JP2017182240A - ポータブルスイッチ及び温度管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】単純な操作で温度管理状態を切り替えることが可能なポータブルスイッチ及び温度管理システムを提供する。【解決手段】温度管理システムは、荷物を収容する箱の内部温度を測定する子機と、端末装置と、箱の内部温度が予め決定された許容温度帯内でない場合に警告情報を出力する管理装置と、ポータブルスイッチと、を備える。ポータブルスイッチは、無線通信先の子機から子機識別情報を受信し、表示部へ表示する。そして、操作部が操作されると、表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切り替えるための切替要求を送信する。切替要求は、管理装置へ送信され、管理装置は、切替要求に基づいて、対象となる箱の温度管理状態を切り替える。【選択図】図9
Description
本発明は、輸送の対象となる収容箱の内部温度を管理するための技術に関する。
従来から、配送する荷物の温度管理を行うための技術が知られている。例えば、特許文献1には、監視対象食品の経時的な温度変化の履歴を無線送信する履歴計と、履歴計の検出データに基づいて監視対象食品の品質状態を監視するデータ処理装置とを備えた温度監視システムが開示されている。
荷物を断熱箱に収容し、保冷材等の温度調整材により断熱箱内の温度を個別管理するシステムでは、各断熱箱内への温度調整材の投入等を判断するため、各断熱箱の内部温度を監視する必要がある。この場合、温度検出機能を有する小型の通信機器(「子機」とも呼ぶ。)を断熱箱内に設置し、コンテナに設置した親機により子機の測定情報を収集する態様が考えられる。
このようなシステムにおいて、子機として、不特定多数の外部装置に対して定期的に温度データを送信するタイプの無線タグ(例えば、単方向通信型のアクティブタグ)を使用する場合がある。この場合、断熱箱内の全ての荷物の配送が完了した後など、温度の監視の必要が無くなった後でも監視が継続されてしまうため、不必要な温度管理や不適切な警告が行われたりする恐れがある。本発明は、単純な操作で温度管理状態を切り替えることが可能なポータブルスイッチ、及び、そのポータブルスイッチを使用する温度管理システムを提供することを主な目的とする。
本発明の1つの観点では、荷物を収容する箱の内部温度を測定する子機と、前記子機が測定した内部温度に基づいて前記箱の温度を管理する管理装置と、前記子機が測定した内部温度を前記管理装置へ送信する通信装置と、を備える温度管理システムにおいて使用されるポータブルスイッチであって、無線通信先の1つ又は複数の子機から子機識別情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した子機識別情報を表示する表示部と、操作部と、前記操作部が操作されたときに、前記表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切替えるための切替要求を送信する送信部と、を備える。
上記のポータブルスイッチは、無線通信先の子機から子機識別情報を受信し、表示部へ表示する。そして、操作部が操作されると、表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切り替えるための切替要求を送信する。切替要求は、通信装置を介して管理装置へ送信され、管理装置は、切替要求に基づいて、対象となる箱の温度管理状態を切り替える。
上記のポータブルスイッチの一態様は、前記受信部と通信中の子機のうち、最も電波強度の高い子機を特定し、当該子機の子機識別番号を前記表示部に表示させる制御部を備える。これにより、ポータブルスイッチに最も近い位置にある箱の温度管理状態を容易に切り替えることができる。
上記のポータブルスイッチの他の一態様は、前記受信部と通信中の1つ又は複数の子機からの電波強度を記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶された各子機の電波強度に基づいて、前記最も電波強度の高い子機を特定する。この態様では、記憶部を参照することにより、最も電波強度の高い子機を容易に特定することができる。
上記のポータブルスイッチの他の一態様では、前記切替要求は、前記表示部に表示されている子機識別番号と、当該識別番号に対応する箱の温度管理状態を有効と無効との間で切替える切替指示とを含む。
本発明の他の観点では、温度管理装置は、荷物を収容する箱の内部温度を測定し、当該子機を示す子機識別情報及び前記内部温度を含む測定情報を外部へ送信する子機と、前記子機から前記測定情報を受信し、管理装置へ送信する通信装置と、前記通信装置から前記測定情報を受信して前記内部温度を記憶するとともに、前記内部温度が予め決定された許容温度帯内でない場合に、警告情報を出力する管理装置と、前記子機と無線通信するポータブルスイッチと、を備え、前記ポータブルスイッチは、無線通信先の1つ又は複数の子機から子機識別情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した子機識別情報を表示する表示部と、操作部と、前記操作部が操作されたときに、前記表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切替えるための切替要求を送信する送信部と、を備える。
上記の温度管理システムでは、子機は、荷物を収容する箱の内部温度を測定し、当該子機を示す子機識別情報及び内部温度を含む測定情報を外部へ送信する。好適な例では、子機は、不特定多数の外部装置へ定期的に前記測定情報を送信する。通信装置は、子機から測定情報を受信し、管理装置へ送信する。管理装置は、通信装置から測定情報を受信して内部温度を記憶するとともに、内部温度が予め決定された許容温度帯内でない場合に、警告情報を出力する。ポータブルスイッチは、無線通信先の子機から子機識別情報を受信し、表示部へ表示する。そして、操作部が操作されると、表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切り替えるための切替要求を送信する。切替要求は、通信装置を介して管理装置へ送信され、管理装置は、切替要求に基づいて、対象となる箱の温度管理状態を切り替える。
