JP2017182905A - タブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、タブリードのリード導体と負極集電体とを、例えば超音波溶接法を用いて接合したときの接合界面を含む接合部における金属組織の適正化を図ることにより、優れた接合性を有するタブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池を提供する。【解決手段】本発明のタブリード付き負極集電銅箔は、表面処理銅箔からなる負極集電体に、表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を接合して一体化してなり、接合界面を含む接合部が、単一の銅金属組織、固溶体型の銅合金組織、またはこれらの混在組織により構成されていることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、負極集電体の表面処理銅箔と、タブリードのリード導体の表面処理銅材とを接合して一体化してなるタブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池に関し、より詳細には、タブリードのリード導体と負極集電体とを、例えば超音波溶接法により接合したときの接合性の改善を図る。
例えばリチウムイオン2次電池や電気化学キャパシタのような蓄電デバイスは、携帯電話やノートパソコンのような小型電子機器の電源としてだけではなく、電気自動車やハイブリッド自動車用途の電源としても使用されている。この蓄電デバイスは、通常、外部に電気を取り出すためのタブリードを有しており、このタブリードは、リード導体と絶縁フィルムとが一体形成されたものであり、リード導体の一端は、電極板(正極板および負極板)に接合されている。
リード導体と電極板の接合に用いられる溶接法としては、例えば超音波溶接法が挙げられる。超音波溶接法は、接合面に一定の圧力を加えた状態で超音波振動を加えることにより、接合面と被接合面との間に存在する酸化被膜や不純物を機械的に除去(クリーニング)するとともに、接合面と被接合面との間で相互に原子拡散を生じさせて固相接合する方法である。この超音波溶接法は、抵抗溶接に比べて接合温度が低いため、リード導体や電極板を構成する母材が熱の発生による組織変化は生じにくく、低コストで接合できるという利点がある。
ここで負極板は、複数枚の銅箔の積層体からなる負極集電体を有し、また、リード導体は銅材を有しており、さらに、大気中での表面酸化や、電解液中の成分(例えばフッ酸(HF))に起因した腐食反応を抑制するため、集電体を構成する銅箔の表面や、タブリードのリード導体を構成する銅材の表面に、クロメート被膜、ニッケルめっき被膜のような無機防錆被膜や、有機防錆被膜を形成するのが一般的である(例えば特許文献1等)。タブリード付き負極集電銅箔の代表的な公知例としては、タブリードのリード導体を、銅材の表面に防錆被膜としてニッケルめっき被膜を形成した表面処理銅材で構成し、負極集電体を、銅箔の表面に防錆被膜としてクロメート被膜を形成した表面処理銅箔で構成した場合が挙げられる。
このように防錆被膜を施した表面処理銅箔や表面処理銅材は、上述したような表面酸化や腐食反応を抑制することができる反面、負極板を構成する銅箔と、タブリードのリード導体を構成する銅材とを超音波溶接する際に、防錆被膜が接合面と被接合面との間に存在していることになるため、超音波振動を加えても、防錆被膜が酸化被膜のようには簡単には除去されずに、防錆被膜の一部が接合面に異物として残存する傾向があることから、表面処理銅箔や表面処理銅材の銅表面を完全に露出させることができず、十分な超音波接合性が得られない場合があった。また、銅箔の表面に、銅と金属化合物を生成しやすい元素を含む防錆被膜(例えばクロムを含有するクロメート被膜)を形成したときもまた、接合界面に金属化合物が生成する傾向があることから、十分な超音波接合性が得られない場合があった。
特許文献1には、無酸素銅に1μm厚さのニッケル被覆を施した負極タブリードを、負極活物質が形成されていない負極板を構成する電解銅箔の部分に、超音波溶接機によって接合した例が記載されている。しかしながら、特許文献1には、超音波接合性に関し、アルミニウム製の正極タブリードを、正極板のアルミニウム集電部材に超音波溶接機で接合したときの溶接強度が示されているのみで、負極タブリードの表面処理銅材を、負極板の表面処理銅箔に超音波溶接法によって接合したときの溶接強度については何ら示されていない。
本発明の目的は、タブリードのリード導体と負極集電体とを、例えば超音波溶接法を用いて接合したときの接合界面を含む接合部における金属組織の適正化を図ることにより、優れた接合性を有するタブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)銅箔の表面に第1表面処理被膜を形成してなる表面処理銅箔からなる負極集電体に、銅材の表面に第2表面処理被膜を形成してなる表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を接合して一体化してなるタブリード付き負極集電銅箔であって、接合界面を含む接合部が、前記銅箔の銅と前記銅材の銅とからなる単一の銅金属組織、前記銅材の銅と前記第1表面処理被膜中に含有する第1金属、もしくは前記銅箔の銅と前記第2表面処理被膜中に含有する第2金属からなる固溶体型の銅合金組織、または前記単一の銅金属組織および前記固溶体型の銅合金組織の双方の混在組織により構成されていることを特徴とするタブリード付き負極集電銅箔。
