JP2017178398A - オーブン調理用フィルム、および包装体 - Google Patents

オーブン調理用フィルム、および包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 汎用性の高い樹脂を用い、ヒートシールを200℃以下で行うことができ、オーブン調理の可能な包装材、および包装体を提供する。
【解決手段】 延伸ポリエステル系フィルム(A−1)と結晶化度20%以上40%以下の無延伸ナイロン6フィルム(A−2)とを積層した積層フィルム(A)であって、被着体と200℃以下でヒートシールが可能であることを特徴とするオーブン用積層フィルム、およびそのフィルムを深絞り包装用蓋材または底材に用いたオーブン用包装体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、オーブン調理に用いるフィルム、およびそれを用いた包装体に関する。
近年の個食化や少食化、準備を含む食事の短時間化が著しく進むと共に、食品産業では、調理済み食品をプラスチックフィルム等で包装した商品の開発、実用化が進められている。これらの商品は、内容物の食品を陶器製などの器に移し替えることなく、包装体のまま電子レンジやオーブンで加熱、調理を加えられ、食される。
しかしながら、オーブン用のプラスチックフィルム包装材は、200℃以上の高温加熱に耐えるという必要性能のために種類が限定される。例えば、融点が260℃程度である二軸延伸ポリエステルフィルムが挙げられるが、溶融密着させるためのヒートシール温度も融点同等とせざるを得ないため、包材外面がシール熱板に融着してしまう。
海外では、易接着加工された二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとナイロン66フィルムとをドライラミネートした積層フィルムが市販されており、その市販品は易接着加工によりPETフィルム面のヒートシールを155℃〜200℃で行うことができる。しかしながら、ナイロン66フィルムは原料樹脂が高価であるため、商品種類の拡充、市場の拡大に難しさがあった。また、66ナイロンは、融点が260℃と高いためフィルム製膜できる設備も限定されてしまう。
また、例えば、特許文献1には、硫黄含有ポリエステル層、ポリアミド層、シーラント層を有する多層共押出フィルムが開示されている。しかしながら、このような技術の場合、硫黄含有ポリエステル樹脂の製造が必要のため汎用性に欠け、また、シーラント樹脂のガラス転移温度(Tg)が65℃未満のため耐熱性が不十分であり、加熱成形加工時に熱板に溶着し、成形不良が発生してしまう。
特公表2008−503375号公報
本発明の課題は、上記背景技術の問題点を鑑み、汎用性の高い樹脂を用い、ヒートシールを200℃以下で行うことができ、オーブン調理の可能な包装材、および包装体を提供することにある。
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討した結果、特定の構成を有するフィルム積層体を作製することにより解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)と結晶化度20%以上40%以下の無延伸ナイロン6フィルム(A−2)とを積層した積層フィルム(A)であって、被着体と200℃以下でヒートシールが可能であることを特徴とするオーブン用積層フィルムに存する。
本発明の積層フィルムは、既存の設備で製膜されたフィルムを用いることができる。また、ヒートシール被着体として、汎用性の高い二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを利用することが可能であるため、包装体の成形も既存設備で且つ一般的条件で加工できる。
蓋材1と深絞り包装用底材2から構成される包装体の断面略図を示す。 積層フィルム(A)とその被着体の積層フィルム(B)の各層構成の一例の断面略図を示す。また、積層フィルム(A)と積層体フィルム(B)とを用いて包装体を作製する場合の両者層構成の位置関係を示す。
本発明の積層フィルム(A)は、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)と無延伸ナイロン6フィルム(A−2)とを積層した積層フィルムであり、食品を包装したままオーブン加熱に使用する包装体に用いることが出来る。包装体の構成において、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)は内容物側に位置し、無延伸ナイロン6フィルム(A−2)は外気側に位置する。
オーブン加熱は、一般に200℃以上で数分間以上の加熱が為されるため、プラスチック包装材は、高融点で耐熱性の高い、二軸延伸ポリエステル系フィルムが使用される。ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられ、中でも汎用性、成形加工性、透明性の良好な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが用いられる。
一方、包装体の作製おいては、2枚の包装材の間に内容物を収容し、包装材同士をヒートシールするため、双方の包装材が二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの場合は、ヒートシールを260℃程度で行う必要があり、その場合、ヒートシールの工程負荷が大きいこと、ヒートシール面の逆側のフィルム表面がヒートシール熱板に溶着してしまうこと、といった問題があり実用化は出来ない。
