JP2017180760A - 遊星ローラねじ式直動機構および電動ブレーキ装置 - Google Patents

遊星ローラねじ式直動機構および電動ブレーキ装置 Download PDF

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雅章 江口
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Abstract

【課題】組み立てが容易な遊星ローラねじ式直動機構を提供する。【解決手段】キャリヤ14は、支持ピン13の第1および第2の端部13a,13bを保持する2枚のディスク21,23を有する。第1のディスク21に形成された第1のピン収容穴41は、第1のピン収容穴41内で支持ピン13の第1の端部13aを周方向に変位させたときに支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置を変化させる形状の案内面44を有する。第2のディスク23に形成された第2のピン収容穴43は、支持ピン13の第2の端部13bを周方向に変位させたときに支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置を変化させる形状の案内面50を有する。【選択図】図9

Description

この発明は、電動式直動アクチュエータに用いられる遊星ローラねじ式直動機構、およびその遊星ローラねじ式直動機構を用いた電動ブレーキ装置に関する。
外部から入力される回転運動を直線運動に変換して出力する直動機構として、例えば、特許文献1のような遊星ローラねじ式直動機構が知られている。
特許文献1の遊星ローラねじ式直動機構は、外部から回転が入力される回転軸と、その回転軸を囲む中空筒状の外輪部材と、その外輪部材の内周と回転軸の外周との間に周方向に間隔をおいて配置された複数の遊星ローラと、その複数の遊星ローラをそれぞれ自転可能に支持する複数の支持ピンと、その複数の支持ピンの両端部を保持するキャリヤとを有する。
ここで、キャリヤには、各遊星ローラの支持ピンの第1の端部と第2の端部をそれぞれ収容する長穴が形成されており、その長穴と支持ピンの各端部との間には、支持ピンの端部の径方向変位を許容する径方向隙間が設けられている。また、複数の支持ピンの第1の端部と第2の端部には、それぞれ、弾性的に拡径可能なC形リングが掛け渡されており、そのC形リングの縮径力によって、各支持ピンの第1の端部と第2の端部とがそれぞれ径方向内方に付勢され、その結果、遊星ローラが回転軸の外周に押し付けられている。
また、外輪部材の内周には、螺旋凸条が設けられ、その螺旋凸条と係合する螺旋溝または円周溝が各遊星ローラの外周に設けられている。
この遊星ローラねじ式直動機構は、外部から回転軸に回転が入力されると、その回転軸の回転が、回転軸の外周に転がり接触する遊星ローラに伝達し、各遊星ローラが自転しながら回転軸のまわりを公転する。このとき、遊星ローラの外周の螺旋溝または円周溝と外輪部材の内周の螺旋凸条との係合によって、外部から回り止めされた外輪部材が軸方向に移動する。このようにして、遊星ローラねじ式直動機構は、回転軸の回転を外輪部材の直線運動に変換する。
この遊星ローラねじ式直動機構は、送りねじ機構などの他の方式の直動機構と比較して、小型で大きい軸方向荷重を発生することが可能なので、省スペースで大きな軸方向荷重が要求される電動ブレーキ装置に好適であるという利点がある。
特開2012−149747号公報
特許文献1の電動式直動アクチュエータは遊星ローラねじ式直動機構を用いており、その遊星ローラねじ式直動機構は、回転軸のまわりに周方向に間隔をおいて配置された複数の遊星ローラの支持ピンの第1の端部と第2の端部とにそれぞれC形リングを掛け渡し、その一対のC形リングの縮径力で、各遊星ローラを回転軸の外周に押し付けるようにしている。
ここで、本願の発明者は、遊星ローラねじ式直動機構を組み立てるときに、C形リングを支持ピンの第1の端部と第2の端部とにそれぞれ装着する作業が煩雑であるという問題に着目した。
すなわち、遊星ローラねじ式直動機構に使用するC形リングと類似する部材として、いわゆる止め輪(スナップリング)が広く一般に使用されているが、この止め輪は、軸体の外周に形成されたリング溝に装着し、軸体に外嵌された部材の軸方向移動を防ぐことを目的としたものである。ここで、止め輪の装着が完了した状態で、止め輪とリング溝の間に締め代が設けられることがあるが、止め輪によるリング溝の締め付け力は、止め輪のガタツキを防止するための最小限の大きさに設定される。そのため、止め輪の装着作業は比較的容易である。
これに対し、遊星ローラねじ式直動機構のC形リングは、その縮径力によって、遊星ローラを回転軸に押さえ付けることを目的としていることから、C形リングの装着が完了した状態で、C形リングから各遊星ローラの支持ピンに作用する縮径力は、比較的大きな力に設定する必要がある。そのため、C形リングを装着する作業が煩雑であるという問題があった。
そして、本願の発明者は、遊星ローラねじ式直動機構の組み立て作業の効率を向上させるために、C形リング以外の手段で、遊星ローラと回転軸の間の安定した接触状態を確保することができないかを検討した。
この発明が解決しようとする課題は、組み立てが容易な遊星ローラねじ式直動機構を提供することである。
上記課題を解決するため、この発明では、以下の構成の遊星ローラねじ式直動機構を提供する。
回転軸と、
前記回転軸を囲む中空筒状の外輪部材と、
前記外輪部材の内周と前記回転軸の外周との間に周方向に間隔をおいて配置され、前記回転軸の外周に転がり接触する複数の遊星ローラと、
前記複数の遊星ローラをそれぞれ自転可能に支持する複数の支持ピンと、
前記複数の支持ピンの両端部を保持するキャリヤと、
前記外輪部材の内周に設けられた螺旋凸条と、
前記螺旋凸条と係合するように前記各遊星ローラの外周に設けられた螺旋溝または円周溝とを有し、
前記螺旋凸条と前記螺旋溝または円周溝との係合によって前記回転軸の回転を前記外輪部材の直線運動に変換する遊星ローラねじ式直動機構において、
前記キャリヤは、前記複数の支持ピンの第1および第2の端部を保持する2枚のディスクを有し、
前記2枚のディスクのうち第1のディスクには、前記支持ピンの第1の端部を収容する第1のピン収容穴が形成され、その第1のピン収容穴は、第1のピン収容穴内で前記支持ピンの第1の端部を周方向に変位させたときに前記支持ピンの第1の端部の径方向位置を変化させる形状の案内面を有し、
前記2枚のディスクのうち第2のディスクには、前記支持ピンの第2の端部を収容する第2のピン収容穴が形成され、その第2のピン収容穴は、第2のピン収容穴内で前記支持ピンの第2の端部を周方向に変位させたときに前記支持ピンの第2の端部の径方向位置を変化させる形状の案内面を有し、
前記第1のピン収容穴の前記案内面と前記第2のピン収容穴の案内面は、前記支持ピンの第1の端部を第1のピン収容穴の案内面に沿って径方向内方に変位させるための前記支持ピンの第1の端部の周方向変位の方向と、前記支持ピンの第2の端部を第2のピン収容穴の案内面に沿って径方向内方に変位させるための前記支持ピンの第2の端部の周方向変位の方向とが互いに逆向きとなるように形成され、
前記第1のピン収容穴の案内面と前記第2のピン収容穴の案内面とが前記支持ピンの第1の端部と第2の端部とにそれぞれ接触することで前記遊星ローラを前記回転軸の外周に押し付けていることを特徴とする遊星ローラねじ式直動機構。
このようにすると、第1のディスクの第1のピン収容穴の案内面と第2のディスクの第2のピン収容穴の案内面とが支持ピンの第1の端部と第2の端部とにそれぞれ接触することで遊星ローラを回転軸の外周に押し付けるので、各支持ピンが回転軸と平行な姿勢となるように支持ピンの第1および第2の端部を保持することにより、各遊星ローラと回転軸の間の安定した接触状態を確保することが可能である。ここで、各支持ピンの第1および第2の端部に、C形リング等の弾性部材を装着する必要がない。そのため、遊星ローラねじ式直動機構を組み立てる作業が容易である。
