JP2017180750A - 樹脂製転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食雰囲気下で使用でき、かつ、高荷重・高速回転下においても長期使用が可能な樹脂製転がり軸受を提供する。
【解決手段】外輪3および内輪4からなる軌道輪2と、これら外輪および内輪のそれぞれの転走面間に配置される転動体5と、この転動体を保持する保持器6とからなり、軌道輪が20質量%以下の充填材を含むポリエーテルケトンケトン樹脂の成形体であり、転動体がセラミックス製転動体であり、保持器がフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂である。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂製転がり軸受に関し、特に、水中や溶剤、薬液中などの腐食雰囲気下で使用される樹脂製の転がり軸受に関する。
水中や溶剤、薬液中あるいは高湿度環境等の、いわゆる腐食雰囲気下で使用される転がり軸受は、一般的な軸受鋼で形成された転がり軸受、またステンレス鋼で形成された転がり軸受においても、内外輪の転走面や転動体表面の腐食が激しいため、転がり軸受を頻繁に交換しなければならない。
上記のような金属製軸受に樹脂カバーを装着して腐食を防止しようとした軸受も知られているが、軸受内部を完全に密封することができないため、腐食の進行が若干遅延されるだけである。腐食を防止するため、転がり軸受の部品を耐腐食性(耐薬品性)の合成樹脂で形成した転がり軸受が提案されている。例えば、内輪および外輪がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のいずれかである合成樹脂製、玉がセラミック製である樹脂製玉軸受(特許文献1)、軌道輪が曲げ弾性率2000〜6000MPaの範囲にあるポリアリーレンスルフィド系樹脂で形成され、転動体がセラミック材からなる樹脂製転がり軸受(特許文献2)、内輪、外輪、玉および保持器のみから構成され、内輪、外輪がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂のいずれかであり、保持器がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂のいずれかであり、玉がセラミック製である樹脂製深溝玉軸受(特許文献3)が知られている。
特開2013−32850号公報 特開平10−47355号公報 特許第5418873号公報
しかし、合成樹脂からなる軌道輪は一般に、金属製軌道輪に比べて、耐荷重変形性、耐摩耗性が劣るため、従来の樹脂製転がり軸受は低荷重および低速回転下での使用に制限されている。
また、腐食環境下において使用される従来の樹脂製転がり軸受は、高荷重・高速回転下において長期使用ができないという問題があった。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、腐食雰囲気下で使用でき、かつ、高荷重・高速回転下においても長期使用が可能な樹脂製転がり軸受の提供を目的とする。
本発明の樹脂製転がり軸受は、外輪および内輪からなる軌道輪と、これら外輪および内輪のそれぞれの転走面間に配置される転動体と、この転動体を保持する保持器とからなる。この樹脂製転がり軸受は、上記軌道輪がポリエーテルケトンケトン(以下、PEKKともいう)樹脂の成形体であることを特徴とする。
また、上記ポリエーテルケトンケトン樹脂は、充填材を含む樹脂であり、上記充填材が20質量%以下であることを特徴とする。上記成形体は、成形するときの成形歪が除去された成形歪除去成形体であることを特徴とする。
本発明の樹脂製転がり軸受を構成する転動体がセラミックス製転動体であることを特徴とする。また、保持器がフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂製保持器であることを特徴とする。
本発明の樹脂製転がり軸受は、水、溶剤、または薬液などの液体中で使用される樹脂製転がり軸受であることを特徴とする。
本発明の樹脂製転がり軸受は、軌道輪がPEKK樹脂の成形体であるので、腐食雰囲気下で使用でき、かつ、高荷重・高速回転下においても長期使用が可能になる。PEKK樹脂は水分や各種薬品に侵されず、かつ、吸水による寸法変化が非常に小さい樹脂であり、また、ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKともいう)樹脂よりもガラス転移点が高く、より高温、高荷重まで使用が可能であるので、軌道輪の荷重による変形の問題が解消される。また、充填材の量を20質量%以下に抑えることにより、転がり軸受における、転動疲労による樹脂の剥離摩耗を抑えることができる。さらに成形時の成形歪を除去するので、上記特性がより向上する。
本発明の樹脂製転がり軸受の断面図である。