(2)前記第1表面処理被膜が有機防錆被膜である上記(1)に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(3)前記第1表面処理被膜の厚さおよびばらつきが、それぞれ0.003〜3μmおよび0.0002〜0.8μmである上記(2)に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(4)前記第2表面処理被膜が有機防錆被膜である上記(1)、(2)または(3)に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(5)前記第2表面処理被膜がニッケルめっき被膜である上記(1)、(2)または(3)に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(6)前記負極集電体の表面を含む表層部での結晶粒径は、前記負極集電体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下である上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(7)前記リード導体の表面を含む表層部での結晶粒径は、該リード導体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下である上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(8)前記負極集電体の表面は、10点平均粗さ(RZJIS)が2.0μm以下である上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(9)前記リード導体の表面は、10点平均粗さ(RZJIS)が2.0μm以下である上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔を有する電池。
本発明によれば、銅箔の表面に第1表面処理被膜を形成してなる表面処理銅箔からなる負極集電体に、銅材の表面に第2表面処理被膜を形成してなる表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を接合して一体化してなるタブリード付き負極集電銅箔であって、接合界面を含む接合部を、前記銅箔の銅と前記銅材の銅とからなる単一の銅金属組織、前記銅材の銅と前記第1表面処理被膜中に含有する第1金属、もしくは前記銅箔の銅と前記第2表面処理被膜中に含有する第2金属からなる固溶体型の銅合金組織、または前記単一の銅金属組織および前記固溶体型の銅合金組織の双方の混在組織により構成することにより、優れた接合性を有するタブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池を提供することが可能になった。
次に、本発明に従うタブリード付き負極集電銅箔の実施形態を以下で説明する。
本発明のタブリード付き負極集電銅箔は、負極集電体にリード導体を有するタブリードのリード導体を接合して一体化してなるタブリード付き負極集電銅箔である。
負極集電体は、銅箔(例えば圧延銅箔や電解銅箔)の表面に第1表面処理被膜を形成してなる表面処理銅箔の1枚または複数枚の積層体で構成され、タブリードのリード導体は、銅材(例えば銅板)の表面に第2表面処理被膜を形成してなる表面処理銅材で構成されている。
そして、本発明の構成上の主な特徴は、タブリードのリード導体と負極集電体とを、例えば超音波溶接法を用いて接合したときの接合界面を含む溶接部における金属組織の適正化を図ることにあり、より具体的には、接合界面を含む接合部が、銅箔の銅と銅材の銅とからなる単一の銅金属組織、前記銅材の銅と前記第1表面処理被膜中に含有する第1金属、もしくは前記銅箔の銅と前記第2表面処理被膜中に含有する第2金属からなる固溶体型の銅合金組織、または単一の銅金属組織および固溶体型の銅合金組織の双方の混在組織により構成されていることにあり、この構成を採用することにより、接合性を格段に向上させることができる。
本発明者は、タブリードを構成するリード導体(母材:銅材)と負極集電体(母材:銅箔)とを、超音波溶接法を用いて接合したときの接合性について鋭意検討を行なった。
まず、負極集電体が第1表面処理被膜を形成しない銅箔からなり、タブリードのリード導体が第2表面処理被膜を形成しない銅材からなる場合には、大気中での表面酸化や、電解液中の成分(例えばフッ酸(HF))に起因した腐食反応を抑制することはできないが、超音波溶接では、銅箔および銅材の表面に形成した酸化被膜を機械的に容易に除去でき、銅箔の銅表面と銅材の銅表面を接合時に露出させることができるため、接合界面を含む接合部が、銅箔の銅と銅材の銅とからなる単一の銅金属組織により構成される結果、良好な接合性を有していることを確認した。
