JP2017175602A - 電流/電力平衡化のための方法および装置 - Google Patents

電流/電力平衡化のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】並列的な電力構成要素間で電流/電力を均等化する。
【解決手段】比較的大きな電力を必要とするシステム100は、電力モジュール110は、ひとつ以上の制御ノードNODE_C1〜NODE_C2、第1電力ノードNODE_Pおよび第2電力ノードNODE_Gを有している。更に、電力モジュール110は、第1スィッチ・モジュール120、第2スィッチ・モジュール130などの如き、複数のスィッチ・モジュールを含む。これらのスィッチ・モジュールは、ワイヤボンド、バス・バーなどの如き相互接続構成要素を用いて、制御ノードおよび電力ノードに対して並列に結合される。これらのスィッチ・モジュールは、制御ノードNODE_C1〜NODE_C2にて受信された制御信号に基づき、第1電力ノードNODE_Pと第2電力ノードNODE_Gとの間の電流経路を投入/切断すべく構成される。
【選択図】図1

Description

参照による援用
本出願は、2015年5月28日に出願された、米国特許出願第14/724,408号「電流/電力平衡化のための方法および装置」の一部継続(CIP)出願である。上記に特定された出願の開示内容全体は、その全体が本明細書中に援用される。
ここに提供された背景の説明は、本開示の文脈を概略的に示す目的のためである。現在指名された発明者の仕事は、この背景段落に記述された限りにおいて、出願の時点における先行技術としての資格を有しない開示の一態様と同様に、明示的にも暗示的にも、本開示内容に対する先行技術としては認められない。
電力モジュールは、電力容量を増大すべく、並列的な電力構成要素を使用し得る。並列的な電力構成要素に対し、電力構成要素間で電流/電力を均等化すると、構成要素の稼働率の向上、コストの節約、システム信頼性の向上の如き、種々の利点が提供される。一例において、並列的な電力構成要素間で電流/電力を均等化するために、米国特許出願公開第2012/0235663号は、ゲート駆動信号を提供して並列的な電力構成要素を駆動する駆動回路を開示している。
本開示の一態様は、第2切換え回路に対して並列的な第1切換え回路を含む電力回路を提供する。上記第1切換え回路および上記第2切換え回路は、相互接続部を介して、第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノード、および、ドレイン・ノードに結合している。上記電力回路は上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間にて制御信号を受信して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通して上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御する。上記電力回路において、上記相互接続部の内の第1相互接続部および第2相互接続部は誘導的に結合されて、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させる。
本開示の一態様に依れば、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路を、上記第1駆動ノード、上記第2駆動ノード、上記ソース・ノードおよび上記ドレイン・ノードに対して相互接続する第1相互接続部の内のひとつの相互接続部であり、且つ、上記第2相互接続部は、上記第2切換え回路を、上記第1駆動ノード、上記第2駆動ノード、上記ソース・ノード、および、上記ドレイン・ノードに対して相互接続する第2相互接続部の内のひとつの相互接続部である。
一実施例において、上記第1相互接続部は、上記第2相互接続部に対応する第3相互接続部を有し、且つ、上記第1相互接続部および上記第3相互接続部により導入される寄生インダクタンスは、直接結合された状態である。上記第2相互接続部は、上記第1相互接続部に対応する第4相互接続部を有し、且つ、上記第3相互接続部および上記第4相互接続部は誘導的に結合される。
一例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のゲート端子を上記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第2切換え回路のドレイン端子を上記ドレイン・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のゲート端子を上記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第2切換え回路のソース端子を上記ソース・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第2切換え回路のドレイン端子を上記ドレイン・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第2切換え回路のソース端子を上記ソース・ノードに対して相互接続する。
本開示の別の態様に依れば、上記第1相互接続部および上記第2相互接続部は、上記第1切換え回路を、上記第1駆動ノード、上記第2駆動ノード、上記ソース・ノードおよび上記ドレイン・ノードに対して相互接続する相互接続部の内のひとつの相互接続部である。上記第1相互接続部および上記第2相互接続部により導入された寄生インダクタンスは、逆結合された状態である。
一例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のゲート端子を上記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のドレイン端子を上記ドレイン・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のゲート端子を上記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記ソース・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のドレイン端子を上記ドレイン・ノードに対して相互接続する。
別の例において、上記第1相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、上記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を上記ソース・ノードに対して相互接続する。
本開示の一態様に依れば、上記第1相互接続部および上記第2相互接続部は誘導的に結合されて、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路が投入/切断されるときに、該第1および第2の切換え回路を通って流れる過渡電流を平衡化させる。一例において、上記第1切換え回路は、第1のSiC金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含み、且つ、上記第2切換え回路は、第2のSiC金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含む。
一実施例において、上記第1切換え回路は第1ダイ上であり、且つ、上記第2切換え回路は第2ダイ上である。上記第1ダイおよび上記第2ダイは、対向するようにパッケージに組立てられる。
