JP2017180746A - ボイルオフガスの再液化設備 - Google Patents
ボイルオフガスの再液化設備 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017180746A JP2017180746A JP2016071282A JP2016071282A JP2017180746A JP 2017180746 A JP2017180746 A JP 2017180746A JP 2016071282 A JP2016071282 A JP 2016071282A JP 2016071282 A JP2016071282 A JP 2016071282A JP 2017180746 A JP2017180746 A JP 2017180746A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- boil
- gas
- heater
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
Description
当該冷凍サイクル部は、例えば、ヒートポンプ回路により、比較的低温にした冷媒を上述の熱交換器に導くように構成されており、当該構成のため、外部からの駆動力により駆動する圧縮機等を備えて構成されている。
以上の構成により、貯留タンクから排出されたボイルオフガスは、圧縮機にて圧縮され昇温し、熱交換器にて冷媒と熱交換することにより冷却され、膨張弁にて減圧され、再液化された後、貯留タンクに戻されることとなる。
また、従来技術の如く、冷凍サイクル部を備える構成にあっては、エンジンやモータ等としての可動部が存在するから、定期的にメンテナンスを行う必要があり、メンテナンスコストの観点からも、改善の余地があった。
作動媒体が充填され音波が伝播する音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する冷却器と前記加熱器と前記冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する音響再生器とから成る原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する放熱器と前記吸熱器と前記放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する温度差再生器とから成る音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける熱音響機関と、
前記貯留タンクから排出されたボイルオフガスを圧縮するボイルオフガス圧縮部と、
温熱源の温熱を有する熱媒を前記加熱器へ導く熱媒通流路と、
冷熱源の冷熱を有する冷媒を少なくとも前記冷却器へ導く冷媒通流路と、
前記貯留タンクから排出されるボイルオフガスを、前記ボイルオフガス圧縮部と前記吸熱器とに記載の順に導いた後に、前記貯留タンクへ返送する再液化循環路とを備える点にある。
更に、動力源としては、温熱源からの排熱及び冷熱源からの冷熱のみであるから、温熱源及び冷熱源が存在する環境であれば、従来技術の如く、エンジンやモータ等の動力源を必要とせず、それらを駆動するエネルギを省くことができるから、設備のエネルギ効率を高めることができる。
また、本願に係る熱音響機関は、モータやエンジン等の回転機のような駆動部が存在しないため、メンテナンスコストを大幅に低減することができ、経済性を向上できる。
以上の如く、構成の簡略化を図りながらも、エネルギ効率を高めることができ、更には、メンテナンスコストを大幅に低減して経済性を向上し得るボイルオフガスの再液化設備を実現できる。
因みに、上記特徴構成にあっては、熱音響機関の音響ヒートポンプ部の放熱器に、例えば、海水等の比較的低温の所定の冷媒を通流させることを前提としている。
前記冷媒が海水であり、
前記再液化循環路において、前記ボイルオフガス圧縮部を通過した後で前記吸熱器を通過する前のボイルオフガスと前記海水とを熱交換する第1熱交換器を備える点にある。
しかしながら、ボイルオフガス圧縮部にて圧縮したボイルオフガスは、比較的温度が高い(例えば、100℃)ため、比較的温度の低い(例えば、−110℃)熱音響機関の吸熱器を通過させて降温させようとすると、再液化の効率の観点から好ましくない。
そこで、上記特徴構成にあっては、ボイルオフガス圧縮部を通過した後で、比較的高温(例えば、100℃程度)のボイルオフガスを、ほぼ無限にあり比較的低温の海水(例えば、10℃以上50℃以下程度の温度:具体的には30℃程度の温度)と熱交換させることで、ボイルオフガスの粗熱を良好に取ることができ、粗熱が取られた後のボイルオフガスを熱音響機関の吸熱器に導いて降温させることで、良好に凝縮温度の近傍まで降温させることができる。
前記温熱源が、前記ボイルオフガス圧縮部にて圧縮された後のボイルオフガスの一部を燃料とする船舶推進用の推進機関である点にある。
更に、発電機にて発生する排熱をも熱音響機関の加熱器へ導く構成を採用すれば、より多くの音響エネルギを発生できる。
