JP2017177036A - 光触媒の活性評価方法、光触媒製品 - Google Patents

光触媒の活性評価方法、光触媒製品 Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒層と基材とを有する光触媒製品における光触媒の活性を、光触媒製品が使用されている現場で直感的に理解できるようにする。【解決手段】光触媒製品1の光触媒層の表面には複数の遮蔽材2が貼り付けられている。遮蔽材2は、光触媒層に対して光触媒を活性化させる波長の光である特定波長光を照射した後光触媒層に貼られる。遮蔽材2は特定波長光を遮蔽する。光触媒層には続けて特定波長光が照射される。遮蔽材2は光触媒の活性を確かめたい適当なタイミングに一枚ずつ剥がされる。遮蔽材2で遮蔽されていた部分の光触媒層と、その周囲の遮蔽材2で覆われていなかった部分の光触媒層とに色調の違いがあれば、光触媒は活性を有すると評価される。【選択図】図9

Description

本発明は、所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の光触媒の活性を目視により評価するための光触媒の活性評価方法に関する。
酸化チタンを用いた光触媒は、安価で化学的安定性に優れ、高い光触媒活性(有機化合物分解性、抗菌性等)を有し、人体に無害であること等により、光触媒として広く用いられている。
また、例えば、酸化チタンに銅金属又は銅化合物を混合した酸化チタン含有組成物は、優れた光触媒機能と、抗菌・抗ウイルス性を持つことが知られている。
これら光触媒は、多くの場合、基材の表面に層状に形成された光触媒層中に混合した状態で使用される。
光触媒は、光触媒層に所定の波長の光を照射することによって活性化する。それにより、光触媒は、上記で例示した如き光触媒機能を発揮する。光触媒を活性化する光に要求される所定の波長は、例えば、可視光領域或いは紫外線領域である。
例えば、特許文献1には、1価の銅化合物と共に光触媒物質を含む微生物不活化剤としての酸化チタン含有組成物が開示されており、光触媒物質として酸化チタン触媒を用いることができることが開示されている。更に、特許文献1には、2価の銅化合物に比べて1価の銅化合物が微生物に対してはるかに強い不活化作用を有するとの記載がされている。
しかしながら、1価の銅化合物は酸化され易く、例えば1価の銅酸化物であるCuO(赤色)が酸化されて2価の銅酸化物であるCuO(黒色)に変化するなどした場合に色むらや抗菌・抗ウイルス性の低下が生じる場合がある。
酸化チタン含有組成物は所定の基材(例えば、膜材)の表面に塗布して、乾燥させるなどしてその主に固形分を基材の表面に固定させて使用されるのが一般的であるが、酸化チタン含有組成物を塗布して基材の表面に作られた光触媒層の表面に上述の如き色むらが生じると、意匠性に劣ることになる。
そのような点を改良するために、銅化合物として2価のものを用いることも、特許文献2では開示されている。2価の銅化合物には様々なものがあるが、その価格や入手の安定性等の面から見て、銅化合物に2価の酸化銅を用いるのが便利である。
本発明者は、CuOとルチル型酸化チタンの組合せで、高い抗菌性及び抗ウイルス性を有し、かつその抗菌性・抗ウイルス性が速効性を有し長期間に渡り持続する光触媒担持シートを特許文献3で提案している。
しかしながら、例えば2価の銅化合物として2価の酸化銅(CuO)を用いた場合には、酸化チタン含有組成物の色彩は全体として黒みがかったものになる。
このように1価又は2価の酸化銅化合物と酸化チタンを含む組成物は着色しており、その塗膜も着色することは知られている。
また、本発明者らは、2価の酸化銅(CuO)を用いた酸化チタン含有組成物の黒みがかった色彩を白色に近づけるべく、スルホン酸の添加を提案している(特許文献4)。
特開2011−190192号公報 特許第5343176号公報 特願2014−250826号 特願2015−242538号
光触媒は上述したように、所定の波長の光を照射されると活性化する。しかし、光触媒が活性化し、その光触媒機能等を発揮しているのか、或いは何らかの理由でその光触媒機能等を発揮していないのかを、少なくともユーザが直感的に知ることは難しい。
他方光触媒の活性評価方法としては、社団法人 日本ファインセラミックス協会のHP(http://www.jfca-net.or.jp/contents/view/1576/%E5%85%89%E8%A7%A6%E5%AA%92%E6%80%A7%E8%83%BD%E8%A9%95%E4%BE%A1%E6%96%B9%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%A8%99%E6%BA%96%E5%8C%96)に詳細に記載されている。
可視光応答型の光触媒の性能評価試験方法から主なものを抜粋するとJISで規格化された以下の4件の試験方法がある。
(1) セルフクリーニング 水接触角 JIS R1753
(2) 空気浄化 アセトアルデヒド JIS R1751−2
(3) 抗菌 JIS R1752
(4) 抗ウイルス JIS R1756
これらの評価方法は、それぞれ決められた条件で、決められた装置を用いて実施されるものであり、光触媒層をその表面に有する基材である光触媒製品が使用されている現場で簡単に実施できるものではない。また、その評価結果を、少なくとも専門家でない場合が多いユーザが直感的に理解できるものとも言い難い。
本願発明は、所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の光触媒の活性を、光触媒層と基材とを有する光触媒製品が使用されている現場で直感的に評価できるような光触媒の活性評価方法を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願発明者が提案するのは、所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価するための光触媒の活性評価方法(以下、単に、「活性評価方法」という場合がある)である。
そして、この活性評価方法は、前記光触媒層の表面の所定の範囲である第1範囲と、前記光触媒層の表面の前記第1範囲と重複しない範囲である第2範囲とに、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を所定の時間照射する第1過程と、前記第1過程終了後に、前記第2範囲を、前記特定波長光を透過しない層である遮蔽層で覆った状態で、前記第1範囲に特定波長光を所定の時間照射する第2過程と、前記第2過程終了後に、前記第1範囲の表面と前記第2範囲の表面との色彩を目視で観察する第3過程と、を含んでいる。
本願発明者は、可視光応答型の光触媒を含む光触媒層は、光の照射を受けた場合にその表面の色彩が変化するとき、その後その一部に光の照射を行い、他の一部を光を透過しない層である遮蔽層で覆った場合に、その一部と他の一部との色彩に目視で把握できる程の色彩の違いが生じる、という本願発明者が見出した新事実により、かかる光触媒の活性評価方法を想到するに至った。
光触媒層の上記一部を第1範囲とし、光触媒層の上記他の一部を第2範囲とすることにより、第1過程、第2過程を経た後における両者の色彩の変化を上記第3過程で目視により評価することができるのである。上記色彩の違いが生じる機序は現在のところ不明であることもあり、上記色彩の違いが光触媒に活性が生じていることを直接的に証明するものではない。しかしながら、そのような色彩の違いが生じる原因は、光が照射されているかいないかという光触媒を活性化させるための必須であり且つ略唯一の要因によるのであるから、かかる色彩の相違は、第1範囲における光触媒層に含まれる光触媒が活性化されているのに対して、第2範囲における光触媒層に含まれる光触媒が活性化されていないという事実に基づくことは明らかである。したがって、そのレベルにおいて、専門的な知識のないものであっても、上記色彩の違いが光触媒層内の光触媒が活性化されていること、第2範囲における光触媒層に含まれる光触媒であっても、遮蔽層が存在しなくなれば活性化することを、直感的に理解できる。実際、本願発明者は、第1過程、第2過程を実行した後における第3過程において上述の如き色彩の変化が生じたことを目視により確認することができた光触媒層においては、光触媒が活性化していたことを他の方法により確認している。本願発明の活性評価方法においての評価対象となる光触媒の活性は、これには限られないが、抗菌性及び/又は抗ウイルス性とすることができる。
