JP2017177216A - 片面サブマージアーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲な板厚の鋼板に適用することができ、回転変形を抑制して継手終端部での溶接金属の割れを防止し、かつ溶接後の手直しを低減できる片面サブマージアーク溶接方法を提供する。【解決手段】鋼板20の板厚をt1、タブ板30の板厚をt2とするとt2≧t1であり、2枚の鋼板20の板幅B1は、B1≧300mmであり、2枚のタブ板30の板幅B2は、B2≧10×t1、且つ100mm≦B2≦2000mmである。そして、2枚のタブ板30の一端縁を各鋼板20の終端縁21に溶接し、同じ開先形状を有する鋼板20の開先M及びタブ板30の開先M1を、少なくとも鋼板20の終端部側からタブ板30の一端部側に亘って仮付溶接する。【選択図】図4

Description

本発明は、片面サブマージアーク溶接方法に関する。
片面サブマージアーク溶接は、板継ぎ溶接として造船を中心に、広い分野に適用されている高能率の溶接施工方法である。一方、片面サブマージアーク溶接では、継手終端部に割れが発生する場合があり、その防止策として種々の提案がされている。
例えば、特許文献1には、溶接継手終端部の継手最終端から始端側に複数層で、段状からなるシーリングカスケードビードを用いて、自動溶接の終端割れを防止する技術が記載されている。
特許文献2には、溶接継手の終端部の端縁から溶接線と平行に1対のスリットが形成された2枚のタブ板を用いて、片面自動溶接の終端割れを防止する方法が記載されている。
特開平08−99177号公報 特開昭61−20665号公報
ところで、シーリングカスケードビードを用いた特許文献1の技術では、シーリングカスケードビードで溶接継手終端部の変形を抑制するため、割れ防止効果は高い。しかしな
がら、シーリングカスケードビードを形成した箇所には、裏ビードが形成されないため、溶接後に手直しが必要となる。また、予めシーリングカスケードを形成する必要があるため、溶接工数が増大する課題があり、改善の余地があった。
一般的に片面溶接では、板厚により溶接入熱が異なり、厚板になるほど発生する熱変形が大きくなる。スリットを有するタブ板を用いる特許文献2の技術では、スリットにより鋼板に対する拘束力が弱くなるため、発生する熱変形を抑制する効果が小さく、回転変形
防止効果が小さいという課題がある。特に、高入熱な厚板溶接時には、発生する熱変形も大きく、鋼板に対する拘束力が不足するため、終端割れが発生するおそれがある。このように、スリットを有するタブ板を用いた技術では、適用される鋼板の板厚の範囲が限定されるという課題がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広範囲な板厚の鋼板に適用することができ、回転変形を抑制して継手終端部での溶接金属の割れを防止し、かつ溶接後の手直しを低減できる片面サブマージアーク溶接方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
本発明は、2枚のタブ板を使用し、一方の面側からのサブマージアーク溶接により2枚の鋼板を接合する片面サブマージアーク溶接方法であって、
前記鋼板の板厚をt1、前記タブ板の板厚をt2とすると、前記鋼板と前記タブ板の板厚の関係が、t2≧t1であり、
前記2枚の鋼板の板幅B1は、B1≧300mmであり、
前記2枚のタブ板の板幅B2は、B2≧10×t1、且つ100mm≦B2≦2000mmであり、
前記片面サブマージアーク溶接を行う前に、2枚のタブ板の一端縁を前記各鋼板の終端縁に溶接し、前記2枚の鋼板及び前記2枚のタブ板をそれぞれ突き合わせて形成される前記鋼板の開先及び前記タブ板の開先を、同じ開先形状とし、
前記鋼板の開先及び前記タブ板の開先を、少なくとも前記鋼板の終端部側から前記タブ板の一端部側に亘って仮付溶接することを特徴とする。
また、上記方法では、好ましくは、連続する前記仮付溶接は、単層で形成される。
さらに、上記方法では、好ましくは、前記鋼板と前記タブ板の板厚の関係が、t2>t1である。
また、上記方法では、好ましくは、前記鋼板の板厚t1は、5mm≦t1≦40mmである。