その観点において、本発明の積層フィルム(A)は、被着体とヒートシールを200℃以下で行っても、良好な密着性が得られ、またシール熱板にフィルム表面が溶着せずにできる。
本発明の積層フィルム(A)は、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)と無延伸ナイロン6フィルム(A−2)を積層して構成される。以下、各構成について説明する。
<延伸ポリエステル系フィルム(A−1)>
積層フィルム(A)を構成する延伸ポリエステル系フィルム(A−1)は、結晶性ポリエステル樹脂層(A−1−1)と、非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)とから構成される。
結晶性ポリエステル樹脂層(A−1−1)は、無延伸ナイロン6フィルム(A−2)と積層する側に位置して、非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)を支持する基材層である。非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)は、被着体と向き合って200℃以下でヒートシールを可能とする層である。
結晶性ポリエステル樹脂層(A−1−1)に用いる樹脂は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等、またはテレフタル酸、イソフタル酸およびエチレングリコールからなる共重合ポリエステル、およびこれらの混合物が例示できるが、経済性、製膜性、透明性の点から、ポリエチレンテレフタレートが95%以上含有されることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)は、200℃以下でヒートシールを行える機能を有する。一方で、200℃以上のオーブン加熱により、シール部の密着性が強固となっても、オーブン加熱後の開封が容易であること、オーブン中の包装体内圧が高くなり過ぎる場合にはシール部の一部が開いて破裂を防ぐことが望まれるため、非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)には易開封性も付与することが好ましい。
その観点から、非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)は、ポリエステル樹脂(2a)60〜97質量%と、ポリエステル樹脂(2a)に対し非相溶の樹脂(2b)3〜30質量%とから構成されることが好ましい。樹脂(2b)が3質量%以上により、包装体のシール部が引裂かれ易さよりも層剥離し易さが強くなり開け易くなる。また、30質量%以下により、フィルムの透明性が向上する。
非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)を構成するポリエステル樹脂(2a)は、テレフタル酸、イソフタル酸、またはこれらの混合物の芳香族ジカルボン酸と、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、またはこれらの混合物の脂肪族ジカルボン酸と、およびエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、またはこれらの混合物の脂肪族ジオールとからなるエステル化合物が好ましい。
ポリエステル樹脂(2a)は、フィルム成膜装置への付着防止、包装体の易剥離性の点から、ガラス転移温度範囲の異なる樹脂(2a−1)と(2a−2)とから構成することが、より好ましい。
樹脂(2a−1)のガラス転移温度は、フィルム製膜時のロール非付着性の点から50℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。樹脂(2a−2)のガラス転移温度は、包装体のイージーピール性の点から、20℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましい。
例えば、(2a)は、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体(2a−1)と、アゼライン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、テレフタル酸エステル、イソフタル酸エステルの群から選ばれる1種以上のエステル単位と、エチレンまたはブチレン単位とからなる重合体(2a−2)とから構成することができる。
ポリエステル樹脂(2a)における(2a−1)と(2a−2)との含有質量%比率は、20〜80:80〜20が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)を構成する、ポリエステル樹脂(2a)に非相溶の樹脂(2b)は、エチレン系、プロピレン系、シクロオレフィン系、アミド系およびスチレン系から選択される1種以上からなる。中でも、ノルボルネンおよびテトラシクロドデセンと、エチレンとのシクロオレフィン系共重合体が好ましい。
また、樹脂(2b)のガラス転移温度は、フィルムの透明性の点から、50〜160℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)には、フィルムの耐ブロッキング性、包装体シール部のイージーピール性の観点から、無機およびまたは有機の粒子(2c)を含有することが好ましい。
粒子(2c)の種類は、特に制限されないが、例えば、カルシウム、マグネシウム、バリウム、亜鉛、マンガン等の炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、ジカルボン酸塩の他、非晶シリカ、タルク、カオリン、架橋ポリスチレン粒子、架橋アクリレート粒子などが挙げられ、中でも樹脂分散性の点から非晶シリカ粒子が好ましい。
