JP2017177204A - サブマージアーク溶接用フラックス - Google Patents

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Abstract

【課題】高パス間温度域での肉盛溶接においてもスラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状が得られるサブマージアーク溶接用フラックスを提供する。【解決手段】ステンレス鋼からなる帯状電極と組み合わせて肉盛りサブマージアーク溶接に使用されるサブマージアーク溶接用フラックスであって、MgO、Al2O3、SiO2、ZrO2、CaOを所定量含有するとともに、金属Siを含有し、前記金属Siの含有量[Si](質量%)と、前記ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係を規定したことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、肉盛りサブマージアーク溶接に使用されるサブマージアーク溶接用フラックスに関する。
一般に、連続鋳造設備等に用いられるガイドやロール等は高温かつ水蒸気環境にさらされ、加熱、冷却の繰り返しを受けるため、高温での耐摩耗性、耐食性および耐熱亀裂性が要求される。そこで、従来から、これらの性能を向上させるため、例えば、低合金鋼の下地ロールに、Cr合金鋼を肉盛溶接したものが用いられている。
このような肉盛溶接に用いるフラックスとして、例えば特許文献1には、フラックスの組成を所定範囲に規定した肉盛溶接用フラックスが開示されている。特許文献1によれば、この肉盛溶接用フラックスを用いることで、耐熱亀裂性、耐摩耗性および耐食性に優れた肉盛溶着金属が得られ、かつ良好な溶接作業性を有すると記載されている。
また、特許文献2には、フラックスの組成を所定範囲に規定したサブマージアーク溶接用フラックスが開示されている。特許文献2によれば、このサブマージアーク溶接用フラックスを用いることで、高温での強度、耐摩耗性、耐食性に優れた肉盛溶接金属が得られ、かつ良好な溶接作業性を有すると記載されている。
特開平4-55791号公報 特許第3160459号公報
ところで、肉盛りサブマージアーク溶接では、特に直径が200mm以上250mm以下程度の比較的小径のロールを肉盛する場合、ロール素材が溶接入熱により加熱されやすい。そのため、高パス間温度(例えば300℃以上600℃以下)での作業が余儀なくされ、スラグ剥離性が著しく劣化する傾向がみられる。従来の肉盛溶接用フラックスにおいては、特に高パス間温度域で肉盛溶接を行う場合のスラグ剥離性について改善の余地がある。また、肉盛溶接においては、良好なビード形状が得られることが望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高パス間温度域での肉盛溶接においてもスラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状が得られるサブマージアーク溶接用フラックスを提供することを課題とする。
従来の技術においては、肉盛溶接用フラックスについて、高パス間温度域での肉盛溶接においてスラグ剥離性が飛躍的に改善する、即ち、フラックスの設計を最適化することで、高パス間温度域での肉盛溶接におけるスラグ剥離性を改善したというような知見は一切示唆されていない。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、フラックスの成分組成や含有量の関係を規定することで、高パス間温度域での肉盛溶接においてもスラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状が得られるサブマージアーク溶接用フラックスの発明を成すに至った。
すなわち、本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、ステンレス鋼からなる帯状電極と組み合わせて肉盛りサブマージアーク溶接に使用されるサブマージアーク溶接用フラックスであって、MgO:17質量%以上30質量%以下、Al:10質量%以上20質量%以下、SiO:10質量%以上30質量%以下、ZrO:5質量%以上15質量%以下、CaO:1.0質量%以上15質量%以下、を含有するとともに、金属Siを含有し、前記金属Siの含有量[Si](質量%)と、前記ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係が、3[Si]/2[Cr]≧0.025であることとした。