また、上記方法では、好ましくは、前記鋼板の板幅B1は、B1≧1500mmである。
さらに、上記方法では、好ましくは、前記仮付溶接の溶込み深さdは、d≧2mm、のど厚hは、h≦7mmである。
また、上記方法では、好ましくは、前記鋼板の終端縁に対して前記鋼板の終端部側の前記仮付溶接の長さをA、前記鋼板の終端縁に対して前記タブ板の一端部側の前記仮付溶接の長さをBとすると、20mm≦A、且つ20mm≦Bである。
さらに、本発明のタブ板は、上記片面サブマージアーク溶接方法に用いられることを特徴とする。
本発明の片面サブマージアーク溶接方法によれば、鋼板の板厚をt1、タブ板の板厚をt2とするとt2≧t1であり、2枚の鋼板の板幅B1は、B1≧300mmであり、2枚のタブ板の板幅B2は、B2≧10×t1、且つ100mm≦B2≦2000mmである。そして、片面サブマージアーク溶接を行う前に、2枚のタブ板の一端縁を各鋼板の終端縁に溶接し、2枚の鋼板及び2枚のタブ板をそれぞれ突き合わせて形成される鋼板の開先及びタブ板の開先を、同じ開先形状とし、鋼板の開先及びタブ板の開先を、少なくとも鋼板の終端部側からタブ板の一端部側に亘って仮付溶接する。これにより、広範囲な板厚の鋼板に適用することができ、溶接後の回転変形を抑制して継手終端部での溶接金属の割れを防止し、かつ溶接後の手直しを低減できる。
本発明の片面サブマージアーク溶接方法に用いる溶接装置の概略図である。 片面サブマージアーク溶接を行う際の様子を示す鋼板周辺の断面図である。 片面サブマージアーク溶接を行う際の様子を示す鋼板周辺の断面図である。 仮付溶接された鋼板及びタブ板の平面図である。 仮付溶接部の断面図である。 変形例に係る仮付溶接された鋼板及びタブ板の平面図である。 (a)は、板厚15mmの鋼板の開先形状を示す概略図であり、(b)は、板厚20mmの鋼板の開先形状を示す概略図であり、(c)は、板厚30mmの鋼板の開先形状を示す概略図であり、(d)は、板厚40mmの鋼板の開先形状を示す概略図である。 2電極で片面サブマージアーク溶接を行う際の電極配置を示す説明図である。 3電極で片面サブマージアーク溶接を行う際の電極配置を示す説明図である。 4電極で片面サブマージアーク溶接を行う際の電極配置を示す説明図である。 本溶接された鋼板及びタブ板の平面図である。
以下、本発明に係る片面サブマージアーク溶接方法を図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の片面サブマージアーク溶接方法に用いる溶接装置の主要部の概略について説明する。
図1に示すように、溶接装置10は、架台フレーム11と、溶接機12と、溶接機ビーム13と、を主に備える。架台フレーム11は、鋼製の角材を枠組みして、上方が開放された断面視凹状に形成されており、内部に裏当装置50aあるいは裏当装置50b(図2,図3参照)が支持されている。そして、裏当装置50aの裏当銅板55或いは裏当装置50bの耐火性キャンバス56上に鋼板20が載置されている。溶接機ビーム13は、溶接機12を鋼板20の長手方向に沿って移動させるものである。
溶接機12は、架台フレーム11の上方(鋼板20の上方)に配置され、溶接機ビーム13に沿って所定速度で移動しながら、鋼板20の開先Mの表側から電極15によって片面サブマージアーク溶接により鋼板20を溶接する。電極(溶接トーチ)15は、複数本、例えば、2〜4本とすることが望ましく、これにより効率的、且つ高品質での溶接を行うことができる。
片面サブマージアーク溶接方法(以下、「本溶接」とも言う。)とは、図2,3に示すように、突き合わされた鋼板20,20の裏面から、裏当銅板55上に層状に散布した裏当フラックス52、或いは、耐火性キャンバス56内に収容された裏当フラックス52をエアホース59などの押上機構により押圧して溶接する方法である。片面サブマージアーク溶接方法では、鋼板20の表側から表フラックス51を用いてサブマージアーク溶接を行い、鋼板20の表面と裏面に同時にビードを形成する。なお、図中符号53はスラグ、符号54は溶接金属、符号57はフラックス袋、符号58は下敷フラックスである。
