JP7273743B2 - 毒物添加炉心および宇宙用原子炉 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、毒物添加炉心および宇宙用原子炉に関する。
外惑星探査船は、小型かつ高出力な電源を必要としており、このような点で、原子炉が注目されている。一般的に使用されてきた化学電池、太陽光電池などは、出力密度が低いため、遠方探査に向け高出力化を図ろうとした場合、装置が大型化する課題がある。また、太陽光電池によっては、太陽光が届かない遠隔領域での使用には限界がある。一方、原子炉は、エネルギー密度の高い核燃料を使用しているため小型かつ高出力な電源となり、外惑星探査船の動力源として適している。
原子炉を用いた発電は、燃料である核分裂性核種が中性子をとらえて核分裂し、核分裂により生じた核分裂片の運動エネルギーを熱に変換し、その熱をさらに電気に変換している。原子炉では、連続的かつ安定的に高出力な電気を供給するために、核分裂が連鎖的に起こるように燃料集合体の体系が構成されており、放出する中性子数と消滅する中性子数の比がバランスしている場合を臨界とし、消滅する中性子が多い場合を未臨界としている。
一般的に、原子炉は、中性子を吸収する制御棒を内部に備え、核崩壊により放出された中性子を吸収することで連鎖反応を抑制し、未臨界状態にすることにより安全性を確保している。
特開2010-14493号公報
「JENDL-4.0データ」2016年2月2日、日本原子力研究開発機構、核データ研究グループ
しかしながら、前述した宇宙用原子炉は核燃料集合体を内部に設け、ロケットに搭載し打ち上げられるため、振動や打ち上げ失敗時の爆発や落下の影響により挿入された制御棒が正しい位置から外れる可能性がある。したがって、このように制御棒がその非常停止機能を発揮しない可能性を考慮した強固な安全対策を施す必要がある。従来の原子炉の構成の場合には、制御棒を燃料集合体の内部に装備することにより、未臨界状態を確保するが、上述した影響により、制御棒を燃料集合体内部に挿入できずに未臨界状態を担保することが困難となる危険性がある。
宇宙用原子炉は、学術的な惑星探査機だけではなく今後発展が予想される宇宙産業分野において、商業用の衛星や宇宙船にも搭載が期待されるが、宇宙での使用を想定した場合に、地上での発電を想定した原子炉と比較して、さらなる安全性の強化と軽量化が要求される。
そこで、本発明の実施形態は、宇宙用原子炉において、外部装置を使用することなく、必要期間を未臨界状態に保った後に、臨界状態に移行可能とすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係る毒物添加燃炉心は、核分裂性核種を含む燃料物質と、自然崩壊により別の中性子吸収核種となり前記別の中性子吸収核種の中性子吸収断面積より大きな中性子吸収断面積を有する中性子吸収核種を含む毒物と、を含む燃料要素と、中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、を備え、初期には外部からの負の反応度の付加なしに未臨界状態にあり、前記中性子吸収核種は、ユーロピウム152およびユーロピウム154、ガドリニウム153、ディスプロシウム159の少なくともいずれか1つを含む、ことを特徴とする。
また、本実施形態に係る宇宙用原子炉は、毒物添加炉心と、前記毒物添加炉心の反応度を制御するために負の反応度を印加する制御機構と、前記毒物添加炉心で発生した熱を除去する冷却機構と、を備え、前記毒物添加炉心は、核分裂性核種を含む燃料物質と、自然崩壊により別の中性子吸収核種となり前記別の中性子吸収核種の中性子吸収断面積より大きな中性子吸収断面積を有する中性子吸収核種を含む毒物と、を含む燃料要素と、中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、を具備し、初期には外部からの負の反応度の付加なしに未臨界状態にあり、前記中性子吸収核種は、ユーロピウム152およびユーロピウム154、ガドリニウム153、ディスプロシウム159の少なくともいずれか1つを含む、ことを特徴とする。