かかる構成によれば、サブマージアーク溶接用フラックス(以下、適宜、フラックスという)は、成分組成を規定するとともに、金属Siの含有量と、ステンレス鋼に含有されるCrの含有量との関係を規定することで、高パス間温度域での肉盛溶接においてもスラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状が得られる。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、前記金属Siの含有量が0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
かかる構成によれば、スラグ剥離性がより向上する。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、金属弗化物:1質量%以上20質量%以下を含有することが好ましい。
かかる構成によれば、アークが安定するとともにスラグの流動性が増し、ビード形状がより良好となる。
本発明に係るサブマージアーク溶接用フラックスは、金属Vおよび金属Nbを含有し、
前記金属Vの含有量[V](質量%)と、前記金属Nbの含有量[Nb](質量%)との合計の含有量が、0.1≦[V]+[Nb]≦3.0の範囲であることが好ましい。
かかる構成によれば、溶接金属の耐熱亀裂性が向上する。
本発明のサブマージアーク溶接用フラックスは、高パス間温度域での肉盛溶接においてもスラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状が得られる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
本実施形態のサブマージアーク溶接用フラックスは、ステンレス鋼からなる帯状電極と組み合わせて肉盛りサブマージアーク溶接に使用されるものである。そして、フラックスは、MgO、Al、SiO、ZrO、CaOを所定量含有するとともに、金属Siを含有する。さらに、フラックスは、金属Siの含有量[Si](質量%)と、ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係を規定したものである。
また、フラックスは、金属弗化物を所定量含有することが好ましい。また、フラックスは、金属Vおよび金属Nbを含有し、金属Vの含有量[V](質量%)と、金属Nbの含有量[Nb](質量%)との合計の含有量を所定にすることが好ましい。
以下、フラックスの化学成分等の限定理由について詳細に説明する。なお、各成分の含有量は、フラックス全体についての含有量である。
[MgO:17質量%以上30質量%以下]
MgOは、塩基度を高めるとともに、スラグ剥離性を向上させる作用があり、これらの作用を有効に発揮させるためには17質量%以上添加する必要がある。しかし、30質量%を超えると、スラグ焼き付きを引き起こす。したがって、MgO含有量は、17質量%以上30質量%以下とする。MgO含有量は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは21質量%以上である。また、スラグ焼き付きの発生をより抑制する観点から、好ましくは27質量%以下、より好ましくは26質量%以下である。なお、MgOは炭酸塩の形で添加しても同様の効果が得られる。その場合は、MgOに換算して上記範囲内になるように添加する必要がある。
[Al:10質量%以上20質量%以下]
Alは、スラグの融点に作用する成分でビードの止端部の直線性を保つ効果がある。しかし、Al含有量が10質量%未満であったり、20質量%を超えたりすると、ビードの止端部の直線性が保てなくなる。したがって、Al含有量は、10質量%以上20質量%以下とする。Al含有量は、ビードの止端部の直線性をより良好にする観点から、好ましくは12質量%以上、より好ましくは13質量%以上である。また、ビードの止端部の直線性をより良好にする観点から、好ましくは18質量%以下、より好ましくは17質量%以下である。
[SiO:10質量%以上30質量%以下]
SiOは、滑らかなビード形状を得るために不可欠であり、この効果を発揮するためには10質量%以上添加する必要がある。しかし、30質量%を超えると、ビードの均一性が損なわれる。したがって、SiO含有量は、10質量%以上30質量%以下とする。SiO含有量は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは14質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。また、ビード形状をより良好にする観点から、好ましくは21質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。なお、SiOは粘結剤(水ガラス等)から添加されるものも含まれる。
[ZrO:5質量%以上15質量%以下]