次に、本発明者はさらに検討を進めたところ、負極集電体として、銅箔表面に第1表面処理被膜を形成してなる表面処理銅箔を用い、タブリードのリード導体として、銅材表面に第2表面処理被膜を形成してなる表面処理銅材を用いた場合であっても、超音波接合時に、第1および第2表面処理被膜が、接合界面から完全に除去されるか、あるいは接合界面に金属間化合物が生成されないように構成して、接合界面を含む接合部が、単一の銅金属組織、固溶体型の銅合金組織、あるいは、これらが混在した組織にすることができれば、超音波接合性を向上させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
負極集電体を構成する第1表面処理被膜は、有機防錆被膜またはニッケルめっき被膜であることが好ましい。有機防錆被膜の具体的構成としては、例えば、トリアゾール化合物を含有する被膜が挙げられ、さらに、トリアゾール化合物に加えて、ジカルボン酸類およびアミン類を含有する被膜であることがより好適である。
トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール(BTA)、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、クロロベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール等が挙げられる。
ジカルボン酸類としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、フタル酸等が挙げられる。
アミン類としては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどのモノアミン類、1〜4個のアルキル基で置換されたジアミン類、アルキル基の少なくとも1個が水酸基やポリオキシエチレン基のような親水性基を有するアルキルモノアミン、アルキルジアミンなどがある。具体的には、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、モノブチルエタノールアミン等が挙げられる。
また、第1表面処理被膜は、厚さおよびばらつきは、それぞれ0.003〜3μmおよび0.0002μm〜0.8μmとすることが好ましい。第1表面処理被膜の厚さが、0.003μm未満だと、防錆性能が低下する傾向があるからであり、3μm超えだと、溶接時の接合力が低下する傾向があるからであり、加えて、第1表面処理被膜の厚さのばらつきが、0.8μm超えだと、接合力にばらつきが生じ、安定した接合が実現困難だからである。
負極集電体を構成する第1表面処理被膜がニッケルめっき被膜(第1金属:ニッケル)の場合には、ニッケルめっき被膜の厚さを2.5μm以下とすることが好ましい。ニッケルめっき被膜の厚さを2.5μm以下とすることによって、超音波接合時の接合面と被接合面との間に存在するニッケル(Ni)が接合界面から除去されてほとんど存在せず、負極集電体を構成する銅箔の銅表面が新生面として露出して、接合界面を含む接合部が、実質的に単一の銅金属組織により構成される結果、優れた接合性が得られるからである。
なお、ニッケルめっき被膜の厚さが2.5μm超えである場合、接合界面にニッケルが完全には除去されずに残る傾向があるが、かかる場合であっても、接合界面で、ニッケルが銅と金属間化合物を形成することなく、固溶体を形成するような条件で行なう超音波溶接を行なう場合には、接合界面を含む接合部が、固溶体型の銅−ニッケル合金組織、あるいは、単一の銅金属組織と固溶体型の銅−ニッケル合金組織の混在した組織により構成される結果、優れた接合性が得られることから、本発明では、ニッケルめっき被膜の厚さが2.5μm超えである場合も含まれる。
タブリードのリード導体の銅材表面に形成される第2表面処理被膜は、有機防錆被膜またはニッケルめっき被膜であることが好ましい。有機防錆被膜の具体的構成としては、上述した第1表面処理被膜と同様である。また、第2表面処理被膜は、厚さおよびばらつきは、それぞれ0.003〜3μmおよび0.0002μm〜0.3μmとすることが好ましい。第2表面処理被膜の厚さが、0.003μm未満だと、防錆性能が低下する傾向があるからであり、3μm超えだと、溶接時の接合力が低下する傾向があるからであり、加えて、第2表面処理被膜の厚さのばらつきが、0.3μm超えだと、接合力にばらつきが生じ、安定した接合が実現困難だからである。
また、第2表面処理被膜がニッケルめっき被膜(第2金属:ニッケル)の場合には、ニッケルめっき被膜の厚さを2.5μm以下とすることが好ましい。ニッケルめっき被膜の厚さを2.5μm以下とすることによって、超音波接合時の接合面と被接合面との間に存在するNiが接合界面から除去されてほとんど存在せず、タブリードのリード導体の銅材の銅表面が新生面として露出して、接合界面を含む接合部が、実質的に単一の銅金属組織により構成される結果、優れた接合性が得られるからである。