本開示の一態様は、電力回路を有する装置を提供する。該電力回路は、第2切換え回路に対して並列的な第1切換え回路を含む。上記第1切換え回路および上記第2切換え回路は、相互接続部を介して、第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノード、および、ドレイン・ノードに対して結合される。上記電力回路は、上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間にて制御信号を受信して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通して上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御する。上記電力回路において、上記相互接続部における第1相互接続部および第2相互接続部は誘導的に結合されて、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させる。
本開示の一態様は、電力回路において第1切換え回路および第2切換え回路を並列に配設することと、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を、相互接続部を介して、上記電力回路の第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノードおよびドレイン・ノードに対して結合することと、を含む方法を提供する。上記電力回路は、上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間に印加された制御信号を受信して、上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御する。上記方法は、上記相互接続部における第1相互接続部および第2相互接続部を誘導的に結合して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させることを含む。
一例として提案される本開示の種々の実施例は、以下の図面を参照して詳細に記載されており、各図において、同様の番号は同様の要素を表している。
本開示の一実施例に係るシステム100の概略図である。 本開示の一実施例に係る電力モジュール210の分解図である。 本開示の一実施例に係るプロセスの例を概説するフローチャートである。 本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図である。 本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図である。 本開示の一実施例に係る電力モジュール610の概略図である。 本開示の一実施例に係る電力モジュール710の概略図である。 シミュレーションのための電力モジュール610の概略図である。 図8Aにおける電力モジュール610に対するシミュレーション結果のプロット図である。 シミュレーションのための電力モジュール710の概略図である。 図9Aにおける電力モジュール710に対するシミュレーション結果のプロット図である。 本開示の一実施例に係る電力モジュール1010の概略図である。 本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図である。 本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図である。
図1は、本開示の一実施例に係るシステム100の概略図を示している。該システム100は、並列的な構成要素間において電流および/または電力を平衡化させるために、相互インダクタンス結合を使用する電力モジュール110を含んでいる。
システム100は、ハイブリッド車、電気自動車、風力エネルギ・システム、印刷システムなどの如き比較的に大きな電力を必要とする任意の適切なシステムであり得る。動作の間、一例において、電力モジュール110は、アンペアのオーダーなどにおける如き比較的に大きな電流を提供する必要がある。一実施例において、電力モジュール110は、比較的に大きな電流の負荷を分担すべく、並列的な構成要素を使用すべく構成される。
一実施例において、電力モジュール110は、DC−ACインバータ、AC−DC整流器などの如き電力変換回路を含むと共に、半導体スィッチング・デバイスを用いて実現される。上記半導体スィッチング・デバイスは、複数の切換え可能な電流経路を形成することで、電流負荷を分担する。本開示の一態様に依れば、上記半導体スィッチング・デバイスは、製造プロセスに起因するスレッショルド電圧(Vth)の変動、オン抵抗Rds(on)の変動などの如き、広範囲なパラメータ変動を有し得る。上記パラメータ変動は、複数の切換え可能な電流経路上に電流/電力の不平衡を引き起こし得る。本開示の一態様に依れば、複数の切換え可能な電流経路の間における電流/電力平衡化を向上させるために、相互インダクタンス結合が使用される。
図1の例において、電力モジュール110は、ひとつ以上の制御ノードNODE_C1〜NODE_C2、第1電力ノードNODE_P、および、第2電力ノードNODE_Pを有している。更に、電力モジュール110は、第1スィッチ・モジュール120、第2スィッチ・モジュール130などの如き、複数のスィッチ・モジュールを含む。これらのスィッチ・モジュールは、ワイヤボンド、バス・バーなどの如き相互接続構成要素を用いて、制御ノードおよび電力ノードに対して並列に結合される。これらのスィッチ・モジュールは、制御ノードNODE_C1〜NODE_C2にて受信された制御信号に基づき、第1電力ノードNODE_Pと第2電力ノードNODE_Gとの間の電流経路を投入/切断すべく構成される。一例において、制御ノードNODE_C1〜NODE_C2は、相互に結合されて、同一の制御信号を受信する。別の例において、制御ノードNODE_C1〜NODE_C2は、異なる制御信号を受信する別体的なノードである。
それぞれのスィッチ・モジュールは、ひとつ以上のトランジスタを含み得る。ひとつのスィッチ・モジュールにおいて複数のトランジスタが使用されるとき、該複数のトランジスタは、スィッチとして作用すべく種々の接続形態にて配置され得る。
詳細には、図1の例において、第1スィッチ・モジュール120は第1トランジスタQ1を含み、且つ、第2スィッチ・モジュール130は第2トランジスタQ2を含む。第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの如き、任意の適切なトランジスタであり得る。一例において、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2は、製造プロセスに起因して比較的に広範囲なパラメータ変動を有し得るSiC・MOSFETトランジスタである。
更に、図1の例において、第1トランジスタQ1は、ゲート端子G1、ソース端子S1およびドレイン端子D1を有している。ゲート端子G1は相互接続構成要素121を介して制御ノードNODE_C1に結合され、ドレイン端子D1は相互接続構成要素123を介して第1電力ノードNODE_Pに対して結合され、且つ、ソース端子S1は相互接続構成要素122を介して第2電力ノードNODE_Gに結合される。同様に、第2トランジスタQ2は、ゲート端子G2、ソース端子S2およびドレイン端子D2を有している。ゲート端子G2は相互接続構成要素131を介して制御ノードNODE_C2に結合され、ドレイン端子D2は相互接続構成要素133を介して第1電力ノードNODE_Pに結合され、且つ、ソース端子S2は相互接続構成要素132を介して第2電力ノードNODE_Gに結合される。