この遊星ローラねじ式直動機構は、以下の構成を加えると好ましい。
前記キャリヤは、前記複数の遊星ローラの間を通って前記第1のディスクと第2のディスクの間を連結する柱部を有し、
前記第1および第2のディスクは、それぞれ前記柱部が嵌合する第1および第2の嵌合穴部を有し、その第1および第2の嵌合穴部に対する前記柱部の嵌合によって前記第2のディスクが第1のディスクに対して回り止めされている。
このようにすると、キャリヤの柱部が、第2のディスクを第1のディスクに対して回り止めする部材を兼ねるので、回り止め用の部材を柱部とは別個に組み付ける必要がなく、キャリヤの部品点数を抑えることができる。
さらに、上記の遊星ローラねじ式直動機構は、以下の構成を加えると好ましい。
前記キャリヤは、前記第1および第2のディスクとは別個の第3のディスクを有し、前記第3のディスクには、前記支持ピンの第1または第2の端部を収容する第3のピン収容穴が形成され、その第3のピン収容穴は、前記支持ピンの第1または第2の端部を押圧する押圧面を有する。
このようにすると、支持ピンが軸方向と平行な方向に対して周方向に傾斜するのを防止することができる。
さらに、上記の遊星ローラねじ式直動機構は、以下の構成を加えると好ましい。
前記第3のディスクは、前記柱部が嵌合する第3の嵌合穴部を有し、その第3の嵌合穴部に対する前記柱部の嵌合によって前記第3のディスクが前記第1のディスクに対して回り止めされている。
このようにすると、キャリヤの柱部が、第3のディスクを第1のディスクに対して回り止めする部材を兼ねるので、回り止め用の部材を柱部とは別個に組み付ける必要がなく、キャリヤの部品点数を抑えることができる。また、第2のディスクが第1のディスクに対して回り止めされているので、第3のディスクは第2のディスクに対しても回り止めされた状態となる。
さらに、上記の遊星ローラねじ式直動機構は、以下の1)または2)の構成を加えると好ましい。
1)前記第3のディスクは、前記第2のディスクに対して前記第1のディスクよりも遠い側に配置され、
前記第3のディスクの第3のピン収容穴は、前記支持ピンの第1の端部を前記第1のピン収容穴の前記案内面に沿って径方向内方に変位させる方向に押圧する前記押圧面を有する。
2)前記第3のディスクは、前記第1のディスクに対して前記第2のディスクよりも遠い側に配置され、
前記第3のディスクの第3のピン収容穴は、前記支持ピンの第2の端部を前記第2のピン収容穴の前記案内面に沿って径方向内方に変位させる方向に押圧する前記押圧面を有する。
このようにすると、3枚のディスクから各支持ピンに作用する押圧力が交互に周方向逆向きとなるため、3枚のディスクから各支持ピンに作用する押圧力によって支持ピンが軸方向と平行な方向に対して周方向に傾斜するのを防止することができる。
前記柱部は、全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とすると、柱部の製造コストを低減することができ、柱部が嵌合する第1および第2の嵌合穴部の加工コストも低減することが可能となる。
前記第1のディスクと前記第2のディスクは、互いに同一形状とすると、遊星ローラねじ式直動機構の製造コストを低減することが可能となる。
同様に、前記第1のディスクと前記第2のディスクのうちの少なくとも一方と、前記第3のディスクとを、互いに同一形状とすると、遊星ローラねじ式直動機構の製造コストを低減することが可能となる。ここで、前記第1のディスクと前記第2のディスクと第3のディスクとがすべて互いに同一形状であれば、遊星ローラねじ式直動機構の製造コストを特に効果的に低減することが可能となる。
また、上記の遊星ローラねじ式直動機構は、以下の構成を加えると好ましい。
前記複数の遊星ローラをそれぞれ自転可能な状態で軸方向に支持する複数のスラスト軸受を更に有し、
前記各スラスト軸受は、前記支持ピンのまわりに配置された複数の転動体と、その複数の転動体を保持する保持器とを有し、
前記スラスト軸受の転動体が転がり接触する軌道面が、前記第1のディスクと前記第2のディスクと前記第3のディスクのうちのいずれかのディスクの軸方向端面に直接形成されている。
このようにすると、遊星ローラを自転可能に支持するスラスト軸受の軌道盤が不要となるので、その分、遊星ローラねじ式直動機構の軸方向長さをコンパクト化することが可能となり、また、遊星ローラねじ式直動機構の部品点数が少なくなるので、遊星ローラねじ式直動機構の組み立て作業も容易となる。
同様に、前記スラスト軸受の転動体が転がり接触する軌道面は、前記第3のディスクの軸方向端面に直接形成されていてもよい。このようにしても、遊星ローラを自転可能に支持するスラスト軸受の軌道盤が不要となるので、その分、遊星ローラねじ式直動機構の軸方向長さをコンパクト化することが可能となり、また、遊星ローラねじ式直動機構の部品点数が少なくなるので、遊星ローラねじ式直動機構の組み立て作業も容易となる。
前記支持ピンは、全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とすると、支持ピンの製造コストを低減することができる。
前記第1および第2のピン収容穴としては、例えば、前記回転軸に直交する方向の断面形状が、前記回転軸を中心とする周方向に対して傾斜した方向に延びる長円形の長穴を採用することができる。
前記第1および第2のディスクの内周に、前記第1および第2のディスクを前記回転軸に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受を組み込み、
前記回転軸の外周に設けられて前記キャリヤの軸方向移動を規制する突起部材と前記第1のディスクとの間に、スラスト軸受を組み込むことができる。
また、この発明では、上記の遊星ローラねじ式直動機構用いた電動ブレーキ装置として、以下の構成のものを併せて提供する。
上記構成の遊星ローラねじ式直動機構と、
前記遊星ローラねじ式直動機構の前記回転軸を回転駆動する電動モータと、
前記遊星ローラねじ式直動機構の外輪部材と一体に移動するブレーキパッドと、
前記ブレーキパッドに対向して配置されたブレーキディスクと、
を有する電動ブレーキ装置。
この発明の遊星ローラねじ式直動機構は、第1のディスクの第1のピン収容穴の案内面と第2のディスクの第2のピン収容穴の案内面とが支持ピンの第1の端部と第2の端部とにそれぞれ接触することで遊星ローラを回転軸の外周に押し付けるので、各遊星ローラと回転軸の間の安定した接触状態を確保することが可能である。ここで、各支持ピンの第1および第2の端部に、C形リング等の弾性部材を装着する必要がない。そのため、遊星ローラねじ式直動機構を組み立てる作業が容易である。
