JP2017180527A - クリップ取付構造 - Google Patents
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Abstract
Description
これにより、被取付部材を車体パネルに対して精度よく装着でき、車体パネルと被取付部材との隙間発生を効果的に防止できる。また、この際、クリップ座ベースについては高さ変更が不要であるため、コスト増加も抑えることができる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
クリップ座ベース5は、図4に示すように、断面形状が略U字形状をしてドアトリム1の裏面から立設された柱状部材である。
柱状部材は、略U字形状の底部を形成する板状の基部51と、略U字形状の互いに対向する板状の側部52(52a、52b)と、を備える。また、クリップ座ベース5は、基部51及び側部52によって囲まれることで形成される内部空間53を有する。本実施形態において、内部空間53はクリップ座ベース5の上方向及びドアトリム1の内側(ドアトリム周縁部6の内周側)方向に向かって開口している。また、クリップ座ベース5の位置及び数はドアトリム1を、クリップ3を介してドアパネル2に安定的に取付可能であればよく限定されるものではない。
また、2つのリブのうち上側にあるリブ54aであって、基部51から延在する部分には、内部空間53に向かって凸状に突出する凸部57を有する。尚、本実施形態においては、最上のリブ54aにのみ凸部57が設けられているが、他のリブ(54b)に凸部57が設けられてもよい。
クリップ座4は、図4に示すように、一定の厚み(t)を有する1つの板状の座面部46及び座面部46の周囲に沿ってドアトリム1側に向かって延在する段差部47を備える本体部40と、段差部47を介して連続的に設けられる周縁部41と、を備える。このようにすることで、クリップ3が取り付けられるクリップ取付位置は、段差部47の段差すなわち高さ(h)によって調整可能である。また、座面部46の厚み(t)は後述するクリップ3の固定部32を係合するために、固定部32の厚みよりも薄く設計されている。
クリップ3は、図4に示すように、ドアトリム1をドアパネル2に取付ける場合に一般的に使用されるクリップ3であってよい。本実施形態においては、クリップ3は、ドアパネル2の取り付け孔8に挿入される挿入部31と、クリップ座4の開口部42に挿入される固定部32と、を有している。この挿入部31の形状は取り付け孔8に挿入される所定の部分から先端に向かうにつれて幅が狭くなるような形状であるが、これに限られない。
また、固定部32は、クリップ座4からクリップ3が上下方向に抜け出ないために固定部32の上端及び下端から径方向に延在する係止部33(33a、33b)を備える。上側の係止部33aは、下側の係止部33bよりも大径となっている。
クリップ座4に係合されたクリップ3は、突出部44(44a、44b)によって固定部32が係止されているため、開口部42からクリップ挿入方向とは反対方向に抜け出すことが防止される。尚、上下方向においては座面部46によって係止部33(33a、33b)が係止されているため、クリップ3が開口部42から上下方向に抜け出すことが防止されている。
また、本実施形態によれば、クリップ座4をクリップ座ベース5に着脱可能としたことによって、クリップ座4だけをクリップ座ベース5とは別に自由に交換できる。
これによって、ドアトリム1に対する座面部46の高さの設定が異なる複数のクリップ座4を用意し、適宜交換することで、汎用クリップを流用しながらもクリップ3が取り付けられる座面部46の高さ、すなわちクリップ取付位置(高さ)を精度よく調整することができる。
これにより、ドアトリム1をドアパネル2に対して精度よく装着でき、隙間発生を効果的に防止できる。また、この隙間発生の際、クリップ座ベース5については高さ変更が不要であるため、コスト増加も抑えることができる。
図5は、図3、4における第1のクリップ座4とは別の実施形態に係る第2のクリップ座61と、クリップ座ベース5と、を示す斜視図である。
第2のクリップ座61は、図3、4における第1のクリップ座4の段差部47の高さ(H1)と異なる高さを有し、第2のクリップ座61は第1のクリップ座4の段差部47の高さ(H1)より高い高さ(H2)の段差部67を有している。
これにより、クリップ3が取付けられるクリップ取付位置は、段差部47、67の高さが異なる複数のクリップ座4、61を用意することで、各クリップ座4、67が有する段差部47、67の寸法に応じて調整される。さらに、段差部67の高さを調整するだけで、汎用クリップを流用しながらもクリップ取付位置を精度よく調整できる。その結果、ドアトリム1をドアパネル2に対して精度よく装着でき、隙間発生を効果的に防止できる。また、この際にはクリップ座ベース5についての形状変更は不要であるため、コスト増加も少なく抑えることができる。
図6は、図3、4における第1のクリップ座4とは別の実施形態に係る第3のクリップ座71(71a、71b)と、クリップ座ベース81と、を示す斜視図である。
第3のクリップ座71(71a、71b)は、表裏反転してクリップ座ベース81に取付けられる構造である。クリップ座ベース81と第3のクリップ座71(71a、71b)とは互いに干渉することなく、表裏反転して取付可能である。
これにより、単一の第3のクリップ座71ながらも、2種類のクリップ取付位置に対応できる。そのため、予め異なる大きさ(高さ)の第3のクリップ座71を用意する場合においても、用意すべき第3のクリップ座71のバリエーション数を少なく抑えることができ、コスト削減に効果的である。
また、図6に示すように、クリップ座ベース81には、最上のリブ54aに凸部57aが設けられ、他のリブ54bに凸部57bが設けられており、下側の凸部57bによって、表裏反転した第3のクリップ座71(71b)の開口入口部59が部分的に被われるようになっている。