しかも、この光触媒の活性評価方法は、専用の装置等が必要な従来技術で述べたような活性評価方法とは異なり、光を照射する(光は例えば自然光、或いは室内に存在する通常の照明からの光でも十分である場合すらある。)ことを除けば、遮蔽層(例えば、光触媒層のうちの第2範囲を被覆するシート(粘着シール)や、板等で十分である。)しか必要としないものであり、しかも第3過程における評価も目視で足りる(専用の装置等によらない肉眼による目視で十分である。)から、非常に簡単に実行できるものであり、基材と、その表面に設けられた光触媒層とを有する光触媒製品が使用されている現場でも容易に実行することができる。
これには限られないが、本願の活性評価方法では、前記第1範囲と前記第2範囲とを、互いに隣接するように選択することができる。これにより、第1範囲と第2範囲とに生じた色彩の差についての第3過程における目視による評価がより簡単になる。
第1範囲と第2範囲は互いに点接触するように配置されても良いが、両者の境界が線となるように互いに線接触するのが好ましい。その方が、第1範囲と第2範囲とに生じた色彩の差についての評価がより簡単になる。
また、これには限られないが、本願発明の前記第3過程では、前記第2範囲の表面から前記遮蔽層を除去した状態で、前記第1範囲の表面と前記第2範囲の表面との色彩を目視で観察しても良い。遮蔽層が透明(ただし、特定波長光に対しては不透明)であるのであれば、遮蔽層が第2範囲を覆ったままの状態でも第1範囲及び第2範囲の光触媒の色彩の観察が可能であるが、遮蔽層を除去すれば遮蔽層が透明か否かによらず、第1範囲及び第2範囲の光触媒の色彩の直接的で且つ正確な観察が可能となる。
また、これには限られないが、本願発明の評価方法において、特定波長光は、紫外光と可視光との少なくとも一方とすることができる。
また、これには限られないが、前記第1過程で照射される特定波長光と、前記第2過程で照射される特定波長光とは、波長が同じでなくても良いが、同じであっても良い。また、特定波長光には複数の波長の光が含まれている場合があるが、その場合、第1過程で照射される特定波長光と、第2過程で照射される特定波長光とは、それらに含まれるすべての光の波長が一致している必要はないし、それらに含まれるすべての光の波長が一致していても良い。
本願発明の活性評価方法で評価される光触媒製品における光触媒層に含まれる光触媒は、酸化チタンであっても良い。酸化チタンの結晶構造にはアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型があるが、それらのどれが酸化チタンとして選択された場合であったとしても、本願の活性評価方法による活性の評価が可能である。酸化チタンが、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンのうちのいずれかである場合も、それらの混合物である場合も同様である。光触媒としての酸化チタンは、特にアナターゼ型酸化チタン又はルチル型酸化チタンが好ましく、一般に紫外線照射下でより光触媒としての機能を発揮するアナターゼ型酸化チタンが好ましく用いられるが、アナターゼ型酸化チタン単独、ルチル型酸化チタン単独、或いはそれらの混合物が選択された光触媒が光触媒製品の光触媒層に含まれていたとしても、本願の活性評価方法が適用可能なのは上述の通りである。例えば、酸化チタン化合物が、酸化チタンに占めるルチル型酸化チタンのモル比が50%以上のものとなっていれば、酸化チタン化合物が生じる光触媒作用と、抗菌・抗ウイルス性をより大きくすることができるが(参考文献 特許文献2及び特許文献3)、そのような光触媒を用いた光触媒層に対しても本願の活性評価方法を適用することが可能である。
また、本願の光触媒の活性評価方法でその活性が評価される光触媒は、例えば以下のものである場合もある。光触媒が以下のものである場合でも、本願の活性評価方法による光触媒の活性の評価が可能である。
光触媒は、1価及び/又は2価の酸化銅化合物と酸化チタンとを含む組成物である場合がある。
より具体的には、光触媒は、これらのうち特に、2価の酸化銅及び少なくとも酸化チタン中50モル%以上のルチル型酸化チタンを含む組成物である場合がある。かかる光触媒は、高い抗菌性及び抗ウイルス性を有するため、選択されることがあり得るからである。
より具体的には、光触媒は、2価の酸化銅及び少なくとも酸化チタン中50モル%以上のルチル型酸化チタンを含み、前記2価の酸化銅に対して0.5倍モルから4.0倍モルの式(1)
−SOOH (1)
(式中、Rは置換基を有することのあるC1〜10のアルキル基、置換基を有することのあるC2〜10のアルケニル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルキル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルケニル基、又は置換基を有することのあるC6〜10アリール基を示す。)
で表されるスルホン酸を含む組成物である場合がある。かかる光触媒は、高い抗菌性及び抗ウイルス性を有するのみならず、白色をよく保ちやすいので選択されることがあり得るからである。
前記酸化銅の少なくとも一部が、上記式(1)で表されるスルホン酸との反応物となっていることもある。
光触媒層の一部を構成するバインダーは、酸化チタン含有組成物を始めとする光触媒と、バインダーとを含む溶液を、所定の基材の表面に塗布して、乾燥させるなどした場合に、光触媒を始めとするその固形分を基材の表面に固定させることができるようなものであれば良い。いずれにしても、バインダーには公知のものを用いることができる。そのような一般的なバインダーを用いて光触媒層を構成した場合においても、そのような光触媒層と基材とを有する光触媒製品における光触媒層中の光触媒の活性の評価を、本願の活性評価方法により行うことができる。
バインダーは、例えば、金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲルである場合があり、接着性をより強固にするという観点からは、その比表面積が、150℃で乾燥後50m/g以上あるのが好ましく、100m/g以上あると更に好ましいが、そのようなバインダーを採用した場合にももちろん、本願の活性評価方法を用いることができる。ここで、金属成分としては、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステン、錫等の金属の酸化物ゲル若しくは水酸化物ゲルを好ましく例示することができる。
上述したように、本願の活性評価方法でその活性が評価される光触媒は光触媒層中に存在する。この場合の光触媒層は、バインダーと光触媒とを懸濁させる液体である溶剤に懸濁させた溶液を基材の表面に塗布し、乾燥させる等して溶剤を蒸発させることにより、基材の表面に形成される。
この場合に用いられる溶剤は、水、アルコール類、ケトン類の1種又はそれらの2種以上の混合物である場合があるが、いずれの溶剤が光触媒層の形成のために用いられたとしても、本願の活性評価方法での光触媒の活性の評価が可能である。
上述のアルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、ケトン類としては、例えば、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
本願発明の光触媒の活性評価方法にてその活性が評価される光触媒は、上述したように光触媒層中に存在するものであり、光触媒を含む光触媒層は所定の基材の表面に設けられる。基材がどのようなものであるにせよ、本願の光触媒の活性評価方法を適用することが可能なのは当然である。
基材は、適当に選択できるが、例えばシート基材とすることができる。シート基材は、高分子樹脂の成形物、又は繊維による織物であってもよい。高分子樹脂の成形物であるシートの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等の成形物である。
具体例を以下に示す。
シート基材は、高分子樹脂を含むものであればその原料について特に制限されることはないが、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フッ化エチレン−プロピレン共重合樹脂、フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂等により、上記基材を形成することができる。また、シート基材として、1質量%以上80質量%以下の可塑剤、好ましくは5質量%以上80質量%以下の可塑剤を含むものを用い、これに上述の酸化チタン含有組成物を適用した場合には、従来の方法により得た光触媒製品と比較して顕著に光触媒機能の向上が見られる。