前記熱音響機関として、作動媒体が充填され音波が伝播する第1音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する第1加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する第1冷却器と前記第1加熱器と前記第1冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する第1音響再生器とから成る第1原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する第1吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する第1放熱器と前記第1吸熱器と前記第1放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第1温度差再生器とから成る第1音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける第1熱音響機関と、
前記熱音響機関として、作動媒体が充填され音波が伝播する第2音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する第2加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する第2冷却器と前記第2加熱器と前記第2冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する第2音響再生器とから成る第2原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する第2吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する第2放熱器と前記第2吸熱器と前記第2放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第2温度差再生器とから成る第2音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける第2熱音響機関とを備え、
前記熱媒通流路は、前記熱媒を分岐して並列に通流する第1熱媒通流路と第2熱媒通流路とを備え、
前記第1熱媒通流路が前記第1加熱器へ前記熱媒を導くように配設されると共に、前記第2熱媒通流路が前記第2加熱器へ前記熱媒を導くように配設されている点にある。
前記再液化循環路は、前記貯留タンクから排出されたボイルオフガスを、前記第2放熱器と、前記ボイルオフガス圧縮部と、前記第1吸熱器と、前記第2吸熱器とに記載の順に通流させるように配設され、
前記冷媒通流路は、前記第1放熱器へ前記冷媒として海水を通流させるように配設されていることが好ましい。
当該第1実施形態に係るボイルオフガスCMの再液化設備100は、LNGタンカ等の船舶に設けられるものであり、図1に示すように、液化天然ガスを貯留する貯留タンクLTから排出されるボイルオフガスCMを再液化する設備である。
当該ボイルオフガスCMの再液化設備100は、作動媒体が充填され音波が伝播する音響筒T、Tu、Tdに、作動媒体を外部から加熱する加熱器71と作動媒体を外部から冷却する冷却器72と加熱器71と冷却器72との間で音波の音響エネルギを増幅する音響再生器73とから成る原動機70を少なくとも1つ以上設ける(当該第1実施形態では、1つ)と共に、作動媒体が外部から吸熱する吸熱器81と作動媒体が外部へ放熱する放熱器82と吸熱器81と放熱器82との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する温度差再生器83とから成る音響ヒートポンプ部80を少なくとも1つ以上設ける(当該第1実施形態では、1つ)熱音響機関90と、貯留タンクLTから排出されたボイルオフガスCMを圧縮するボイルオフガス圧縮部としての圧縮機CTと、温熱源の温熱を有する熱媒HM(当該第1実施形態にあっては、エンジン冷却用のエンジン冷却媒体)を加熱器71へ導く熱媒循環路C1(熱媒通流路の一例)と、冷熱源の冷熱を有する冷媒SW(当該第1実施形態にあっては、海水)を少なくとも冷却器72へ導く冷媒通流路(図1で、冷媒SWを通流する流路)と、貯留タンクLTから排出されるボイルオフガスCMを、圧縮機CTと吸熱器81とに記載の順に導いた後に、貯留タンクLTへ返送する再液化循環路C2とを備えて構成されている。
熱音響機関90は、当該第1実施形態にあっては、図1に示すように、第1熱音響機関90uと第2熱音響機関90dとから構成されている。
第1熱音響機関90uは、作動媒体が充填され音波が伝播する第1ループ管Tu1と第2ループ管Tu2とが連結管にて連結されて構成された第1音響筒Tuを備え、当該第1実施形態においては、第1ループ管Tu1に単一の第1原動機70uが設けられると共に第2ループ管Tu2に単一の第1音響ヒートポンプ部80uが設けられている。
