JP2017179130A - 活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性を損なうことなく、良好な硬化性を有し、マイグレーションや臭気が低減された活性光線硬化型インクジェットインクを提供する。
【解決手段】ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物が、実質的に、ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物からなり、前記重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下である、活性光線硬化型インクジェットインク。
【選択図】なし
【解決手段】ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物が、実質的に、ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物からなり、前記重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量が、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下である、活性光線硬化型インクジェットインク。
【選択図】なし
Description
本発明は、活性光線硬化型インクジェットインク及び画像形成方法に関する。
インクジェット画像形成方法は、簡易且つ安価に画像を形成できることから、各種印刷分野で用いられている。インクジェット画像形成方法の一つとして、紫外線硬化型インクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット画像形成方法がある。紫外線硬化型インクジェット画像形成方法は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
硬化性や記録媒体との密着性が良好な紫外線硬化型インクジェットインクとして、チオール化合物を含むインクが知られている。例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート、光重合開始剤、及び顔料を含む活性エネルギー線硬化型インクジェット記録インク(例えば特許文献1)、単官能モノマー、多官能モノマー及び分子量250以上1000以下のチオール化合物を含み、単官能モノマーの含有量がモノマー全質量に対して2.3質量%以上であるインク組成物(例えば特許文献2)、並びに液状ポリエン化合物、液状チオ−ル化合物、及び光重合開始剤を含み、チオール化合物の含有量が9.52質量%以上47.6質量%以下であるインクジェット用光硬化性組成物(例えば特許文献3)が知られている。
一方で、これらの紫外線硬化型インクジェットインクに含まれるチオール化合物は、モノマーと反応しやすいことから、インクの保存安定性を低下させる傾向がある。これに対して、ビニルエーテル基を含有するモノマーA、分子中にチオール基を有する化合物、ヒンダードアミン化合物、及び光重合開始剤を含む紫外線硬化型インクジェットインクが知られている(例えば特許文献4)。
ところで、食品の包装等に使用される包装材料は、食品等に印刷物からの溶出物が付着しないことが求められる。従って、そのような包装材料への印刷に用いられる紫外線硬化型インクジェットインクは、インクの硬化物からの未反応のモノマーや低分子量成分の溶出(マイグレーション)及び臭気が少ないことが求められる。
しかしながら、特許文献1のインクは、メルカプト基を有する(メタ)アクリレートが硬化物で拡散しにくいことから十分には硬化しにくい。従って、得られる硬化物中に未反応のラジカル重合性化合物や未反応の光重合開始剤が残留しやすい。従って、硬化物からの未反応のラジカル重合性化合物や未反応の光重合開始剤の溶出(マイグレーション)や臭気が発生しやすいという問題があった。
特許文献2のインクは、単官能モノマーを比較的多く含むことから、得られる硬化物は架橋密度が低い。従って、前述と同様に、マイグレーションや臭気が発生しやすいという問題があった。
特許文献3のインクはチオール化合物を過剰に多く含むことから、ラジカル重合性化合物と反応しやすく、インクの保存安定性が低いという問題があった。また、特許文献4のインクは、十分な硬化性を得るためには、ビニルエーテル基を含有するモノマーAを含む必要があり、保存安定性が低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保存安定性を損なうことなく、高い硬化性を有し、マイグレーションや臭気が抑制された活性光線硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
[1] ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、前記ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、実質的に、ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物からなり、前記重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下である、活性光線硬化型インクジェットインク。
[2] 前記重合性官能基を有しないチオール化合物は、重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物を含む、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3] ゲル化剤をさらに含む、[1]又は[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4] 前記ゲル化剤は、炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族ケトン又は炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族エステルを含む、[3]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5] カーボンブラックをさらに含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程と、を含む、画像形成方法。
[2] 前記重合性官能基を有しないチオール化合物は、重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物を含む、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[3] ゲル化剤をさらに含む、[1]又は[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4] 前記ゲル化剤は、炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族ケトン又は炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族エステルを含む、[3]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[5] カーボンブラックをさらに含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程と、を含む、画像形成方法。
本発明によれば、保存安定性を損なうことなく、高い硬化性を有し、マイグレーションや臭気が抑制された活性光線硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、「多官能のラジカル重合性化合物」と「重合性官能基を有しないチオール化合物」とを含むことで、未反応のラジカル重合性化合物の残留量が少なく、且つ架橋密度が高い硬化物を得ることができる。それにより、未反応のラジカル重合性化合物の溶出(マイグレーション)や臭気を高度に抑制することができる。
この理由は明らかではないが、以下のように推察される。即ち、上記チオール化合物は、ラジカル活性種を連鎖移動させ得るだけでなく、重合性官能基を有しないことから、チオール化合物自体が硬化物中に固定されにくく、拡散できるので、高い連鎖移動性を示す。従って、未反応のラジカル重合性化合物の残留量を少なくすることができる。さらに、多官能のラジカル重合性化合物の硬化物は、高い架橋密度を有する。従って、硬化物からの未反応のラジカル重合性化合物の溶出(マイグレーション)を抑制できる。
一方で、上記チオール化合物の含有量が多すぎると、ラジカル重合性化合物との不要な反応を生じやすく、保存安定性が低下しやすい。特に、チオール化合物は、ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物と不要な反応を生じやすい。ラジカル重合性化合物がビニルエーテル基のような電子供与性基を有していると、電子供与性基により、重合性官能基の二重結合部位が電子リッチとなるため、チオール基との反応性が高くなり、不要な反応を生じやすいと考えられる。これに対して、上記ラジカル重合性化合物として「ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物」を選択し、且つ「上記チオール化合物の含有量を一定以下」に調整することで、保存安定性を損ないにくくすることができる。また、インクジェットインクがゲル化剤をさらに含んでいても、硬化物が高い架橋密度を有するので、硬化物からのゲル化剤の析出(ブルーミング)も抑制できる。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
1.活性光線硬化型インクジェットインク
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む。