この発明の第1実施形態の遊星ローラねじ式直動機構を組み込んだ電動式直動アクチュエータを示す断面図 図1の遊星ローラねじ式直動機構の近傍の拡大断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2の遊星ローラねじ式直動機構から取り出された状態のキャリヤを示す断面図 (a)は図4のV−V線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図4のVI−VI線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図4のVII−VII線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 図4のキャリヤの組み立て過程を示す断面図 (a)は図8のIX−IX線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図8のX−X線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図8のXI−XI線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 図2に示すキャリヤを構成する3枚のディスクの軸方向前後の関係を逆にした変形例を示す断面図 第2実施形態の遊星ローラねじ式直動機構を図2に対応して示す図 図13の遊星ローラねじ式直動機構から取り出された状態のキャリヤを示す断面図 (a)は図14のXV−XV線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図14のXVI−XVI線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図14のXVII−XVII線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 図14のキャリヤの組み立て過程を示す断面図 (a)は図18のXIX−XIX線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図18のXX−XX線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 (a)は図18のXXI−XXI線に沿った断面図、(b)は(a)の支持ピンの近傍の拡大図 図13に示すキャリヤを構成する3枚のディスクの軸方向前後の関係を逆にした変形例を示す断面図 図1に示す電動式直動アクチュエータを用いた電動ブレーキ装置の一例を示す断面図 図23に示す電動ブレーキ装置をインナ側から見た図
図1に、この発明の実施形態の第1実施形態の遊星ローラねじ式直動機構1を用いた電動式直動アクチュエータ2を示す。この電動式直動アクチュエータ2は、電動モータ3と、電動モータ3の回転を減速して伝達する減速歯車列4と、減速歯車列4を介して電動モータ3から入力される回転を外輪部材5の直線運動に変換して出力する遊星ローラねじ式直動機構1とを有する。
減速歯車列4は、電動モータ3のモータ軸6に固定された入力歯車7と、遊星ローラねじ式直動機構1の回転軸8に固定された出力歯車9と、入力歯車7と出力歯車9の間で回転を伝達する中間歯車10と、これらの歯車7,9,10を収容するギヤケース11とを有する。この減速歯車列4は、電動モータ3のモータ軸6から入力歯車7に入力された回転を、互いに歯数の異なる入力歯車7、中間歯車10、出力歯車9を順に伝達することで減速し、その減速された回転を出力歯車9から回転軸8に出力する。
図2、図3に示すように、遊星ローラねじ式直動機構1は、電動モータ3で回転駆動される回転軸8と、回転軸8を囲む中空筒状の外輪部材5と、外輪部材5の内周と回転軸8の外周との間に周方向に間隔をおいて配置された複数の遊星ローラ12と、複数の遊星ローラ12をそれぞれ自転可能に支持する複数の支持ピン13と、その複数の支持ピン13の第1の端部13a(軸方向前端部)および第2の端部13b(軸方向後端部)を保持するキャリヤ14と、外輪部材5を軸方向に移動可能に収容するハウジング15とを有する。
ここで、回転軸8と平行な方向を軸方向、外輪部材5のハウジング15からの突出長さが大きくなる側に外輪部材5が移動するときの外輪部材5の移動方向を軸方向前方、外輪部材5のハウジング15からの突出長さが小さくなる側に外輪部材5が移動するときの外輪部材5の移動方向を軸方向後方、回転軸8まわりに周回する方向を周方向、回転軸8に対する距離が変化する方向を径方向という。
図3に示すように、複数の遊星ローラ12は、回転軸8の外周に転がり接触している。回転軸8の遊星ローラ12に対する接触部分は円筒面とされている。回転軸8が回転したとき、回転軸8の外周と遊星ローラ12の外周の間の摩擦によって、各遊星ローラ12は、支持ピン13を中心に自転しながら回転軸8のまわりを公転する。
図2に示すように、外輪部材5の内周には、螺旋凸条16が設けられている。螺旋凸条16は、周方向に対して所定のリード角をもって斜めに延びる凸条である。各遊星ローラ12の外周には、螺旋凸条16に係合する複数の円周溝17が軸方向に間隔をおいて形成されている。各遊星ローラ12の外周の軸方向に隣り合う円周溝17の間隔は、螺旋凸条16のピッチと同一の大きさとされている。ここでは、遊星ローラ12の外周にリード角が0度の円周溝17を設けているが、円周溝17のかわりに、螺旋凸条16と異なるリード角をもつ螺旋溝を設けてもよい。
図2、図3に示すように、キャリヤ14は、複数の支持ピン13の第1の端部13aを保持する第1および第3のディスク21,22と、複数の支持ピン13の第2の端部13bを保持する第2のディスク23と、柱部24とを有する。柱部24は、周方向に隣り合う複数の遊星ローラ12の間を通って、第1および第3のディスク21,22と、第2のディスク23との間を連結している。
第1のディスク21、第2のディスク23、第3のディスク22は、それぞれ回転軸8を貫通させる環状に形成されている。第1のディスク21と第3のディスク22は軸方向に隣接して配置され、第3のディスク22は、第2のディスク23に対して第1のディスク21よりも遠い側に配置されている。図において、第1のディスク21、第2のディスク23、第3のディスク22は、軸方向前側から軸方向後側に向かって第3のディスク22、第1のディスク21、第2のディスク23の順に配置されている。第3および第1のディスク22,21と、第2のディスク23との間には、遊星ローラ12が挟まれている。第3のディスク22の内径は、第1のディスク21の内径よりも大きい。
第1のディスク21の内周には、第1のディスク21を回転軸8に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受25が組み込まれている。ラジアル軸受25としては、例えば、滑り軸受を使用することができる。
第3のディスク22の内周には、スラスト軸受27が組み込まれている。このスラスト軸受27は、回転軸8の外周に設けられてキャリヤ14の軸方向前方への移動を規制する突起部材26と第1のディスク21の軸方向前面との間で軸方向に挟まれている。突起部材26は、図では、回転軸8の外周の環状溝に装着した止め輪である。第1のディスク21は、スラスト軸受27を介して突起部材26で軸方向に支持されることで、第2のディスク23から離れる側の軸方向移動が規制された状態となっている。
第2のディスク23の内周には、第2のディスク23を回転軸8に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受28が組み込まれている。ラジアル軸受28としては、例えば、滑り軸受を使用することができる。キャリヤ14は、第1のディスク21の内周のラジアル軸受25と、第2のディスク23の内周のラジアル軸受28とで回転軸8を中心に回転軸8に対して相対回転可能に支持されている。
各遊星ローラ12の内周と支持ピン13の外周との間には、遊星ローラ12を自転可能に支持するラジアル軸受29が設けられている。支持ピン13は、軸方向の全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とされている。ラジアル軸受29としては、例えば、保持器付き針状ころまたは滑り軸受を使用することができる。