実施形態に係る宇宙用原子炉の構成を示す立断面図であり、図2のI-I矢視立断面図である。 実施形態に係る宇宙用原子炉の構成を示す図1のII-II矢視横断面図である。 実施形態に係る宇宙用原子炉の制御機構の構成を示す概念的断面図である。 実施形態に係る宇宙用原子炉の燃料要素に用いる毒物の例としてのEu152とその崩壊により生ずるGd152の捕獲断面積を比較したグラフである。 実施形態に係る宇宙用原子炉の燃料要素に用いる毒物の例としてのEu154とその崩壊により生ずるGd154の捕獲断面積を比較したグラフである。 実施形態に係る宇宙用原子炉に用いる毒物としてのEu152およびEu154を用いた場合の毒物添加炉心の状態の時間変化の算出のための解析モデルを示す部分平面図である。 実施形態に係る宇宙用原子炉に用いる毒物としてのEu152およびEu154を用いた場合の炉心の状態の時間変化の例を示すグラフである。 実施形態に係る宇宙用原子炉の各段階における状態外惑星探査船を示す概念的なグラフである。 実施形態に係る宇宙用原子炉を用いた外惑星探査船の各段階における動力源を示す概念的なグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る毒物添加燃料集合体、毒物添加炉心および宇宙用原子炉について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重畳する説明は省略する。
図1は、第1の実施形態に係る宇宙用原子炉の構成を示す立断面図であり、図2のI-I矢視立断面図である。また、図2は、図1のII-II矢視横断面図である。
宇宙用原子炉100は、毒物添加炉心10、原子炉容器20、冷却機構30、制御機構40、および計測通信部50を有する。
毒物添加炉心10は、複数の燃料要素11、および減速材部12を有する。毒物添加炉心10全体の形状は円柱状である。毒物添加炉心10の詳細については、後述する。原子炉容器20は、毒物添加炉心10等を収納する密閉容器であり、後述するヒートパイプ31が貫通する部分については、溶接等でシールされている。
冷却機構30は、毒物添加炉心10で発生した熱を、原子炉容器20の外部に移送する。冷却機構30は、ヒートパイプ31、放熱パネル32および熱電変換部35を有する。ヒートパイプ31は、長手方向の一方の端部を含む加熱部31aと、他方の端部を含む冷却部31bとを有する。加熱部31aは、毒物添加炉心10の内部に挿入されている。また、冷却部31bは、原子炉容器20の外側に延びている。冷却部31bは、放熱パネル32に接しており、冷却部31bから放熱パネル32に熱が移動しやすいように形成されている。放熱パネル32は、長方形の板状で、冷却部31bの長手方向に延びて、幅方向すなわち長手方向に垂直な方向に拡がっている。
ヒートパイプ31には、原子炉容器20の外側であって冷却部31bの入口近傍の位置に、熱電変換部35が取り付けられている。熱電変換部35は、ヒートパイプ31から熱を受けて電力に変換する。熱電変換部35で発生した電力は、ケーブル36を介して、制御機構40および計測通信部50に送られる。
毒物添加炉心10は、全体として円柱形状である。毒物添加炉心10は、円柱の中心軸から同軸の層状に径方向に構成要素が配されている。
減速材部12は、第1領域減速部材12a、第2領域減速部材12b、第3領域減速部材12c、第4領域減速部材12dを有する。
毒物添加炉心10の構成は、径方向の外側に向かって、第1領域減速部材12a、燃料第1領域11aの燃料要素11、第2領域減速部材12b、燃料第2領域11bの燃料要素11、第3領域減速部材12c、燃料第3領域11cの燃料要素11、第4領域減速部材12dの順に層状に配されている。なお、減速部材が4つの領域、燃料部材が3つの領域に配されているが、これらの層数は、さらに少ない場合、あるいはさらに多い場合であってもよい。
第1領域減速部材12a、第2領域減速部材12b、第3領域減速部材12c、第4領域減速部材12dは、それぞれ、金属の水素化物であり、固体状である。水素化物としては、たとえば、水素化カルシウム(CaH)あるいは水素化ジルコニウム(ZrH)などを用いることができる。
各燃料要素11は、これらの減速材部12に機械的に支持されて、相対的な位置を維持している。
燃料第1領域11a、燃料第2領域11b、燃料第3領域11cのそれぞれは、複数の燃料要素11が周方向に互いに隣接しながら配されて円環状の一つの層を形成している。具体的には、燃料第1領域11aには2つ、燃料第2領域11bには4つ、燃料第3領域11cには8つの燃料要素11が配されている。なお、1つの層内の燃料要素11の数については、これらの数に限定されない。