上記の温度管理システムの一態様では、ポータブルスイッチは、前記受信部と通信中の子機のうち、最も電波強度の高い子機を特定し、当該子機の子機識別番号を前記表示部に表示させる制御部を備える。これにより、ポータブルスイッチに最も近い位置にある箱の温度管理状態を容易に切り替えることができる。
上記の温度管理システムの他の一態様では、前記子機は、前記ポータブルスイッチにより当該子機に対応する箱の温度管理状態が無効とされた後であっても、前記内部温度の測定及び送信を継続する。これにより、温度管理を終了した後でも、箱の温度を記録し続けることができる。
好適な例では、前記通信装置は前記子機と通信する親機及び前記親機と通信する端末装置であり、前記管理装置は前記端末装置と通信するサーバ装置である。他の好適な例では、前記通信装置は前記子機と通信する親機であり、前記管理装置は前記親機と通信する端末装置である。
本発明によれば、不特定多数の外部装置に対して定期的に温度データを送信するタイプの子機を用いた温度管理システムにおいて、ポータブルスイッチを利用した単純な操作により、温度管理状態を切り替えることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。
[1]第1実施形態
(温度管理システムの概要)
図1は、第1実施形態に係る温度管理システム100の概略構成を示す図である。温度管理システム100は、配送車両1の荷台(コンテナ)10に積載される断熱箱5の内部温度を管理するシステムであって、図1に示すように、主に、配送車両1内に設けられた端末装置2と、荷台10内に設けられた親機3と、真空断熱材などの断熱材により内部空間を形成する断熱箱5と、親機3と無線通信する子機7と、端末装置2と通信を行うサーバ装置9と、サーバ装置9による温度管理状態を切り替えるために運転手などにより操作されるポータブルスイッチ200とを有する。なお、荷台10には、荷台10内の温度調整を行う温調機が設けられていてもよい。
[1]第1実施形態
(温度管理システムの概要)
図1は、第1実施形態に係る温度管理システム100の概略構成を示す図である。温度管理システム100は、配送車両1の荷台(コンテナ)10に積載される断熱箱5の内部温度を管理するシステムであって、図1に示すように、主に、配送車両1内に設けられた端末装置2と、荷台10内に設けられた親機3と、真空断熱材などの断熱材により内部空間を形成する断熱箱5と、親機3と無線通信する子機7と、端末装置2と通信を行うサーバ装置9と、サーバ装置9による温度管理状態を切り替えるために運転手などにより操作されるポータブルスイッチ200とを有する。なお、荷台10には、荷台10内の温度調整を行う温調機が設けられていてもよい。
断熱箱5には、同一温度帯により保管されるべき1又は複数の荷物が収容されると共に、後述する子機7が取り付けられる。断熱箱5には、収容する荷物の劣化を防ぐために保たれるべき内部温度の帯域(「許容温度帯」とも呼ぶ。)が断熱箱5ごとに定められており、断熱箱5の内部温度を調整するための保冷材などの温度調整材8が適宜収容されている。本実施形態では、断熱箱5の内部温度が定められた許容温度帯に保たれるように、運転手による温度調整材8の追加が適宜行われる。これにより、電源を必要とすることなく、断熱箱5の内部温度が調整される。
端末装置2は、モバイルルータとして機能し、親機3と有線によるシリアル通信を行うと共に、サーバ装置9と無線による通信を行う。本実施形態では、端末装置2は、荷台10に断熱箱5が積まれた後であって配送車両1の出発前に、配送車両1の情報(「車両情報Sa」とも呼ぶ。)を、サーバ装置9へ送信する。車両情報Saには、配送車両1に割り当てられた固有の識別情報であるトラックIDが含まれている。また、端末装置2は、子機7が生成した測定情報(「測定情報Sc」とも呼ぶ。)を親機3から受信した場合に、配送車両1のトラックIDと関連付けてサーバ装置9へ転送する。
親機3は、荷台10内に設置され、端末装置2とケーブル等を介して接続している。また、親機3は、断熱箱5に設置された子機7が発信する測定情報Scを受信する。親機3は、荷台10内に存在する子機7が生成した測定情報Scを端末装置2へ送信し、荷台10内に存在しない子機7から送信された測定情報Scを破棄する。
子機7は、温度を測定する機能及び通信機能を有するモジュールであり、測定情報Scを発信する。本実施形態では、子機7は、例えば単方向通信型のアクティブタグなどの無線タグにより構成され、不特定多数の外部装置へ定期的に測定情報Scを発信する。測定情報Scには、当該子機7に対応する子機ID、子機7が測定した温度、及び、温度を測定した日時の情報が含まれる。
サーバ装置9は、配送車両1が配送する荷物の温度管理を行う。サーバ装置9は、端末装置2から受信した測定情報Scに基づき、各断熱箱5の内部温度の履歴を記憶したり、各断熱箱5の内部温度の異常の有無を監視したりする。
ポータブルスイッチ200は、運転手により使用され、個々の断熱箱5を識別する機能と、その断熱箱5についてのサーバ装置9による温度管理状態を有効と無効との間で切替える機能とを有する。
(断熱箱の構成)
図2(A)、(B)は、断熱箱5の構成例を示す。なお、本発明に適用可能な断熱箱5は、図2(A)、(B)に示す態様以外の任意の態様であってもよい。
図2(A)、(B)は、断熱箱5の構成例を示す。なお、本発明に適用可能な断熱箱5は、図2(A)、(B)に示す態様以外の任意の態様であってもよい。
図2(A)、(B)に示す断熱箱5は、主に、天面パネル11と、正面パネル12L、12Rと、左面パネル13と、背面パネル14と、右面パネル15と、底面パネル16と、を備える。背面パネル14等の内部壁面には、物を収容することができる保持部19が複数設けられている。保持部19には、例えば子機7または温度調整材8が収容される。天面パネル11と左面パネル13と背面パネル14と右面パネル15と底面パネル16とは、図示しない外装袋により覆われている。
