JP2017181462A - 測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法 - Google Patents

測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の弾性表面波センサによる測定を狭い帯域で行うこと。
【解決手段】親機110は、検出信号を無線送信する。子機121は、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化し、親機110から無線送信された検出信号に対して自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する。子機122は、同じ物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化し、親機110から無線送信された検出信号に対して自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する。親機110は、子機121、122から無線送信された各応答信号の周波数に基づいて、各応答信号に対応する子機121、122を判定し、判定した子機121、122における物理量を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法に関する。
従来、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)を利用してワイヤレスでセンシングを行う弾性表面波センサが知られている。また、高周波信号が入力されると領域ごとに異なる周波数帯域内で温度に基づく周波数信号を送り返す弾性表面波センサをウェハ上に複数配置し、ウェハの温度分布を測定する技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
特開2007−171047号公報
しかしながら、上述した従来技術では、複数の共振型の弾性表面波センサによる測定を行う場合に、たとえば各弾性表面波センサの使用帯域が同じであると、各弾性表面波センサから無線送信された共振周波数の応答信号を識別することができない。これに対して、各弾性表面波センサの使用帯域を重複しないように設定することが考えられるが、そのためには広い帯域を要するという問題がある。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、複数の弾性表面波センサによる測定を狭い帯域で行うことができる測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる測定システム、測定装置及び測定方法によれば、無線送信された検出信号に対してそれぞれ自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサであって、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサと、を含む複数の弾性表面波センサへ前記検出信号を無線送信し、送信した前記検出信号に対して前記複数の弾性表面波センサから無線送信された各応答信号を受信し、受信した前記各応答信号の周波数に基づいて、前記各応答信号に対応する前記弾性表面波センサを判定し、判定した前記複数の弾性表面波センサのそれぞれにおける前記物理量を算出し、算出した前記物理量を示す情報を出力する測定システム、測定装置及び測定方法が提供される。
これにより、第1弾性表面波センサの第1帯域及び第2弾性表面波センサの第2帯域で使用される帯域を狭くしつつ、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサにおける各物理量を算出することができる。
また、本発明にかかる選別装置及び選別方法によれば、測定装置から無線送信された検出信号に対して自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサを選別する際に、測定対象の物理量の前記複数の弾性表面波センサの間における所定差を示す情報を取得し、取得した前記情報に基づいて、選別候補の各弾性表面波センサの中から、前記物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサであって、前記第1弾性表面波センサの共振周波数が所定周波数となる前記物理量と、前記第2弾性表面波センサの共振周波数が前記所定周波数となる前記物理量と、の間の差が前記所定差より大きくなる第2弾性表面波センサと、を含む前記複数の弾性表面波センサを選別し、選別した前記複数の弾性表面波センサを示す情報を出力する選別装置及び選別方法が提供される。
これにより、第1弾性表面波センサの第1帯域及び第2弾性表面波センサの第2帯域で使用される帯域を狭くしつつ各物理量を算出できる複数の弾性表面波センサを選別することができる。
本発明の一側面によれば、複数の弾性表面波センサによる測定を狭い帯域で行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかる測定システムの一例を示す図である。 図2は、実施の形態1にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。 図3は、実施の形態1にかかる子機の共振周波数インピーダンス特性の温度変化の一例を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる子機の温度共振周波数特性の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1にかかる親機の一例を示す図である。 図6は、実施の形態1にかかる親機のハードウェア構成の一例を示す図である。 図7は、実施の形態1にかかる子機が有するSAW共振子の一例を示す図である。 図8は、実施の形態1にかかる子機の一例を示す図である。 図9は、実施の形態1にかかる子機の組立工程の一例を示す図(その1)である。 図10は、実施の形態1にかかる子機の組立工程の一例を示す図(その2)である。 図11は、実施の形態1にかかる子機の組立工程の一例を示す図(その3)である。 図12は、実施の形態1にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施の形態1にかかる測定システムのリフロー炉への適用の一例を示す図である。 図14は、実施の形態2にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。 図15は、実施の形態2にかかる一部の子機が有するSAW共振子の一例を示す図である。 図16は、実施の形態2にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、実施の形態2にかかる親機による応答信号の送信元の子機の判定処理の一例を示すフローチャートである。 図18は、実施の形態3にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。 図19は、実施の形態3にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。 図20は、実施の形態4にかかる選別装置の一例を示す図である。 図21は、実施の形態4にかかる選別装置による処理の一例を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、本発明にかかる測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる測定システム)
図1は、実施の形態1にかかる測定システムの一例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる測定システム100は、親機110と、子機121〜124(A〜D)と、を含む。子機121〜124は、測定領域101においてそれぞれ異なる位置に設けられている。測定領域101は、一例としては半導体などの基板である。
親機110は、子機121〜124を用いて、測定領域101において子機121〜124が設けられた各位置における物理量を測定する測定装置である。物理量は、温度、圧力、ガス、磁気等の各種の物理量とすることができる。ここでは、一例として、親機110が測定する物理量が温度である場合について説明する。
子機121〜124のそれぞれは、温度によって共振周波数が変化する共振型のSAWセンサ(弾性表面波センサ)である。また、子機121〜124は、同一温度における共振周波数がそれぞれ異なるように、温度に対する共振周波数の特性(温度共振周波数特性)がそれぞれ設定されている。子機121〜124の温度共振周波数特性の設定については後述する(たとえば図2〜図4参照)。
親機110は、子機121〜124が受信可能な検出信号を無線送信する。親機110が無線送信する検出信号は、測定対象の温度範囲でとり得る子機121〜124の共振周波数を含む無線信号である。たとえば、親機110が無線送信する検出信号は、測定対象の温度範囲でとり得る子機121〜124の共振周波数の範囲内で、時間的に周波数が変化する周波数掃引信号である。又は、親機110が無線送信する検出信号は、測定対象の温度範囲でとり得る子機121〜124の共振周波数の範囲の各周波数を含む無線信号であってもよい。
子機121〜124のそれぞれは、自センサの共振周波数を含む検出信号を親機110から受信すると、自センサの共振周波数の応答信号を親機110へ無線送信する。親機110は、子機121〜124から無線送信された各応答信号の周波数に基づいて、子機121〜124における温度を算出する。これにより、測定領域101において子機121〜124が設けられた各位置における温度を測定することができる。親機110による温度の算出については後述する。
(実施の形態1にかかる各子機の応答信号の使用帯域)
図2は、実施の形態1にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。図2において、横軸は子機121〜124から親機110への応答信号の周波数[Hz]を示し、縦軸は子機121〜124から親機110への応答信号の強度を示す。図2に示す例では、測定対象の温度範囲(所定範囲)を0〜300[℃]とする。また、子機121〜124の各位置における温度差は100[℃]未満であるとする。
上述したように、子機121〜124のそれぞれは、温度によって共振周波数が変化し、親機110からの検出信号に対して共振周波数の応答信号を無線送信する。また、子機121〜124は、同一温度における共振周波数がそれぞれ異なるように温度共振周波数特性がそれぞれ設定されている。応答信号201〜204は、親機110からの検出信号に対してそれぞれ子機121〜124が送信する応答信号である。
使用帯域211(周波数F1〜F4)は、子機121(A)が使用する周波数帯域であって、測定対象の温度範囲である0〜300[℃]において子機121の共振周波数が変化する範囲である。すなわち、子機121の温度が0〜300[℃]の範囲で変化する場合に、子機121の共振周波数は周波数F1〜F4の範囲で変化する。
