JP2017177388A - 繊維強化樹脂複合構造体およびその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂複合構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】面外方向に優れた熱伝導性を有するとともに、熱伝導性部材の接着性を向上させ、構造体の層間剥離などによる破壊を防ぐことを目的とする。
【解決手段】少なくとも連続した強化繊維及びマトリックス樹脂を含む繊維強化樹脂部材と、熱伝導性部材とを接合した繊維強化樹脂複合構造体であって、熱伝導性部材の少なくとも一部が繊維強化樹脂部材層の内部に配されるとともに、他の部分が繊維強化樹脂部材の両側の表層に配されてなる繊維強化樹脂複合構造体。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばパソコンやOA機器、携帯電話、携帯情報端末などの電気・電子機器等の筐体や医療機器用カセッテとして用いられる軽量、高強度・高剛性でかつ面外方向の熱伝導性に優れた繊維強化樹脂複合構造体およびその製造方法に関するものである。
繊維強化樹脂部材を用いた複合構造体は、強度、剛性に優れていることから、OA機器、通信機器、電気・電子機器の筐体や内部部材、自動車、二輪車、航空機などの構造材などに幅広く展開され、その需要は年々増加している。
一方で、ノートパソコン、携帯電話、携帯情報端末などの電気・電子機器の内部部材や筐体などの分野においては、CPU、トランジスタ等の内部部品の高集積高速化による消費電力の増加と発熱量の増大による素子寿命の低下が問題となっている。さらに、半導体産業でも、半導体の高集積化、小型化、大容量化に加え、機器のモバイル化、軽量化、薄肉化が加速されており、その部材、筐体などへの強度、剛性を満足し、かつ、優れた熱伝導性(放熱特性)を有する構造体が一層強く求められるようになった。
また、軽量、高強度・高剛性、優れたX線透過性という利点から、医療機器、中でもX線画像診断装置(カセッテ)への炭素繊維強化樹脂の使用が増加している。カセッテを長時間安定的に動作させるには、内部回路からの放熱対策が重要となる。カセッテ内部温度が上昇することで、チャージアンプ、TFT(Thin Film Transistor)パネルなどの特性が変化し、画像ムラやノイズ発生の原因となる。
また、放熱材料であるアルミナ、銅−モリブデンなど金属材料を使用する場合、比重が大きく、軽量化という点では必ずしも満足できるのものではない。これに対し、セラミック、窒化アルミ、炭素基金属複合材、炭素/ 炭素複合材料、グラファイトシート、シリコーン材料などの種々の素材が提案され、熱問題に対応することを目的とした繊維強化樹脂部材を用いた複合構造体を提供するために、種々の技術が提案されている。
特許文献1(特開2006−49878号公報)では、「連続した強化繊維群で強化された樹脂組成物からなる第1の部材と、第2の部材とを一体化した成形体に関し、第1の部材に使用される強化繊維と、第2の部材がともに高い熱伝導性を有し、第1の部材の熱伝導率が3W/m・K以上、かつ前記第2の部材の熱伝導率が1W/m・K以上とする」構成が開示され、「軽量性、力学特性だけでなく、熱伝導性、放熱性にも優れ、両部材を強固に一体化させ、複雑形状の成形性と生産性を両立させた」効果が開示されている。
また、特許文献2(特開2011−126262号公報)では、「熱伝導性樹脂組成物からなり、少なくとも層内の一方向において熱伝導率が2W/m・K以上である熱伝導層と、樹脂もしくは樹脂組成物からなり、ノッチ付アイゾット耐衝撃強度が5kJ/m以上である補強層とを含み、熱伝導層と補強層とを積層一体化してなる熱伝導性樹脂複合成形体」が記載され、「熱伝導性と耐衝撃性を併せ持つ」効果が開示されている。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の構造体を構成する繊維強化樹脂部材は、一般に、強化繊維群とマトリックス樹脂を必須の構成要素とする不均一な材料であり、そのため熱伝導率においては強化繊維群の配向方向の物性と、強化繊維の配向方向と交差する方向の物性には差が存在し、繊維強化樹脂部材に高い熱伝導率を有する強化繊維を用いれば、強化繊維群の配向方向では高い熱伝導性を有する繊維強化樹脂部材が得られるが、強化繊維群の配向方向と交差する方向での熱伝導率は、強化繊維群を構成するフィラメント同士を含浸・固定してなるマトリックス樹脂の熱伝導率が低いために強化繊維群の配向方向における熱伝導率に比べて低い値となってしまう。
従って、特許文献1では、第1の部材の熱伝導率が3W/m・K以上、かつ第2の部材の熱伝導率が1W/m・K以上を有するが、強化繊維群が配向された厚さ方向での熱伝導性は不十分である。特許文献2では、一方向において熱伝導率が2W/m・K以上である熱伝導層と樹脂組成物からなる補強層とを積層一体化されたものであり、積層体の厚さ方向での熱伝導性は不十分である。