それぞれの燃料要素11は、軸方向に延び、横断面形状は厚みのある円弧状をなしている。それぞれの燃料要素11の配されている領域には、燃料要素11に囲まれて、ヒートパイプ31の加熱部31aが配されている。
燃料要素11は、核分裂性物質および毒物を含む。核分裂性物質は、少なくともウラン、トリウムあるいは超ウラン元素等のいずれかを含む。毒物は、中性子捕獲断面積の大きな同位元素を含む。
燃料要素11の材料の形態は、たとえば金属であるが、これには限定されない。たとえば、酸化物、窒化物、あるいは炭化物等でもよい。燃料要素11は、核分裂性物質の反応で生ずる核分裂生成物を封じ込めるために、周囲を覆う金属の被覆部(図示せず)を有する。
燃料要素11に含まれる毒物は、次の2つの条件を満たす同位元素を含むものとする。
第1に、中性子捕獲断面積の大きな同位元素であり、たとえばベータ崩壊などの自然崩壊により中性子捕獲断面積が相対的に小さな別の同位元素に転換すること。
第2に、自然崩壊の半減期が適切な長さであること。ここで、適切な長さとは、燃料要素11の製造段階から外惑星探査船の打ち上げ終了までの期間に比べて十分に長い時間であり、かつ、太陽光の到達可能領域内にとどまっている期間内の時間であること。
このような同位元素の例としては、ユーロピウム-152(Eu152)およびユーロピウム-154(Eu154)がある。
Eu152は、ベータ崩壊でガドリニウム-152(Gd152)に転換し、その半減期は、約13.5年である。また、Eu154は、ベータ崩壊でGd154に転換し、その半減期は、約8.6年である。
制御機構40は毒物添加炉心10の反応度を制御する。制御機構40は、挿入管41、制御材リザーバ42、およびこれらを接続する接続管43を有する。挿入管41、制御材リザーバ42および接続管43は、密閉空間を構成しており、たとえば、10Bを含むホウ酸など液体状の制御材を内包している。
第4領域減速部材12dの配されている領域には、2つの制御機構40の制御材リザーバ42が第4領域減速部材12dに囲まれて設けられている。また、第2領域減速部材12bが設けられている領域には、挿入管41が第2領域減速部材12bに囲まれて設けられている。
なお、制御材リザーバ42は、減速材部12内の領域に設けることに限定されない。たとえば、制御棒リザーバ42の周囲に燃料領域を設ける、あるいは制御材リザーバ42を燃料要素11の内部に設置することでもよい。
原子炉容器20内で、燃料要素11および減速材部12が設けられていない部分は、ガス収納空間25となっている。ガス収納空間25内には、たとえば水素ガスなどのガスが充填されている。ガスの圧力は、炉心10の運転温度の下での減速材部12の材料である金属水素化物の水素圧力と同等以上の圧力とする。
図3は、実施形態に係る宇宙用原子炉の制御機構40の構成を示す概念的断面図である。挿入管41が、減速材部12が設けられている領域に配されている。挿入管41は、図2に示すように、毒物添加炉心10内のインポータンスの高い領域、すなわち中性子吸収材44の効果の大きな領域である径方向の中心に近い領域に設けられている。
一方、制御材リザーバ42は、毒物添加炉心10の径方向の外側の領域に設けられている。制御材リザーバ42には、液体状の中性子吸収材44が収納されている。中性子吸収材44は、接続管43も満たし、挿入管41の一部にまで充填されている。
このように構成されている本実施形態の宇宙用原子炉100における制御機構40の作用について、以下に説明する。
宇宙用原子炉100の出力が増大すると、毒物添加炉心10の温度が上昇する。このため、制御材リザーバ42内の中性子吸収材44が熱膨張し、挿入管41内を占有する中性子吸収材44の割合が増加する。この結果、負の反応度が投入され、宇宙用原子炉100の出力を低下させる。このように、毒物添加炉心10は制御機構40と相俟って、自律的な反応度制御性を有する。
また、制御材リザーバ42の周囲に燃料領域が有る場合は、制御材リザーバ42の周囲の燃料領域でも中心側から漏れ出た中性子による核反応で発熱し、制御材リザーバ42の周囲温度の上昇が速くなる。このため、一般に熱伝導性の低い金属水素化物を有する減速材部12中に燃料要素11が置かれている場合に比べて、毒物添加炉心10の温度上昇に対する負の反応度投入の応答性が高くなる。