当該薄板状部材は、例えば、厚さが50μm以上100μm以下で、300枚〜600枚程度設けられる。当該薄板状部材には、筒軸心方向に沿う方向に貫通する多数の貫通孔(図示せず)が、その直径が100μm〜300μm程度で、設けられる。
作動流体を伝搬する音波は、第1冷却器72uから第1加熱器71uの側への進行波を形成する場合、第1加熱器71u近傍での第1音響再生器73uとしての薄板状部材の複数の貫通孔を通過するときに当該貫通孔の内壁に接触して加熱されると共に、第1加熱器71uのフィンにて直接加熱されることで、膨張する。一方、作動流体を伝搬する音波は、第1加熱器71uから第1冷却器72uの側への進行波を形成する場合、第1冷却器72uの近傍での第1音響再生器73uとしての薄板状部材の複数の貫通孔を通過するときに当該貫通孔の内壁に接触して冷却されると共に、第1冷却器72uのフィンにて直接冷却されることで、収縮する。
これにより、進行波としての音波が自己励起振動を起こし、その音響エネルギが増幅される形態で、熱エネルギが音波の音響エネルギに変換される。
第1音響ヒートポンプ部80uは、作動媒体が外部から吸熱する第1吸熱器81uと、作動媒体が外部へ放熱する第1放熱器82uと、第1吸熱器81uと第1放熱器82uとの間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第1温度差再生器83uとから成る。
一方、第1放熱器82uは、冷媒SWを通流するジャケット部(図示せず)と、当該ジャケット部から第2ループ管Tu2の内部に延びるフィン(図示せず)とから成る。第1放熱器82uでは、第2ループ管Tu2の内部の作動媒体がフィンへ放熱し、フィンがジャケット部を通流する冷媒SWへ放熱する。
これにより、作動流体を伝搬する音波が第1吸熱器81uから第1放熱器82uの側への進行波を形成する場合、第1温度差再生器83uにて圧縮しながら吸熱して昇温し、第1放熱器82uにて昇温して高温となった状態で放熱する。
一方、作動流体を伝搬する音波が第1放熱器82uから第1吸熱器81uの側への進行波を形成する場合、第1温度差再生器83uにて膨張しながら放熱して降温し、第1吸熱器81uにて降温して低温となった状態で吸熱する。
因みに、上述の如く、第1温度差再生器83uにて圧縮しながら吸熱する工程、及び膨張しながら放熱する工程において、音波の音響エネルギが消費され、音波は減衰するが、音響エネルギは、第1原動機70uから逐次補充されるので、第1音響ヒートポンプ部80uのヒートポンプ機能が維持されることとなる。
尚、第1音響筒Tuの筒径、筒長さ、形状等は、特に、第1音響再生器73u及び第1温度差再生器83uの貫通孔の孔径に基づいて、第1原動機70uの熱エネルギから音響エネルギへの変換効率、第1音響ヒートポンプ部80uの音響エネルギから熱エネルギへの変換効率が高くなるように、適宜設定される。
第2熱音響機関90dは、作動媒体が充填され音波が伝播する第3ループ管Td1と第4ループ管Td2とが連結管にて連結されて構成された第2音響筒Tdを備え、第3ループ管Td1に単一の第2原動機70dが設けられると共に第4ループ管Td2に単一の第2音響ヒートポンプ部80dが設けられている。
第2音響ヒートポンプ部80dは、作動媒体が外部から吸熱する第2吸熱器81dと、作動媒体が外部へ放熱する第2放熱器82dと、第2吸熱器81dと第2放熱器82dとの間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第2温度差再生器83dとから成る。
一方、第2放熱器82dは、ボイルオフガスCMを通流するジャケット部(図示せず)と、当該ジャケット部から第4ループ管Td2の内部に延びるフィン(図示せず)とから成る。第2放熱器82dでは、第4ループ管Td2の内部の作動媒体がフィンへ放熱し、フィンがジャケット部を通流するボイルオフガスCMへ放熱する。
当該第1実施形態にあっては、貯留タンクLTから排出されるボイルオフガスCMを再液化し、貯留タンクLTへ返送する再液化循環路C2は、貯留タンクLTから出たボイルオフガスCMを、第2熱音響機関90dの第2放熱器82dと、ボイルオフガスCMを圧縮する圧縮機CTと、ボイルオフガスCMの一部を再液化循環路C2の外部へ導くと共に他部を第1熱交換器EX1へ導く分岐機構Bと、ボイルオフガスCMと冷媒SWとを熱交換する形態でボイルオフガスCMを冷却する第1熱交換器EX1と、第1熱音響機関90uの第1吸熱器81uと、第1減圧弁V1と、第2熱音響機関90dの第2吸熱器81dと、第2減圧弁V2とに通過させた後に、貯留タンクLTへ返送するように配設されている。
上記分岐機構Bにて再液化循環路C2から抽出された一部のボイルオフガスCMは、船舶推進用のエンジン60(推進機関の一例)へ導かれる。当該船舶推進用のエンジン60は、高圧噴射型エンジンであり、圧縮機CTにて比較的高圧に圧縮されたボイルオフガスCMを燃料として駆動する。
尚、図示は省略するが、当該ボイルオフガスCMの再液化設備100にあっては、エンジン60にて駆動される発電機が設けられており、当該発電機を冷却する冷却水も熱媒HMとして用いられる。