図4、図5に示すように、本実施形態の片面サブマージアーク溶接方法が適用される鋼板20は、例えば造船用鋼板である。鋼板20の板厚t1は、5mm以上、40mm以下(5mm≦t1≦40mm)であり、好ましくは10mm以上、30mm以下(10mm≦t1≦30mm)、さらに好ましくは18mm以上、25mm以下(18mm≦t1≦25mm)とする。また、突き合わされた2枚の鋼板20の合計の板幅B1は、300mm以上(B1≧300mm)である。さらに、鋼板20の長さL1は、1000mm以上、35000mm以下(1000mm≦L1≦35000mm)である。
2枚の鋼板20を突き合わせた端面には、開先Mが形成されている。開先Mの形状は、Y開先、V開先などの任意の形状とすることができる。
また、鋼板20の終端縁21には、本溶接を行う前に、2枚のタブ板30,30の一端縁35が互いに突き合わされて接合されている。2枚のタブ板30,30は、互いの終端部33に余盛溶接(余盛溶接部34)を施して、接合した後、鋼板20の接合面22とタブ板30の接合面32が直線状に連続するようにして、仮付定盤上に2枚の鋼板20,20の終端縁21と2枚のタブ板30,30の一端縁35を当接させて配置する。そして、2枚の鋼板20,20の終端縁21と2枚のタブ板30,30の一端縁に余盛溶接(余盛溶接部31)が施されると共に、2枚のタブ板30,30の端部Rに角巻き溶接が施され、さらに、鋼板20の接合面22とタブ板30の接合面32に後述の仮付溶接(仮付溶接部25、25A)が施される。
なお、2枚のタブ板30,30を鋼板20に接合する接合順序は、上記のものに限定されるものでない。
タブ板30の板厚t2は、鋼板の板厚t1と同じか、それより厚くなっている(t2≧t1)。2枚のタブ板30の合計の板幅B2は、鋼板の板幅B1より小さく(B2<B1)、鋼板の板厚t1の10倍以上(B2≧10×t1)、且つ100mm以上、2000mm以下とする(100mm≦B2≦2000mm)。また、タブ板30の長さL2は、100mm以上、1000mm以下(100mm≦L2≦1000mm)である。
タブ板30は、片面サブマージアーク溶接において最後に固まる溶融池(クレータ)を溶接継手から逃がす目的で、また、片面サブマージアーク溶接による継手終端部での溶接金属の割れ(以下、「継手終端部での割れ」とも言う)をより効果的に防止するため用いられる。特に、タブ板30が継手終端部で鋼板20を拘束することで溶接による熱変形を抑え、継手終端部での割れを防止する。
片面サブマージアーク溶接においては、鋼板20の板厚の増大に伴って溶接入熱を大きくする必要があり、熱変形も増大する。従って、熱変形を抑制するためには、鋼板20の板厚の増大に伴って拘束力を強化する必要が生じる。しかし、過剰な拘束を行う場合も割れが生じるため、適切な拘束力を付与することが重要である。
本発明者らは鋭意検討した結果、タブ板30による鋼板20への拘束力は、溶接方向に垂直な方向へのタブ板30の剛性を大きくすることで強化可能であり、タブ板30の幅およびタブ板30の板厚によって制御できることを見出した。即ち、鋼板20の板厚に対して、タブ板30の幅と板厚を適正に規定することにより、熱変形力<拘束力とすることができ、継手終端部での割れを防止することができる。
また、本実施形態では、タブ板30は、従来のタブ板のようなスリットを設けていない。タブ板30にスリットを形成した場合には、スリットにより鋼板20に対する拘束力が弱まるため、スリットを有しないタブ板30と比較してタブ板30を大きくする必要がある。特に、高入熱を要する厚板の溶接時には、鋼板20に対する十分な拘束力を持たせるため、タブ板30が巨大化して実際の運用が困難となるおそれがあるためである。
また、2枚のタブ板30を突き合わせた端面にも、開先M1が形成されている。開先M1の形状は、鋼板20の開先Mと略同じ形状であれば特に限定されず、Y開先、V開先などの任意の形状とすることができる。また、鋼板20とタブ板30の開先M,M1において、Y開先やV開先の開先角度は、工業的に許容される範囲でのばらつきがあってもよい。
例えば、タブ板30が1枚で構成される場合や、2枚のタブ板30に鋼板20と異なる開先M1が形成される場合、或いは、2枚のタブ板30に開先M1を形成しない場合には、鋼板20とタブ板30の開先形状が異なるため、溶接継手終端部が不連続となり、高温割れ、スラグ巻き込み、裏ビード形状不良、溶込み不足などが発生する懸念がある。
