JP2017181445A - 可搬式原子炉およびその炉心 - Google Patents

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大志 吉田
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義浩 兵藤
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Abstract

【課題】可搬式原子炉について、核セキュリティ性および臨界安全性を向上させる。
【解決手段】実施形態によれば、可搬式原子炉100は、核分裂反応を生ずる炉心10と、炉心10を収納する原子炉容器20と、中性子吸収材を収納し炉心10での核分裂反応を制御する制御機構40と、炉心10で発生する熱を除去する冷却機構30とを備える。炉心10は、中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部12と、核分裂性物質を含み、減速材部12中に分散して収納された複数の燃料要素11とを有する。複数の燃料要素11は、減速材部12によって相互の相対的な位置を維持するように機械的に保持されている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、可搬式原子炉およびその炉心に関する。
一般に、可搬式の分散電源として原子炉を用いる場合には、臨界安全性および核セキュリティ性が重要となる。ここで、臨界安全性とは、制御状態にある場合以外には臨界状態には至らない性質を有することを言う。また、核セキュリティ性とは、それを用いて兵器級の核燃料の製造をし難い性質を有することを言う。
また原子炉を可能な限り受動的に制御する事も必要となる。すなわち、原子炉の制御のために外的操作、あるいは動的な装置を可能な限り不要とするような自己制御性、固有の安全性を有することが望ましい。
可搬式の分散電源としての原子炉の適用先としては、主に宇宙空間や地球外の衛星・惑星表面での電源供給が考えられる。とりわけ、たとえば、太陽から遠い惑星の探査衛星のように、太陽光が微弱であるがある程度の動力源が必要な場合においては太陽パネルを使用することができず、原子炉を利用することが有効である。
従来の研究では、燃料として主に高濃縮ウランを用いた例が検討されているが、輸送時の事故により兵器級の核物質がテロリストの手に渡る、あるいは燃料が圧縮されることにより臨界事故が発生するなどの危険性がある。
この様な危険を避けるためには、たとえば、低濃縮ウラン、すなわちウラン235の濃縮度が20%以下のウランを用いて炉心を設計する方法がある。この場合、ウラン濃縮度を下げることによる炉心重量の増大を抑制するために、減速材を用いる例が知られている。
米国特許出願公開第2016/0012924号明細書 特許第3113028号公報
上述した可搬式原子炉の炉心においては、輸送時等において核物質が利用しやすい形でテロリストに奪われる危険性、あるいは事故時の核物質の変形により臨界事故が発生する危険性があることが課題であった。また、可搬式原子炉システムの熱効率の向上、重量の低減の観点からはできるだけ高い温度での運転が望ましいが、減速材中で減速能を高めている水素等の軽い元素を含む化合物が高温で解離しやすいことが課題であった。
本発明の実施形態は、上述した課題を解決するためになされたものであり、可搬式原子炉について、核セキュリティ性および臨界安全性を向上させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る可搬式原子炉は、核分裂反応を生ずる炉心と、前記炉心を収納する原子炉容器と、中性子吸収材を有し前記炉心での核分裂反応を制御する制御機構と、前記炉心で発生する熱を除去する冷却機構と、を備え、前記炉心は、中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、核分裂性物質を含み、前記減速材部中に分散して収納された複数の燃料要素と、を有し、前記複数の燃料要素は、前記減速材部によって機械的に支持されることによって相互の相対的な位置を維持している、ことを特徴とする。
また、本実施形態は、可搬式原子炉の原子炉容器内に収納される炉心であって、中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、核分裂性物質を含み、前記減速材部中に分散して収納された複数の燃料要素と、を有し、前記複数の燃料要素は、前記減速材部によって機械的に支持されることによって相互の相対的な位置を維持している、ことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、可搬式原子炉について、核セキュリティ性および臨界安全性を向上させることができる。
第1の実施形態に係る可搬式原子炉の構成を示す立断面図であり、図2のI−I矢視立断面図である。 第1の実施形態に係る可搬式原子炉の構成を示す図1のII−II矢視横断面図である。 第1の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。 第1の実施形態に係る可搬式原子炉の制御機構の概念的構成を示す立断面図である。 第2の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の構成を示す概念的斜視図である。 第3の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の構成を示す概念的斜視図である。 第4の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。 第5の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。 第6の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る可搬式原子炉およびその炉心について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る可搬式原子炉の構成を示す立断面図であり、図2のI−I矢視立断面図である。また、図2は、図1のII−II矢視横断面図である。可搬式原子炉100は、炉心10、原子炉容器20、冷却機構30、および制御機構40を有する。