一例としては、子機121の共振周波数は、0[℃]において周波数F1となり、温度が高くなるほど線形に周波数が高くなり、300[℃]において周波数F4となる。ただし、子機121の温度共振周波数はこれに限らず、たとえば温度が高くなるほど共振周波数が非線形に高くなる温度共振周波数などであってもよい。
使用帯域212(周波数F2〜F5)は、子機122(B)が使用する周波数帯域であって、測定対象の温度範囲である0〜300[℃]において子機122の共振周波数が変化する範囲である。すなわち、子機122の温度が0〜300[℃]の範囲で変化する場合に、子機122の共振周波数は周波数F2〜F5の範囲で変化する。
同様に、使用帯域213、214は、それぞれ子機123、124(C、D)が使用する周波数帯域であって、測定対象の温度範囲である0〜300[℃]においてそれぞれ子機123、124の共振周波数が変化する範囲である。使用帯域211〜214に示すように、子機121〜124は、同一温度における共振周波数がそれぞれ異なるように温度共振周波数特性がそれぞれ設定されている。
また、使用帯域211〜214のそれぞれは、他の使用帯域との間で互いの一部が重複する重複部分を有する。たとえば、使用帯域211、212は、互いに周波数F2〜F4において重複している。また、使用帯域212、213は、互いに周波数F3〜F5において重複している。また、使用帯域213、214は、互いに周波数F4〜F6において重複している。これにより、たとえば使用帯域211〜214を重複しないように設定する場合に比べて、使用帯域211〜214によって利用される周波数帯域(周波数F1〜F7)を狭くすることができる。
つぎに、使用帯域211〜214のそれぞれが互いに重複していても、子機121〜124からの各応答信号を親機110が識別するための、使用帯域211〜214の条件について説明する。図2に示す例では、子機121〜124の各位置における温度差が100[℃]未満であることから、使用帯域211〜214は、それぞれ所定差として100[℃]分の周波数でずれるように設定されている。
たとえば、使用帯域212は、使用帯域211に対して100℃分の周波数(F2−F1)だけ高周波側にずれている。また、使用帯域213は、使用帯域212に対して100℃分の周波数(F3−F2)だけ高周波側にずれている。使用帯域214は、使用帯域213に対して100℃分の周波数(F4−F3)だけ高周波側にずれている。すなわち、子機121〜124の温度共振周波数特性は、同一温度における共振周波数が100[℃]分の周波数ずつの所定差でずれるようにそれぞれ設定される。
図2に示したように、たとえば、子機121〜124の各位置における最大の差(<100[℃])よりも大きく使用帯域211〜214をずらしておく。これにより、使用帯域211〜214が重複部分を有していても、子機121〜124から親機110への各応答信号の間の周波数の大小関係(高低関係)が一定になる。すなわち、子機121〜124における各温度差が100[℃]未満であれば、子機121からの応答信号の周波数<子機122からの応答信号の周波数<子機123からの応答信号の周波数<子機124からの応答信号の周波数となる。
このため、親機110は、子機121〜124から送信された各応答信号について、各応答信号の周波数の大小関係によって、各応答信号が子機121〜124のうちのいずれの子機からの応答信号であるかを判定することができる。したがって、親機110は、子機121〜124の温度を、子機121〜124から送信された各応答信号の周波数に基づいて算出することができる。
このように、測定システム100によれば、各子機の使用帯域を一部重複するようにずらし、各子機からの応答信号の周波数の大小関係によって各応答信号の送信元の子機を判定することで、狭い周波数帯域(周波数F1〜F7)において子機121〜124の各位置の温度を測定することが可能になる。
図2においては、測定領域101に4個の子機(子機121〜124)を配置して測定領域101における4箇所の測定を行う構成について説明したが、このような構成に限らず、測定領域101に配置する子機の数は2以上の任意の数とすることができる。
(実施の形態1にかかる子機の共振周波数インピーダンス特性の温度変化)
図3は、実施の形態1にかかる子機の共振周波数インピーダンス特性の温度変化の一例を示す図である。図3において、横軸は共振型のSAWセンサ(たとえば子機121〜124)の共振周波数[GHz]を示し、縦軸は共振型のSAWセンサのインピーダンス[Ω]を示す。
共振周波数インピーダンス特性301〜311は、共振型のSAWセンサの温度がそれぞれ25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75[℃]である場合の共振型のSAWセンサにおける共振周波数に対するインピーダンスを示す。共振周波数インピーダンス特性301〜311に示すように、共振型のSAWセンサの共振周波数に対するインピーダンス特性は、共振型のSAWセンサの温度によって変化する。
(実施の形態1にかかる子機の温度共振周波数特性)
図4は、実施の形態1にかかる子機の温度共振周波数特性の一例を示す図である。図4において、横軸は共振型のSAWセンサ(たとえば子機121〜124)の共振周波数[GHz]を示し、縦軸は共振型のSAWセンサ(SAWセンサ)の温度[℃]を示す。図4においては、7個の共振型のSAWセンサについての温度共振周波数特性401〜407を示している。図4に示す例では、免許不要のワイヤレス通信帯域の高度化小電力無線における83.5[MHz]幅の2.4[GHz]帯に温度共振周波数特性401〜407を設定している。
温度共振周波数特性401〜407は、測定領域101に配置される7個の共振型のSAWセンサ(たとえば子機121〜124に加えて3個の別の子機)のそれぞれにおける温度に対する共振周波数の特性を示す。温度共振周波数特性401〜407に示すように、測定領域101に配置される各共振型のSAWセンサは、温度に対する共振周波数の特性が互いに異なる。
たとえば、上述した測定領域101の各子機における温度差がおよそ20[℃]未満であるとすると、各子機において共振周波数が同一となる温度が20[℃]ずつずれるように温度共振周波数特性401〜407が設定される。図4に示す例では、温度共振周波数特性401〜407は、同一温度における共振周波数がそれぞれ約2[MHz]ずつずれるように設定されている。また、温度共振周波数特性401〜407のそれぞれは、温度が高くなるほど共振周波数が線形に高くなるように設定されている。
これにより、各子機における各温度差が20[℃]未満であれば、各子機からの応答信号の周波数の大小関係を一定にし、各応答信号がいずれの子機からの応答信号であるかを親機110が判定することができる。
(実施の形態1にかかる親機)
図5は、実施の形態1にかかる親機の一例を示す図である。図5に示すように、親機110は、制御部501と、RF送信部502と、アンテナ503、504と、RF受信部505と、出力部506と、を備える。制御部501は、検出信号を生成してRF送信部502へ出力する。検出信号は、たとえば上述した周波数掃引信号又は複数の周波数成分を含む信号である。
RF送信部502は、制御部501から出力された検出信号のRF送信処理を行う。RF送信部502が行うRF送信処理には、たとえば、デジタル信号からアナログ信号への変換、ベースバンド帯からRF(Radio Frequency:高周波)帯への周波数変換、増幅などが含まれる。RF送信部502は、RF送信処理を行った検出信号をアンテナ503へ出力する。アンテナ503は、RF送信部502から出力された検出信号を測定領域101の各子機へ無線送信する。
アンテナ504は、測定領域101の各子機から無線送信された、アンテナ503によって送信された検出信号に対する各応答信号を受信する。そして、アンテナ504は、受信した各応答信号をRF受信部505へ出力する。RF受信部505は、アンテナ504から出力された各応答信号のRF受信処理を行う。RF受信部505が行うRF受信処理には、たとえば、増幅、RF帯からベースバンド帯への周波数変換、アナログ信号からデジタル信号への変換などが含まれる。RF受信部505は、RF受信処理を行った各応答信号を制御部501へ出力する。
制御部501は、RF受信部505から出力された各応答信号の周波数を比較し、比較結果に基づいて、各応答信号を送信した子機をそれぞれ判定する。たとえば、制御部501は、測定領域101の各子機の温度共振周波数特性によって決まる、測定領域101の各子機からの応答信号の周波数の大小関係を示す情報を記憶している。そして、制御部501は、各応答信号の周波数の比較結果と、記憶している大小関係を示す情報と、に基づいて、各応答信号を送信した子機をそれぞれ判定する。
そして、制御部501は、子機の判定結果及び各応答信号の周波数に基づいて、測定領域101の各子機における温度を算出する。たとえば、制御部501は、測定領域101の各子機の温度共振周波数特性を示す情報を記憶している。そして、制御部501は、各応答信号のそれぞれを対象として、対象の応答信号を送信した子機の温度共振周波数特性に基づいて対象の応答信号の周波数をその子機の温度に換算する処理を行う。これにより、測定領域101の各子機における温度を算出することができる。制御部501は、測定領域101の各子機における温度の算出結果を出力部506へ通知する。
出力部506は、制御部501から通知された算出結果に基づいて、測定領域101の各子機の位置における温度を示す温度情報を出力する。出力部506による温度情報の出力は、たとえば、画像や音声による親機110のユーザへの通知であってもよいし、温度情報を集約して管理する他の通信装置への送信であってもよいし、親機110の内部メモリへの書き込みなどであってもよい。
検出信号を無線送信する送信部は、たとえば制御部501、RF送信部502及びアンテナ503により実現することができる。応答信号を受信する受信部は、たとえばアンテナ504、RF受信部505及び制御部501により実現することができる。受信した各応答信号の周波数に基づいて物理量を算出する算出部は、たとえば制御部501により実現することができる。
図5に示す例では、送信用のアンテナ503及び受信用のアンテナ504を設ける構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、デュプレクサを用いて送信信号と受信信号とを分離することにより、送信用のアンテナ及び受信用のアンテナを1個のアンテナにより実現する構成としてもよい。
(実施の形態1にかかる親機のハードウェア構成)
図6は、実施の形態1にかかる親機のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示した親機110は、たとえば図6に示す情報処理装置600により実現することができる。情報処理装置600は、CPU601と、メモリ602と、ユーザインタフェース603と、無線通信インタフェース604と、有線通信インタフェース605と、を備えるコンピュータである。CPU601、メモリ602、ユーザインタフェース603、無線通信インタフェース604及び有線通信インタフェース605は、バス609によって接続される。