ZrOは、ビードの馴染みを向上させるのに有効であり、この効果を発揮させるためには5質量%以上添加する必要がある。しかし、15質量%を超えると、スラグ剥離性が劣化する。したがって、ZrO含有量は、5質量%以上15質量%以下とする。ZrO含有量は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは7質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。また、スラグ剥離性をより向上させる観点から、好ましくは13質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
[CaO:1.0質量%以上15質量%以下]
CaOは、フラックスの塩基度を高め、溶接時の冶金反応を促進するとともにスラグ剥離性を高める成分であり、これらの効果を発揮させるためには1.0質量%以上添加する必要がある。しかし、15質量%を超えると、スラグの粘性が増大しすぎて、均一なビード形状を得にくくなる。したがって、CaO含有量は、1.0質量%以上15質量%以下とする。CaO含有量は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは1.5質量%以上、より好ましくは2.0質量%以上である。また、ビード形状をより良好にする観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは9質量%以下である。なお、CaOは炭酸塩の形で添加しても同様の効果が得られる。その場合は、CaOに換算して上記範囲内になるように添加する必要がある。
[金属Si]
金属Siは、フラックス中に、単体または合金として含有される。本発明者らは、ステンレス鋼の帯状電極を用いたサブマージアーク溶接において、溶接金属とスラグとの界面においてCr酸化物(Cr)が形成されることによりスラグ剥離性が悪化する知見を得た。そして、フラックス中に含まれる金属Siは、ステンレス鋼が溶接されることで形成される溶接金属の表面側で、スラグと溶接金属との界面でCrより優先的に酸化することを見出した。すなわち、金属Siは、スラグの剥離性を悪化させるCr酸化物(Cr)が形成されることを防止し、スラグ剥離性を向上させるための元素である。
金属Si含有量が0.1質量%以上3質量%以下の場合、スラグ剥離性を良好にする効果がより向上する。したがって、金属Si含有量は、0.1質量%以上3質量%以下とすることが好ましい。金属Si含有量は、前記効果をより向上させる観点から、より好ましくは0.2質量%以上である。また、前記効果をより向上させる観点から、より好ましくは1質量%以下である。
[金属Siの含有量[Si](質量%)と、ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係:3[Si]/2[Cr]≧0.025]
本発明者らは、鋭意検討した結果、フラックス中の金属Siの含有量とステンレス鋼中のCrの含有量には、スラグ剥離性を向上させるための関係があることを見出した。すなわち、「3[Si]/2[Cr]」({3×Si含有量}÷{2×Cr含有量})の値を0.025以上とすることで、ステンレス鋼中のCrが酸化することを十分に防止し、スラグ剥離性を向上させることができる。「3[Si]/2[Cr]」の値が0.025未満では、Crの酸化を防ぐ効果が低く、十分なスラグ剥離性が得られない。したがって、「3[Si]/2[Cr]」の値は、0.025以上とする。「3[Si]/2[Cr]」の値は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは0.035以上、より好ましくは0.045以上である。
[金属弗化物:1質量%以上20質量%以下]
フラックスは、金属弗化物を含有してもよい。金属弗化物はアークを安定させるとともにスラグの流動性を増し、滑らかなビードを得るために重要な役割を果たす成分である。これらの効果は1質量%以上添加することで有効に発揮される。また、20質量%以下では、アンダカットの発生を抑制できる。したがって、金属弗化物を添加する場合には、金属弗化物含有量は、1質量%以上20質量%以下とするとよい。ただし、金属弗化物含有量は、1質量%未満であっても問題ない。金属弗化物含有量は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。また、アンダカットの発生をより抑制する観点から、好ましくは17質量%以下である。なお、金属弗化物としては、CaF、NaAlF、BaF等が挙げられ、具体的な原料としては、ほたる石、氷晶石あるいはフッ化バリウム等が挙げられる。
[金属Vの含有量[V](質量%)と、金属Nbの含有量[Nb](質量%)との合計の含有量:0.1≦[V]+[Nb]≦3.0]
金属Vおよび金属Nbは、それぞれ溶接金属中のCやNと結びつき、炭化物や窒化物を形成することにより、溶接金属の耐熱亀裂性を向上させる。溶接金属の耐熱亀裂性が要求される場合は、金属V、金属Nbについては、金属Vの含有量[V](質量%)と、金属Nbの含有量[Nb](質量%)との合計の含有量が、「0.1≦[V]+[Nb]≦3.0」を満たす範囲で添加するとよい。「[V]+[Nb]」の値は、前記効果をより向上させる観点から、好ましくは0.3以上である。また、スラグ剥離性をより向上させる観点から、好ましくは2以下である。