炉心10は、複数の燃料要素11、および減速材部12を有する。炉心10全体の形状は円柱状である。炉心10の詳細については、後述する。原子炉容器20は、炉心10等を収納する密閉容器であり、後述するヒートパイプ31および安全棒のガイド管46が貫通する部分については、溶接等でシールされている。
冷却機構30は、炉心10で発生した熱を、原子炉容器20の外部に移送する。冷却機構30は、ヒートパイプ31、放熱パネル32および熱電変換部35を有する。ヒートパイプ31は、長手方向の一方の端部を含む加熱部31aと、他方の端部を含む冷却部31bとを有する。加熱部31aは、炉心10の内部に挿入されている。また、冷却部31bは、原子炉容器20の外側に延びている。冷却部31bは、放熱パネル32に接しており、冷却部31bから放熱パネル32に熱が移動しやすいように形成されている。放熱パネル32は、長方形の板状で、冷却部31bの長手方向に延びて、幅方向すなわち長手方向に垂直な方向に拡がっている。
ヒートパイプ31には、原子炉容器20の外側であって冷却部31bの入口近傍の位置に、熱電変換部35が取り付けられている。熱電変換部35は、ヒートパイプ31から熱を受けて電力に変換する。熱電変換部35で発生した電力は、ケーブル36を介して、計測制御部45に送られる。計測制御部45は、図示しないたとえば炉心10の温度検出器、原子炉容器20内の圧力検出器等の各計測器からの情報を送信すること、緊急時に炉心10に挿入する安全棒(図示せず)を駆動すること等を行う。電力は、これら計測制御用、および安全棒の駆動用に用いられる。
炉心10は、全体として円柱形状である。炉心10は、円柱の中心軸から同軸の層状に径方向に構成要素が配されている。まず、中心には、ガイド管46が配されている。ガイド管46は、安全棒が炉心10に挿入される場合の炉心10におけるガイドとなる。
減速材部12は、第1領域減速部材12a、第2領域減速部材12b、第3領域減速部材12c、第4領域減速部材12dを有する。
炉心10の構成は、ガイド管46を中心に、径方向の外側に向かって、第1領域減速部材12a、燃料第1領域11aの燃料要素11、第2領域減速部材12b、燃料第2領域11bの燃料要素11、第3領域減速部材12c、燃料第3領域11cの燃料要素11、第4領域減速部材12dの順に層状に配されている。
第1領域減速部材12a、第2領域減速部材12b、第3領域減速部材12c、第4領域減速部材12dは、それぞれ、金属の水素化物であり、固体状である。水素化物としては、たとえば、水素化カルシウム(CaH)あるいは水素化ジルコニウム(ZrH)などを用いることができる。
各燃料要素11は、これらの減速材部12に機械的に支持されて、相対的な位置を維持している。仮に減速材部12が破損すれば、自立能力のない各燃料要素11は、炉心10内に配された位置を維持できずに、ばらばらに分散することになる。
燃料第1領域11a、燃料第2領域11b、燃料第3領域11cのそれぞれは、複数の燃料要素11が周方向に互いに隣接しながら配されて円環状の一つの層を形成している。具体的には、燃料第1領域11aには2つ、燃料第2領域11bには4つ、燃料第3領域11cには8つの燃料要素11が配されている。なお、1つの層内の燃料要素11の数については、これらの数に限定されない。
それぞれの燃料要素11は、軸方向に延び、横断面形状は厚みのある円弧状をなしている。それぞれの燃料要素11の配されている領域には、燃料要素11に囲まれて、ヒートパイプ31の加熱部31aが配されている。
燃料要素11は、少なくともウラン、トリウムあるいは超ウラン元素等の核分裂性物質を含む。また、燃料要素11の材料の形態は、たとえば金属であるが、これには限定されない。たとえば、酸化物、窒化物、あるいは炭化物等でもよい。燃料要素11は、核分裂性物質の反応で生ずる核分裂生成物を封じ込めるために、周囲を覆う金属の被覆部(図示せず)を有する。
図3は、第1の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。すなわち、燃料要素11は、第1領域減速部材12a、第2領域減速部材12b、第3領域減速部材12c、第4領域減速部材12dのそれぞれの減速材部12に囲まれている。燃料要素11の中央には、ヒートパイプ31の加熱部31aが設けられている。
図2では、ヒートパイプ31の設置数は、1つの燃料要素11に対して1つの場合を示しているが、これに限定されない。すなわち、1つの燃料要素11に対して複数のヒートパイプ31を設けてもよい。あるいは、冷却能力が確保されれば、これより少なくとも良い。
制御機構40は炉心10の反応度を制御する。制御機構40は、挿入管41、制御材リザーバ42、およびこれらを接続する接続管43を有する。挿入管41、制御材リザーバ42および接続管43は、密閉空間を構成しており、たとえば、10Bを含むホウ酸など液体状の制御材を内包している。