また、特許文献3(特開2003−160382号公報)では、「高い熱伝導性を有する長繊維の炭素繊維とマトリックス材との積層構造を含む炭素繊維強化複合材料であって、前記炭素繊維が前記炭素繊維強化複合材料の少なくとも1個所で面外方向に配向されている」構成が記載され、「炭素繊維が露出または近傍に存在するその付近の表面から熱が入ってきた場合、熱伝導率の悪い炭素繊維間のマトリックス材を介さないで直接、または、薄いマトリックス材を介して複合材料の内部に伝え、拡散させることができる」効果が開示されている。
しかしながら、特許文献3においては、現実問題として、非常に高い熱伝導率のピッチ系炭素繊維を用いなければならず、ピッチ系炭素繊維では、例えば、電子機器用の筐体など成形品とした場合、繊維強度と弾性率のバランスや繊維自体が脆いために成形品自体が脆く、実用に適さない場合がある。
いずれも構造体の厚み方向(面外方向)に熱伝導性の低い樹脂が存在しており、面外方向の熱伝導率には改良の余地がある。
特開2006−49878号公報 特開2011−126262号公報 特開2003−160382号公報
そこで本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み、優れた面外方向の熱伝導性、放熱性を有するとともに、軽量性、力学特性に優れ、さらに、強固に一体化され接合強度に優れた特性を有する繊維強化樹脂複合構造体およびその製造方法を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明の繊維強化樹脂複合構造体およびその製造方法は次の構成からなる。
(1)少なくとも連続した強化繊維とマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂部材と、熱伝導性部材とからなる繊維強化樹脂複合構造体であって、
前記熱伝導性部材の少なくとも一部が前記繊維強化樹脂部材の内部に配されるとともに、他の部分が前記繊維強化樹脂部材の両側の表層に配されてなることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体。
(2)前記熱伝導性部材が一枚のシート状物である(1)に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(3)前記繊維強化樹脂複合構造体の一方の表層から他方の表層に向かう断面において、前記熱伝導性部材がハット型又は波型に配置されてなる(1)または(2)に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(4)前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層に配された前記熱伝導性部材の他の部分と、前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層とが一体化され、前記繊維強化樹脂複合構造体の投影平面において、前記一体化させた前記熱伝導性部材の占める領域同士が、互いに離間していることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(5)前記熱伝導性部材が、亜鉛、真鍮、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅及びマグネシウム並びにそれらの合金より選択される少なくとも1種の金属部材である(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(6)前記熱伝導性部材の熱伝導率が100〜1000W/m・Kである、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(7)前記熱伝導性部材がメッシュ形状の金属部材である(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(8)前記熱伝導性部材のメッシュ形状が、線径0.1〜0.9mm、目開き0.15〜5mm、JIS Z8801−1(2006)で規定されるメッシュ数が10〜100である(7)に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(9)前記メッシュ形状を形成する複数の線材が相互に同一平面上に存在する(7)または(8)に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(10)前記繊維強化樹脂部材の内部に配された前記熱伝導性部材の開口部に前記強化繊維が挿通されてなる(7)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(11)前記強化繊維が一方向に引き揃えられた炭素繊維であるとともに、前記繊維強化樹脂部材は、前記炭素繊維を引き揃えた方向に対して横切る方向に複数の切り込みを設けた繊維強化樹脂シートが複数枚積層されてなる(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(12)前記切り込みの長さが2〜50mmである(11)に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(13)医療機器用カセッテに用いられる(1)〜(12)のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
