JP2017175881A - ステータおよびそのステータの製造方法 - Google Patents

ステータおよびそのステータの製造方法 Download PDF

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佐藤 純一
Junichi Sato
純一 佐藤
基史 大辻
Motofumi Otsuji
基史 大辻
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Abstract

【課題】モータに振動、騒音が発生し難いステータおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】ステータは、ハブ部(15)と、このハブ部(15)の外側に放射状に配置された複数のティース部(25)とを有する。上記ハブ部(15)は放射状に配置された複数の凸部(150)を有し、上記ティース部(25)は、上記凸部(150)に上記ハブ部(15)の径方向に挿抜可能な凹部(250)を有する。上記凸部(150)の外側面(150a)と凹部(250)の内側面(250a)とは互いに接触し、かつ、上記凸部(150)の外側面(150a)の輪郭と凹部(250)の内側面(250a)の輪郭とは互いに一致している。
【選択図】図2

Description

この発明は、アウターロータ型のモータに使用されるステータおよびそのステータの製造方法に関する。
従来、アウターロータ型のモータに使用されるステータとしては、特開2008−199762号公報(特許文献1)に記載のように、放射状に複数の凸部を有するハブ板を積層してなるハブ部と、一端に凹部を有するティース板を積層してなる複数のティース部とを有し、このハブ部の放射状の複数の凸部に複数のティース部の凹部を上記ハブ部の径方向の嵌合する前に、このティース部にコイルを巻回して、高占積にコイルを巻けるようにしたものがある。
そして、上記従来のステータにおいては、図7に示すように、一枚の電磁鋼板100から複数のハブ板110,110,110,…をできるだけ多くプレス機の金型で打ち抜くために、複数のハブ板110,110,110,…をできるだけ近接した状態で、電磁鋼板100から金型で打ち抜いている。また、図8に示すように、ティース板120も、一枚の電磁鋼板100から複数のティース板120,120,120,…をできるだけ多くプレス機の金型で打ち抜くために、複数のティース板120,120,120,…を互いに正逆反転しかつ近接した状態で、電磁鋼板100から金型で打ち抜いている。
このように、上記従来のステータにおいては、複数のハブ板110と複数のティース板120を別々の金型を用いて別々に成形し、複数のハブ板110を積層してハブ部(図示せず)を形成し、複数のティース板120を積層してティース部(図示せず)を形成している。そして、上記ティース部にインシュレータを介してコイルを巻回し、このコイルを巻回したティース部の凹部(積層した複数のティース板120の凹部121からなる)をハブ部の放射状の凸部(積層した複数のハブ板110の凸部111からなる)に嵌合している。
特開2008−199762号公報
しかしながら、上記従来のステータにおいては、上記ハブ板110とティース板120とを別々の金型、プレス機を用いて別々に製作しているため、上記金型の精度、プレス機の機差、金型の雰囲気温度などによって、互いに嵌合する上記ハブ板110の凸部111の外側面の輪郭と上記ティース板120の凹部121の内側面の輪郭とが微細な視点では互いに一致していなくて、ハブ板110に組み付けた状態でのティース板120の先端の真円度、スロットオープン(隣接するティース板121の先端間の隙間)の寸法精度が悪くなり、また、電磁鋼板の板厚のバラツキによって、ステータの複数のハブ板110および複数のティース板120の積層方向の厚さに違いがでるため、ステータの平面度の精度が悪くなるという問題ある。
このように、上記従来のステータでは、ハブ板110の凸部111の外側面の輪郭と上記ティース板120の凹部121の内側面の輪郭とが互いに一致していないことと、ステータの複数のハブ板110および複数のティース板120の積層方向の厚さに違いでステータの平面度の精度が悪くなることに起因して、ティース板120の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度が悪く、また、ステータの平面度の精度が悪くなる場合があるため、モータに振動、騒音が発生し易いという問題がある。
そこで、この発明の課題は、モータに振動、騒音が発生し難いステータおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のステータは、
アウターロータ型モータのステータであって、