なお、第2表面処理被膜として、ニッケルめっき被膜の厚さを2μm以上とした場合も、上述した第1表面処理被膜の場合と同様、本発明に含まれる。
ここで「接合界面を含む接合部」とは、超音波溶接による接合に起因した塑性変形等の影響を受けた、銅箔表面を含む表層部分と、銅材表面を含む表層部分とを合わせた接合部分、具体的には接合界面を中心として0.2〜50μmの厚さの部分を意味する。
負極集電体(表面処理銅箔)の表面を含む表層部での結晶粒径は、前記負極集電体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下であることが好ましい。このように構成して、負極集電体の表面が微細化すると、超音波溶接時の接合界面に存在する第1および/または第2表面処理被膜を破りやすくして、接合界面のクリーニング効果が向上する結果、接合性を向上させることができる。同様に、接合性をより一層向上させるため、リード導体(表面処理銅材)の表面を含む表層部での結晶粒径もまた、リード導体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下とすることが好ましい。
さらに、負極集電体および/またはリード導体の表面における10点平均粗さRZJISを2.0μm以下とすることが好ましい。負極集電体およびリード導体の表面における10点平均粗さRZJISがいずれも2.0μmを超えていると、負極集電体の表面とリード導体の表面とが相互を超音波接合した場合、接合部断面を観察すると、ボイドが発生しやすくなる結果、接合性が劣る傾向があるからである。これは、表面粗さが粗いため、接合時の接触が局部的になり、凹凸の凸の部分では接合が起こるが、凹の部分相互では接合が起こらず、その凹の部分がボイドとなり、接合強度が小さくなるためと考えられる。
負極集電体(表面処理銅箔)の表面、および、リード導体(表面処理銅材)の表面の微細化方法としては、例えば、めっき時の電流密度を大きくし、めっき浴温度を高くする等が挙げられる。
そして、上述した構成を有する本発明のタブリード付き負極集電銅箔は、例えばリチウムイオン電池のような電池に好適に使用することができる。なお、上述した実施形態では、接合方法を、超音波溶接法を用いて行なった場合について説明してきたが、本発明では、接合界面を含む接合部が、単一の銅金属組織、固溶体型の銅合金組織、またはこれらの混在組織により構成されるのであれば、他の接合方法を用いてもよいことは言うまでもない。
次に、本発明のいくつかの実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例だけには限定されない。
(実施例1)
実施例1は、厚さ10μmの銅箔の表面に、第1表面処理被膜として、1000〜1500ppmのベンゾトリアゾール(BTA)、100ppmのマロン酸、5ppmのテトラエチルアミンを含有する防錆溶液に浸漬し、乾燥して、有機防錆被膜(厚さ:0.1μm、厚さのばらつき:0.008μm、10点平均粗さRZJIS:1.12μm))を形成してなる表面処理銅箔からなる負極集電体に、厚さ20μmの銅材の表面に、第2表面処理被膜としてニッケルめっき皮膜(厚さ:0.5μm、厚さのばらつき:0.1μm、10点平均粗さRZJIS:0.75μm)を形成してなる表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を、振幅:38μm、圧力:42Psi、溶接時間:0.5秒、周波数:20kHzの条件で行なった超音波溶接により接合して一体化して、タブリード付き負極集電銅箔を製造した。負極集電体、およびタブリードを構成するリード導体の諸元については、表1に示す。
実施例1は、厚さ10μmの銅箔の表面に、第1表面処理被膜として、1000〜1500ppmのベンゾトリアゾール(BTA)、100ppmのマロン酸、5ppmのテトラエチルアミンを含有する防錆溶液に浸漬し、乾燥して、有機防錆被膜(厚さ:0.1μm、厚さのばらつき:0.008μm、10点平均粗さRZJIS:1.12μm))を形成してなる表面処理銅箔からなる負極集電体に、厚さ20μmの銅材の表面に、第2表面処理被膜としてニッケルめっき皮膜(厚さ:0.5μm、厚さのばらつき:0.1μm、10点平均粗さRZJIS:0.75μm)を形成してなる表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を、振幅:38μm、圧力:42Psi、溶接時間:0.5秒、周波数:20kHzの条件で行なった超音波溶接により接合して一体化して、タブリード付き負極集電銅箔を製造した。負極集電体、およびタブリードを構成するリード導体の諸元については、表1に示す。
(実施例2)
実施例2は、リード導体における、表層部での結晶粒径DS2の、厚さ方向中心部での結晶粒径DC2に対する比(DS2/DC2)×100(%))が、20%であることを除いては実施例1と同様である。