一方、本実施形態のように、2枚のタブ板30を使用し、鋼板20とタブ板30とに、それぞれ略同じ形状の開先M,M1を形成することで、鋼板20とタブ板30との連続性を確保することができ、鋼板20の後端部側からタブ板30の一端部側に亘る仮付溶接が確実に行われる。
また、本実施形態では、鋼板20の接合面22とタブ板30の接合面32に仮付溶接が施されている。仮付溶接は、鋼板20の接合面22において、本溶接における始端部(図4の鋼板20の左端部)側から終端部(図4の鋼板20の右端部)に向かって断続的に、数箇所に施され、さらに、鋼板20の終端縁21に対して300mm以上前方の位置Pからタブ板30の終端部33まで、鋼板20からタブ板30にまたがって連続して行われ、仮付溶接部25Aが形成される。
なお、本発明の仮付溶接は、図6に示すように、少なくとも鋼板20の終端部側からタブ板30の一端部側に亘って仮付溶接部25Aが形成されていればよい。このため、タブ板30の接合面32においても、断続的に仮付溶接が施されてもよい。
鋼板20の終端部側からタブ板30の一端部側に亘って仮付溶接部25Aが形成されることにより、本溶接の際に、これから溶接される未接合部が一体化しているので、熱変形を低減することができる。これにより、継手終端部での割れを防止できる。
従来のタブ板を用いた溶接では、鋼板20の終端縁21で仮付溶接を止める、即ち、タ
ブ板30の一端部側に亘って仮付溶接が施されていないので、継手終端部での割れが発生しやすくなる。
ここで、仮付溶接部25Aのうち、鋼板20の終端縁21に対して鋼板20の終端部側の仮付溶接の長さをA、鋼板20の終端縁21に対してタブ板30の一端部側の仮付溶接の長さをBとすると、20mm≦A、且つ20mm≦Bであれば、上記効果をより確実に奏することができる。
また、継手終端部での割れを防止する観点から、より好ましくは、70mm≦A、且つ70mm≦B、さらに好ましくは、100mm≦A、且つ100mm≦Bとする。
また、仮付溶接は、鋼板20の始端部側からタブ板30の終端部33に亘って鋼板20及びタブ板30の接合面22,32が連続して接合されてもよい。
図5に示すように、仮付溶接部25は、1層のみからなるシーリングビードと同等の単層で形成される。仮付溶接部25の溶込み深さdは2mm以上(d≧2mm)とし、のど厚hは7mm以下(h≦7mm)とすることが好ましい。
仮付溶接部25の溶込み深さdが2mm未満であると、本溶接の際にこれから溶接される未接合部において仮付溶接部25の接合効果が弱く、本溶接中に破断してしまうおそれがある。このため、溶込み深さdは2mm以上であると好ましい。さらに、仮付溶接部25ののど厚hを7mm以下(単層、積層問わない)にすると、本溶接の際に仮付溶接部25に裏ビードがより形成しやすくなり、手直しを低減して作業効率が向上する。
そして、上記したように仮付溶接が施された鋼板20及びタブ板30に対して、複数の電極15を備えるアーク溶接装置10を用いて、従来と同様の手法で、片面サブマージアーク溶接方法が施される。
なお、電極15の個数は、アーク溶接される鋼板20の板厚t1に応じて適宜選択され、本実施形態では、2〜4電極で行うことが好ましい。電極15が1電極では、厚板鋼板の溶接に不向きであり、5電極以上では、溶接の高能率化が可能となるものの、溶接品質との両立のさらなる改善の余地が生じる。電極15が2電極以上であれば、厚板鋼板の溶接に適用できる。一方、電極数が4電極以下であれば、溶接の高能率化を図ることができ、かつ溶接品質もより良好なものとなる。このように、2〜4電極とすることで、厚板にも適用でき、高能率化と溶接品質とをより両立しやすくなる。
以上説明したように、本実施形態の多電極片面サブマージアーク溶接方法によれば、鋼板20の板厚をt1、タブ板30の板厚をt2とするとt2≧t1であり、2枚の鋼板20の板幅B1は、B1≧300mmであり、2枚のタブ板30の板幅B2は、B2≧10×t1、且つ100mm≦B2≦2000mmである。そして、2枚のタブ板30の一端縁35を各鋼板20の終端縁21に溶接し、鋼板20の開先M及びタブ板30の開先M1を同じ開先形状とし、鋼板20の開先M及びタブ板30の開先M1を、少なくとも鋼板20の終端部側からタブ板30の一端部側に亘って仮付溶接する。これにより、本実施形態の片面サブマージアーク溶接方法は、広範囲な板厚の鋼板20に適用することができ、回転変形を抑制して継手終端部での溶接金属の割れを防止し、かつ溶接後の手直しを低減できる。