図2(A)に示すように、正面パネル12Lは、左面パネル13に対して回動可能に連結されており、正面パネル12Rは、右面パネル15に対して回動可能に連結されている。また、天面パネル11は、2つ折りの状態にして断熱箱5を開放することができる。図2(B)の例では、天面パネル11は、前側天面パネル11Fと、後側天面パネル11Rとから構成され、前側天面パネル11Fが後側天面パネル11Rとの連結部を軸にして外側に反転している。同様に、後側天面パネル11Rは、前側天面パネル11Fとの連結部を軸にして外側に反転することが可能である。なお、断熱箱5は、折り畳み自在に構成され、不使用時に折り畳まれた状態で管理されてもよい。
(端末装置の構成)
図3は、端末装置2のブロック図である。端末装置2は、主に、ディスプレイやランプなどの表示部21と、入力部22と、記憶部23と、通信部24と、制御部25と、GPS受信機26と、スピーカなどの音出力部27と、を備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
図3は、端末装置2のブロック図である。端末装置2は、主に、ディスプレイやランプなどの表示部21と、入力部22と、記憶部23と、通信部24と、制御部25と、GPS受信機26と、スピーカなどの音出力部27と、を備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
入力部22は、例えばタッチパネル、ボタン、音声入力装置等であり、運転手等の入力を受け付ける。本実施形態では、入力部22は、例えば、車両情報Saの送信を指示する入力等を受け付ける。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム及び制御部25が実行する処理に必要な情報を記憶する。例えば、記憶部23は、車両情報Saとして送信する配送車両1のトラックIDを予め記憶する。通信部24は、制御部25の制御に基づき、親機3及びサーバ装置9とデータ通信を行う。GPS受信機26は、配送車両1の現在位置を示す位置情報を生成する。
制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することで、端末装置2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部25は、入力部22から所定の入力を受け付けた場合に、配送車両1のトラックIDを示す車両情報Saを通信部24によりサーバ装置9へ送信する。また、制御部25は、通信部24を制御することで、親機3から受信した測定情報Scをサーバ装置9へ転送する。
(親機の構成)
図4は、親機3のブロック図である。親機3は、主に、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、出力部37と、を備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
図4は、親機3のブロック図である。親機3は、主に、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、出力部37と、を備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
記憶部33は、制御部35が実行するプログラム及び制御部35が実行する処理に必要な情報を記憶する。通信部34は、制御部35の制御に基づき、端末装置2及び子機7とデータ通信を行う。出力部37は、ディスプレイや音声出力装置などであり、本実施形態では、制御部35の制御に基づき、所定の警告等を出力する。
制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、記憶部33に記憶されたプログラムを実行することで、親機3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部35は、子機7から測定情報Scを受信した場合に、その測定情報Scを端末装置2へ送信する。
(子機の構成)
図5は、子機7のブロック図である。子機7は、主に、温度センサ71と、通信部72と、記憶部73と、制御部75とを有する。これらの各要素は、バスライン70を介して相互に接続されている。
図5は、子機7のブロック図である。子機7は、主に、温度センサ71と、通信部72と、記憶部73と、制御部75とを有する。これらの各要素は、バスライン70を介して相互に接続されている。
温度センサ71は、温度を測定し、測定した温度の情報を制御部75へ供給する。通信部72は、制御部75の制御に基づき、温度センサ71が測定した温度情報を含む測定情報Scを端末装置2へ送信する。
記憶部73は、制御部75が実行するプログラム及び制御部75が実行する処理に必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部73は、子機7の子機ID等を予め記憶する。
制御部75は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、ROM等に記憶されたプログラムを実行することで、子機7の全体を制御する。本実施形態では、制御部75は、温度センサ71が生成した温度情報と、測定した日時情報と、記憶部73に記憶した子機IDとを含む測定情報Scを、通信部72により発信する。なお、制御部75は、不特定多数の外部装置に定期的に測定情報Scを発信する。
(サーバ装置の構成)
図6は、サーバ装置9のブロック図である。図6に示すように、サーバ装置9は、主に、記憶部93と、通信部94と、制御部95とを有する。
図6は、サーバ装置9のブロック図である。図6に示すように、サーバ装置9は、主に、記憶部93と、通信部94と、制御部95とを有する。
記憶部93は、制御部95が実行するプログラム及び制御部95が実行する処理に必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部93は、配送する断熱箱5の許容温度帯を記録した温度管理DB97と、測定した温度の履歴を記録した温度蓄積DB98とを備える。温度管理DB97と、温度蓄積DB98のデータ構造の具体例については後述する。通信部94は、制御部95の制御に基づき、端末装置2とデータ通信を行う。
