JP2017179234A - 樹脂組成物および医療用管状体 - Google Patents

樹脂組成物および医療用管状体 Download PDF

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Abstract

【課題】高強度かつ高靱性を有した、樹脂組成物および医療用管状体を提供する。
【解決手段】ポリ乳酸(A)と、L−ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)と、フィラー(C)を含有する材料からなる医療用管状体であって、前記(A)成分と前記(B)成分の全量[(A)+(B)]に対し、前記(B)成分が2重量%以上70重量%以下、前記(C)成分を前記(A)成分と前記(B)成分の合計100重量部に対して7重量部以上25重量部以下含有していることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、および、それを用いてなる医療用管状体に関する。
狭心症や心筋梗塞などの、血管の疾患に対する治療方法として、カテーテルやステントを利用したインターベンション治療が行われている。血管狭窄部などの患部において、バルーンカテーテルによって血管を拡張し、さらにステントを留置することで長期間拡張状態を保持することが可能である。このステント留置術によって、バルーンカテーテルのみを利用した場合に比べて再狭窄発生率を低減することが可能である(特許文献1)。
従来のステントは、材料に金属が用いられており、高強度と高靱性の両立によって、ステントの薄肉化が可能である。さらに、金属表面に薬剤を塗布することでの再狭窄発生率の改善も報告されている。しかし、従来のステントに用いられてきた金属材料の場合、半永久的に患者の体内に残留するため、長期間留置後の再狭窄が生じることが往々にしてある。その場合、ステントを留置した部分の再狭窄に対する再手術が困難であるという問題がある。また、身体の大きさの変わる若年層への利用が難しかった。ゆえに、金属材料に代わり生体吸収性材料、なかでも生体吸収性ポリマーを用いて作製されたステントが近年開発されてきている(特許文献2)。
しかし、生体吸収性ポリマーをステント材料に利用した場合、金属材料よりも強度が低いため、ステントの肉厚が大きくなったり設計の自由度が低下してしまう。結果、病変部到達性の低下という問題を引き起こしていた。この問題を解決するために、高い材料強度を有した生体吸収性ポリマー材料が求められていた。
特開2013-126558号 国際公開2009/099958号 国際公開2011-004885号
特許文献3の技術では、ポリマーに硬質のフィラーを添加することで強度向上は可能となるが、添加量が増えるに連れて同時に靭性が低下してしまう事が示されている。ステントとして使用した場合、拡径時においてステントが破断してしまう可能性を高めてしまうという課題があった。
本発明は、上記の課題を解決し、高強度かつ高靱性を有した、樹脂組成物および医療用管状体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、マトリックスポリマーにポリ乳酸およびL-ラクチドとε-カプロラクトンの特定の共重合体比率の共重合体を利用し、リン酸カルシウム系の硬質フィラーを含有することで、靱性低下を抑制しつつ、ポリ乳酸の強度の向上を行うことができることを見いだし本発明に至った。即ち、本発明は、下記(1)〜(8)の医療用管状体を提供する。
(1).ポリ乳酸(A)と、L−ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)と、フィラー(C)を含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の全重量[A+B]に対し、前記(B)成分が2重量%以上70重量%以下、前記(C)成分を前記(A)成分と前記(B)成分の合計100重量部に対して7重量部以上25重量部以下含有していることを特徴とする樹脂組成物。
(2).前記フィラー(C)がロッド状あるいは粒子状のセラミックスであることを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物。
(3).前記セラミックスが、長軸の長さ、あるいは、直径が40nm以上500nm以下の粒子であることを特徴とする(2)に記載の樹脂組成物。
(4).前記セラミックス粒子がハイドロキシアパタイト、β−トリカルシウムフォスフェートおよびα−トリカルシウムフォスフェートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする(1)または(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5).前記L−ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)が、L−ラクチドの比率が60モル%以上90モル%以下の共重合体であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6).(1)〜(5)のいずれかに記載の材料を用いてなる医療用管状体。
(7).前記医療用管状体が、ステントであることを特徴とする(6)に記載の医療用管状体。
(8).(7)に記載のステントを有するカテーテル。
本発明によって、高強度かつ高靱性を有した、樹脂組成物および医療用管状体を得ることが出来る。
本発明の実施例1および実施例2に係る物性評価図である。 本発明の比較例1〜4に係る物性評価図である。 本発明の比較例5に係る物性評価図である。 本発明の実施例3に係る物性評価図である。 本発明の実施例4〜5に係る物性評価図である。 本発明の実施例6〜7に係る物性評価図である。
以下に、本発明の樹脂組成物を得るための実施の一形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の樹脂組成物は、ポリ乳酸(A)、L-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)、フィラー(C)を含有している。