PEKK樹脂はエーテル結合とケトン結合が芳香族環を介して連結されている樹脂であり、下記化学式においてPEKKで表される。エーテル結合とケトン結合とを含む樹脂として、ポリエーテルエーテルエーテルケトン(以下、PEEEKともいう)樹脂、PEEK樹脂、ポリエーテルケトン(以下、PEKともいう)樹脂を同時に示す。化1に示す化学式は繰り返し単位を表す。また、PEKK樹脂のケトン基で両側を挟まれている芳香族環の結合様式は1,4−結合を表しているが、1,3−結合を含んでいてもよい。
Figure 2017180750
PEKK樹脂は、エーテル結合とケトン結合が芳香族環を介して連結されている樹脂の中でもケトン結合の割合が他の樹脂に比較して最大である。その結果、結晶性が高くなり、この結晶化度の上昇で強度や剛性の増加、耐摩耗性や潤滑性の向上、熱膨張係数や吸水率の低下などの性質が化1に示す他の樹脂よりも優れている。また、ガラス転移温度、融点も化1に示す他の樹脂よりも高いことから、広い温度範囲にわたって剛性が高く、耐衝撃性も優れており、クリープなどの歪みに対しても強く、また殆どの種類の油類や薬品等にも耐性を示す樹脂である。
一方、PEKK樹脂は、射出成形などの成形時に成形歪が発生しやすく、軌道輪として成形後使用することにより、使用条件によっては、軌道輪の膨れ、変形などの不具合が発生する場合がある。また、成形歪が残ることにより、環境応力歪も受けやすくなり、溶剤使用時にクラック等が発生しやすくなる場合が化1に示す他の樹脂よりも高くなる場合がある。転がり軸受に発生する、これらPEKK樹脂特有の問題を特定の熱処理を施すことにより解決できた。本発明はこのような知見に基づくものである。
図1は、樹脂製転がり軸受の断面図である。
樹脂製転がり軸受1は、PEKK樹脂の成形体からなる軌道輪2を備えている。軌道輪2は、外輪3および内輪4とから構成され、この外輪3の転走面3aおよび内輪4の転走面4aに複数の転動体5が配置される。また、複数の玉などの転動体5を保持する保持器6を備えている。
軌道輪2は上記PEKK樹脂の成形体である。PEKK樹脂は樹脂単体でもよく、また充填材を配合していてもよい。充填材としては、樹脂成形体の強化材、固体潤滑剤、または両者の混合物が挙げられる。強化材としては、ガラス繊維(GF)、カーボン繊維(CF)、アラミド繊維や、チタン酸カリウムウィスカ、酸化チタンウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、硫酸マグネシウムウィスカ等のウィスカ類が使用できる。
固体潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、グラファイト、二硫化モリブデン、炭素粉末、タルク等が使用できる。
充填材の配合量は、樹脂組成物全量に対して、20質量%以下にすることが好ましい。より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。充填材の量が20質量%をこえると、軌道輪の剛性は高くなるが、充填材と樹脂との界面で剥離摩耗が発生し、転走面の摩耗が悪くなる。充填材の量を少なく抑えることにより、耐久性に優れた樹脂製転がり軸受が得られる。摩耗性のみを向上させる場合は、充填材を配合しないPEKK樹脂のみの軌道輪が好ましい。
PEKK樹脂と各種充填材を混合する方法は特に限定するものではなく、通常広く用いられている方法、例えば主成分となる樹脂、その他の諸原料をそれぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、ボールミル、タンブラーミキサー等の混合機によって適宜乾式混合した後、溶融混合性の良い射出成形機もしくは溶融押出成形機に供給するか、または予め熱ロール、ニーダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶融混合するなどの方法を利用できる。
さらに、PEKKの複合樹脂材料を軌道輪に成形する方法は特に限定するものではなく、圧縮成形、押出成形、射出成形等の通常の方法が可能である。その中でも、射出成形法は、生産性、コスト性に優れているので好ましい。転走面の寸法精度を向上するする目的で、該転走面を機械加工により仕上げることができる。なお、転走面等の機械加工は後述するアニール熱処理後に行なうことが好ましい。
得られたPEKK樹脂製の軌道輪は、成形時の歪を除いて寸法安定性等を確保するため、アニール熱処理をすることが好ましい。熱処理をすることで、成形歪除去成形体としての軌道輪が得られる。熱処理の条件は、アニール熱処理温度が200℃を超えPEKK樹脂の融点(約400℃)以下、好ましくは200℃を超え240℃以下の温度で0.1〜24時間程度である。
アニール熱処理温度が240℃をこえる場合は、樹脂にかかる熱履歴の影響が大きくなり、樹脂製転がり軸受の軌道輪として好ましくない。このため、これ以下の温度で熱処理することが好ましい。なお、軌道輪の材質によっては熱変形温度よりも1〜10℃程度低い温度の場合は熱処理に長時間かかる。