本発明に用いられる基材の形状は、フィルム状、板状、管状、繊維状、網状等どのような形状でもよい。また、その厚さは10μm以上であれば光触媒を強固に担持することができる。
より具体的には、テント地キャンバス、カーテン、壁紙等の膜材、またポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂等からなる光透過性材料を好ましく挙げることができる。
高分子樹脂によるシート基材と光触媒層、接着層との密着性を良くするために、放電処理やプライマー処理等をその表面に施したシート基材を用いることもできる。また、施工済の建築資材、家庭電化製品、めがね等用途によっては、製品として存在する加工済の高分子樹脂成形体に光触媒層が設けられることもあり得る。
特に膜材、その中でもテント地キャンバスの表面に光触媒層を設けてもよい。テント地キャンバスとしては、既存のどの様な種類のテント地キャンバスでも用いることができる。ポリエステル等の樹脂からなる繊維を織った基布、該基布に塩化ビニル樹脂をコート含浸塗布により加工した塩ビ含浸基布、該塩ビ含浸基布の表面をアクリル、フッ素樹脂等でコートした表面処理塩ビ含浸基布など、テント地キャンバスとして呼称される全てのものに適用可能であるが、広く使用されているB種テント地キャンバス、C種テント地キャンバス、倉庫用膜材料に対しては特に好ましく使用できる。
また、上記のテント地キャンバスに光触媒層を設けた光触媒製品は、広く一般建築用材料として、例えばテント倉庫の屋根、トラックシートなどの輸送体機器の幌、野積みシート、店舗用装飾テント、商店等の軒だし日除け、各種アーケードの屋根、展示会パビリオン等の屋根や側面の覆い、ガソリンスタンドの屋根や側面の覆い、防水保護シート、防雪シート、エアードーム、プールカバー、クイックシェルターの内膜、各種建築物の膜天井、仕切り、窓等、防汚、抗菌、防カビの効果を必要とする多くの場面にその優れた防汚性、抗菌性、防カビ性を生かして長期にわたって表面の美麗な状態を維持するため、特に好ましく使用できるものである。
中でも、優れた抗菌・抗ウイルス効果を利用して、医療用テントを含む医療施設、食品工場、食品倉庫、植物工場等に、特にそれらの内部に使用することが好ましい。
本願発明者は、また、本願の課題を解決する発明の他の態様として、以下の光触媒の活性評価方法をも提案する。かかる活性評価方法は、所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価するための光触媒の活性評価方法であって、前記光触媒層の異なる部分にそれぞれ、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を遮蔽する遮蔽材を、複数貼り付けておき、前記複数の遮蔽材を、所定の時間が経過する毎に順次剥がすことにより、剥がされた遮蔽材で覆われていた部分と他の部分との色調の変化を目視で確認することで前記光触媒層における前記光触媒の活性を評価する、光触媒の活性評価方法である。かかる活性評価方法においては、光触媒層に複数の遮蔽材を貼り付ける前に、光触媒層のうちの複数の遮蔽材が後に貼り付けられる部分に特定波長光を照射しておいてもよい。遮蔽材は、光触媒層を含む製品が使用される現場に設置され、その現場で光触媒層のうちの複数の遮蔽材が貼り付けられる部分に先立って、特定波長光が照射された後に光触媒層に貼り付けられても良い。遮蔽材は、また、光触媒層を含む製品が現場に設置される前に、例えば工場内で光触媒層のうちの複数の遮蔽材が貼り付けられる部分に先立って、特定波長光が照射された後に光触媒層に貼り付けられても良い。
また、かかる光触媒の活性評価方法を実施するのに便利な光触媒製品として、本願発明者は以下の光触媒製品をも本願発明の一態様として提案する。
その一例は、所定の基材と、前記基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層とを含んでいる、前記光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価することが可能な光触媒製品であって、前記光触媒層の異なる部分にそれぞれ、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を遮蔽する遮蔽材が、複数貼り付けられており、前記複数の遮蔽材を、所定の時間が経過する毎に順次剥がすことにより、剥がされた遮蔽材で覆われていた部分と他の部分との色調の変化を目視で確認することで前記光触媒層における前記光触媒の活性を評価することができるようになっている、光触媒製品である。
かかる光触媒製品における基材には、既に例示した様々な基材を採用することができる。また、かかる光触媒製品における光触媒層は、その光触媒、バインダー、溶剤等につき、既に例示した光触媒層と同じものとすることができ、且つ既に例示した光触媒層の製造方法と同様の方法で製造することができる。
試験結果を示すグラフ1。 試験結果を示すグラフ2。 試験結果を示すグラフ3。 試験結果を示すグラフ4。 試験結果を示すグラフ5。 試験結果を示すグラフ6。 試験結果を示す表1。 試験結果を示す表2。 一実施形態による光触媒製品の構成を示す平面図。
以下、本願発明の実施形態について説明する。
この実施形態では、本願発明による光触媒の活性評価方法の手順について説明するが、それに先立って光触媒の活性評価方法でその活性を評価される光触媒製品の製造方法についてまず説明することとする。
もっとも、本願発明による光触媒の活性評価方法でその光触媒の活性を評価可能な光触媒製品は、以下に説明する方法で製造される光触媒製品には限られないので、その点注意されたい。
光触媒製品を製造するにあたり、まず、基材に対して塗布することで光触媒層を形成するための光触媒塗布液を製造する。この光触媒塗布液を基材に対して塗布し、溶剤を蒸発させることにより、基材の表面に光触媒層が形成される。
この実施形態では、後述する2つの光触媒塗布液である光触媒塗布液A、Bの製造方法を例示的に説明することとする。
光触媒塗布液の製造方法は、大雑把に言えば、酸化チタン化合物と、2価の酸化銅と、バインダーと、溶剤とを、添加混合し、必要に応じて撹拌するというものである。
ここで、酸化チタン化合物は、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタンから選択でき、又はそれらの混合物であっても良い。中でも、アナターゼ型酸化チタン又はルチル型酸化チタンが好ましく、また、それらは混合されていてもよい。酸化チタン化合物が、酸化チタンに占めるルチル型酸化チタンのモル比が50%以上のものとなっていても良い。このような酸化チタン化合物を用いることにより、酸化チタン化合物が生じる光触媒作用と、抗菌・抗ウイルス性をより大きくすることができる。
光触媒塗布液には、1価及び/又は2価の酸化銅が加えられていてもよい。2価の酸化銅は酸化チタン化合物に担持されたものでもよい。2価の酸化銅が含まれている場合、光触媒塗布液には、2価の酸化銅及び酸化チタン中少なくとも50モル%以上のルチル型酸化チタンを含んでもよい。2価の酸化銅が含まれている場合、光触媒塗布液には、酸化チタン中少なくとも50モル%以上のルチル型酸化チタンが含まれ、更に2価の酸化銅に対して0.5倍モルから4.0倍モルの式(1)
−SOOH (1)
(式中、Rは置換基を有することのあるC1〜10のアルキル基、置換基を有することのあるC2〜10のアルケニル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルキル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルケニル基、又は置換基を有することのあるC6〜10アリール基を示す。)
で表されるスルホン酸が含まれていても良い。この場合、酸化銅の少なくとも一部が、上記式(1)で表されるスルホン酸との反応物となっていてもよい。
また、2価の酸化銅と上記式(1)で表されるスルホン酸との反応物は、従来の酸化チタン含有組成物に上記式(1)で表されるスルホン酸を加えただけで生じる場合もあるし、製造の過程でかかる反応物を生じさせるための反応を促進するための処理を行って得られる場合もある。反応物は、上述の如き反応物の生成を促進する処理を行った上で生じたものとそうでないもののいずれでも良い。