本発明の樹脂組成物において、L-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)の含有量は、ポリ乳酸(A)、L-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)の全重量(A+B)に対し、下限値が2重量%以上であり、3.5重量%以上がよりこのましく、5重量%以上が特に好ましく、上限値は、70重量%以下であり、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下が特に好ましい。(B)成分の含有量が70重量%以下であると、強度の高い樹脂組成物が得られる傾向があり好ましい。
本発明の本発明の樹脂組成物において、フィラー(C)の含有量は、ポリ乳酸(A)、L-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)の全重量(A+B)100重量部に対し、下限値が7重量部以上であり、10重量部以上がよりこのましく、15重量部以上が特に好ましく、上限値は、25重量以下である。
尚、本願における強度と靭性には、JIS7171に準拠した三点曲げ等の公知の方法で測定できる弾性率や破断点に対する与えたひずみ量を示す。
(A)ポリ乳酸
本発明の樹脂組成物に用いられるポリ乳酸は、例えば、ラクチドの開環重合を用いて製造される、下記一般式(1)
[−CH(CH)−CO−O−] (1)
で示される繰り返し単位を含むポリ乳酸から選択される1種以上である。
本発明に用いられる(A)ポリ乳酸は、前記一般式(1)の繰り返し単位を、全繰り返し単位の50モル%以上有していればよく、その他の繰り返し構造を含んでいてもよい。
乳酸には、L-ラクチドとD-ラクチドの光学異性体が存在しており、重合時のこれらのモノマー比率によって結晶性および非晶性のポリ乳酸に分類することができる。
結晶性のポリ乳酸は、L体またはD体、どちらか一方の比率が少なくとも90%以上となるものを示している。一方で、非晶性のポリ乳酸はL体またはD体、どちらか一方の比率が90%未満となるものを示している。
また、L体リッチなポリ乳酸(PLLA)とD体リッチなポリ乳酸(PDLA)を混合するとステレオコンプレックスを形成する。
一般的に結晶化およびステレオコンプレックスになることで温度特性は改善するものの靭性の著しい低下が見られる。
一般的に結晶性、あるいは、ステレオコンプレックスのポリ乳酸は、温度特性優れており、非晶性のポリ乳酸は、靭性に優れるという特徴を有している。本発明においては、いずれのポリ乳酸を用いることが出来る。
本発明におけるポリ乳酸は、L体の比率が95%以上であるポリ乳酸が好ましく、比率が97%以上がより好ましく、99%以上が特に好ましい。
本発明におけるポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)としては、成形加工できれば特に制限はないが、下限値が100,000以上が好ましく、150,000以上がより好ましい。また、Mwの上限値は、800,000以下が好ましく、600,000以下がより好ましい。なお、ここでのMwは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用い、ポリスチレン換算分子量分布により測定されたものをいう。
(B)L-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体
本発明の樹脂組成物に用いられるL-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体は、例えば、L−ラクチドおよびε−カプロラクトンの開環重合を用いて製造される、下記一般式(2)
―[―O―CO−CH(CH)−]−[―O―CO―(CH―]― (2)
で示される繰り返し単位を含む共重合体から選択される1種以上である。
本発明に用いられる(B)共重合体は、前記一般式(2)の繰り返し単位を、全繰り返し単位の10モル%以上有していればよく、50モル%以上有していることが好ましく、その他の繰り返し構造を含んでいてもよい。
本発明に用いられるL-ラクチド/ε―カプロラクトン共重合体は、少なくとのL−ラクチドおよびε-カプロラクトンの繰り返し単位構造を、1以上含む共重合体であり、L−ラクチドとε-カプラクトン以外の繰り返し単位構造を有していても良い。
本発明におけるL-ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体のL−ラクチドの含有率は、靭性と強度の観点から、下限値は40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。L−ラクチドの含有率が40モル%以上であると(A)成分との相溶性が良く、(B)成分が(A)成分と連続相を形成し樹脂組成物が靭性に優れる傾向があるため好ましい。
尚、L-ラクチド/ε―カプロラクトン共重合体におけるL−ラクチドの含有率は、核磁気共鳴分光法によって測定する事ができる。
また、L−ラクチドの含有率の下限値は、50モル%以上が好ましい。L−ラクチドの含有率の上限値は、80モル%以下がより好ましい。本発明に用いられるL-ラクチド/ε―カプロラクトン共重合体の重量平均分子量(Mw)としては、ポリ乳酸への靭性付与などの機械的強度向上効果が得られれば特に制限はないが、下限値が100,000以上が好ましく、200,000以上がより好ましい。また、Mwの上限値は、800,000以下が好ましく、600,000以下より好ましい。
(C)フィラー
本発明で用いられるフィラーは、ポリ乳酸の強度等の機械的強度の向上効果が得られれば特に制限はないが、機械的強度向上効果が高い、珪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酸化物、水酸化物、窒化物等の無機フィラーや、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、PBO(ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリアリレート繊維等の有機フィラーを好ましく用いることが出来るが、機械的強度の向上効果に優れる点で、無機フィラーをより好ましく用いることが出来る。