尚、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、本発明の目的を損なわない程度であれば、ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物をさらに含んでいてもよい。本発明の目的を損なわない程度とは、ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物の含有量が、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、さらに好ましくは実質的に含まないことをいう。
1−1.ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、ビニルエーテル基を有さず、且つ活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線の例には、紫外線、電子線、α線、γ線及びX線が含まれる。安全性の観点及びより低いエネルギー量でも重合又は架橋を発生させることができるという観点から、活性光線は、紫外線又は電子線が好ましい。また、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物はチオール化合物と不要な反応を生じにくいので、それに起因するインクの保存安定性の低下や硬化性の低下を抑制できる。
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、ビニルエーテル基を有さず、且つ活性光線を照射されることにより架橋又は重合する化合物である。活性光線の例には、紫外線、電子線、α線、γ線及びX線が含まれる。安全性の観点及びより低いエネルギー量でも重合又は架橋を発生させることができるという観点から、活性光線は、紫外線又は電子線が好ましい。また、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物はチオール化合物と不要な反応を生じにくいので、それに起因するインクの保存安定性の低下や硬化性の低下を抑制できる。
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物である。ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、インク中に一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物及びその無水物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
中でも、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基又はメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等の二官能モノマー;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート等の三官能以上の多官能モノマー等が含まれる。
(メタ)アクリレートは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート等のプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等のアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート;カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のカプロラクトン変性(メタ)アクリレート;及びカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のカプロラクタム変性(メタ)アクリレート等が含まれる。
(メタ)アクリレートの少なくとも一部は、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートであることが好ましい。アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、感光性が高く、インクが低温下でゲル化する際に、カードハウス構造を形成しやすいからである。また、アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例には、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートや、プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等が含まれる。
アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートの例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494;新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400、ポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−600、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル14G;大阪有機化学社製のテトラエチレングリコールジアクリレートV#335HP;Cognis社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレートPhotomer 4072;MIWON社製の3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Miramer M360等が含まれる。
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、実質的に「ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物」からなることが好ましい。「ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物」とは、ビニルエーテル基以外のラジカル重合性官能基を2以上有するラジカル重合性化合物をいう。実質的に「ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物」からなるとは、ビニルエーテル基を有しない単官能のラジカル重合性化合物の、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対する含有量が、2.0質量%以下であることを意味する。マイグレーションや臭気を高度に抑制する観点では、ビニルエーテル基を有しない単官能のラジカル重合性化合物の含有量は、ラジカル重合性化合物の全質量に対して1.0質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物は、反応基点を多く有するため、未反応の当該ラジカル重合性化合物の残留量を少なくすることができる。また、ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物の硬化物は、高い架橋密度を有するので、硬化物からの未反応の当該ラジカル重合性化合物の溶出を抑制しやすい。これらにより、未反応の当該ラジカル重合性化合物等が硬化物の表面に溶出しにくく、マイグレーションを抑制できる。
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物のClogP値は、4.0以上7.0以下であることが好ましい。ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物のClogP値が4.0以上であると、当該ラジカル重合性化合物が十分な疎水性を有するので、ゲル化剤の溶解性を高めることができ、ゲル化剤の結晶の析出を高度に抑制し得る。ClogP値が7.0以下であると、ゲル化剤の溶解性が高くなりすぎないので、結晶析出速度の制御が容易となり高画質な画像が得られる。
「logP値」とは、1−オクタノール/水の分配係数Pの対数値であり、分子の親疎水性を表すパラメータである。1−オクタノール/水の分配係数Pは、1−オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比である。
「ClogP値」とは、計算により算出されるlogP値である。ClogP値は、フラグメント法や、原子アプローチ法等により算出することができる。具体的には、ClogP値を算出するには、文献(C.Hansch及びA.Leo、“Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology”(John Wiley & Sons, New York, 1969))に記載のフラグメント法又は下記市販のソフトウェアパッケージを用いればよい。
ソフトウェアパッケージ:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
ソフトウェアパッケージ:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
ClogP値が4.0以上7.0以下の範囲にある、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の含有量は、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対して15質量%以上80質量%以下であることが好ましく、30質量%以上60質量%以下であることがより好ましい。ClogP値が4.0以上7.0以下の範囲にある、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の含有量が15質量%以上であると、ゲル化剤の溶解性を高めることができるので、冷却時のゲル化剤の結晶の析出を高度に抑制し得る。
ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の含有量は、例えば活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1質量%以上97質量%以下とすることができ、30質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
1−2.重合性官能基を有しないチオール化合物
重合性官能基を有しないチオール化合物は、分子内に1つ以上のチオール基を有し、且つ重合性官能基を有しない化合物である。重合性官能基とは、(メタ)アクリル基等のラジカル重合反応に関与する基をいう。「重合性官能基を有しない」とは、分子内に重合性官能基を有しない態様だけでなく、重合性官能基を実質的に有しない程度にごく微量含む態様も含まれる。
重合性官能基を有しないチオール化合物は、分子内に1つ以上のチオール基を有し、且つ重合性官能基を有しない化合物である。重合性官能基とは、(メタ)アクリル基等のラジカル重合反応に関与する基をいう。「重合性官能基を有しない」とは、分子内に重合性官能基を有しない態様だけでなく、重合性官能基を実質的に有しない程度にごく微量含む態様も含まれる。
重合性官能基を有しないチオール化合物は、分子内に重合性官能基を有さず、1つのチオール基を有する単官能のチオール化合物であってもよいし、分子内に重合性官能基を有さず、2つ以上のチオール基を有する多官能のチオール化合物であってもよい。
重合性官能基を有しない単官能のチオール化合物の例には、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトブタン酸、4−メルカプトブタン酸、メルカプト酢酸メチル、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル及びメルカプトプロピオン酸トリデシル等のメルカプト基含有モノカルボン酸又はそのエステル;チオフェノール、2−メルカプトベンジルアルコール、2−フェノキシチオフェノール、3−メルカプトフェナンスレン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン及びβ−メルカプトナフタレン等の芳香族炭化水素モノチオール化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、5−フェニル−2−ベンゾオキサゾールチオール、6−メチル−2−ベンゾオキサゾールチオール、4−アミノ−5−メチル−2−ピリジンチオール及び3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等の芳香族複素環モノチオール化合物が含まれる。
重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物の例には、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−へキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール及びデカンジチオール等のアルカンポリチオール化合物;1,2−シクロヘキサンジチオール等のシクロアルカンポリチオール化合物;1,4−ブタンジオールビス(メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサチオプロピオネート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、及びペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート及びトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のメルカプト基含有モノカルボン酸と多価アルコールとのエステル化合物;1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ジメルカプトベンゼン、トリメルカプトベンゼン、1,4−ジ(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ベンゼンジメタンチオール、1,3−ベンゼンジメタンチオール、1,4−ベンゼンジメタンチオール、及び2,4,6−トリメチル−1,3−ベンゼンジメタンチオール等の芳香族炭化水素ポリチオール化合物;2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、及び1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン等の芳香族複素環ポリチオール化合物が含まれる。
中でも、重合性官能基を有しないチオール化合物は、高い連鎖移動性を有することから、重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物を含むことが好ましい。
重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物が1分子内に有するチオール基の数は、2つ以上5つ以下であることが好ましく、3つ以上4つ以下であることがより好ましい。分子内のチオ−ル基の数が2以上であると、十分な連鎖移動性が得られやすく、5以下であると、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物との不要な反応が生じにくく、保存安定性が損なわれにくい。
また、重合性官能基を有しないチオール化合物は、立体障害の少ないほうが連鎖移動性が高いことから、2級チオール基を有するチオール化合物や3級チオール基を有する化合物であるよりも、1級チオール基を有するチオール化合物であることが好ましい。1級チオール基とは、チオール基が結合する炭素原子と結合する炭素原子の数が1つであるものを示し;2級チオール基とは、チオール基が結合する炭素原子と結合する炭素原子の数が2つものを示し;3級チオール基とは、チオール基が結合する炭素原子と結合する炭素原子の数が3つであるものを示す。重合性官能基を有さず、1級チオール基を有する多官能のチオール化合物の例には、メルカプト基含有モノカルボン酸と多価アルコールとのエステル化合物が含まれる。
重合性官能基を有しないチオール化合物の分子量は、250以上700以下であることが好ましい。重合性官能基を有しないチオール化合物の分子量が250以上であると、インクの硬化物からのチオール化合物の溶出を高度に抑制しやすい。重合性官能基を有しないチオール化合物の分子量が700以下であると、硬化中のインクにおいて、重合性官能基を有しないチオール化合物の拡散性が損なわれにくいので、十分な連鎖移動性が得られやすい。重合性官能基を有しないチオール化合物の分子量は、350以上500以下であることがより好ましい。
重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。重合性官能基を有しないチオール化合物の、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対する含有量が0.001質量%以上であると、十分な硬化性が得られやすいので、マイグレーション及び臭気を高度に抑制できる。重合性官能基を有しないチオール化合物の、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対する含有量が2.0質量%以下であると、当該ラジカル重合性化合物との不要な反応が生じにくく保存安定性が損なわれにくいだけでなく、重合性官能基を有しないチオール化合物の溶出(マイグレーション)も高度に抑制できる。重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物の全質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量が0.001質量%以上であると、十分な硬化性が得られやすいので、マイグレーションや臭気を高度に抑制できる。重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量が2.0質量%以下であると、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物との不要な反応が生じにくく保存安定性が損なわれにくいだけでなく、重合性官能基を有しないチオール化合物の溶出(マイグレーション)も高度に抑制できる。重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01質量%以上0.5質量%以下であることがより好ましい。
1−3.光重合開始剤
光重合開始剤は、開裂型ラジカル開始剤又は水素引き抜き型ラジカル開始剤でありうる。
光重合開始剤は、開裂型ラジカル開始剤又は水素引き抜き型ラジカル開始剤でありうる。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルを含むベンゾイン系の開始剤、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイドや、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等を含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ベンジル並びにメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン及び3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンを含むベンゾフェノン系の開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン及び2,4−ジクロロチオキサントンを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン及び4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン並びにカンファーキノンが含まれる。