CPU601(Central Processing Unit)は、情報処理装置600の全体の制御を司る。メモリ602には、たとえばメインメモリ及び補助メモリが含まれる。メインメモリは、たとえばRAM(Random Access Memory)である。メインメモリは、CPU601のワークエリアとして使用される。補助メモリは、たとえば磁気ディスク、光ディスク、フラッシュメモリなどの不揮発メモリである。補助メモリには、情報処理装置600を動作させる各種のプログラムが記憶されている。補助メモリに記憶されたプログラムは、メインメモリにロードされてCPU601によって実行される。
ユーザインタフェース603は、たとえば、ユーザからの操作入力を受け付ける入力デバイスや、ユーザへ情報を出力する出力デバイスなどを含む。入力デバイスは、たとえばキー(たとえばキーボード)やリモコンなどにより実現することができる。出力デバイスは、たとえばディスプレイやスピーカなどにより実現することができる。また、タッチパネルなどによって入力デバイス及び出力デバイスを実現してもよい。ユーザインタフェース603は、CPU601によって制御される。
無線通信インタフェース604は、無線によって情報処理装置600の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。無線通信インタフェース604は、CPU601によって制御される。有線通信インタフェース605は、有線によって情報処理装置600の外部との間で通信を行う通信インタフェースである。有線通信インタフェース605は、CPU601によって制御される。
図5に示した制御部501は、たとえばCPU601により実現することができる。図5に示したRF送信部502、アンテナ503、504及びRF受信部505は、たとえば無線通信インタフェース604により実現することができる。上述した測定領域101の各子機からの応答信号の周波数の大小関係を示す情報や、上述した測定領域101の各子機の温度共振周波数特性を示す情報は、たとえばメモリ602に記憶される。
図5に示した出力部506は、たとえばユーザインタフェース603により実現することができる。この場合は、上述した温度情報はユーザインタフェース603によってユーザへ出力される。また、この場合は、たとえば有線通信インタフェース605を省いた構成としてもよい。
また、出力部506は、たとえば無線通信インタフェース604により実現することもできる。この場合は、上述した温度情報は、無線通信インタフェース604によって他の通信装置へ送信される。また、この場合は、たとえばユーザインタフェース603や有線通信インタフェース605を省いた構成としてもよい。
また、出力部506は、たとえば有線通信インタフェース605により実現することもできる。この場合は、上述した温度情報は、有線通信インタフェース605によって他の通信装置へ送信される。また、この場合は、たとえばユーザインタフェース603を省いた構成としてもよい。
また、出力部506による出力は、CPU601に対するメモリ602(たとえば不揮発メモリ)への書き込みにより実現することもできる。この場合は、上述した温度情報はCPU601によってメモリ602に書き込まれる。また、この場合は、たとえばユーザインタフェース603や有線通信インタフェース605を省いた構成としてもよい。
(実施の形態1にかかる子機が有するSAW共振子)
図7は、実施の形態1にかかる子機が有するSAW共振子の一例を示す図である。測定領域101に配置される子機(たとえば子機121〜124)のそれぞれは、たとえば図7に示すSAW共振子700を有する。SAW共振子700は、圧電基板701と、アンテナ710と、励振電極711、712と、反射器721、722と、を備える。
アンテナ710は、親機110から無線送信された検出信号を受信し、検出信号を励振電極711へ出力する。また、アンテナ710は、受信した検出信号に応じて励振電極711から出力された共振周波数の信号を、検出信号に対する応答信号として親機110へ無線送信する。
励振電極711、712は、それぞれ櫛歯状の領域を有する。そして、励振電極711、712は、それぞれの櫛歯間の距離をλ1として互いの櫛歯が交互に配置されるように圧電基板701に形成されている。励振電極711はアンテナ710に接続され、励振電極712はグランド(GND)に接続されて接地されている。
アンテナ710から励振電極711へ検出信号が出力されると、圧電基板701に弾性表面波が発生する。そして、アンテナ710から励振電極711へ出力された検出信号に、励振電極711、712の間の共振における共振周波数の成分が含まれていると、励振電極711、712が共振して共振周波数の信号を励振する。励振電極711は、励振した共振周波数の信号をアンテナ710へ出力する。
距離λ1は、励振電極711、712の櫛歯状の領域におけるそれぞれの櫛歯の間隔、すなわち櫛歯の周期長であり、発生する弾性表面波の波長に相当する。ある温度における圧電基板701の弾性表面波の速度をvとすると、励振電極711、712における共振周波数f11はf11=v/λ1となる。したがって、励振電極711、712の櫛歯状の領域における距離λ1の調整により、SAW共振子700の温度共振周波数特性を設定することができる。
反射器721、722は、励振電極711、712の弾性表面波の発生領域を挟むように圧電基板701の両端付近に設けられており、励振電極711、712から伝搬した圧電基板701の弾性表面波を励振電極711、712へ向けて反射させる。これにより、励振電極711、712において発生した圧電基板701の弾性表面波を閉じ込め、励振電極711、712における共振を強めることができる。ただし、反射器721、722を省き、励振電極711、712を測定領域101の両端付近にまで形成した構成としてもよい。この場合もSAW共振子700を共振型のSAWセンサとして用いることができる。
(実施の形態1にかかる子機)
図8は、実施の形態1にかかる子機の一例を示す図である。図8において、図7に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。測定領域101に配置される子機(たとえば子機121〜124)のそれぞれは、たとえば図8に示すSAWセンサ800により実現することができる。SAWセンサ800は、容器801と、弾性表面波素子810と、蓋部821と、アンテナ電極822と、グランド電極823と、ワイヤ831、832と、を備える。
容器801は、弾性表面波素子810を収納する容器である。弾性表面波素子810は、印加された電圧に応じた表面弾性波を発生させることにより、共振周波数の信号を出力する素子である。弾性表面波素子810は、たとえば図7に示した圧電基板701及び励振電極711、712である。
蓋部821は、容器801の開口部を塞ぐ蓋である。蓋部821にはアンテナ電極822及びグランド電極823が形成されている。アンテナ電極822は、図7に示したアンテナ710である。たとえば、アンテナ電極822は、蓋部821における容器801とは反対側の表面に設けられている。また、アンテナ電極822は、蓋部821における容器801の内部側に露出してワイヤ831と接続される接続部822aを有する。接続部822aは、ワイヤ831を介して弾性表面波素子810の励振電極711(たとえば図7参照)と接続される。
そして、アンテナ電極822は、親機110から無線送信された検出信号を受信し、受信した検出信号を、ワイヤ831を介して弾性表面波素子810の励振電極711に印加する。また、アンテナ電極822は、弾性表面波素子810の励振電極711からワイヤ831を介して出力された共振周波数の信号を、検出信号に対する応答信号として親機110へ無線送信する。
グランド電極823は、図7に示した励振電極712と接続されたグランド(GND)である。たとえば、グランド電極823は蓋部821の内部に設けられている。また、グランド電極823は、蓋部821における容器801の内部側に露出してワイヤ832と接続される接続部823aを有する。接続部823aは、ワイヤ832を介して弾性表面波素子810の励振電極712(たとえば図7参照)と接続される。
(実施の形態1にかかる子機の組立工程)
図9〜図11は、実施の形態1にかかる子機の組立工程の一例を示す図である。図9〜図11において、図8に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図9〜図11において、図8に示したSAWセンサ800(子機)を組み立てる工程について説明する。まず、図9に示すように、弾性表面波素子810を収納するための容器801を用意する。図9に示す弾性表面波素子810は、図面上の下側に向かって開口する開口部901を有する。
また、図10に示すように、蓋部821の表面に弾性表面波素子810を配置する。そして、弾性表面波素子810の励振電極711と、蓋部821に形成されたアンテナ電極822の接続部822aと、をワイヤ831により接続する。また、弾性表面波素子810の励振電極712と、蓋部821に形成されたグランド電極823の接続部823aと、をワイヤ832により接続する。
つぎに、図11に示すように、容器801の開口部901に弾性表面波素子810が入るように、図9に示した容器801に対して図10に示した蓋部821を配置する。容器801と蓋部821とが互いに接する部分に接着剤や金属接合のための接合層などを形成することにより、容器801に対して蓋部821を固着することができる。これにより、弾性表面波素子810が容器801に収納され、弾性表面波素子810と接続されたアンテナ電極822が蓋部821の表面に形成されたSAWセンサ800を実現することができる。なお、図11においては、図9、図10に示した容器801、蓋部821及びアンテナ電極822の上下を反転して図示している。
(実施の形態1にかかる親機による処理)
図12は、実施の形態1にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態1にかかる親機110は、たとえば図12に示す各ステップを実行する。まず、親機110は、測定領域101に配置された各子機に対して検出信号(たとえば周波数掃引信号)を送信する(ステップS1201)。
つぎに、親機110は、ステップS1201によって送信した検出信号に対する各子機からの応答信号の受信処理を行う(ステップS1202)。ステップS1202において、たとえば、親機110は、各子機の各使用帯域を含む周波数帯域(たとえば図2に示した周波数F1〜F7)の無線信号を受信する処理を行う。無線信号を受信する処理は、たとえば電波強度のピークを検出する処理である。
つぎに、親機110は、ステップS1202の受信処理によって受信した応答信号の数(応答信号数m)を算出する(ステップS1203)。ステップS1203において、親機110は、たとえばステップS1202の受信処理において検出した電波強度のピークの数を算出する。