以上のように、制御機構40によって、安定な臨界状態での運転が維持される。
なお、本実施形態に係る宇宙用原子炉100は、図示しない外惑星探査船の推力用の動力源として設けられるが、外惑星探査船は、宇宙用原子炉100以外に、図示しない太陽光発電装置を備えている。
図4は、実施形態に係る宇宙用原子炉100の燃料要素11に用いる毒物の例としてのEu152とその崩壊により生ずるGd152の捕獲断面積σcを比較したグラフである。
宇宙用原子炉100は熱中性子炉であり、Eu152およびGd152ともに熱中性子領域側で大きな捕獲断面積σcを有する。常温20℃に対応する平衡状態での中性子エネルギーは、0.025eV程度であるので、熱中性子領域として10-2eVないし10-1eVの領域でのEu152およびGd152の捕獲断面積σcを比較する。
10-2eVないし10-1eVでのEu152の捕獲断面積σcは、2×10barnsから3×10barns程度のレベルである。またこの領域でのGd152の捕獲断面積σcは、3.5×10barnsからの1.5×10barns程度のレベルである。すなわち、熱中性子領域において、Gd152の捕獲断面積σcはEu152の捕獲断面積σcより一桁程度低い値となる。
図5は、実施形態に係る宇宙用原子炉100の燃料要素11に用いる毒物の例としてのEu154とその崩壊により生ずるGd154の捕獲断面積σcを比較したグラフである。
10-2eVないし10-1eVでのEu154の捕獲断面積σcは、1.5×10barnsから2×10barns程度のレベルである。またこの領域でのGd154の捕獲断面積σcは、4×10barnsからの1.5×10barns程度のレベルである。すなわち、熱中性子領域において、Gd154の捕獲断面積σcはEu154の捕獲断面積σcより一桁程度低い値となる。
図6は、実施形態に係る宇宙用原子炉に用いる毒物としてのEu152およびEu154を用いた場合の毒物添加炉心の状態の時間変化の算出のための解析モデルを示す部分平面図であり、図7は、解析結果による毒物添加炉心の状態の時間変化の例を示すグラフである。
解析は、単一のセルモデルについて行う。セルは、中央に燃料ピン、その周囲に減速材としての水が配されている。周囲に隣接する他のセルとの関係で、セルの外周において外側に向かう中性子は、完全に反射されるものとして取り扱う。燃料ピンは、Eu152およびEu154の合計量の燃料中の割合を0.15%としている。
図7で示す解析例の結果のグラフは、横軸は、毒物添加炉心を構成して以降の時間(年)、縦軸は、左軸が実効増倍率、右軸が原子数(相対値)である。
この例に示す場合は、当初、実効増倍率は0.96であり未臨界状態であったものが、Eu152およびEu154の崩壊により約2.7年目に実効増倍率が1に到達する。この後、さらにEu152およびEu154の崩壊が継続することから実効増倍率が増加していく。
このように、最初の2.7年間は未臨界状態が維持される。その後は、臨界状態に維持するための反応度制御状態を継続することになる。
以上、宇宙用原子炉100の燃料要素11に用いる毒物の例としてEu152とEu154とを用いた場合を例にとって示したが、これに限定されない。たとえば、ディスプロシウム-159(Dy159)あるいはガドリニウム-153(Gd153)を用いる場合であってもよい。Dy159はベータ崩壊によってホロミウム-159(Ho159)に転換する。
図8は、実施形態に係る宇宙用原子炉の各段階における毒物添加炉心の状態を示す概念的なグラフであり、図9は、実施形態に係る宇宙用原子炉を用いた外惑星探査船の各段階における動力源を示す概念的なグラフである。
図8および図9のグラフの横軸は、時間軸であり、第1段階、第2段階および第3段階に分かれている。
図8に示すように、第1段階および第2段階においては、毒物添加炉心は未臨界状態であり、第3段階では臨界状態である。
また、前述のように、本実施形態に係る宇宙用原子炉100を推力用の動力源として備える図示しない外惑星探査船は、宇宙用原子炉100以外に、図示しない太陽光発電装置を備えている。図9に示すように、外惑星探査船の動力源としては、第1段階においては打ち上げ推力、第2段階においては太陽光、および第3段階においては核反応エネルギーが用いられる。
このように外惑星探査船の打ち上げ時においては、宇宙用原子炉100が未臨界状態にあり、振動や打ち上げ失敗時の爆発や落下の影響により安全棒の非常停止機能の有無を考慮する必要がない。