これらの中でも、インクの硬化性が良好であり、マイグレーションを抑制しやすい点では、アシルホスフィンオキシド系の開始剤が好ましい。酸素阻害を受けにくく、表面硬化性が優れる点では、チオキサントン系の開始剤が好ましい。光重合開始剤は、1種類だけ含まれてもよいし、2種類以上が組み合わされて含まれてもよい。
光重合開始剤の含有量は、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物を十分に硬化させうる範囲であればよく、例えば活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下とすることができる。
1−4.ゲル化剤
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、記録媒体に着弾したインク液滴の過剰な濡れ拡がりを抑制し、高精細な画像を得やすくする観点から、ゲル化剤をさらに含むことが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、記録媒体に着弾したインク液滴の過剰な濡れ拡がりを抑制し、高精細な画像を得やすくする観点から、ゲル化剤をさらに含むことが好ましい。
ゲル化剤とは、常温で固体、加熱すると液体となる有機物であり、インクを温度により可逆的にゾルゲル相転移させる機能を有する添加剤である。
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である結晶が三次元的に囲む空間を形成する。このように形成された構造を「カードハウス構造」いうことがある。カードハウス構造は、ビニルエーテル基を有しない未反応のラジカル重合性化合物や未反応の光重合開始剤を保持することができるので、インク液滴のピニング性を高めることができる。それにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制することができる。カードハウス構造を形成するには、インク中で溶解しているビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。
さらに、室温では、ゲル化剤を含む活性光線硬化型インクジェットインクは結晶化し、粘度が高くなっているため、光重合開始剤の分子運動が抑制されやすい。それにより、室温下でインクを長期間保存しても保存安定性が損なわれにくい。
インクの液滴をインクジェット記録装置から安定に吐出するためには、ゾル状のインク(高温時、たとえば80℃程度)において、ラジカル重合性化合物とゲル化剤との相溶性が良好であることが必要である。
カードハウス構造の形成に適したゲル化剤の例には、脂肪族ケトン化合物;脂肪族エステル化合物;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、及びホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン及び鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、及び水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油又は硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体又はポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、及びエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(たとえば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、及びN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミン又はオクタデシルアミン等の高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(たとえば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(たとえばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報及び特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤等が含まれる。
ゲル化剤は、前述の「カードハウス構造」を形成しやすい観点から、炭素数が9以上25以下の直鎖炭化水素基を含むことが好ましい。ゲル化剤は、分子中に分岐鎖を有していてもよい。
炭素数が12以上25以下の直鎖炭化水素基を含むゲル化剤の例には、炭素数が12以上25以下の直鎖炭化水素基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸アミド等が含まれる。
中でも、下記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン及び下記一般式(G2)で表される脂肪族エステルが特に好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
一般式(G1)及び(G2)中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数12以上25以下の直鎖部分又は分岐部分を含む炭化水素基であることが好ましい。炭化水素基は、アルキル基であることが好ましい。
一般式(G1)おいて、R1及びR2で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数12以上25以下の直鎖部分を含む炭化水素基であることが好ましく、炭素数12以上25以下の直鎖部分又は分岐部分を含むアルキル基であることがより好ましい。
上記一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、18−ペンタトリアコンタノン(C17−C17)、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22)、ジステアリルケトン(C18−C18)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。インクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
一般式(G2)おいて、R3及びR4で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素数12以上25以下の直鎖部分を含む炭化水素基であることが好ましく、炭素数12以上25以下の直鎖部分又は分岐部分を含むアルキル基であることがより好ましい。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘニン酸ベヘニル(C21−C22)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14)、ミリスチン酸セチル(C13−C16)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、リノール酸アラキジル(C17−C20)等が含まれる。
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油社製)、ユニスターM−9796(日油社製)、エキセパールSS(花王社製)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業社製)、エキセパール MY−M(花王社製)、スパームアセチ(日油社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
ゲル化剤の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.5質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。ゲル化剤の含有量が0.5質量%以上であると、インクのピニング性を十分に高め、より高精細な画像を形成することができる。ゲル化剤の含有量が10.0質量%以下であると、形成した画像の表面からのゲル化剤の析出を抑制でき、且つインクジェットヘッドからのインクの吐出性を損ないにくい。ゲル化剤の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して1.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましく、1.5質量%以上8.0質量%以下であることが更に好ましく、1.5質量%以上5.0質量%以下であることが更に好ましく、1.5質量%以上3.0質量%以下であることが特に好ましい。
1−5.その他の成分
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、本発明の効果が得られる範囲において、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分の例には、色材及び重合禁止剤等が含まれる。これらの成分は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、本発明の効果が得られる範囲において、その他の成分をさらに含んでもよい。その他の成分の例には、色材及び重合禁止剤等が含まれる。これらの成分は、インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