無機フィラーにおいて、珪酸塩としては、タルク、マイカ、カオリナイト、セリサイト等の粘土鉱物、パイロフェライト、ワラストナイト、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸ナトリウムなどが挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸第二鉄などが挙げられる。
硫酸塩としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウムなどが挙げられる。
燐酸塩としては、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウムなどが挙げられる。
酸化物としては、二酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化鉄などが挙げられる。
水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
窒化物としては、窒化ホウ素、窒化珪素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
これらの無機フィラーの中でも、強度向上効果が得られやすく、生体吸収性(生分解性)に優れている点で、リン酸カルシウムを主体とした物が好ましく、特にハイドロキシアパタイト、β−トリカルシウムフォスフェート、α−トリカルシウムフォスフェートから選ばれる少なくとも一種類であることが好ましい。
また本発明におけるフィラーは、粒形状、平板状、ロッド状等のフィラーを用いることが出来るが、樹脂との混合性や強度向上効果に優れる点で、粒形状、ロッド状のフィラーであることが好ましく、ロッド状が特に好ましい。
本発明の樹脂組成物を医療用管状体、特にステントに用いる場合、これらのフィラー材は、体内において脱落あるいは溶出時において生体への影響が少ないという観点で、長軸の長さ、あるいは、直径の上限値が500nm以下であること好まく、300nm以下が特に好ましい。
また、長軸の長さ、あるいは、直径の下限値は50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましい。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物の製造方法の一形態について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の硬質フィラー含有樹脂組成物は、短軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの公知の混練機を用いて製造することができる。これらの内、混練機としては、樹脂に過度のせん断を加えることなく、共重合体(B)やフィラー(C)をポリ乳酸(A)中に分散することができる観点で、二軸押出機を用いることが好ましい。
混練機の設定条件としては、ポリ乳酸(A)及び共重合体(B)の熱分解を抑制する観点で、押出機のシリンダー設定温度を240℃以下にすることが好ましい。また各成分を混練機に供給する際、一括で添加してもよく、一部を混練した後、残余の成分を混練してもよい。
本発明の樹脂組成物は、混練後に冷却し、ペレタイザーなどによりペレット等の形状で得ることが出来る。
本発明の樹脂組成物は、ペレット形状の樹脂組成物を、更にインフレーション法等の公知の方法で、チューブ、シート、フィルム、糸等の所望の形状に加工することができる。
また、成形加工条件としては、適宜設定すればよいが、インフレーション法では、インフレーション成形前に除湿乾燥機などでペレットの水分率が500ppm以下になるまで乾燥させてから成形することが好ましい。
(医療用管状体)
本発明の樹脂組成物の用途としては、特に制限はなく、衛生品、食品、その他の分野に用いることができるが生分解性ポリマーであるポリ乳酸を含有している点から、特に医療機器であることが好ましく、医療用管状体であることがより好ましい。
医療用管状体とは、カテーテル、ステントグラフト、スキャフォールドなどのことを指し、好ましくはステントである。
以下に、本発明の樹脂組成物を用いたステントの製造方法の一形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
ペレット状の樹脂組成物を一軸押出機を利用して、チューブ形状に成形を行う。
チューブ形状に成形後、レーザーカットによって所望のステント形状に成形することができる。ここで用いるレーザーは、1パルスが100ピコ秒以下の短パルスレーザーを用いることが好ましい。
以下に実施例、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例および比較例に用いた樹脂組成物を表1にまとめる。
以下の実施例および比較例には、以下の原料を用いた。
Aポリ乳酸:メルトフローレート24g/10min, (Nature works社製、「Ingio (登録商標)」6100D)
B-1共重合体:モノマー比率75:25, (株式会社BMG社製、「Biodegmer (登録商標)」L-乳酸/ε-カプロラクトン共重合体(75:25))
B-2共重合体:L-ラクチド: ε-カプロラクトンのモノマー比率60:40, ランダムコポリマー, 一般的な開環重合で作製した共重合体である。
B-3共重合体:L-ラクチド: ε-カプロラクトンのモノマー比率90:10, ランダムコポリマー, 一般的な開環重合で作製した共重合体である。
C-1ハイドロキシアパタイト:一次粒子径150nm, (株式会社ソフセラ社製、SHAp(150nm))
C-2ハイドロキシアパタイト:一次粒子径40nm, (株式会社ソフセラ社製、SHAp(40nm))。
(実施例1)
ポリ乳酸(A)、L−ラクチド/カプラクトン共重合体(B)、L−ラクチド含有率:75%)、フィラー(C)をXplore Instruments社製MC15小型混練機に投入し下記条件にて混練し、ストランド状の試料を作製した。尚、フィラーの含有量は、16.6重量部とした。