説明を追加すると、当該熱媒循環路C1は、エンジン60のジャケット部の出口の熱媒HMを、第1熱音響機関90uの第1加熱器71uへ導く第1熱媒循環路C1a(第1熱媒通流路の一例)と、第2熱音響機関90dの第2加熱器71dへ導く第2熱媒循環路C1b(第2熱媒通流路の一例)とから成り、第1熱媒循環路C1aと第2熱媒循環路C1bとの分岐部には、第1熱媒循環路C1aと第2熱媒循環路C1bとに導かれる熱媒HMの流量を制御する三方流量調整弁V3が設けられている。
当該構成により、第1加熱器71uと第2加熱器71dの双方には、エンジン60のジャケット部出口の比較的高温(例えば、250℃程度)の熱媒HMが通流することとなり、原動機70u、70dにて温度差を確保する意味で、好適である。
シミュレーションの条件としては、高圧噴射型エンジン60をME−GIとし、船舶の速度を12knotで、エンジン負荷が5085kW、エンジン排熱量が1960kW、エンジン60の軸出力に駆動する発電機の発電機負荷が3295kW、発電機排熱が1560kWとした。
更に、熱音響機関90の作動媒体は、0.4MPaのヘリウムであり、第1熱音響機関90uの第1原動機70uの熱音変化効率は17.7%であり、第1音響ヒートポンプ部80uのCOPは1.41であり、第2熱音響機関90dの第2原動機70dの熱音変化効率は17.7%であり、第2音響ヒートポンプ部80dのCOPは0.80であるとした。
更に、第1加熱器71u及び第2加熱器71dの入口での熱媒HMの温度を250℃とし出口での熱媒HMの温度を200℃とし、第1冷却器72u及び第2冷却器72dの入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を80℃とし、第1放熱器82uの入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を55℃とし、第1熱交換器EX1の入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を80℃とした。因みに、このとき、第1加熱器71uでの熱媒HMからの回収熱量は1160kWであり、第2加熱器71dでの熱媒HMからの回収熱量は830kWであり、第1冷却器72uでの冷媒SWへの放熱量は960kWであり、第2冷却器72dでの冷媒SWへの放熱量は683kWであり、第1放熱器82uでの冷媒SWへの放熱量は495kWであるとした。
また、第1加熱器71uを通流する熱媒HMの流量は28t/hであり、第2加熱器71dを通流する熱媒HMの流量は20t/hであり、第1冷却器72uを通流する冷媒SWの流量は16t/hであり、第2冷却器72dを通流する冷媒SWの流量は11t/hであり、第1放熱器82uを通流する冷媒SWの流量は16t/hであるとした。
また、ボイルオフガスCMについては、貯留タンクLTに貯留される液化天然ガスが180、000m3とし、その0.1%が気化することで発生するボイルオフガスCMの流量を3.1t/hとし、貯留タンクLTからのボイルオフガスCMの排出温度を−120℃とした。
以上の条件において、再液化循環路C2におけるボイルオフガスCMは、第2放熱器82dの出口で圧縮機CTの入口において、30℃となり、圧縮機CTの出口で第1熱交換器EX1の入口において、100℃で30MPaとなり、第1熱交換器EX1の出口で第1吸熱器81uの入口で40℃で30MPaとなり、第1吸熱器81uの出口で第1減圧弁V1の入口でー108℃で30MPaとなり、第1減圧弁V1の出口で第2吸熱器81dの入口でー107℃で4MPaとなり、第2吸熱器81dの出口で第2減圧弁V2の入口でー162℃で4MPaとなり、第2減圧弁V2の出口で貯留タンクLTの入口にて、−161℃で106kPaとなり、再液化されて貯留タンクLTに流入することとなる。
尚、分岐機構Bでは、1.1t/hがエンジン60へ導かれ、2.0t/hが再液化循環路C2へ導かれるものとした。
当該第2実施形態に係るボイルオフガスの再液化設備100にあっては、熱音響機関として単一の第1熱音響機関90uのみを備える構成例を示している。
当該第2実施形態に係る第1熱音響機関90uは、上記第1実施形態の第1熱音響機関90uと変わるところがない。
当該第2実施形態にあっては、貯留タンクLTから排出されるボイルオフガスCMを再液化し、貯留タンクLTへ返送する再液化循環路C2は、貯留タンクLTから出たボイルオフガスCMを、第2熱交換器EX2と、ボイルオフガスCMを圧縮する圧縮機CTと、ボイルオフガスCMの一部を再液化循環路C2の外部へ導くと共に他部を第1熱交換器EX1へ導く分岐機構Bと、ボイルオフガスCMと冷媒SWとを熱交換する形態でボイルオフガスCMを冷却する第1熱交換器EX1と、第2熱交換器EX2と、第1減圧弁V1と、第1熱音響機関90uの第1吸熱器81uと、第2減圧弁V2とに通過させた後に、貯留タンクLTへ返送するように配設されている。
即ち、当該第2実施形態にあっては、第1実施形態と比較して、第2熱交換器EX2を新たに備え、当該第2熱交換器EX2にあっては、圧縮機CTにて昇圧され昇温し、且つ第1熱交換器EX1にて粗熱を取られた後のボイルオフガスCMが、貯留タンクLTから排出された後で比較的低温のボイルオフガスCMと熱交換する形態で、冷却されることとなる。