色材は、染料又は顔料でありうるが、耐候性に優れることから、顔料が好ましい。顔料は、特に限定されないが、例えばカラーインデックスに記載される下記番号の有機顔料又は無機顔料でありうる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
青又はシアン顔料の例には、Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、50から選ばれる顔料又はその混合物が含まれる。黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
黒顔料(カーボンブラック)の例には、Pigment Black 7、28、26から選ばれる顔料又はその混合物等が含まれる。
顔料の市販品の例には、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製); KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製);Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、ColortexBlue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製);Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製);Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製);カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)等が挙げられる。
これらの中でも、色材が黒顔料(カーボンブラック)であると、インクの光透過性が他の色材よりも低く、インク液滴の内部に活性光線が届きにくい。本発明の活性光線硬化型インクは高い硬化性を有するので、カーボンブラックを含むインクであっても、良好な硬化性を得ることができる。
インクに含まれる顔料粒子の体積平均粒子径は、0.08μm以上0.5μm以下であることが好ましく、最大粒子径は0.3μm以上10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上3μm以下であることがより好ましい。
色材の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
顔料分散剤の例には、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、及びステアリルアミンアセテート等が含まれる。顔料分散剤の市販品の例には、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズ等が含まれる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて分散助剤をさらに含んでもよい。分散助剤は、公知の化合物が、顔料に応じて適宜選択される。上記顔料分散剤及び分散助剤の合計含有量は、顔料の全質量に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光開始助剤や重合禁止剤をさらに含んでもよい。
光開始助剤は、第3級アミン化合物とすることができ、特に芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N−ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ−p−安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。本発明のインクには、光開始助剤が、一種のみ含まれていてもよく、二種以上含まれていてもよい。光開始助剤の市販品の例には、Lambson社のSPEEDCURE7040等が含まれる。
光開始助剤の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。光開始助剤の量が上記範囲であると、インクの硬化性が良好になる。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。重合禁止剤の市販品の例には、BASF社のIrgastab UV10等が含まれる。
重合禁止剤の含有量は、活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上0.2質量%以下であることが好ましい。重合禁止剤の量が上記範囲であると、インクの保存安定性が良好になる。
1−6.物性
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクはゲル化剤を含む場合、温度によって可逆的にゾルゲル相転移し得る。ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(たとえば80℃程度)ではゾルであるため、インク吐出用記録ヘッドから吐出することができるが、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクはゲル化剤を含む場合、温度によって可逆的にゾルゲル相転移し得る。ゾルゲル相転移型の活性光線硬化型インクは、高温(たとえば80℃程度)ではゾルであるため、インク吐出用記録ヘッドから吐出することができるが、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うインク滴同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの吐出性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、80℃におけるインクの粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。一方、隣り合うインク滴同士の合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの80℃における粘度、25℃における粘度及びゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で25℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることにより求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
1−7.インクの調製
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、例えば前述の各成分を、加熱下で混合して得ることができる。得られた混合液を、所定のフィルターでさらに濾過することが好ましい。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、例えば前述の各成分を、加熱下で混合して得ることができる。得られた混合液を、所定のフィルターでさらに濾過することが好ましい。
インクの調製は、顔料を分散剤で分散させた顔料分散体を予め調製し、これに残りの成分を添加して加熱しながら行ってもよい。顔料及び分散剤の分散は、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、又はペイントシェーカーにより行うことができる。
2.画像形成方法
本発明の画像形成方法は、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる第1の工程と、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射してインクを硬化させる第2の工程とを含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる第1の工程と、記録媒体に着弾したインクに活性光線を照射してインクを硬化させる第2の工程とを含む。
2−1.第1の工程
第1の工程では、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
第1の工程では、本発明の活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体の、形成すべき画像に応じた位置に着弾させる。
インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式とコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型及びシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、並びにサーマルインクジェット型及びバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
インクの液滴は、加熱した状態でインクジェットヘッドから吐出することで、吐出安定性を高めることができる。吐出される際のインクの温度は、35℃以上100℃以下であるが好ましく、吐出安定性をより高めるためには、35℃以上80℃以下であることがより好ましい。
ゾルゲル相転移型のインクは、インクジェットヘッドからのインクの吐出性を高めるために、インクジェットヘッドに充填されたときのインクの温度が、当該インクの(ゲル化温度+10)℃以上(ゲル化温度+30)℃以下に設定されることが好ましい。インクジェットヘッド内のインクの温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インクの吐出性が低下しやすい。一方、インクジェットヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