金属Vおよび金属Nbの含有量は、「0.1≦[V]+[Nb]≦3.0」を満たす範囲で添加する場合、いずれか一方が0質量%であってもよい。
金属Vおよび金属Nbは、フラックス中に、単体または合金として含有される。なお、上記金属成分については、フェロバナジウム、フェロニオブといった形で添加してもよい。
[残部]
本実施形態のフラックスの成分組成におけるその他の残部には、その他の金属として、例えば、金属Mn、金属Fe、金属Ni、金属Mo、金属W、金属Cuを本発明の効果を妨げない範囲で含有してもよい。詳細には、例えば、合計28質量%以下、好ましくは26質量%以下、より好ましくは25質量%以下の範囲で含有されていてもよい。なお、これらの成分は、単体として存在してもよいし、合金として存在していてもよい。
また、その他の残部は、不可避的不純物である。不可避的不純物として、P、S、As、Ta、B、C、およびCO等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、例えば、合計1質量%以上9質量%以下の範囲で含有されていてもよい。これらの不可避的不純物は、天然鉱物を原料とするため含まれるものである。また、COは、MgOやCaOの炭酸塩に由来するものであり、例えば0.5質量%以上7質量%以下含まれる。なお、Cは単体として含まれたり合金中として含まれたりする。
そして、P、S、As、Ta、B、C、およびCO等については、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。また、前記した必須成分ではない金属弗化物、金属V、金属Nb、金属Mn、金属Fe、金属Ni、金属Mo、金属W、金属Cu等については、積極的に添加してもよいが、不可避的不純物として含まれていてもよい。
[その他]
本実施形態において、溶接の対象とするワークは、例えば軟鋼や低合金鋼である。また、溶接に用いる帯状電極は、例えば、Crを10質量%以上19質量%以下含有するステンレス鋼である。
本実施形態のサブマージアーク溶接用フラックスは、連鋳用ロール等の肉盛溶接を行う場合に適する。
[製造方法]
本実施形態のフラックスの製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。所定量の原料粉を配合し、結合剤(バインダ)とともに混練した後、造粒し、焼成し、整粒する等して、本実施形態に係る組成を有するサブマージアーク溶接用フラックスを製造する。その際、結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコールや水ガラスを使用することができる。また、造粒法は、特に限定されるものではないが、転動式造粒機や押し出し式造粒機等を用いる方法が好ましい。
以上のような構成とされた本実施形態のサブマージアーク溶接用フラックスにおいては、MgO:17質量%以上30質量%以下、Al:10質量%以上20質量%以下、SiO:10質量%以上30質量%以下、ZrO:5質量%以上15質量%以下、CaO:1.0質量%以上15質量%以下、を含有するとともに、金属Siを含有し、金属Siの含有量[Si](質量%)と、ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係が、3[Si]/2[Cr]≧0.025とされているので、例えば300℃以上600℃以下のような高温のパス間温度域で、サブマージアーク溶接によってステンレス鋼の帯状電極を用いて肉盛溶接を行っても、スラグ剥離性に優れ、かつ良好なビード形状の溶接金属を得ることができる。
また、本実施形態のサブマージアーク溶接用フラックスは、金属弗化物:1質量%以上20質量%以下を含有する場合、アークが安定するとともにスラグの流動性が増し、溶接金属のビード形状がより良好となる。
次に本発明の実施例を示す。表1、2に示す成分組成のサブマージアーク溶接用フラックスおよびバンドフープを使用して以下の条件で周方向に肉盛溶接を行い、スラグ剥離性およびビード形状について評価した。なお、予熱・パス間温度は、接触式の温度センサや放射温度計等を用いることで測定することができる。また、フラックスの成分は、例えばJIS Z 3352:2010に記載の方法に準拠して測定すればよい。
〈溶接施工条件〉
被溶接材:S25C(軟鋼)、直径250mm×長さ1000mm
溶接方法:帯状電極サブマージアーク溶接
使用電極(バンドフープ):ステンレス鋼、厚さ0.4mm×幅50mm
極性:DC,RP
溶接電流:650A
溶接電圧:25V
溶接速度:19cm/min
予熱・パス間:350℃以上600℃以下
溶接方法:4パス1層で3層盛