光触媒塗布液を生成するのに用いる溶剤は、公知のものを用いることができる。溶剤は、水、アルコール類、ケトン類の1種又はそれらの2種以上の混合物であってもよい。アルコール類としては例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、ケトン類としては、例えば、アセトン、アセチルアセトン、メチルエチルケトン、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
光触媒塗布液を生成するのに用いるバインダーは、基材に対して酸化チタンを固定できるようなものであれば良い。いずれにしても、バインダーには公知のものを用いることができる。バインダーは、金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲルで、その比表面積が、150℃で乾燥後50m/g以上あるのが好ましく、100m/g以上あると更に好ましい。金属酸化物ゲル若しくは金属水酸化物ゲル中の金属成分としては、珪素、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、マグネシウム、ニオビウム、タンタラム、タングステン、錫等の金属の酸化物ゲル若しくは水酸化物ゲルを例示することができる。
[光触媒塗布液Aの製造]
光触媒塗布液Aの製造方法は以下の通りである。
光触媒塗布液Aは2価の酸化銅を含むものとし、また、2価の酸化銅は酸化チタン化合物に担持されたものとされる。もちろん、これら条件は既述のように必ずしも充足されるべきものではないが、この実施形態ではそうされている。
酸化チタン化合物に2価の酸化銅を担持させる方法は公知であり、その方法により2価の酸化銅を担持させた酸化チタン化合物を得ることができる。
その方法の一例として、特許文献2(特許第5343176号公報)の段落[0021]における「製造方法1」に準じた方法に続けて、段落[0029]における「製造方法3」を実行する方法を挙げることができる。すなわち、結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタン、2価銅化合物原料(例えばCuCl・2HO)、水、及びアルカリ性物質を混合してなる混合物を攪拌した後に脱水することにより、銅及びチタン含有組成物(Cu(OH)Cl/TiO)を得ることができる。
次に製造方法1で得られた銅及びチタン含有組成物を、更に熱処理することで、2価の酸化銅/酸化チタン化合物(本発明に用いられるCuO/TiO担持体を示す)を得ることができる。この熱処理により、2価の銅化合物が酸化チタンに強固に結合する。
酸化チタン化合物に2価の酸化銅を担持させる方法の他の例として、特許文献2の段落[0029]における「製造方法2」に準じた方法に続けて、段落[0029]における「製造方法3」を実行する方法を挙げることができる。即ち、結晶性ルチル型酸化チタンを含む酸化チタンと、2価銅化合物原料(例えば、CuCl・2HO)とを、乾式混合又は湿式混合することにより銅及びチタン含有組成物(CuCl・2HO/TiO)を得ることができる。
次に製造方法2で得られた銅及びチタン含有組成物を、更に熱処理することで、2価の酸化銅/酸化チタン化合物(CuO/TiO担持体)を得ることができる。この熱処理により、2価の銅化合物が酸化チタンに強固に結合する。
更に、上述の製造方法1又は製造法2で得たCuO/TiO担持体に、界面活性剤(公知又は周知のもので良い)と、溶剤としての蒸留水とを添加混合して、所定量の固形分に調整したスラリーを調合する。
次に、このスラリーにこれも溶剤の一部をなすアルコールを添加して混合分散させ固形分を所定量に調整したものに更に、バインダーとして例えば硝酸酸性シリカゾルを添加して攪拌混合し、更に硝酸を添加してpHを調整して、光触媒塗布液Aを得る。
[光触媒塗布液Bの製造]
光触媒塗布液Bの製造方法は、以下の通りである。
光触媒塗布液Bの製造方法は概ね光触媒塗布液Aの製造方法に倣うが、光触媒塗布液Aに含有される2価の酸化銅(CuO)に対して、0.5倍モルから4.0倍モルの下記式(1)で表されるスルホン酸を添加し、必要に応じて攪拌する。
−SOOH (1)
(式中、R1は置換基を有することのあるC1〜10のアルキル基、置換基を有することのあるC2〜10のアルケニル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルキル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルケニル基、又は置換基を有することのあるC6〜10アリール基を示す。)
ここで、式(1)で示されるスルホン酸に含まれるRであるC1〜10のアルキル基またはC2〜10のアルケニル基は、直鎖、分岐鎖のいずれの構造であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、メチルビニル基、1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、1−メチルアリル基、1−ブチレニル基、2−ブチレニル基、イソブチレニル基、1,3−ブタジエン−1−イル基等を挙げることができる。
により示されるC3〜10のシクロアルキル基又はC3〜10のシクロアルケニル基としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基等を挙げることができる。
により示されるC6〜10のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等を挙げることができる。
もっとも、酸化チタン含有組成物の色彩を白色に近いものとすることを考慮すれば、2価の酸化銅と上記式(1)で表されるスルホン酸との反応を促進させて、酸化銅とスルホン酸との反応物をより多く生成させるべきである。詳細な方法であるC法を次に示す。
(C法)
固形分として、酸化チタン化合物、2価の酸化銅、及びバインダーを含むとともに、それらを懸濁させる溶剤を含み、且つ上記2価の酸化銅に対して、0.5倍モルから4.0倍モルに相当する量の上記式(1)で表されるスルホン酸を含んでなる懸濁液を撹拌混合することにより酸化チタン含有組成物を製造する方法であって、好ましくはその懸濁液に、以下の処理を行うことにより酸化チタン含有組成物を製造する方法である。C法には、以下の1〜3が含まれる。
1.懸濁液に上記式(1)で表されるスルホン酸を添加して、室温で攪拌混合する方法(C−1法と称する)。
2.懸濁液に上記式(1)で表されるスルホン酸を添加して、加温下に攪拌混合する方法(C−2法と称する)。
3.懸濁液に上記式(1)で表されるスルホン酸を添加して、紫外線を照射下で加温し、攪拌混合する方法(C−3法と称する)。
C−1法において、反応条件は特に制限されるものではない。攪拌混合する時間つまり、反応時間は、好ましくは、酸化チタン含有組成物の色が白色になるまで、あるいは均一に混合後、攪拌を止めて静置し、酸化チタン含有組成物の色が白色になるまでとすれば良い。
この方法によれば、2価の酸化銅(CuO)と上記式(1)で表されるスルホン酸のスルホン酸基との中和反応が主に進むと思われる。
C−2法において、反応条件は特に制限されるものではない。反応温度は、特に制限されるものでないが、50℃以上200℃以下で、好ましくは100℃以上150℃以下とすることができる。反応時間は、反応温度及び上記式(1)で表されるスルホン酸の添加量により異なるが、酸化チタン含有組成物の色が白色になるまで攪拌すれば良い。
この方法によれば、2価の酸化銅(CuO)とスルホン酸のスルホン酸基との中和反応が進み、特にスルホン酸がビニルスルホン酸等の2アルケニルスルホン酸である場合にはバインダーの水酸基とアルケニルスルホン酸の二重結合の反応が並行して進むものと思われる。
C−3法において、反応条件は特に制限されるものではない。反応温度は特に制限されるものでないが、50℃以上150℃以下とすることができる。紫外線の波長と強度は、UVA(400〜315nm)やUVB(315〜280nm)の波長で、紫外線強度0.5〜5mw/cmとすることができる。反応時間は、反応温度、紫外線強度や、上記式(1)で表されるスルホン酸の添加量によって異なるが、少なくとも、酸化チタン含有組成物の色が白色になるまで攪拌すれば良い。
この方法によれば、2価の酸化銅(CuO)とスルホン酸のスルホン酸基との中和反応が進み、特にスルホン酸がビニルスルホン酸等の2アルケニルスルホン酸である場合には、バインダーの水酸基とアルケニルスルホン酸の二重結合の反応が並行して進み、二重結合との反応の割合がC−2法より増加し、更に、紫外線照射により、系内で光触媒反応も生じるものと思われる。
以上で説明した光触媒塗布液A、Bに例示される光触媒塗布液は、例えば、その用途が光触媒である場合もあるし、その用途が抗菌又は抗ウイルス剤である場合もある。