〈混練条件〉
混練温度:185℃
回転速度:100rpm
混練時間:5分
得られたストランド状の試料をペレタイザーを用いてペレットに成形し、更にペレットをプレス機(藤設備工業製、37tゴム圧縮成形機)を用いてシート状に成形した。
〈プレス条件〉
温度:185℃
圧力:5MPa
時間:5分
JIS7171に準拠した3点曲げ試験(試験機:島津製作所社製。型番:EZ-SX)をおこない、フィラーとして用いたハイドロキシアパタイト(150nm)の含有量を変化させて行った3点曲げ試験結果を図1に示す。
(実施例2)
ハイドロキシアパタイトの含有量23.0重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体を作製し、曲げ試験を行いその結果を図1に示した。
(比較例1)
ハイドロキシアパタイトの含有量4.7重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験の測定結果を図2に示す。含有量が4.7重量部の場合、16.6重量部および23.0重量部の場合に比べて、強度の向上があまり見られないことが明らかである。
(比較例2)
ハイドロキシアパタイトの含有量28.5重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験の測定結果を図2に示す。含有量が28.5重量部の場合、16.6重量部および23.0重量部の場合に比べて、破断点が早く靭性の低いことが明らかである。
(比較例3)
ハイドロキシアパタイトの含有量33.3重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験の測定結果を図2に示す。含有量が33.3重量部の場合、16.6重量部および23.0重量部の場合に比べて、破断点が早く靭性の低いことが明らかである。
(比較例4)
ハイドロキシアパタイトの含有量37.5重量部に変えた以外は、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験の測定結果を図2に示す。含有量が37.5重量部の場合、16.6重量部および23.0重量部の場合に比べて、破断点が早く靭性の低いことが明らかである。
(比較例5)
(B)成分の効果を示すために(B)を添加せずに、ポリ乳酸にハイドロキシアパタイトを含有させて、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験を実施した。フィラーとして用いたハイドロキシアパタイトの含有量を16.6重量部として行った曲げ試験の測定結果を図3に示す。この結果より含有しない場合は、樹脂組成物の靭性が低下していることが明らかである。
(実施例3)
ポリ乳酸にL−ラクチドとε-カプロラクトンの共重合体を含有させて、フィラーとしてハイドロキシアパタイトを23.0重量部となるように、実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験を実施した。共重合体のL−ラクチドとε-カプロラクトンの組成比率60:40を変化させた場合の曲げ試験の測定結果を図4に示す。
(実施例4)
ハイドロキシアパタイトの大きさを40nmおよび含有量9.0重量部に変えた以外は実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験を実施した。ハイドロキシアパタイトの粒子径が40nmのものを利用した時の三点曲げ試験の測定結果を図5にそれぞれ示す。
(実施例5)
ハイドロキシアパタイトの大きさを40nmおよび含有量16.6重量部に変えた以外は実施例1と同様の方法でペレットをシート状の成形体に作製して行った曲げ試験を実施した。ハイドロキシアパタイトの粒子径が40nmのものを利用した時の三点曲げ試験の測定結果を図5にそれぞれ示す。
(実施例6)
L−ラクチドとε-カプロラクトンの共重合体の含有量を30重量%に変えた以外は、実施例2と同様の方法でペレットをシート状の成形体を作製し、三点曲げ試験を行いその結果を図6に示した。実施例2と同様に破断することはなかった。
(実施例7)
L−ラクチドとε-カプロラクトンの共重合体の含有量を50重量%に変えた以外は、実施例2および実施例6と同様の方法でペレットをシート状の成形体を作製し、三点曲げ試験を行いその結果を図6に示した。

Claims (8)

  1. ポリ乳酸(A)と、L−ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)と、フィラー(C)を含有し、前記(A)成分と前記(B)成分の全重量[A+B]に対し、前記(B)成分が2重量%以上70重量%以下、前記(C)成分を前記(A)成分と前記(B)成分の合計100重量部に対して7重量部以上25重量部以下含有していることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記フィラー(C)がロッド状あるいは粒子状のセラミックスであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記セラミックスが、長軸の長さ、あるいは、直径が40nm以上500nm以下の粒子であることを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セラミックス粒子がハイドロキシアパタイト、β−トリカルシウムフォスフェートおよびα−トリカルシウムフォスフェートから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 前記L−ラクチド/ε-カプロラクトン共重合体(B)が、L−ラクチドの比率が60モル%以上90モル%以下の共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の材料を用いてなる医療用管状体。
  7. 前記医療用管状体が、ステントであることを特徴とする請求項6に記載の医療用管状体。
  8. 請求項7に記載のステントを有するカテーテル。


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