当該高圧噴射型エンジン60には、上記第1実施形態と同様に、250℃程度まで昇温可能なエンジン冷却用媒体(例えば、オイル)を熱媒HMとして、当該エンジン60のジャケット部(図示せず)と第1熱音響機関90uの第1加熱器71uとの間で循環する熱媒循環路C1が設けられている。
以下、シミュレーションの条件として、示していないものについては、上記第1実施形態と同一であるとする。
第1熱音響機関90uの第1原動機70uの熱音変換効率は17.7%であり、第1音響ヒートポンプ部80uのCOPは0.30であるとした。
更に、第1加熱器71uの入口での熱媒HMの温度を250℃とし出口での熱媒HMの温度を200℃とし、第1冷却器72uの入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を80℃とし、第1放熱器82uの入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を40℃とし、第1熱交換器EX1の入口での冷媒SWの温度を30℃とし出口での冷媒SWの温度を80℃とした。
因みに、このとき、第1加熱器71uでの熱媒HMからの回収熱量は2470kWであり、第1冷却器72uでの冷媒SWへの放熱量は2032kWであり、第1放熱器82uでの冷媒SWへの放熱量は570kWであるとした。
尚、熱媒循環路C1を循環する熱媒HMの流量は60t/hであり、第1冷却器72uを通流する冷媒SWの流量は34t/hであり、第1放熱器82uを通流する冷媒SWの流量48t/hであるとした。
また、第2熱交換器EX2でのボイルオフガス同士の熱交換量は276kWであるとした。
以上の条件において、再液化循環路C2におけるボイルオフガスCMは、第2熱交換器EX2の出口で圧縮機CTの入口において、30℃となり、圧縮機CTの出口で第1熱交換器EX1の入口において、100℃で30MPaとなり、第1熱交換器EX1の出口で第2熱交換器EX2の入口において、40℃で30MPaとなり、第2熱交換器EX2の出口で第1減圧弁V1の入口において、−100℃で30MPaとなり、第1減圧弁V1の出口で第1吸熱器81uの入口において、−99℃で4.0MPaとなり、第1吸熱器81uの出口で第2減圧弁V2の入口でー163℃で4MPaとなり、第2減圧弁V2の出口で貯留タンクLTの入口にて、−161℃で106kPaとなり、再液化されて貯留タンクLTに流入することとなる。
(1)上記第1、2実施形態において、一の熱音響機関90において、複数の原動機70を備えると共に、複数の音響ヒートポンプ部80を備える構成を採用しても構わない。
また、上記第1実施形態において、熱音響機関は2つの熱音響機関を備える構成例を示したが、3つ以上の熱音響機関を備える構成も、本願の権利範囲に含むものである。
しかしながら、当該ボイルオフガスの再液化設備100、100は、船舶以外にも適用することができ、例えば、湾岸で、LNGタンカからLNGを受け入れるLNG基地にも好適に適用できる。
この場合、温熱源としては、例えば、コジェネレーションシステムとしてのガスエンジンを適用することができ、この場合、当該ガスエンジンには燃料としてボイルオフガスを供給する構成を採用することができる。
当該構成を採用する場合にあっては、比較的低圧の燃料を供給することとなるため、再液化循環路C2で圧縮機CTを通過する前のボイルオフガスの一部を、ガスエンジンに供給する構成が採用される。
例えば、コージェネレーションに用いられるガスエンジンに燃料を供給する構成を採用する場合には、高圧に圧縮する必要がないため、当該ガスエンジンに燃料としてボイルオフガスを導く場合には、比較的低温になる。そこで、当該ガスエンジンに導かれる前の比較的低温のボイルオフガスを、冷媒SWとして用いる構成を採用しても構わない。
また、上記実施形態にあっては、温熱源として、エンジン60にて駆動される発電機を含む構成例を示したが、当該発電機を温熱源として含まない構成も、権利範囲に含むものである。
70 :原動機
70u :第1原動機
70d :第2原動機
71 :加熱器
71u :第1加熱器
71d :第2加熱器
72 :冷却器
72u :第1冷却器
72d :第2冷却器
73 :音響再生器
73u :第1音響再生器
73d :第2音響再生器
80 :音響ヒートポンプ部
80u :第1音響ヒートポンプ部
80d :第2音響ヒートポンプ部
81 :吸熱器
81u :第1吸熱器
81d :第2吸熱器
82 :放熱器
82u :第1放熱器
82d :第2放熱器
83 :温度差再生器
83u :第1温度差再生器
83d :第2温度差再生器
90 :熱音響機関
90u :第1熱音響機関
90d :第2熱音響機関
100 :再液化設備
100 :再液化設備
B :分岐機構
C2 :再液化循環路
CM :ボイルオフガス
CT :圧縮機
EX1 :第1熱交換器
EX2 :第2熱交換器
HM :熱媒
LT :貯留タンク
SW :冷媒
T :音響筒
Claims (5)
- 液化天然ガスを貯留する貯留タンクから排出されるボイルオフガスを再液化するボイルオフガスの再液化設備であって、