各遊星ローラ12と第2のディスク23の間には、各遊星ローラ12を自転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受30が組み込まれている。各スラスト軸受30は、支持ピン13のまわりに配置された複数の転動体31と、その複数の転動体31を保持する保持器32とを有する。第2のディスク23の軸方向端面には、スラスト軸受30の転動体31が転がり接触する軌道面33が形成されている。転動体31として針状ころを用いる場合、軌道面33は平面である。軌道面33は、面粗さRaが0.3μm以下(好ましくは0.2μm以下)の仕上げ面とされている。第2のディスク23に軌道面33を直接形成すると、遊星ローラ12を自転可能に支持するスラスト軸受30の軌道盤が不要となるので、その分、遊星ローラねじ式直動機構1の軸方向長さをコンパクト化することが可能となり、また、遊星ローラねじ式直動機構1の部品点数が少なくなるので、遊星ローラねじ式直動機構1の組み立て作業も容易となる。
外輪部材5は、図1に示すように、ハウジング15に形成された収容穴34の内面で軸方向にスライド可能に支持されている。ハウジング15の内部には、外輪部材5に対して軸方向後方に離れた位置に軸受支持部材35が固定して設けられている。軸受支持部材35は、回転軸8を貫通させる円環状に形成されている。軸受支持部材35の内周には、回転軸8を回転可能に支持するラジアル軸受36が組み込まれている。ラジアル軸受36は、例えば、深溝玉軸受や滑り軸受を採用することができる。
キャリヤ14と軸受支持部材35の間には、キャリヤ14を公転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受37が組み込まれている。また、キャリヤ14とスラスト軸受37の間には、キャリヤ14と一体に公転するサポート部材38が組み込まれている。
軸受支持部材35は、収容穴34の内周に装着した止め輪39で軸方向後方への移動が規制され、これにより、キャリヤ14も軸方向後方への移動が規制された状態となっている。また、キャリヤ14は、前述のとおり、回転軸8の軸方向前端部に設けられた突起部材26(止め輪)で軸方向前方への移動も規制されている。これにより、キャリヤ14は、軸方向前方および後方のいずれの移動も規制され、キャリヤ14に保持された遊星ローラ12も軸方向移動が規制された状態となっている。
図4、図6(a)、(b)に示すように、第1のディスク21には、支持ピン13の第1の端部13aを収容する第1のピン収容穴41が形成されている。
図6(b)に示すように、第1のピン収容穴41は、第1のピン収容穴41内で支持ピン13の第1の端部13aを周方向に変位させたときに支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置を変化させる形状の案内面44を有する。案内面44は、図6(a)に示すように、回転軸8に直交する方向の断面形状が半径方向に直交する直線状となる面である。そして、支持ピン13の第1の端部13aは、回転軸8の中心から案内面44に下ろした垂線Hと案内面44の交点の位置(垂線Hの足の位置)で案内面44に接触している(図6(b)参照)。ここで、支持ピン13の第1の端部13aを案内面44に沿って周方向に変位させるとき、支持ピン13の第1の端部13aを、垂線Hの足の位置に近づく方向に変位させると、支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置は回転軸8に近づく方向に変位し、一方、支持ピン13の第1の端部13aを、垂線Hの足の位置から遠ざかる方向に変位させると、支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置は回転軸8から遠ざかる方向に変位する。
また、第1のピン収容穴41は、図6(b)に示すように、支持ピン13の第1の端部13aが垂線Hと案内面44の交点の位置で案内面44に接触した状態で、支持ピン13の第1の端部13aが周方向の一方(図の左方向)に移動するのを規制するストッパ面45と、支持ピン13の第1の端部13aが周方向の他方(図の右方向)に移動するのを許容する周方向隙間46とを有する。
図4、図5(a)、(b)に示すように、第3のディスク22には、支持ピン13の第1の端部13aを収容する第3のピン収容穴42が形成されている。
図5(b)に示すように、第3のピン収容穴42は、支持ピン13の第1の端部13aを、第1のピン収容穴41の案内面44に沿って径方向内方に変位させる側の周方向(この実施形態では、周方向隙間46のある側からストッパ面45の側に向かう方向。図の左方向)に押圧する押圧面47と、支持ピン13の第1の端部13aに対して押圧面47のある側とは反対側(図の左側)の周方向隙間48とを有する。
図では、第3のピン収容穴42の径方向外側の内面と支持ピン13の第1の端部13aとの間に径方向隙間49が設けられているが、第3のピン収容穴42の径方向外側の内面と支持ピン13の第1の端部13aとを接触させてもよい。第1のディスク21と第2のディスク23と第3のディスク22とを互いに同一形状とした場合、第3のピン収容穴42の径方向外側の内面と支持ピン13の第1の端部13aとは接触した状態(すなわち径方向隙間49が無い状態)となる。
図4、図7(a)、(b)に示すように、第2のディスク23には、支持ピン13の第2の端部13bを収容する第2のピン収容穴43が形成されている。
図7(b)に示すように、第2のピン収容穴43は、第2のピン収容穴43内で支持ピン13の第2の端部13bを周方向に変位させたときに支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置を変化させる形状の案内面50を有する。案内面50は、図7(a)に示すように、回転軸8に直交する方向の断面形状が半径方向に直交する直線状となる面である。そして、支持ピン13の第2の端部13bは、回転軸8の中心から案内面50に下ろした垂線Hと案内面50の交点の位置(垂線Hの足の位置)で案内面50に接触している(図7(b)参照)。ここで、支持ピン13の第2の端部13bを案内面50に沿って周方向に変位させるとき、支持ピン13の第2の端部13bを、垂線Hの足の位置に近づく方向に変位させると、支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置は回転軸8に近づく方向に変位し、一方、支持ピン13の第2の端部13bを、垂線Hの足の位置から遠ざかる方向に変位させると、支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置は回転軸8から遠ざかる方向に変位する。
また、第2のピン収容穴43は、支持ピン13の第2の端部13bが垂線Hと案内面50の交点の位置で案内面50に接触した状態で、支持ピン13の第2の端部13bが周方向の一方(図の右方向)に移動するのを規制するストッパ面51と、支持ピン13の第2の端部13bが周方向の他方(図の左方向)に移動するのを許容する周方向隙間52とを有する。
ここで、図6(b)、図7(b)に示すように、第1のピン収容穴41と第2のピン収容穴43は、周方向に対称の同一形状とされている。すなわち、支持ピン13の第1の端部13aを第1のピン収容穴41の案内面44に沿って径方向内方に変位させるための支持ピン13の第1の端部13aの周方向変位の方向(図の左方向)と、支持ピン13の第2の端部13bを第2のピン収容穴43の案内面50に沿って径方向内方に変位させるための支持ピン13の第2の端部13bの周方向変位の方向(図の右方向)とが互いに逆向きとなっている。
図4に示すように、柱部24は、全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とされている。柱部24は、第1のディスク21に形成された第1の嵌合穴部53、第3のディスク22に形成された第3の嵌合穴部54、第2のディスク23に形成された第2の嵌合穴部55にそれぞれ嵌合している。そして、第1および第2の嵌合穴部53,55に対する柱部24の嵌合によって第2のディスク23が第1のディスク21に対して回り止めされている。また、第3の嵌合穴部54に対する柱部24の嵌合によって第1および第2のディスク21,23に対して第3のディスク22が回り止めされている。
