形成する方法が記載されている。
特許第4402625号公報 特開2003−297393公報 特許第5297032号公報 特許第5698140号公報
近年、固体高分子電解質型燃料電池の電解質膜には、100℃を超える高温、かつ高湿度という従来の定置用途向け燃料電池よりも厳しい環境下での面内寸法変化抑制が要求されている。加えて、燃料電池セルスタックの小型化を実現するために、電解質膜の薄膜化、高耐久化が求められている。従って、高分子電解質膜を補強する多孔質膜に対しても、薄膜化、高強度化、高耐久化の要求が強い。しかし、これらの要求を同時に満足する多孔質膜の開発は非常に困難な課題である。従来技術の特許文献2〜4の相分離により作製した多孔質膜においては、膜厚を20μm以下と薄くした時の強度と寸法変化抑制効果に改善の余地があった。また100℃を超える高温、高湿度という過激な条件下での寸法変化抑制効果はそもそも検討されていない。加えて、形成する相分離多孔構造が入り組んでいたり、非対称であることから、電解質の多孔質膜への充填性や電解質膜のプロトン伝導性にも改善の余地がある。
また、特許文献1のようにポリテトラフルオロエチレンを延伸開孔させた微細構造多孔質膜は、高コストであり、生産性の課題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電解質の埋め込み性に優れ、薄膜(特に20μm以下)においても、高い強度と優れた面内寸法変化抑制効果を有する固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜、及び上記多孔質膜で補強された、膜抵抗の小さい固体高分子型燃料電池用電解質膜を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した。その結果、多孔質膜表面の三次元網目構造を構成する幹の太さを調整することにより、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
三次元網目構造を形成し、連続孔を有する多孔質膜であって、
前記多孔質膜はポリエーテルスルホンを構成要素とし、
前記多孔質膜の一方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdAとし、他方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdBとし、dA≧dBの関係が成立するとしたとき、
前記多孔質膜を構成する幹の平均の太さ((dA+dB)/2)が、0.5〜2.5μmであり、
比dA/dBが、1以上2未満である、
固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜。
〔2〕
膜厚が、5〜20μmである、
〔1〕記載の多孔質膜。
〔3〕
空隙率が、40〜70%である、
〔1〕又は〔2〕に記載の多孔質膜。
〔4〕
弾性率が、300MPa以上である、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の多孔質膜。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の多孔質膜と、
高分子電解質と、を含む、
固体高分子型燃料電池用電解質膜。
本発明によれば、電解質の埋め込み性に優れ、薄膜(特に20μm以下)においても、高い強度と優れた面内寸法変化抑制効果を有する固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜、及び上記多孔質膜で補強された、膜抵抗の小さい固体高分子型燃料電池用電解質膜を提供することができる。
本実施形態の多孔質膜の使用態様を説明するための模式図を示す。 実施例1における多孔質膜の表面及び裏面のSEM写真を示す。 実施例2における多孔質膜の表面及び裏面のSEM写真を示す。 比較例1における多孔質膜の表面及び裏面のSEM写真を示す。 比較例2における多孔質膜の表面及び裏面のSEM写真を示す。 比較例3における多孔質膜の表面及び裏面のSEM写真を示す。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜〕
本実施形態の固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜(以下、単に「多孔質膜」ともいう。)は、三次元網目構造を形成し、連続孔を有する多孔質膜であって、前記多孔質膜はポリエーテルスルホンを構成要素とし、前記多孔質膜の一方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdAとし、他方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdBとし、dA≧dBの関係が成立するとしたとき、前記多孔質膜を構成する幹の平均の太さ((dA+dB)/2)が、0.5〜2.5μmであり、比dA/dBが、1以上2未満である。
上記のとおり、多孔質膜表面の三次元網目構造を構成する幹の太さを調整することにより、多孔質膜を固体高分子型燃料電池用の高分子電解質の補強材として用いた場合、高い強度と優れた面内寸法変化抑制効果が発揮される。そして、この補強材(多孔質膜)を用いることで、固体高分子型燃料電池用電解質膜(以下、単に「電解質膜」ともいう。)の含水時の膨潤による寸法変化を抑制することが可能となる。また、本実施形態の多孔質膜は、薄膜(特に20μm以下)においても、優れた面内寸法変化抑制効果を発揮することができる上、三次元網目構造(連続孔)内部に電解質が充填され得るので、補強材を用いることによる膜抵抗の増加を抑制することが可能となる。したがって、上記多孔質膜に高分子電解質を充填して得られる固体高分子型燃料電池用の電解質膜は、多孔質膜で補強されているため強度に優れ、また電解質の膨潤による寸法変化が小さいため耐久性に優れる。以上により、高性能で高耐久性の固体高分子型燃料電池を提供することが可能となる。以下、本実施形態の多孔質膜について詳説する。