粒子(2c)の大きさは、特に制限されないが、フィルム透明性、耐ブロッキング性、イージーピール性の兼備の点から、1〜10μm程度が好ましく、3〜6μm程度がより好ましい。
延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の厚さは、特に制限されないが、3〜200μm厚を設定でき、5〜100μmがより好ましく、9〜50μmが更に好ましい。例えば、積層フィルム(A)を蓋材に用いる場合は、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の厚さは張りの点から5〜50μm、深絞り包装用底材に用いる場合は、耐衝撃性や深絞り成形性の点から50〜200μmが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂層(A−1−1)の厚さは、フィルム製膜性の点から、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の厚さに対し45〜98%であることが好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)の厚さは、ヒートシール性と開封性とのバランスから、0.7〜4.0μmが好ましく、0.8〜2.5μmがより好ましい。
延伸ポリエステル系フィルム(A−1)は、公知の方法で一軸延伸または二軸延伸が用いることができ、耐熱性の点から二軸延伸フィルムが好ましい。また延伸は、逐次二軸延伸が望ましく、例えば、各層樹脂を溶融共押出し、フィルム流れ方向に温度60〜130℃、倍率2.0〜5.5の条件で延伸し、次いでフィルム横方向に温度90〜140℃、倍率2.4〜5.0の条件で延伸を行うとよい。
積層フィルム(A)を構成する無延伸ナイロン6フィルム(A−2)には、ナイロン6樹脂を溶融押出してフィルム製膜して用いる。
包装体形態において、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の外気側に無延伸ナイロン6フィルム(A−2)を配することにより、冷蔵・冷凍流通下などの寒冷環境においても積層フィルム(A)の耐衝撃性を向上させることができる。
無延伸ナイロン6フィルム(A−2)は、結晶化度20%以上40%以下である。好ましくは下限は25%以上であり、上限は30%以下である。結晶化度20%以上によって、無延伸ナイロン6フィルム(A−2)の耐熱性を向上させることができ、高価なナイロン66フィルムを用いずとも、市場流通性、市場拡大性の高いオーブン用積層フィルムを設計できる。また、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の硬質性とのバランスがとれ、積層した際や、積層フィルム(A)を成形加工した際に、両フィルム間に微小クラックが発生する等の問題が生じ難い。
無延伸ナイロン6フィルムを結晶化度20%以上にするためには、結晶化核剤を用いることが好ましい。
結晶核剤は、特に制限はないが、カオリン、タルク、モンモリロイト、酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウム、フェニルリン酸金属塩等が使用できる。添加濃度は、10〜10000ppmが好ましく、100〜1000ppmがより好ましい。
無延伸ナイロン6フィルム(A−2)の結晶化度は、JIS K 7122に基づいて融解熱量(J/g)を測定し、式1から算出した。
結晶化度(%)=(ΔHm−ΔHc)/ΔHm×100 (式1)
ΔHm: 融解熱量(J/g)
ΔHc: 結晶化熱量(J/g)
ΔHm: 結晶化度100%の融解熱量190.92J/g、出典:福本修編,”ポリアミド樹脂ハンドブック”,p.72,(昭和63年),(日刊工業社)
無延伸ナイロン6フィルム(A−2)は、公知のTダイ法、インフレーション法を用いて作製できる。
無延伸ナイロン6フィルム(A−2)の厚さは、積層フィルムおよび包装体の耐ピンホール性向上の観点で、下限は5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましい。上限は特に制限はなく、耐荷重性、取り扱い性、経済性の点などから適宜選定できるが、一般に300μm以下が好ましい。例えば、積層フィルム(A)を蓋材に用いる場合は、無延伸ナイロン6フィルム(A−2)の厚さは10〜100μm、深絞り包装用底材に用いる場合は、耐衝撃性や深絞り成形性の点から30〜300μmが挙げられる。
本発明の積層フィルム(A)は、公知のドライラミネート法で作製できる。
用いる接着剤の組成や、接着剤層の厚みは、積層フィルム(A)の層間密着性が十分であり、またオーブン加熱による損傷や溶融が発生しない範囲で、適宜選定できる。
例えば、接着剤の種類は、高温耐熱性があれば特に制限されないが、公知の2液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いることができ、例えば、脂肪族ポリエステル系ポリオール、または芳香族ポリエステル系ポリオールとイソシアネート化合物とを化合させるウレタン系接着剤が挙げられる。希釈溶剤は乾燥条件を鑑み、酢酸エチル系、イソプロピルアルコール系、またはそれらの混合等を使用することが好ましい。接着剤層厚は、1〜10μmが好ましく、2〜6μmがより好ましい。エージングは、室温下で12時間以上、より好ましくは48時間以上が好ましい。