また、打ち上げ後も、未臨界状態を維持しており宇宙用原子炉100の動力には依存できないが、この間は太陽光により動力を確保することができる。
さらに本来の外惑星探査の段階、すなわち第3段階を迎える前には、宇宙用原子炉100は臨界状態となり、外惑星探査船は、宇宙用原子炉100により動力を確保することができる。第3段階においては、制御機構40の作用により臨界状態が維持される。
ここで、第3段階に到達するまでの期間は前述の解析例のように年オーダとすることができることから、太陽系から遠方に移動する期間も同程度の期間を必要とされることから、両者の整合性を確保することができる。
以上のように、本実施形態によれば、宇宙用原子炉において、外部装置を使用することなく、必要期間を未臨界状態に保った後に、臨界状態に移行することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態では、毒物添加炉心が宇宙用原子炉に用いられている場合を例にとって示したが、これに限定されない。たとえば、炉心を構成する場所と、実際に使用する場所とが異なる場合に、炉心を構成してから実際に使用する場所に設置するまでの、運搬を含めた期間は、未臨界状態にあることが必要な場合のように、炉心を構成した初期には未臨界状態が必要な炉心を用いる場合であれば、他の例でも使用可能である。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。また、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…毒物添加炉心、11…燃料要素、11a…燃料第1領域、11b…燃料第2領域、11c…燃料第3領域、12…減速材部、12a…第1領域減速部材、12b…第2領域減速部材、12c…第3領域減速部材、12d…第4領域減速部材、20…原子炉容器、25…ガス収納空間、30…冷却機構、31…ヒートパイプ、31a…加熱部、31b…冷却部、32…放熱パネル、35…熱電変換部、36…ケーブル、40…制御機構、41…挿入管、42…制御材リザーバ、43…接続管、44…中性子吸収材、50…計測通信部、100…宇宙用原子炉

Claims (4)

  1. 核分裂性核種を含む燃料物質と、自然崩壊により別の中性子吸収核種となり前記別の中性子吸収核種の中性子吸収断面積より大きな中性子吸収断面積を有する中性子吸収核種を含む毒物と、を含む燃料要素と、
    中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、
    を備え、
    初期には外部からの負の反応度の付加なしに未臨界状態にあり、
    前記中性子吸収核種は、ユーロピウム152およびユーロピウム154、ガドリニウム153、ディスプロシウム159の少なくともいずれか1つを含む、
    ことを特徴とする毒物添加炉心。
  2. 前記燃料要素は、前記減速材部によって機械的に支持されることによって相互の相対的な位置を維持している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の毒物添加炉心。
  3. 前記減速材部の材料は、金属水素化物を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の毒物添加炉心。
  4. 毒物添加炉心と、
    前記毒物添加炉心の反応度を制御するために負の反応度を印加する制御機構と、
    前記毒物添加炉心で発生した熱を除去する冷却機構と、
    を備え、
    前記毒物添加炉心は、
    核分裂性核種を含む燃料物質と、自然崩壊により別の中性子吸収核種となり前記別の中性子吸収核種の中性子吸収断面積より大きな中性子吸収断面積を有する中性子吸収核種を含む毒物と、を含む燃料要素と、
    中性子を減速する減速材を含む固体状の減速材部と、
    を具備し、
    初期には外部からの負の反応度の付加なしに未臨界状態にあり、
    前記中性子吸収核種は、ユーロピウム152およびユーロピウム154、ガドリニウム153、ディスプロシウム159の少なくともいずれか1つを含む
    ことを特徴とする宇宙用原子炉
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