(14)連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、前記強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シートを複数枚積層した第1の繊維強化樹脂部材を、少なくとも2つの型から構成される成形型のキャビティ内に配置し、
前記第1の繊維強化樹脂部材の一方の表層および厚さ方向の端面と接するとともに、他方の表層側に、前記一方の表層に配置された部分の端部への延設方向とは異なる方向に他の端部を延設するように形状付与された熱伝導性部材を配置し、
前記他方の表層側に形成された前記熱伝導性部材と接するように、前記第1の繊維強化樹脂部材と同様の構成からなる第2の繊維強化樹脂部材を配置し、
前記第1の繊維強化樹脂部材、前記熱伝導性部材、前記第2の繊維強化樹脂部材を加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
(15)前記第1の繊維強化樹脂部材および前記第2の繊維強化樹脂部材の厚さ方向の端面が傾斜面である(14)に記載の繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
(16)連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、前記強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シートを複数枚積層した繊維強化樹脂部材の一部に、前記繊維強化樹脂部材の厚さ方向に対して傾斜面を形成する貫通孔を設け、前記貫通孔に熱伝導性部材を挿通し、前記熱伝導性部材の端部を前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層と接するように配置し、
前記熱伝導性部材が挿通された前記繊維強化樹脂部材を、少なくとも2つの型から構成される成形型のキャビティ内に配置し、加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
本発明の繊維強化樹脂複合構造体は、優れた面外方向の熱伝導性、放熱性を有するとともに、軽量性、力学特性に優れ、さらに、強固に一体化され接合強度に優れた特性を備えることができる。
熱伝導性部材を繊維強化樹脂部材の内部と両側の表層に配した繊維強化樹脂複合構造体の斜視図である。 熱伝導性部材を繊維強化樹脂部材の内部と両側の表層に配した繊維強化樹脂複合構造体の概略平面図である。 図2のA−A’断面図である。 熱伝導性部材がハット型の繊維強化樹脂複合構造体の側面断面図である。 熱伝導性部材が波型の繊維強化樹脂複合構造体の側面断面図である。 熱伝導性部材を構成するメッシュ形状の線径と目開きを示す概略図である。 メッシュ形状を有する熱伝導性部材の断面拡大図である。 線材が同一平面上に存在する熱伝導性部材の平面図である。 線材が同一平面上に存在する熱伝導性部材の断面図である。 プレス成形する前の繊維強化樹脂部材と熱伝導性部材の配置関係を示す概略断面図である。 プレス成形して得られた繊維強化樹脂複合構造体の概略断面図である。 切り込みが設けられた繊維強化樹脂シートの平面図である。 2種類のパターンの切り込みが設けられた繊維強化樹脂シートの平面図である。 本実施形態に係る繊維強化樹脂複合構造体の製造方法を示す概略断面図である。 表面から裏面に達する斜め向きの貫通孔を設けた繊維強化樹脂部材の平面図である。 表面から裏面に達する斜め向きの貫通孔を設けた繊維強化樹脂部材の概略断面図である。 繊維強化樹脂部材に設けた貫通孔に熱伝導性部材を挿通させた状態を示す概略断面図である。 貫通孔に熱伝導性部材を挿通させた繊維強化樹脂部材をキャビティ内に配置し、一定の圧力で加熱プレス成形する構成断面図である。 繊維強化樹脂複合構造体を医療機器用カセッテとして使用する状態を示す概略図である。 繊維強化樹脂複合構造体を使用した医療機器用カセッテの概略断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について順次説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施例形態に限定されるものではない。
本発明に係る繊維強化樹脂複合構造体は、少なくとも連続した強化繊維とマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂部材と、熱伝導性部材とからなり、熱伝導性部材の少なくとも一部が繊維強化樹脂部材の内部に配されるとともに、他の部分が繊維強化樹脂部材の両側の表層に配された構造を有するものである。