インクの加熱方法は、特に制限されない。例えば、ヘッドキャリッジを構成するインクタンク、供給パイプ及びヘッド直前の前室インクタンク等のインク供給系、フィルター付き配管並びにピエゾヘッド等の少なくともいずれかをパネルヒーター、リボンヒーター又は保温水等によって加熱することができる。
吐出される際のインクの液滴量は、記録速度及び画質の面から、2pL以上20pL以下であることが好ましい。
記録媒体は、特に制限されず、通常の非コート紙、コート紙等の他、合成紙ユポ、軟包装に用いられる各種プラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PPフィルム、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。食品包装用の記録媒体としては、用途に合わせて適宜選択されるが、例えばポリプロピレン等とすることができる。
インク液滴が着弾する際の記録媒体の温度は、20℃以上40℃以下に調整されていることが、インクのゲル化の観点から好ましい。
2−2.第2の工程
第2の工程では、第1の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクの硬化物からなる画像を形成する。
第2の工程では、第1の工程で記録媒体に着弾させたインクに活性光線を照射して、該インクの硬化物からなる画像を形成する。
活性光線は、例えば電子線、紫外線、α線、γ線、及びエックス線等から選択することができるが、好ましくは紫外線である。紫外線の照射は、例えばPhoseon Technology社製の水冷LEDを用いて、波長395nmの条件下で行うことができる。LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によってインクが溶けることによる、インクの硬化不良の発生を抑制することができる。
紫外線の照射は、370nm以上410nm以下の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が、好ましくは0.5W/cm2以上10W/cm2以下、より好ましくは1W/cm2以上5W/cm2以下となるように行う。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、画像に照射される光量は350mJ/cm2未満であることが好ましい。
活性光線の照射は、インク着弾後0.001秒以上2.0秒以下の間に行うことが好ましく、高精細な画像を形成するためには、0.001秒以上1.0秒以下の間に行うことがより好ましい。
活性光線の照射は、2段階に分けて行ってもよい。まず、インクが着弾した後0.001秒以上2.0秒以下の間に活性光線を照射してインクを仮硬化させ、全印字終了後、さらに活性光線を照射してインクを本硬化させてもよい。活性光線の照射を2段階に分けることで、インク硬化の際に起こる記録材料の収縮がより生じにくくなる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.インク材料
(1)ラジカル重合性化合物
(ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物)
イソボルニルアクリレート:SARTOMER社製 SR506(分子量208、ClogP値4.21)
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート:新中村化学社製 A−400(分子量508、ClogP値0.47)
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート:SARTOMER社製 SR494(分子量528、ClogP値2.28)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート:SARTOMER社製 SR499(分子量560、ClogP値3.57)
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート:Miwon社製 Miramer M360(分子量471、ClogP値4.9)
トリプロピレングリコールジアクリレート:新中村化学社製 APG−200(分子量300、ClogP値1.82)
1,10−デカンジオールジアクリレート:新中村化学社製 NKエステル A−DOD−N(分子量282、ClogP値5.04)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート:SARTOMER社製 SR833(分子量304、ClogP値4.69)
(ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物)
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:日本触媒社製 VEEA(分子量186、ClogP値0.53)
(1)ラジカル重合性化合物
(ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物)
イソボルニルアクリレート:SARTOMER社製 SR506(分子量208、ClogP値4.21)
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート:新中村化学社製 A−400(分子量508、ClogP値0.47)
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート:SARTOMER社製 SR494(分子量528、ClogP値2.28)
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート:SARTOMER社製 SR499(分子量560、ClogP値3.57)
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート:Miwon社製 Miramer M360(分子量471、ClogP値4.9)
トリプロピレングリコールジアクリレート:新中村化学社製 APG−200(分子量300、ClogP値1.82)
1,10−デカンジオールジアクリレート:新中村化学社製 NKエステル A−DOD−N(分子量282、ClogP値5.04)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート:SARTOMER社製 SR833(分子量304、ClogP値4.69)
(ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物)
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:日本触媒社製 VEEA(分子量186、ClogP値0.53)
(2)光重合開始剤
TPO:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド
Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド
ITX:2−及び4−イソプロピルチオキサントン(BASF社製)
TPO:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド
Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド
ITX:2−及び4−イソプロピルチオキサントン(BASF社製)
(3)チオール化合物
(重合性官能基を有しないチオール化合物)
PEMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、分子量488.6、重合性官能基の数=0、SC有機化学製
TMMP:トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、分子量398.5、重合性官能基の数=0、SC有機化学製
STMP:ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、分子量358.6、重合性官能基の数=0、SC有機化学製
カレンズMT(R) PE1:昭和電工製、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、分子量544.7、重合性官能基の数=0
(重合性官能基を有するチオール化合物)
チオールA:エチレンオキサイド変性のトリメチロールプロパントリアクリレートとエチレンオキサイド変性のペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物の一部をH2Sで変性して得られる、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート
(重合性官能基を有しないチオール化合物)
PEMP:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、分子量488.6、重合性官能基の数=0、SC有機化学製
(重合性官能基を有するチオール化合物)
チオールA:エチレンオキサイド変性のトリメチロールプロパントリアクリレートとエチレンオキサイド変性のペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物の一部をH2Sで変性して得られる、メルカプト基を有する(メタ)アクリレート
(4)ゲル化剤
カオーワックスT−I:ジステアリルケトン(花王社製)
エキセパールSS:ステアリン酸ステアリル(花王社製)
ユニスターM−2222SL:ベヘニン酸ベヘニル(日油社製)
ラウリルアルコール(東京化成社製)
カオーワックスT−I:ジステアリルケトン(花王社製)
エキセパールSS:ステアリン酸ステアリル(花王社製)
ユニスターM−2222SL:ベヘニン酸ベヘニル(日油社製)
ラウリルアルコール(東京化成社製)
(5)重合禁止剤
UV-10:BASF社製ヒンダードアミン系重合禁止剤
UV-10:BASF社製ヒンダードアミン系重合禁止剤
(6)色材