図5(b)に示すように、支持ピン13の第1の端部13aは、第1のピン収容穴41の案内面44と第3のピン収容穴42の押圧面47とに接触することで周方向内方に押圧されている。また、図7(b)に示すように、支持ピン13の第2の端部13bは、第2のピン収容穴43の案内面50に接触することで周方向内方に押圧されている。これにより、図4に示す遊星ローラ12は、回転軸8の外周に押し付けられた状態となっている。
また、図5(b)に示すように、支持ピン13の第1の端部13aが、第1のディスク21の第1のピン収容穴41の内面と第3のディスク22の第3のピン収容穴42の内面との間で周方向の両側から押圧されているため、第1のピン収容穴41および第3のピン収容穴42からの支持ピン13の脱落防止が実現されている。そのため、支持ピン13の外周には、従来のようにC形リングを装着するための溝を形成する必要がなく、全長にわたって外径が一定のストレート形状とすることが可能となっている。
上記のキャリヤ14の組み立て方法を説明する。
まず、図8、図9(a)、図10(a)、図11(a)に示すように、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23を配置し、第1のピン収容穴41と第3のピン収容穴42と第2のピン収容穴43に支持ピン13を挿通させる。
この段階では、まだ第1の嵌合穴部53、第3の嵌合穴部54、第2の嵌合穴部55には柱部24が挿入されておらず、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23は互いに相対回転可能な状態となっている。また、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23の相対位置を、図5(a)、図6(a)、図7(a)に示す状態から周方向にずらしておくことで、図9(a)に示すように、回転軸8から支持ピン13までの距離を、図5(a)に示す状態での回転軸8から支持ピン13までの距離よりも大きくしておく。このとき、遊星ローラ12の外周と回転軸8の外周との間には、微小な隙間が存在している。
次に、図9(a)、図10(a)、図11(a)の矢印に示すように、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23とを周方向に相対変位させる。このとき、第1のディスク21と第2のディスク23は、図10(b)に示す第1のピン収容穴41の案内面44と図11(b)に示す第2のピン収容穴43の案内面50のそれぞれに沿って、支持ピン13の第1の端部13aと第2の端部13bとを垂線H、Hの足の位置に近づく方向に移動させる。これにより、支持ピン13が径方向内方に変位する。また、第3のディスク22と第1のディスク21は、図9(b)に示す第3のピン収容穴42の押圧面47が支持ピン13の第1の端部13aを第1のピン収容穴41のストッパ面45に向かって周方向に押圧する方向に相対変位させる。その結果、回転軸8から支持ピン13までの距離が次第に小さくなり、遊星ローラ12の外周が回転軸8の外周に押し付けられた状態となる。
このとき、3枚のディスク21,23,22から各支持ピン13に作用する押圧力が交互に周方向逆向きとなるため、3枚のディスク21,23,22から各支持ピン13に作用する押圧力によって支持ピン13が軸方向と平行な方向に対して周方向に傾斜するのを防止することができる。すなわち、例えば第3のディスク22が無く、第1のディスク21と第2のディスク23のみで支持ピン13を径方向内方に押圧しようとすれば、支持ピン13の第1および第2の端部13a,13bが第1のピン収容穴41の周方向隙間46と第2のピン収容穴43の周方向隙間52とにそれぞれ逃げることで、支持ピン13が斜めになってしまい、支持ピン13を回転軸8と平行な姿勢に保つことが難しい。そこで、さらに第3のディスク22で支持ピン13を周方向に押圧することで、3枚のディスクから各支持ピン13に作用する押圧力が交互に周方向逆向きに作用するようにし、支持ピン13を回転軸8と平行な姿勢に保つことが可能となっている。
その後、図8に示すように、柱部24を、第1の嵌合穴部53と第3の嵌合穴部54と第2の嵌合穴部55とに嵌め込む。これにより、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23は、互いに回り止めされた状態となる。また、支持ピン13に対する第1のピン収容穴41や第3のピン収容穴42や第2のピン収容穴43の相対位置関係が固定され、支持ピン13と回転軸8の平行状態も維持される。このとき、遊星ローラ12の外周と回転軸8の外周との間に予圧が発生した状態となる。
上記の電動式直動アクチュエータ2の動作例を説明する。
図1に示す電動モータ3のモータ軸6が回転すると、その回転が減速歯車列4によって減速して伝達され、遊星ローラねじ式直動機構1の回転軸8に入力される。回転軸8が回転すると、その回転が回転軸8の外周に転がり接触する遊星ローラ12に伝達し、各遊星ローラ12が支持ピン13を中心に自転しながら回転軸8のまわりを公転する。このとき、外輪部材5が外部より回り止めされていると、遊星ローラ12の外周の円周溝17と外輪部材5の内周の螺旋凸条16との係合によって、遊星ローラ12と外輪部材5が軸方向に相対移動するが、遊星ローラ12はキャリヤ14と共に軸方向の移動が規制されているので、遊星ローラ12はハウジング15に対して軸方向に移動せず、外輪部材5がハウジング15に対して軸方向に移動する。このようにして、遊星ローラねじ式直動機構1は、電動モータ3から回転軸8に入力された回転を外輪部材5の直線運動に変換する。
図23、図24に、上記構成の電動式直動アクチュエータを用いた電動ブレーキ装置を示す。この電動ブレーキ装置は、車輪(図示せず)と一体に回転するブレーキディスク60と、ブレーキディスク60に対して軸方向に移動不能に車体に固定されたマウンティングブラケット61と、マウンティングブラケット61に対してブレーキディスク60の軸方向と平行にスライド可能に支持されたキャリパボディ62と、ブレーキディスク60を間に挟んで軸方向に対向するインナ側ブレーキパッド63およびアウタ側ブレーキパッド64と、インナ側ブレーキパッド63を軸方向に移動させる電動式直動アクチュエータ2とを有する。インナ側ブレーキパッド63とアウタ側ブレーキパッド64は、それぞれマウンティングブラケット61によって、軸方向に移動可能かつ周方向に移動不能に保持されている。
キャリパボディ62は、アウタ側ブレーキパッド64の背面に軸方向に対向する爪部65と、ブレーキディスク60の外径側に対向する外殻部66とを有する。外殻部66は、電動式直動アクチュエータ2のハウジング15に一体に形成されている。キャリパボディ62の外殻部66と電動式直動アクチュエータ2のハウジング15とを別体に形成し、その両者をボルト等で一体化してもよい。外輪部材5は、外輪部材5が移動したときに外輪部材5と一体にインナ側ブレーキパッド63も移動するように、インナ側ブレーキパッド63の背面に配置されている。
外輪部材5のブレーキディスク60の側の端部には、インナ側ブレーキパッド63の背面に形成された係合凸部67に係合する係合凹部68が形成され、この係合凸部67と係合凹部68の係合によって、外輪部材5は回り止めされている。
この電動ブレーキ装置の動作例を説明する。電動式直動アクチュエータ2の外輪部材5がインナ側ブレーキパッド63の背面を押圧し、インナ側ブレーキパッド63をブレーキディスク60の側面に押し付ける。このとき、外輪部材5がインナ側ブレーキディスク60から受ける軸方向反力によって、キャリパボディ62がマウンティングブラケット61に対してスライド移動し、キャリパボディ62の爪部65がアウタ側ブレーキパッド64の背面を押圧し、アウタ側ブレーキパッド64をブレーキディスク60の側面に押し付ける。このようにして、インナ側ブレーキパッド63およびアウタ側ブレーキパッド64がブレーキディスク60に押し付けられ、そのブレーキパッドとブレーキディスク60の接触面間の摩擦によって、ブレーキディスク60に制動力が発生する。