本開示の一態様に依れば、相互接続構成要素は、電力モジュール110のスィッチング動作に影響する寄生インダクタンスを導入する。たとえば、相互接続構成要素121はインダクタンスLgs1を導入し、相互接続構成要素122はインダクタンスLss1を導入し、相互接続構成要素123はインダクタンスLds1を導入し、相互接続構成要素131はインダクタンスLgs2を導入し、相互接続構成要素132はインダクタンスLss2を導入し、且つ、相互接続構成要素133はインダクタンスLds2を導入する。
これに加え、本開示の一態様に依れば、相互接続構成要素は、電力モジュール110におけるスィッチ・モジュール間の電流/電力を平衡化させるために相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。詳細には、相互接続構成要素121および相互接続構成要素133は意図的に相互結合されて、相互結合係数K1を有する相互結合寄生インダクタンスを導入し、且つ、相互接続構成要素123および相互接続構成要素131は意図的に相互結合されて、相互結合係数K2を有する相互結合寄生インダクタンスを導入する。
本開示の一態様に依れば、上記相互結合は、相互結合寄生インダクタンスが、スィッチ・モジュール間の電流/電力平衡化を向上させる如く、適切に設計される。図1の例において、相互結合係数K1およびK2が負の値であるとき、相互結合寄生インダクタンスは、電力モジュール110におけるスィッチ・モジュール間の電流/電力平衡化を向上させ得る。一例において、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2を投入する時点にて、第1トランジスタQ1を通って流れる(さらに、相互接続モジュール123も通って流れる)第1電流は、第2トランジスタQ2を通って流れる第2電流よりも、更に急速に増大し且つ更に大きい。そのとき、相互接続構成要素123と相互接続構成要素131との間の相互結合インダクタンスは、第2トランジスタQ2のゲート端子G2における電圧増大を引き起こすことから、更には第2トランジスタQ2を投入し、且つ、該第2トランジスタQ2を通って流れる第2電流を増大させる。第2トランジスタQ2を通って流れる(相互接続モジュール133も通って流れる)第2電流が、第1トランジスタQ1を通って流れる第1電流よりも、更に急速に増大し且つ更に大きいとき、相互接続構成要素133と相互接続構成要素121との間における相互結合インダクタンスは、ゲート端子G1における電圧増大を引き起こすことから、更には第1トランジスタQ1を投入し、且つ、第1トランジスタQ1を通って流れる第1電流を増大させる。
同様に、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2を切断する時点にて、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2を通って流れる過渡電流は、上記相互インダクタンス結合に依り、平衡化される。
本開示の一態様に依れば、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2がSiC・MOSFETトランジスタであるとき、該SiC・MOSFETトランジスタのオン抵抗Rds(on)は正の温度係数を有することから、SiC・MOSFETトランジスタは本来的に、負のフィードバックを有する。オン抵抗Rds(on)の変動は、定常状態電流における不平衡を引き起こし得ると共に、オン抵抗Rds(on)の負のフィードバックは、第1トランジスタQ1および第2トランジスタQ2における定常状態電流を自己平衡化させる。
更に、スレッショルド電圧Vthにおける変動は、過渡電流における不平衡を引き起こし得る。スレッショルド電圧Vthは、負の温度係数を有することから、正のフィードバックと、過渡電流における不平衡とを引き起こし得る。上記相互インダクタンス結合技術は、投入/切断時点における過渡電流を平衡化させるべく使用され得る。
電力モジュール110は、種々のテクノロジにより実現され得ることを銘記されたい。一例において、第1スィッチ・モジュール120、第2スィッチ・モジュール130などの如きスィッチ・モジュールは、ベア・ダイとして実現されると共に、相互接続モジュールは、ワイヤボンドおよび/またはバス・バーとして実現される。スィッチ・モジュール、相互接続モジュール、および、他の適切な構成要素は、組立てられてパッケージとされることで、電力モジュール110を構成する。別の例において、スィッチ・モジュールは、別体的なパッケージ内に組立てられた個別的なデバイスであり、且つ、スィッチ・モジュールは、ワイヤボンドおよびバス・バーにより相互接続される。別の例において、スィッチ・モジュールは集積回路(IC)チップ上に集積化されると共に、相互接続モジュールは、IC製造技術を用いてICチップ上のワイヤボンドとして実現される。
図2は、本開示の一実施例に係る電力モジュール210の分解図に対するプロット図を示している。一実施例において、図1における電力モジュール110は、図2における電力モジュール210として実現される。電力モジュール210は、ベア・ダイを用いて実現された第1スィッチ・モジュール220、第2スィッチ・モジュール230などの如きスィッチ・モジュールを含んでいる。更に、電力モジュール210は、バス・バーを用いて実現された相互接続モジュール221、223、231、233などの如き相互接続モジュールを含んでいる。電力モジュール210は、一例において、パッケージの形態で実現される。
たとえば、第1スィッチ・モジュール220は、SiC・MOSFET技術を用いて実現された第1トランジスタを有する第1ベア・ダイである。故に、第1トランジスタのドレイン端子D1は、たとえば、第1ベア・ダイの基板上の結合パッドとして形成され、且つ、第1トランジスタのゲート端子G1およびソース端子S1は、たとえば、第1ベア・ダイの正面側(基板の逆側)上の結合パッドとして形成される。
同様に、第2スィッチ・モジュール230は、SiC・MOSFET技術を用いて実現された第2トランジスタを有する第2ベア・ダイである。故に、第2トランジスタのドレイン端子D2は、たとえば、第2ベア・ダイの基板上の結合パッドとして形成され、且つ、第2トランジスタのゲート端子G2およびソース端子S2は、たとえば、第2ベア・ダイの正面側(基板の逆側)上の結合パッドとして形成される。
一実施例において、上記第1ベア・ダイおよび第2ベア・ダイは、対向して配設される。相互接続モジュール221は第1トランジスタのゲート端子G1に対して接続され、相互接続モジュール231は第2トランジスタのゲート端子G2に対して接続され、相互接続モジュール223は第1トランジスタのドレイン端子D1に対して接続され、且つ、相互接続モジュール231は第2トランジスタのドレイン端子D2に対して接続される。
更に、上記実施例において、相互接続モジュール221および相互接続モジュール233は、相互結合係数K1を有する相互結合寄生インダクタンスを有すべく配設される。たとえば、相互接続モジュール221および相互接続モジュール233は、相互接続モジュールの一方における電流変化が、他方の相互接続モジュール上に電圧を誘起し得る如く、近傍に配設される。これに加え、相互接続モジュール231および相互接続モジュール223は、相互結合係数K2を有する相互結合寄生インダクタンスを有すべく配設される。たとえば、相互接続モジュール223および相互接続モジュール231は、相互接続モジュールの一方における電流変化が、他方の相互接続モジュール上に電圧を誘起し得る如く、近傍に配設される。一例において、上記相互結合寄生インダクタンスは、第1および第2のトランジスタを投入/切断する時点にて過渡電流/電力の平衡化を向上させるべく適切に設計される。