第4領域減速部材12dの配されている領域には、2つの制御機構40の制御材リザーバ42が第4領域減速部材12dに囲まれて設けられている。また、第2領域減速部材12bが設けられている領域には、挿入管41が第2領域減速部材12bに囲まれて設けられている。
なお、制御材リザーバ42は、減速材部12内の領域に設けることに限定されない。たとえば、制御棒リザーバ42の周囲に燃料領域を設ける、あるいは制御材リザーバ42を燃料要素11の内部に設置することでもよい。
原子炉容器20内で、燃料要素11および減速材部12が設けられていない部分は、ガス収納空間25となっている。ガス収納空間25内には、水素ガスが充填されている。水素ガスの圧力は、炉心10の運転温度の下での減速材部12の材料である金属水素化物の水素圧力と同等以上の圧力とする。
図4は、制御機構の概念的構成を示す立断面図である。前述のように、挿入管41が、減速材部12が設けられている領域に配されている。挿入管41は、図2に示すように、炉心10内のインポータンスの高い領域、すなわち中性子吸収材44の効果の大きな領域である径方向の中心に近い領域に設けられている。
一方、制御材リザーバ42は、炉心10の径方向の外側の領域に設けられている。制御材リザーバ42には、液体状の中性子吸収材44が収納されている。中性子吸収材44は、接続管43も満たし、挿入管41の一部にまで充填されている。
以上のように構成されている本実施形態における可搬式原子炉100およびその炉心10の作用について、以下に説明する。
まず、可搬式原子炉100の通常運転時には、可搬式原子炉100の出力が増大すると、炉心10の温度が上昇する。このため、制御材リザーバ42内の中性子吸収材44が熱膨張し、挿入管41内を占有する中性子吸収材44の割合が増加する。この結果、負の反応度が投入され、可搬式原子炉100の出力を低下させる。このように、炉心10は制御機構40と相俟って、自律的な反応度制御性を有する。また、制御材リザーバ42の周囲に燃料領域が有る場合は、制御材リザーバ42の周囲の燃料領域でも中心側から漏れ出た中性子による核反応で発熱し、制御材リザーバ42の周囲温度の上昇が速くなる。このため、一般に熱伝導性の低い金属水素化物を有する減速材部12中に燃料要素11が置かれている場合に比べて、炉心10の温度上昇に対する負の反応度投入の応答性が高くなる。
また、金属の水素化物は、高温で水素が解離するという特性がある。しかしながら、可搬式原子炉100の通常運転の範囲においては、ガス収納空間25内の水素ガスの圧力が確保されている。このため、減速材部12の主要材料である金属水素化物の解離が抑制される。このため、ガス収納空間25を設けて水素ガスの圧力を確保することをしない場合に比べて、炉心10の定格温度をより高い温度に設定することが可能となり、可搬式原子炉100全体の熱効率の向上、あるいは出力の増大が可能となる。
一方、たとえば、地球上での可搬式原子炉100の輸送時に、事故が発生して原子炉容器20が破損した場合、炉心10の減速材部12が、大気や、水あるいは水蒸気に接触する。減速材部12の金属水素化物は、これらと反応して分解する。この結果、燃料要素11は、離散する方向となり、炉心10の反応度が上昇することはない。
また、可搬式原子炉100が船舶や航空機、あるいはロケットなどによって移送されている場合は、事故時には、減速材部12の金属水素化物が周囲の環境との化学反応により分解される。このため、減速材部12は、各燃料要素11を保持する機能を喪失する。この結果、燃料要素11はそれぞれ海中あるいは空中で散逸する。すなわち、テロリスト等が核兵器を製作するに必要な濃縮ウランを確保することが困難となる。
以上のように、炉心を構成する核燃料がまとまった形で存在する場合に比べて、核セキュリティ性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の構成を示す概念的斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。なお、図5においては、制御機構40を省略している。
本実施形態においては、燃料要素11が、それぞれ棒状燃料部11pとなっている。それぞれの棒状燃料部11pは、減速材部12中に埋め込まれ、減速材部12に機械的に支持されている。
このため、事故時に可搬式原子炉100の温度が上昇し、減速材部12が含んでいる金属水素化物が解離した場合には、減速材部12による支持機能が喪失し、棒状燃料部11pは、互いに離散することになる。
また、事故時に、減速材部12が、原子炉容器20の外部環境にさらされた場合にも、減速材部12による支持機能が喪失し、棒状燃料部11pは、互いに離散することになる。
以上のように、炉心を構成する核燃料がまとまった形で存在する場合に比べて、核セキュリティ性、臨界安全性をさらに向上させることができる。
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の構成を示す概念的斜視図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。なお、図6においても、制御機構40を省略している。
本実施形態においては、燃料要素11が、それぞれ粒状の粒状燃料部11qとなっている。それぞれの粒状燃料部11qは、減速材部12中に埋め込まれ、減速材部12に機械的に支持されている。
このため、事故時に可搬式原子炉100の温度が上昇し、減速材部12が含んでいる金属水素化物が解離した場合には、減速材部12による支持機能が喪失し、粒状燃料部11qは、互いに離散することになる。
また、事故時に、減速材部12が、原子炉容器20の外部環境にさらされた場合にも、減速材部12による支持機能が喪失し、粒状燃料部11qは、互いに離散することになる。燃料要素11が粒状なので、さらに回収しにくくなっている。