Pigment Black 7(三菱化学社製、#52)
Pigment Black 7(三菱化学社製、#52)
(7)顔料分散剤
アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製)
アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製)
2.インクの調製と評価
<実施例1〜4及び6〜10、比較例1〜2及び4〜6>
ラジカル重合性化合物、チオール化合物、光重合開始剤及び重合禁止剤を、表2又は3に示される質量比となるように混合した後、WACフィルター(0.3μm精度、ポール社製)でろ過して、インク1〜6及び9〜16を調製した。
<実施例1〜4及び6〜10、比較例1〜2及び4〜6>
ラジカル重合性化合物、チオール化合物、光重合開始剤及び重合禁止剤を、表2又は3に示される質量比となるように混合した後、WACフィルター(0.3μm精度、ポール社製)でろ過して、インク1〜6及び9〜16を調製した。
<実施例5、比較例3>
(顔料分散液1の調製)
アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製):9質量部と、トリプロピレングリコールジアクリレート (APG−200、新中村化学社製):71質量部をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。
得られた溶液を室温まで冷却した後、顔料としてPigment Black 7(三菱化学社製、#52)20質量部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を得た。
(顔料分散液1の調製)
アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製):9質量部と、トリプロピレングリコールジアクリレート (APG−200、新中村化学社製):71質量部をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。
得られた溶液を室温まで冷却した後、顔料としてPigment Black 7(三菱化学社製、#52)20質量部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これをペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を得た。
(インクの調製)
得られた顔料分散液1、ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、重合禁止剤及び色材を、表2に示される質量比となるように混合した以外は実施例1と同様にしてインク7及び8を調製した。
得られた顔料分散液1、ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、重合禁止剤及び色材を、表2に示される質量比となるように混合した以外は実施例1と同様にしてインク7及び8を調製した。
<実施例11〜20、22〜24、及び比較例7〜9>
ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤及び重合禁止剤を、表4又は5に示される質量比となるように混合した後、WACフィルター(0.3μm精度、ポール社製)でろ過して、インク17〜29及び32〜34を調製した。
ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤及び重合禁止剤を、表4又は5に示される質量比となるように混合した後、WACフィルター(0.3μm精度、ポール社製)でろ過して、インク17〜29及び32〜34を調製した。
<実施例21、比較例10>
実施例5で調製した顔料分散液1、ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、重合禁止剤及び色材を、表5に示される質量比となるように混合した以外は実施例1と同様にしてインク30及び31を調製した。
実施例5で調製した顔料分散液1、ラジカル重合性化合物、チオール化合物、ゲル化剤、光重合開始剤、重合禁止剤及び色材を、表5に示される質量比となるように混合した以外は実施例1と同様にしてインク30及び31を調製した。
得られたインクの臭気、ブルーミング、マイグレーション、硬化性及び保存安定性を、以下の方法で評価した。尚、ブルーミングの評価は、実施例11〜24及び比較例7〜10のみについて行った。
[臭気]
得られたインクを、インクジェットヘッドHA1024型、コニカミノルタ社製に導入した。解像度720×720dpi、周囲温度25℃、周囲湿度55%の条件で、インクを吐出して記録媒体であるポリプロピレン(PP)フィルムに着弾させた。吐出時のインク温度は、80℃とした。次いで、着弾したインクにLED光源ユニット(ヘレウス株式会社製)で、ピーク波長385nm、ピーク照度4W/cm2の紫外線(活性光線)を積算光量300mJ/cm2の条件で照射して、インクを硬化させて、9g/m2の付き量で7cm×20cmのベタ画像を形成し、印刷物を得た。その直後、得られた印刷物を蓋つきのガラス瓶に保管し、12時間放置した。その後、ガラス瓶を開封し、10人の評価者で臭気判定を行った。そして、以下の基準に基づいて評価した。
◎:ほぼ無臭である
〇:わずかな臭気が感じられるが、気にならない
△:やや臭気がある
×:非常に強い臭気がある
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
得られたインクを、インクジェットヘッドHA1024型、コニカミノルタ社製に導入した。解像度720×720dpi、周囲温度25℃、周囲湿度55%の条件で、インクを吐出して記録媒体であるポリプロピレン(PP)フィルムに着弾させた。吐出時のインク温度は、80℃とした。次いで、着弾したインクにLED光源ユニット(ヘレウス株式会社製)で、ピーク波長385nm、ピーク照度4W/cm2の紫外線(活性光線)を積算光量300mJ/cm2の条件で照射して、インクを硬化させて、9g/m2の付き量で7cm×20cmのベタ画像を形成し、印刷物を得た。その直後、得られた印刷物を蓋つきのガラス瓶に保管し、12時間放置した。その後、ガラス瓶を開封し、10人の評価者で臭気判定を行った。そして、以下の基準に基づいて評価した。
◎:ほぼ無臭である
〇:わずかな臭気が感じられるが、気にならない
△:やや臭気がある
×:非常に強い臭気がある
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
[ブルーミング]
記録媒体を印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に変更し、5cm×5cmのベタ画像を形成した以外は臭気評価用の画像形成方法と同様にして、印刷物を得た。得られた印刷物を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
◎:画像表面に析出物が認められない。
○:画像表面に薄らとした析出物がわずかに存在しており、目視で確認できる。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
記録媒体を印刷用コート紙A(OKトップコート 米坪量128g/m2 王子製紙社製)に変更し、5cm×5cmのベタ画像を形成した以外は臭気評価用の画像形成方法と同様にして、印刷物を得た。得られた印刷物を、40℃の環境下で1ヶ月間保管した。保管後の画像を目視観察し、下記の基準に従ってブルーミングを評価した。
◎:画像表面に析出物が認められない。
○:画像表面に薄らとした析出物がわずかに存在しており、目視で確認できる。
△:画像表面に薄らとした析出物が存在しており、目視で確認できる。
×:画像表面が粉上の物質で覆われており、目視で明らかに確認できる。
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
[マイグレーション]
ポリプロピレン(PP)フィルム上に、直径10cmの円状のベタ画像を形成した以外は臭気評価用の印刷物の作製条件と同様にして印刷物を得た。得られた印刷物の裏面(フィルム面)に、水:エタノール=5:95混合液100mlを接液し、混合液が揮発しないように、混合液は金属密閉容器に入れた状態にして、60℃で10日間に放置した。
その後、水、エタノール混合溶液中に含まれる印刷物からの溶出物を、高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)(日立社製)にて同定した。その後、同定した化合物のクロマトグラムのピーク面積と、当該同定した化合物について予め作成した検量線(クロマトグラムのピーク面積と濃度の関係を示す検量線)とを照合することにより、同定した化合物を定量した。それにより、硬化膜中に残留する未反応のラジカル重合性化合物、光重合開始剤、及び反応後の光開始剤残渣等の量をそれぞれ算出した。それらの量を合計して、印刷物からの未反応の光重合性化合物、光重合開始剤、反応後の光開始剤残渣等の全マイグレーション量をさらに算出し、4段階で評価を行った。
◎:マイグレーション量が50ppb以下
〇:マイグレーション量が50ppbを超え200ppb以下
△:マイグレーション量が200ppbを超え500ppb以下
×:マイグレーション量が500ppbを超える
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
ポリプロピレン(PP)フィルム上に、直径10cmの円状のベタ画像を形成した以外は臭気評価用の印刷物の作製条件と同様にして印刷物を得た。得られた印刷物の裏面(フィルム面)に、水:エタノール=5:95混合液100mlを接液し、混合液が揮発しないように、混合液は金属密閉容器に入れた状態にして、60℃で10日間に放置した。