作動媒体が充填され音波が伝播する音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する冷却器と前記加熱器と前記冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する音響再生器とから成る原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する放熱器と前記吸熱器と前記放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する温度差再生器とから成る音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける熱音響機関と、
前記貯留タンクから排出されたボイルオフガスを圧縮するボイルオフガス圧縮部と、
温熱源の温熱を有する熱媒を前記加熱器へ導く熱媒通流路と、
冷熱源の冷熱を有する冷媒を少なくとも前記冷却器へ導く冷媒通流路と、
前記貯留タンクから排出されるボイルオフガスを、前記ボイルオフガス圧縮部と前記吸熱器とに記載の順に導いた後に、前記貯留タンクへ返送する再液化循環路とを備えるボイルオフガスの再液化設備。 - 前記冷媒が海水であり、
前記再液化循環路において、前記ボイルオフガス圧縮部を通過した後で前記吸熱器を通過する前のボイルオフガスと前記海水とを熱交換する第1熱交換器を備える請求項1に記載のボイルオフガスの再液化設備。 - 前記温熱源が、前記ボイルオフガス圧縮部にて圧縮された後のボイルオフガスの一部を燃料とする船舶推進用の推進機関である請求項1又は2に記載のボイルオフガスの再液化設備。
- 前記熱音響機関として、前記作動媒体が充填され音波が伝播する第1音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する第1加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する第1冷却器と前記第1加熱器と前記第1冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する第1音響再生器とから成る第1原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する第1吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する第1放熱器と前記第1吸熱器と前記第1放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第1温度差再生器とから成る第1音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける第1熱音響機関と、
前記熱音響機関として、前記作動媒体が充填され音波が伝播する第2音響筒に、前記作動媒体を外部から加熱する第2加熱器と前記作動媒体を外部から冷却する第2冷却器と前記第2加熱器と前記第2冷却器との間で音波の音響エネルギを増幅する第2音響再生器とから成る第2原動機を少なくとも1つ以上設けると共に、前記作動媒体が外部から吸熱する第2吸熱器と前記作動媒体が外部へ放熱する第2放熱器と前記第2吸熱器と前記第2放熱器との間で音波が音響エネルギを消費する形態で圧縮及び膨張する第2温度差再生器とから成る第2音響ヒートポンプ部を少なくとも1つ以上設ける第2熱音響機関とを備え、
前記熱媒通流路は、前記熱媒を分岐して並列に通流する第1熱媒通流路と第2熱媒通流路とを備え、
前記第1熱媒通流路が前記第1加熱器へ前記熱媒を導くように配設されると共に、前記第2熱媒通流路が前記第2加熱器へ前記熱媒を導くように配設されている請求項1〜3の何れか一項に記載のボイルオフガスの再液化設備。 - 前記再液化循環路は、前記貯留タンクから排出されたボイルオフガスを、前記第2放熱器と、前記ボイルオフガス圧縮部と、前記第1吸熱器と、前記第2吸熱器とに記載の順に通流させるように配設され、
前記冷媒通流路は、前記第1放熱器へ前記冷媒として海水を通流させるように配設されている請求項4に記載のボイルオフガスの再液化設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071282A JP6604885B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | ボイルオフガスの再液化設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016071282A JP6604885B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | ボイルオフガスの再液化設備 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017180746A true JP2017180746A (ja) | 2017-10-05 |