ハブ部と、このハブ部の外側に放射状に配置された複数のティース部とを有するステータコアを備え、
上記ハブ部または上記ティース部のいずれか一方は、凸部を有し、
上記ハブ部または上記ティース部のいずれか他方は、上記凸部が上記ハブ部の径方向に挿抜可能な凹部を有し、
上記凸部の外側面と上記凹部の内側面とは互いに接触し、かつ、
上記凸部の外側面の輪郭と上記凹部の内側面の輪郭とは互いに一致していることを特徴としている。
上記構成のステータによれば、上記凸部と凹部とが挿抜可能であるから、上記ハブ部からティース部を引き離して、このティース部にコイルを高占積に巻くことができ、かつ、上記凸部の外側面の輪郭と上記凹部の内側面の輪郭とは互いに一致しているから、上記ティース部の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度を高くできて、モータに振動、騒音が発生するのを抑制することができる。
1実施形態では、
上記凸部の外側面は互いに平行な平行平面部を有し、上記凹部の外側面は互いに平行な平行平面部を有し、上記凸部の上記平行平面部と上記凹部の上記平行平面部とは互いに接触している。
上記実施形態によれば、上記凸部の互いに平行な平行平面部に上記凹部の互いに平行な平行平面部が接触しているから、上記ハブ部に対してティース部を精度高く位置決めできて、上記ティース部の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度を高くできて、モータに振動、騒音が発生するのを抑制することができる。
1実施形態では、
上記ステータコアは、積層された複数のステータ板からなり、
一枚の上記ステータ板は、一枚のハブ板と複数のティース板とからなり、
上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの一方に設けられた凸部と、上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの他方に設けられた凹部とは上記ハブ板の半径方向に挿抜可能であり、
上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの一方に設けられた凸部の外側面と、上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの他方に設けられた凹部の内側面とは互いに接触し、かつ、
上記凸部の外側面の輪郭と上記凹部の内側面の輪郭とは互いに一致しており、
上記ハブ部は、上記ハブ板からなり、上記ティース部は上記ティース板からなる。
上記実施形態によれば、上記ステータコアは、一枚のハブ板と複数のティース板とからなる複数のステータ板を積層してなるから、上記ステータコアの積層方向の厚さ方向の寸法精度を高くでき、かつ、上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの一方に設けられた凸部の外側面と、上記ハブ板と上記複数のティース板とのうちの他方に設けられた凹部の内側面とは互いに接触し、かつ、上記凸部の外側面の輪郭と上記凹部の内側面の輪郭とは互いに一致しているから、上記ティース板の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度を高くできて、モータに振動、騒音が発生するのを抑制することができる。
この発明のステータの製造方法は、
ハブ板と複数のティース板を、上記ハブ板の外側に上記複数のティース板が放射状に配置された状態で、かつ、上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか一方の凸部と上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか他方の凹部とが挿抜可能な状態で鋼板から打ち抜く打ち抜き工程と、
上記打ち抜き工程の後、上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか一方の上記凸部と上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか他方の上記凹部とを嵌合する嵌合工程と、
上記嵌合工程の後、上記ハブ板と上記複数のティース板とが上記凸部と上記凹部との嵌合により連結された状態のステータ板を複数積層することによって、複数の上記ハブ板からなるハブ部と複数の上記ティース板からなる複数のティース部を有するステータコアを形成する積層工程と、
上記積層工程において形成された上記ステータコアの各ティース部を径方向外側に引き出す引き出し工程と、
上記引き出し工程の後、各ティース部が径方向外側に引き出された状態で、各ティース部にコイルを巻回する巻線工程と、
上記巻線工程の後、上記ハブ部と各ティース部のいずれか一方に形成された凸部に、上記ハブ部と各ティース部のいずれか他方に形成された凹部を挿入する挿入工程と