また、以上で説明した光触媒塗布液は、例えば、基材(例えば、シート)の表面(少なくとも一方の面)の、例えば全面に塗布し、乾燥させて溶剤を蒸発させることにより、基材の表面にその固形分を固定させて光触媒層を形成させるようにして用いる。もっとも、基材としては、課題を解決するための手段の欄で種々挙げたものの中から、適宜選択することができる。
基材がシートである場合、シートは、高分子樹脂の成形物、繊維による織物、繊維織物を芯材として高分子樹脂で被覆加工したシートであっても良い。高分子樹脂の成形物であるシートの例は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂等の成形物である。繊維による織物の例は、ポリエステル繊維織物やガラス繊維織物である。繊維織物を芯材として高分子樹脂で被覆加工したシートの例は、ポリエステル繊維織物やガラス繊維織物を芯材にした塩化ビニルテント基材、ガラス繊維織物を芯材とするフッ素樹脂テント基材である。
酸化チタン含有組成物が塗布された基材の表面は、酸化チタンと2価の酸化銅による光触媒機能と抗菌・抗ウイルス性とを併せ持つことになる。
このようにして製造されるのが、基材の表面に光触媒層を有する光触媒製品である。
以上における光触媒塗布液を用いて基材の表面に光触媒層を有する光触媒製品を製造する場合には、例えば、以下の(D法)を用いることができる。
(D法)
以上で説明した光触媒塗布液を基材の表面に塗布し、乾燥させることによってそれに含まれる溶剤を蒸発させることにより光触媒製品を製造する方法であって、酸化チタン含有組成物を塗布した後に、以下の処理を行うことで、光触媒製品を製造する方法である。D法は、以下の2種類である。
1 上記のいずれかの光触媒塗布液を基材に塗布後、150℃以下の温度で乾燥、硬化して、光触媒製品を製造する方法。(D−1法と称する)
2 上記のいずれかの光触媒塗布液を基材に塗布後、150℃以下の温度かつ紫外線照射下で乾燥、硬化して、光触媒製品を製造する方法。(D−2法と称する)
これら製造方法によれば、塗膜を乾燥することにより塗膜と基材との結合を強固にするとともに、スルホン酸がビニルスルホン酸等の2アルケニルスルホン酸である場合には、アルケニルスルホン酸の二重結合とバインダーの水酸基との反応が促進することによって、アルケニルスルホン酸を固定化することが期待できるので、塗膜中のアルケニルスルホン酸の流出を防げることにより、光触媒製品中の光触媒層に含まれるアルケニルスルホン酸に由来する機能がより良く維持されると考えられる。
以上のような光触媒製品は、これには限られないが、基材がシートである場合にはシート状である。シート状の光触媒製品は、例えば基材の片面側の全面を覆う光触媒層を有している。
この実施形態における光触媒製品1は長尺の矩形であり、例えばその一端側の端部付近に、図9に示したように、その光触媒層の一部を覆う遮蔽材2を有している。
これには限られないがこの実施形態における遮蔽材2はそれぞれ同形状の矩形であり、互いに隣接するようにして配列されている。隣り合う遮蔽材2の長辺同士は互いに一致するようになっており、隣り合う遮蔽材2は線接触するようになっている。
遮蔽材2は、光触媒製品1の光触媒層に対して、その光触媒層に含まれる光触媒を活性化する波長の光である特定波長光が届くのを妨げる機能を有している。つまり、遮蔽材2は、特定波長光に対して不透明な素材でできており、特定波長光を遮断する機能を有している。かかる機能を果たせるのであれば遮蔽材2の素材は不問であり、例えばシート状或いは板状である。この実施形態の遮蔽材2はそれぞれシート状である。各遮蔽材2はまた、他の遮蔽材2から独立して光触媒製品1から剥がせるようになっている。光触媒製品1から遮蔽材2をそれぞれ剥がせるようにするには例えば、既存の公知或いは周知の粘着剤を利用すれば良い。
遮蔽材2は、光触媒層を含む光触媒製品1が使用される現場に設置され、その現場で光触媒層のうちの複数の遮蔽材2が貼り付けられる部分に先立って、特定波長光が照射された後に光触媒層に貼り付けられても良い。遮蔽材2は、また、光触媒層を含む光触媒製品1が現場に設置される前に、例えば工場内で光触媒層のうちの複数の遮蔽材が貼り付けられる部分に先立って、特定波長光が照射された後に光触媒層に貼り付けられても良い。前者の場合も後者の場合も、光触媒層に遮蔽材2が貼られる前における光触媒層への特定波長光の照射は、その照射そのものを目的として行うには及ばず、特定波長光が光触媒層のうちの本願でいう第1範囲と第2範囲に当たるようにして存在する環境に光触媒製品が置かれていれば足りる。例えば、特定波長光を照射する照明が設けられた室内に光触媒製品1が置かれている場合、或いは日光が差し込む部屋に光触媒製品1が置かれている場合である。
上述の各遮蔽材2は、上述したように、光触媒製品1の光触媒層に対して特定波長光をある程度の時間照射した後で光触媒層にすべて貼られる。特定波長光は、紫外光又は可視光の少なくとも一方が含まれる。特定波長光は、白色LED、白熱電球などからの人工的な可視光でもよいし、ブラックライト(BLB)などからの人工的な紫外光でもよい。他方、特定波長光は、可視光と紫外光とを含む日光である自然光である場合もある。特定波長光は、連続して光触媒層に照射される必要はなく断続的に照射されても構わない。
その後、光触媒製品1の光触媒層に対して特定波長光の光が照射される。この場合の特定波長光の波長は、遮蔽材2が貼られる前に光触媒層に照射された特定波長光とその波長が一致していても構わないし、そうでなくても良い。遮蔽材2が貼られる前に光触媒層に照射された特定波長光に複数の波長の光が含まれていた場合、それら複数の波長の光のすべてが遮蔽材2が光触媒層に貼られた後において照射される特定波長光に含まれていても良いし、そうでなくても良い。また、遮蔽材2が貼られる前と同様、ここでの特定波長光の光触媒層への照射も連続的なものであっても断続的なものであっても良い。
その後適当な時間が経過する毎に、例えば半年、或いは一年毎に、遮蔽材2を一枚ずつ剥がしていく。これには限られないが、この実施形態では、遮蔽材2を図9における左側に位置するものから、一枚ずつ順に剥がしていくものとする。
後述する実験例の説明から明らかなように、遮蔽材2が剥がされたことにより露出した光触媒層と、そもそも遮蔽材2で覆われておらず、遮蔽材2が光触媒層に貼られた後においても特定波長光の照射を受けていた光触媒層とは、その色彩が異なるものとなっている。具体的には、遮蔽材2で覆われていた部分の光触媒層の方が、遮蔽材2で覆われていなかった部分の光触媒層よりもその色彩が灰色に近い色彩となっているか、或いはその色調が暗くなっており、また当初は遮蔽材で覆われておらず、一定期間光照射を受けた後で、遮蔽材で遮蔽し、一定の時間経過後遮蔽材を剥がした部分は、当初から光照射を受け続けていた部分と比べ色彩が白くなっているか、或いはその色調が明るくなっている。そのような色彩或いは色調の相違により、この光触媒層に含まれる光触媒は活性化している、という評価を行うことができる。光触媒が活性を持つという評価を、光触媒が、抗菌性及び/又は抗ウイルス性を持つという評価としても良い。
この実施形態による光触媒の活性評価方法を、以下のようにまとめることができる。
(1)光触媒製品を、活性を評価する対象となる光触媒が含まれる光触媒層に自然光又は照明器具などの、光触媒を活性化する波長の光である可視光又は紫外光の少なくとも一方を含む特定波長光が届く設置場所に設置する。かかる光触媒製品の設置場所は、光触媒の活性評価方法を実行することを目的として選択するのではなく、光触媒製品が本来使用される場所とすることができる。例えば、抗菌性や抗ウイルス性が必要な場所であり、より具体的には、一般住宅屋内、医療用テントを含む医療施設、食品工場、食品倉庫、植物工場、空港及び多くの人が集まる空間等である。
(2)設置された光触媒製品の光触媒層に光を遮蔽する、例えば遮蔽シートである遮蔽材を、好ましくは複数枚固定して光触媒層の表面を部分的に遮蔽する。遮蔽材は、特定波長光を遮蔽するものであれば特に限定されるものでない。例えば、紙類、プラスチックシートやマグネットシート、光を通さない金属、木材等で構成された板などが好適に用いられる。遮蔽材のサイズや形状は特に限定されるものでないが、遮蔽材が剥がされた後の部分と遮蔽されていなかった部分とで、光触媒層の色調差が認識出来る範囲が選択可能であり、遮蔽材の存在が美的に見苦しくなければなお良い。例えば、直径3cm程度の円形や1辺3cm程度の正方形が好ましい。光触媒層の表面に遮蔽材を固定又は接着する方法は特に限定されるものでないが、設置中に意図せぬ剥がれがなく、剥離する時に光触媒層を傷つけない程度の接着強度が好ましい。例えば、再剥離可能なアクリル系粘着剤などが好適に用いられる。具体的には、スリーエム ジャパン株式会社が製造・販売する3Mスコッチカル再剥離コントロールフィルム(商標)や、大阪シーリング印刷株式会社が製造・販売する再剥離 塩ビ基材用R糊(商標)などを上記粘着剤として用いることができる。