制御部95は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、ROMや記憶部93等に記憶されたプログラムを実行することで、サーバ装置9の全体を制御する。例えば、制御部95は、端末装置2から通信部94が測定情報Scを受信した場合に、当該測定情報Scにより温度蓄積DB98を更新すると共に、温度管理DB97を参照して温度異常の有無を判定する。
(データ構造)
図7(A)は、温度管理DB97のデータ構造の一例である。図7(A)に示す温度管理DB97は、「子機ID」の項目と、「許容温度帯」の項目とを有する。「子機ID」の項目には、輸送対象となる荷物が収容される各断熱箱5に設置された子機の子機IDが記録される。なお、本実施形態では、1つの断熱箱5に対して1つの子機7が設置されるため、子機IDは断熱箱5の識別情報(断熱箱ID)の意味も有する。「許容温度帯」の項目には、対応する子機IDが示す断熱箱5に収容される荷物の許容温度帯が記録されている。
図7(A)は、温度管理DB97のデータ構造の一例である。図7(A)に示す温度管理DB97は、「子機ID」の項目と、「許容温度帯」の項目とを有する。「子機ID」の項目には、輸送対象となる荷物が収容される各断熱箱5に設置された子機の子機IDが記録される。なお、本実施形態では、1つの断熱箱5に対して1つの子機7が設置されるため、子機IDは断熱箱5の識別情報(断熱箱ID)の意味も有する。「許容温度帯」の項目には、対応する子機IDが示す断熱箱5に収容される荷物の許容温度帯が記録されている。
ここで、温度管理DB97を参照した断熱箱5の内部温度の異常判定の具体例について説明する。サーバ装置9は、端末装置2から測定情報Scを受信した場合に、測定情報Scに含まれる子機IDに対応する許容温度帯を図7(A)に示す温度管理DB97から抽出する。そして、サーバ装置9は、対象の測定情報Scに含まれる温度情報が、温度管理DB97から抽出した許容温度帯内であるか否かを判定することにより、内部温度の異常の有無を判定する。
図7(B)は、温度蓄積DB98のデータ構造の一例である。図7(B)に示す温度蓄積DB98は、「子機ID」、「温度」、及び「日時」の各項目を有する。サーバ装置9は、測定情報Scごとに、温度蓄積DB98のレコードを生成する。
「子機ID」の項目には、端末装置2から受信する測定情報Scに含まれる子機IDが記録される。「温度」の項目には、対象となる測定情報Scに含まれる温度情報が示す温度が記録される。「日時」の項目には、対象となる測定情報Scに含まれる日時情報が示す日時が記録される。
なお、図7(A)、(B)の例では、子機IDを断熱箱5の識別情報としても使用しているが、その代わりに、断熱箱5毎に断熱箱IDを付与し、断熱箱IDと子機IDとの対応関係を別途テーブルなどにより規定することとしてもよい。なお、本実施形態では、断熱箱5の外面に、子機IDを示すシールや印刷などは付されていないものとする。
(ポータブルスイッチの構成)
図8(A)はポータブルスイッチ200の外観を示し、図8(B)はポータブルスイッチ200の内部構成を示す。ポータブルスイッチ200は、小型の携帯型装置として構成され、その筐体には図8(A)に示すように表示部201と操作部202とが設けられる。表示部201は、例えば液晶表示装置などにより構成され、後述するように通信先の子機7の子機IDを表示する。操作部202は、押しボタンなどであり、運転手により操作される。
図8(A)はポータブルスイッチ200の外観を示し、図8(B)はポータブルスイッチ200の内部構成を示す。ポータブルスイッチ200は、小型の携帯型装置として構成され、その筐体には図8(A)に示すように表示部201と操作部202とが設けられる。表示部201は、例えば液晶表示装置などにより構成され、後述するように通信先の子機7の子機IDを表示する。操作部202は、押しボタンなどであり、運転手により操作される。
図8(B)に示すように、ポータブルスイッチ200は、表示部201と、操作部202と、通信部203と、記憶部(メモリ)204と、制御部205とを備える。通信部203は、外部の装置と無線通信を行う。前述のように、本実施形態では子機7は不特定多数の外部装置へ定期的に測定情報Scを発信するように構成されており、通信部203は通信可能な距離内に存在する子機7から測定情報Scを受信する。また、通信部203は、制御部205の制御下で、サーバ装置9による温度管理状態の切替要求を送信する。なお、通信部203は本発明における受信部及び送信部として機能する。
記憶部204は、制御部205が実行するプログラム及び制御部205が実行する処理に必要な情報を記憶する。また、記憶部204は、通信部203が無線通信している相手(通信先)の子機7からの電波強度を、子機7毎に一時的に記憶する。即ち、記憶部204には、ポータブルスイッチ200が各子機7から受信している電波の強度が記憶されている。
制御部205は、まず、断熱箱5に対応する子機IDを検出することにより、断熱箱5を識別する処理を行う。具体的には、制御部205は、記憶部204に記憶されている複数の子機7からの電波強度を参照し、複数の子機7のうち、最も電波強度が高い子機7から受信した測定情報Scからその子機IDを抽出して表示部201に表示させる。これにより、運転手がポータブルスイッチ200を1つの断熱箱5に近づけると、その断熱箱5に対応する子機IDがポータブルスイッチ200の表示部201に表示されることになる。よって、断熱箱5の外面にシールや印刷などにより子機IDが表示されていなくても、運転手は、ポータブルスイッチ200を断熱箱5に近づけることにより、その断熱箱5に対応する子機IDを知ることができる。即ち、運転手は、断熱箱5を開閉することなく、その断熱箱5の子機IDを知ることができる。