容易さおよび簡略化のために、電力モジュール210は、図2に示されない他の適切な構成要素を含むことを銘記されたい。たとえば、ソース端子S1およびS2は、ワイヤボンド、バス・バーなどの如き適切な相互接続モジュールにより接続される。図2におけるダイおよびバス・バーの構成は、適切に改変され得ることも銘記されたい。たとえば、2つのダイは、一例において背中合わせで配設され得るか、または、一例においては並置して配設され得る。
図3は、本開示の一実施例に係るプロセス300を概説するフローチャートを示している。一例において、プロセス300は、電力モジュール210を実現すべく実行される。該プロセスは、S301にて開始し、S310へと進展する。
S310にては、第1トランジスタが配設される。たとえば、該第1トランジスタは、SiC・MOSFET技術を用いて、第1ベア・ダイ上に実現される。
S320にては、第2トランジスタが配設される。たとえば、該第2トランジスタは、SiC・MOSFET技術を用いて、第2ベア・ダイ上に実現される。
S330にては、第1トランジスタのドレイン端子を第2トランジスタのゲート端子に対して誘導的に結合すべく、相互接続部が配設される。図2の例において、相互接続モジュール223は第1トランジスタのドレイン端子に接続され、且つ、相互接続モジュール231は第2トランジスタのゲート端子に接続される。相互接続モジュール223および相互接続モジュール231は、誘導的に結合されるべく、たとえば近傍に配設される。
S340にては、第2トランジスタのドレイン端子を第1トランジスタのゲート端子に対して誘導的に結合すべく、相互接続部が配設される。図2の例において、相互接続部233は第2トランジスタのドレイン端子に接続され、且つ、相互接続モジュール221は第1トランジスタのゲート端子に接続される。相互接続モジュール233および相互接続モジュール221は、誘導的に結合されるべく、たとえば近傍に配設される。次に、上記プロセスはS399に進展し、終了する。
プロセス300は、電力モジュールを実現するための他の適切な段階を含み得ることを銘記されたい。更に、プロセス300における各段階は、同時に、または、異なる順序で実行され得る。
図4は、本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図400を示している。たとえば、プロット図400は、並列的なトランジスタを備えた電力モジュールが投入されたときの、相互結合寄生インダクタンスありでの、または、なしでの、電圧および電流の変化を示している。X軸は時間を示し、且つ、Y軸は電圧および電流の値を示している。
プロット図400は、5つの波形410〜450を含んでいる。(中間的破線における)波形410は、相互結合寄生インダクタンスなしでの第1トランジスタのドレイン電流を示し、(長短破線における)波形420は相互結合寄生インダクタンスなしでの第2トランジスタのドレイン電流を示し、(実線における)波形430は相互結合寄生インダクタンスありでの第1トランジスタのドレイン電流を示し、(短破線における)波形440は相互結合寄生インダクタンスありでの第2トランジスタのドレイン電流を示し、且つ、(長破線における)波形450は、ドレイン/ソース電圧Vdsを示している。
図4に示された如く、tONの時点にて、第1トランジスタおよび第2トランジスタが投入される。相互結合寄生インダクタンスなしとすると、第1トランジスタにおける過渡電流および第2トランジスタにおける過渡電流は、比較的に大きな差を有する。相互結合寄生インダクタンスありとすると、第1トランジスタおよび第2トランジスタにおける過渡電流差は減少される。
図5は、本開示の一実施例に係るシミュレーション結果のプロット図500を示している。たとえば、プロット図500は、並列的なトランジスタを備えた電力モジュールが切断されたときにおける相互結合寄生インダクタンスありでの、または、なしでの、電圧および電流の変化を示している。X軸は時間を示し、且つ、Y軸は電圧および電流の値を示している。
プロット図500は、5つの波形510〜550を含んでいる。(中間的破線における)波形510は、相互結合寄生インダクタンスなしでの第1トランジスタのドレイン電流を示し、(長短破線における)波形520は相互結合寄生インダクタンスなしでの第2トランジスタのドレイン電流を示し、(実線における)波形530は相互結合寄生インダクタンスありでの第1トランジスタのドレイン電流を示し、(短破線における)波形540は相互結合寄生インダクタンスありでの第2トランジスタのドレイン電流を示し、且つ、(長破線における)波形550は、ドレイン/ソース電圧Vdsを示している。
図5に示された如く、tOFFの時点にて、第1トランジスタおよび第2トランジスタが切断される。相互結合寄生インダクタンスなしとすると、第1トランジスタにおける過渡電流および第2トランジスタにおける過渡電流は、波形510および520により示される如く、比較的に大きな差を有する。相互結合寄生インダクタンスありとすると、第1トランジスタおよび第2トランジスタにおける過渡電流差は、波形530および540により示される如く、減少する。
図6は、本開示の一実施例に係るシミュレーションのための電力モジュール610の回路図を示している。電力モジュール610は、上述された電力モジュール110と同様に動作すると共に、電力モジュール110において使用されたものと同一的または等価的な幾つかの構成要素も利用しているが、これらの構成要素の説明は、上記に提供されており、明瞭化のために此処では省略される。
図6の例において、電力モジュール610は、制御信号VDRVを受ける2つの駆動ノードPC1およびPC2を含んでいる。更に、電力モジュール610は、ドレイン・ノードDおよびソース・ノードSを含んでいる。一例において、ドレイン・ノードDおよびソース・ノードSは、電源に対して接続される。電力モジュール610は、制御信号VDRVに応じて、ドレイン・ノードDからソース・ノードSへと流れる電流を導く。
本開示の一態様に依れば、電力モジュール610は、第1スィッチ・モジュール620、第2スィッチ・モジュール630などの如き複数のスィッチ・モジュールを含んでいる。これらのスィッチ・モジュールは、ワイヤボンド、バス・バーなどの如き相互接続構成要素を用いて、駆動ノードPC1およびPC2、ドレイン・ノードDおよびソース・ノードSに対して並列に結合される。これらのスィッチ・モジュールは、駆動ノードPC1およびPC2において受信された制御信号VDRVに基づき、ドレイン・ノードDとソース・ノードSとの間の電流経路を投入/切断すべく構成される。
それぞれのスィッチ・モジュールは、ひとつ以上のトランジスタを含み得る。ひとつのスィッチ・モジュールにおいて複数のトランジスタが使用されるとき、該複数のトランジスタは、スィッチとして作用すべく種々の接続形態にて配置され得る。
詳細には、図6の例において、第1スィッチ・モジュール620は第1トランジスタを含み、且つ、第2スィッチ・モジュール630は第2トランジスタを含む。上記第1トランジスタおよび第2トランジスタは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの如き任意の適切なトランジスタであり得る。一例において、上記第1トランジスタおよび第2トランジスタは、製造プロセスに起因して比較的に広範囲なパラメータ変動を有し得るSiC・MOSFETトランジスタである。