上記の遊星ローラねじ式直動機構1は、各支持ピン13の第1の端部13aにC形リング等の弾性部材を装着する必要がなく、各支持ピン13の第2の端部13bにもC形リング等の弾性部材を装着する必要がない。そのため、遊星ローラねじ式直動機構1を組み立てる作業が容易である。
また、遊星ローラねじ式直動機構1は、キャリヤ14の柱部24が、第2のディスク23と第3のディスク22とを第1のディスク21に対して回り止めする部材を兼ねるので、回り止め用の部材を柱部24とは別個に組み付ける必要がなく、キャリヤ14の部品点数を抑えることが可能となっている。
上記各実施形態では、第2のディスク23のみで各支持ピン13の第2の端部13bを保持したが、第2のディスク23に軸方向に隣接する図示しない第4のディスクをさらに設け、その第4のディスクに第3のディスク22の第3のピン収容穴42と同様のピン収容穴を設け、その第2枚のディスクの相対回転によって各支持ピン13の第2の端部13bを径方向内方に押圧するように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、支持ピン13の第1の端部13aを第1および第3のディスク21,22で保持し、支持ピン13の第2の端部13bを第2のディスク23で保持したものを例に挙げて説明したが、図12に示すように、軸方向の前後関係を逆にしてもよい。すなわち、図12に示すように、支持ピン13の第2の端部13bを第1および第3のディスク21,22で保持し、支持ピン13の第1の端部13aを第2のディスク23で保持するようにしてもよい。第1のディスク21、第3のディスク22、第2のディスク23は、軸方向前側から軸方向後側に向かって、第2のディスク23、第1のディスク21、第3のディスク22の順に配置されている。第2のディスク23と、第1および第3のディスク21,22との間には、遊星ローラ12が挟まれている。
図12において、各遊星ローラ12を自転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受30は、各遊星ローラ12と第1のディスク21の間に組み込まれている。各スラスト軸受30は、支持ピン13のまわりに配置された複数の転動体31と、その複数の転動体31を保持する保持器32とを有する。第1のディスク21の軸方向端面には、スラスト軸受30の転動体31が転がり接触する軌道面33が形成されている。第2のディスク23の内周には、フランジ形状の軸受56が組み込まれている。
図13から図21に、この発明の第2実施形態の遊星ローラねじ式直動機構1を示す。第2実施形態は、第1実施形態に対してピン収容穴41,42,43の形状が異なり、その他の構成は同一である。そのため、第1実施形態に対応する部分は同一の符号を付して説明を省略する。図14から図21は、第1実施形態の図4から図11に対応している。
図16に示すように、第1のピン収容穴41は、回転軸8に直交する方向の断面形状が、回転軸8を中心とする周方向に対して傾斜した方向に延びる長円形の長穴である。第1のピン収容穴41は、第1のピン収容穴41内で支持ピン13の第1の端部13aを周方向に変位させたときに支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置を変化させる形状の案内面44を有する。案内面44は、回転軸8に直交する方向の断面形状が、周方向に対して傾斜した直線状となる面である。
図16(b)において、支持ピン13の第1の端部13aを案内面44に沿って周方向に変位させるとき、支持ピン13の第1の端部13aを周方向の一方(図の左方向)に変位させると、支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置は回転軸8に近づく方向に変位し、一方、支持ピン13の第1の端部13aを周方向の他方(図の右方向)に変位させると、支持ピン13の第1の端部13aの径方向位置は回転軸8から遠ざかる方向に変位する。
また、支持ピン13の第1の端部13aが案内面44に接触した状態で、第1のピン収容穴41は、支持ピン13の第1の端部13aが、支持ピン13の第1の端部13aに対して案内面44のある側とは反対側の方向に移動するのを許容する隙間57を有する。
図15に示すように、第3のピン収容穴42は、支持ピン13の第1の端部13aを、第1のピン収容穴41の案内面44に沿って径方向内方に変位させる側の周方向(図の左方向)に押圧する押圧面47を有する。支持ピン13の第1の端部13aが押圧面47に接触した状態で、第3のピン収容穴42は、支持ピン13の第1の端部13aが、支持ピン13の第1の端部13aに対して押圧面47のある側とは反対側の方向に移動するのを許容する隙間58を有する。
図13から図21では、遊星ローラねじ式直動機構1の製造コストを低減するため、第1のディスク21と第2のディスク23と第3のディスク22とを互いに同一形状としている。そのため、第3のピン収容穴42は、第1のピン収容穴41と周方向に対称の同一形状とされている。
図17に示すように、第2のピン収容穴43は、回転軸8に直交する方向の断面形状が、回転軸8を中心とする周方向に対して傾斜した方向に延びる長円形の長穴である。第2のピン収容穴43内で支持ピン13の第2の端部13bを周方向に変位させたときに支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置を変化させる形状の案内面50を有する。案内面50は、回転軸8に直交する方向の断面形状が、周方向に対して傾斜した直線状となる面である。
図17(b)において、支持ピン13の第2の端部13bを案内面50に沿って周方向に変位させるとき、支持ピン13の第2の端部13bを周方向の一方(図の右方向)に変位させると、支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置は回転軸8に近づく方向に変位し、一方、支持ピン13の第2の端部13bを周方向の他方(図の左方向)に変位させると、支持ピン13の第2の端部13bの径方向位置は回転軸8から遠ざかる方向に変位する。
また、支持ピン13の第2の端部13bが案内面50に接触した状態で、第2のピン収容穴43は、支持ピン13の第2の端部13bが、支持ピン13の第2の端部13bに対して案内面50のある側とは反対側の方向に移動するのを許容する隙間59を有する。
ここで、図16(b)、図17(b)に示すように、第1のピン収容穴41と第2のピン収容穴43は、周方向に対称の同一形状とされている。すなわち、支持ピン13の第1の端部13aを第1のピン収容穴41の案内面44に沿って径方向内方に変位させるための支持ピン13の第1の端部13aの周方向変位の方向(図の左方向)と、支持ピン13の第2の端部13bを第2のピン収容穴43の案内面50に沿って径方向内方に変位させるための支持ピン13の第2の端部13bの周方向変位の方向(図の右方向)とが互いに逆向きとなっている。
図15(b)に示すように、支持ピン13の第1の端部13aは、第1のピン収容穴41の案内面44に接触することで周方向内方に押圧されている。また、図17(b)に示すように、支持ピン13の第2の端部13bは、第2のピン収容穴43の案内面50に接触することで周方向内方に押圧されている。これにより、図14に示す遊星ローラ12は、回転軸8の外周に押し付けられた状態となっている。