まず、図1に本実施形態の多孔質膜の使用態様を説明するための模式図を示す。図1に示されるように、本実施形態の多孔質膜1は、電極触媒層2、電解質3、多孔質膜1、電解質3、及び電極触媒層2の順で構成して使用することができる。多孔質膜1の孔には電解質3が含侵される。
本実施形態の多孔質膜においては、構成するポリマーが三次元網目構造を形成する。このことにより多孔質膜の強度が得られ、電解質膜の膨潤による寸法変化を抑制する効果が高まる。本実施形態における「三次元網目構造」とは、構成するポリマーが三次元に連結した構造のことをいう。すなわちポリマーが膜の面内方向だけでなく、膜の厚み方向にもネットワーク構造を形成しており、ポリマー自身が柱となって多孔質膜に機械的な強度を与えるため、膜に自立性が生じ、空隙が保持される。
三次元網目構造の形状は特に限定されないが、例えば蜂の巣状のハニカム構造、スポンジ状構造、微粒子状に凝固したポリマーが凝集して三次元に連なった粒子凝集構造、ポリマー部分と空隙がそれぞれ三次元連続相を形成することに由来する共連続構造、などが挙げられる。
また、本実施形態の多孔質膜は連続孔を有している。本実施形態のようにイオン伝導性の無い素材を多孔質膜の構成要素とした場合では、多孔質膜に電解質を埋め込んだ電解質膜において、電解質が連続相を形成していないとプロトンが伝導する経路が確保できず、膜の抵抗が急激に増大するためである。
寸法変化を抑制するために必要な多孔質膜の強度、燃料電池の高温運転を可能にするための高耐熱性、強酸性の電解質ポリマーと接することに対する化学耐久性の観点から、本実施形態の多孔質膜を構成するポリマーはポリエーテルスルホンであることが好ましい。
〔ポリエーテルスルホン〕
ポリエーテルスルホンは下記式(1)で表されるユニットを有するポリマーである。
ポリエーテルスルホンの重量平均分子量は特に限定されないが、好ましくは1000〜200000、より好ましくは5000〜150000、さらに好ましくは10000〜100000であってもよい。膜の自立性、強度の観点から1000以上、多孔質膜作製プロセスの観点、すなわちポリエーテルスルホン樹脂の溶解性を確保する観点から2000000以下であることが好ましい。
ポリエーテルスルホンの還元粘度は、好ましくは0.3〜0.75であり、より好ましくは0.35〜0.65であり、さらに好ましくは0.40〜0.60である。ポリエーテルスルホンの還元粘度が上記範囲内であることにより、強度がより向上し、また溶解性にも優れる傾向にある。なお、還元粘度は、ジメチルホルムアミド中に1質量%のポリエーテルスルホンを溶解させた溶液を用いて測定することができる。
〔多孔質膜の製造方法〕
本実施形態の多孔質膜を製造する方法は特に限定されないが、例えばポリマーの相分離を利用する方法が挙げられる。具体的には、ポリエーテルスルホンと溶媒(a)と含むドープを基材上に塗布する塗布工程と、前記ドープが塗布された前記基材を、前記ポリエーテルスルホンが溶解しない溶液に浸漬する浸漬工程と、を有し、前記浸漬工程において、前記ポリエーテルスルホンと該ポリエーテルスルホン以外の成分の相分離と、前記ポリエーテルスルホンの凝固と、前記ポリエーテルスルホン以外の成分の前記溶液中への抽出とが行われることにより、相分離構造を反映した三次元網目状の多孔構造を形成する方法が挙げられる。
上記溶媒(a)は、ポリエーテルスルホン及びその他の全ての成分を溶解できる限り、特に制限されないが、ポリエーテルスルホンを良好に溶解させるという点で非プロトン性の極性溶媒が好ましい。非プロトン性の極性溶媒としては、特に限定されないが、具体的には環状エーテル類、ケトン類、環状エステル類、窒素含有溶媒、硫黄含有溶媒などが用いられる。この中でもN−メチルピロリドンが好適に用いられる。
上記ドープはポリエーテルスルホン、溶媒(a)を含み、必要に応じて、親水性高分子(b)あるいは親水性オリゴマーを1種以上含んでいてもよい。
親水性高分子(b)あるいは親水性オリゴマーは、ポリエーテルスルホンと非混和性であり、前述の溶媒(a)と混和性であり、水に浸漬した際に抽出可能である限り、特に制限されないが、好ましくはポリアルキレングリコール系重合体、より好ましくはポリエチレングリコールが使用される。
上記ポリエチレングリコールの数平均分子量は特に制限されないが、好ましくは100〜10000、より好ましくは100〜5000、さらに好ましくは100〜1000から選択してもよい。相分離形成を促進するために数平均分子量は100以上が好ましく、一方で均一なドープ作製の観点から10000以下であることが好ましい。
上記ドープを構成する各成分の割合は、ドープとして均一である限り制限されないが、例えばドープの総重量に対して、ポリエーテルスルホンが5〜18質量%、親水性高分子(b)が35〜50質量%、溶媒(a)が35〜55質量%の範囲から選択することが好ましい。各成分の割合を上記範囲としたドープの塗工により、高分子電解質の埋め込み性、電解質膜の面内寸法変化抑制、低抵抗化の観点で好適な多孔質膜を作製することができる。
基材に塗布したドープを水中に浸漬する前に高湿な空気に曝すことで加湿を行ってもよい。水蒸気に曝されることで、ドープ内の各成分の相分離が膜厚方向に関して均一に進み、従ってその後の水への浸漬とポリエーテルスルホンの凝固により得られる多孔質構造も膜厚方向に均一となる。均一な多孔質構造においては、その断面において指状の欠損構造が形成されないため、膜の強度、寸法変化抑制効果が高い。加えてプロトン伝導を阻害するような緻密な多孔質層が形成されず、両面が均一に開口しているため、多孔質膜に電解質を充填した際に低抵抗で高性能な電解質膜を得ることができる。両面が均一に開口していることは、多孔質膜内への電解質の充填に関しても有効である。多孔質膜の空隙が電解質で完全に満たされることで、抵抗の低い高性能な電解質が得られる。