(3)遮蔽材設置後、光触媒製品における光触媒層中の光触媒の活性(抗菌性や抗ウイルス性など)を評価・確認したいとき、その都度遮蔽材を一枚ずつ剥がし、遮蔽材で遮蔽されていた部分と遮蔽されていなかった部分との色彩の差(色調差)を肉眼で観察する。両者間で色調差が認められる時は、光触媒が活性を有すると評価できる。更に遮蔽材を剥がした部分の光触媒層の色調が、遮蔽材で覆われていなかった周囲の部分の光触媒層の色調と同じ色調に戻るかを経過観察することもできる。仮に両部分の色調が時間の経過とともに同じ色調となるのであれば、光触媒が活性を有すると更に念押しで評価或いは確認することができる。
(4)同様の観察を例えば、年単位で実施し、光触媒層中の光触媒の活性を評価或いは確認することができる。
[実験例]
以下、実際に製作した光触媒製品を用いて行った、光触媒の活性評価方法の実験例について説明する。
<試料液A1及びA2の生成>
蒸留水1000gに、60g(100質量部)の酸化チタン化合物としてのルチル型酸化チタンA(BET値(10m/g)、ルチル化率(95.9モル%)、アナターゼ化率(4.1モル%)、半値全幅(0.18度)、一次粒子径(150nm):昭和タイタニウム株式会社製)を懸濁させるとともに、4.979g(銅換算で3.1質量部、3.0質量%)のCuCl・2HO(関東化学株式会社製)を添加して、10分攪拌した。
次いで、pHが10になるように、1mol/Lの水酸化ナトリウム(関東化学株式会社製)水溶液を添加し、30分間攪拌混合を行ってスラリーを得た。
次いで、このスラリーをろ過し、得られた粉体を純水で洗浄してから80℃で乾燥し、ミキサーで解砕し、試料を得た。得られた試料を大気中、450℃で、3時間加熱処理して、試料1を得た。
なお、この試料1は、それをフッ酸溶液中で加熱して全溶解し、抽出液をICP発光分光分析により定量したところ、酸化チタン100質量部に対して、銅イオンが3.1質量部(3.0質量%)であることがわかった。すなわち、試料1を作るために用いられた上述のCuCl・2HO由来の銅イオンの全量が銅化合物として酸化チタンの表面に担持されていることがわかった。更にこの銅化合物はESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis:X線光電子分光)の波形分離からCuOであることを確認した。
次いで、上述の試料1と、界面活性剤とを、溶剤としての蒸留水186.9gに添加し、攪拌混合して、固形分含量25質量%となるように調整されたスラリーであるスラリー1を得た。
次いで、この50gのスラリー1と、界面活性剤1.5gとを、エチルアルコール148.5gに添加して懸濁させたものに更に、バインダーとしての固形分含量25質量%の硝酸酸性シリカゾル50gを添加して攪拌混合し、これに更に硝酸を添加して液のpHを3に調整し、固形分が10質量%となっている、光触媒塗布液1(試料液A1)を250g得た。この光触媒塗布液1の色は、淡褐色であった。
次に、500mlの三口フラスコに、淡褐色を呈する上述の光触媒塗布液1を100g入れ、攪拌しながら上記式(1)で表されるスルホン酸の1つであり、更にはアルケニルスルホン酸の1つであるビニルスルホン酸(VSA−H:商標:旭化成ファインケム株式会社製、以下単に「VSA」と称する場合がある。)0.506g(光触媒塗布液1の固形分に対して5.1質量%)を添加混合し、室温で30分攪拌し、その後、攪拌しながら80℃まで加温し、80℃で3時間反応して液状の酸化チタン含有組成物である光触媒塗布液2を得た。
かかる光触媒塗布液2(試料液A2)の色彩は、白色であった。光触媒塗布液2中には、CuO 1モル当たり、2.0倍モルのVSAを含んでいた(これを、「VSA/CuO=2.0モル比」と略記する。以下も同様である。)。
ついで、試料液A1と試料液A2とを用いて、試料シートB1と試料シートB2とを作成した。
<試料シートB1及びB2の作成>
次に、本願発明における基材の一例としてのシートの表面(必ずしもこの限りではないが、この例ではシートの片面)に、試料液A1及びA2を塗布して乾燥させることにより、試料液A1及びA2のそれぞれの主に固形分を、シートの表面に固定させて光触媒層を形成させた。
ここで用いたシートは、ポリエステル繊維製の基布、ポリ塩化ビニル、可塑剤などを含んでおり、一般膜材をその用途とする白色のテント基材(E−5(商標):太陽工業株式会社製)である。
まず、この例では、シートに接着層を形成した。接着層は、シートに以下のようにして生成される接着層塗布液1を塗布して生成した。
接着層塗布液1は、シリコン含量が3質量%のアクリル−シリコン樹脂を10質量%含有するキシレン−イソプロパノール(50/50)溶液に、アクリル−シリコン樹脂に対して30質量%のポリシロキサン(メチルシリケート51(商標):コルコート株式会社製)と、界面活性剤とを添加し、混合することにより得た。
接着層塗布液1のシートへの塗布は、一般的なバーコータを用いて行った。その後、100℃で15分間乾燥して、塗布した接着層塗布液1を接着層とした。接着層の厚さは約2.0μmである。接着層を備えるシートは、A4の大きさであり、同じものを所定枚数作った。
次いで、以上のようにして作成した接着層を備えるシートのそれぞれの上記接着層上に、試料液A1及びA2をそれぞれ塗布し、乾燥させた。試料液A1及びA2の塗布は、一般的なバーコータを用いて行った。その後、100℃で15分間乾燥して、接着層の上に、試料液A1及びA2のいずれかに由来する約1.5μmの光触媒層を形成することにより、光触媒層を有するシートである試料シートB1及びB2を得た。これらは、本願でいう光触媒製品に相当するものである。
<試料シートB1の色調変化>(実施例1)
試料シートB1の光触媒層に向け、白色蛍光灯(少量の紫外光を含む可視光ランプ)からの特定波長光1000lxを所定時間照射し、色彩色差計のCIE色差式のL*値(明度 0;黒 100:白)とb*値(イエロー/ブルーで数値が大きいほど黄色が増加)の経時変化を測定した。また、照射開始から所定時間経過後、特定波長光を遮蔽する遮蔽材としての塩ビ(塩化ビニル)シートで試料シートB1の光触媒層の半分を遮蔽し、塩ビシートを所定時間ごとに一時的に除去することによって、塩ビシートで遮蔽された部分における光触媒層のL*値とb*値とを測定し、図1のグラフ1及び図2のグラフ2とにその結果を実線で示した。更に、試料シートB1のある部分については最初から塩ビシートで遮蔽した状態とし、当該部分における光触媒層のL*値も測定して、図1のグラフ1に破線で示した。なお、L*値が破線で示された最初から塩ビシートで遮蔽した状態とされた部分は、「最初から塩ビシートで遮蔽した状態とされた」ものではあるが、試料シートB1が製造された後、光触媒層の該当分が塩ビシートで遮蔽される前において、室内環境において存在する通常の照明からの照明光(この照明光には特定波長光が含まれるが、その強度、照射時間は不明である。)等の照射を受けていた。この事情は光触媒層の他の部分においても同様であり、また、後述する実施例2以降でも同様である。
グラフ1から判るように、特定波長光の照射開始後36日で遮蔽した後、塩ビシートで遮蔽された部分における光触媒層ではL*値は、ある大きさで一定になった。他方、塩ビシートで覆われていない部分では、グラフ1には表示がないがグラフ1の36日目で遮蔽された部分において、その手前の実線の延長線上をなぞるように徐々にL*値が変化するため、塩ビシートで遮蔽された部分と遮蔽されていない部分との境界で白色度の差が生じ、その差を肉眼で確認することができた。これは光照射がなくなると光触媒活性が消失するためと考えられる。また、最初から塩ビシートで遮蔽された状態とされた部分と、特定波長光が照射され続けた部分、或いは特定波長光が照射され後に遮蔽された部分とにおいても、前者の色調が後者の色調より暗くなり、その差を肉眼で確認することができた。
他方、試料シートB1の光触媒層のうち最初から塩ビシートで遮蔽した部分では、特定波長光が遮蔽シートの下部には届かないため、L*値の変化が終始少なかった。試料シートB1の最初は塩ビシートで覆われていなかった部分とは、後に塩ビシートで覆われることになった部分、塩ビシートで覆われなかった部分双方との間で、L*値の差があり、その差は肉眼で十分に確認できた。
