次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、プロセスカートリッジPCは、現像カートリッジ1と、現像剤カートリッジ2とを備えている。
現像カートリッジ1は、筐体11と、現像ローラ12と、供給ローラ13と、層厚規制ブレード14と、アジテータ15とを備えている。筐体11は、内部に現像剤を収容している。筐体11は、層厚規制ブレード14を支持するとともに、現像ローラ12、供給ローラ13およびアジテータ15を回転可能に支持している。
現像ローラ12は、図示せぬ感光体に形成される静電潜像に対して現像剤を供給するローラである。現像ローラ12は、軸方向に延びる軸を中心に回転可能となっている。
供給ローラ13は、筐体11内の現像剤を現像ローラ12に供給するローラである。層厚規制ブレード14は、現像ローラ12上の現像剤の厚さを規制する部材である。
アジテータ15は、軸方向に沿う第1軸X1を中心に回転可能な回転軸15Aと、回転軸15Aに固定される撹拌翼15Bとを備えている。筐体11は、回転軸15Aを回転可能に支持する。撹拌翼15Bは、回転軸15Aとともに回転して、筐体11内の現像剤を撹拌する。
現像剤カートリッジ2は、現像カートリッジ1に対して着脱可能となっている。現像剤カートリッジ2は、内部に現像剤を収容する筐体21と、筐体21内の現像剤を現像カートリッジ1に排出する搬送部材22とを備えている。搬送部材22は、軸方向に沿う軸を中心として回転可能となっており、回転することにより軸方向に沿って内部の現像剤を搬送可能となっている。具体的には、搬送部材22は、軸の周面に螺旋状の羽根を有するスクリューオーガである。搬送部材22の羽根は、回転軸と一体に形成されていても良いし、フィルム状の部材で回転軸と別部材で形成されていても良い。
筐体21は、筐体21内の現像剤を現像カートリッジ1に送るための排出口21Aを有している。現像カートリッジ1の筐体11は、排出口21Aと対面する受入口11Aを有している。排出口21Aと受入口11Aは、搬送部材22の下であって、かつ、搬送部材22の軸方向の一端側に位置している。これにより、搬送部材22が、軸方向の一端側に向けて現像剤を搬送すると、一端側に送られた現像剤が排出口21Aおよび受入口11Aを介して筐体11内に供給される。
また、搬送部材22は、図9(a)に示すように、搬送部材22を回転するための従動ギヤ22Gを有している。従動ギヤ22Gは、現像剤カートリッジ2が現像カートリッジ1に装着された状態において、現像カートリッジ1の後述する回転移動可能な第2ギヤG2から駆動力が伝達可能な位置に位置する。従動ギヤ22Gは、搬送部材22の軸に支持されている。
図2および図9(a)に示すように、現像カートリッジ1は、カップリングCPと、現像ギヤGdと、供給ギヤGsと、第4ギヤ40と、第1ギヤG1と、第2ギヤG2と、第3ギヤ30と、レバー50と、支持部材60と、第1バネS1と、第2バネS2とを備えている。また、現像カートリッジ1は、筐体11の軸方向一端側に取り付けられる第1カバーC1および第2カバーC2を備えている。第1カバーC1は、カップリングCPの一部を外部に露出させるとともに、カップリングCPの他部、現像ギヤGdおよび供給ギヤGsを外から覆っている。第2カバーC2は、第4ギヤ40、第1ギヤG1、第2ギヤG2、第3ギヤ30、レバー50、支持部材60、第1バネS1および第2バネS2を外から覆っている。
第1バネS1は、レバー50を回転方向に付勢するためのトーションバネである。第1バネS1は、コイル部S13と、コイル部S13の一端部から外側に延びる第1棒状部S11と、軸方向においてコイル部S13の一端部とは反対側の他端部から外側に延びる第2棒状部S12とを有している。第1バネS1のコイル部S13は、後述するレバー50の本体部54内に収容される。第1バネS1の第2棒状部S12は、筐体11の係合突起11Cに係合する。係合突起11Cは、第4ギヤ40を回転可能に支持するボス11Fの外周面から外側に突出するリブである。第1バネS1の第1棒状部S11は、後述するレバー50の第1アーム51に係合する。
第2バネS2は、第3ギヤ30を付勢するためのトーションバネである。第2バネS2は、コイル部S23と、コイル部S23の一端部から外側に延びる第1棒状部S21と、軸方向においてコイル部S23の一端部とは反対側の他端部から外側に延びる第2棒状部S22とを有している。第2バネS2のコイル部S23は、筐体11に形成される支持軸11Dに支持される。支持軸11Dは、筐体11から軸方向に突出している。第2バネS2の第2棒状部S22は、筐体11に形成される突出片11Eに係合する。第2バネS2の第1棒状部S21は、後述する第3ギヤ30の第1バネ係合部31Eまたは第2バネ係合部34に係合する。
カップリングCPは、軸方向に沿う軸を中心として回転可能となっている。カップリングCPは、画像形成装置の本体筐体に設けられたモータ等の駆動源から駆動力が入力されるように構成されている。カップリングCPは、カップリングギヤGcを有している。カップリングギヤGcは、カップリングCPと同軸でカップリングCPとともに回転する。
現像ギヤGdは、現像ローラ12を駆動するためのギヤである。現像ギヤGdは、現像ローラ12の回転軸の端部に固定される。現像ギヤGdは、カップリングギヤGcと噛み合っている。これにより、現像ギヤGdは、カップリングギヤGcから駆動力を受けて、現像ローラ12とともに回転する。
供給ギヤGsは、供給ローラ13を駆動するためのギヤである。供給ギヤGsは、供給ローラ13の回転軸の端部に固定される。供給ギヤGsは、カップリングギヤGcと噛み合っている。これにより、供給ギヤGsは、カップリングギヤGcから駆動力を受けて、供給ローラ13とともに回転する。