を備えることを特徴としている。
上記構成のステータの製造方法によれば、上記打ち抜き工程で、上記ハブ板と複数のティース板を、上記ハブ板の外側に上記複数のティース板が放射状に配置された状態で、かつ、上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか一方の凸部と上記ハブ板または上記複数のティース板のいずれか他方の凹部とが挿抜可能な状態で鋼板から打ち抜くので、上記凸部の外側面の輪郭と凹部の内側面の輪郭とが一致する。そして、上記嵌合工程で、この外側面と内側面との輪郭が一致している凸部と凹部とを嵌合しているから、ハブ板とティース板との精度の高い嵌合が可能になって、ティース板の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度が良くなり、モータに振動、騒音が発生するのを防止できる。
また、上記嵌合工程の後、上記積層工程で、上記ハブ板と上記複数のティース板とが上記凸部と上記凹部との嵌合により連結された状態のステータ板を複数積層して、複数の上記ハブ板からなるハブ部と複数の上記ティース板からなる複数のティース部を有するステータコアを形成する。このように、一枚のステータ板は同一鋼板から打ち抜かれたハブ板とティース板とからなっていて、高い平面度を有し、この高い平面度を有するステータ板を複数積層して、複数の上記ハブ板からなるハブ部と複数の上記ティース板からなる複数のティース部を有するステータコアを形成するので、ステータコアの平面度の精度が高くなって、モータに振動、騒音が発生するのを防止できる。
また、上記ハブ部は、積層された複数のハブ板からなり、かつ、上記ティース部は、積層された複数のティース板からなり、上記ハブ板とティース板との互に嵌合する凸部の外側面の輪郭と凹部と内側面の輪郭が一致しているから、上記ハブ部および上記ティース部の凸部と凹部の外側面の輪郭と凹部の内側面の輪郭も一致することになって、上記ティース部の先端の真円度、スロットオープンの寸法精度が良くなって、モータに振動、騒音が発生するのを防止できる。
また、上記引き出し工程で、上記積層工程において形成された上記ステータコアの各ティース部を径方向外側に引き出し、各ティース部が径方向外側に引き出された状態で、各ティース部にコイルを巻回するので、ティース部にコイルを高占積で巻回することができる。
1実施形態では、
上記引き出し工程では、上記ステータコアのハブ部と上記ティース部を分離しないで上記ハブ部に上記ティース部が保持された状態で、各ティース部を径方向外側に引き出す。
上記実施形態によれば、上記引き出し工程では、上記ステータコアのハブ部と上記ティース部を分離しないで上記ハブ部に上記ティース部が保持された状態で、各ティース部を径方向外側に引き出して、ハブ部と各ティース部とが連結されているので、挿入工程で、確実に、元の対応するハブ部の凸部または凹部に、元の対応する各ティース部の凹部または凸部を挿入することができ、凸部の側面の輪郭と凹部の側面の輪郭とを間違うこと無く一致させることができる。
この発明のステータによれば、モータに振動、騒音を発生し難くすることができる。
この発明のステータの製造方法によれば、モータに振動、騒音を発生し難くするステータを提供することができる。
この発明の第1実施形態のステータのハブ板およびティース板の正面図である。 この発明の第1実施形態のステータのハブ部およびティース部の正面図である。 この発明の第1実施形態の引き抜き工程を示す正面図である。 コイルをティース部に巻回するときのスロットオープンとノズルとの関係を示す模式図である。 この発明の第1実施形態のティース部にコイルを巻回した状態を示す正面図である。 この発明の第2実施形態の要部の模式図である。 従来のハブ板の製造方法を説明する図である。 従来のティース板の製造方法を説明する図である。
以下、この発明を図示の実施形態により詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1はこの発明の第1実施形態のアウターロータ型モータのステータおよびそのステータの製造方法において、ステータコアの1層分、つまりステータプレート一枚分のハブ板10と複数のティース板20,20,…との平面図であり、このハブ板10と複数のティース板20,20,…とを一枚の鋼板の一例としての電磁鋼板1からプレス機の金型(図示せず)で同時に打ち抜いた直後の状態の平面図である。
図1に示すように、上記ハブ板10はいわゆる太陽型のハブ板であって、環状の本体部11から12個の凸部12,12,…が本体部11の半径方向外側に放射状に突出している。上記凸部12,12,…は本体部11の周方向に等間隔に配置されている。隣接する凸部12と凸部12との間には、係止用の突起13を設けている。