繊維強化樹脂複合構造体1は、図1に示すように、繊維強化樹脂部材101と熱伝導性部材200とから構成され、繊維強化樹脂部材101の一方の表層(図1では下面)の一部の領域に熱伝導性部材201(下面側熱伝導性部材と称す)が配され、もう一方の表層(図1では上面)の一部の領域に熱伝導性部材203(上面側熱伝導性部材と称す)が配されるとともに、繊維強化樹脂部材101の内部に熱伝導性部材202(内部熱伝導性部材と称す)が配されている。熱伝導性部材200を構成する下面側熱伝導性部材201、内部熱伝導性部材202及び上面側熱伝導性部材203は連続した部材であり、繊維強化樹脂部材101の一方の表層から他方の表層にまで、熱を容易に伝えることができる構成を有する。熱伝導性部材200の形態は特に限定されるものではないが、一枚のシート状物であることが好ましい。
ここで、下面側熱伝導性部材201と上面側熱伝導性部材203とは、図2に示す繊維強化樹脂複合構造体1の投影平面(平面図)において、互いに離間するように配置されていることが好ましい。
この構成を有すると、例えば、図3に示すように、繊維強化樹脂複合構造体1の内側に熱発生源2(電子部品のCPU等)が配置された場合、熱発生源2近傍に下面側熱伝導性部材201を配置しておくと、熱発生源2から発生した熱3は、下面側熱伝導性部材201から内部熱伝導性部材202を介して上面側熱伝導性部材203へと伝わり、熱を繊維強化樹脂複合構造体1の外側に容易に放出することができる。
また、繊維強化樹脂複合構造体1の一方の表層から他方の表層に向かう断面において、熱伝導性部材200がハット型又は波型に配置されてなる構成とすることが好ましい。このような形態を備えることで、図4や図5に示すように、複数の熱発生源2から発生した熱の吸収と熱の放出を効率よく行うことができる。
また、熱伝導性部材200は、亜鉛、真鍮、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅及びマグネシウム並びにそれらの合金より選択される少なくとも1種の金属部材であることが好ましい。ここで、熱伝導性部材200の熱伝導率は100〜1000W/m・Kであることが好ましい。このような熱伝導率を有すると、熱伝導性部材200が薄層でも熱伝導性が高くなり、効率よく熱放出できる。
ここで、熱伝導性部材200の熱伝導率の測定方法は、レーザーフラッシュ法により、比熱と熱拡散率を測定し、(1)式によって算出される。
K=Cp・α・ρ・・・(1)
ここで、Kは試料の熱伝導率、Cpは試料の比熱、αは試料の熱拡散率、ρは試料の比重を表す。
熱伝導率はより好ましくは300〜900W/m・K、さらに好ましくは500〜800W/m・Kである。熱伝導性部材の熱伝導率が100W/m・K未満であると、熱伝導性が十分機能せず、熱放出が効率よくできない場合がある。熱伝導性部材の熱伝導率が1000W/m・Kを超えると、材料費が高価になる。
さらに、熱伝導性部材200はメッシュ形状の金属部材であることが好ましい。メッシュ形状の金属部材を用いることにより、平板の金属部材に比べて構造体の軽量化が図れるとともに、形状にフレキシビリ性があり、一定の形状への加工が容易となる。
メッシュ形状としては、主に線材が格子状に形成されたものであり、図6に示すような線材を織り込んだ構成や、図8に示すように一体成形品が例示できる。線材の線径6は0.1〜0.9mm、目開き7は0.15〜5mm、JIS Z8801−1(2006)で規定されるメッシュ数が10〜100であることが好ましい。より好ましくは、線径6が0.2〜0.8mm、目開き7が0.2〜4mm、メッシュ数が20〜90、さらに好ましくは、線径6が0.3〜0.5mm、目開き7が0.25〜3.5mm、メッシュ数が40〜80である。
線径が0.1mm未満であると熱伝導性が低下する場合があり、線径が0.5mmより大きいと繊維強化樹脂部材と熱伝導性部材との接合強度が低下する場合がある。目開きが0.15mm未満であると繊維強化樹脂部材と熱伝導性部材との接合強度が低下する場合があり、目開きが5mmより大きいと熱伝導性が低下する場合がある。メッシュ数が10未満であると、熱伝導性が低下する場合があり、メッシュ数が100を超えると、繊維強化樹脂部材と熱伝導性部材との接合強度が低下する場合がある。
ここで線径とは、線材の断面が矩形や四角形の場合は線材の最大幅とし、断面が円形の場合はその直径とする。
また、メッシュ数とは、縦線および横線25.4mm(1インチ)間による目数をいい、メッシュと呼ばれる単位で表される。線径d(mm)、目開きA(mm)、メッシュ単位M,開孔率e(%)は(2)式、(3)式の関係で表される。
A=25.4/M−d・・・(2)
e=100×(A/(A+d))・・・(3)
また、メッシュ形状を形成する線材が同一平面上に存在することが好ましい。
図6に示すメッシュ形状の金属部材の厚さ方向の断面は、図7に示すように、横線4と縦線5とからなる線材が交互に織られた形態を有する。熱伝導性部材200自体を薄くするには線材を細くする必要があり、放熱量を確保するにはメッシュ数を大きくする、すなわち密に織り込んだメッシュ形状の熱伝導性部材200を使用することができる。一方、図8に示すような一体成形品の場合には、図9に示す断面のとおり、織構造の交差部分も他の線材部分と同一厚みを確保できることから、厚さやメッシュ数の調整がより容易になる。
線材が同一平面上に存在する形態のメッシュ形状の部材は、パンティングメタル等の打ち抜きで作成されたメッシュ形状の金属部材や、エキスパンドメタル等の、金属板をエキスパンド製造機によって千鳥状に切れ目を入れながら押し広げ、その切れ目を菱形や亀甲形に成形したメッシュ状の金属板が好ましい。