また、制御部205は、サーバ装置9による断熱箱5の温度管理状態の切替を行う。具体的には、制御部205は、運転手により操作部202が操作されたときに、切替要求を親機3へ送信する。この切替要求は、表示部201に表示されている子機ID、即ち、最も電波強度が高い子機7の子機IDと、温度管理の有効/無効を切替える切替指示とを含む。ポータブルスイッチ200から送信された切替要求は、親機3から端末装置2を経由してサーバ装置9へ送信される。サーバ装置9は、切替要求を受信すると、切替要求に含まれる子機IDに対応する断熱箱5について、温度管理状態を切り替える。具体的に、サーバ装置9は、切替要求の受信時に温度管理を行っていない状態(温度管理が無効の状態)である場合には、温度管理を開始する(温度管理を有効とする)。一方、サーバ装置9は、切替要求の受信時に既に温度管理を行っている状態(温度管理が有効な状態)である場合には、温度管理を終了する(温度管理を無効とする)。こうして、運転手は、ポータブルスイッチ200を操作することにより、個々の断熱箱5毎に温度管理状態を切り替えることができる。
(処理フロー)
次に、本実施形態に係る温度管理システム100による断熱箱の温度管理について説明する。
まず、温度管理を開始する際の処理について説明する。前提として、運転手は、各断熱箱5内の荷物の配送先や配送順などを記載した配送指示書を所持しており、その指示書を参照して、配送の対象となる断熱箱5を車両1に積み込む。具体的に、配送指示書には、配送の対象となる断熱箱5に対応する子機IDが記載されており、運転手は、発送所に保管されている断熱箱5(内部に荷物を収容済)を車両1の荷台10に積み込む。この際、運転手は、断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけて表示部201に表示された子機IDを参照することにより、配送の対象となる断熱箱5を特定する。
次に、本実施形態に係る温度管理システム100による断熱箱の温度管理について説明する。
まず、温度管理を開始する際の処理について説明する。前提として、運転手は、各断熱箱5内の荷物の配送先や配送順などを記載した配送指示書を所持しており、その指示書を参照して、配送の対象となる断熱箱5を車両1に積み込む。具体的に、配送指示書には、配送の対象となる断熱箱5に対応する子機IDが記載されており、運転手は、発送所に保管されている断熱箱5(内部に荷物を収容済)を車両1の荷台10に積み込む。この際、運転手は、断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけて表示部201に表示された子機IDを参照することにより、配送の対象となる断熱箱5を特定する。
配送の対象となる1つ又は複数の断熱箱5を車両1に積み終わると、運転手は、個々の断熱箱5の温度管理を開始する作業を行う。図9(A)は、断熱箱5の温度管理を開始する際の処理を示すフローチャートである。この処理は、主としてポータブルスイッチ200とサーバ装置9により実行される。具体的に、運転手が1つの断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけると、ポータブルスイッチ200は、その断熱箱5に対応する子機IDを表示部201に表示し(ステップS101)、操作部202が押されたか否かを判定する(ステップS102)。操作部202が押されない場合(ステップS102:No)、処理はステップS101へ戻る。一方、操作部202が押されると(ステップS102:Yes)、ポータブルスイッチ200は、子機IDと切替指示とを含む切替要求を送信する(ステップS103)。
切替要求は、親機3及び端末装置2を経由してサーバ装置9へ送られる。サーバ装置9は、切替要求を受信すると、切替要求に含まれる子機IDに基づいて、対応する断熱箱5の温度管理状態を切り替える。この場合、その断熱箱5の温度管理は未だ開始していない状態であるので、サーバ装置9はその断熱箱5の温度管理を開始する(ステップS104)。
次に、温度管理について説明する。図10は、温度管理システム100による温度管理のフローチャートを示す。なお、この処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。まず、子機7は、断熱箱5の内部温度を検出し(ステップS111)、測定情報Scを親機3へ送信する(ステップS112)。測定情報Scは、子機IDと、温度と、日時とを含む。親機3は、子機7から受信した測定情報Scを端末装置2へ転送し(ステップS113)、端末装置2は親機3から受信した測定情報Scをサーバ装置9へ転送する(ステップS114)。
サーバ装置9は、受信した測定情報Scに含まれる温度、日時などの情報を温度蓄積DB98に記憶し(ステップS115)、次に温度管理DB97を参照して、その断熱箱5の温度が許容温度帯内であるか否かを判定する(ステップS116)。断熱箱5の温度が許容温度帯内である場合(ステップS116:Yes)、処理は終了する。一方、断熱箱5の温度が許容温度帯内でない場合(ステップS116:No)、サーバ装置9は、異常温度状態であると判断し、端末装置2へ警告情報を送信する(ステップS117)。ここで、警告情報は、異常温度状態にある断熱箱5に対応する子機IDと、警告メッセージ及び/又は警告音とを含む。端末装置2は、警告情報を受信すると、子機IDを指定して運転手に警告を行う(ステップS118)。具体的には、端末装置2は、子機IDを含む警告メッセージを表示部21に表示したり、子機IDを含む警告メッセージを音出力部27から出力したりする。なお、警告を受けた運転手は、対象の断熱箱5に温度調整材8を追加するなどして、断熱箱5の内部温度を正常に戻すようにする。
次に、温度管理を終了する際の処理について説明する。前提として、サーバ装置9において、図10を参照して説明した温度管理が実行されているものとする。運転手は、ある断熱箱5内の全ての荷物の配送が完了した場合、その断熱箱5の温度管理を終了する作業を行う。図9(B)は、断熱箱5の温度管理を終了する際の処理を示すフローチャートである。この処理は、主としてポータブルスイッチ200とサーバ装置9により実行される。具体的には、運転手が1つの断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけると、ポータブルスイッチ200は、その断熱箱5に対応する子機IDを表示部201に表示し(ステップS121)、操作部202が押されたか否かを判定する(ステップS122)。操作部202が押されない場合(ステップS122:No)、処理はステップS121へ戻る。一方、操作部202が押された場合(ステップS122:Yes)、ポータブルスイッチ200は、子機IDと切替指示とを含む切替要求を送信する(ステップS123)。