加湿を行う時間は30〜120秒であると好ましい。加湿時間を30秒以上とすることで、水に浸漬する前に塗布したドープの相分離を完全に進行させることができ、より均一性の高い多孔質構造が得られる。また、多孔質膜の生産性、相分離形成の安定性の観点から加湿時間は120秒以下であると好ましい。
加湿に用いる高湿な空気の湿度は80〜99%RHであると好ましい。加湿空気の湿度を上記範囲に設定することで、塗布したドープの相分離を素早く完全に進行させることができる。
〔多孔質膜の表面における網目を構成する幹の平均の太さ〕
本実施形態においては、多孔質膜の一方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdAとし、他方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdBとし、dAとdBは、dA≧dBの関係を有するものとする。この場合、多孔質膜の表面及び裏面における幹の平均の太さは、(dA+dB)/2により表すことができる。多孔質膜を構成する幹の平均の太さ((dA+dB)/2)は、0.5〜2.5μmであり、好ましくは0.5〜2μmであり、より好ましくは0.6〜1.5μmであり、さらに好ましくは0.6〜1μmである。多孔質膜を構成する幹の平均の太さが0.5μm以上であることにより、多孔質膜の強度がより向上する。さらに、多孔質膜を構成する幹の平均の太さが0.5μm以上であることにより、網目構造のスケールがより大きくなるため、多孔質膜への電解質埋め込み性がより向上する。また、多孔質膜を構成する幹の平均の太さが2.5μm以下であることにより、多孔質膜と電解質の界面の面積が増大し、電解質の膨潤による寸法変化抑制効果がより向上する。
本実施形態において、多孔質膜を構成する幹の平均の太さは以下のようにして求められる。多孔質膜の一方の面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ S−4800)にて、1視野中に数十から数百の孔の形状が明確に確認できる程度の倍率で撮影する。なお、「孔」とは、輪郭が明らかにあって周囲よりも暗く映っている部分をいう。撮影した電子顕微鏡写真の任意の100個の孔に対して、その孔の外縁部と、それと最近接の10個の孔の外縁部の間の最短距離を計測し、その相加平均をその面の幹の平均の太さとする。この操作を膜の両面に関して行い、膜の両面の幹の平均の太さの相加平均を、多孔質膜を構成する幹の平均の太さとする。
また、多孔質膜の表面における幹の平均の太さと裏面における幹の平均の太さの比は、幹の平均の太さのうち細いほう(dB)の面を基準として、dA/dBで表すことができる。比dA/dBは、1以上2未満であり、好ましくは1.05〜1.75であり、より好ましくは1.05〜1.65であり、さらに好ましくは1.05〜1.55である。比dA/dBが上記範囲内であることにより、多孔質膜は膜厚方向に均一な多孔質構造を形成しており、マクロな指状欠損構造が形成されないため、膜の強度、寸法変化抑制効果が高くなる。加えて本実施形態のようにイオン伝導性の無い素材(ポリエーテルスルホン)を多孔質膜の構成要素とした場合では、両面が均一に開口していることでプロトン伝導を阻害するような緻密な多孔質層を形成せず、多孔質膜に電解質を充填した際に低抵抗で高性能な電解質膜を得ることができる。両面が均一に開口していることは、多孔質膜内への電解質の充填に関しても有効である。多孔質膜の空隙が電解質で完全に満たされることで、抵抗の低い高性能な電解質が得られる。
多孔質膜の両面における幹の平均の太さ(dA,dB)の比dA/dBは以下のように求められる。多孔質膜の任意の両面に関して、上記の方法により幹の平均の太さを求め、それらのうち大きい方をdAとし、小さいほうをdBとする。そして、それらの比dA/dBを算出する。
AとdBは、多孔質膜作製時に塗工するドープ中における、ポリエーテルスルホンの質量を親水性高分子(b)の質量に対して相対的に大きくすることにより増加し、小さくすることにより減少する傾向にある。特に、塗工直後のドープをポリエーテルスルホンが溶解しない溶液に浸漬して、ドープの相分離が進行しきらないうちにポリエーテルスルホンを凝固させることにより、dAを相対的に増大させ、dBを相対的に減少させることができる。
〔膜厚〕
本実施形態の多孔質膜の膜厚は、好ましくは2.5〜20μmであり、より好ましくは5〜20μmであり、さらに好ましくは5〜17.5μmである。多孔質膜の膜厚が20μm以下であることにより、本実施形態の多孔質膜に電解質を充填して得られる電解質膜を薄くすることができ、低抵抗で高性能な電解質膜を得ることができる。さらに本実施形態のようにイオン伝導性の無い素材を多孔質膜の構成要素とした場合では、電解質膜中の多孔質膜の割合は低い方が抵抗は低くなるため、この点でも多孔質膜の膜厚は20μm以下と、薄い方が好ましい。また、多孔質膜の膜厚が5μm以上であることにより、多孔質膜の強度、電解質膜の寸法変化抑制効果、及び耐久性がより向上する傾向にある。
多孔質膜の膜厚は以下のようにして求められる。接触式の膜厚計(ミツトヨ ABSデジマチックインジケータID−F125)を使用して同一膜内における任意の5点で膜厚を計測し、その相加平均を多孔質膜の膜厚とする。
〔空隙率〕
本実施形態の多孔質膜の空隙率は、好ましくは40〜70%であり、より好ましくは40〜65%であり、さらに好ましくは40〜60%である。多孔質膜の空隙率が40%以上であることにより、多くの電解質を充填することができ、得られる電解質膜の抵抗がより低下する傾向にある。また、空隙率が70%以下であることにより、多孔質膜の強度、電解質膜の寸法変化抑制効果、耐久性がより向上する傾向にある。