次に、繊維強化樹脂部材101について説明する。繊維強化樹脂部材101は、強化繊維から成る強化繊維基材に、マトリックス樹脂を含浸させたものである。
繊維強化樹脂部材101を構成する強化繊維基材としては、多数本の強化繊維からなる強化繊維束を織り込んだ二方向性織物(クロス)、多数本の強化繊維を一方向に配向した一方向性強化繊維束を平行に並べた一方向材が好適に用いられる。クロスとしては、平織り、朱子織り、綾織りなどが好ましく使用することができる。一つの強化繊維束を構成する強化繊維数は、通常、300〜48,000本であり、好ましくは、300〜24,000本、より好ましくは、1,000〜12,000本である。強化繊維としては、比重が小さく、高強度、高弾性率である炭素繊維が、好ましく使用され、かかる炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、レーヨン系、リグニン系などの炭素繊維を用いることができる。これらの中でも、PAN系炭素繊維が強度、弾性率ともに高いことから、繊維強化樹脂部材101の力学特性も高くできる点で好ましい。
また、繊維強化樹脂部材101のマトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれも好適に用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、それらの混合樹脂であっても差し支えない。これらの樹脂の常温(25℃)における樹脂粘度としては、1×10Pa・s以下であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリーレンオキシド樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹脂から選ばれることが好ましい。なかでも経済性の観点からはポリオレフィン樹脂、強化繊維との接着性の観点からは、ポリアミド樹脂が好ましい。
繊維強化樹脂部材101は、前述した強化繊維基材を所望の形状となるように積層、賦形等し、マトリックス樹脂を含浸させることで得ることができる。具体的な構成は後述する。
また、繊維強化樹脂部材101に含まれる強化繊維の割合としては、得られる部材の熱伝導性および力学特性、さらに成形性の観点から、5〜85体積%が好ましく、40〜70体積%がより好ましい。
また、繊維強化樹脂複合構造体1を構成する強化繊維の一部が、その内部に配された熱伝導性部材200のメッシュ形状の開口部204に強化繊維が挿通されてなることが好ましい。
繊維強化樹脂複合構造体1の製造方法の詳細は後述するが、図10に示すように、熱伝導性部材200の左右から、2つの繊維強化樹脂部材101、102を挟み込んで加圧成形する場合、図11に示すように、加圧により繊維強化樹脂部材101の端部にある強化繊維103の一部が流動し、開口部204を挿通した強化繊維105が存在する。その結果、熱伝導性部材200を介して繊維強化樹脂部材101,102同士の接合強度を向上させることができ、熱伝導性部材200の界面からの層間剥離抑制をより強固なものとすることができる。
繊維強化樹脂部材101、102に含まれる強化繊維103は、前述のとおり炭素繊維等の強化繊維束で構成されるクロスや一方向材が用いられる。なかでも、一方向材を構成する強化繊維束を引き揃えた方向に対して横切る方向に複数の切り込み107を設けた繊維強化樹脂シート100(前述した強化繊維基材に相当する)を、複数枚積層して繊維強化樹脂部材101、102とすることが好ましい。このような切り込み107を有すると、強化繊維103の繊維配向方向への流動が容易になり、加圧プレス時において強化繊維103が開口部204に向かって流動、挿通しやすくなる。
また、繊維強化樹脂シート100に形成された切り込み107の長さが2〜50mmであることが好ましい。切り込み107の長さが2mm未満の場合は、強化繊維103の集合体が小さくなるため、成形時の流動により強化繊維103がうねりを生じやすく力学物性が低下しやすくなる。一方、切り込み107の長さが50mmを超えると、強化繊維103の集合体が大きくなるため、強化繊維103の流動性が悪くなり力学物性のバラツキも大きくなる。より好ましい切り込み107の長さは5〜30mmである。
繊維強化樹脂シート100には、図12に示すように、繊維配向方向109に間隔108ごとに切り込み107が設けられるとともに、繊維直交方向110に略平行に複数の切り込み107が設けられることが好ましい。間隔108は10〜100mmが好ましい。間隔108が10mm未満の場合は、隣接する切り込み107の間にある強化繊維103が短くなるため、強化繊維103による補強効果が低下する。一方、間隔108が100mmを超えると、成形時の流動性が悪くなり複雑形状を形成することが難しくなる。より好ましい間隔108は10〜50mmである。