また、図6に示すように、表裏反転した第3のクリップ座71(71b)は、周縁部41の上面から上方向に突出する突起部45(45a、45b)を有する。クリップ座係合部43(43a、43b)及び突起部45(45a、45b)は、表裏反転した第3のクリップ座71(71b)がクリップ座ベース5に取付けられた場合においても、クリップ座被係合部56(56a、56b、56c、56d)に係合するようになっている。これにより、クリップ座ベース81から表裏反転した第3のクリップ座71(71b)が不意に脱落されるのが防止される。
尚、第3のクリップ座71に形成されるクリップ座係合部43や突起部45は、本実施形態の位置や形状に限るものではなく、クリップ座被係合部56の位置や形状に応じて形成されるようにしてもよい。
図7は、図3、4におけるクリップ座ベース5とは別の実施形態に係るクリップ座ベース91の斜視図である。このクリップ座ベース91は、立設方向に沿って少なくとも3つのリブ54が設けられる。本実施形態においては、3つのリブ54(54a、54b、54c)が設けられている。これにより、上下方向に2連続するリブ(54a−54b又は54b−54c)とクリップ座ベース91とによって、内部空間53の一部が囲まれ、高さの位置が異なる2つのクリップ座取付部55(55a、55b)が形成される。このように少なくとも3つのリブ54が設けられることで、複数のクリップ座取付部55が形成されるため、クリップ座4の段差部47の高さを変更することなく、周縁部41を挿入するクリップ座取付部55を変更することで、クリップ3のクリップ取付位置が調整可能である。尚、3つのリブのうち上部のリブ(54a)及び中部のリブ(54b)は、凹状のクリップ座被係合部56(56a、56b、56c、56d)を有している。クリップ座4がいずれかのクリップ座取付部55に取り付けられると、凹状のクリップ座被係合部56に凸状のクリップ座係合部43が係合される。そのため、クリップ座ベース91から不意にクリップ座4が脱落されるのを防止される。
この実施形態は、図2〜図7に示したクリップ座4、61、71及びクリップ座ベース5、81、91を用いて、クリップ3の取付位置の調整方法について説明する。
まず、クリップ座ベース5、81、91に取り付けられるクリップ座4の高さをクリップ座取付部55によって設定する。次に、クリップ3をクリップ座4、61に取り付ける。つぎに、クリップ3が取り付けられたクリップ座4、61をクリップ座取付部55に取り付けることにより、クリップ3をクリップ座ベース5、81、91に取り付ける。次に、クリップ座ベース5、81、91に取り付けられたクリップ3をドアパネル2に取り付けることにより、ドアトリム1をドアパネル2に装着する。
さらに、これら図5、図6、図7に示す構造を組合せることにより、より広範囲に亘ってクリップ取付位置を調整可能である。また、これらの方法は、クリップ座ベース5、81、91及びクリップ3の大きさを変更することなく、クリップ取付位置を調整可能であり、製造コストを抑えつつ隙間の解消が可能である。
2 ドアパネル(車体パネル)
3 クリップ
4 第1のクリップ座(クリップ座)
61 第2のクリップ座(クリップ座)
71 第3のクリップ座(クリップ座)
5、81、91 クリップ座ベース
6 ドアトリム周縁部
7 クリップ取付部
8 取り付け孔
31 挿入部
32 固定部
40 本体部
41 周縁部
42 開口部
43 クリップ座係合部
44 突出部
45 突起部
46 座面部
47、67 段差部
53 内部空間
54 リブ
55 クリップ座取付部
56 被係合部
57 凸部
58 周壁部
59 開口入口部
60 溝部
Claims (7)
- 車体パネルにクリップを介して装着される被取付部材に前記クリップを取り付けるためのクリップ取付構造であって、
前記被取付部材の裏面に立設されたクリップ座ベースと、
前記クリップが取り付けられる座面部を有し、前記車体パネルと対向するよう前記クリップ座ベースに着脱可能に設けられ、前記被取付部材に対する前記座面部の高さを設定するクリップ座と、を備えることを特徴とするクリップ取付構造。 - 前記クリップ座は、前記クリップ座ベースに表裏反転して着脱可能なリバーシブル構造とされ、前記被取付部材に対する前記座面部の高さが表裏で異なるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクリップ取付構造。
- 前記クリップは、先端部側に前記車体パネルの取り付け孔に差し込まれて係合される挿入部と、基端部側に前記クリップ座の前記座面部に取り付けられる固定部とを有し、
前記クリップ座の前記クリップ座ベースに対する着脱方向が、前記クリップの前記取り付け孔への差込み方向と交差する方向に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のクリップ取付構造。 - 前記クリップ座ベースは、断面が前記クリップ座の周囲を部分的に囲む略U字状を成して前記車体パネル側に向かって立設される周壁部と、該周壁部の内周面に沿って立設方向と交差する方向に延在する溝部を有するクリップ座取付部と、を備え、
前記クリップ座の周縁部が前記溝部に嵌着されることで前記クリップ座ベースに取り付けられるよう構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のクリップ取付構造。 - 前記クリップ座取付部は、前記クリップの差込み方向に並んだ複数の前記溝部を有して構成される、ことを特徴とする請求項4に記載のクリップ取付構造。
- 前記クリップ座の前記座面部には、前記クリップが係合可能な開口部が設けられ、
前記開口部は、前記クリップ座の前記周縁部で開放されて前記開口部内に前記クリップを挿入するための開口入口部を有し、
前記クリップ座は、前記開口入口部と前記周壁部とが対向するよう前記クリップ座ベースに取り付けられることを特徴とする請求項4または5に記載のクリップ取付構造。 - 前記クリップ座は、前記座面部を構成する板状の本体部と、該本体部の周囲に段差部を介して連続的に設けられ、前記クリップ座ベースの前記溝部に嵌着される前記周縁部とを有することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載のクリップ取付構造。
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