本発明の積層フィルム(A)は、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の硬質性と、無延伸ナイロン6フィルム(A−2)の柔軟性や強靭性、また結晶化度20%以上故の適度な硬質性とが複合されるため、200℃以上という高温加熱処理を受け、積層フィルム(A)自身が熱膨張したり、内容物の加熱変形や蒸気内圧による収容部膨張などの外力により積層フィルム(A)が変形したりしても、耐え得ることができると考えられる。
本発明の積層フィルム(A)は、食品を収容した包装体において、オーブン庫内設定温度180〜220℃程度、加熱時間10〜30分間程度の条件で使用できる。
また、延伸ポリエステル系フィルム(A−1)により被着体と200℃以下のヒートシール条件で十分な密着ができ、且つ200℃以下であれば、外気側の無延伸ナイロン6フィルム(A−2)表面がヒートシール熱板に溶着することも発生しない。
本発明の積層フィルム(A)に必要なヒートシール設定温度は、200℃以下であり、180℃以下が好ましく、160℃以下が更に好ましい。ヒートシール時間は、生産性の点から一般に1〜5秒間であり、2〜3秒間がより好ましい。
ヒートシール強度は、ヒートシールされた箇所の剥離強度であり、ヒートシールによる密着性を示す。ヒートシール強度は、オーブン用包装体の密封性の点から0.3N/15mm幅以上が好ましく、0.5N/15mm幅以上がより好ましい。他方、オーブン加熱時の包装体の破裂を抑制するために、過度な内圧増大に対してはヒートシール部が開いて内部蒸気を逃すことが望ましく、その点から3N/15mm以下が好ましく、2N/15mm以下がより好ましい。
本発明の積層フィルム(A)に対する深絞り包装用底材または蓋材の被着体は、オーブン耐熱性のあるフィルムであれば特に制限されないが、耐熱性、汎用性、積層フィルム(A)の非晶ポリエステル樹脂層(A−1−2)とのヒートシール性の点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)が好ましい。経済性の点から、汎用性で安価な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)を厚みの必要な深絞り包装用底材に用い、積層フィルム(A)を蓋材に用いることが好ましい。
積層フィルム(A)の被着体としては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)と無延伸ナイロン6フィルム(B−2)とから構成される積層フィルム(B)を用いることが好ましい。
積層フィルム(B)を構成する二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)は、汎用のフィルムを用いることができる。ヒートシール密着性、層間接着性の点から、フィルム両表面にコロナ処理が為されていることが好ましい。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)の厚さは、特に制限されないが、積層フィルム(A)の二軸延伸ポリエステル系フィルム(A−1)の場合と同様に設定できる。
積層フィルム(B)を構成する無延伸ナイロン6フィルム(B−2)は、積層フィルム(A)の無延伸ナイロン6フィルム(A−2)と同様の種類、厚さを用いることが出来る。
また、積層フィルム(B)は、積層フィルム(A)と同様にしてドライラミネート法により積層できる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例に使用したフィルムと略号は、次の通りである。尚、「/」は、共押出の層間表記である。フィルムの融点は、JIS K 7121法に準じて測定した。
・OPET1; 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 三菱樹脂製ダイアホイルT−100(登録商標) 融点260℃
・OPET2; 非晶ポリエステル系樹脂(1μm)/結晶ポリエステル系樹脂(18μm)共押出二軸延伸フィルム 融点260℃
・OPET3; ヒートシール性二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム 中本パックス製HS−PET(登録商標) 融点260℃
・OPEN1; 二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム 帝人デュポンQ51(登録商標) 融点270℃
・CNy6; 無延伸ナイロン6フィルム 結晶化度29% 融点215℃
・CNy66; 無延伸ナイロン66フィルム 融点260℃
上記「OPET2」は、非晶ポリエステル系樹脂層は、下記のポリエステル樹脂(2a−1)、ポリエステル樹脂(2a−2)、樹脂(2b)を40:40:20質量%比で混合した組成であり、非晶シリカ粒子を非晶ポリエステル樹脂層に対し2重量部添加した。結晶ポリエステル系樹脂層は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた。またフィルムの延伸倍率は流れ方向および横方向とも4倍であり、230℃で熱固定された。
(2a−1); エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート共重合体、ガラス転移温度約75℃
(2a−2); エチレンアゼレート−エチレンテレフタレート−エチレンイソフタレート共重合体、ガラス転移温度約0℃
(2b); ノルボルネン−エチレン共重合体、ガラス転移温度約75℃
積層フィルムは、脂肪族ポリエステル系ポリウレタン系接着剤を用いドライラミネートし、接着剤層厚み(乾燥厚)3μm、エージングは40℃48時間の条件で作製した。各例に示す層構成において、「//」はドライラミネートの層間表記である。