実際のトランジスタは、種々の寄生要素を保有し得ると共に、概略的に、シミュレーションにおいては等価的な回路を用いてモデル化されることを銘記されたい。図6の例において、第1トランジスタは、ゲート端子G1、ソース端子S1およびドレイン端子D1を有すると共に、該第1トランジスタは、図6に示された如く相互に結合されたトランジスタ・モデルM1、コンデンサC1〜C3、および、ダイオードDD1を用いてモデル化される。同様に、上記第2トランジスタは、ゲート端子G2、ソース端子S2およびドレイン端子D2を有すると共に、該第2トランジスタは、図6に示された如く相互に結合されたトランジスタ・モデルM2、コンデンサC4〜C6、および、ダイオードDD2を用いてモデル化される。
本開示の一態様に依れば、上記第1トランジスタおよび第2トランジスタの端子は、駆動ノードPC1〜PC2、ドレイン・ノードD、およびソース・ノードSに対して相互接続構成要素により結合されると共に、これらの相互接続構成要素は、電力モジュール610のスィッチング動作に影響する寄生インダクタンスを導入する。これらの相互接続構成要素は、インダクタンスを用いてモデル化され得る。たとえば、図6の例において、駆動ノードPC1とゲート端子G1およびG2との間の相互接続構成要素は、図6に示された如く相互に結合されたインダクタンスLggc、Lgg1およびLgg2を用いてモデル化され、駆動ノードPC2とソース端子S1およびS2との間の相互接続構成要素は、図6に示された如く相互に結合されたインダクタンスLgsc、Lgs1およびLgs2を用いてモデル化され、ソース・ノードSとソース端子S1およびS2との間の相互接続構成要素は、図6に示された如く相互に結合されたインダクタンスLsc、Ls1およびLs2を用いてモデル化され、ドレイン・ノードDとドレイン端子D1およびD2との間の相互接続構成要素は、図6に示された如く相互に結合されたインダクタンスLdc、Ld1およびLd2を用いてモデル化される。
本開示の一態様に依れば、相互接続構成要素は、相互結合寄生インダクタンスを導入して、電力モジュールにおけるスィッチ・モジュール間の電流/電力を平衡化させるべく意図的に相互結合され得る。本開示の一態様に依れば、寄生インダクタンスは、直接結合された状態(directly coupled state)、または、逆結合された状態(inversely coupled state)であり得る。寄生インダクタンスが直接結合された状態であるときには、電流/電力の不平衡を減少すべく相互結合技術が使用され得ると共に、寄生インダクタンスが逆結合された状態であるときには、電流/電力の不平衡を減少すべく自己結合技術が使用され得る。
図6の例において、トランジスタのドレイン・インダクタンスの方向(たとえば、Ld2およびLd2の方向)、および、ゲート・インダクタンスの方向(たとえば、Lgg1およびLgg2の方向)は、(正の相互結合係数を仮定すると)ドレイン・インダクタンスおよびゲート・インダクタンスを直接結合された状態とする。直接結合された状態において、ドレイン電流が増大するとき、ドレイン・インダクタンスおよびゲート・インダクタンスの結合は、ゲート電圧の増大を引き起こし得る。直接結合された状態に対する電流/電力の不平衡を減少させる負のフィードバックを実現するために、第1スィッチ・モジュール620のドレイン・インダクタンスLd1は、第1相互結合係数を以て、第2スィッチ・モジュール630のゲート・インダクタンスLgg2に対して相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール630のドレイン・インダクタンスLd2は、第2相互結合係数を以て、第1スィッチ・モジュール620のゲート・インダクタンスLgg1に対して相互結合される。上記例においては、正の相互結合係数が使用される。更に、(たとえば0.9などの)大きな相互結合係数を有する例においては、異なる電流経路間の差は更に小さく、切換え速度は更に速いが、トランジスタは、更に大きな電流のオーバシュート・ピークを有することがある。
本開示の一態様に依れば、並列的なスィッチ・モジュール間に相互結合寄生インダクタンスを導入するために、4つの相互結合技術(ドレイン−ゲート相互結合、ドレイン−ケルビン・ゲート相互結合、ソース−ゲート相互結合、および、ソース−ケルビン・ゲート相互結合)が使用され得る。
たとえば、第1スィッチ・モジュール620のドレイン・インダクタンスLd1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール630のゲート・インダクタンスLgg2によりモデル化された相互接続構成要素は、611により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合されると共に、第2スィッチ・モジュール630のドレイン・インダクタンスLd2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール620のゲート・インダクタンスLgg1によりモデル化された相互接続構成要素は、612により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ドレイン−ケルビン・ゲート相互結合に対し、第1スィッチ・モジュール620のドレイン・インダクタンスLd1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール630のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs2によりモデル化された相互接続構成要素は、613により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール630のドレイン・インダクタンスLd2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール620のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs1によりモデル化された相互接続構成要素は、614により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ソース−ゲート相互結合に対し、第1スィッチ・モジュール620のソース・インダクタンスLs1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール630のゲート・インダクタンスLgg2によりモデル化された相互接続構成要素は、615により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール630のソース・インダクタンスLs2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール620のゲート・インダクタンスLgg1によりモデル化された相互接続構成要素は、616により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ソース−ケルビン・ゲート相互結合に対し、第1スィッチ・モジュール620のドレイン・インダクタンスLs1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール630のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs2によりモデル化された相互接続構成要素は、617により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール630のソース・インダクタンスLs2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール620のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs1によりモデル化された相互接続構成要素は、618により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