具体的な熱処理条件としては、例えば、上記所定の温度に達する前に、例えば室温から、150℃、180℃、230℃というように、数段階に分けて、15〜180分程度の範囲で、15〜60分毎に徐々に昇温し、上記温度範囲内の最適な温度にて、上記時間の範囲で温度を一定に保持して熱処理することが好ましい。そのときの最高温度の保持時間は、15〜480分程度であればよい。最高温度の保持時間が所定時間よりも15分未満であると、PEKK樹脂の結晶化が不充分となって軌道輪としての寸法安定性が悪くなり、所定時間よりも長時間であると、「ソリ」などの不適当な熱変形が起こり、また電気炉などのエネルギー消費量の増大や製造時間の長時間化からみても製造コストの低減を図ることが困難になる。
結晶化工程後の冷却は、上記昇温時と逆の段階を経て冷却してもよく、または60〜180分程度の時間をかけて連続的に徐冷することが好ましい。
以上のような熱処理工程を行なうことにより、軌道輪の膨れ、変形などの不具合の発生を極力防ぐと共に、樹脂の結晶化を確実かつ徐々に進行させて、軌道輪の寸法安定性や剛性を高めることができる。
アニール熱処理は、転がり軸受使用雰囲気温度がPEKK樹脂のガラス転移点(約170℃)以下の温度域である場合は、軌道輪の製造工程において電気炉等に使われる電気エネルギーを節約し、製造工程を効率化するため、省略することができる。転がり軸受を例えば180〜200℃程度の温度域で使用する場合、組成材料内の応力、成形歪みを取り去るため、アニール熱処理を施すのが好ましい。軸受使用雰囲気温度が180℃以上の場合は、アニール熱処理温度は230℃もしくはこれ以上で融点以下の温度にするのが好ましい。また、有機溶媒存在下など環境応力劣化が生じやすい環境で使用される場合には、上記アニール熱処理を施すのが好ましい。
図1に示す転動体5の材質は特に問わないが、耐薬品性があり、かつ、外輪3および内輪4よりも硬度および剛性の高い材料で形成するのが好ましい。セラミックス系材料は、線膨張係数が樹脂材に比べて約1/10程度と小さく、耐熱性、耐薬品性を有し、また、耐熱衝撃抵抗が少なくとも100℃以上、安全性を考慮して150℃以上、さらには200℃以上の材質を転動体5に使用することで、ボールの腐食がなく、かつ、例えば間欠的に高温スチームに晒されるといった使用温度差の大きい環境下であっても、軸受隙間の過大・過小が防止され、低トルクで長寿命の樹脂製転がり軸受が得られる。
本発明に使用できるセラミック材料を表1に示す。表1に示すようなセラミック材で、例えばアルミナ系(Al23)や窒化ケイ素系、ジルコニア系で形成することが特に好ましい。また、これらの材料の強度、熱特性等を改善するために、1〜10質量%程度のSiO2、Y23、Al27、AlN、TaN、TiC、Co等、その他希土類等の無公害なものを1種類以上添加してもよい。コスト面を考慮するとアルミナ系セラミックが好ましい。
Figure 2017180750
アルミナ系セラミックは結晶形、添加剤の使用などによって、表1に示す特性と共に、以下の特性を備えたものが好ましい。破壊靭性:3.0〜4.6MN/m3/2、ポアソン比:0.19〜0.26、線膨張係数:(7〜9)×10−6/℃、熱伝導率:0.04〜0.07cal/(cm・sec・℃)、耐熱衝撃抵抗:100℃、比熱:0.17〜0.33cal/(g・℃)。これらの特性を備えたアルミナセラミックは機械的強度、耐熱性、寸法安定性、耐薬品性、価格などの点において総合的に優れており好ましい。例えば、耐食性については、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、カ性ソーダ、HF等の薬液中(例えばPH6程度の弱酸性の液中)や、蒸気中においても侵食されにくいので、腐食雰囲気下で使用する場合に好ましい。
図1に示す保持器6の材質は、耐薬品性および耐熱性があり、かつ、軌道輪および転動体よりも軟質の材料が好ましい。保持器6の材質としては、フッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、これらの混合樹脂が耐薬品性、耐熱性のバランスがよく好ましい。その中でも耐薬品性に優れたポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、樹脂組成物全体に対して、黒鉛等の各種充填剤を1〜20質量%添加した樹脂材を成形した保持器が好ましい。なお、保持器を具備しない総玉形式としてもよい。