また、仮付溶接部25は、単層で形成されるので、1パスで仮付溶接することができる。
また、鋼板20とタブ板30の板厚の関係が、t2>t1であるので、より確実に継手終端部での割れを防止することができる。
更に、鋼板20の板厚t1は、5mm≦t1≦40mmであるので、本実施形態のタブ板30を用いてより確実に本溶接による継手終端部での割れを防止することができる。
また、鋼板20の板幅B1は、B1≧1500mmであるので、本実施形態のタブ板30を用いてより確実に本溶接による継手終端部での割れを防止することができる。
仮付溶接部25の溶込み深さdは、d≧2mm、のど厚hは、h≦7mmであるので、本溶接の際にこれから溶接される未接合部を一体化させることで継手終端部での割れをより確実に防止でき、また、裏ビードがより形成しやすくなり、手直しを低減して効率的に溶接することができる。
また、鋼板20の終端縁21に対して鋼板20の終端部側の仮付溶接の長さをA、鋼板20の終端縁21に対してタブ板30の一端部側の仮付溶接の長さをBとすると、20mm≦A、且つ20mm≦Bであるので、本溶接の際に、これから溶接される未接合部が一体化しているので、熱変形をより確実に低減することができる。これにより、継手終端部での割れをより確実に防止できる。
尚、本発明は、前述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
本発明の効果を確認するため、表1に示す各種パラメータの鋼板20及びタブ板30を用いて、試験を行った。表1は、実施例及び比較例の各種パラメータを、継手終端部での溶接金属の割れの調査結果と共に示す。
Figure 2017177216
なお、いずれの実施例及び比較例においても、仮付溶接は、溶接電流を200〜350A、アーク電圧を25〜35Vとして行った。
また、板厚10mmと板厚15mmの鋼板20の場合には、図7(a)に示すように、Y字形開先の開先角を60°とし、接合面22の板厚を3mmとした。板厚20mmの鋼板20の場合には、図7(b)に示すように、Y字形開先の開先角を50°とし、接合面22の板厚を3mmとした。また、板厚30mmの鋼板20の場合には、図7(c)に示すように、Y字形開先の開先角を45°とし、接合面22の板厚を5mmとした。また、板厚40mmの鋼板20の場合には、図7(d)に示すように、Y字形開先の開先角を40°とし、接合面22の板厚を5mmとした。
また、本溶接は、表2に示す溶接条件で行った。溶接電流は交流であり、電極を逆V結線で使用した。なお、本溶接は、板厚10mmと板厚15mmの鋼板20の場合には、図8に示す第1電極L及び第2電極T1を用いて、板厚20mm、及び30mmの鋼板20の場合には、図9に示す第1電極L、第2電極T1及び第3電極T2を用いて、板厚40mmの鋼板20の場合には、図10に示す第1電極L、第2電極T1、第3電極T2及び第4電極T3を用いて行われる。
Figure 2017177216
図8は、2電極を備える溶接電極部の模式図であり、先行する第1電極Lは、10°前方に傾斜して配置されている。また、第1電極Lに後行する第2電極T1は、第1電極Lから35mm後方で、鉛直方向に指向して配置されている。
図9は、3電極を備える溶接電極部の模式図であり、先行する第1電極Lは、15°前方に傾斜して配置されている。また、第1電極Lに後行する第2電極T1は、第1電極Lから35mm後方で、鉛直方向に指向して配置されている。更に、第2電極T1に後行する第3電極T2は、第2電極T1から120mm後方で、鉛直方向に指向して配置されている。
図10は、4電極を備える溶接電極部の模式図であり、先行する第1電極Lは、10°前方に傾斜して配置されている。また、第1電極Lに後行する第2電極T1は、第1電極Lから30mm後方で、5°後方に傾斜して配置されている。更に、第2電極T1に後行する第3電極T2は、第2電極T1から170mm後方で、3°後方に傾斜して配置されている。更に、第3電極T2に後行する第4電極T3は、第3電極T2から30mm後方で、13°後方に傾斜して配置されている。