また、グラフ2によれば、特定波長光の照射開始から12日頃まで黄色が増加し、その後黄色が減少し、塩ビシートで遮蔽すると黄色の強さはそのまま保たれb*値は一定を保った。12日以降、黄色(b*値)が減少するのは、12日までは光触媒層内で光触媒によって生じる酸化分解による黄色が優勢だが、それ以降はCuOの還元等による白色化が優勢になるからであると予想される。
<試料シートB1の色調変化>(実施例2)
試料シートB1の光触媒層に向け、BLBランプ(紫外光)からの特定波長光1mw/cmを所定時間照射し、色彩色差計のCIE色差式のL*値(明度 0;黒 100:白)とb*値(イエロー/ブルーで数値が大きいほど黄色が増加)の経時変化を測定した。また、照射開始から所定時間経過後、試料シートB1の光触媒層の半分を特定波長光を遮蔽する塩ビシートで遮蔽し、所定時間ごとのL*値とb*値を測定し、図3のグラフ3及び図4のグラフ4に実線で示した。更に、試料シートB1のある部分については最初から塩ビシートで遮蔽した状態とし、当該部分における光触媒層のL*値も測定して、図3のグラフ3に破線で示した。
グラフ3から判るように、特定波長光の照射開始後36日で遮蔽すると遮蔽部にL*値の急激な向上が認められた。これは、当該部分における光触媒層が急激に白色化したことを意味する。またL*値は、ある大きさで一定になった。他方、塩ビシートで覆われていない部分では、グラフ1の36日目で遮蔽された部分において、その手前の実線の延長線上をなぞるように徐々にL*値が変化するため、塩ビシートで遮蔽された部分と遮蔽されていない部分との境界で白色度の差が生じ、その差を肉眼で確認することができた。また、最初から塩ビシートで遮蔽された状態とされた部分と、特定波長光が照射され続けた部分、或いは特定波長光が照射され後に遮蔽された部分とにおいても、前者と後者との色調が重なる23日前後付近以降においては、前者の色調が後者の色調より暗くなり、その差を肉眼で確認することができた。
また、BLBランプ照射の場合のL*値は、最初から塩ビシートで遮蔽した部分の光触媒のL*値と、交差する個所があるが、エネルギーが強い紫外光である特定波長光を照射すると、12日〜13日でL*値が下がる(黒ずむ)という現象が生じたのだと思われる。かかる現象が生じるため、光触媒層のうち最初から塩ビシートで遮蔽された部分と、塩ビシートで遮蔽されなかった部分には肉眼で簡単に確認できる程度の色調の差があり、それ故光触媒の活性の存在を簡単に確認することができた。
グラフ4によれば、特定波長光の照射開始から12日頃まで黄色が増加し、その後減少し、遮蔽するとその黄色のまま一定のb*値を示した。
<試料シートB2の色調変化>(実施例3)
実施例1と同様の条件で、試料シートB2に対して白色蛍光灯からの特定波長光1000lxを照射し、図1のグラフ1に対応する図5のグラフ5及び、図2のグラフ2に対応する図6のグラフ6を作成した。
グラフ5によれば、光触媒層の白色化を促すVSAを試料液A1に添加したため、試料シートB2の光触媒層のうち塩ビシートで覆われていない部分の特定波長光照射開始時におけるL*値は、実施例1の場合よりも高くなっている。そのため、特定波長光の照射を開始すると、L*値が徐々に下がる(色調が暗くなる)。他方、特定波長光の照射開始後330時間経過した後に塩ビシートで遮蔽を行うと、L*値が実施例1程ではないが増加し、白色度が復活する。他方、塩ビシートで覆われていない部分では、グラフ1の36日目で遮蔽された部分において、その手前の実線の延長線上をなぞるように徐々にL*値が下がるので、塩ビシートで遮蔽された部分と遮蔽されていない部分との境界で白色度の差が生じ、その差を肉眼で確認することができた。
グラフ6によれば、可視光照射から69時間後まで黄色が増加し、その後黄色が一時減少し、遮蔽するまで黄色は増加し続けた。塩ビシートで光触媒層を遮蔽するとb*値はそのまま一定となり、黄色の程度は一定に保たれた。試料シートB2の場合は、可視光照射により白色度が徐々に下がるので、b*値は徐々に増加するものと解釈できる。
実施例1〜実施例3の結果を纏めて図7の表1に示した。
(実施例 4,5,6)
<抗菌性、抗ウイルス性>
抗菌性試験、抗ウイルス性試験をそれぞれJIS R 1752、JIS R 1756に準拠して行った。各試験ではそれぞれ、黄色ぶどう球菌、大腸菌およびQβバクテリオファージに対する抗菌性又は抗ウイルス性の評価を行った。光源は白色蛍光灯を用い、UVカットフィルター(N−169)を用いてλ≧380nmとした特定波長光としての可視光を試料シートの光触媒層の表面の照度が1000lxとなるようにして、1時間照射した。
実施例1,2及び3で用いた試料シートで所定時間、可視光又は紫外光照射後と遮蔽部の試料シートの抗菌性及び抗ウイルス性を測定し、図8の表2に示した。
(実施例4)
実施例1で実施した試料シートB1のうちの特定波長光を36日間照射した部分における光触媒層の抗菌性は、1000lxの明るさの可視光を1時間照射した後で、黄色ブドウ球菌及び大腸菌の双方に対して活性値が4.3であった。これは充分な抗菌活性を示したといえる。また、最初から塩ビシートで36日間遮蔽されていた部分における光触媒層の抗菌性も同様の数値であり、十分な抗菌活性を示した。故に可視光である特定波長光が照射された部分でもされない部分でも(つまり、色調の変化が互いに認められた両部分でも)、光触媒層中の光触媒は活性を保持していた。同様に、抗ファージ性に関しても十分な抗ウイルス活性を示した。
(実施例5)
実施例2で実施した試料シートB1の特定波長光を36日間照射した部分の光触媒層の抗菌性は、1000lxの明るさの可視光を1時間照射した後で、黄色ブドウ球菌及び大腸菌の双方に対して活性値が4.3であった。これは充分な抗菌活性を示したといえる。また、最初から塩ビシートで36日間遮蔽されていた部分における光触媒層の抗菌性も同様の数値であり、十分な抗菌活性を示した。故に紫外光である特定波長光が照射された部分でもされない部分でも(つまり、色調の変化が互いに認められた両部部分でも)、光触媒層中の光触媒は光触媒活性を保持していた。同様に、抗ファージ性に関しても十分な抗ウイルス活性を示した。
(実施例6)
実施例3で実施した試料シートB2の特定波長光を330時間照射した部分の光触媒層の抗菌性は、1000lxの明るさの可視光を1時間照射した後で、黄色ブドウ球菌及び大腸菌の双方に対して活性値が4.3であった。これは充分な抗菌活性を示したといえる。また、その後389時間遮蔽した部分の抗菌性も同様の十分な抗菌活性を示した。故に可視光が照射された部分と部分的に遮蔽し、可視光が照射され続けた部分と色調の変化が認められた部分の光触媒層中の光触媒はともに、光触媒活性を保持していた。同様に、抗ファージ性に関しても十分な抗ウイルス活性を示した。
故に各実施例における試料シートB1、試料シートB2の各光触媒層中の光触媒は、特定波長光が照射された部分と、特定波長光が遮蔽材により遮蔽された部分との間で色調差が認められる時は、活性を有しているといえ、特には抗菌性及び抗ウイルス性を発現していると看做せる。
<試料シートB1の簡易活性評価>
(実施例7)
試料シートB1を10cm角に切り出し、他方、白色マグネットシートを幅3cm×長さ10cmの矩形に2枚切り出した。そして、光触媒層を表にした試料シートB1の上下の端部を、横長となるようにしたマグネットシートで一般事務室の鉄製キャビネットに固定した。1000lxの明るさの白色蛍光灯からの光を特定波長光とし、特定波長光下で36日間放置後、下側のマグネットシートを外した。マグネットシートで覆われていた部分の光触媒層の色調はマグネットシートで覆われていなかった部分の光触媒層の色調より暗く、目視による色調差を容易に確認できた(遮蔽色調変化:○とする)。
下部のマグネットシートを外した部分を、同条件で更に36日間放置すると、当初からマグネットシートで覆われていなかった部分と同一でないが同じような色調に戻った(色調回復:△とする)。これらの色調変化は、実施例4との比較で明らかなように、可視光応答型光触媒の活性を示している。
(実施例8)
同様に試料シートB2で簡易活性評価を行い図7の表1に示した。試料シートB2の場合は、当初のL*値が高く白色に近いため、マグネットで覆われていた部分の光触媒層との色調差は少ないが、肉眼で色調差を確認出来た(遮蔽色調変化:△)。マグネットシートで遮蔽されていた部分の光触媒層の方がマグネットシートで遮蔽されていなかった部分の光触媒層より白い。