図15(b)に示すように、支持ピン13の第1の端部13aが、第1のディスク21の第1のピン収容穴41の内面と第3のディスク22の第3のピン収容穴42の内面との間で周方向の両側から押圧されているため、支持ピン13が回転軸8と平行な方向に対して周方向に傾斜することを防止し、また、第1のピン収容穴41および第3のピン収容穴42からの支持ピン13の脱落防止が実現されている。そのため、支持ピン13の外周には、従来のようにC形リングを装着するための溝を形成する必要がなく、全長にわたって外径が一定のストレート形状とすることが可能となっている。
第2実施形態におけるキャリヤ14は、第1実施形態と同様に組み立てることができる。
すなわち、まず、図18、図19(a)、図20(a)、図21(a)に示すように、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23を配置し、第1のピン収容穴41と第3のピン収容穴42と第2のピン収容穴43に支持ピン13を挿通させる。
この段階では、まだ第1の嵌合穴部53、第3の嵌合穴部54、第2の嵌合穴部55には柱部24が挿入されておらず、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23は互いに相対回転可能な状態となっている。また、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23の相対位置を、図15(a)、図16(a)、図17(a)に示す状態から周方向にずらしておくことで、図19(a)に示すように、回転軸8から支持ピン13までの距離を、図15(a)に示す状態での回転軸8から支持ピン13までの距離よりも大きくしておく。このとき、遊星ローラ12の外周と回転軸8の外周との間には、微小な隙間が存在している。
次に、図19(a)、図20(a)、図21(a)の矢印に示すように、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23とを周方向に相対変位させる。このとき、第1のディスク21と第3のディスク22は、図19(b)に示す第3のピン収容穴42の押圧面47が支持ピン13の第1の端部13aを周方向に押圧する方向に相対変位させる。これにより、図20(b)に示す支持ピン13の第1の端部13aが、第1のピン収容穴41の案内面44に沿って径方向内方に変位する。また、図21(b)に示す支持ピン13の第2の端部13bも、第2のピン収容穴43の案内面50に沿って径方向内方に変位する。その結果、回転軸8から支持ピン13までの距離が次第に小さくなり、遊星ローラ12の外周が回転軸8の外周に押し付けられた状態となる。
その後、図18に示すように、柱部24を、第1の嵌合穴部53と第3の嵌合穴部54と第2の嵌合穴部55とに嵌め込む。これにより、第1のディスク21と第3のディスク22と第2のディスク23は、互いに回り止めされた状態となる。また、支持ピン13に対する第1のピン収容穴41や第3のピン収容穴42や第2のピン収容穴43の相対位置関係が固定され、支持ピン13と回転軸8の平行状態も維持される。このとき、遊星ローラ12の外周と回転軸8の外周との間に予圧が発生した状態となる。
上記各実施形態では、第2のディスク23のみで各支持ピン13の第2の端部13bを保持したが、第2のディスク23に軸方向に隣接する図示しない第4のディスクをさらに設け、その第4のディスクに第3のディスク22の第3のピン収容穴42と同様のピン収容穴を設け、その第2枚のディスクの相対回転によって各支持ピン13の第2の端部13bを径方向内方に押圧するように構成することも可能である。
ここでは、支持ピン13の第1の端部13aを第1および第3のディスク21,22で保持し、支持ピン13の第2の端部13bを第2のディスク23で保持したものを例に挙げて説明したが、図22に示すように、軸方向の前後関係を逆にしてもよい。すなわち、図22に示すように、支持ピン13の第2の端部13bを第1および第3のディスク21,22で保持し、支持ピン13の第1の端部13aを第2のディスク23で保持するようにしてもよい。第1のディスク21、第3のディスク22、第2のディスク23は、軸方向前側から軸方向後側に向かって、第2のディスク23、第1のディスク21、第3のディスク22の順に配置されている。第2のディスク23と、第1および第3のディスク21,22との間には、遊星ローラ12が挟まれている。
図22において、各遊星ローラ12を自転可能な状態で軸方向に支持するスラスト軸受30は、各遊星ローラ12と第1のディスク21の間に組み込まれている。各スラスト軸受30は、支持ピン13のまわりに配置された複数の転動体31と、その複数の転動体31を保持する保持器32とを有する。第1のディスク21の軸方向端面には、スラスト軸受30の転動体31が転がり接触する軌道面33が形成されている。第2のディスク23の内周には、フランジ形状をもつ軸受56が組み込まれている。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 遊星ローラねじ式直動機構
3 電動モータ
5 外輪部材
8 回転軸
12 遊星ローラ
13 支持ピン
13a 第1の端部
13b 第2の端部
14 キャリヤ
16 螺旋凸条
17 円周溝
21 第1のディスク
22 第3のディスク
23 第2のディスク
24 柱部
25 ラジアル軸受
26 突起部材
27 スラスト軸受
31 転動体
32 保持器
33 軌道面
37 スラスト軸受
41 第1のピン収容穴
42 第3のピン収容穴
43 第2のピン収容穴
44 案内面
47 押圧面
50 案内面
53 第1の嵌合穴部
54 第3の嵌合穴部
55 第2の嵌合穴部
60 ブレーキディスク
63 インナ側ブレーキパッド

Claims (15)

  1. 回転軸(8)と、
    前記回転軸(8)を囲む中空筒状の外輪部材(5)と、
    前記外輪部材(5)の内周と前記回転軸(8)の外周との間に周方向に間隔をおいて配置され、前記回転軸(8)の外周に転がり接触する複数の遊星ローラ(12)と、
    前記複数の遊星ローラ(12)をそれぞれ自転可能に支持する複数の支持ピン(13)と、
    前記複数の支持ピン(13)の両端部(13a,13b)を保持するキャリヤ(14)と、
    前記外輪部材(5)の内周に設けられた螺旋凸条(16)と、
    前記螺旋凸条(16)と係合するように前記各遊星ローラ(12)の外周に設けられた螺旋溝または円周溝(17)とを有し、
    前記螺旋凸条(16)と前記螺旋溝または円周溝(17)との係合によって前記回転軸(8)の回転を前記外輪部材(5)の直線運動に変換する遊星ローラねじ式直動機構において、
    前記キャリヤ(14)は、前記複数の支持ピン(13)の第1および第2の端部(13a,13b)を保持する2枚のディスク(21,23)を有し、
    前記2枚のディスク(21,23)のうち第1のディスク(21)には、前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)を収容する第1のピン収容穴(41)が形成され、その第1のピン収容穴(41)は、第1のピン収容穴(41)内で前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)を周方向に変位させたときに前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)の径方向位置を変化させる形状の案内面(44)を有し、
    前記2枚のディスク(21,23)のうち第2のディスク(23)には、前記支持ピン(13)の第2の端部(13b)を収容する第2のピン収容穴(43)が形成され、その第2のピン収容穴(43)は、第2のピン収容穴(43)内で前記支持ピン(13)の第2の端部(13b)を周方向に変位させたときに前記支持ピン(13)の第2の端部(13b)の径方向位置を変化させる形状の案内面(50)を有し、