つぎに、親機110は、ステップS1203によって算出した応答信号数mが、測定領域101に配置された子機の数(子機数n)と等しいか否かを判断する(ステップS1204)。応答信号数mが子機数nと等しくない場合(ステップS1204:No)は、測定領域101に配置された各子機からの応答信号を親機110が正常に受信できなかったと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1201へ戻る。
ステップS1204において、応答信号数mが子機数nと等しい場合(ステップS1204:Yes)は、親機110は、測定領域101に配置された各子機からの応答信号を親機110が正常に受信できたと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1202の受信処理において受信した各応答信号の送信元の子機を、各応答信号の周波数に基づいて判定する(ステップS1205)。
ステップS1205において、親機110は、たとえばステップS1202の受信処理において受信した各応答信号を、周波数(たとえばピークを検出した周波数)が低い順にソートする。そして、親機110は、たとえば図2に示した例においては、周波数が低い順にソートした各応答信号がそれぞれ子機121、122、123、124から送信されたと判定する。
つぎに、親機110は、ステップS1205による判定結果に基づいて、測定領域101に配置された各子機における物理量(たとえば温度)を算出し(ステップS1206)、一連の処理を終了する。ステップS1206によって算出された物理量は、出力部506によって出力される。
ステップS1206において、たとえば、親機110は、子機121から送信されたと判定した応答信号の周波数を、子機121の温度共振周波数特性(たとえば図4に示した温度共振周波数特性401)に基づいて温度に換算する。また、親機110は、子機122から送信されたと判定した応答信号の周波数を、子機122の温度共振周波数特性(たとえば図4に示した温度共振周波数特性402)に基づいて温度に換算する。同様に、親機110は、子機123、124から送信されたと判定した各応答信号の周波数を、子機123、124の温度共振周波数特性に基づいて温度に換算する。
上述の説明においては、周波数は低い順にソートしたとして説明を行ったが、周波数が高い順にソートして子機を判定してもよい。
(実施の形態1にかかる測定システムのリフロー炉への適用)
図13は、実施の形態1にかかる測定システムのリフロー炉への適用の一例を示す図である。図13に示すリフロー炉1300は、たとえば、ペースト状又はクリーム状のはんだが塗布又は印刷されて表面実装部品が所定位置に配置されたプリント基板を通過させながら加熱することによりはんだ付けを行う装置である。リフロー炉1300は、それぞれ温度が異なる加熱ゾーン1301、1302を有し、加熱ゾーン1301、1302は仕切部材1303によって互いに仕切られている。
加熱ゾーン1301を通過したプリント基板1305は、仕切部材1303の窓部1304を介して加熱ゾーン1302へ進入し、加熱ゾーン1302を通過する。これにより、プリント基板1305の複数の温度による加熱を連続して行うことができる。
リーダー部アンテナ1311、1312は、それぞれ加熱ゾーン1301、1302に設けられたアンテナである。また、リーダー部アンテナ1311、1312のそれぞれは、たとえば図5に示したアンテナ503、504である。この場合に、リーダー部アンテナ1311、1312のそれぞれは、電気配線等を介してリフロー炉1300の外部に設けられた親機110の本体と接続されている。親機110の本体とは、図5に示した親機110のうちのアンテナ503、504を除く構成である。
温度センサ1321〜1324は、プリント基板1305の表面上の各位置に配置されたSAWセンサ800(たとえば子機121〜124)である。温度センサ1321〜1324は、プリント基板1305の移動に伴ってリフロー炉1300の内部を移動する。温度センサ1321〜1324は、プリント基板1305に対して固定されていてもよいし、プリント基板1305に対して固定されていなくてもよい。
たとえば、リーダー部アンテナ1311をアンテナ503、504として有する親機110は、プリント基板1305が加熱ゾーン1301に位置する期間において、リーダー部アンテナ1311によって検出信号を温度センサ1321〜1324へ無線送信する。そして、親機110は、無線送信した検出信号に対する温度センサ1321〜1324からの各応答信号に基づいて、温度センサ1321〜1324における各温度を算出する。これにより、プリント基板1305が加熱ゾーン1301に位置している期間の、プリント基板1305における温度センサ1321〜1324が配置された各位置の温度を測定することができる。
同様に、リーダー部アンテナ1312をアンテナ503、504として有する親機110は、プリント基板1305が加熱ゾーン1302に位置する期間において、リーダー部アンテナ1312によって検出信号を温度センサ1321〜1324へ無線送信する。そして、親機110は、無線送信した検出信号に対する温度センサ1321〜1324からの各応答信号に基づいて、温度センサ1321〜1324における各温度を算出する。これにより、プリント基板1305が加熱ゾーン1302に位置している期間の、プリント基板1305における温度センサ1321〜1324が配置された各位置の温度を測定することができる。
また、リフロー炉1300において、プリント基板1305の各位置の温度差(一例としては5〜10[℃])は、リフロー炉1300の測定対象の温度範囲(一例としては0〜300[℃])と比べると非常に小さく、その温度差分以上に各子機の温度共振周波数特性をずらすことで、各子機からの応答信号の周波数の大小関係を一定にすることができる。このため、限られた帯域で、多数の位置における物理量の同時測定が可能になる。
なお、リーダー部アンテナ1311をアンテナ503、504として有する親機110と、リーダー部アンテナ1312をアンテナ503、504として有する親機110と、は同一の親機であってもよいしそれぞれ異なる親機であってもよい。
また、たとえばリフロー炉1300のように、親機110及び各子機を高温の環境に適用する場合は、親機110(特にアンテナ503、504)及び各子機を耐熱特性の高い材料によって実現することが望ましい。たとえば、親機110のアンテナ503、504や子機の各電極には、金、金クロム、チタンベースのプラチナなどの高耐熱材料を用いることができる。また、子機の圧電基板701には、ランガテイトなどの高耐熱材料を用いることができる。
このように、実施の形態1にかかる測定システム100は、測定対象の物理量(一例としては温度)の所定範囲の変化に対して第1帯域(一例としては使用帯域211)で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサ(一例としては子機121)と、第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサ(一例としては子機122)と、を含む複数の弾性表面波センサを用いて測定を行う。
すなわち、測定装置(一例としては親機110)が、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサを含む複数の弾性表面波センサへ検出信号を無線送信し、複数の弾性表面波センサから無線送信された各応答信号の周波数に基づいて、複数の弾性表面波センサにおける物理量をそれぞれ算出することができる。
そして、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサの共振周波数が変化する帯域(使用帯域)の互いの一部が重複していることにより、少なくとも第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサによる測定を狭い帯域で行うことが可能になる。
また、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサにおける物理量の変化に対する各共振周波数の変化の特性は、第1弾性表面波センサの共振周波数が所定周波数となる第1弾性表面波センサの物理量と、第2弾性表面波センサの共振周波数が同じ所定周波数となる第2弾性表面波センサの物理量と、の間の差が所定差より大きくなるように設定される。これにより、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサにおける各物理量の間の差が所定差未満であれば、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサからの各応答信号の周波数の大小関係を一定にすることができる。
このため、測定装置は、受信した各応答信号の周波数の比較結果に基づいて、受信した各応答信号が第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサのいずれからの応答信号であるかを判定することができる。そして、測定装置は、判定の結果に基づいて、第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサにおける物理量を算出することができる。上述した所定差は、たとえば、第1弾性表面波センサにおける物理量と第2弾性表面波センサにおける物理量との間の差であって、測定時に想定される最大の差である。
互いに使用帯域の一部が重複する弾性表面波センサとして第1弾性表面波センサ及び第2弾性表面波センサについて説明したが、測定に用いる複数の弾性表面波センサには、互いに使用帯域の一部が重複する弾性表面波センサとしてさらに別の弾性表面波センサ(一例としては子機123、124)が含まれていてもよい。この場合も、別の子機の使用帯域(一例としては使用帯域213、214)のそれぞれが、他の使用帯域との間で互いの一部が重複していることにより、狭い帯域で測定を行うことが可能になる。
ただし、測定に用いる複数の弾性表面波センサのうちの一部の弾性表面波センサの使用帯域が他の使用帯域と重複していない構成としてもよい。すなわち、測定に用いる複数の弾性表面波センサの少なくともいずれかの使用帯域が、他の使用帯域との間で互いの一部が重複していればよい。これにより、たとえば測定に用いる複数の弾性表面波センサのすべての使用帯域が互いに重複していない場合と比べて、測定に使用する帯域を狭くすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態2においては、測定領域101の各子機のうちの一部の子機に、複数の共振周波数を有する弾性表面波センサを適用して測定を行う構成について説明する。
(実施の形態2にかかる各子機の応答信号の使用帯域)