実施例2は、リード導体における、表層部での結晶粒径DS2の、厚さ方向中心部での結晶粒径DC2に対する比(DS2/DC2)×100(%))が、20%であることを除いては実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3は、リード導体における、表層部での結晶粒径DS1の、厚さ方向中心部での結晶粒径DC1に対する比(DS1/DC1)×100(%)が、90%であり、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.36μmであることを除いては実施例1と同様である。
実施例3は、リード導体における、表層部での結晶粒径DS1の、厚さ方向中心部での結晶粒径DC1に対する比(DS1/DC1)×100(%)が、90%であり、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.36μmであることを除いては実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが2.22μmであることを除いては実施例1と同様である。
実施例4は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが2.22μmであることを除いては実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例5は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.38μmであり、タブリードのリード導体の10点平均粗さRZJISが2.38μmであることを除いては実施例1と同様である。
実施例5は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.38μmであり、タブリードのリード導体の10点平均粗さRZJISが2.38μmであることを除いては実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例6は、第2表面処理被膜として、2.5μmと厚いニッケルめっきを形成し、接合部の金属組織が、固溶体型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
実施例6は、第2表面処理被膜として、2.5μmと厚いニッケルめっきを形成し、接合部の金属組織が、固溶体型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例7は、第1表面処理被膜として、2.5μmと厚いニッケルめっきを形成し、第2表面処理被膜として、実施例1で第1表面処理被膜として使用した0.1μmの有機防錆被膜を形成し、接合部の金属組織が、固溶体型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
実施例7は、第1表面処理被膜として、2.5μmと厚いニッケルめっきを形成し、第2表面処理被膜として、実施例1で第1表面処理被膜として使用した0.1μmの有機防錆被膜を形成し、接合部の金属組織が、固溶体型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
(実施例8)
実施例8は、第1および第2表面処理被膜とも、実施例1で第1表面処理被膜として使用した0.1μmの有機防錆被膜を形成し、接合部の金属組織が、単一銅金属組織であることを除いては実施例1と同様である。
実施例8は、第1および第2表面処理被膜とも、実施例1で第1表面処理被膜として使用した0.1μmの有機防錆被膜を形成し、接合部の金属組織が、単一銅金属組織であることを除いては実施例1と同様である。
(比較例1)
比較例1は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.26μmであり、接合部の金属組織が、銅−ニッケル化合物析出型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
比較例1は、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.26μmであり、接合部の金属組織が、銅−ニッケル化合物析出型の銅−ニッケル合金組織であることを除いては実施例1と同様である。
(比較例2)
比較例2は、第1表面処理被膜として、クロメート被膜を用い、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.14μmであり、接合部の金属組織が、単一銅金属組織でも、固溶体型の銅−ニッケル合金組織でも、また、これらの混在組織でもないことを除いては実施例1と同様である。
比較例2は、第1表面処理被膜として、クロメート被膜を用い、負極集電体の10点平均粗さRZJISが1.14μmであり、接合部の金属組織が、単一銅金属組織でも、固溶体型の銅−ニッケル合金組織でも、また、これらの混在組織でもないことを除いては実施例1と同様である。
<性能評価>
1.接合性の評価
接合性は、ピール試験により評価した。
1.接合性の評価
接合性は、ピール試験により評価した。
2.発熱抑制の評価
発熱抑制は、溶接部の縦方向の寸法を測定して評価した。
発熱抑制は、溶接部の縦方向の寸法を測定して評価した。
3.充放電特性