上記ティース板20は、基部21と、その基部21の内端側に設けられて半径方向の内側に開口する凹部22と、その基部21の外端側に設けられて周方向の両側に延びる傘部23とを有する。複数の上記傘部23,23,…の外周面23a,23a,…は同一円周面上に位置している。
この第1実施形態において、打ち抜き工程では、図1に示すように、ハブ板10と複数のティース板20,20,…を、上記ハブ板10の外側に上記複数のティース板20,20,…が放射状に配置された状態で、かつ、上記ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…とが挿抜可能な状態で、1枚の電磁鋼板1から打ち抜く。
このように、上記ハブ板10と複数のティース板20,20,…を、上記ハブ板10の外側に複数のティース板20,20,…が放射状に配置された状態で、かつ、上記ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…とが挿抜可能な状態で1つの鋼板1から打ち抜くので、上記凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭とが一致する。
上記ハブ板10と複数のティース板20,20,…の打ち抜き時に、凸部12の外側面12aと凹部22の内側面22aのエッジに僅かにバリが生じても、そのバリを含めて凸部12の外側面12aと凹部22の内側面22aとを挿抜可能に嵌合することによって、それらを比較的に強固に嵌合すると共に、凸部12の外側面12aの輪郭と凹部22の内側面22aとを一致させることができる。
この打ち抜き工程は、プッシュバック工法で打ち抜くのが好ましい。このプッシュバック工法では、ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…とが完全に離間するまで打ち抜かないで、上記凸部12,12,…と凹部22,22,…とが厚さ方向に途中まで嵌合した状態に打ち抜き(プッシュし)、その後、ハブ板10の表面と複数のティース板20,20,…の表面とが同一平面になるまで戻す(バックする)。
したがって、このプッシュバック工法を用いると、ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…とが分離されなくて、元のハブ板10の凸部12,12,…と、その凸部12,12,…に対応する凹部22,22,…とが嵌合して連結されているので、凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭とを間違うこと無く、容易に一致させることができる。
なお、このプッシュバック工法を用いなくて、ハブ板10と複数のティース板20,20,…とを、それらが完全に分離するまで、電磁鋼板1からプレス機で打ち抜いてもよい。但し、その場合、ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…との元の嵌合関係、つまり、凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と、その凸部12,12,…の外側面12a,12a,…に対応する(嵌合する)凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭との一致する関係が崩れないように、元の凸部12,12,…に元の凹部22,22,…を嵌合するように注意しなければならない。
上記ハブ板10の凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と、ティース板20の凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭とは、上記凸部12と凹部22とが挿抜可能であるならば、どのような形状であってもよい。例えば、その外側面12aおよび内側面22aの輪郭の断面形状は、直線、折れ線、曲線であっても良い。
次に、嵌合工程を行う。尤も、上記プッシュバック工法を用いた場合は、プッシュバック工法の戻し動作(バック動作)の実行が、即、嵌合工程を行うことになる。すなわち、プッシュバック工法の実施が、打ち抜き工程と嵌合工程とを行うことになる。
プッシュバック工法を用いなくて、ハブ板10と複数のティース板20,20,…とを、それらが完全に分離するまで、打ち抜いた場合には、嵌合工程では、ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…との元の嵌合関係、つまり、凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と、その凸部12,12,…に対応する(嵌合する)凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭との一致する関係が崩れないように、元の凸部12,12,…に元の凹部22,22,…を嵌合する。