図7は、本開示の一実施例に係る回路シミュレーションのための電力モジュール710の概略図を示している。電力モジュール710は、上述された電力モジュール610と同様に動作すると共に、電力モジュール610において使用されたものと同一的または等価的な幾つかの構成要素も利用しているが、これらの構成要素の説明は、上記に提供されており、明瞭化のために此処では省略される。
図7の例において、(たとえば、Ld2およびLd2などの)ドレイン・インダクタンスの方向、および、(たとえば、Lgg1およびLgg2などの)ゲート・インダクタンスの方向は、(正の相互結合係数を仮定すると)逆結合された状態で構成される。逆結合された状態において、ドレイン電流が増大するとき、ドレイン・インダクタンスおよびゲート・インダクタンスの結合は、ゲート電圧の減少を引き起こし得る。逆結合された状態に対して電流の不平衡を減少する負のフィードバックを実現するために、自己結合技術が使用され得る。たとえば、正の相互結合係数を以て電力/電流の不平衡を減少するために、第1スィッチ・モジュール720のドレイン・インダクタンスLd1は該第1スィッチ・モジュール720のゲート・インダクタンスLgg1に対して自己結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール730のドレイン・インダクタンスLd2は該第2スィッチ・モジュール730のゲート・インダクタンスLgg2に対して自己結合される。
本開示の一態様に依れば、それぞれのスィッチ・モジュール内に相互結合寄生インダクタンスを導入するために、4つの自己結合技術(ドレインゲート自己結合、ドレイン−ケルビン・ゲート自己結合、ソース−ゲート自己結合、および、ソース−ケルビン・ゲート自己結合)が使用され得る。
たとえば、ドレインゲート自己結合に対し、第1スィッチ・モジュール720のドレイン・インダクタンスLd1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール720のゲート・インダクタンスLgg1によりモデル化された相互接続構成要素は、711に示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール730のドレイン・インダクタンスLd2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール730のゲート・インダクタンスLgg2によりモデル化された相互接続構成要素は、712により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ドレイン−ケルビン・ゲート自己結合に対し、第1スィッチ・モジュール720のドレイン・インダクタンスLd1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール720のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs1によりモデル化された相互接続構成要素は、713により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール730のドレイン・インダクタンスLd2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール730のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs2によりモデル化された相互接続構成要素は、714に示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ソース−ゲート自己結合に対し、第1スィッチ・モジュール720のソース・インダクタンスLs1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール720のゲート・インダクタンスLgg1によりモデル化された相互接続構成要素は、715により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール730のソース・インダクタンスLs2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール730のゲート・インダクタンスLgg2によりモデル化された相互接続構成要素は、716により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
ソース−ケルビン・ゲート自己結合に対し、第1スィッチ・モジュール720のドレイン・インダクタンスLs1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール730のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs1によりモデル化された相互接続構成要素は、717により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール730のソース・インダクタンスLs2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール720のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs2によりモデル化された相互接続構成要素は、718により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
図8Aは、シミュレーションのための電力モジュール610の概略図を示している。図8Aの例において、電力モジュール610は、本開示の一実施例に従い電流平衡化を向上させる相互結合技術を使用する直接結合された状態である。
図8Bは、図8Aにおける電力モジュール610に対するシミュレーション結果のプロット図を示している。図8Aの電力モジュール610において、ドレイン・インダクタンスの方向(たとえば、Ld2およびLd2の方向)、および、ゲート・インダクタンスの方向(たとえば、Lgg1およびLgg2の方向)は、直接結合された状態で構成される。直接結合された状態によれば、電流の不平衡を減少するために、611および612により示された如きドレイン−ゲート相互結合技術の如き相互結合技術が使用される。
図8Bにおいて、X軸は時間を示し、且つ、Y軸はスィッチ・モジュールに対するドレイン電流を示している。プロット図800は、(相互結合技術を使用せずに)ゼロの第1相互結合係数を用いる第1シミュレーション、および、(相互結合技術を使用する)0.9の第2相互結合係数を用いる第2シミュレーションに対し、スィッチングの間におけるドレイン電流を比較している。プロット図800は、相互結合技術を使用しない第1シミュレーションに対するドレイン電流の第1曲線810および第2電流820、および、相互結合技術を使用する第2シミュレーションに対するドレイン電流の第3曲線830および第4曲線840を含んでいる。