初回充放電は0.1CAで、充電は0.02Vまで(定電位で0.05CAに到達するまで)、放電は1.5Vまで行なった。2サイクル目以降の充放電は、充電は0.2CAで0.02V(定電位で0.05CAに到達するまで)、放電は0.2CAで1.5Vまで行なった。評価温度は25℃とした。このような条件で評価し、初回充放電の放電容量サイクルと50サイクル目の放電容量から充放電特性を求めた。尚、充放電特性の定義は次のようにした。
充放電特性=(50サイクル目の放電容量/初回サイクルの放電容量)×100
これらの評価結果を表1に示す。
初回充放電は0.1CAで、充電は0.02Vまで(定電位で0.05CAに到達するまで)、放電は1.5Vまで行なった。2サイクル目以降の充放電は、充電は0.2CAで0.02V(定電位で0.05CAに到達するまで)、放電は0.2CAで1.5Vまで行なった。評価温度は25℃とした。このような条件で評価し、初回充放電の放電容量サイクルと50サイクル目の放電容量から充放電特性を求めた。尚、充放電特性の定義は次のようにした。
充放電特性=(50サイクル目の放電容量/初回サイクルの放電容量)×100
これらの評価結果を表1に示す。
(評価結果)
表1に示す評価結果から、実施例1〜8は、いずれも良好な接合性を有していた。また、実施例1、2および8は、発熱が抑制され、良好な充放電特性を有しており、特に実施例2および8が、全ての性能において優れていた。
表1に示す評価結果から、実施例1〜8は、いずれも良好な接合性を有していた。また、実施例1、2および8は、発熱が抑制され、良好な充放電特性を有しており、特に実施例2および8が、全ての性能において優れていた。
一方、比較例1は、接合部の金属組織が、銅−ニッケル化合物析出型の銅−ニッケル合金組織であるため、接合性、発熱抑制性能および充放電特性の全ての性能が劣っていた。また、比較例2は、接合部の金属組織が、単一銅金属組織でも、固溶体型の銅−ニッケル合金組織でも、また、これらの混在組織でもないため、接合性、発熱抑制性能および充放電特性の全ての性能が劣っていた。
本発明によれば、接合界面を含む接合部を、前記銅箔の銅と前記銅材の銅とからなる単一の銅金属組織、前記銅材の銅と前記第1表面処理被膜中に含有する第1金属、もしくは前記銅箔の銅と前記第2表面処理被膜中に含有する第2金属からなる固溶体型の銅合金組織、または前記単一の銅金属組織および前記固溶体型の銅合金組織の双方の混在組織により構成することにより、優れた接合性を有するタブリード付き負極集電銅箔およびこのタブリード付き負極集電銅箔を有する電池を提供することが可能になった。
Claims (10)
- 銅箔の表面に第1表面処理被膜を形成してなる表面処理銅箔からなる負極集電体に、銅材の表面に第2表面処理被膜を形成してなる表面処理銅材からなるリード導体を有するタブリードのリード導体を接合して一体化してなるタブリード付き負極集電銅箔であって、
接合界面を含む接合部が、前記銅箔の銅と前記銅材の銅とからなる単一の銅金属組織、前記銅材の銅と前記第1表面処理被膜中に含有する第1金属、もしくは前記銅箔の銅と前記第2表面処理被膜中に含有する第2金属からなる固溶体型の銅合金組織、または前記単一の銅金属組織および前記固溶体型の銅合金組織の双方の混在組織により構成されていることを特徴とするタブリード付き負極集電銅箔。 - 前記第1表面処理被膜が有機防錆被膜である請求項1に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記第1表面処理被膜の厚さおよびばらつきが、それぞれ0.003〜3μmおよび0.0002〜0.8μmである請求項2に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記第2表面処理被膜が有機防錆被膜である請求項1、2または3に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記第2表面処理被膜がニッケルめっき被膜である請求項1、2または3に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記負極集電体の表面を含む表層部での結晶粒径は、前記負極集電体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記リード導体の表面を含む表層部での結晶粒径は、該リード導体の厚さ方向中心部における結晶粒径の50%以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記負極集電体の表面は、10点平均粗さ(RZJIS)が2.0μm以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 前記リード導体の表面は、10点平均粗さ(RZJIS)が2.0μm以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のタブリード付き負極集電銅箔を有する電池。
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2016
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