その後、水、エタノール混合溶液中に含まれる印刷物からの溶出物を、高効率液体クロマトグラフィー(HPLC)(日立社製)にて同定した。その後、同定した化合物のクロマトグラムのピーク面積と、当該同定した化合物について予め作成した検量線(クロマトグラムのピーク面積と濃度の関係を示す検量線)とを照合することにより、同定した化合物を定量した。それにより、硬化膜中に残留する未反応のラジカル重合性化合物、光重合開始剤、及び反応後の光開始剤残渣等の量をそれぞれ算出した。それらの量を合計して、印刷物からの未反応の光重合性化合物、光重合開始剤、反応後の光開始剤残渣等の全マイグレーション量をさらに算出し、4段階で評価を行った。
◎:マイグレーション量が50ppb以下
〇:マイグレーション量が50ppbを超え200ppb以下
△:マイグレーション量が200ppbを超え500ppb以下
×:マイグレーション量が500ppbを超える
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
[硬化性(鉛筆硬度)]
臭気測定用に作製した印刷物のうち、10枚目に作製した印刷物の画像を25℃、60%RHの環境下に24時間放置した。その後、画像内の100%印字部について、JIS K 5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定し、以下の基準に基づき、硬化性を評価した。
◎:鉛筆硬度が3H以上
○:鉛筆硬度H以上2H未満
△:鉛筆硬度B又はF
×:鉛筆硬度2B以下
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
臭気測定用に作製した印刷物のうち、10枚目に作製した印刷物の画像を25℃、60%RHの環境下に24時間放置した。その後、画像内の100%印字部について、JIS K 5400に準じて表面の鉛筆硬度を測定し、以下の基準に基づき、硬化性を評価した。
◎:鉛筆硬度が3H以上
○:鉛筆硬度H以上2H未満
△:鉛筆硬度B又はF
×:鉛筆硬度2B以下
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
[保存安定性]
得られたインクの粘度を、回転式の粘弾性測定装置を用いて80℃で測定した後、100℃の条件下で、1週間保存した。保存後に、80℃で粘度を再度測定した。保存前と保存後の粘度の差(即ち、粘度変動)を算出し、以下の基準に基づいて、インクの保存安定性を評価した。
○:粘度変動が0cP以上0.5cP未満
△:粘度変動が0.5cP以上1.0cP未満
×:粘度変動が1.0cP以上
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
得られたインクの粘度を、回転式の粘弾性測定装置を用いて80℃で測定した後、100℃の条件下で、1週間保存した。保存後に、80℃で粘度を再度測定した。保存前と保存後の粘度の差(即ち、粘度変動)を算出し、以下の基準に基づいて、インクの保存安定性を評価した。
○:粘度変動が0cP以上0.5cP未満
△:粘度変動が0.5cP以上1.0cP未満
×:粘度変動が1.0cP以上
本発明では、△以上であれば良好と判断した。
実施例1〜5及び比較例1〜4の評価結果を表2に示し;実施例6〜10及び比較例5及び6の評価結果を表3に示し;実施例11〜17及び比較例7〜9の評価結果を表4に示し;実施例18〜24及び比較例10の評価結果を表5に示す。表2〜5のうち、組成欄の数値の単位は、いずれも「質量部」を示す。
表2〜5に示されるように、実施例1〜24のインクは、マイグレーション(未反応のラジカル重合性化合物の溶出)、臭気及び硬化性が良好であり、且つ保存安定性も問題ないことがわかる。実施例11〜24では、さらにブルーミング(ゲル化剤の析出)も抑制できることがわかる。
特に、色材としてカーボンブラックを含む比較例3のインクは、インク液滴の内部に活性光線が届きにくいことから、比較例2のインクよりも硬化性が低く、マイグレーションや臭気も生じることがわかる(表2参照)。これに対して、色材としてカーボンブラックを含む実施例5のインクは、インク液滴の内部に活性光線が届きにくいにも係わらず、実施例3と同等の良好な硬化性を有し、マイグレーションや臭気が抑制されることがわかる(表2参照)。同様に、色材としてカーボンブラックを含む実施例21のインクも、実施例19のインクよりは若干劣るものの、良好な硬化性を有し、マイグレーションや臭気が抑制されることがわかる(表5参照)。
さらに、重合性官能基を有さず、1級チオール基を有するチオール化合物を用いた実施例9のインクは、重合性官能基を有さず、2級チオール基を有するチオール化合物を用いた実施例10のインクよりも硬化性が高く、マイグレーション及び臭気を一層抑制できることがわかる。1級チオール基は、2級チオール基よりも立体障害が少なく、高い連鎖移動性を示すからであると考えられる。
さらに、ゲル化剤をさらに含む実施例14のインクは、ゲル化剤を含まない実施例6のインクよりも臭気が抑制されることがわかる。また、実施例19のインクは、ブルーミングが高度に抑制されることがわかる。
さらに、実施例21〜23の対比から、ゲル化剤が脂肪族ケトンや脂肪族エステルである実施例21及び23のインクは、ゲル化剤が脂肪族アルコールである実施例24のインクよりも、硬化性が高く、マイグレーション、臭気及びブルーミングを高度に抑制できることがわかる。
これに対して、重合性官能基を有しないチオール化合物を含まない比較例2及び3のインクは、硬化性が低く、マイグレーション及び臭気の全てが低いことわかる。また、比較例8及び10のインクは、さらにブルーミングも低いがわかる。これは、比較例2、3、8及び10のインクは、重合性官能基を有しないチオール化合物を含まないため、ラジカル活性種の連鎖移動性が低いことによると考えられる。また、重合性官能基を有しないチオール化合物を多く含みすぎる比較例1及び7のインクは、硬化性は良好であるが、保存安定性が低いことがわかる。これは、比較例1及び7のインクは、「重合性官能基を有しないチオール化合物」と「ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物」とが反応して、粘度が増大したためであると考えられる。また、重合性官能基を有しないチオール化合物が硬化物から溶出し、マイグレーションが低下することがわかる。
ビニルエーテル基を有しない単官能のラジカル重合性化合物を含む比較例4及び9のインクは、実施例2及び11のインクよりも硬化性が低いことから、マイグレ−ションや臭気が生じることがわかる。
また、ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物を用いた比較例6のインクは、ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物を用いた実施例9のインクよりも保存安定性が顕著に低く、硬化性、マイグレーション及び臭気も低下することがわかる。これは、ビニルエーテル基を有するラジカル重合性化合物とチオール化合物とが反応しやすいからであると考えられる。
さらに、重合性官能基を有するチオール化合物を用いた比較例5のインクは、重合性官能基を有しないチオール化合物を用いた実施例9のインクよりも硬化性が低く、マイグレーション及び臭気が低いことがわかる。これは、重合性官能基を有するチオール化合物は硬化物中に取り込まれて拡散しにくいため、高い連鎖移動性が得られにくいことによると考えられる。
本発明によれば、保存安定性を損なうことなく、良好な硬化性を有し、マイグレーションや臭気が低減された活性光線硬化型インクジェットインク及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。そのようなインクは、例えば食品包装用の印刷に適している。
Claims (6)
- ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物と、重合性官能基を有しないチオール化合物と、光重合開始剤とを含む活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記ビニルエーテル基を有しないラジカル重合性化合物は、実質的に、ビニルエーテル基を有しない多官能のラジカル重合性化合物からなり、
前記重合性官能基を有しないチオール化合物の含有量は、前記活性光線硬化型インクジェットインクの全質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下である、活性光線硬化型インクジェットインク。 - 前記重合性官能基を有しないチオール化合物は、重合性官能基を有しない多官能のチオール化合物を含む、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- ゲル化剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 前記ゲル化剤は、炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族ケトン又は炭素数12以上のアルキル基を有する脂肪族エステルを含む、請求項3に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- カーボンブラックをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクをインクジェットヘッドのノズルから吐出して記録媒体に着弾させる工程と、
着弾した前記インクに活性光線を照射して前記インクを硬化させる工程と、
を含む、画像形成方法。
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- 2016-03-30 JP JP2016069059A patent/JP2017179130A/ja active Pending
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