多孔質膜の空隙率は、以下のようにして求められる。まず、40mm×30mmの長方形に切り出した多孔質膜の質量を精密天秤にて測定し、測定した質量及び上記膜厚から膜密度ρ(g/cm3)を以下の式により計算する。そして得られた膜密度ρ及び構成ポリマーの真密度ρ0(g/cm3)から、以下の式により空隙率(%)を求めることができる。
ρ=M/(4.0×3.0×t)
M=多孔質膜の質量(g)
t=多孔質膜の膜厚(cm)
空隙率(%)=(1−(ρ/ρ0))×100
多孔質膜の空隙率は、多孔質膜作製時に塗工するドープ中における、ポリエーテルスルホンの質量を親水性高分子(b)の質量に対して相対的に小さくすることにより増加し、大きくすることにより減少する傾向にある。
〔弾性率〕
本実施形態の多孔質膜の弾性率は、好ましくは300MPa以上であり、より好ましくは350〜900MPaであり、さらに好ましくは400〜800MPaである。多孔質膜の弾性率が上記範囲内であることにより、電解質膜の寸法変化抑制効果及び耐久性がより向上する傾向にある。
本実施形態の多孔質膜の弾性率は、以下のようにして求めることができる。まず、多孔質膜を70mm×10mmの長方形に切り出し、JIS K−7127に準拠して、多孔質膜の弾性率を測定する。測定は50Nロードセルを備える引っ張り試験機を用いる。チャック長さは50mm、クロスヘッド速度300mm/minとして、24℃、相対湿度45%RHの環境下で行う。
多孔質膜の弾性率は、分子内にベンゼン環を含む剛直なポリマーを構成要素として用いたり、高分子鎖を配向させることにより増加し、柔軟な分子鎖を有する無配向ポリマーを用いることにより減少する傾向にある。また、別の観点から、空隙率を下げることにより弾性率が上昇し、空隙率を上げることにより弾性率が低下する傾向にある。
〔固体高分子型燃料電池用電解質膜〕
本実施形態の固体高分子型燃料電池用電解質膜は、上記多孔質膜と、高分子電解質と、を含む。本実施形態の電解質膜の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上記多孔質膜に電解質を充填することで固体高分子型燃料電池用の電解質膜を得ることができる。
本実施形態において、高分子電解質膜の膜厚は、1μm〜500μmであることが好ましく、より好ましくは2μm〜100μm、更に好ましくは5μm〜50μm、特に好ましくは5μm〜35μmである。膜厚を上記範囲に調整することにより、水素と酸素との直接反応のような不都合を低減でき、燃料電池製造時の取り扱いの際や燃料電池運転中に差圧・歪み等が生じても、膜の損傷等が発生し難くなる傾向にある。さらに、高分子電解質膜のイオン透過性を維持し、固体高分子電解質膜としての性能を維持する観点からも、膜厚を上記範囲に調整することは好ましい。
上記電解質は特に限定されないが、例えばイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物、分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物にイオン交換基を導入したものが挙げられる。中でも、化学的安定性の観点から、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物が好適である。
高分子電解質のイオン交換容量は、0.5〜3.0ミリ当量/gが好ましく、0.65〜2.0ミリ当量/gがより好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/gがさらに好ましい。イオン交換当量が3.0ミリ当量/g以下であることにより、高分子電解質膜として利用した際に、燃料電池運転中の高温高加湿下における高分子電解質膜の膨潤がより低減される傾向にある。このように膨潤が低減されることにより、高分子電解質膜の強度の低下や、しわが発生して電極から剥離したりするなどの問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を低減できる傾向にある。また、イオン交換容量が0.5ミリ当量/g以上であることにより、得られた高分子電解質膜を備えた燃料電池の発電能力がより向上する傾向にある。
イオン交換容量は、以下の方法により求めることができる。イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質膜、およそ2〜20cm2を、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置する。次いで、飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中和後に得られた、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質膜を、純水ですすぎ、さらに真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの高分子電解質膜の重量をW(mg)とし、下記式により当量重量EW(g/eq)を求める。
EW=(W/M)−22
さらに、得られたEW値の逆数をとって1000倍とすることにより、イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出する。
なお、イオン交換基としては、特に限定されないが、例えばスルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボン酸基及びリン酸基が挙げられ、中でもスルホン酸基であることが好ましい。
ここで、分子内に芳香環を有する炭化水素系高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
また、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホンイミド樹脂、パーフルオロカーボンスルホンアミド樹脂、パーフルオロカーボンリン酸樹脂、又はこれら樹脂のアミン塩、金属塩等が挙げられる。
パーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、より具体的には、下記式[1]で表される重合体が挙げられる。
−[CF2CX12a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X4)]g− [1]
(式中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X4はCOOZ、SO3Z、PO32又はPO3HZである。ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH4、NH33、NH234、NHR345、NR3456)である。またR3、R4、R5及びR6はアルキル基又はアレーン基である。)
中でも、下記式[2]又は式[3]で表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂もしくはその金属塩が好ましい。
−[CF2CF2a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF3))b−O−(CF2c−SO3X)]d− [2]
(式中、a及びdは、0≦a<1、0≦d<1、a+d=1である。bは1以上8以下の整数である。cは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CF2CF2e−[CF2−CF(−O−(CF2f−SO3Y)]g− [3]
(式中、e及びgは、0≦e<1、0≦g<1、e+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
本実施形態において用いられうるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物は、特に限定されないが、例えば、下記式[4]に示される前駆体ポリマーを重合した後、アルカリ加水分解、酸処理等を行って製造することができる。
−[CF2CX12a−[CF2−CF(−O−(CF2−CF(CF23))b−Oc−(CFR1d−(CFR2e−(CF2f−X5)]g− [4]
(式中、X1、X2及びX3は、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基である。a及びgは0≦a<1,0<g≦1,a+g=1である。bは0以上8以下の整数である。cは0又は1である。d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数である。fは、0以上10以下の整数である。ただし、d+e+fは0に等しくない。R1及びR2は互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基である。X5はCOOR7、COR8又はSO28である。ここで、R7は炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基である。R8はハロゲン元素である。)
上記前駆体ポリマーは、特に限定されないが、例えば、フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物とを共重合させることにより製造することができる。
ここで、フッ化オレフィン化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記化合物等が挙げられる。
CF2=CFZ
(式中、Zは、H、Cl、F、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基を示す。)
また、フッ化ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記化合物等が挙げられる。
CF2=CFO(CF2z−SO2F,
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2z−SO2F,
CF2=CF(CF2z−SO2F,
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF2z-1−SO2F,
CF2=CFO(CF2z−CO2R,
CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2z−CO2R,
CF2=CF(CF2z−CO2R,
CF2=CF(OCF2CF(CF3))z−(CF22−CO2
(式中、Zは1〜8の整数を示し、Rは炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基を表す。)
〔固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法〕
次に、本実施形態の固体高分子型燃料電池用電解質膜の製造方法について説明する。本実施形態の高分子電解質膜は、多孔質膜の空隙に高分子電解質を充填することで得ることができる。
多孔質膜の空隙に高分子電解質を充填する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する高分子電解質溶液を多孔質膜に塗工する方法や、高分子電解質溶液に多孔質膜を含浸させた後、乾燥する方法等が挙げられる。例えば、移動しているまたは静置されている細長いキャスティング基材(シート)上に高分子電解質溶液の被膜を形成し、その溶液上に多孔質膜を接触させ、未完成な複合構造体を作製する。この未完成な複合構造体を熱風循環槽中等で乾燥させる。次に乾燥させた未完成な複合構造体の上に高分子電解質溶液の被膜をさらに形成させ、高分子電解質膜を作製する方法が上げられる。高分子電解質溶液と多孔質膜の接触は、乾燥状態で行われても、未乾燥状態または湿潤状態で行われても良い。また、接触させる場合に、ゴムローラーで圧着させたり、多孔質膜のテンションをコントロールしながら行っても良い。さらに、高分子電解質を含むシートを押し出し成形やキャスト成形等で予め成形しておき、このシートを多孔質膜と重ねて熱プレスすることにより充填してもよい。
本実施形態の高分子電解質膜は、上述のように製造された後、さらに熱処理が施されることが好ましい。この熱処理により高分子電解質膜中の結晶物部分と高分子固体電解質部分とが強固に接着され、その結果、機械的強度が安定化され得る。この熱処理の温度は、好ましくは100℃〜230℃、より好ましくは110℃〜230℃、更に好ましくは120℃〜200℃である。熱処理の温度を上記範囲に調整することで、結晶物部分と電解質組成物部分との間の密着力が向上する傾向にある。また、高分子電解質膜の高含水率や機械強度を維持する観点からも上記温度範囲は好適である。熱処理の時間は、熱処理の温度にもよるが、高耐久性を有する高分子電解質膜を得る観点から、好ましくは5分間〜3時間、より好ましくは10分間〜2時間である。
本実施形態に係る高分子電解質膜を製造する際に用いることのできる高分子電解質溶液は、上記高分子電解質と溶媒と、必要に応じてその他の添加剤とを含むものである。この高分子電解質溶液は、そのまま、あるいはろ過、濃縮等の工程を経た後、多孔質膜への充填液として用いられる。あるいは、この溶液を単独又は他の電解質溶液と混合して用いることもできる。
高分子電解質溶液の製造方法について説明する。この高分子電解質溶液の製造方法は特に限定されず、例えば、高分子電解質を溶媒に溶解又は分散させた溶液を得た後、必要に応じてその液に添加剤を分散させる。あるいは、まず、高分子電解質を溶融押出し、延伸等の工程を経ることにより高分子電解質と添加剤とを混合し、その混合物を溶媒に溶解又は分散させる。このようにして高分子電解質溶液が得られる。
より具体的には、まず、高分子電解質の前駆体ポリマーからなる成形物を塩基性反応液体中に浸漬し、加水分解する。この加水分解処理により、上記高分子電解質の前駆体ポリマーは高分子電解質に変換される。次に、加水分解処理された上記成形物を温水などで十分に水洗し、その後、成形物に酸処理を施す。酸処理に用いられる酸は、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸類やシュウ酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸類が好ましい。この酸処理によって、高分子電解質の前駆体ポリマーはプロトン化され、高分子電解質、例えばパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂が得られる。
上述のように酸処理された上記成形物(高分子電解質を含む成形物)は、上記高分子電解質を溶解又は懸濁させ得る溶媒(樹脂との親和性が良好な溶媒)に溶解又は懸濁される。このような溶媒としては、例えば、水やエタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、グリセリンなどのプロトン性有機溶媒や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。特に、1種の溶媒を用いる場合、溶媒が水であると好ましい。また、2種以上を組み合わせて用いる場合、水とプロトン性有機溶媒との混合溶媒が好ましい。 高分子電解質を溶媒に溶解又は懸濁する方法としては、特に限定されない。例えば、上記溶媒中にそのまま高分子電解質を溶解又は分散させてもよいが、大気圧下又はオートクレーブ等で密閉加圧した条件のもとで、0〜250℃の温度範囲で高分子電解質を溶媒に溶解又は分散するのが好ましい。特に、溶媒として水及びプロトン性有機溶媒を用いる場合、水とプロトン性有機溶媒との混合比は、溶解方法、溶解条件、高分子電解質の種類、総固形分濃度、溶解温度、攪拌速度等に応じて適宜選択できるが、水に対するプロトン性有機溶媒の質量の比は、水1に対してプロトン性有機溶媒0.1〜10であると好ましく、より好ましくは水1に対してプロトン性有機溶媒0.1〜5である。
なお、高分子電解質溶液には、乳濁液(液体中に液体粒子がコロイド粒子又はそれよりも粗大な粒子として分散して乳状をなすもの)、懸濁液(液体中に固体粒子がコロイド粒子又は顕微鏡で見える程度の粒子として分散したもの)、コロイド状液体(巨大分子が分散した状態)、ミセル状液体(多数の小分子が分子間力で会合してできた親液コロイド分散系)等の1種又は2種以上が含まれる。
また、高分子電解質膜の成形方法や用途に応じて、高分子電解質溶液を濃縮したり、ろ過することが可能である。濃縮の方法としては特に限定されないが、例えば、高分子電解質溶液を加熱し、溶媒を蒸発させる方法や、減圧濃縮する方法等がある。高分子電解質溶液を塗工用溶液として用いる場合、高分子電解質溶液の固形分率は、高すぎると粘度が上昇して取り扱い難くなる傾向にあり、一方、低すぎると生産性が低下する傾向にあるため、0.5質量%〜50質量%であると好ましい。高分子電解質溶液をろ過する方法としては、特に限定されないが、例えば、フィルターを用いて、加圧ろ過する方法が代表的に挙げられる。上記フィルターには、90%捕集粒子径が高分子電解質溶液に含まれる固体粒子の平均粒子径の10倍〜100倍の濾材を用いることが好ましい。この濾材の材質としては紙、金属等が挙げられる。特に濾材が紙の場合は、90%捕集粒子径が上記固体粒子の平均粒子径の10倍〜50倍であることが好ましい。金属製フィルターを用いる場合、90%捕集粒子径が上記固体粒子の平均粒子径の50倍〜100倍であることが好ましい。当該90%捕集粒子径を平均粒子径の10倍以上に設定することは、送液するときに必要な圧力が高くなりすぎることを抑制したり、フィルターが短期間で閉塞してしまうことを抑制し得る。一方、90%捕集粒子径を平均粒子径の100倍以下に設定することは、フィルムで異物の原因となるような粒子の凝集物や樹脂の未溶解物を良好に除去する観点から好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
〔多孔質膜を構成する幹の平均の太さ〕
多孔質膜の一方の面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ S−4800)にて、1視野中に数十から数百の孔の形状が明確に確認できる程度の倍率(2000〜40000倍)で撮影した。なお、輪郭が明らかにあって周囲よりも暗く映っている部分を孔と認定した。撮影した電子顕微鏡写真の任意の100個の孔に対して、その孔の外縁部と、それと最近接の10個の孔の外縁部の間の最短距離を計測し、その相加平均をその面の幹の平均の太さとした。この操作を膜の両面に関して行い、膜の両面の幹の平均の太さの相加平均を、多孔質膜を構成する幹の平均の太さとした。
多孔質膜の両面における幹の平均の太さ(dA, dB)の比dA/dBは以下のようにして求めた。多孔質膜の任意の一方の面に関して、上記の方法により幹の平均の太さを求め、それをdAとした。続いてもう一方の面に関して同様の操作によりdBを求め、それらの比dA/dBを算出した。
〔膜厚〕
接触式の膜厚計(ミツトヨ ABSデジマチックインジケータID−F125)を使用して同一膜内における任意の5点で膜厚を計測し、その相加平均を膜厚とした。
〔空隙率〕
40mm×30mmの長方形に切り出した多孔質膜の質量を精密天秤にて測定し、測定した質量及び上記膜厚から膜密度ρ(g/cm3)を以下の式により計算した。また、得られた膜密度ρ及び構成ポリマーの真密度ρ0(g/cm3)から、以下の式により空隙率(%)を求めた。
ρ=M/(4.0×3.0×t)
M=質量(g)
t=膜厚(cm)
空隙率(%)=(1−(ρ/ρ0))×100
〔弾性率〕
多孔質膜を70mm×10mmの長方形に切り出し、JIS K−7127に準拠して、多孔質膜の弾性率を測定した。測定は50Nロードセルを備える引っ張り試験機を用いる。チャック長さは50mm、クロスヘッド速度300mm/minとして、24℃、相対湿度45%RHの環境下で行った。
〔電解質の埋め込み性〕
多孔質膜への高分子電解質の埋め込み性は以下のようにして評価される。多孔質膜と高分子電解質を含む電解質膜から任意に切り出した断面を、10mmにわたって走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ S−4800)を用いて観察した。観察の倍率は2000倍とした。上記10mmの領域における、電解質で満たされずに空隙となっている部分が観察される領域の割合から電解質の埋め込み性を以下の基準により評価した。
◎:空隙が0〜10%以下
○:空隙が10%超過20%以下
△:空隙が20%超過50%以下
×:空隙が50%超過100%以下
電解質の埋め込み性は、上記基準において○もしく◎であることが好ましく、◎であれば更に好ましい。多孔質膜の空隙が電解質で完全に満たされることで、電解質膜内に絶縁抵抗となる空隙が生じないため、抵抗の低い高性能な電解質が得られる。
〔面内寸法変化率〕
120℃100%RH下における電解質膜の面内寸法変化率は以下のようにして求められる。電解質膜におよそ15mm×20mmの長方形の枠を記入し、各辺の長さを測定顕微鏡(OLYMPUS STM6)で計測した。上記電解質膜を高度加速寿命試験装置(HAST、EHS−211)内に投入し、120℃100%RHの環境に2時間曝したのち、前述の枠の辺の長さを同様に計測した。膨潤前後の寸法の変化率を長方形の短辺、長辺それぞれの方向に関して算出し、その平均値をもって電解質膜の寸法変化率とした。
〔膜抵抗〕
90℃90%RH下における電解質膜の膜抵抗は以下のようにして求められる。およそ10mm×30mmに切り出した電解質膜を、膜抵抗測定システム(Scribner Associates製 MTS740)にセットし、サンプル室の温湿度を90℃90%RHに制御した。電解質膜の膜厚方向の抵抗R(Ω)をインピーダンスアナライザ(Solartron製 1260型)を用いた交流インピーダンス法により測定した。なお、交流インピーダンス測定は印加電圧3mV、周波数1Hz〜3MHzで行った。
〔実施例1〕
〔多孔質膜の製造方法〕
ポリエーテルスルホン系樹脂(住友化学社製、スミカエクセル4100P、還元粘度:0.41)20質量部をN‐メチルピロリドン80質量部に溶解した。得られた溶液にポリエチレングリコール(キシダ化学社製、ポリエチレングリコール200)を70質量部添加、撹拌してワニスを調製した。上記ワニスを、アプリケータを用いてガラス基板上に塗工し、25℃、相対湿度90%の雰囲気において60秒加湿した後に室温の凝固浴(水)に投入し5分間静置、乾燥することで多孔質膜を得た。得られた多孔質膜に関して幹の平均の太さ、膜厚、空隙率、弾性率を評価した。結果を表1に示す。
〔多孔質膜に電解質を充填し電解質膜を製造する方法〕
まず、高分子電解質の前駆体ポリマーである、テトラフルオロエチレン及びCF2=CFO(CF22−SO2Fから得られたパーフルオロスルホン酸樹脂の前駆体(加水分解及び酸処理後のイオン交換容量:1.4ミリ当量/g)ペレットを準備した。次に、その前駆体ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメチルアルコール(50質量%)とを溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、ペレットを60℃の水中に5時間浸漬した。次いで、水中に浸漬した後のペレットを、60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回塩酸水溶液を新しいものに代えて、5回繰り返した。そして、塩酸水溶液に繰り返し浸漬させた後のペレットを、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(PFSA)を得た。
このペレットを、エタノール水溶液(水:エタノール=50.0/50.0(質量比))と共に5Lオートクレーブ中に入れて密閉し、翼で攪拌しながら160℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、固形分濃度5質量%の均一なパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂溶液を得た。これを80℃で減圧濃縮した後、水とエタノールを用いて希釈し、固形分15.0質量%のエタノール:水=60:40(質量比)の溶液を調整し、溶液1とした。
上記溶液1を、アプリケータを用いてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン300H)上に塗工した後、前述の多孔質膜を溶液1上に設置し、溶液1を含浸させ、120℃にて30分膜を乾燥した。更に得られた膜の上から溶液1を再度同様にして塗工し、120℃にて30分乾燥した。こうして得られた積層膜を170℃で20分間熱処理し、電解質膜を得た。得られた電解質膜に関して膜厚、電解質の埋め込み性、面内寸法変化、膜抵抗を評価した。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
ポリエーテルスルホン系樹脂(住友化学社製、スミカエクセル4100P)20質量部をN‐メチルピロリドン60質量部に溶解する以外は実施例1と同様の方法で、多孔質膜及び電解質膜を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例1〕
ポリエーテルスルホン系樹脂(住友化学社製、スミカエクセル4100P)35質量部をN‐メチルピロリドン65質量部に溶解し、ポリエチレングリコール(キシダ化学社製、ポリエチレングリコール200)を170質量部添加する以外は実施例1と同様の方法で、多孔質膜及び電解質膜を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
ポリエチレングリコール(キシダ化学社製、ポリエチレングリコール200)を50質量部添加する以外は実施例1と同様の方法で、多孔質膜及び電解質膜を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ポリエーテルスルホン系樹脂(住友化学社製、スミカエクセル4100P)10質量部をN,N‐ジメチルホルムアミド90質量部に溶解し、ワニスを調製した。上記ワニスを、アプリケータを用いてガラス基板上に塗工し、ただちに室温の凝固浴(水)に投入し5分間静置、乾燥することで多孔質膜を得た。多孔質膜を用いて実施例1と同様の方法で電解質膜を作製し、評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例4〕
実施例1記載の溶液1を、アプリケータを用いてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、カプトン300H)上に塗工し、120℃にて30分乾燥した。更に得られた膜の上から溶液1を再度塗工し、120℃にて30分乾燥した。こうして得られた積層膜を170℃で20分間熱処理し、多孔質膜を含まない電解質膜を得た。得られた電解質膜に関して実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
上記のとおり、本発明の固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強するための多孔質膜であれば、薄膜(20μm以下)においても、120℃100%RH下における面内寸法変化率が5%以内であり、多孔質膜の空隙部に電解質を充填する事が可能となり、固体高分子型燃料電池用電解質膜の低抵抗化を実現することができ、多孔質膜を含有する固体高分子型燃料電池用電解質膜において、90℃90%RH下での膜抵抗を0.1Ω・cm2に抑えることができ、高性能で高耐久性の固体高分子型燃料電池を提供できることがわかった。
本発明の多孔質膜は、固体高分子型燃料電池用の高分子電解質の補強材として好適に使用可能であり、本多孔質膜を補強材とする高分子電解質膜を用いることで、高性能で高耐久性の固体高分子型燃料電池を提供することが可能になった。

Claims (5)

  1. 三次元網目構造を形成し、連続孔を有する多孔質膜であって、
    前記多孔質膜はポリエーテルスルホンを構成要素とし、
    前記多孔質膜の一方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdAとし、他方の面における網目を構成する幹の平均の太さをdBとし、dA≧dBの関係が成立するとしたとき、
    前記多孔質膜を構成する幹の平均の太さ((dA+dB)/2)が、0.5〜2.5μmであり、
    比dA/dBが、1以上2未満である、
    固体高分子型燃料電池用の高分子電解質を補強する多孔質膜。
  2. 膜厚が、5〜20μmである、
    請求項1記載の多孔質膜。
  3. 空隙率が、40〜70%である、
    請求項1又は2に記載の多孔質膜。
  4. 弾性率が、300MPa以上である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質膜。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質膜と、
    高分子電解質と、を含む、
    固体高分子型燃料電池用電解質膜。
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