上記嵌合工程では、外側面12a,12a,…と内側面22a,22a,…との輪郭が一致しているハブ板10の凸部12とティース板20の凹部22とを嵌合しているから、ハブ板10とティース板20との精度の高い嵌合が可能になって、ティース板20の先端の傘部2の真円度、スロットオープン32の寸法精度が良くなり、モータに振動、騒音が発生するのを防止できる。
図1に示すように、上記ハブ板10の凸部12,12,…と複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…とが、分離する前の元の完全な嵌合状態で、つまり、凸部12,12,…の外側面12a,12a,…の輪郭と、その凸部12,12,…に対応する凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭とが一致する関係で嵌合しているハブ板10と複数のティース板20,20,…とを合わせてステータ板30と言う。
次に、複数の上記ステータ板30,30,…を、互いに対応するティース板20,20,…の位相を合わせて、積層する積層工程を行って、図2に示すように、ステータコア40を形成する。このステータコア40は積層された複数のステータ板30,30,…からなり、つまり、積層された複数のハブ板10,10,…と積層された複数のティース板20,20,…とからなる。上記積層された複数のハブ板10,10,…は、図示しないかしめで一体化されて、ハブ部15となり、上記積層された複数のティース板20,20,…は、図示しないかしめで一体化されて、ティース部25となる。
一枚の上記ステータ板30は同一電磁鋼板1から打ち抜かれたハブ板10とティース板20とからなっているため、段差が実質的に無くて高い平面度を有する。この高い平面度を有するステータ板30,30,…を複数積層して、複数の上記ハブ板10,10,…からなるハブ部15と複数のティース板20,20,…からなる複数のティース部25,25,…を有するステータコア40を形成するので、ステータコア40の表面にも段差が実質的に無くて高い平面度を有する。したがって、モータに振動、騒音が発生するのを防止することができる。
また、上記ハブ部15は複数のハブ板10,10,…を積層したものであり、ティース部25は複数のティース板20,20,…を積層したものであり、かつ、ハブ板10の凸部12とティース板20の凹部22とは挿抜可能に嵌合している。そのため、上記ハブ部15の凸部150,150,…とティース部25,25,…の凹部250,250,…とは挿抜可能に嵌合している。
また、上記ハブ板10の凸部12,12,…の外側面12a,12a…の輪郭と、複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の輪郭とは互いに一致しているため、上記ハブ部15の凸部150,150,…の外側面150a,150a,…(ハブ板10の凸部12,12,…の外側面12a,12a…の集合)の輪郭と、上記複数のティース部25,25,…の凹部250,250,…の内側面250a,250a,…(複数のティース板20,20,…の凹部22,22,…の内側面22a,22a,…の集合)の輪郭とは互いに一致している。そのため、上記ティース部25,25,…の先端つまり半径方向の外端の真円度、スロットオープンの寸法精度を高くできて、モータに振動、騒音が発生するのを抑制することができる。
次に、図3に示すように、上記積層工程において形成されたステータコア40の各ティース部25,25,…をハブ部15に対して径方向外側に引き出す引き出し工程を行って、ティース部25,25,…の先端の周方向の隙間であるスロットオープン41を拡大する。
次に、上記引き出し工程の後、各ティース部25,25,…が径方向外側に引き出された状態で、拡大されたスロットオープン41に、図4に示すように、ノズル51を通して、各ティース部25,25,…に図示しないインシュレータを介してコイル60(図5を参照)を巻回する巻線工程を行う。
このように、上記引き出し工程で、上記ステータコア40の各ティース部25,25,…を径方向外側に引き出し、各ティース部25,25,…が径方向外側に引き出された状態で、各ティース部25,25,…にコイル60,60,…を巻回するので、各ティース部25,25,…にコイル60,60,…を高占積で巻回することができる。
上記巻線工程の後、図5に示すように、上記ハブ部15の凸部150,150,…に各ティース部25,25,…の凹部250,250,…を挿入する挿入工程を行う。