JP6604885B2 JP6604885B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=60005228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016071282A Active JP6604885B2 (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | ボイルオフガスの再液化設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6604885B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019168207A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 大阪瓦斯株式会社 | 液化ガス製造システム |
EP3957838A1 (en) * | 2020-08-20 | 2022-02-23 | LG Electronics Inc. | Gas engine heat pump |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005188841A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyota Motor Corp | 熱音響エンジンおよび熱音響冷凍機 |
JP2005265170A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-09-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガス再液化装置およびガス再液化方法 |
JP2006002738A (ja) * | 2004-06-21 | 2006-01-05 | Aisan Ind Co Ltd | 排熱回収装置 |
JP2009216045A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Mazda Motor Corp | エンジンの排気装置 |
JP2013053793A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Tokai Univ | 熱音響機関 |
CN103808064A (zh) * | 2014-02-14 | 2014-05-21 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种环形声学共振型热驱动热声制冷系统 |
WO2015126116A1 (ko) * | 2014-02-24 | 2015-08-27 | 대우조선해양 주식회사 | 증발가스 처리 시스템 및 방법 |
US20150260463A1 (en) * | 2012-09-27 | 2015-09-17 | Gigawatt Day Storage Systems, Inc. | Systems and methods for energy storage and retrieval |
JP2015535913A (ja) * | 2012-10-24 | 2015-12-17 | デウ シップビルディング アンド マリーン エンジニアリング カンパニー リミテッド | 船舶の液化ガス処理システム |
-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016071282A patent/JP6604885B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005188841A (ja) * | 2003-12-25 | 2005-07-14 | Toyota Motor Corp | 熱音響エンジンおよび熱音響冷凍機 |
JP2005265170A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-09-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ガス再液化装置およびガス再液化方法 |
JP2006002738A (ja) * | 2004-06-21 | 2006-01-05 | Aisan Ind Co Ltd | 排熱回収装置 |
JP2009216045A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Mazda Motor Corp | エンジンの排気装置 |
JP2013053793A (ja) * | 2011-09-02 | 2013-03-21 | Tokai Univ | 熱音響機関 |
US20150260463A1 (en) * | 2012-09-27 | 2015-09-17 | Gigawatt Day Storage Systems, Inc. | Systems and methods for energy storage and retrieval |