第4ギヤ40は、軸方向に延びる第4軸X4を中心に回転可能となっている。詳しくは、ボス11Fは、第4ギヤ40を回転可能に支持している。第4ギヤ40は、大径ギヤ41と、小径ギヤ42とを有している。大径ギヤ41は、軸方向において、筐体11の外面から小径ギヤ42よりも離れた位置に配置されている。大径ギヤ41は、第1ギヤG1の筐体11とは反対側の面に面している。大径ギヤ41は、カップリングギヤGcと噛み合っている。これにより、大径ギヤ41は、カップリングCPから駆動力を受けて、小径ギヤ42とともに第4軸X4を中心に回転する。
小径ギヤ42は、軸方向において筐体11と大径ギヤ41との間に位置している。小径ギヤ42は、大径ギヤ41よりも外径が小さい。図9(c)に示すように、小径ギヤ42は、第1ギヤG1と噛み合っている。これにより、第1ギヤG1は、小径ギヤ42から駆動力を受けて回転する。
第1ギヤG1は、軸方向に沿う第1軸X1を中心に回転可能となっている。第1ギヤG1は、アジテータ15の回転軸15Aに固定されている。言い換えると、アジテータ15の回転軸15Aは、第1ギヤG1を支持している。これにより、第1ギヤG1は、アジテータ15とともに回転する。
図9(a)および図2に示すように、第1ギヤG1は、周面に形成されるギヤ歯G11と、第2円筒部G12とを有している。第2円筒部G12は、第1ギヤG1の筐体11と向かい合う面とは反対側の面から軸方向に延びている。第2円筒部G12は、後述する支持部材60の一端部である第1円筒部61の内周面を回転可能に支持している。なお、第1円筒部61は、第1ギヤG1のギヤ歯G11の歯先円よりも内側に位置している。
第2円筒部G12は、軸方向において筐体11と大径ギヤ41との間に位置している。第2円筒部G12は、軸方向から見て大径ギヤ41と重なっている。第2円筒部G12は、第1軸X1(図9(c)参照)を中心とする円筒状に形成されている。
図9(c)に示すように、第2ギヤG2は、軸方向に延びる第2軸X2を中心に回転可能となっている。第2ギヤG2は、第1ギヤG1と噛み合っている。第2ギヤG2は、第1ギヤG1に対して第1軸X1を中心に回転移動可能となっている。詳しくは、第2ギヤG2は、図9(c)に示す第1位置と、図10(c)に示す第2位置との間を回転可能となっている。第2ギヤG2は、第1位置に位置するときに、従動ギヤ22Gから離間している。第2ギヤG2は、第2位置に位置するときに、従動ギヤ22Gと隣り合い、当該従動ギヤ22Gと噛み合っている。これにより、第2ギヤG2は、第2位置に位置するときに、従動ギヤ22Gに駆動力を出力することが可能となっている。
図9(a)および図2に示すように、支持部材60は、第1ギヤG1と第2ギヤG2とを回転可能に支持する部材である。支持部材60は、第2ギヤG2とともに第1軸X1(図9(c)参照)を中心に第1位置と第2位置との間を回転可能となっている。
図3(a)〜(c)に示すように、支持部材60は、第1円筒部61と、第1円筒部61から第1ギヤG1の径方向に延びる第1延出部62と、第1円筒部61および第1延出部62から第3ギヤ30(図9(a)参照)に向けて延びる第2延出部63とを有している。第1円筒部61は、第1ギヤG1の径方向において第1延出部62の一端部に設けられている。第1円筒部61は、第1軸X1を中心とする円筒状に形成されている。
第1延出部62は、第1円筒部61が設けられる一端部とは反対側の他端部に、円筒状の支持軸部62Aを有している。支持軸部62Aは、第1延出部62から軸方向内側に向けて突出している。支持軸部62Aは、第2ギヤG2を回転可能に支持している。第1延出部62は、周縁部に軸方向外側へ向けて突出するリブ62Bを有している。
第2延出部63は、後述するカム面31Dと接触可能な湾曲部63Aを有している。湾曲部63Aは、カム面31Dに沿うように湾曲している(図9(a)参照)。具体的には、湾曲部63Aは、第1円筒部61から離れるにつれて後述する第3軸X3から離れるように第1円筒部61から延びた後、第3軸X3に近づくように延びている。第2延出部63は、周縁部に軸方向内側へ向けて突出するリブ63Bを有している。リブ63Bの軸方向内側の端面は、第1延出部62のリブ62Bの端面と対面し、当該リブ62Bに連結されている。これにより、第2延出部63は、第1延出部62よりも軸方向外側に位置している。
図9(a)に示すように、第3ギヤ30は、軸方向に延びる第3軸X3を中心に回転可能となっている。第3ギヤ30は、第2ギヤG2を第1位置と第2位置とに移動させるカム31を有している。第3ギヤ30とカム31は、一部品で構成され、ともに第3軸X3を中心に回転可能となっている。
詳しくは、図4(a),(b)に示すように、第3ギヤ30は、第3軸X3を中心とする回転軸32と、第3軸X3を中心とする円板状の円板部33と、円板部33から軸方向外側に突出するカム31と、円板部33から軸方向外側に突出する第2バネ係合部34とを一体に有している。筐体11は、回転軸32を回転可能に支持している。円板部33は、回転軸32の軸方向の中央部から径方向外側に延びている。
第2バネ係合部34は、第2バネS2の第1棒状部S21(図10(a)参照)と係合可能な部位である。第2バネ係合部34は、円板部33の筐体11と向かい合う面とは反対側の面から突出している。第2バネ係合部34は、カム31から第3ギヤ30の回転方向に離れて位置している。詳しくは、第2バネ係合部34は、第3軸X3に対してカム31とは反対側に位置している。第2バネ係合部34は、第3ギヤ30の回転方向に延びる第4部位34Aと、第4部位34Aの回転方向の一端部から第3軸X3側に延びる第5部位34Bと、第4部位34Aの回転方向の他端部から第3軸X3側に延びる第6部位34Cとを有している。
第4部位34Aは、第6部位34Cから略回転方向に沿って延びた後、第5部位34Bに向けて円弧状に屈曲している。第5部位34Bおよび第6部位34Cは、回転軸32に連結されている。第4部位34Aは、第3ギヤ30の径方向において、第3ギヤ30の後述するギヤ歯部35の歯先よりも内側に位置している。
カム31は、円板部33の筐体11と向かい合う面とは反対側の面から突出している。カム31の軸方向における長さは、第2バネ係合部34の軸方向における長さよりも長くなっている。カム31は、第3ギヤ30の回転方向に延びる第1部位31Aと、第1部位31Aの回転方向の一端部から第3軸X3側に延びる第2部位31Bと、第1部位31Aの回転方向の他端部から第3軸X3側に延びる第3部位31Cと、を有している。
第1部位31Aは、第3部位31Cから略回転方向に沿って延びた後、第2部位31Bに向けて円弧状に屈曲している。第2部位31Bおよび第3部位31Cは、回転軸32に連結されている。そして、第1部位31Aの外周面は、支持部材60(図9(a)参照)と接触可能なカム面31Dとなっている。第1部位31Aは、第3ギヤ30の径方向において、第3ギヤ30の後述するギヤ歯部35の歯先よりも内側に位置している。
詳しくは、図9(a)に示すように、カム31(カム面31D)は、第2ギヤG2が第1位置に位置するときに支持部材60の湾曲部63Aと接触する。また、図10(a)に示すように、カム31は、第2ギヤG2が第2位置に位置するときに支持部材60から離間している。なお、支持部材60は、回転するカム31に押圧されることで第2ギヤG2とともに第2位置から第1位置に移動する。また、第1位置に位置する支持部材60は、カム31が支持部材60から離間する方向に回転していくことで、カム31で支持されながら第2ギヤG2とともに第1位置から第2位置に移動する。
また、支持部材60がカム31と接触しているときの第2軸X2と第3軸X3との間の距離は、支持部材60がカム31と離間しているときの第2軸X2と第3軸X3との間の距離よりも長くなっている。言い換えると、第1位置に配置されている第2ギヤG2は、第2位置に配置されている第2ギヤG2よりも、第3軸X3から離れた位置にある。より詳しくは、第2ギヤG2が第1位置であるときの第2軸X2と第3軸X3との間の距離は、第2ギヤG2が第2位置であるときの第2軸X2と第3軸X3との間の距離よりも長くなっている。
図4(a),(b)に示すように、カム31は、円板部33側の端部に、第2バネS2(図9(a)参照)と係合可能な第1バネ係合部31Eを有している。第1バネ係合部31Eは、軸方向の長さが、第2バネ係合部34と同じ長さとなる部分であり、便宜上、ハッチで図示している。
ここで、前述した支持部材60の第2延出部63と円板部33間の距離は、第1バネ係合部31Eおよび第2バネ係合部34の軸方向の長さよりも大きくなっている。これにより、図9(a)および図10(a)に示すように、第1バネ係合部31Eまたは第2バネ係合部34を付勢する第2バネS2が、第2延出部63よりも軸方向内側に配置されて、第2延出部63と干渉しないようになっている。
図5(a),(b)に示すように、第3ギヤ30は、周面にギヤ歯部35と、欠け歯部36とを有している。ギヤ歯部35および欠け歯部36は、円板部33から軸方向内側に突出している。詳しくは、ギヤ歯部35は、円板部33から軸方向内側に突出する円筒部38の周面に形成されている。また、欠け歯部36は、円筒部38の周面を構成している。円筒部38は、回転軸32と同軸であり、回転軸32よりも大径となっている。
ギヤ歯部35は、第1ギヤ歯部35Aと、第2ギヤ歯部35Bとを含んで構成されている。第1ギヤ歯部35Aは、第3軸X3に対して第2ギヤ歯部35Bとは反対側に位置している。第1ギヤ歯部35Aの一部は、第3ギヤ30の回転方向における第1バネ係合部31Eと第2バネ係合部34との間に位置している。第2ギヤ歯部35Bの一部は、第3ギヤ30の回転方向における第1バネ係合部31Eと第2バネ係合部34との間に位置している。
第1ギヤ歯部35Aおよび第2ギヤ歯部35Bは、第1ギヤG1(図9(c)参照)と噛み合い可能な位置に位置している。言い換えると、第1ギヤ歯部35Aおよび第2ギヤ歯部35Bの歯先円は、第1ギヤG1のギヤ歯G11の歯先円に重なっている。第1ギヤ歯部35Aは、第2ギヤG2が第1位置(図9(a)の位置)から第2位置(図10(a)の位置)に回転移動する際に、第1ギヤG1と噛み合う。第2ギヤ歯部35Bは、第2ギヤG2が第2位置(図10(a)の位置)から第1位置(図9(a)の位置)に回転移動する際に、第1ギヤG1と噛み合う。このように第1ギヤ歯部35Aまたは第2ギヤ歯部35Bが第1ギヤG1と噛み合うことで、第1ギヤG1から第3ギヤ30に駆動力が伝達され、カム31が所定角度(略180°)だけ回転するようになっている。
欠け歯部36は、第1欠け歯部36Aと、第2欠け歯部36Bとを含んで構成されている。第1欠け歯部36Aは、第3軸X3に対して第2欠け歯部36Bとは反対側に位置している。言い換えると、第3ギヤ30の回転方向において、第1欠け歯部36Aまたは第2欠け歯部36Bは、第1ギヤ歯部35Aと第2ギヤ歯部35Bとの間に位置している。
第1欠け歯部36Aは、第3ギヤ30の回転方向における第1バネ係合部31Eと第2バネ係合部34との間に位置している。第2欠け歯部36Bは、第3ギヤ30の回転方向における第1バネ係合部31Eと第2バネ係合部34との間に位置している。
図9(c)に示すように、第1欠け歯部36Aは、第2ギヤG2が第1位置に位置するときに第1ギヤG1と対向する。図10(c)に示すように、第2欠け歯部36Bは、第2ギヤG2が第2位置に位置するときに第1ギヤG1と対向する。
つまり、第3ギヤ30は、第1ギヤG1とギヤ歯部35とが噛み合う第3位置と、欠け歯部36と第1ギヤG1とが向かい合う第4位置とに回転可能となっている。ここで、第3位置は、第1ギヤG1が第1ギヤ歯部35Aまたは第2ギヤ歯部35Bのいずれかのギヤ歯に噛み合う任意の位置を意味する。また、第4位置は、第1ギヤG1が第1欠け歯部36Aまたは第2欠け歯部36Bに対向する任意の位置を意味する。そして、第3ギヤ30は、第3位置に位置するときに、第1ギヤG1から駆動力を受け、第4位置に位置するときに第1ギヤG1から伝達される駆動力が遮断されるようになっている。
図5(a),(b)に戻って、第3ギヤ30は、突出部37を有している。突出部37は、第2ギヤ歯部35Bの軸方向内側に位置している。言い換えると、突出部37は、軸方向において筐体11とギヤ歯部35との間に配置されている。突出部37は、回転軸32の周面から径方向外側に向けて突出している。突出部37は、第2ギヤ歯部35Bの歯先円よりも径方向内側に位置している。
突出部37は、第3ギヤ30の回転方向に延びる第7部位37Aと、第7部位37Aの回転方向の一端部から第3軸X3側に延びる第8部位37Bと、第7部位37Aの回転方向の他端部から第3軸X3側に延びる第9部位37Cとを有している。第7部位37Aは、第3軸X3を中心とする円弧状に形成されている。第8部位37Bおよび第9部位37Cは、回転軸32に連結されている。
図2に示すように、筐体11は、第1軸X1を中心として軸方向に延びる円筒状の円筒部11Bを有している。円筒部11Bは、アジテータ15の回転軸15Aを囲むように形成されている。円筒部11Bは、レバー50を回転可能に支持している。レバー50は、軸方向において第1ギヤG1と筐体11との間に配置されている。また、レバー50は、軸方向において大径ギヤ41と筐体11との間に配置されている。
図6(a)〜(c)に示すように、レバー50は、第1軸X1を中心にして第5位置(図9(b)の位置)と、第6位置(図10(b)の位置)との間を回転可能となっている。レバー50は、第1軸X1を中心とする円筒状の本体部54と、本体部54とともに回転可能な第1アーム51、第2アーム52および第3アーム53とを有している。
本体部54は、第1軸X1を中心としたリング状の板状部54Aと、板状部54Aの内周縁部から軸方向外側に突出する円筒状の内周フランジ部54Bと、板状部54Aの外周縁部から軸方向外側に突出する円弧状の第1外周フランジ部54Cおよび第2外周フランジ部54Dとを有している。内周フランジ部54Bの外周面と各外周フランジ部54C,54Dの内周面との間の空間は、図2に示す第1バネS1のコイル部S13を収容するための収容空間となっている。
第1外周フランジ部54Cは、第1軸X1に対して第2外周フランジ部54Dとは反対側に位置している。第1外周フランジ部54Cの回転方向の両端部は、第3アーム53からレバー50の回転方向に離れている。第1外周フランジ部54Cの回転方向の一端部は、回転方向において第1アーム51と第2アーム52との間に位置している。第1外周フランジ部54Cの軸方向外側の端面は、軸方向内側に凹む凹部54Eを有している。凹部54E内の空間は、図2に示す第1バネS1の第1棒状部S11が挿通される空間となっている。凹部54Eは、第1アーム51の後述するバネ掛け部51Dに径方向で対面している。第1バネS1の第1棒状部S11は、凹部54E内を通ってバネ掛け部51Dに係合する。これにより、第1バネS1は、レバー50を第6位置から第5位置に向けてレバー50の回転方向に付勢している(図9(b)、図10(b)参照)。
第2外周フランジ部54Dは、第3アーム53の基端部から第2アーム52の基端部まで回転方向に沿って延びている。第2外周フランジ部54Dの回転方向の一端部、詳しくは第2アーム52とは反対側の端部と、第1外周フランジ部54Cとの間の空間は、図2に示す第1バネS1の第2棒状部S12が挿通される空間となっている。
また、板状部54Aの軸方向内側の面は、軸方向内側に向けて突出する回転規制部54Fを有している。回転規制部54Fは、筐体11に形成された図示せぬ円弧状の溝内に位置している。そして、回転規制部54Fの移動が筐体11の溝の各端部で規制されることで、レバー50が第5位置または第6位置に規制されている。
第1アーム51は、レバー50が第5位置に位置するときに、本体部54から第3ギヤ30に向かって延びている(図9(b)参照)。第1アーム51は、第1軸X1に直交した板状部51Aと、板状部51Aの本体部54とは反対側の端部から軸方向外側に突出する第1係合部51Bと、第1係合部51Bと本体部54の第1外周フランジ部54Cとを連結する連結部51Cとを有している。
第1係合部51Bは、第1軸X1と直交し、かつ、第1軸X1を通る第1直線L1に直交する面51Fを含む板状となっている。第1係合部51Bの面51Fは、第1係合部51Bのうち、本体部54の径方向内側の面である。第1係合部51Bの面51Fは、図9(b)に示すように、レバー50が第5位置に位置するときに、第3ギヤ30の突出部37と係合可能となっている。つまり、第1係合部51Bは、レバー50が第5位置に位置するときに、突出部37の回転軌跡内に位置している。また、第1係合部51Bは、図10(b)に示すように、レバー50が第6位置に位置するときに、突出部37の回転軌跡外に位置している。
そして、突出部37が第1係合部51Bに係合した状態では、図9(c)に示すように、第3ギヤ30の第1欠け歯部36Aが第1ギヤG1と対向している。つまり、第1係合部51Bは、第3ギヤ30が第1ギヤG1から伝達される駆動力が遮断された第4位置であるときに突出部37と係合している。これにより、第3ギヤ30が、第1ギヤG1から駆動力が伝達されない状態に維持される。
また、第1係合部51Bが突出部37と係合しているときには、図9(a)に示すように、第2バネS2は、第1バネ係合部31Eと接触している。これにより、第2バネS2は、突出部37が第1係合部51Bに近づく向きに第3ギヤ30を回転方向に付勢している。この際、突出部37から付勢力を受ける第1係合部51Bの面51Fが、前述した第1直線L1に直交しているため、第1係合部51Bに加わる付勢力は、第1直線L1に沿った方向に働く。これにより、付勢力が、レバー50を回転させる方向には働かないので、付勢力によるレバー50の回動を抑えることが可能となっている。
また、突出部37が第1係合部51Bに係合した状態では、図9(a)に示すように、カム31が第3軸X3よりも上の位置に保持され、第2ギヤG2が第1位置に位置している。
図6(a)〜(c)に戻って、連結部51Cは、板状部51Aの回転方向の端部から軸方向外側に突出している。連結部51Cは、径方向の略中央部に、板状部51Aとは反対側に向けて延びるバネ掛け部51Dを有している。
第2アーム52は、レバー50が第6位置に位置するときに、本体部54から第3ギヤ30に向かって延びている(図10(b)参照)。第2アーム52は、第1軸X1に直交した板状部52Aと、板状部52Aの本体部54とは反対側の端部から軸方向外側に突出する第2係合部52Bと、第2係合部52Bと本体部54の第2外周フランジ部54Dとを連結する連結部52Cとを有している。板状部52Aと板状部51Aは、本体部54から径方向外側に突出する連結板状部55によって連結されている。
第2係合部52Bは、第1軸X1と直交し、かつ、第1軸X1を通る第2直線L2に直交する面52Fを含む板状となっている。第2係合部52Bの面52Fは、第2係合部52Bのうち、本体部54の径方向外側の面である。第2係合部52Bの面52Fは、図10(b)に示すように、レバー50が第6位置に位置するときに、第3ギヤ30の突出部37と係合可能となっている。つまり、第2係合部52Bは、レバー50が第6位置に位置するときに、突出部37の回転軌跡内に位置している。また、第2係合部52Bは、図9(b)に示すように、レバー50が第5位置に位置するときに、突出部37の回転軌跡外に位置している。
そして、突出部37が第2係合部52Bに係合した状態では、図10(c)に示すように、第3ギヤ30の第2欠け歯部36Bが第1ギヤG1と対向している。つまり、第2係合部52Bは、第3ギヤ30が第1ギヤG1から伝達される駆動力が遮断された第4位置であるときに突出部37と係合している。これにより、第3ギヤ30が、第1ギヤG1から駆動力が伝達されない状態に維持される。
また、第2係合部52Bが突出部37と係合しているときには、図10(a)に示すように、第2バネS2は、第2バネ係合部34と接触している。これにより、第2バネS2は、突出部37が第2係合部52Bに近づく向きに第3ギヤ30を回転方向に付勢している。この際、突出部37から付勢力を受ける第2係合部52Bの面52Fが、前述した第2直線L2に直交しているため、第2係合部52Bに加わる付勢力は、第2直線L2に沿った方向に働く。これにより、付勢力が、レバー50を回転させる方向には働かないので、付勢力によるレバー50の回動を抑えることが可能となっている。
また、突出部37が第2係合部52Bに係合した状態では、図10(a)に示すように、カム31が第3軸X3よりも下の位置に保持され、第2ギヤG2が第2位置に位置している。
図6(a)〜(c)に戻って、第3アーム53は、第1延出部53Aと、第2延出部53Bと、第3延出部53Cと、受け部53Dとを有している。第1延出部53Aは、本体部54から第1アーム51とは反対側に向かって延びた後、第5位置から第6位置に向かう第1方向に延びている。第1延出部53Aは、第1軸X1に直交する板状部と、板状部から軸方向外側に突出する複数のリブとを有している。
第2延出部53Bは、第1延出部53Aの端部から軸方向外側および径方向外側に向けて延びている。第2延出部53Bは、断面視L形状に形成されている。
第3延出部53Cは、第2延出部53Bの端部から前記第1方向とは反対側に向けて延びている。第3延出部53Cは、断面視L形状に形成されている。
受け部53Dは、第3延出部53Cの端部から径方向外側に延びている。受け部53Dは、外部から力を受けるように構成されている。詳しくは、受け部53Dは、画像形成装置本体に設けられる駆動レバーDL(図10(a)参照)から力を受けるように構成されている。
受け部53Dから第1軸X1までの距離は、第1係合部51Bから第1軸X1までの距離よりも長くなっている。また、受け部53Dから第1軸X1までの距離は、第2係合部52Bから第1軸X1までの距離よりも長くなっている。
図7(a),(b)に示すように、第2カバーC2は、現像剤カートリッジ2に設けられた突起23(図8(a)参照)をガイドするガイド部C21を有している。ここで、突起23は、一方向に長い長尺状に形成されている。突起23の長手方向における中央部は、前述した搬送部材22(図1参照)の回転軸に位置している。
ガイド部C21は、突起23を長手方向に沿って案内する第1ガイド部C22,C23と、突起23が搬送部材22の回転軸を中心にして回転するのを案内する第2ガイド部C24,C25と、突起23の回転を規制する第3ガイド部C26,C27とを有している。第1ガイド部C22,C23のガイド面は、第3ガイド部C26,C27のガイド面に対して直角となっている。
このようにガイド部C21が構成されることで、現像剤カートリッジ2は、現像カートリッジ1に対して、図8(a),(b)に示す向きで挿入された後、90°回転されることで、図8(c)に示す向きで装着される。
次に、プロセスカートリッジPCの動作について説明する。
図1に示すように、搬送部材22を回転させずに、現像ローラ12、供給ローラ13およびアジテータ15を回転させたい場合には、図9(a)に示すように、画像形成装置本体の駆動レバーDLをレバー50から離間した位置に配置する。これにより、レバー50は、第1バネS1の付勢力により第5位置に位置することになる。
この際、図9(b)に示すように、第3ギヤ30の突出部37は、レバー50の第1係合部51Bに係合している。また、図9(c)に示すように、第3ギヤ30の第1欠け歯部36Aが第1ギヤG1に対向している。さらに、図9(a)に示すように、支持部材60は、カム31によって持ち上げられている。これにより、第2ギヤG2が第1位置に位置する。
このように各部材が配置されることで、画像形成装置本体からカップリングCPに入力された駆動力は、現像ギヤGdおよび供給ギヤGsに直接伝達されるとともに、第4ギヤ40を介して第1ギヤG1に伝達される。なお、第2ギヤG2は、従動ギヤ22Gから離間した状態で空転する。これにより、搬送部材22が回転することなく、現像ローラ12、供給ローラ13およびアジテータ15のみを回転することができる。
この状態から駆動レバーDLを図12(b)に示す位置まで回転させると、駆動レバーDLによってレバー50の第3アーム53が第1バネS1の付勢力に抗して押されて、レバー50が第5位置から第6位置に回転する。これにより、レバー50の第1係合部51Bが突出部37から外れる。
第1係合部51Bが突出部37から外れると、図12(a)に示すように、第2バネS2の付勢力によって第3ギヤ30が図示反時計回りに回転する。これにより、図12(c)に示すように、第3ギヤ30の第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合う。
第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合うと、図13(c)に示すように、第1ギヤG1から駆動力が伝達されて第3ギヤ30がさらに回転する。これにより、図13(a)に示すように、カム31が支持部材60から離れる方向に回転する。
このようにカム31が回転すると、カム31で支持されていた支持部材60が第1位置から第2位置に回転する。詳しくは、支持部材60は、第1ギヤG1と摩擦係合することで、第1ギヤG1の回転方向と同じ方向に回転する。
このような支持部材60の回転により、支持部材60で支持されている第2ギヤG2も第1位置から第2位置に回転する。これにより、第2ギヤG2が従動ギヤ22Gと噛み合い、搬送部材22が回転する。
その後、第3ギヤ30がさらに回転することにより、第2バネ係合部34が第2バネS2の第1棒状部S21に接触して第1棒状部S21を図示上方に押圧する。なお、第2バネ係合部34の回転方向下流側の部分で第1棒状部S21を押していく最初の段階では、第2バネ係合部34は、第2バネS2の付勢力に抗して第1棒状部S21を押し上げていく。そして、第2バネ係合部34の回転方向上流側の部分が第1棒状部S21に接触すると、第2バネS2の付勢力が第2バネ係合部34に対して回転方向下流側に働くようになっている。
図14(c)に示すように、第3ギヤ30の第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1から外れると、第1ギヤG1から第3ギヤ30への駆動力の伝達が切れる。この際、図14(a)に示すように、第2バネS2が第2バネ係合部34を回転方向下流側に付勢した状態となっているので、第3ギヤ30は第2バネS2の付勢力によって若干回転し、図14(b)に示すように突出部37がレバー50の第2係合部52Bに係合する。これにより、図14(a)に示すように、第3ギヤ30の回転が止まって、カム31が支持部材60から離れた位置に保持されるので、第2ギヤG2は第2位置に維持される。
なお、図14(a)〜(c)の状態から駆動レバーDLを元の位置(図9(a)の位置)に戻す場合の動作は、図12〜図14で示したような動作と略同じ動作であるため、同じ動作については説明を省略する。駆動レバーDLを元の位置(図9(a)の位置)に戻すと、レバー50は、第1バネS1の付勢力によって第6位置から第5位置に戻る。これにより、第2係合部52Bが突出部37から外れて、前述した動作と同様の動作によってカム31が図9(a)の位置まで回転して止まる。このように回転するカム31によって支持部材60が押圧されて回転することで、第2ギヤG2が第2位置から第1位置に移動する。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
現像カートリッジ1に設けた移動可能な第2ギヤG2を、カップリングCPの駆動力を用いて移動させることができる。
第2ギヤG2は、カップリングCPからの駆動力で回転するカム31によって第1位置と第2位置とに移動する。したがって、例えば大きな力を発生する大型のソレノイドを現像カートリッジに設け、ソレノイドによって第2ギヤを移動させる構造に比べ、カップリングCPに入力される駆動力を活用して、コストの低下を図ることができる。
支持部材60は、第1ギヤG1と第2ギヤG2を支持する。第2ギヤG2は、第1ギヤG1と噛み合った状態で支持部材40とともに、第1軸Xを中心として第1位置と第2位置との間を回転する。これにより、第2ギヤG2は、第1ギヤG1との間の距離を保ちながら、第1ギヤG1が回転した状態で、第1位置と第2位置との間を移動する。従って、第2ギヤG2は、搬送部材22に対して駆動力の伝達または解除を行うことができる。また、例えば、2つのギヤの間のギヤを軸方向に移動して駆動力の伝達または解除を行う構造に比べ、第2ギヤG2は、第1軸X1を中心に回転するので、搬送部材22に対して駆動力の伝達または解除を確実に行うことができる。
カム面31Dは、支持部材60と接触する。支持部材40は、カム面31Dと接触した状態でカム面31Dに対して移動しない。従って、例えばカム面を第2ギヤに接触させる構造に比べ、カム面31Dの摩耗を抑えることができる。
カム31と第3ギヤ30を一部品で構成したので、例えばカムと第3ギヤを別体とする構造に比べ、構造を簡易化することができる。
ギヤ歯部35が第1ギヤG1と噛み合うときに、カム31が第1ギヤG1から駆動力を受けて回転するので、カム31によって第2ギヤG2を第1位置または第2位置に良好に移動させることができる。また、欠け歯部36が第1ギヤG1と対向しているときに、カム31が第1ギヤG1から駆動力を受けないので、カム31によって第2ギヤG2を第1位置または第2位置に保持することができる。すなわち、一方向に回転する第3ギヤ30を利用して、第2ギヤG2を第1位置と第2位置に保持することができる。
レバー50は、第1ギヤG1と同軸に配置される。これにより、第1ギヤG1と噛み合う第4ギヤ40を配置するスペースを設けることができる。従って、現像カートリッジ1の小型化を図ることができる。
突出部37から第1係合部51Bの面51Fに加わる力が、第1軸X1と直交する第1直線L1に沿った方向に働くので、突出部37からの力によってレバー50が揺動するのを抑えることができる。
突出部37から第2係合部52Bの面52Fに加わる力が、第1軸X1と直交する第2直線L2に沿った方向に働くので、突出部37からの力によってレバー50が揺動するのを抑えることができる。
レバー50と第3ギヤ30の係合を解除すると、第2バネS2の付勢力によって第3ギヤ30が回転するので、ギヤ歯部35と第1ギヤG1を確実に係合させることができる。
カム31が第1バネ係合部31Eを有するので、カム31に、第2ギヤG2を回転させる機能と第2バネS2と係合する機能の2つの機能を持たせることができる。
カム面31Dを有する第1部位31Aの回転方向両端部に第3軸線X3に向かって延びる第2部位31Bおよび第3部位31Cを設けたので、カム面31Dを、第2部位31Bおよび第3部位31Cにより補強することができる。
第1バネ係合部31Eと、第1バネ係合部31Eから回転方向に離れた第2バネ係合部34とを設けたので、第3ギヤ30の向きが変わっても、第2バネS2が第1バネ係合部31Eおよび第2バネ係合部34のいずれかを付勢することができる。
第2バネ係合部34を、第4部位34Aと、第3軸線X3に向かって延びる第5部位34Bおよび第6部位34Cとで構成したので、第2バネ係合部34の剛性を高くすることができる。
カム31の軸方向の長さを第2バネ係合部34の軸方向の長さよりも長くしたので、第2バネ係合部34の軸方向の一方側に支持部材60を配置することができる。従って、支持部材40は、第2バネ係合部34と接触することなく、カム31のカム面31Dと接触することができる。
受け部53Dから第1軸X1までの距離を、第1係合部51Bから第1軸X1までの距離よりも長くしたので、受け部53Dに加わる力が小さくても、てこの原理により、第1係合部51Bを容易に揺動させることができる。
受け部53Dから第1軸X1までの距離を、第2係合部52Bから第1軸X1までの距離よりも長くしたので、受け部53Dに加わる力が小さくても、てこの原理により、第2係合部52Bを容易に揺動させることができる。
第1ギヤG1が支持部材60の一端部を支持するので、例えば第1ギヤが支持部材の中央部を支持する構造と比べ、支持部材60を小型化することができる。
支持部材60の一端部が第1ギヤG1のギヤ歯G11の歯先円よりも内側に位置しているので、例えば支持部材の一端部が第1ギヤのギヤ歯の歯先円よりも外側にはみ出す構造に比べ、第1ギヤG1付近に配置される他の部品と支持部材60の一端部との干渉を抑えることができる。
レバー50が第1ギヤG1と筐体11との間に配置されているので、第1ギヤG1の筐体11とは反対側に、他の部品(第4ギヤ40の大径ギヤ41)を配置することができる。
レバー50を筐体11と大径ギヤ41との間に配置することで、筐体11と大径ギヤ41との間のスペースを有効活用することができるので、現像カートリッジ1を小型化することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、第2ギヤG2が第1位置(従動ギヤ22Gから離間した位置)に位置するときにカム31が支持部材60に接触し、第2ギヤG2が第2位置(従動ギヤ22Gに噛み合う位置)に位置するときにカム31が支持部材60から離間しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図15(a)〜(c)に示すように、第2ギヤG2が従動ギヤ22Gから離間しているときにカム31が支持部材600から離間し、図16(a)〜(c)に示すように、第2ギヤG2が従動ギヤ22Gと噛み合うときにカム31が支持部材600と接触してもよい。ここで、この形態に係る支持部材600は、前記実施形態の支持部材60とは形状が大きく異なるが、第1軸X1を中心にして回転するための構造や、第1ギヤG1と第2ギヤG2とを回転可能に支持する構造については同様であるため、構造の詳細な説明は省略する。なお、その他の部材も、多少の形状の違いはあるが、各部材の機能を実現するための構造自体は、前記実施形態と同様であるため、説明は省略する。
この構造では、駆動レバーDLを図15(a)の位置から図16(a)の位置へ回転させると、レバー50が第5位置から第6位置に回転して、第1係合部51Bが突出部37から外れる。これにより、第3ギヤ30が、第2バネS2の付勢力によって回転して、第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合う。
第1ギヤ歯部35Aが第1ギヤG1と噛み合うと、第3ギヤ30が第1ギヤG1から駆動力を受けて図示時計回りに回転する。これにより、カム31が図示下側の位置から図示上側の位置に向けて回転する。そして、カム31が支持部材600に接触すると、支持部材600はカム31によって押し上げられて、第2ギヤG2とともに第1位置に移動する。
図16(c)に示すように、第2欠け歯部36Bが第1ギヤG1に対向すると、第1ギヤG1から第3ギヤG3への駆動力の伝達が遮断される。その後、第2バネS2が第1バネ係合部31Eを付勢することで、図16(b)に示すように、突出部37が第2係合部52Bに係合して、第3ギヤ30の回転が止められてカム31が支持部材600を支持した位置で維持される。
駆動レバーDLを図16(a)の位置から図15(a)の位置へ回転させると、第1バネS1の付勢力によってレバー50が第6位置から第5位置に回転して、第2係合部52Bが突出部37から外れる。これにより、カム31が支持部材600から離間する方向に回転する。このようなカム31の回転により、カム31で支持されている支持部材600が徐々に図示下方に回転していき、第2ギヤG2が図15(a)に示す第2位置に移動する。なお、支持部材600は、第2位置において図示せぬ保持部材によって第2位置に保持される。
図15(c)に示すように、第1欠け歯部36Aが第1ギヤG1に対向すると、第1ギヤG1から第3ギヤG3への駆動力の伝達が遮断される。その後、第2バネS2が第2バネ係合部34を付勢することで、図15(b)に示すように、突出部37が第1係合部51Bに係合して、第3ギヤ30の回転が止められてカム31が支持部材600から離間した位置で維持される。つまり、支持部材600が第2ギヤG2とともに第2位置に位置するときには、カム31は支持部材600から離間している。
前記実施形態では、カム31を支持部材60に接触・離間させることで第2ギヤG2を第1位置と第2位置とに移動させたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図17(a)に示すように、第3バネS3で支持部材60および第2ギヤG2を第1位置に保持し、図18(a)に示すように、第3バネS3による支持を第3ギヤ30に設けたカム31によって解除することで、支持部材60および第2ギヤG2を第2位置に移動させてもよい。
具体的に、この構造では、前記実施形態の第3ギヤ30から第2バネ係合部34を取り除き、前記実施形態の第2バネS2の代わりに第3バネS3を設けている。第3バネS3は、トーションバネである。第3バネS3は、コイル部S33と、コイル部S33の一端部から外側に延びる第1棒状部S31と、コイル部S33の他端部から外側に延びる第2棒状部S32とを有している。コイル部S33は、筐体11に支持されている。第2棒状部S32は、筐体11に係合している。第1棒状部S31は、第1位置に位置する支持部材60に接触している。第1棒状部S31の一部は、カム31の回転軌跡内に位置している。
この構造では、駆動レバーDLを図17(a)の位置から図18(a)の位置へ回転させると、レバー50が第5位置から第6位置に回転して、第1係合部51Bが突出部37から外れる。これにより、第3ギヤ30が回転して、カム31が図示反時計回りに回転する。
図18(a)に示すように、回転するカム31が第3バネS3の第1棒状部S31に接触すると、第1棒状部S31がカム31で押圧されることによって図示時計回りに回動する。これにより、第1棒状部S31での支持部材60の支持が解除され、支持部材60が第2ギヤG2とともに第1位置から第2位置に移動する。
駆動レバーDLを図18(a)の位置から図17(a)の位置へ回転させると、レバー50が第6位置から第5位置に回転して、第2係合部52Bが突出部37から外れる。これにより、第3ギヤ30が回転して、カム31が第1棒状部S31から離れる方向に向けて回転する。
これにより、第1棒状部S31がその付勢力によって図17(a)に示す位置に向けて戻っていく。この動作の途中において、第1棒状部S31が支持部材60に接触すると、第1棒状部S31によって支持部材60が図示反時計回りに押圧される。これにより、支持部材60が第2ギヤG2とともに第1位置に移動する。
前記実施形態では、現像剤カートリッジ2が着脱可能となる現像カートリッジ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現像カートリッジに現像剤カートリッジが一体に形成されていてもよい。詳しくは、現像カートリッジは、内部に現像剤を収容する第1収容部と、第1収容部内の現像剤を受ける第2収容部と、第1収容部内に設けられ、第1収容部内の現像剤を前記第2収容部に向けて搬送するように構成された搬送部材と、搬送部材を回転するための従動ギヤと、を有していてもよい。この場合、第2ギヤは、第2位置に位置するときに従動ギヤと噛み合うように構成することができる。
なお、図21に示すように、現像カートリッジ1は、現像ローラ12から現像剤が供給される感光ドラムPDをさらに備えていてもよい。
突出部37の形状は、前記実施形態に限定されず、例えば図19(a),(b)に示すような形状としてもよい。具体的に、図19(a)に示すように、この形態に係る突出部370は、前記実施形態と略同様の第7部位37A、第8部位37Bおよび第9部位37Cを有している。第7部位37Aの外周面は、回転軸32に向けて凹む凹部371を有している。凹部371は、第1係合部51Bと係合可能な大きさとなっている。凹部371から第3ギヤ30の回転方向上流側に配置される第9部位37Cまでの距離は、凹部371から、回転方向下流側の第8部位37Bまでの距離よりも大きくなっている。
ここで、現像カートリッジ1が新品の状態において外部から力を受けた際には、レバー50が僅かに図示時計回りに回動した後、第1バネS1の付勢力により元の位置に戻るように動くことがある。この場合、レバー50の図示時計回りへの回動により、第1係合部51Bが突出部370の第8部位37Bから外れると、第3ギヤ30が第2バネS2の付勢力により図示反時計回りに回動してしまう。しかし、レバー50が第1バネS1の付勢力により元の位置に戻るように回動すると、第1係合部51Bが凹部371の中に入り込むので、第3ギヤ30の意図せぬ回動を抑えることができる。
前記実施形態では、第1ギヤ歯部35Aおよび第2ギヤ歯部35Bを複数のギヤ歯で構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図20に示すように、第1ギヤ歯部135Aおよび第2ギヤ歯部135Bを、第3ギヤ30の周方向に連続した板状のゴムで形成してもよい。この場合、第1ギヤ歯部135Aおよび第2ギヤ歯部135Bは、第1ギヤG1に摩擦により係合する。なお、その他のギヤのギヤ歯も同様に、ゴムで形成してもよい。
前記実施形態では、第3ギヤ30は、第1ギヤG1と直接噛み合う構成としたが、本発明はこれに限定されるものでは無い。例えば、第1ギヤG1と第3ギヤ30との間にアイドルギヤを配置しても良い。この場合、第3ギヤ30は、アイドルギヤと噛み合うことで回転する。このような構成であっても、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。