以上のように、炉心を構成する核燃料がまとまった形で存在する場合に比べて、核セキュリティ性、臨界安全性をさらに向上させることができる。
[第4の実施形態]
図7は、第4の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。
本第4の実施形態においては、燃料要素11と減速材部12との間に、断熱部材13が設けられている。断熱部材13の材料としては、ロックウール系、あるいはグラスウール系等を用いることができる。
このように構成された本実施形態においては、減速材部12の温度上昇を低く抑えられる。このため、燃料要素11の温度を高くすることができ、可搬式原子炉100の効率の向上、あるいは出力の増大が可能となる。
[第5の実施形態]
図8は、第5の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。
本第5の実施形態においては、ヒートパイプ31の加熱部31aと燃料要素11との間に、液体部15が設けられている。液体部15の材料としては、液体金属あるいは溶融塩を用いることができる。熱伝導性の上からは、特に液体金属が好ましい。
このように構成された本実施形態においては、ヒートパイプ31の加熱部31aと燃料要素11との間の熱伝達特性の向上を図ることができ、炉心の温度上昇の低減を図ることができる。また、液体部15を設けない場合は、熱伝達特性の確保の観点から加熱部31aと燃料要素11間のギャップを低減するための製作精度の確保が必要であるが、液体部15を設けることにより、製作精度に関する要求が緩和される。
[第6の実施形態]
図9は、第6の実施形態に係る可搬式原子炉の炉心の燃料要素まわりの概念的構成を示す立断面図である。本実施形態は、第5の実施形態の変形である。
本第6の実施形態においては、燃料要素11と液体部15との区別を設けずに、混合部16が設けられている。混合部16は、複数の燃料要素11の外側に液体が存在した状態である。
このように構成された本実施形態においては、燃料要素11から加熱部31aへの熱の移動がさらに確実となり、熱伝達特性の向上を図ることができ、炉心の温度上昇の低減を図ることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
たとえば、実施形態では、冷却機構30がヒートパイプ方式の場合を例にとって示したが、これに限定されない。たとえば、熱交換器を用いることでもよい。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…炉心、11…燃料要素、11a…燃料第1領域、11b…燃料第2領域、11c…燃料第3領域、11p…棒状燃料部、11q…粒状燃料部、12…減速材部、12a…第1領域減速部材、12b…第2領域減速部材、12c…第3領域減速部材、12d…第4領域減速部材、13…断熱部材、15…液体部、16…混合部、20…原子炉容器、25…ガス収納空間、30…冷却機構、31…ヒートパイプ、31a…加熱部、31b…冷却部、32…放熱パネル、35…熱電変換部、36…ケーブル、40…制御機構、41…挿入管、42…制御材リザーバ、43…接続管、44…中性子吸収材、45…計測制御部、46…ガイド管、100…可搬式原子炉

Claims (6)

  1. 核分裂反応を生ずる炉心と、
    前記炉心を収納する原子炉容器と、
    中性子吸収材を有し前記炉心での核分裂反応を制御する制御機構と、
    前記炉心で発生する熱を除去する冷却機構と、
    を備え、
    前記炉心は、
    中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、
    核分裂性物質を含み、前記減速材部中に分散して収納された複数の燃料要素と、
    を有し、
    前記複数の燃料要素は、前記減速材部によって機械的に支持されることによって相互の相対的な位置を維持している、
    ことを特徴とする可搬式原子炉。
  2. 前記減速材部の材料は、金属水素化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の可搬式原子炉。
  3. 前記原子炉容器内にはガス収納空間が形成され、前記ガス収納空間には、水素ガスが充填されていることを特徴とする請求項2に記載の可搬式原子炉。
  4. 前記中性子吸収材は液体状であり、
    前記制御機構は、
    前記炉心内に配された挿入管と、
    前記挿入管に接続されて前記中性子吸収材を収納する制御材リザーバと
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の可搬式原子炉。
  5. 前記複数の燃料要素の少なくとも1つと前記減速材部との間に、断熱部材を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の可搬式原子炉。
  6. 可搬式原子炉の原子炉容器内に収納される炉心であって、
    中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、
    核分裂性物質を含み、前記減速材部中に分散して収納された複数の燃料要素と、
    を有し、
    前記複数の燃料要素は、前記減速材部によって機械的に支持されることによって相互の相対的な位置を維持している、
    ことを特徴とする炉心。
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