各例の層順は、包装体において収容物側から外気側への順で示す。
<実施例1> OPET2(19μm)//CNy6(50μm)
<実施例2> OPET2(19μm)//CNy6(100μm)
<比較例1> OPET3(25μm)//CNy6(50μm)
<比較例2> OPET1(25μm)//CNy6(50μm)
<比較例3> OPET1(100μm)
<比較例4> OPEN1(100μm)
<比較例5> CNy66(50μm)
<参考例1> OPET1(100μm)//CNy6(5μm)
<参考例2> OPET1(100μm)//CNy6(50μm)
<参考例3> OPET1(100μm)//CNy66(5μm)
<参考例4> OPET1(100μm)//CNy66(50μm)
<参考例5> OPET1(50μm)//CNy6(50μm)//OPET1(50μm)
各例の積層フィルムまたは単独フィルムについて、次の評価を行った。
<ヒートシール性(1)>
各例のフィルムのOPETフィルム側と、OPET1(100μm厚)とを合わせ、180℃2秒間、シール幅15mmの条件でヒートシールし、引張試験機(INSTRON製3342型機)を用い、引張速度200mm/分、180度剥離、室温下の条件で、剥離強度を測定した。
A; 剥離強度0.5N/15mm幅以上
B; 剥離強度0.5N/15mm幅未満
<ヒートシール性(2)>
実施例1の積層フィルムと、各例のフィルムとを、OPETフィルム側同士を合わせて、180℃2秒間、シール幅15mmの条件でヒートシールし、引張試験機(INSTRON製3342型機)を用い、引張速度200mm/分、180度剥離、室温下の条件で、剥離強度を測定した。
A; 剥離強度0.5N/15mm幅以上
B; 剥離強度0.5N/15mm幅未満
<深絞り加工性>
各例のフィルムを深絞り包装機(大森工業製FV−6300)に供し、成形温度230℃で、縦13cm横10cm深さ2cmの略直方体状に深絞り成形した際の、加熱成形に要した最小時間で加工性を評価した。
A; 230℃2秒間で成形できた
B; 230℃4秒間で成形できた
C; 230℃6秒間で成形できた
<深絞り包装体の作製>
参考例2の積層フィルムを底材として用い、深絞り包装機(大森工業製FV6300)に供し、底材を成形温度230℃2秒間の条件で、縦13cm横10cm深さ2cmの略直方体状に深絞り成形し、次いで鶏胸肉100gを収容し、次いで蓋材として各例のフィルムを被せ、底材フランジ部と蓋材とを180℃2秒間、シール幅15mmの条件でヒートシールし、深絞り包装体を作製した。
<耐熱性>
上記の深絞り包装体を、オーブン(三菱電機製三菱オーブンレンジRO−MS8)を用い設定温度220℃20分の条件で加熱し、包装体の状態を観察し、次の基準で評価した。
A; 蓋材が溶融せず、かつ加熱前の包装体の形状を保った
B; 蓋材の一部が溶融した、または溶融し穴が開いた
<耐衝撃性>
上記の深絞り包装体20個を−30℃条件で冷凍し、1.0m高さから底材を下に向けステンレス板材の上に落下させた際の破袋個数を調べた。
A; 破袋個数2個以下
B; 破袋個数3個以上6個以下
C; 破袋個数7個以上
Figure 2017178398
本発明の積層フィルムによれば、汎用性の高い樹脂を用い、ヒートシールを200℃以下で行うことができ、オーブン調理の可能な包装材、および包装体を提供できる。そのため、既存の設備で製膜されたフィルムを用いることができ、ヒートシール被着体として、汎用性の高い二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを利用することが可能であるため、包装体の成形も既存設備で且つ一般的条件で加工できる。従って、包装フィルム製造、包装体製造において、利便性が高く、オーブン用包装体の設計および流通が幅広く可能となる。
1 深絞り包装体の蓋材
2 深絞り包装体の底材

Claims (6)

  1. 延伸ポリエステル系フィルム(A−1)と結晶化度20%以上40%以下の無延伸ナイロン6フィルム(A−2)とを積層した積層フィルム(A)であって、被着体と200℃以下でヒートシールが可能であることを特徴とするオーブン用積層フィルム。
  2. 前記延伸ポリエステル系フィルム(A−1)が、二軸延伸ポリエステル系フィルムである請求項1に記載のオーブン用積層フィルム。
  3. 前記被着体が、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)である請求項1または2に記載のオーブン用積層フィルム。
  4. 前記二軸延伸ポリエステル系フィルム(A−1)が、結晶性ポリエステル樹脂層(A−1−1)と、非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)とから構成される、請求項1〜3の何れかに記載のオーブン用積層フィルム。
  5. 前記非晶性ポリエステル樹脂層(A−1−2)がイージーピール性を有する請求項4に記載のオーブン用積層フィルム。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の積層フィルム(A)からなる深絞り包装用蓋材または底材と、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(B−1)と結晶化度20%以上40%以下の無延伸ナイロン6フィルム(B−2)との積層フィルム(B)とからなる深絞り包装用底材または蓋材とにより構成されるオーブン用包装体。
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