隣接する切り込み107は、図13に示すように、互いに千鳥状(111、112)に配置されることが好ましく、等間隔に配置されると、強化繊維103が均等に流動できるようになるため、より好ましい。また、切り込み107は、繊維強化樹脂シート100の全面に設けられることが好ましい。
繊維強化樹脂シート100に切り込み107を設ける方法としては特に限定するものではないが、所定の位置に刃を配置した回転ローラ等を介して連続的に切り込みを入れる方法が例示できる。
また、繊維強化樹脂シート100を複数枚積層する方法としては、得ようとする繊維強化樹脂複合構造体1の力学特性等に応じて、積層枚数や繊維配向方向を適宜設定することができる。
次に、繊維強化樹脂複合構造体1の製造方法について説明する。
具体的には、連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シート100を複数枚積層した第1の繊維強化樹脂部材101を、少なくとも2つの型301、302から構成される成形型のキャビティ内に配置し、第1の繊維強化樹脂部材101の一方の表層および厚さ方向の端面と接するとともに、他方の表層側に、一方の表層に配置された部分の端部への延設方向とは異なる方向に他の端部を延設するように形状付与された熱伝導性部材200を配置し、他方の表層側に形成された熱伝導性部材200と接するように、第1の繊維強化樹脂部材101と同様の構成からなる第2の繊維強化樹脂部材102を配置し、第1の繊維強化樹脂部材101、熱伝導性部材200、第2の繊維強化樹脂部材102を加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とするものである。
図14に、本実施形態に係る繊維強化樹脂複合構造体の成形方法の概略断面図を示す。
下型302のキャビティ内に、繊維強化樹脂シート100を複数枚積層した第2の繊維強化樹脂部材102を配置する。この繊維強化樹脂シート100には繊維配向方向に対して横切る方向に複数の有限長の切り込み107を入れている。
次に、一枚のシート状物である熱伝導性部材200を配置する。第2の繊維強化樹脂部材102の一方の表層および厚さ方向の端面と接するように上面側熱伝導性部材203と内部熱伝導性部材202を配置し、さらに他方の表層側に、前記上面側熱伝導性部材203の延設方向とは異なる方向に他の端部を延設するように下面側熱伝導性部材201を配置する。
その後、第2の繊維強化樹脂部材102と同様の構成からなる第1の繊維強化樹脂部材101を、内部熱伝導性部材202および下面側熱伝導性部材201と接するように配置する。
上記のように配置した第1の繊維強化樹脂部材102、熱伝導性部材200及び第2の繊維強化樹脂部材101の上側を上型301で覆った後、0.1〜8MPaの加圧力で加熱プレス成形することで、マトリックス樹脂を硬化させることで平板状の繊維強化樹脂複合構造体1を得ることができる。
また、上記の製造方法以外にも、連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シート100を複数枚積層した繊維強化樹脂部材101の一部に、繊維強化樹脂部材101の厚さ方向に対して傾斜面を形成する貫通孔113を設け、貫通孔113に熱伝導性部材200を挿通し、熱伝導性部材200の端部を繊維強化樹脂部材101のいずれかの表層と接するように配置し、熱伝導性部材200が挿通された繊維強化樹脂部材101を、少なくとも2つの型301、302から構成される成形型のキャビティ内に配置し、加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させる製造方法がある。
貫通孔113は、図15に示すように、繊維強化樹脂部材101の一部に、表面から裏面に達するように斜め向きの設けたものである。図16は図15のA‐A′断面図である。
その後、図17に示すように、貫通孔113に熱伝導性部材200を挿通させ、両端部を下面側熱伝導性部材201、上面側熱伝導性部材203とする。
熱伝伝導性部材200を挿通した繊維強化樹脂部材101は、図18に示すように、下型302のキャビティ内に配置し、上型301で覆った後、一定の圧力で加熱プレス成形することで平板状の繊維強化樹脂複合構造体1を得ることができる。
また、繊維強化樹脂複合構造体1は、医療機器用カセッテとして用いることが好ましい。
医療機器用カセッテは、図19に示すように、X線撮影装置の撮像装置として使用される。その構成は、カセッテの断面図である図20に示すように、X線402が透過しやすい材料からなるトップカバー403と繊維強化樹脂複合構造体1を用いたバックカバー406とから構成されるケース状の内側に、受光装置404やバッテリー405等が収納された構成を有するものである。熱伝導性部材200を備えた繊維強化樹脂複合構造体1をバックカバー406に適用することで、バッテリー405が発するカセッテ内部の熱を効率的にカセッテ外部へと放出することが出来る。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[強化繊維樹脂シートへの切込みの付加]
強化繊維樹脂シートとして、ロールに巻きつけた東レ(株)製一方向プリプレグ(P3252S−25)を準備し、刃を配置した回転ローラを介して、ロールから繰り出したプリプレグに、連続的に切り込みを入れた。切り込みのパターンは図12に示す千鳥状とし、切り込み107の長さは30mm、列との間隔108は20mmとした。