図14は、実施の形態2にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。図14において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。実施の形態2にかかる測定システム100においては、測定領域101に配置された子機121〜124のうちの一部の子機のみが2つの共振周波数を有する。
図14に示す例では、子機121が2つの共振周波数を有することにより、子機121(A)の使用帯域211、1411が存在する。使用帯域1411は、使用帯域211と同様に、たとえば使用帯域212、213と互いの一部が重複している。
(実施の形態2にかかる一部の子機が有するSAW共振子)
図15は、実施の形態2にかかる一部の子機が有するSAW共振子の一例を示す図である。図15において、図7に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。測定領域101に配置される子機のうちの、たとえば同一温度における共振周波数が最も低い子機は、たとえば図15に示すSAW共振子1500を有する。測定領域101に配置される子機のうちの残りの子機は、たとえば図7に示したSAW共振子700を有する。一例としては、図1、図2に示した例において、子機121(A)には図15に示すSAW共振子1500を設け、子機122〜124(B〜D)には図7に示したSAW共振子700を設ける構成とすることができる。
図15に示すSAW共振子1500は、圧電基板701と、アンテナ710と、励振電極711、712、1511と、反射器721、722、1521、1522と、を備える。アンテナ710は、受信した検出信号を励振電極711、1511へ出力する。また、アンテナ710は、受信した検出信号に応じて励振電極711、1511から出力された共振周波数の信号を、検出信号に対する応答信号として親機110へ無線送信する。
励振電極1511は、櫛歯状の領域を有し、アンテナ710に接続されている。励振電極712は、励振電極711の櫛歯状の領域と交互に配置される櫛歯状の領域に加えて、励振電極1511の櫛歯状の領域と交互に配置される櫛歯状の領域を有する。
アンテナ710から励振電極1511へ検出信号が出力されると、圧電基板701に弾性表面波が発生する。そして、アンテナ710から励振電極1511へ出力された検出信号に、励振電極712、1511の間の共振における共振周波数の成分が含まれていると、励振電極712、1511が共振して共振周波数の信号を励振する。励振電極1511は、励振した共振周波数の信号をアンテナ710へ出力する。
距離λ2は、励振電極1511の櫛歯状の領域におけるそれぞれの櫛歯の間隔、すなわち櫛歯の周期長であり、発生する弾性表面波の波長に相当する。励振電極712における励振電極1511の側の櫛歯状の領域における櫛歯の周期長は、励振電極1511と同じ距離λ2とする。ある温度における圧電基板701の弾性表面波の速度をvとすると、励振電極712、1511における共振周波数f12はf12=v/λ2となる。したがって、励振電極1511の櫛歯状の領域における距離λ2の調整により、励振電極712、1511の温度共振周波数特性を設定することができる。
励振電極1511の櫛歯状の領域における距離λ2は、励振電極711の櫛歯状の領域における距離λ1と異なる距離に設定する。図15に示す例ではλ1<λ2である。これにより、ある温度における励振電極712、1511の共振周波数f12と、同じ温度における励振電極711、712の共振周波数f11と、を異なる周波数にすることができる(図15に示す例ではf11>f12)。
これにより、2つの共振周波数f11、f12を有するSAW共振子700を実現することができる。また、SAW共振子700が有する2つの共振周波数f11、f12は、SAW共振子700の温度によってともに変化するため、共振周波数f11、f12の比は常にほぼ一定(f11/f12=λ2/λ1)になる。
反射器1521、1522は、励振電極712、1511を挟むように圧電基板701の両端付近に設けられており、励振電極712、1511から伝搬した圧電基板701の弾性表面波を励振電極712、1511へ向けて反射させる。これにより、励振電極712、1511において発生した弾性表面波を閉じ込め、励振電極712、1511における共振を強めることができる。ただし、反射器1521、1522を省き、励振電極712、1511を測定領域101の両端付近にまで形成した構成としてもよい。この場合もSAW共振子700を共振型のSAWセンサとして用いることができる。
たとえばSAW共振子700を子機121に適用する場合に、物理量(たとえば温度)の所定範囲の変化に対して子機121の共振周波数f11、f12が、たとえば子機122の共振周波数が変化する帯域(第1帯域)と互いの一部が重複する帯域(第3帯域)で変化するようにSAW共振子700の距離λ1、λ2を設定する。
(実施の形態2にかかる親機による処理)
図16は、実施の形態2にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態2にかかる親機110は、たとえば図16に示す各ステップを実行する。図16に示すステップS1601、S1602は、図12に示したステップS1201、S1202と同様である。
ステップS1602のつぎに、親機110は、ステップS1602の受信処理によって受信した各応答信号の周波数に、子機121(A)に対応する2つの共振周波数f11、f12があるか否かを判断する(ステップS1603)。たとえば、親機110は、受信した各応答信号の周波数に、上述したSAW共振子1500の距離λ1、λ2に基づく所定比λ2/λ1(=f11/f12)の各周波数があるか否かによって、子機121に対応する2つの共振周波数f11、f12があるか否かを判断することができる。
又は、共振周波数f11、f12の差分が、十分に小さく、子機間の共振周波数の差分よりも常に低いと想定できる場合には、親機110は、受信した各応答信号の周波数に、差分が所定値以下となる周波数の組があるか否かによって、子機121に対応する2つの共振周波数f11、f12があるか否かを判断することができる。所定値は、共振周波数f11、f12の差分の想定される最大値であって、かつ子機間の共振周波数の差分の想定される最小値より低い値である。又は、親機110は、受信した各応答信号の周波数に所定比の各周波数があり、かつその各周波数の差分が所定値以下であるか否かによって、子機121に対応する2つの共振周波数f11、f12があるか否かを判断してもよい。
ステップS1603において、共振周波数f11、f12がない場合(ステップS1603:No)は、子機121(A)からの応答信号を親機110が正常に受信できなかったと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1601へ戻る。
ステップS1603において、共振周波数f11、f12がある場合(ステップS1603:Yes)は、子機121(A)からの応答信号を親機110が正常に受信できたと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1602の受信処理において受信した各応答信号の送信元の子機を、子機121(A)からの応答信号の周波数に基づいて判定する(ステップS1604)。ステップS1604による判定の処理については後述する(たとえば図17参照)。つぎに、親機110は、ステップS1605へ移行する。ステップS1605は、図12に示したステップS1206と同様である。
(実施の形態2にかかる親機による応答信号の送信元の子機の判定処理)
図17は、実施の形態2にかかる親機による応答信号の送信元の子機の判定処理の一例を示すフローチャートである。たとえば図16に示したステップS1604において、親機110は、たとえば図17に示す各ステップを実行することによって、受信した各応答信号の送信元の子機を判定する。
まず、親機110は、受信した各応答信号(受信信号のピーク)を、周波数が低い順に応答信号P1、P2、…、PM(Mは子機数n以下の自然数)として設定する(ステップS1701)。ここで、たとえば図16に示した例では、受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い2つの応答信号は子機121からの応答信号である。このため、ステップS1701において、親機110は、受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い2つの応答信号のうちの一方(たとえば周波数が高い方)を応答信号P1として設定する。また、親機110は、受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い2つの応答信号を除く各応答信号を、応答信号P2、P3、…、PMとして設定する。
つぎに、親機110は、m、kをともに2に設定(m=2、k=2)する(ステップS1702)。mは、ステップS1701によって設定した応答信号P1、P2、…、PMのインデックスである(m=1、2、…、M)。kは、測定領域101に配置された各子機のインデックスである(k=1、2、…、n)。インデックスkは、たとえば子機kが同一温度における共振周波数がk番目に低い子機となるように設定されている。
つぎに、親機110は、応答信号Pmの周波数が、応答信号P1の周波数+周波数差×(k−2)より大きく、応答信号P1の周波数+周波数差×(k−1)より小さい範囲内か否かを判断する(ステップS1703)。周波数差は、測定領域101に配置された各子機における、同一温度での共振周波数の差であって、たとえば図4に示した例では2[MHz]である。
ステップS1703において、応答信号Pmの周波数が応答信号P1の周波数+周波数差×(k−2)より大きく、応答信号P1の周波数+周波数差×(k−1)より小さい範囲内でない場合(ステップS1703:No)は、親機110は、子機kからの応答信号を検出しなかったと判定する(ステップS1704)。つぎに、親機110は、kをインクリメント(k=k+1)し(ステップS1705)、ステップS1703へ戻る。
ステップS1703において、応答信号Pmの周波数が応答信号P1の周波数+周波数差×(k−2)より大きく、応答信号P1の周波数+周波数差×(k−1)より小さい範囲内である場合(ステップS1703:Yes)は、親機110は、応答信号Pmが子機kからの応答信号であると判定する(ステップS1706)。つぎに、親機110は、インデックスkが、測定領域101に配置された子機の数(子機数n)に達したか否かを判断する(ステップS1707)。
ステップS1707において、インデックスkが子機数nに達していない場合(ステップS1707:No)は、親機110は、m、kをインクリメント(m=m+1、k=k+1)し(ステップS1708)、ステップS1703へ戻る。インデックスkが子機数nに達した場合(ステップS1707:Yes)は、親機110は、一連の処理を終了する。以上の各ステップにより、親機110は、受信した各応答信号の送信元の子機を判定することができる。