このとき、上記引き出し工程で、ハブ部15とティース部25,25,…を分離しないで、上記ハブ部15にティース部25,25,…が保持された状態で、各ティース部25,25,…を径方向外側に引き出しているので、上記挿入工程で、確実に、元の対応するハブ部15の凸部150,150,…に、元の対応する各ティース部25,25,…の凹部250,250,…を挿入することができ、凸部150,150,…の外側面150a,150a,…の輪郭と凹部250,250,…の内側面250a,250a,…の輪郭とを間違うこと無く一致させることができる。
図5に示すように、上記ハブ部15の凸部150,150,…に、各ティース部25,25,…の凹部250,250,…を完全に挿入した状態では、凸部15,15,…の外側面150a,150a,…の輪郭と各ティース部25,25,…の凹部250,250,…の内側面250a,250a,…の輪郭とが一致しているから、上記ティース部25,25,…の先端の傘部23の外周面は真円上に位置する。
したがって、モータの振動、騒音を抑制することができる。
なお、従来においては、ハブ部の凸部にティース部の凹部を挿入しただけでは、凸部の外側面の輪郭と凹部の内側面の輪郭とが一致していないため、ティース部の先端の傘部の外周面が真円上に位置しなくて、ティース部の挿入工程の後に、ティース部の先端が真円上に位置するように、傘部の外周面の研削や切削などの機械加工が必要であった。そのため、コストアップするという問題があった。
この第1実施形態では、殆どの場合、このような研削や切削などの機械加工が不要とすることが可能である。
なお、上記挿入工程の後、上記ハブ部15の凸部150,150,…と各ティース部25,25,…の凹部250,250,…との嵌合している箇所を、適宜、樹脂でモールドしてもよい。
(第2実施形態)
図6はこの発明の第2実施形態のステータの要部の模式拡大図である。この第2実施形態のステータは、ハブ部35の凸部350とティース部45の凹部450の形状のみが上記第1実施形態と、相違する。したがって、この第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成部分は、第1実施形態の図1〜5およびその説明を援用して、その詳しい説明は省略する。
図6の(A)に示すように、ハブ部35の凸部350の外側面は、根元側の抜きテーパ部350a−1,350a−1、平行平面部350a−2,350a−2および先端側のテーパ部350a−3,350a−3からなる。上記平行平面部350a−2,350a−2は互いに平行である。
また、図6の(B)に示すように、ティース部45の凹部450の内側面は、入口側の抜きテーパ部450a−1,450a−1、平行平面部450a−2,450a−2および底側のテーパ部450a−3,450a−3からなる。上記平行平面部450a−2,450a−2は互いに平行である。
上記ハブ部35の凸部350の外側面の根元側の抜きテーパ部350a−1,350a−1と、ティース部45の凹部450の内側面の入口側の抜きテーパ部450a−1,450a−1とは輪郭が互いに一致し、かつ、互いに嵌合するが、これらのテーパ形状によって、凸部350に凹部450を再挿入するときに、軽く、再挿入することができる。
また、上記ハブ部35の凸部350の外側面の平行平面部350a−2,350a−2と、ティース部45の凹部450の内側面の平行平面部450a−2,450a−2とは、輪郭が一致し、かつ、再挿入によって互いに嵌合するが、この平行平面部350a−2,350a−2と平行平面部450a−2,450a−2との嵌合によって、ティース部35の正しい位置決めを容易にすることができる。
上記第1実施形態および第2実施形態では、ハブ部15,35およびハブ板10に凸部150,350,12を設け、ティース部25,45、ティース板20に凹部250,450,22を設けたが、逆に、ハブ部およびハブ板に凹部を設け、ティース部、ティース板に凸部を設けてもよい。
また、上記第1実施形態では、ハブ部15は複数のハブ板10を積層してなり、ティース部25は複数のティース板20を積層してなるが、極薄形のステータを形成するために、ハブ部を一枚のハブ板から形成し、ティース部を一枚のティース板から形成するようにしてもよい。
また、上記第1実施形態では、ハブ部15およびハブ板10に12個の凸部150,12を設け、12個のティース部25、ティース板20を用いたが、ハブ部およびハブ板の凸部の数は、12個に限らず、例えば、18個や24個などの任意の数であってもよく、また、ティース部、ティース板の数も、12個に限らず、任意の数であってもよい。
また、上記第1実施形態の打ち抜き工程では、一枚の鋼板から、ハブ板と複数のティース板を同時に打ち抜いていたが、複数枚の鋼板を重ねて、その複数枚の鋼板から、複数のハブ板と複数のティース板を同時に重ねて打ち抜いてもよい。
第1,第2実施形態および変形例で述べた構成要素は、適宜、組み合わせてもよく、また、適宜、選択、置換、あるいは、削除してもよいのは、勿論である。
10 ハブ板
20 ティース板
12,150,350 凸部
22,250,450 凹部
12a,150a 外側面
22a,250a 内側面
30 ステータ板
40 ステータコア
15,35 ハブ部
25,45 ティース部
41 スロットオープン
60 コイル
350a−2,450a−2 平行平面部

Claims (5)

  1. アウターロータ型モータのステータであって、
    ハブ部(15,35)と、このハブ部(15,35)の外側に放射状に配置された複数のティース部(25,45)とを有するステータコア(40)を備え、
    上記ハブ部(15,35)または上記ティース部(25,45)のいずれか一方は、凸部(150,350)を有し、
    上記ハブ部(15,35)または上記ティース部(25,45)のいずれか他方は、上記凸部(150,350)が上記ハブ部(15,35)の径方向に挿抜可能な凹部(250,450)を有し、
    上記凸部(150,350)の外側面(150a)と上記凹部(250,450)の内側面(250a)とは互いに接触し、かつ、
    上記凸部(150,350)の外側面(150a)の輪郭と上記凹部(250,450)の内側面(250a)の輪郭とは互いに一致していることを特徴とするステータ。
  2. 請求項1のステータにおいて、
    上記凸部(350)の外側面は互いに平行な平行平面部(350a−2)を有し、上記凹部(450)の外側面は互いに平行な平行平面部(450a−2)を有し、上記凸部(350)の上記平行平面部(350a−2)と上記凹部(450)の上記平行平面部(450a−2)とは互いに接触していることを特徴とするステータ。
  3. 請求項1または2のステータにおいて、
    上記ステータコア(40)は、積層された複数のステータ板(30)からなり、
    一枚の上記ステータ板(30)は、一枚のハブ板(10)と複数のティース板(20)とからなり、
    上記ハブ板(10)と上記複数のティース板(20)とのうちの一方に設けられた凸部(12)と、上記ハブ板(10)と上記複数のティース板(20)とのうちの他方に設けられた凹部(22)とは上記ハブ板(10)の半径方向に挿抜可能であり、
    上記ハブ板(10)と上記複数のティース板(20)とのうちの一方に設けられた凸部(12)の外側面(12a)と、上記ハブ板(10)と上記複数のティース板(20)とのうちの他方に設けられた凹部(22)の内側面(22a)とは互いに接触し、かつ、
    上記凸部(12)の外側面(12a)の輪郭と上記凹部(22)の内側面(22a)の輪郭とは互いに一致しており、
    上記ハブ部(15)は、上記ハブ板(10)からなり、上記ティース部(25)は上記ティース板(20)からなることを特徴とするステータ。
  4. ハブ板(10)と複数のティース板(20)を、上記ハブ板(10)の外側に上記複数のティース板(20)が放射状に配置された状態で、かつ、上記ハブ板(10)または上記複数のティース板(20)のいずれか一方の凸部(12)と上記ハブ板(10)または上記複数のティース板(20)のいずれか他方の凹部(22)とが挿抜可能な状態で鋼板(1)から打ち抜く打ち抜き工程と、
    上記打ち抜き工程の後、上記ハブ板(10)または上記複数のティース板(20)のいずれか一方の上記凸部(12)と上記ハブ板(10)または上記複数のティース板(20)のいずれか他方の上記凹部(22)とを嵌合する嵌合工程と、
    上記嵌合工程の後、上記ハブ板(10)と上記複数のティース板(20)とが上記凸部(12)と上記凹部(22)との嵌合により連結された状態のステータ板(30)を複数積層することによって、複数の上記ハブ板(10)からなるハブ部(15)と複数の上記ティース板(20)からなる複数のティース部(25)を有するステータコア(40)を形成する積層工程と、
    上記積層工程において形成された上記ステータコア(40)の各ティース部(25)を径方向外側に引き出す引き出し工程と、
    上記引き出し工程の後、各ティース部(25)が径方向外側に引き出された状態で、各ティース部(25)にコイル(60)を巻回する巻線工程と、
    上記巻線工程の後、上記ハブ部(15)と各ティース部(25)のいずれか一方に形成された凸部(150)に、上記ハブ部(15)と各ティース部(25)のいずれか他方に形成された凹部(250)を挿入する挿入工程と
    を備えることを特徴とするステータの製造方法。
  5. 請求項4のステータの製造方法において、
    上記引き出し工程では、上記ステータコア(40)の上記ハブ部(15)と上記ティース部(25)を分離しないで上記ハブ部(15)に上記ティース部(25)が保持された状態で、各ティース部(25)を径方向外側に引き出すことを特徴とするステータの製造方法。
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