[繊維強化樹脂部材101、102の作製]
切込みを付与した一方向プリプレグを、擬似等方性となるように、[45°/0°/−45°/90°/90°/−45°/0°/45°]の8層積層し、寸法は長さ200mm、幅100mm、厚さは約2mmにカットした。また、一端を45°の斜め形状にカットした。
[熱伝導性部材]
熱伝導性部材として、熱伝導率が236W/m・Kであるアルミニウムを使用し、部材の厚さ0.1mm、線径0.2mm、目開きサイズ0.8mmのメッシュ形状を有するエキスパンドメタルを使用した。
[熱伝導性部材の賦形]
熱伝導性部材200を図14に示す形状に賦形した。内部熱伝導性部材202は45度の斜面とし、下面側熱伝導性部材201、上面側熱伝導性部材203それぞれの長さは200mm、幅は100mmとした。
[熱伝導性部材繊維強化樹脂複合構造体の成形1]
図14に示す2つの型301と302から構成されるキャビティ内に、第2の繊維強化樹脂部材102、熱伝導性部材200、第1の繊維強化樹脂部材101を順に配置し、成形用金型の温度を130℃にあわせ2分余熱した後、上型301を閉じ、繊維強化樹脂部材101、102と熱伝導性部材200とを8MPaで加圧し、130℃の温度条件によりマトリックス樹脂を硬化させ、平板状の繊維強化樹脂複合構造体を得た。
図3に示すように、下面側熱伝導性部材201の近くに熱源2となるオーエムヒーター(株)製シリコンラバーヒーターを置き、上面側熱伝導性部材203からの放熱特性を評価した。サーモグラフ(日本アビオニクス社製「インフレックR300SR」)で観察した結果、上面側熱伝導性部材203に熱が伝導されていることが観察でき、良好な放熱特性を確認できた。
また、繊維強化樹脂複合構造体1の強度試験を行った。強度試験の方法はJIS K7074(1988)で規定する曲げ試験を行った。その結果、曲げ強度は500MPa、曲げ弾性率は65MPaであり、実使用上十分な強度を確保できた。
(実施例2)
実施例1と同じ切り込みを付与した一方向プリプレグを、[45°/0°/−45°/90°/90°/−45°/0°/45°]となるように8層積層した繊維強化樹脂部材を得た。寸法は長さ200mm、幅200mmで厚みは2mmとした。繊維強化樹脂部材101に、図15、図16に示すように、熱伝導性部材200を挿通させるための貫通孔113を形成した。貫通孔113は繊維強化樹脂部材101の厚さ方向に対して45度の角度を有し、幅3mm、長さ150mmとした。その後、実施例1と同じ熱伝導性部材200を、図17に示すように、貫通孔113に挿通させた。熱伝導性部材の寸法は長さ100mm、幅100mmとした。
図18に示す2つの型301と302から構成されるキャビティ内に、熱伝導性部材200を貫通孔113に挿通した繊維強化樹脂部材101を配置した以外は、実施例1と同様の条件にて平板状の繊維強化樹脂複合構造体を得た。また、実施例1と同様に、図3に示す構成で放熱特性を評価した。サーモグラフ(日本アビオニクス社製「インフレックR300SR」)で観察した結果、上面側熱伝導性部材203に熱が伝導されていることが観察でき、良好な放熱特性を確認できた。
また、実施例1と同様の強度試験を行った結果、曲げ強度は500MPa、曲げ弾性率は65MPaであり、実使用上十分な強度を確保することができた。
本発明に係る繊維強化樹脂複合構造体は、上記で説明したX線カセッテなどの医療用途の筐体や内部部材以外にも、電気・電子機器の筐体や内部部材、自動車、二輪車、航空機、建材用途の部品、部材として好ましく用いることができる。
1 繊維強化樹脂複合構造体
2 熱発生源
4 横線
5 縦線
6 線径
7 目開き
100 繊維強化樹脂シート
101、102 繊維強化樹脂部材
103 強化繊維
105 開口部に挿通した強化繊維
107 切り込み
108 間隔
109 繊維配向方向
110 繊維直交方向
113 貫通孔
200 繊維強化樹脂部材
201 下面側熱伝導性部材
202 内部熱伝導性部材
203 上面側熱伝導性部材
204 開口部
301 上型
302 下型
401 カセッテ
402 X線
403 カセッテのトップカバー
404 カセッテの受光装置
405 カセッテのバッテリー
406 カセッテのバックカバー

Claims (16)

  1. 少なくとも連続した強化繊維とマトリックス樹脂とを含む繊維強化樹脂部材と、熱伝導性部材とからなる繊維強化樹脂複合構造体であって、
    前記熱伝導性部材の少なくとも一部が前記繊維強化樹脂部材の内部に配されるとともに、他の部分が前記繊維強化樹脂部材の両側の表層に配されてなることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体。