    前記第1のピン収容穴(41)の前記案内面(44)と前記第2のピン収容穴(43)の案内面(50)は、前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)を第1のピン収容穴(41)の案内面(44)に沿って径方向内方に変位させるための前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)の周方向変位の方向と、前記支持ピン(13)の第2の端部(13b)を第2のピン収容穴(43)の案内面(50)に沿って径方向内方に変位させるための前記支持ピンの第2の端部(13b)の周方向変位の方向とが互いに逆向きとなるように形成され、
    前記第1のピン収容穴(41)の案内面(44)と前記第2のピン収容穴(43)の案内面(50)とが前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)と第2の端部(13b)とにそれぞれ接触することで前記遊星ローラ(12)を前記回転軸(8)の外周に押し付けていることを特徴とする遊星ローラねじ式直動機構。
  2. 前記キャリヤ(14)は、前記複数の遊星ローラ(12)の間を通って前記第1のディスク(21)と第2のディスク(23)の間を連結する柱部(24)を有し、
    前記第1および第2のディスク(21,23)は、それぞれ前記柱部(24)が嵌合する第1および第2の嵌合穴部(53,55)を有し、その第1および第2の嵌合穴部(53,55)に対する前記柱部(24)の嵌合によって前記第2のディスク(23)が第1のディスク(21)に対して回り止めされている、
    請求項1に記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  3. 前記キャリヤ(14)は、前記第1および第2のディスク(21,23)とは別個の第3のディスク(22)を有し、前記第3のディスク(22)には、前記支持ピン(13)の第1または第2の端部(13a,13b)を収容する第3のピン収容穴(42)が形成され、その第3のピン収容穴(42)は、前記支持ピン(13)の第1または第2の端部(13a,13b)を押圧する押圧面(47)を有する、
    請求項1または2に記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  4. 前記第3のディスク(22)は、前記柱部(24)が嵌合する第3の嵌合穴部(54)を有し、その第3の嵌合穴部(54)に対する前記柱部(24)の嵌合によって前記第3のディスク(22)が前記第1のディスク(21)に対して回り止めされている、
    請求項3に記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  5. 前記第3のディスク(22)は、前記第2のディスク(23)に対して前記第1のディスク(21)よりも遠い側に配置され、
    前記第3のディスク(22)の第3のピン収容穴(42)は、前記支持ピン(13)の第1の端部(13a)を前記第1のピン収容穴(41)の前記案内面(44)に沿って径方向内方に変位させる方向に押圧する前記押圧面(47)を有する、
    請求項3又は4に記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  6. 前記第3のディスク(22)は、前記第1のディスク(21)に対して前記第2のディスク(23)よりも遠い側に配置され、
    前記第3のディスク(22)の第3のピン収容穴(42)は、前記支持ピン(13)の第2の端部(13b)を前記第2のピン収容穴(43)の前記案内面(50)に沿って径方向内方に変位させる方向に押圧する前記押圧面(47)を有する、
    請求項3又は4に記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  7. 前記柱部(24)は、全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とされている請求項2から6のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  8. 前記第1のディスク(21)と前記第2のディスク(23)は、互いに同一形状とされている請求項1から7のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  9. 前記第1のディスク(21)と前記第2のディスク(23)のうちの少なくとも一方と、前記第3のディスク(22)とが、互いに同一形状とされている請求項3から8のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  10. 前記複数の遊星ローラ(12)をそれぞれ自転可能な状態で軸方向に支持する複数のスラスト軸受(37)を更に有し、
    前記各スラスト軸受(37)は、前記支持ピン(13)のまわりに配置された複数の転動体(31)と、その複数の転動体(31)を保持する保持器(32)とを有し、
    前記スラスト軸受(37)の転動体(31)が転がり接触する軌道面(33)が、前記第1のディスク(21)と前記第2のディスク(23)のうちのいずれかのディスクの軸方向端面に直接形成されている、
    請求項1から9のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  11. 前記複数の遊星ローラ(12)をそれぞれ自転可能な状態で軸方向に支持する複数のスラスト軸受(37)を更に有し、
    前記各スラスト軸受(37)は、前記支持ピン(13)のまわりに配置された複数の転動体(31)と、その複数の転動体(31)を保持する保持器(32)とを有し、
    前記スラスト軸受(37)の転動体(31)が転がり接触する軌道面(33)が、前記第3のディスク(22)の軸方向端面に直接形成されている、
    請求項3から9のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  12. 前記支持ピン(13)は、全長にわたって断面丸形で外径が一定のストレート形状とされている請求項1から11のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  13. 前記第1および第2のピン収容穴(41,43)は、前記回転軸(8)に直交する方向の断面形状が、前記回転軸(8)を中心とする周方向に対して傾斜した方向に延びる長円形の長穴である請求項1から12のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  14. 前記第1および第2のディスク(21,23)の内周に、前記第1および第2のディスク(21,23)を前記回転軸(8)に対して相対回転可能に支持するラジアル軸受(25,28)が組み込まれ、
    前記回転軸(8)の外周に設けられて前記キャリヤ(14)の軸方向移動を規制する突起部材(26)と前記第1のディスク(21)との間に、スラスト軸受(27)が組み込まれた、
    請求項1から13のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の遊星ローラねじ式直動機構(1)と、
    前記遊星ローラねじ式直動機構(1)の前記回転軸(8)を回転駆動する電動モータ(3)と、
    前記遊星ローラねじ式直動機構(1)の外輪部材(5)と一体に移動するブレーキパッド(63)と、
    前記ブレーキパッド(63)に対向して配置されたブレーキディスク(60)と、
    を有する電動ブレーキ装置。
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