図17に示したように、親機110は、子機121の共振周波数f11、f12の少なくともいずれかと、子機122〜124の各共振周波数と、の間の関係を示す情報に基づいて、子機121の共振周波数f11、f12の少なくともいずれかから、受信した各応答信号のうちの子機121からの応答信号を除く応答信号を送信した子機を判定する。この関係を示す情報は、同一温度における子機121〜124の各共振周波数の関係を示す情報であって、たとえば図4に示した例では、同一温度における子機121〜124の各共振周波数が、子機121から順に2[MHz]ずつ高くなることを示す情報である。
図16、図17に示した例では、測定領域101に配置される子機のうちの、たとえば同一温度における共振周波数が最も低い子機(たとえば子機121)にのみ共振周波数が2つのSAW共振子1500を適用する構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、同一温度における共振周波数が最も高い子機(たとえば子機124)にのみSAW共振子1500を適用し、残りの子機にSAW共振子700を適用する構成としてもよい。
この場合は、図16に示したステップS1603において、親機110は、ステップS1602の受信処理によって受信した各応答信号の周波数に、子機124(D)に対応する2つの共振周波数があるか否かを判断する。また、図16に示したステップS1604において、親機110は、ステップS1602の受信処理において受信した各応答信号の送信元の子機を、子機124(D)からの応答信号の周波数に基づいて判定する。
また、測定領域101に配置される子機の一部に2つの共振周波数を有するSAW共振子1500を適用する構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、測定領域101に配置される子機の一部に、複数の3つ以上の共振周波数を有するSAW共振子を適用する構成としてもよい。
このように、実施の形態2にかかる測定システム100によれば、第1、第2弾性表面波センサ(一例としては子機122、123)に加えて、複数の共振周波数を有する第3弾性表面波センサ(一例としては子機121)を用いて測定を行うことができる。そして、測定装置は、検出信号に対して無線送信され受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの複数の共振周波数が含まれていない場合は検出信号を再送信する。これにより、第3弾性表面波センサからの応答信号を受信できなかった場合に検出信号を再送信し、応答信号の受信をやり直すことができる。
また、親機110は、検出信号に対して無線送信され受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの複数の共振周波数が含まれている場合は、第3弾性表面波センサの複数の共振周波数の少なくともいずれかに基づいて、受信した各応答信号のうちの第1、第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号をそれぞれ判定することができる。これにより、たとえば第1、第2弾性表面波センサの一方からの応答信号を受信できなくても、第1、第2弾性表面波センサのうちの応答信号を受信できた弾性表面波センサにおける物理量については測定を行うことができる。
また、親機110は、たとえば、受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの複数の共振周波数が含まれているか否かを、受信した各応答信号の周波数に、第3弾性表面波センサの複数の共振周波数の間の所定比と同じ比の各周波数が含まれているか否かに基づいて判断することができる。又は、親機110は、たとえば、受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの複数の共振周波数が含まれているか否かを、受信した各応答信号の周波数に、差分が所定値以下となる各周波数が含まれているか否かに基づいて判断してもよい。
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態1、2と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、測定領域101の各子機のうちの一部の子機に、他の子機と使用帯域が重複しない弾性表面波センサを適用して測定を行う構成について説明する。
(実施の形態3にかかる各子機の応答信号の使用帯域)
図18は、実施の形態3にかかる各子機の応答信号の使用帯域の一例を示す図である。図18において、図2に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図18に示すように、実施の形態3にかかる測定システム100においては、測定領域101に配置された子機121〜124のうちの一部の子機の使用帯域が、他の子機の使用帯域と重複しないように設定されている。図18に示す例では、子機121(A)の使用帯域211が、子機122〜124(B〜D)の使用帯域212〜214と重複しないように設定されている。
(実施の形態3にかかる親機による処理)
図19は、実施の形態3にかかる親機による処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態3にかかる親機110は、たとえば図19に示す各ステップを実行する。図19に示すステップS1901、S1902は、図12に示したステップS1201、S1202と同様である。
ステップS1902のつぎに、親機110は、ステップS1902の受信処理によって受信した各応答信号の周波数に、子機121(A)に対応する共振周波数があるか否かを判断する(ステップS1903)。たとえば、親機110は、受信した各応答信号の周波数に、子機121(A)の使用帯域211の周波数が含まれているか否かによって、子機121(A)に対応する共振周波数があるか否かを判断することができる。
ステップS1903において、子機121(A)に対応する共振周波数がない場合(ステップS1903:No)は、子機121(A)からの応答信号を親機110が正常に受信できなかったと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1901へ戻る。
ステップS1903において、子機121(A)に対応する共振周波数がある場合(ステップS1903:Yes)は、子機121(A)からの応答信号を親機110が正常に受信できたと判断することができる。この場合は、親機110は、ステップS1902の受信処理において受信した各応答信号の送信元の子機を、子機121(A)からの応答信号の周波数に基づいて判定する(ステップS1904)。
ステップS1904による判定の処理については、たとえば図17に示したステップS1703について「応答信号Pmの周波数が、応答信号P2の周波数+周波数差×(k−2)より大きく、応答信号P2の周波数+周波数差×(k−1)より小さい」と変更する他は同様のステップである。また、図19に示す例では、親機110が受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い応答信号は子機121からの応答信号である。このため、図19に示す例では、図17に示したステップS1701において、親機110は、受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い応答信号を応答信号P1として設定する。また、親機110は、受信した各応答信号のうちの周波数が最も低い応答信号を除く各応答信号を、応答信号P2、P3、…、PMとして設定する。
つぎに、親機110は、ステップS1905へ移行する。ステップS1905は、図12に示したステップS1206と同様である。
図19に示した例では、測定領域101に配置される子機のうちの、たとえば同一温度における共振周波数が最も低い子機(たとえば子機121)の使用帯域(たとえば使用帯域211)のみが他の子機の使用帯域と重複しないように設定される構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、同一温度における共振周波数が最も高い子機(たとえば子機124)の使用帯域(たとえば使用帯域214)のみが他の子機の使用帯域と重複しないように設定される構成としてもよい。
この場合は、図19に示したステップS1903において、親機110は、ステップS1902の受信処理によって受信した各応答信号の周波数に、たとえば子機124(D)の使用帯域214の周波数があるか否かを判断する。また、図19に示したステップS1904において、親機110は、ステップS1902の受信処理において受信した各応答信号の送信元の子機を、子機124(D)からの応答信号の周波数に基づいて判定する。
このように、実施の形態3にかかる測定システム100によれば、第1、第2弾性表面波センサ(一例としては子機122、123)に加えて、共振周波数の使用帯域が重複しない第3弾性表面波センサ(一例としては子機121)を用いて測定を行うことができる。そして、測定装置は、検出信号に対して無線送信され受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの使用帯域の周波数が含まれていない場合は検出信号を再送信する。これにより、第3弾性表面波センサからの応答信号を受信できなかった場合に検出信号を再送信し、応答信号の受信をやり直すことができる。
また、親機110は、検出信号に対して無線送信され受信した各応答信号の周波数に第3弾性表面波センサの使用帯域の周波数が含まれている場合は、第3弾性表面波センサの共振周波数に基づいて、受信した各応答信号のうちの第1、第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号をそれぞれ判定することができる。これにより、たとえば第1、第2弾性表面波センサの一方からの応答信号を受信できなくても、第1、第2弾性表面波センサのうちの応答信号を受信できた弾性表面波センサにおける物理量については測定を行うことができる。
(実施の形態4)
実施の形態4においては、たとえば上述した実施の形態1〜3にかかる測定システム100において、温度共振周波数が細かく異なる多数の子機(弾性表面波センサ)の中から、測定領域101に配置される各子機(たとえば子機121〜124)を選別する方法について説明する。
(実施の形態4にかかる選別装置)
図20は、実施の形態4にかかる選別装置の一例を示す図である。図20に示すように、実施の形態4にかかる選別装置2000は、取得部2001と、選別部2002と、出力部2003と、を備える。取得部2001は、測定領域101に配置される各子機の間における、温度(測定対象の物理量)の所定差を示す情報を取得する。
所定差は、測定領域101に配置される各子機の間において想定される最大の差であって、たとえば図1、図2に示した例においては100[℃]である。取得部2001は、取得した所定差を示す情報(最大物理量差情報)を選別部2002へ出力する。