下部のマグネットシートを外した部分を同様に36日間放置すると、当初からマグネットシートで覆われていなかった部分と同じような色調に戻った(色調回復:○とする)。
(実施例9)
試料シートB1の基材の白色テント基材の代わりにPET(ポリエチレンテレフタラート)基材を用いた他は試料シートB1と同様にして、試料シートB3を作成した。
実施例7の試料シートB1の代わりに試料シートB3を用いて、簡易活性評価を行い結果を図7の表1に示した。PET基材は、テント基材に含まれている可塑剤を含まないが、簡易評価結果は実施例7と同様の結果であった。即ち、遮蔽色調変化:○、色調回復:△。
<CuO/TiO(ルチル型)可視光型酸化チタンの反応メカニズム>
書籍「可視光応答型半導体光触媒(橋本和仁編集、技術教育出版有限会社、2012年2月27日発行)のP3〜P14に銅イオン担持酸化チタンの可視光活性発現の提案メカニズムが図1に記載されている。
それによると(a)可視光照射によりTiOのVB(荷電子帯)からCu(II)イオンへ直接的な電荷移動である界面電荷移動が進行し、Cu(II)イオンはCu(I)へと還元される。(b)可視光照射によってTiOのVBからCu(II)イオンへ直接的な電荷移動に加え、バンド間励起によりCB(伝導帯)に生成した電子がCu(II)イオン還元に寄与する。(a)、(b)共に、TiO2のVBに生成した強い酸化力、大きな移動度を有する正孔が有機物の酸化分解に寄与する。
即ち、CuO/TiO(ルチル型)可視光型酸化チタンでは、可視光照射によるCuOの還元でCuOの生成と強い酸化力が明示されている。
<テント基材の変色>
一般的なテント基材には、ポリ塩化ビニルと多量のDOPなどの可塑剤を含んでおり、表面に光触媒塗膜が設けられていてもその可塑剤はテント基材最表面にブリードしている。紫外光型酸化チタン光触媒塗膜は、屋外の充分な紫外線照射下ではブリードして来る可塑剤を完全に酸化分解するので防汚テントに利用されている。紫外光型酸化チタン光触媒テントを光量の少ない場所に長時間保持すると、表面が黄変することがある。これは、部分酸化分解されたDOPなどの可塑剤の黄変であることが、赤外分光分析装置(FT−IR)のATR法によって確認(1600,1580cm−1のオルト置換体ベンゼン環骨格C=C伸縮振動及び1271cm−1のC=O伸縮振動ピークのシフト)されている。また、この黄変は紫外可視吸収スペクトル(UV−Vis)による400〜500nmピークの増加で確認されている。
同様にポリ塩化ビニル製テント基材表面にCuO/TiO(ルチル型)可視光型酸化チタン薄膜を塗布した時もテント最表面への可塑剤のブリードが確認されている。一般に、可視光照射下での可視光型光触媒膜の有機物の酸化分解活性は、紫外光照射下の紫外光型光触媒塗膜の酸化分解活性より、かなり低いものと看做されている。CuO/TiO(ルチル型)可視光型酸化チタンテントを完全に遮蔽した場所に長時間置いても黄変は少ないものの、他方可視光照射下で放置すると黄変する場合があるが、これは可視光型光触媒の酸化分解活性の発現と看做せる。この場合は、CuOの還元による色調変化(白色化)も含まれる。
実施例9では、可塑剤のないPET基材での簡易活性評価を行ったが、その結果は、純粋な光触媒活性によるCuOの色調変化と看做せる。
<比較例1>
<比較液1の生成>
蒸留水100gに、25g(100質量部)の酸化チタン化合物としてのルチル型酸化チタンA(BET値(10m/g)、ルチル化率(95.9モル%)、アナターゼ化率(4.1モル%)、半値全幅(0.18度)、一次粒子径(150nm):昭和タイタニウム株式会社製)と界面活性剤とを懸濁させ、攪拌混合して、固形分含量25質量%となるように調整されたスラリーであるスラリー2を得た。
次いで、この50gのスラリー2と、界面活性剤1.5gとを、エチルアルコール148.5gに添加して懸濁させたものに更に、バインダーとしての固形分含量25質量%の硝酸酸性シリカゾル50gを添加して攪拌混合し、これに更に硝酸を添加して液のpHを3に調整し、固形分が10質量%となっている、光触媒塗布液3(比較液1)を250g得た。この光触媒塗布液3の色は、白色であった。
<比較シート1の作成と簡易活性評価>
試料シートB1及びB2の作成の項で説明した試料液A1及びA2の代わりに比較液1を用いた他は同様な方法で白色の比較シート1を作成し、実施例4と同様の簡易活性評価を行い、結果を図7の表1に示した。
遮蔽色調変化は×で、遮蔽による色調変化はほとんど認められなかった。比較シート1の場合は、可視光吸収がほとんどないため、色調変化は認められなかった。
1 光触媒製品
2 遮蔽材

Claims (10)

  1. 所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価するための光触媒の活性評価方法であって、
    前記光触媒層の表面の所定の範囲である第1範囲と、前記光触媒層の表面の前記第1範囲と重複しない範囲である第2範囲とに、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を所定の時間照射する第1過程と、
    前記第1過程終了後に、前記第2範囲を、前記特定波長光を透過しない層である遮蔽層で覆った状態で、前記第1範囲に特定波長光を所定の時間照射する第2過程と、
    前記第2過程終了後に、前記第1範囲の表面と前記第2範囲の表面との色彩を目視で観察する第3過程と、
    を含んでいる、光触媒の活性評価方法。
  2. 前記第1範囲と前記第2範囲とを、互いに隣接するように選択する、
    請求項1記載の光触媒の活性評価方法。
  3. 前記第3過程では、前記第2範囲の表面から前記遮蔽層を除去した状態で、前記第1範囲の表面と前記第2範囲の表面との色彩を目視で観察する、
    請求項1又は2記載の光触媒の活性評価方法。
  4. 前記第1過程で照射される特定波長光と、前記第2過程で照射される特定波長光とは、波長が同じである、
    請求項1記載の光触媒の活性評価方法。
  5. 前記光触媒層に含まれる前記光触媒が、2価の酸化銅及び少なくとも酸化チタン中50モル%以上のルチル型酸化チタンを含む、
    請求項1に記載の光触媒の活性評価方法。
  6. 前記光触媒層に含まれる前記光触媒が、2価の酸化銅及び少なくとも酸化チタン中50モル%以上のルチル型酸化チタンを含み、前記2価の酸化銅に対して0.5倍モルから4.0倍モルの式(1)
    −SOOH (1)
    (式中、Rは置換基を有することのあるC1〜10のアルキル基、置換基を有することのあるC2〜10のアルケニル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルキル基、置換基を有することのあるC3〜10のシクロアルケニル基、又は置換基を有することのあるC6〜10アリール基を示す。)
    で表されるスルホン酸を含む、
    請求項1に記載の光触媒の活性評価方法。
  7. 前記特定波長光が、紫外光と可視光との少なくとも一方である、
    請求項1に記載の光触媒の活性評価方法。
  8. 前記光触媒の活性が、抗菌性及び/又は抗ウイルス性である、
    請求項1記載の光触媒の活性評価方法。
  9. 所定の基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価するための光触媒の活性評価方法であって、
    前記光触媒層の異なる部分にそれぞれ、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を遮蔽する遮蔽材を、複数貼り付けておき、
    前記複数の遮蔽材を、所定の時間が経過する毎に順次剥がすことにより、剥がされた遮蔽材で覆われていた部分と他の部分との色調の変化を目視で確認することで前記光触媒層における前記光触媒の活性を評価する、
    光触媒の活性評価方法。
  10. 所定の基材と、前記基材の表面に形成された可視光応答型の光触媒を含む光触媒層とを含んでいる、前記光触媒層中の前記光触媒の活性を目視により評価することが可能な光触媒製品であって、
    前記光触媒層の異なる部分にそれぞれ、前記光触媒を活性化する波長の光である特定波長光を遮蔽する遮蔽材が、複数貼り付けられており、
    前記複数の遮蔽材を、所定の時間が経過する毎に順次剥がすことにより、剥がされた遮蔽材で覆われていた部分と他の部分との色調の変化を目視で確認することで前記光触媒層における前記光触媒の活性を評価することができるようになっている、
    光触媒製品。
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