図8Bにおいて理解される如く、第3曲線830と第4曲線840との間のドレイン電流差は、第1曲線810と第2曲線820との間のドレイン電流差よりも比較的に小さい。故に、直接結合された状態に対する相互結合技術は、電流の不平衡を減少させる。同様に、図8Bにおいて理解される如く、相互結合技術によれば、スィッチング電流は更に大きく、切換え速度は更に速く、且つ、電流のオーバシュート・ピークは更に高い。
図9Aは、シミュレーションのための電力モジュール710の概略図を示している。図9Aの例において、電力モジュール710は、本開示の一実施例に従い電流平衡化を向上させるために自己結合技術を使用する逆結合された状態に在る。
図9Bは、図9Aにおける電力モジュール710に対するシミュレーション結果のプロット図を示している。図9Aの例において、ドレイン・インダクタンスの方向(たとえば、Ld2およびLd2の方向)、および、ゲート・インダクタンスの方向(たとえば、Lgg1およびLgg2の方向)は、逆結合された状態で構成される。逆結合された状態によれば、電流の不平衡を減少すべく、711および712により示された如きドレイン−ゲート自己結合技術の如き自己結合技術が使用される。
図9Bにおいて、X軸は時間を示し、且つ、Y軸はスィッチ・モジュールに対するドレイン電流を示している。プロット図900は、(自己結合技術を使用せずに)ゼロの第1相互結合係数を用いる第1シミュレーション、および、(自己結合技術を使用する)0.9の第2相互結合係数を用いる第2シミュレーションに対し、スィッチングの間におけるドレイン電流を比較している。プロット図900は、自己結合技術を使用しない第1シミュレーションに対するドレイン電流の第1曲線910および第2電流920、および、自己結合技術を使用する第2シミュレーションに対するドレイン電流の第3曲線930および第4曲線940を含んでいる。
図9Bにおいて理解される如く、第3曲線930と第4曲線940との間のドレイン電流差は、第1曲線910と第2曲線920との間のドレイン電流差よりも比較的に小さい。故に、逆結合された状態に対する自己結合技術は、電流の不平衡を減少させる。同様に、図9Bにおいて理解される如く、自己結合技術によれば、スィッチング電流は更に小さく、切換え速度は更に低速であり、且つ、電流のオーバシュート・ピークは更に低い。
本開示の一態様に依れば、直接結合された状態に対する相互結合技術、および、逆結合された状態に対する自己結合技術は、適切に組み合わされて電流平衡性を向上させ得る。
図10は、本開示の一実施例に係る回路シミュレーションに対する電力モジュール1010の概略図を示している。電力モジュール1010は、上述された電力モジュール610および電力モジュール710と同様に動作すると共に、電力モジュール610および電力モジュール710において使用されたものと同一的または等価的な幾つかの構成要素も利用しているが、これらの構成要素の説明は、上記に提供されており、明瞭化のために此処では省略される。電力モジュール1010において、ドレイン・インダクタンスおよびゲート・インダクタンスは直接結合された状態である一方、ソース・インダクタンスおよびケルビン・ゲート・インダクタンスは逆結合された状態である。
図10の例において、第1スィッチ・モジュール1020のドレイン・インダクタンスLd1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール1030のゲート・インダクタンスLgg2によりモデル化された相互接続構成要素は、1011により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール1030のドレイン・インダクタンスLd2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール1020のゲート・インダクタンスLgg1によりモデル化された相互接続構成要素は、1012により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
更に、図10の例において、第1スィッチ・モジュール1020のドレイン・インダクタンスLs1によりモデル化された相互接続構成要素、および、第1スィッチ・モジュール1030のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs1によりモデル化された相互接続構成要素は、1017により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合され、且つ、第2スィッチ・モジュール1030のソース・インダクタンスLs2によりモデル化された相互接続構成要素、および、第2スィッチ・モジュール1020のケルビン・ゲート・インダクタンスLgs2によりモデル化された相互接続構成要素は、1018により示された如き相互結合寄生インダクタンスを導入すべく意図的に相互結合される。
図11A〜図11Bは、本開示の一実施例に係る電力モジュール1010に対するシミュレーション結果を示している。図11Aは、(相互結合技術および自己結合技術のいずれをもを使用せずに)ゼロの第1相互結合係数を用いる第1シミュレーションに対し、スィッチングの間におけるドレイン電流を示し、且つ、図11Bは、(相互結合技術および自己結合技術の両方を使用する)0.9の第2相互結合係数を用いる第2シミュレーションに対し、スィッチングの間におけるドレイン電流を示している。
図11Aおよび図11Bにおいて理解される如く、第1シミュレーションおよび第2シミュレーションに対し、切換え速度およびピーク電流は略々同一であるが、電流の不平衡は、特に最初の数回の振動サイクルにおいて、相当に減少される。
本開示の一態様は、一例として提案された該見地の特定実施例に関して記述されてきたが、例に対する代替策、改変および変更が為され得る。従って、本明細書中に示された実施例は、例示的であり且つ制限的ではないことが意図される。以下に示される請求項の有効範囲から逸脱せずに為され得る変更が在る。

Claims (20)

  1. 第2切換え回路に対して並列的な第1切換え回路を備えて成る電力回路であって、
    上記第1切換え回路および上記第2切換え回路は、相互接続部を介して、第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノード、および、ドレイン・ノードに対して結合され、
    当該電力回路は、上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間にて制御信号を受信して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通して上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御し、
    上記相互接続部の内の第1相互接続部および第2相互接続部は誘導的に結合されて、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させる、
    電力回路。
  2. 請求項1記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路を、前記第1駆動ノード、前記第2駆動ノード、前記ソース・ノードおよび前記ドレイン・ノードに対して相互接続する第1相互接続部の内のひとつの相互接続部であり、且つ、
    前記第2相互接続部は、前記第2切換え回路を、上記第1駆動ノード、上記第2駆動ノード、上記ソース・ノード、および、上記ドレイン・ノードに対して相互接続する第2相互接続部の内のひとつの相互接続部である、電力回路。