切替要求は、親機3及び端末装置2を経由してサーバ装置9へ送られる。サーバ装置9は、切替要求を受信すると、切替要求に含まれる子機IDに基づいて、対応する断熱箱5の温度管理状態を切り替える。この場合、その断熱箱5の温度管理が既に実行されている状態であるので、サーバ装置9はその断熱箱5の温度管理を終了する(ステップS124)。
(変形例)
図11は、第1実施形態の変形例に係る温度管理システム100Aの構成を示す。図11に示す温度管理システム100Aでは、親機3Aは、図1に示す温度管理システム100の端末装置2の機能を含み、端末装置2を介すことなくサーバ装置9と通信を行う。この構成においても、ポータブルスイッチ200を利用して、サーバ装置9側における温度管理を切り替えることができる。
図11は、第1実施形態の変形例に係る温度管理システム100Aの構成を示す。図11に示す温度管理システム100Aでは、親機3Aは、図1に示す温度管理システム100の端末装置2の機能を含み、端末装置2を介すことなくサーバ装置9と通信を行う。この構成においても、ポータブルスイッチ200を利用して、サーバ装置9側における温度管理を切り替えることができる。
また、サーバ装置9は、ネットワークを介して接続する複数の端末から構成されてもよい。この場合、各端末は、予め割り当てられた処理を実行するのに必要な情報の授受を、他の端末と行う。例えば、サーバ装置9は、温度管理DB97及び温度蓄積DB98を記憶する端末と、実施形態に係る制御部95の処理を実行する端末とから構成されてもよい。
[2]第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態は、インターネットなどを経由した無線通信によりサーバ装置と連携する温度管理システムに本発明を適用したものである。これに対し、第2実施形態は、ローカル環境で構成され、外部サーバとは連携しない温度管理システムに本発明を適用したものである。
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態は、インターネットなどを経由した無線通信によりサーバ装置と連携する温度管理システムに本発明を適用したものである。これに対し、第2実施形態は、ローカル環境で構成され、外部サーバとは連携しない温度管理システムに本発明を適用したものである。
(温度管理システムの概要)
図12は、第2実施形態に係る温度管理システム100xの概略構成を示す図である。温度管理システム100xは、配送車両1に搭載された端末装置2xにより温度管理を行うものであり、図1と比較するとわかるようにサーバ装置9を有しない。具体的に、温度管理システム100xは、配送車両1内に設けられた端末装置2xと、荷台10内に設けられた親機3と、真空断熱材などの断熱材により内部空間を形成する断熱箱5と、親機3と無線通信する子機7と、端末装置2xによる温度管理状態を切り替えるために運転手などにより操作されるポータブルスイッチ200とを有する。なお、第2実施形態において、親機3、断熱箱5、子機7及びポータブルスイッチ200は、第1実施例と同様の構成を有するので説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係る温度管理システム100xの概略構成を示す図である。温度管理システム100xは、配送車両1に搭載された端末装置2xにより温度管理を行うものであり、図1と比較するとわかるようにサーバ装置9を有しない。具体的に、温度管理システム100xは、配送車両1内に設けられた端末装置2xと、荷台10内に設けられた親機3と、真空断熱材などの断熱材により内部空間を形成する断熱箱5と、親機3と無線通信する子機7と、端末装置2xによる温度管理状態を切り替えるために運転手などにより操作されるポータブルスイッチ200とを有する。なお、第2実施形態において、親機3、断熱箱5、子機7及びポータブルスイッチ200は、第1実施例と同様の構成を有するので説明を省略する。
図13は、端末装置2xの構成を示すブロック図である。端末装置2xは、主に、ディスプレイやランプなどの表示部21と、入力部22と、記憶部23と、通信部24と、制御部25と、GPS受信機26と、スピーカなどの音出力部27と、を備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
入力部22は、例えばタッチパネル、ボタン、音声入力装置等であり、運転手等の入力を受け付ける。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム及び制御部25が実行する処理に必要な情報を記憶する。また、記憶部23は、温度管理DB97及び温度蓄積DB98を備える。なお、温度管理DB97及び温度蓄積DB98のデータ構造は図7(A)、(B)に示す第1実施形態と同様である。通信部24は、制御部25の制御に基づき、親機3とデータ通信を行う。GPS受信機26は、配送車両1の現在位置を示す位置情報を生成する。
制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、記憶部23に記憶されたプログラムを実行することで、端末装置2x内の各構成要素に対して種々の制御を行う。本実施形態では、制御部25は、第1実施形態におけるサーバ装置9と同様の温度管理を行う。即ち、制御部25は、親機3から測定情報Scを受信した場合に、当該測定情報Scにより温度蓄積DB98を更新すると共に、温度管理DB97を参照して温度異常の有無を判定する。
(処理フロー)
次に、第2本実施形態に係る温度管理システム100xによる断熱箱の温度管理について説明する。
次に、第2本実施形態に係る温度管理システム100xによる断熱箱の温度管理について説明する。
まず、温度管理を開始する際の処理について説明する。前提として、運転手は、各断熱箱5内の荷物の配送先や配送順などを記載した配送指示書を所持しており、その指示書を参照して、配送の対象となる断熱箱5を車両1に積み込む。この際、運転手は、断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけて表示部201に表示された子機IDを参照することにより、配送の対象となる断熱箱5を特定する。
配送の対象となる1つ又は複数の断熱箱5を車両1に積み終わると、運転手は、個々の断熱箱5の温度管理を開始する作業を行う。図14(A)は、断熱箱5の温度管理を開始する際の処理を示すフローチャートである。この処理は、主としてポータブルスイッチ200と端末装置2xにより実行される。具体的に、運転手が1つの断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけると、ポータブルスイッチ200は、その断熱箱5に対応する子機IDを表示部201に表示し(ステップS201)、操作部202が押されたか否かを判定する(ステップS202)。操作部202が押されない場合(ステップS202:No)、処理はステップS201へ戻る。一方、操作部202が押されると(ステップS202:Yes)、ポータブルスイッチ200は、子機IDと切替指示とを含む切替要求を送信する(ステップS203)。
切替要求は、親機3を経由して端末装置2xへ送られる。端末装置2xは、切替要求を受信すると、切替要求に含まれる子機IDに基づいて、対応する断熱箱5の温度管理状態を切り替える。この場合、その断熱箱5の温度管理は未だ開始していない状態であるので、端末装置2xはその断熱箱5の温度管理を開始する(ステップS204)。
次に、温度管理について説明する。図15は、温度管理システム100xによる温度管理のフローチャートを示す。なお、この処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。まず、子機7は、断熱箱5の内部温度を検出し(ステップS211)、測定情報Scを親機3へ送信する(ステップS212)。測定情報Scは、子機IDと、温度と、日時とを含む。親機3は、子機7から受信した測定情報Scを端末装置2xへ転送する(ステップS213)。
端末装置2xは、受信した測定情報Scに含まれる温度、日時などの情報を温度蓄積DB98に記憶し(ステップS215)、次に温度管理DB97を参照して、その断熱箱5の温度が許容温度帯内であるか否かを判定する(ステップS216)。断熱箱5の温度が許容温度帯内である場合(ステップS216:Yes)、処理は終了する。一方、断熱箱5の温度が許容温度帯内でない場合(ステップS216:No)、端末装置2xは、異常温度状態であると判断し、子機IDを指定して運転手に警告を行う(ステップS217)。具体的には、端末装置2xは、子機IDを含む警告メッセージを表示部21に表示したり、子機IDを含む警告メッセージを音出力部27から出力したりする。
次に、温度管理を終了する際の処理について説明する。前提として、端末装置2xにおいて、図15を参照して説明した温度管理が実行されているものとする。運転手は、ある断熱箱5内の全ての荷物の配送が完了した場合、その断熱箱5の温度管理を終了する作業を行う。図14(B)は、断熱箱5の温度管理を終了する際の処理を示すフローチャートである。この処理は、主としてポータブルスイッチ200と端末装置2xにより実行される。具体的には、運転手が1つの断熱箱5にポータブルスイッチ200を近づけると、ポータブルスイッチ200は、その断熱箱5に対応する子機IDを表示部201に表示し(ステップS221)、操作部202が押されたか否かを判定する(ステップS222)。操作部202が押されない場合(ステップS222:No)、処理はステップS221へ戻る。一方、操作部202が押された場合(ステップS222:Yes)、ポータブルスイッチ200は、子機IDと切替指示とを含む切替要求を送信する(ステップS223)。
切替要求は、親機3を経由して端末装置2xへ送られる。端末装置2xは、切替要求を受信すると、切替要求に含まれる子機IDに基づいて、対応する断熱箱5の温度管理状態を切り替える。この場合、その断熱箱5の温度管理が既に実行されている状態であるので、端末装置2xはその断熱箱5の温度管理を終了する(ステップS224)。
[3]実施形態の作用・効果
上記の実施形態によれば、子機7として、不特定多数の外部装置へ定期的に測定情報Scを発信するタイプの装置を使用した場合でも、ポータブルスイッチ200を断熱箱5へ近づけて操作部202を押すという単純な操作で、その断熱箱5のサーバ装置9又は端末装置2xによる温度管理状態を切り替えることができる。通常、断熱箱5内の全ての荷物の配送が終了した場合には、断熱箱5内に設けられた子機7の電源を切ることが多いが、その場合には以下のような不具合が生じうる。
上記の実施形態によれば、子機7として、不特定多数の外部装置へ定期的に測定情報Scを発信するタイプの装置を使用した場合でも、ポータブルスイッチ200を断熱箱5へ近づけて操作部202を押すという単純な操作で、その断熱箱5のサーバ装置9又は端末装置2xによる温度管理状態を切り替えることができる。通常、断熱箱5内の全ての荷物の配送が終了した場合には、断熱箱5内に設けられた子機7の電源を切ることが多いが、その場合には以下のような不具合が生じうる。
まず、子機7の電源を切ってしまうと、その後の温度データの記録を継続することができなくなる。現場での不正などを防ぐため、荷物の配送が完了した後でも断熱箱5の温度データを記録しておきたい場合がある。一方、全ての荷物の配送が完了した後でも子機の電源をオンしておくと、その後の温度データの記録を継続することはできるが、サーバ装置9側での温度管理を無効にしない限り不必要又は不適切な警告が発せられてしまう。
また、通常、断熱箱5は熱放射を防ぐために鋼箔などで覆われており、外部からの視認性が低い。断熱箱5の外部に子機IDや断熱箱IDなどの表示が無い場合には、子機7の電源をオフにするために対象となる断熱箱5を探す必要があるが、その際に、温度維持性能を維持するため、他の断熱箱5の開閉はなるべく行いたくない。