JP2015535913A (ja) * | 2012-10-24 | 2015-12-17 | デウ シップビルディング アンド マリーン エンジニアリング カンパニー リミテッド | 船舶の液化ガス処理システム |
CN103808064A (zh) * | 2014-02-14 | 2014-05-21 | 中国科学院理化技术研究所 | 一种环形声学共振型热驱动热声制冷系统 |
WO2015126116A1 (ko) * | 2014-02-24 | 2015-08-27 | 대우조선해양 주식회사 | 증발가스 처리 시스템 및 방법 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019168207A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 大阪瓦斯株式会社 | 液化ガス製造システム |
JP7045896B2 (ja) | 2018-03-26 | 2022-04-01 | 大阪瓦斯株式会社 | 液化ガス製造システム |
EP3957838A1 (en) * | 2020-08-20 | 2022-02-23 | LG Electronics Inc. | Gas engine heat pump |
US11486331B2 (en) | 2020-08-20 | 2022-11-01 | Lg Electronics Inc. | Gas engine heat pump |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6604885B2 (ja) | 2019-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
RU2002118599A (ru) | Криогенная холодильная рефрижераторная установка для ротора, имеющего высокотемпературную сверхпроводящую обмотку возбуждения, и способ | |
JP2014104847A (ja) | 低温液化燃料の冷熱利用装置 | |
KR101261858B1 (ko) | 배열 재생형 가스엔진 시스템 | |
JP2011011701A (ja) | ガス焚き超電導電気推進船 | |
JP6604885B2 (ja) | ボイルオフガスの再液化設備 | |
JP6665003B2 (ja) | コージェネレーション装置 | |
JP6214252B2 (ja) | ボイラシステム | |
KR20060049344A (ko) | 열전기력 유니트와 액상으로 저장된 천연가스를 사용하는에너지시스템 | |
JP2008223622A (ja) | 熱機関 | |
JP6214253B2 (ja) | ボイラシステム | |
JP2018150899A (ja) | ガス冷却システム | |
JP6640017B2 (ja) | 蒸気発生装置 | |
CN109630309A (zh) | Lng冷能斯特林发电系统 | |
JP6846940B2 (ja) | 蒸気発生装置 | |
JP6409157B1 (ja) | 電力生成システム | |
KR101186285B1 (ko) | 수소저장탱크를 구비한 선박용 열교환 시스템. | |
JP7045896B2 (ja) | 液化ガス製造システム | |
JPS6228357B2 (ja) | ||
JP2008025973A (ja) | 熱交換システム | |
KR200456118Y1 (ko) | 온도차를 이용한 발전장치를 장착한 에너지절약형 선박 | |
JP2005171861A (ja) | ランキンサイクル発電システム | |
JP2019163805A (ja) | 気化器加熱装置 | |
US20240133321A1 (en) | Pressure control for closed brayton cycles | |
JP5327464B2 (ja) | 冷熱スターリングエンジン及び冷熱スターリングエンジンの製造方法 | |
WO2009124456A1 (zh) | 海水温差发电的方法和装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181203 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190906 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190917 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191015 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6604885 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |