JP2017175873A - 電源装置 - Google Patents

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吉村  公志
圭一 石田
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圭一 石田
章弘 石ヶ谷
Akihiro Ishigaya
章弘 石ヶ谷
洋平 久保田
Yohei Kubota
洋平 久保田
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Abstract

【課題】短絡電流を防ぐことができる電源装置を提供する。【解決手段】第2スイッチ素子のオンに際し同第2スイッチ素子の導通度が最大となって同第2スイッチ素子のオンが完了するまでの時間が、第1スイッチ素子の寄生ダイオードの逆回復電流がピークとなるまでの時間よりも長くなるように、第2スイッチ素子を駆動する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、例えば、冷凍サイクルを有する空気調和機や熱源機等に搭載される電源装置に関する。
冷凍サイクルを有する空気調和機や熱源機等に搭載される電源装置は、交流電源の電圧を整流する整流回路、この整流回路の出力電圧を昇圧する昇圧回路、この昇圧回路の出力電圧を所定周波数の交流電圧に変換して圧縮機モータに供給するインバータなどを含む。昇圧回路は、整流回路の出力端に接続されるリアクタおよびスイッチ素子の直列回路、負荷とスイッチ素子との間の通電路に設けた逆流防止用ダイオード、上記負荷の両端間に接続したコンデンサを含み、スイッチ素子のオン,オフにより整流回路の出力電圧を昇圧する。
昇圧回路中の逆流防止用ダイオードは、順方向に流れる電流に対して小さいながらも電圧降下を有する。この電圧降下は、昇圧回路の電力損失につながり、省エネルギー性の面で無視できない。
対策として、逆流防止用ダイオードよりも電力損失が少ない、すなわちオン抵抗値が小さいスイッチ素子(第2スイッチ素子という)をダイオードに並列接続し、この第2スイッチ素子をリアクタ側のスイッチ素子(第1スイッチ素子という)のオン時にオフしてオフ時にオンする、すなわち第1および第2スイッチ素子を相補的に動作させることにより、逆流防止用ダイオードに順方向電流が流れる期間を縮小してダイオードによる電力損失を低減するようにしている。第1および第2スイッチ素子として、通常、MOSFETが用いられる。この場合、両スイッチ素子が同時にオンすると逆流防止用ダイオードをバイパスする経路でコンデンサから両スイッチ素子を通して短絡電流が流れてしまうため、いずれかのスイッチ素子をオフからオンに変化させる際には両スイッチが共にオフ状態となるいわゆるデッドタイムを確保するようにしている。
特開2009−38875号公報
リアクタに流れる電流(リアクタ電流という)は、スイッチ素子のオン,オフに伴い脈動となる。また、負荷が軽くなり、負荷に流れる電流が減少すると、リアクタ電流のレベルは、“0(零)”またはその付近まで下降する。
リアクタ電流のレベルが“0”またはその付近に下降している状態で第1スイッチ素子がオンしたとき、第1スイッチ素子を通るリアクタ電流Iaが負側(マイナス側)に振れる場合がある。ここで、第1スイッチ素子にMOSFETが使用されていることから、第1スイッチ素子のオン中は両方向に電流を流すことができる。このため、負のリアクタ電流−Iaは第1スイッチ素子の本体を通って流れることになる。この状態で第1スイッチ素子がオフすると、負のリアクタ電流−Iaは、第1スイッチ素子の寄生ダイオードを通って流れる。その後、デッドタイムの期間が経過すると、第2スイッチ素子がオンする。ここで、第2スイッチ素子側から第1スイッチ素子に電流が流れ込む、すなわち、第1スイッチ素子の寄生ダイオードに逆方向の電流が流れる。そうすると、第1スイッチ素子の寄生ダイオードでは、それまで順方向に電流が流れていたため、本来、寄生ダイオード素子には流れない逆方向に逆回復電流が流れる。この結果、コンデンサから第2スイッチ素子本体および第1スイッチ素子の寄生ダイオードを通して、逆回復電流による短絡電流が流れてしまう。この短絡電流の発生期間は、逆回復電流が終了するまでの極めて短いものであるが、そのピーク値は極めて大きい。この結果、第2スイッチ素子に過大な短絡電流が流れ、この素子を破壊してしまうことがある。
本発明の実施形態の目的は、このような短絡電流の発生を防ぐことができる電源装置を提供することである。
請求項1の電源装置は、整流回路、昇圧回路、駆動手段を備える。整流回路は、交流電圧を整流する。昇圧回路は、前記整流回路の出力端に接続されるリアクタおよび逆並列接続されたダイオードを有する第1スイッチ素子の直列回路、負荷と前記第1スイッチ素子との間の通電路に設けた逆流防止用ダイオード、この逆流防止用ダイオードに並列接続した第2スイッチ素子、前記負荷に並列に接続したコンデンサを含み、前記第1スイッチ素子のオン,オフおよびこの第1スイッチ素子のオン,オフとは逆位相の前記第2スイッチ素子のオン,オフにより前記整流回路の出力電圧を昇圧する。駆動手段は、前記第2スイッチ素子のオンに際し同第2スイッチ素子の導通度が最大となって同第2スイッチ素子のオンが完了するまでの時間が、前記第1スイッチ素子に前記逆並列接続されたダイオードの逆回復電流がピークとなるまでの時間よりも長くなるように、前記第2スイッチ素子を駆動する。
一実施形態の構成を示すブロック図。 一実施形態における駆動回路の構成を示す図。 一実施形態におけるリアクタ電流の波形を示す図。 一実施形態において第1スイッチ素子のドレイン電圧の立ち上がりが速いと仮定した場合に第1スイッチ素子の寄生ダイオードに流れる逆回復電流の波形を示す図。 一実施形態のように第1スイッチ素子のドレイン電圧の立ち上がりが速くない場合に第1スイッチ素子の寄生ダイオードに流れる逆回復電流の波形を示す図。 一実施形態における駆動回路の変形例の構成を示す図。
以下、一実施形態として、冷凍サイクルを有する空気調和機に搭載される電源装置を例に説明する。
図1に示すように、3相交流電源1にダイオードブリッジの全波整流回路2が接続され、その全波整流回路2の出力端に昇圧回路10が接続されている。
昇圧回路10は、全波整流回路2の出力端に接続されるリアクタ11およびスイッチ素子(第1スイッチ素子)SW1の直列回路、負荷であるインバータ20と第1スイッチ素子SW1との間の通電路に設けた逆流防止用ダイオードD2、この逆流防止用ダイオードD2に並列接続したスイッチ素子(第2スイッチ)SW2、上記負荷に並列に接続したコンデンサ(電解コンデンサ)12を含み、スイッチ素子SW1のオン,オフ(断続オン)とこのスイッチ素子SW1のオン,オフとは逆位相のスイッチ素子SW2のオン,オフ(断続オン)により全波整流回路2の出力電圧(直流電圧)を昇圧する昇圧モード、およびスイッチ素子SW1のオフ(オフの継続)とスイッチ素子SW2のオン(オンの継続)により全波整流回路2の出力電圧を昇圧せずに出力する非昇圧モードを有する。スイッチ素子SW1を下相側スイッチ素子、スイッチ素子SW2を上相側スイッチ素子ともいう。
スイッチ素子SW1は、素子本体と逆並列接続された寄生ダイオードD1を含む半導体スイッチ素子たとえばスーパージャンクションMOSFETであり、コントローラ30から供給される駆動信号S1によってオン,オフ駆動される。スイッチ素子SW2は、スイッチ素子本体と逆並列接続された寄生ダイオードD2を含み、オン時にドレイン・ソース間の双方向に電流が流れる双方向性を有し、かつオン時の電力損失が寄生ダイオードD2の順方向の電圧降下による電力損失より小さくなる半導体スイッチ素子、たとえば小容量(定格)のMOSFETであり、コントローラ30から供給される駆動信号S2によってスイッチ素子SW1のオン,オフとは逆位相でオン,オフ駆動される。このスイッチ素子SW2の寄生ダイオードD2が、そのまま上記逆流防止用ダイオードD2として用いられている。
昇圧回路10の出力端に、負荷であるインバータ20が接続されている。インバータ20は、昇圧回路10の出力電圧をスイッチングにより交流電圧に変換し、それをモータ21への駆動電力として出力する。モータ21は、圧縮機22の駆動用モータ(例えばブラシレスDCモータ)である。
圧縮機22は、冷媒を吸込んで圧縮し吐出する。この圧縮機22の冷媒吐出口に四方弁23を介して室外熱交換器24の一端が接続され、その室外熱交換器24の他端が膨張弁25を介して室内熱交換器26の一端に接続される。室内熱交換器26の他端は、四方弁23を介して圧縮機22の冷媒吸込口に接続される。これら圧縮機22、四方弁23、室外熱交換器24、膨張弁25、室内熱交換器26により、空気調和機のヒートポンプ式冷凍サイクルが構成されている。図1中の矢印は、冷房時の冷媒の流れを示し、圧縮機から吐出した高温冷媒は、室内熱交換器26で吸熱して室内を冷却し、室外熱交換器24で放熱する。すなわち、室内熱交換器26は吸熱器となり、室外熱交換器24は放熱器となる。四方弁23を反転すれば、冷媒の流れが反対となり暖房運転ができる。この場合、室内熱交換器26で放熱して室内を暖め、室外熱交換器24で吸熱することになる。
全波整流回路2の正側出力端と昇圧回路10のリアクタ11との間の通電路に、リアクタ11に流れる電流(昇圧回路10への入力電流)Iaを検知する電流センサ15が配置されている。インバータ20とモータ21との間の通電路に、モータ21に流れる電流(相巻線電流)を検知する電流センサ27が配置されている。これら電流センサ15,27の検知結果がコントローラ30に供給されるとともに、昇圧回路10の出力電圧(コンデンサ12の両端間電圧)Vdcがコントローラ30で検出される。
コントローラ30は、昇圧制御部40、インバータ制御部50、目標値設定部51を含む。
昇圧制御部40は、昇圧回路10の出力電圧Vdcが目標値Vdcrefとなるように、かつ昇圧回路10への入力電流Iaが一定となるように、昇圧回路10のスイッチングをパルス幅変調(PWM)制御するもので、減算部41、PI制御器42、減算部43、PI制御器44、PWM信号生成部45、キャリア発生部46、スイッチ駆動制御部47,48を含む。
減算部41は、昇圧回路10の出力電圧Vdcと目標値Vdcrefとの偏差ΔVdcを求める。PI制御器42は、減算部41で得た偏差ΔVdcを入力とする比例・積分演算により、昇圧回路10への入力電流Iaに対する電流指令値Irefを得る。減算部43は、PI制御器42で得た電流指令値Irefと昇圧回路10への入力電流(電流センサ15の検知電流)Iaとの偏差ΔIaを求める。PI制御器44は、減算部43で得た偏差ΔIaを入力とする比例・積分演算により、パルス幅変調用の電圧指令値Vrefを得る。キャリア発生部46は、所定周波数の三角波状のキャリア信号電圧Vcを発する。PWM信号生成部45は、キャリア発生部46が発するキャリア信号電圧VcをPI制御器44で得た電圧指令値Vrefでパルス幅変調(電圧比較)することにより、昇圧回路10のスイッチング素子SW1,W2に対するスイッチング用のパルス状のPWM信号S0を生成する。
スイッチ駆動制御部47は、目標値設定部51で設定される目標値Vdcrefが所定値以上(高・中負荷時)の場合に、PWM信号生成部45で生成されたPWM信号S0と同じ位相の駆動信号S1をスイッチ素子SW1の駆動用として生成し出力する。スイッチ駆動制御部48は、目標値設定部51で設定される目標値Vdcrefが所定値以上(高・中負荷時)の場合に、PWM信号生成部45で生成されたPWM信号S0と逆位相の駆動信号S2をスイッチ素子SW2の駆動用として生成し出力する。これら駆動信号S1,SW2の出力により、昇圧回路10が昇圧モードで動作する。
また、スイッチ駆動制御部47は、目標値設定部51で設定される目標値Vdcrefが所定値未満(低負荷時)の場合、スイッチ素子SW1を継続的にオフさせるための駆動信号S1を生成し出力する。スイッチ駆動制御部48は、目標値設定部51で設定される目標値Vdcrefが所定値未満(低負荷時)の場合、スイッチ素子SW2を継続的にオンさせるための駆動信号S2を生成し出力する。これら駆動信号S1,SW2の出力により、スイッチ素子SW1が継続的にオフされるため、昇圧は行われず、昇圧回路10が非昇圧モードとなる。
とくに、スイッチ駆動制御部47,48は、スイッチ素子SW1がオフからオンに切換わる前にスイッチ素子SW2がオンからオフに切換わるように、つまりスイッチ素子SW1がオフからオンに切換わるタイミングとスイッチ素子SW2がオンからオフに切換わるタイミングとの間に両スイッチ素子SW1,SW2が共にオフ状態となるいわゆるデッドタイムが確保されるように、かつスイッチ素子SW1がオンからオフに切換わった後でスイッチ素子SW2がオフからオンに切換わるように、つまりスイッチ素子SW1がオンからオフに切換わるタイミングとスイッチ素子SW2がオフからオンに切換わるタイミングとの間に両スイッチ素子SW1,SW2が共にオフ状態となるいわゆるデッドタイムが確保されるように、駆動信号S1,S2を生成する。
減算部41およびPI制御器42が電圧制御系として機能する。減算部43およびPI制御器44が電流制御系として機能する。この電圧制御系および電流制御系により、昇圧回路10の出力電圧Vdcが目標値Vdcrefとなるように、かつ昇圧回路10への入力電流Iaが一定となるように、昇圧回路10のスイッチングがPWM制御される。
インバータ制御部50は、電流センサ27の検知電流(モータ電流)からモータ21の速度(回転速度)を推定し、その推定速度が負荷(冷凍負荷)の大きさに対応する目標速度となるようにインバータ20のスイッチングをPWM制御する。目標値設定部51は、インバータ20の出力電圧が上記目標速度を得るのに必要な最低限の昇圧回路10の出力電圧Vdcを目標値Vdcrefとして設定する。すなわち、目標値Vdcrefは、冷凍サイクルの負荷によって決定され、圧縮機22(モータ21)が低回転状態である低負荷の場合は低く設定され、圧縮機22が高回転(高負荷)になるほど大きな値が設定される。
上記全波整流回路2、昇圧回路10、電流センサ15、インバータ20、電流センサ27、およびコントローラ30などにより、本実施形態の電源装置が構成されている。
昇圧回路10における駆動回路13,14の具体的な構成を図2に示す。
駆動回路13は、スイッチ駆動制御部47からの駆動信号S1をスイッチ素子SW1に加えるための回路であり、駆動回路14は、スイッチ駆動制御部48からの駆動信号S2をスイッチ素子SW2に加えるための回路である。駆動回路13,14は同じような回路構成となっており、スイッチ素子SW1,SW2が電圧駆動のMOSFETであるため、駆動信号S1,2がオンを指示する場合は、オン信号として“H(高)”レベルの電圧を、駆動信号S1,2がオフを指示している場合は、オフ信号として“0(零)”レベルの電圧を、それぞれスイッチ駆動制御部47,48からの駆動信号S1,S2に基づいて出力する。
駆動回路13は、抵抗器(第1抵抗器)13aと、ダイオード13bおよび抵抗器(第2抵抗器)13cの直列回路と、を含む。抵抗器13aは、スイッチ素子SW1のゲート・ソース間容量C1と共に時定数回路を形成し、スイッチ素子SW1に対する駆動信号S1のオン信号として、“H”レベルの電圧となるまで所定の時定数t1でゲート電圧を上昇させる。ダイオード13bおよび抵抗器13cの直列回路は、スイッチ素子SW1に対する駆動信号S1のオフ信号として、ゲート電圧を“0”レベルまで直ちに下降させる。
駆動回路14も同様に、抵抗器(第1抵抗器)14aと、ダイオード14bおよび抵抗器(第2抵抗器)14cの直列回路と、を含む。抵抗器14aは、スイッチ素子SW2のゲート・ソース間容量C2と共に時定数回路を形成し、スイッチ素子SW2に対する駆動信号S2のオン信号として、“H”レベルの電圧となるまでを所定の時定数t2(>t1)でゲート電圧を上昇させる。ダイオード14bおよび抵抗器14cの直列回路は、スイッチ素子SW2に対する駆動信号S2のオフ信号として“0”レベルの電圧を即時にゲートへと出力する。
駆動回路14と駆動回路13の相違点として、駆動回路14の抵抗器14aとしては、駆動回路13の抵抗器13aより抵抗値(通常の抵抗値)が大きいものを採用している。これにより、抵抗器14aとスイッチ素子SW2のゲート・ソース間容量C2とで形成される時定数回路の時定数t2は、駆動回路13の抵抗器13aとスイッチ素子SW1のゲート・ソース間容量C1とで形成される時定数回路の時定数(通常の時定数)t1よりも長くしている。この時定数t2の設定により、スイッチ素子SW2のオンに際し、同スイッチ素子SW2の導通度が最大となって同スイッチ素子SW2のオンが完了するまでの時間txが、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1の逆回復電流Irがピークとなるまでの時間tyよりも長くなる。
つぎに、上記のように構成された電源装置の動作について説明する。
リアクタ11に流れる電流(リアクタ電流という)Iaは、図3に示すように、スイッチ素子SW1のオン,オフに伴い脈動となる。また、リアクタ電流Iaのレベルは、同じく図3に示すように、昇圧回路10の負荷の減少に伴い、“0”またはその付近まで下降する。
リアクタ電流Iaのレベルが“0”またはその付近に下降している状態でスイッチ素子SW1がオンしたとき、スイッチ素子SW1を通るリアクタ電流Iaが負側(マイナス側)に振れる場合がある。このような状況は、特に圧縮機22を駆動するインバータ20等の誘導性の負荷を昇圧回路10に接続した場合に顕著に発生する。
スイッチ素子SW1を通るリアクタ電流Iaの振幅値が負側(マイナス側)に振れると、スイッチ素子SW1がMOSFETであるため、負のリアクタ電流−Iaはスイッチ素子SW1の本体を通って流れる。この状態でスイッチ素子SW1がオフすると、負のリアクタ電流−Iaがスイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1を順方向に通って流れる。その後、デッドタイムの期間が経過してスイッチ素子SW2がオンすると、図2に破線で示すように、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1に逆回復電流(リカバリ電流ともいう)Irが流れ始める。
ここで、仮に、駆動回路14の抵抗器14aとスイッチ素子SW2のゲート・ソース間容量C2とで形成される時定数回路について何も考慮されていない場合には、図4に示すように、スイッチ素子SW2のオンに際してスイッチ素子SW1のドレイン電圧Vdが速く立ち上がり、これに伴い、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1に流れる逆回復電流Irが短時間に大きく増大してしまう。この場合、スイッチ素子SW2の導通度が最大となって同スイッチ素子SW2のオンが完了するまでの時間txは、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1の逆回復電流Irがピーク点Pに達するまでの時間tyよりも、短い。
これに対し、本実施形態では、駆動回路14におけるオン用の抵抗器14aとして抵抗値の大きいものを採用し、抵抗器14aとスイッチ素子SW2のゲート・ソース間容量C2とで形成される時定数回路の時定数t2を駆動回路13側の通常の時定数t1よりも長くしている。この時定数t2の設定により、図5に示すように、スイッチ素子SW2のオンに際し同スイッチ素子SW2の導通度が最大となって同スイッチ素子SW2のオンが完了するまでの時間txが、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1の逆回復電流Irがピーク点Pに達するまでの時間tyよりも長くなる。具体的には、スイッチ素子SW2のオンに際し、スイッチ素子SW1のドレイン電圧Vdが緩やかに立ち上がる。これに伴い、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1の逆回復電流Irは、スイッチ素子SW1のドレイン電圧Vdが低い段階で流れることになり、スイッチ素子SW2のオンが完了する前(スイッチ素子SW2の導通度が最大となる前)にピーク点Pに達し、そこから下降してスイッチ素子SW2のオンが完了する前になくなる。
このように、スイッチ素子SW2の過渡的なオン状態の間に逆回復電流Irが流れるので、逆回復電流Irの値は低く抑えられる。
したがって、スイッチ素子SW2の導通度が最大となって同スイッチ素子SW2のオンが完了するまでの時間txが、スイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1の逆回復電流Irがピーク点Pとなるまでの時間tyよりも長くなるようにスイッチ素子SW2を駆動することにより、コンデンサ12からスイッチ素子SW2およびスイッチ素子SW1の寄生ダイオードD1を通して短絡電流Aが流れない。よって、昇圧回路10を保護することができる。電源装置としての信頼性が向上する。
なお、上記実施形態では、駆動回路14が抵抗器14a,ダイオード14b,抵抗器14cを含む構成としたが、図6に示すように、抵抗器14aに代えて、抵抗器14aとオン信号導通用のダイオード14xとの直列回路を設ける構成としてもよい。駆動回路13においても、同様に、抵抗器13aに代えて、抵抗器13aとオン信号導通用のダイオード13xの直列回路を設ける構成としてもよい。
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…3相交流電源、2…全波整流回路、10…昇圧回路、11…リアクタ、12…コンデンサ、13,14…駆動回路、15…電流センサ、D2…逆流阻止用ダイオード、SW1…スイッチ素子(第1スイッチ素子)、SW2…スイッチ素子(第2スイッチ素子)、20…インバータ、30…コントローラ、40…昇圧制御部、45…PWM信号生成部、47,48…スイッチ駆動制御部、50…インバータ制御部、51…目標値設定部

Claims (5)

  1. 交流電圧を整流する整流回路と、
    前記整流回路の出力端に接続されるリアクタおよび逆並列接続されたダイオードを有する第1スイッチ素子の直列回路、負荷と前記第1スイッチ素子との間の通電路に設けた逆流防止用ダイオード、この逆流防止用ダイオードに並列接続した第2スイッチ素子、前記負荷に並列に接続したコンデンサを含み、前記第1スイッチ素子のオン,オフおよびこの第1スイッチ素子のオン,オフとは逆位相の前記第2スイッチ素子のオン,オフにより前記整流回路の出力電圧を昇圧する昇圧回路と、
    前記第2スイッチ素子のオンに際し同第2スイッチ素子の導通度が最大となって同第2スイッチ素子のオンが完了するまでの時間が、前記第1スイッチ素子に前記逆並列接続されたダイオードの逆回復電流がピークとなるまでの時間よりも長くなるように、前記第2スイッチ素子を駆動する駆動手段と、
    を備えることを特徴とする電源装置。
  2. 前記第2スイッチ素子は、寄生ダイオードを含むMOSFETであり、オン時に双方向に電流が流れる双方向性を有し、かつオン時の抵抗値が前記寄生ダイオードの順方向の抵抗値より小さい、
    前記逆流防止用ダイオードは、前記第2スイッチ素子の寄生ダイオードである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記第1スイッチ素子は、寄生ダイオードを含むMOSFETであり、オン時に双方向に電流が流れる双方向性を有し、
    前記逆並列接続されたダイオードは、前記第1スイッチ素子の寄生ダイオードである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の電源装置。
  4. 前記駆動手段は、前記第2スイッチ素子のゲート・ソース間容量と共に時定数回路を形成し前記第2スイッチ素子に対するオン信号として電圧を所定の時定数で上昇させる第1抵抗器と、前記第2スイッチ素子に対する駆動信号のオフ信号として電圧を“0”レベルまで直ちに下降させるダイオードおよび第2抵抗器の直列回路とを含む駆動回路であって、前記時定数が前記第1スイッチ素子の寄生ダイオードの逆回復電流がピークとなるまでの時間より長い、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電源装置。
  5. 前記負荷として、圧縮機を駆動するインバータを接続したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電源装置。
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