選別部2002は、取得部2001から出力された所定差を示す情報(最大物理量差情報)に基づいて、温度共振周波数が細かく異なる選別候補の多数の子機の中から、測定領域101に配置される各子機を選別する。また、選別部2002は、少なくとも後述の第1子機(第1弾性表面波センサ)及び第2子機(第2弾性表面波センサ)を含む各子機を、測定領域101に配置される各子機として選別する。
第1子機は、温度の所定範囲の変化に対して第1帯域(一例としては使用帯域211)で共振周波数が変化する子機(一例としては子機121)と、同じ温度の変化に対して第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域(一例としては使用帯域212)で共振周波数が変化する子機(一例としては使用帯域212)である。
また、選別部2002は、第1子機の共振周波数が所定周波数となる温度と、第2子機の共振周波数が同じ所定周波数となる温度と、の間の差が、最大物理量差情報が示す所定差より大きくなるように、測定領域101に配置される各子機を選別する。選別部2002は、選別した各子機を出力部2003へ通知する。
出力部2003は、選別部2002から通知された各子機を示す情報(子機情報)を出力する。子機情報は、たとえば選別部2002によって選別された各子機の識別情報を示す情報である。出力部2003による子機情報の出力は、たとえば、画像や音声による選別装置2000のユーザへの通知であってもよいし、子機情報を集約して管理する他の通信装置(たとえば選別装置2000のユーザの情報端末)への送信であってもよい。
(実施の形態4にかかる選別装置のハードウェア構成)
実施の形態4にかかる選別装置2000は、たとえば、図6に示した情報処理装置600により実現することができる。この場合に、図20に示した選別部2002は、たとえば図6に示したCPU601により実現することができる。
また、図20に示した取得部2001及び出力部2003は、たとえば図6に示したユーザインタフェース603により実現することができる。この場合は、上述した最大物理量差情報はユーザインタフェース603を介してユーザから入力され、上述した子機情報はユーザインタフェース603を介してユーザへ出力される。また、この場合は図6に示した無線通信インタフェース604及び有線通信インタフェース605を省いた構成としてもよい。
また、図20に示した取得部2001及び出力部2003は、たとえば図6に示した無線通信インタフェース604により実現することもできる。この場合は、上述した最大物理量差情報は無線通信インタフェース604を介して他の通信装置から受信され、上述した子機情報は無線通信インタフェース604を介して他の通信装置へ送信される。また、この場合は図6に示したユーザインタフェース603及び有線通信インタフェース605を省いた構成としてもよい。
また、図20に示した取得部2001及び出力部2003は、たとえば図6に示した有線通信インタフェース605により実現することもできる。この場合は、上述した最大物理量差情報は有線通信インタフェース605を介して他の通信装置から受信され、上述した子機情報は有線通信インタフェース605を介して他の通信装置へ送信される。また、この場合は図6に示したユーザインタフェース603及び無線通信インタフェース604を省いた構成としてもよい。
また、図20に示した取得部2001及び出力部2003は、図6に示したユーザインタフェース603、無線通信インタフェース604及び有線通信インタフェース605のうちのそれぞれ異なるインタフェースにより実現することもできる。
(実施の形態4にかかる選別装置による処理)
図21は、実施の形態4にかかる選別装置による処理の一例を示すフローチャートである。実施の形態4にかかる選別装置2000は、たとえば図21に示す各ステップを実行する。まず、選別装置2000は、測定領域101の各位置における測定対象の物理量(たとえば温度)の最大の差ΔTを示す最大物理量差情報と、測定領域101に配置する子機の選別候補の子機の数(子機数n)を示す子機数情報と、の入力を受け付ける(ステップS2101)。差ΔTは、たとえば図1、図2に示した例においては100[℃]より大きい値である。
つぎに、選別装置2000は、ステップS2101によって入力された最大物理量差情報が示す物理量の最大の差ΔTを、応答信号の周波数差Δfに変換する(ステップS2102)。たとえば、図4に示した例のように、温度の変化量に対する共振周波数の変化量の特性が子機間で一定である場合は、その温度の変化量に対する共振周波数の変化量に基づいて、差ΔTを周波数差Δfに変換することができる。
つぎに、選別装置2000は、x、yをともに1に設定(x=1、y=1)する(ステップS2103)。xは、測定領域101に配置する子機の選別候補の各子機を識別するインデックスである(x=1、2、…、X)。Xは子機数n以上の自然数である。また、インデックスxは、選別候補の各子機の基準周波数の順になるように設定される。たとえば、子機1(x=1)は、選別候補の各子機の中で基準周波数が最も高い又は低い子機である。基準周波数は、ある基準温度における共振周波数である。yは、何番目の選別子機を選別中であるかを示すインデックスである(x=1、2、…、n)。
つぎに、選別装置2000は、子機xを選別子機yとしてメモリに記憶する(ステップS2104)。ステップS2104においては、x=1、y=1であるため、子機1(x=1)が選別子機1(y=1)として記憶されることになる。選別子機yとして子機xが記憶されるメモリには、たとえば図6に示したメモリ602を用いることができる。
つぎに、選別装置2000は、インデックスx、yをインクリメント(x=x+1、y=y+1)する(ステップS2105)。つぎに、選別装置2000は、子機xの基準周波数が、選別子機(y−1)の基準周波数から、ステップS2102によって変換した周波数差Δf以上離れているか否かを判断する(ステップS2106)。選別子機(y−1)は、直前に選別子機として選別した子機である。
ステップS2106において、子機xの基準周波数が選別子機(y−1)の基準周波数から周波数差Δf以上離れていない場合(ステップS2106:No)は、選別装置2000は、xをインクリメント(x=x+1)し(ステップS2107)、ステップS2106へ戻る。子機xの基準周波数が選別子機(y−1)の基準周波数から周波数差Δf以上離れている場合(ステップS2106:Yes)は、選別装置2000は、子機xを選別子機yとしてメモリに記憶する(ステップS2108)。
つぎに、選別装置2000は、インデックスyが、ステップS2101によって受け付けた子機数情報が示す子機数nに達したか否かを判断する(ステップS2109)。インデックスyが子機数nに達していない場合(ステップS2109:No)は、選別装置2000は、インデックスx、yをインクリメント(x=x+1、y=y+1)し(ステップS2110)、ステップS2106へ戻る。
ステップS2109において、yが子機数nに達した場合(ステップS2109:Yes)は、選別装置2000は、ステップS2104、S2108により選別子機yとして記憶した子機を示す子機情報を出力し(ステップS2111)、一連の処理を終了する。子機情報は、測定領域101に配置する子機の候補としてn個の子機をユーザに提示する情報である。このn個の子機は、たとえば図1に示した子機121〜124のように、最大物理量差情報が示す差ΔT以上ずつ、温度共振周波数特性がずれた各子機である。
このように、実施の形態4にかかる選別装置2000によれば、測定対象の物理量(一例としては温度)の、測定領域101に配置される各子機の間における所定差を示す情報に基づいて、狭い帯域で測定を行うことができる複数の弾性表面波センサを選別することができる。
以上説明したように、測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法によれば、複数の弾性表面波センサによる測定を狭い帯域で行うことができる。
このため、たとえば、所定数の位置における物理量を測定するために使用する帯域を狭くし、余った帯域を他の用途に活用することが可能になる。又は、一定幅の帯域を用いて物理量を測定可能な位置の数を多くすることが可能になる。
たとえば、水晶のあるカット角で作成した弾性表面波素子の周波数の温度特性を45[ppm/℃]とする。この弾性表面波素子を2.4[GHz]帯(2400〜2483.5[MHz])で利用することを想定した場合に、1[℃]分の周波数変化量は、2.44[GHz]×45ppm=0.11[MHz]となる。したがって、測定領域101における0〜300[℃]の範囲の温度を測定する場合は33[MHz]を要する。したがって、たとえば各子機の使用帯域を全く重ならないように設定すると仮定すると、83.5[MHz]÷33[MHz]≒2.53により、測定領域101に2個の子機しか配置できないことになる。
仮に、温度差(ある環境における最大温度と最小温度の差)が15[℃]である場合に、15[℃]分の周波数差は1.65[MHz]となる。さらにマージンをとって、図4の例のように周波数差を2[MHz]とすると、たとえば実施の形態1、2の例においては、(83.5[MHz]−33[MHz])÷2[MHz]=25.25により、測定領域101に25個の子機を配置できることになる。ただし、実施の形態2の例においては、2つの共振周波数f11、f12の差をどれだけにするかによって、測定領域101に配置できる子機の数が若干少なくなる。実施の形態3の例においては、(83.5[MHz]−66[MHz])÷2[MHz]=8.75により、測定領域101に8個の子機を配置できることになる。
以上のように、本発明にかかる測定システム、測定装置、測定方法、選別装置及び選別方法は、各種の物理量を測定する測定システム、測定装置、測定方法に有用である。
100 測定システム
101 測定領域
110 親機
121〜124 子機
201〜204 応答信号
211〜214、1411 使用帯域
301〜311 共振周波数インピーダンス特性
401〜407 温度共振周波数特性
501 制御部
502 RF送信部
503、504、710 アンテナ
505 RF受信部
506、2003 出力部
600 情報処理装置
601 CPU
602 メモリ
603 ユーザインタフェース
604 無線通信インタフェース
605 有線通信インタフェース
609 バス
700、1500 SAW共振子
701 圧電基板
711、712、1511 励振電極
721、722、1521、1522 反射器
800 SAWセンサ
801 容器
810 弾性表面波素子
821 蓋部
822 アンテナ電極
822a、823a 接続部
823 グランド電極
831、832 ワイヤ
901 開口部
1300 リフロー炉
1301、1302 加熱ゾーン
1303 仕切部材
1304 窓部
1305 プリント基板
1311、1312 リーダー部アンテナ
1321〜1324 温度センサ
2000 選別装置
2001 取得部
2002 選別部

Claims (17)