軌道輪の転走面、ボールの転動面、保持器のポケット面のうち少なくとも一つ以上の表面粗さは、Rmax(最大粗さ)、Ra(算術平均粗さ)、Rz(十点平均粗さ)等のJISで定義された評価法によって測定された粗さで、8μm以下、好ましくは3μm以下とするのがよい。なぜなら、表面粗さが上記所定範囲をこえると、軌道面等の摩耗の原因になると考えられるからである。なお、表面粗さの下限値は、加工時の効率性も考慮して、0.01μm以上、好ましくは0.5μm以上、あるいは0.1μm程度以上であればよい。例えば、軌道面の表面粗さは0.2S(Ra)、ボールの転動面の表面粗さは0.1S(Ra)、保持器のポケット面の表面粗さは3S(Ra)にするとよい。
本発明の樹脂製転がり軸受は、液体中、特に腐食性液体中、腐食性雰囲気中で使用される。腐食性液体としては、例えば、水、溶剤、または薬液が挙げられる。水としては純水、アルカリ性水、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の酸性水、塩水などの有機・無機成分を溶解している水等が挙げられ、溶剤としては有機溶媒、無機溶媒等が挙げられ、薬液としてはカ性ソーダ、HF等が挙げられる。腐食性雰囲気としては水蒸気など高湿度雰囲気が挙げられる。
本発明の樹脂製転がり軸受は、多くの用途に使用できるが耐腐食性に優れているため、医療機器用途または食品製造機器用途に好ましく使用できる。( )内は表2中の記号を表す。
実施例および比較例で使用した材料を一括して以下に示す。
(1)ポリエーテルケトンケトン樹脂(PEKK):arkema社製KEPSTAN 8002
(2)パーフルオロ系フッ素樹脂(PTFE):ポリテトラフルオロエチレン樹脂粉末 喜多村社製「KT400H」
(3)ガラス繊維(GF):日本ファイバーガラス社製「トワロン−0.25MM」
(4)炭素繊維(CF):呉羽化学社製「クレカチョップM107T」
(5)ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS):DIC社製T4
実施例1〜4、比較例1〜4
各実施例および各比較例の樹脂製転がり軸受は、表2に示す割合(質量%)で各材料を配合した後、二軸押出機により造粒し、射出形成で内輪および外輪を成形した。その後、220℃で2〜10時間のアニール熱処理を施した後、転走面を研磨加工にて#6000系列の深溝玉軸受の内輪および外輪に仕上げた。
また、転動体である玉はアルミナセラミック材(Al23)からなるもの、保持器はポリテトラフルオロエチレンを主成分とする樹脂材(耐摩耗性、低摩擦係数、機械的強度向上に寄与する黒鉛を添加)からなるものを使用した。なお、各実施例および各比較例の樹脂製転がり軸受には、グリース等の潤滑剤は使用していない。
得られた樹脂製転がり軸受を以下の方法で評価した。評価試験は、JIS−Z2371に基づく塩水噴霧試験機中で実施し、軸受のラジアル荷重を2kgf/cm2、 総回転数を9×106revの条件で運転した。試験後の内・外輪の転走面の摩耗深さ、および、内・外輪の変形の有無を評価した。結果を表2に併記する。
Figure 2017180750
表2から明らかなように、実施例1〜4の軸受は、比較例1〜4の軸受に比べ、内・外輪の転走面の摩耗が少なく、また、内・外輪の変形もなかった。
本発明の樹脂製転がり軸受は、腐食雰囲気下および高荷重・高速回転で使用する転がり軸受として広く利用できる。
1 樹脂製転がり軸受
2 軌道輪
3 外輪
4 内輪
5 転動体
6 保持器

Claims (6)

  1. 外輪および内輪からなる軌道輪と、前記外輪および内輪のそれぞれの転走面間に配置される転動体と、この転動体を保持する保持器とからなる樹脂製転がり軸受であって、
    前記軌道輪がポリエーテルケトンケトン樹脂の成形体であることを特徴とする樹脂製転がり軸受。
  2. 前記ポリエーテルケトンケトン樹脂は、充填材を含む樹脂であり、前記充填材が20質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂製転がり軸受。
  3. 前記成形体は、成形歪除去成形体であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の樹脂製転がり軸受。
  4. 前記転動体がセラミックス製転動体であることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求項3記載の樹脂製転がり軸受。
  5. 前記保持器がフッ素樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、およびポリエーテルエーテルケトン樹脂から選ばれる少なくとも1つの樹脂製保持器であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項記載の樹脂製転がり軸受。
  6. 液体中で使用される樹脂製転がり軸受において、前記液体が水、溶剤、または薬液であり、前記樹脂製転がり軸受が請求項1から請求項5のいずれか1項記載の樹脂製転がり軸受であることを特徴とする樹脂製転がり軸受。
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