なお、仮付溶接部25における溶込み深さd、及びのど厚hの測定方法は、溶接方向と垂
直な面で切り出して研磨及び適切なエッチング処理を施して図5に示すような開先断面を得て、2枚の鋼板20の開先Mを伸ばした交点Xから、溶込み深さd、及びのど厚hを測定
した。
図11は、本溶接が施された鋼板及びタブ板の平面図であり、本溶接完了後、鋼板20の終端縁21から400mm前方の範囲Nの本溶接部26を、JIS Z3104に準じて放射線透過試験を行い、継手終端部での溶接金属の割れの有無を調査した。
表1に示すように、各種パラメータが本発明の範囲内である実施例(表1の試験No.1,4,5,7,8,9,13〜20が相当)では、継手終端部での溶接金属の割れは確認されなかった。一方、各種パラメータが本発明の範囲外である比較例(表1の試験No.2,3,6,10,11が相当)では、継手終端部での溶接金属の割れが発生していることが分かる。また、No.12は、特許文献2に記載のスリットを有するタブ板を用いており、この場合にも、継手終端部での溶接金属の割れが発生している。
10 溶接装置
20 鋼板
21 終端縁
25 仮付溶接部
26 本溶接部
30 タブ板
35 一端縁
B1 鋼板の板幅
B2 タブ板の板幅
d 溶込み深さ
h のど厚
M 鋼板の開先
M1 タブ板の開先
t1 鋼板の板厚
t2 タブ板の板厚

Claims (8)

  1. 2枚のタブ板を使用し、一方の面側からのサブマージアーク溶接により2枚の鋼板を接合する片面サブマージアーク溶接方法であって、
    前記鋼板の板厚をt1、前記タブ板の板厚をt2とすると、前記鋼板と前記タブ板の板厚の関係が、t2≧t1であり、
    前記2枚の鋼板の板幅B1は、B1≧300mmであり、
    前記2枚のタブ板の板幅B2は、B2≧10×t1、且つ100mm≦B2≦2000mmであり、
    前記片面サブマージアーク溶接を行う前に、2枚のタブ板の一端縁を前記各鋼板の終端縁に溶接し、前記2枚の鋼板及び前記2枚のタブ板をそれぞれ突き合わせて形成される前記鋼板の開先及び前記タブ板の開先を、同じ開先形状とし、
    前記鋼板の開先及び前記タブ板の開先を、少なくとも前記鋼板の終端部側から前記タブ板の一端部側に亘って仮付溶接することを特徴とする片面サブマージアーク溶接方法。
  2. 連続する前記仮付溶接は、単層で形成されることを特徴とする請求項1に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  3. 前記鋼板と前記タブ板の板厚の関係が、t2>t1であることを特徴とする請求項1又は2に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  4. 前記鋼板の板厚t1は、5mm≦t1≦40mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  5. 前記鋼板の板幅B1は、B1≧1500mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  6. 前記仮付溶接の溶込み深さdは、d≧2mm、のど厚hは、h≦7mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  7. 前記鋼板の終端縁に対して前記鋼板の終端部側の前記仮付溶接の長さをA、前記鋼板の終端縁に対して前記タブ板の一端部側の前記仮付溶接の長さをBとすると、20mm≦A、且つ20mm≦Bであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の片面サブマージアーク溶接方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の片面サブマージアーク溶接方法に用いられることを特徴とするタブ板。
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