評価項目および評価基準は以下のとおりである。
[スラグ剥離性]
スラグ剥離性は、自然剥離したものを非常に良好(◎)、軽くたたくことにより剥離したものを良好(○)、軽くたたくだけでは剥離しなかったものを不良(×)とし、◎、○のものを合格とした。
[ビード形状]
ビード形状は、目視によって評価した。
ビード表面が均一でアンダカットやオーバーラップが無いビードであったものを非常に良好(◎)、アンダカットやオーバーラップがあったものの、0.3mm未満の軽度のアンダカットや0.3mm未満の軽度のオーバーラップであったものを良好(○)、0.3mm以上のアンダカットや0.3mm以上のオーバーラップがあったものを不良(×)とし、◎、○のものを合格とした。
そして、総合評価として、前記評価項目のいずれも◎のものを◎、いずれか一方が◎で他方が○、または、いずれも○のものを○、いずれか一つでも×のものを×として記した。
これらの結果を表1、2に示す。なお、表中、本発明の範囲を満たさないものは数値に下線を引いて示す。また、「その他の金属」の数値は、小数点以下2桁目を四捨五入した値である。
Figure 2017177204
Figure 2017177204
表1、2に示すように、本発明の範囲を満足するA1〜A24、A1−2〜A4−3は、すべての評価項目において合格であった。
一方、本発明の範囲を満足しないB1〜B13は、以下の結果となった。
B1は、MgO含有量が少ないため、スラグ剥離性に劣った。
B2は、MgO含有量が多いため、スラグ剥離性に劣った。
B3は、Al含有量が少ないため、ビード形状に劣った。
B4は、Al含有量が多いため、ビード形状に劣った。
B5は、SiO含有量が少ないため、ビード形状に劣った。
B6は、SiO含有量が多いため、ビード形状に劣った。
B7は、ZrO含有量が少ないため、ビード形状に劣った。
B8は、ZrO含有量が多いため、スラグ剥離性に劣った。
B9は、CaO含有量が少ないため、スラグ剥離性に劣った。
B10は、CaO含有量が多いため、ビード形状に劣った。
B11は、「3Si/2Cr」の値が小さいため、スラグ剥離性に劣った。
B12は、「3Si/2Cr」の値が小さいため、スラグ剥離性に劣った。
B13は、「3Si/2Cr」の値が小さいため、スラグ剥離性に劣った。
また、A1〜A4については、それぞれ、A1−2〜A4−2と比較して特にビード形状が良好であった。これにより金属弗化物による効果が確認された。
また、A1〜A4、A1−3〜A4−3については、下記のヒートクラック試験方法にて耐熱亀裂性を評価したところ、A1〜A4は、A1−3〜A4−3と比較して良好な耐熱亀裂性を有することが確認された。これによりV、Nbによる効果が確認された。
なお、ヒートクラック試験は、高周波コイルにより試験片表面を急速加熱し、次いで表面から水冷するという行為を繰り返す方式の試験である。具体的条件としては、試験片表面温度において700℃と150℃との繰り返しを800回行った。試験後、試験片を切断し、最大割れ深さを測定して耐熱亀裂性を評価した。
以上、本発明について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することが可能であることはいうまでもない。

Claims (4)

  1. ステンレス鋼からなる帯状電極と組み合わせて肉盛りサブマージアーク溶接に使用されるサブマージアーク溶接用フラックスであって、
    MgO:17質量%以上30質量%以下、
    Al:10質量%以上20質量%以下、
    SiO:10質量%以上30質量%以下、
    ZrO:5質量%以上15質量%以下、
    CaO:1.0質量%以上15質量%以下、
    を含有するとともに、
    金属Siを含有し、
    前記金属Siの含有量[Si](質量%)と、前記ステンレス鋼に含有されるCrの含有量[Cr](質量%)との関係が、
    3[Si]/2[Cr]≧0.025
    であることを特徴とするサブマージアーク溶接用フラックス。
  2. 前記金属Siの含有量が0.1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
  3. 金属弗化物:1質量%以上20質量%以下を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
  4. 金属Vおよび金属Nbを含有し、
    前記金属Vの含有量[V](質量%)と、前記金属Nbの含有量[Nb](質量%)との合計の含有量が、
    0.1≦[V]+[Nb]≦3.0
    の範囲であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサブマージアーク溶接用フラックス。
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