  3. 請求項2記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第2相互接続部に対応する第3相互接続部を有し、且つ、
    上記第1相互接続部および上記第3相互接続部により導入される寄生インダクタンスは、直接結合された状態である、電力回路。
  4. 請求項3記載の電力回路において、
    前記第2相互接続部は、前記第1相互接続部に対応する第4相互接続部を有し、
    前記第3相互接続部および上記第4相互接続部は誘導的に結合される、電力回路。
  5. 請求項3記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のゲート端子を前記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、前記第2切換え回路のドレイン端子を前記ドレイン・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  6. 請求項3記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のゲート端子を前記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、前記第2切換え回路のソース端子を前記ソース・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  7. 請求項3記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のソース端子を前記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、前記第2切換え回路のドレイン端子を前記ドレイン・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  8. 請求項3記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のソース端子を前記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、前記第2切換え回路のソース端子を前記ソース・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  9. 請求項1記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部および前記第2相互接続部は、前記第1切換え回路を、前記第1駆動ノード、前記第2駆動ノード、前記ソース・ノードおよび前記ドレイン・ノードに対して相互接続する相互接続部の内のひとつである、電力回路。
  10. 請求項9記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部および前記第2相互接続部により導入された寄生インダクタンスは、逆結合された状態である、電力回路。
  11. 請求項9記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のゲート端子を前記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のドレイン端子を前記ドレイン・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  12. 請求項9記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のゲート端子を前記第1駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を前記ソース・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  13. 請求項9記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のソース端子を前記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のドレイン端子を前記ドレイン・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  14. 請求項9記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部は、前記第1切換え回路のソース端子を前記第2駆動ノードに対して相互接続し、且つ、
    前記第2相互接続部は、上記第1切換え回路のソース端子を前記ソース・ノードに対して相互接続する、電力回路。
  15. 請求項1記載の電力回路において、
    前記第1相互接続部および前記第2相互接続部は誘導的に結合されて、前記第1切換え回路および前記第2切換え回路が投入/切断されるときに、該第1および第2の切換え回路を通って流れる過渡電流を平衡化させる、電力回路。
  16. 請求項1記載の電力回路において、
    前記第1切換え回路は、第1のSiC金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含み、且つ、前記第2切換え回路は、第2のSiC金属酸化物半導体電界効果トランジスタを含む、電力回路。
  17. 請求項1記載の電力回路において、
    前記第1切換え回路は第1ダイ上であり、且つ、前記第2切換え回路は第2ダイ上である、電力回路。
  18. 請求項17記載の電力回路において、
    前記第1ダイおよび前記第2ダイは、組立てられて、対向されたパッケージとされる、電力回路。
  19. 第2切換え回路に対して並列的な第1切換え回路を有する電力回路であって、
    上記第1切換え回路および上記第2切換え回路は、相互接続部を介して、第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノード、および、ドレイン・ノードに対して結合され、
    当該電力回路は、上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間に印加された制御信号を受信して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通して上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御し、
    上記相互接続部における第1相互接続部および第2相互接続部は誘導的に結合されて、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させる、電力回路を備えて成る、装置。
  20. 電力回路において第1切換え回路および第2切換え回路を並列に配設することと、
    上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を、相互接続部を介して、上記電力回路の第1駆動ノード、第2駆動ノード、ソース・ノードおよびドレイン・ノードに対して結合することであって、上記電力回路は、上記第1駆動ノードおよび上記第2駆動ノードの間に印加された制御信号を受信して、上記ドレイン・ノードから上記ソース・ノードへと流れる電流を制御することと、
    上記相互接続部における第1相互接続部および第2相互接続部を誘導的に結合して、上記第1切換え回路および上記第2切換え回路を通って流れる電流を平衡化させることと、
    を備えて成る、方法。
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