この点、本実施形態では、ポータブルスイッチ200を用いた単純な操作によりサーバ装置9又は端末装置2xでの温度管理を終了させることができ、かつ、子機7の電源自体はオフにならないので温度データの記録を継続することが可能となる。また、ポータブルスイッチ200を近づけることにより、断熱箱5を開閉することなく、目的の断熱箱5を容易かつ迅速に見つけることができる。
[4]変形例
上記の実施形態では、説明の便宜上、断熱箱5の外面にシールや印刷などによる子機IDの表示がないものとしているが、子機IDの表示があっても構わない。断熱箱5の外面に子機IDの表示がある場合でも、多数の断熱箱を積み重ねたり、近接させて積載している場合には、常に子機IDが見える状態であるとは限らず、ポータブルスイッチ200を用いて子機IDを取得する必要が生じることもある。また、子機IDのシールや印刷が見える場合でも、断熱箱5の内部に設置された子機が間違っていることもありうるため、ポータブルスイッチ200を用いて確認する意義がある。
上記の実施形態では、説明の便宜上、断熱箱5の外面にシールや印刷などによる子機IDの表示がないものとしているが、子機IDの表示があっても構わない。断熱箱5の外面に子機IDの表示がある場合でも、多数の断熱箱を積み重ねたり、近接させて積載している場合には、常に子機IDが見える状態であるとは限らず、ポータブルスイッチ200を用いて子機IDを取得する必要が生じることもある。また、子機IDのシールや印刷が見える場合でも、断熱箱5の内部に設置された子機が間違っていることもありうるため、ポータブルスイッチ200を用いて確認する意義がある。
1 配送車両
2、2x 端末装置
3 親機
5 断熱箱
7 子機
8 温度調整材
9 サーバ装置
100、100A、100x 温度管理システム
200 ポータブルスイッチ
2、2x 端末装置
3 親機
5 断熱箱
7 子機
8 温度調整材
9 サーバ装置
100、100A、100x 温度管理システム
200 ポータブルスイッチ
Claims (10)
- 荷物を収容する箱の内部温度を測定する子機と、前記子機が測定した内部温度に基づいて前記箱の温度を管理する管理装置と、前記子機が測定した内部温度を前記管理装置へ送信する通信装置と、を備える温度管理システムにおいて使用されるポータブルスイッチであって、
無線通信先の1つ又は複数の子機から子機識別情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した子機識別情報を表示する表示部と、
操作部と、
前記操作部が操作されたときに、前記表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切替えるための切替要求を送信する送信部と、
を備えることを特徴とするポータブルスイッチ。 - 前記受信部と通信中の子機のうち、最も電波強度の高い子機を特定し、当該子機の子機識別番号を前記表示部に表示させる制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載のポータブルスイッチ。
- 前記受信部と通信中の1つ又は複数の子機からの電波強度を記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された各子機の電波強度に基づいて、前記最も電波強度の高い子機を特定することを特徴とする請求項2に記載のポータブルスイッチ。 - 前記切替要求は、前記表示部に表示されている子機識別番号と、当該識別番号に対応する箱の温度管理状態を有効と無効との間で切替える切替指示とを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポータブルスイッチ。
- 荷物を収容する箱の内部温度を測定し、当該子機を示す子機識別情報及び前記内部温度を含む測定情報を外部へ送信する子機と、
前記子機から前記測定情報を受信し、管理装置へ送信する通信装置と、
前記通信装置から前記測定情報を受信して前記内部温度を記憶するとともに、前記内部温度が予め決定された許容温度帯内でない場合に、警告情報を出力する管理装置と、
前記子機と無線通信するポータブルスイッチと、
を備え、
前記ポータブルスイッチは、
無線通信先の1つ又は複数の子機から子機識別情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した子機識別情報を表示する表示部と、
操作部と、
前記操作部が操作されたときに、前記表示部に表示されている子機識別情報に対応する箱の温度管理状態を切替えるための切替要求を送信する送信部と、
を備えることを特徴とする温度管理システム。 - 前記ポータブルスイッチは、前記受信部と通信中の子機のうち、最も電波強度の高い子機を特定し、当該子機の子機識別番号を前記表示部に表示させる制御部を備えることを特徴とする請求項5に記載の温度管理システム。
- 前記子機は、前記ポータブルスイッチにより当該子機に対応する箱の温度管理状態が無効とされた後であっても、前記内部温度の測定及び送信を継続することを特徴とする請求項5又は6に記載の温度管理システム。
- 前記子機は、不特定多数の外部装置へ定期的に前記測定情報を送信することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の温度管理システム。
- 前記通信装置は前記子機と通信する親機及び前記親機と通信する端末装置であり、前記管理装置は前記端末装置と通信するサーバ装置であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の温度管理システム。
- 前記通信装置は前記子機と通信する親機であり、前記管理装置は前記親機と通信する端末装置であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の温度管理システム。
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