  2. 前記熱伝導性部材が一枚のシート状物である請求項1に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  3. 前記繊維強化樹脂複合構造体の一方の表層から他方の表層に向かう断面において、前記熱伝導性部材がハット型又は波型に配置されてなる請求項1または2に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  4. 前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層に配された前記熱伝導性部材の他の部分と、前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層とが一体化され、前記繊維強化樹脂複合構造体の投影平面において、前記一体化させた前記熱伝導性部材の占める領域同士が、互いに離間していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  5. 前記熱伝導性部材が、亜鉛、真鍮、ステンレス、アルミニウム、チタン、銅及びマグネシウム並びにそれらの合金より選択される少なくとも1種の金属部材である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  6. 前記熱伝導性部材の熱伝導率が100〜1000W/m・Kである、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  7. 前記熱伝導性部材がメッシュ形状の金属部材である請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  8. 前記熱伝導性部材のメッシュ形状が、線径0.1〜0.9mm、目開き0.15〜5mm、JIS Z8801−1(2006)で規定されるメッシュ数が10〜100である請求項7に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  9. 前記メッシュ形状を形成する複数の線材が相互に同一平面上に存在する請求項7又は8に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  10. 前記繊維強化樹脂部材の内部に配された前記熱伝導性部材の開口部に前記強化繊維が挿通されてなる請求項7〜9のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  11. 前記強化繊維が一方向に引き揃えられた炭素繊維であるとともに、前記繊維強化樹脂部材は、前記炭素繊維を引き揃えた方向に対して横切る方向に複数の切り込みを設けた繊維強化樹脂シートが複数枚積層されてなる請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  12. 前記切り込みの長さが2〜50mmである請求項11に記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  13. 医療機器用カセッテに用いられる請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化樹脂複合構造体。
  14. 連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、前記強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シートを複数枚積層した第1の繊維強化樹脂部材を、少なくとも2つの型から構成される成形型のキャビティ内に配置し、
    前記第1の繊維強化樹脂部材の一方の表層および厚さ方向の端面と接するとともに、他方の表層側に、前記一方の表層に配置された部分の端部への延設方向とは異なる方向に他の端部を延設するように形状付与された熱伝導性部材を配置し、
    前記他方の表層側に形成された前記熱伝導性部材と接するように、前記第1の繊維強化樹脂部材と同様の構成からなる第2の繊維強化樹脂部材を配置し、
    前記第1の繊維強化樹脂部材、前記熱伝導性部材、前記第2の繊維強化樹脂部材を加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
  15. 前記第1の繊維強化樹脂部材および前記第2の繊維強化樹脂部材の厚さ方向の端面が傾斜面である請求項14に記載の繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
  16. 連続した強化繊維にマトリックス樹脂を含浸させ、前記強化繊維の繊維配向方向に対して横切る方向に複数の切込みを設けた繊維強化樹脂シートを複数枚積層した繊維強化樹脂部材の一部に、前記繊維強化樹脂部材の厚さ方向に対して傾斜面を形成する貫通孔を設け、前記貫通孔に熱伝導性部材を挿通し、前記熱伝導性部材の端部を前記繊維強化樹脂部材のいずれかの表層と接するように配置し、
    前記熱伝導性部材が挿通された前記繊維強化樹脂部材を、少なくとも2つの型から構成される成形型のキャビティ内に配置し、加熱プレス成形し、マトリックス樹脂を硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合構造体の製造方法。
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