  1. 無線送信された検出信号に対してそれぞれ自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサであって、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサと、を含む複数の弾性表面波センサと、
    前記検出信号を無線送信し、無線送信した前記検出信号に対して前記複数の弾性表面波センサから無線送信された各応答信号の周波数に基づいて、前記各応答信号に対応する前記弾性表面波センサを判定し、判定した前記複数の弾性表面波センサのそれぞれにおける前記物理量を算出し、算出した前記物理量を示す情報を出力する測定装置と、
    を含むことを特徴とする測定システム。
  2. 前記第1弾性表面波センサの共振周波数が所定周波数となる前記物理量と、前記第2弾性表面波センサの共振周波数が前記所定周波数となる前記物理量と、の間の差が所定差より大きい
    ことを特徴とする請求項1に記載の測定システム。
  3. 前記所定差は、所定の測定環境における前記第1弾性表面波センサにおける前記物理量と前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量との間の最大の差である
    ことを特徴とする請求項2に記載の測定システム。
  4. 前記測定装置は、前記各応答信号の周波数の低い順又は高い順に、前記各応答信号のうちの前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサが無線送信した応答信号をそれぞれ判定し、判定した結果に基づいて前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の測定システム。
  5. 前記測定装置は、前記検出信号に対して無線送信され受信した応答信号の数に基づいて、前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された各応答信号を受信したか否かを判断し、前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された各応答信号を受信していないと判断した場合は前記検出信号を再送信する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の測定システム。
  6. 前記検出信号は、前記第1帯域及び前記第2帯域を含む周波数の信号である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の測定システム。
  7. 前記複数の弾性表面波センサは、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する帯域で変化する複数の共振周波数を有し、前記検出信号に対して前記複数の共振周波数の各応答信号を無線送信する第3弾性表面波センサを含み、
    前記測定装置は、前記複数の共振周波数の少なくともいずれかに基づいて前記第3弾性表面波センサにおける前記物理量を算出し、前記複数の共振周波数の少なくともいずれかに基づいて、受信した前記各応答信号のうちの前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号をそれぞれ判定し、判定した各応答信号の周波数に基づいて前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の測定システム。
  8. 前記測定装置は、前記受信した各応答信号の周波数に前記複数の共振周波数が含まれている場合に、
    前記複数の共振周波数の少なくともいずれかに基づいて前記第3弾性表面波センサにおける前記物理量を算出し、
    前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号として判定した各応答信号の周波数に基づいて、前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量を算出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の測定システム。
  9. 前記測定装置は、前記受信した各応答信号の周波数に前記複数の共振周波数が含まれているか否かを、前記受信した各応答信号の周波数に、差分が所定値以下となる各周波数が含まれているか否かに基づいて判断する
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の測定システム。
  10. 前記測定装置は、前記受信した各応答信号の周波数に前記複数の共振周波数が含まれているか否かを、前記受信した各応答信号の周波数に、前記複数の共振周波数の間の所定比と同じ比の各周波数が含まれているか否かに基づいて判断する
    ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の測定システム。
  11. 前記複数の弾性表面波センサは、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域及び前記第2帯域と重複しない第3帯域で共振周波数が変化する第3弾性表面波センサを含み、
    前記測定装置は、
    前記第3帯域の周波数に基づいて前記第3弾性表面波センサにおける前記物理量を算出し、
    受信した前記各応答信号の周波数に含まれる前記第3帯域の周波数に基づいて、前記受信した各応答信号のうちの前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号をそれぞれ判定し、判定した各応答信号の周波数に基づいて前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量を算出する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の測定システム。
  12. 前記測定装置は、前記受信した各応答信号の周波数に前記第3帯域の周波数が含まれている場合に、
    前記第3帯域の周波数に基づいて前記第3弾性表面波センサにおける前記物理量を算出し、
    前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号として判定した各応答信号の周波数に基づいて、前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサにおける前記物理量を算出する
    ことを特徴とする請求項11に記載の測定システム。
  13. 前記測定装置は、前記第3弾性表面波センサの共振周波数と、前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサの各共振周波数と、の間の関係を示す情報に基づいて、前記受信した各応答信号のうちの前記第1弾性表面波センサ及び前記第2弾性表面波センサから無線送信された応答信号をそれぞれ判定する
    ことを特徴とする請求項7〜12のいずれか一つに記載の測定システム。
  14. 無線送信された検出信号に対してそれぞれ自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサであって、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサと、を含む複数の弾性表面波センサへ前記検出信号を無線送信する送信部と、
    前記送信部によって送信された前記検出信号に対して前記複数の弾性表面波センサから無線送信された各応答信号を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された前記各応答信号の周波数に基づいて、前記各応答信号に対応する前記複数の弾性表面波センサを判定し、判定した前記複数の弾性表面波センサのそれぞれにおける前記物理量を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された前記物理量を示す情報を出力する出力部と、
    を備えることを特徴とする測定装置。
  15. 無線送信された検出信号に対してそれぞれ自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサであって、測定対象の物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサと、を含む複数の弾性表面波センサへ前記検出信号を無線送信し、
    送信した前記検出信号に対して前記複数の弾性表面波センサから無線送信された各応答信号を受信し、
    受信した前記各応答信号の周波数に基づいて、前記各応答信号に対応する前記複数の弾性表面波センサを判定し、判定した前記複数の弾性表面波センサのそれぞれにおける前記物理量を算出し、
    算出した前記物理量を示す情報を出力する
    ことを特徴とする測定方法。
  16. 測定装置から無線送信された検出信号に対して自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサを選別する選別装置であって、
    測定対象の物理量の前記複数の弾性表面波センサの間における所定差を示す情報を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記情報に基づいて、選別候補の各弾性表面波センサの中から、前記物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサであって、前記第1弾性表面波センサの共振周波数が所定周波数となる前記物理量と、前記第2弾性表面波センサの共振周波数が前記所定周波数となる前記物理量と、の間の差が前記所定差より大きくなる第2弾性表面波センサと、を含む前記複数の弾性表面波センサを選別する選別部と、
    前記選別部によって選別された前記複数の弾性表面波センサを示す情報を出力する出力部と、
    を備えることを特徴とする選別装置。
  17. 測定装置から無線送信された検出信号に対して自センサの共振周波数の応答信号を無線送信する複数の弾性表面波センサを選別する選別方法であって、
    測定対象の物理量の前記複数の弾性表面波センサの間における所定差を示す情報を取得し、
    取得した前記情報に基づいて、選別候補の各弾性表面波センサの中から、前記物理量の所定範囲の変化に対して第1帯域で共振周波数が変化する第1弾性表面波センサと、前記物理量の前記所定範囲の変化に対して前記第1帯域と互いの一部が重複する第2帯域で共振周波数が変化する第2弾性表面波センサであって、前記第1弾性表面波センサの共振周波数が所定周波数となる前記物理量と、前記第2弾性表面波センサの共振周波数が前記所定周波数となる前記物理量と、の間の差が前記所定差より大きくなる第2弾性表面波センサと、を含む前記複数の弾性表面波センサを選別し、
    選別した前記複数の弾性表面波センサを示す情報を出力する
    ことを特徴とする選別方法。
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