JP2017175577A - 音響校正器 - Google Patents

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Abstract

【課題】差圧センサとして感度の低いセンサが使用できて、センサの自己雑音の影響を低減でき、校正精度を上げることができる音響校正器を提供すること。【解決手段】音響校正器60は、マイクロホン31を挿入するためのカプラ21を有し、カプラ21内に音響を出力するスピーカ11と、カプラ21の前室の音圧と背室の音圧との差圧を測定するための差圧センサ71と、差圧が、前室の音圧が予め設定された音圧であった時の差圧になるようにスピーカ11を駆動する制御手段13とを、備える。【選択図】図3

Description

本発明は、音響校正器に関する。
従来、大気圧の変化の影響を受けずに、マイクロホンを精度良く校正するための音響校正器が提案されている。
一般的な音響校正器には、(1)音圧を検出して、その音圧が予定された音圧となるように制御しているもの、(2)大気圧補正をしているもの、(3)前記(1)の音圧制御も前記(2)の大気圧補正もしていないものの3種類がある。
前記(3)の音響校正器には、気圧計と気圧補正用の表が付属しており、大気圧が変化した場合の補正を人手ですることとなり、面倒であった。前記(2)の音響校正器は、大気圧を検出し、検出した大気圧に応じた振幅の校正音用信号波形により音圧を発生させるものであるが、発生した音圧が予定された音圧となっていることは確認していない。前記(1)の音響校正器は、音圧を検出しているので、発生した音圧が予定された音圧となっていることが確実であり、且つ大気圧補正も不要であった。
図7は、特許文献1に記載されている、前記(1)の音圧制御を行っている音響校正器の構成図である。音響校正器10は、音響出力手段としてのスピーカ11と、音圧計測手段としてのゲージ圧センサ12と、制御手段13と、演算手段14と、温度計測手段としての温度センサ15と、温度補正手段16とを備えている。カプラ21内の空間のうち、スピーカ11の前側の空間を前室51といい、スピーカ11の後側の空間を背室52という。ゲージ圧センサ12は、一端121がカプラ21内に通じ、他端122が大気圧に解放された状態で、スピーカ11によって音響が出力されたカプラ21内の気圧と、大気圧との差により音圧を計測している。制御手段13は基本的にゲージ圧が所定の音圧となるように、スピーカ11に流す電流の値を制御している。
カプラ21の中の空間は、スピーカ11によって、二つの空間に仕切られている。ゲージ圧センサ12の一端121は、カプラ21のスピーカ前部に通じており、カプラ21内の空間をスピーカ11によって仕切られた前室の音圧を検出するようになっている。
特開2014−175927号公報
図7の音響校正器10において、従来は、ゲージ圧センサ12の感度が低い場合は、ゲージ圧センサ12の出力が小さくなり、ゲージ圧センサ12の出力がセンサの自己雑音の影響を受けて、校正精度が下がるという問題点があった。
本発明は、センサとして感度の低いセンサを使用しても、センサの自己雑音の影響を受けず、校正精度が下がらない音響校正器を提供することを目的とする。
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
(1)マイクロホンを挿入するためのカプラを有する音響校正器であって、
前記カプラ内に音響を出力する音響出力手段と、
カプラの前室と背室の圧力の差を計測する差圧計測手段と、
前記差圧計測手段によって計測された差圧が、前室の音圧が予め設定された音圧であった時の差圧になるように、前記音響出力手段を制御する制御手段と、
を備える音響校正器。
(1)の構成によれば、従来の前室の音圧を検出する方式で使用したセンサと同じ感度のセンサを使用すれば、差圧計測手段の出力が、従来の前室の音圧を検出する場合のセンサ出力以上となるので、センサの自己雑音の影響を低減できて、校正精度を上げることができる。また、センサの出力を、従来の前室の音圧を検出する場合と同等とするならば、感度の低いセンサを使用することができる。
(2)前記差圧計測手段によって計測された音圧から、発生音圧信号の周波数の音圧レベルを抽出するための演算機能及び/又はカプラ内の音圧レベルを算出するRMS演算機能を備えた演算手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記演算手段によって演算された値を用いて、前記音響出力手段を制御する、(1)に記載の音響校正器。
(2)の発生音圧信号の周波数の音圧レベルを抽出するための演算機能及び後述の(3)の構成によれば、発生音圧信号の周波数の音圧レベル値を用いて、大気圧の変化の影響を受けない一定の音圧を発生させることにより、大気圧の変化の影響を受けずに、より精度の高い校正ができる。
(3)前記発生音圧信号の周波数の音圧レベルを抽出するための演算機能が、FFT演算機能又はDFT演算機能である、(2)記載の音響校正器。
なお、FFT演算に対する(2)のRMS演算のメリットを説明すれば、以下のようになる。
RMS演算でもFFT演算でも、カプラ内音圧は、[発生音圧]+[ベント経由でカプラに入り込む周囲騒音の圧力]になる。例えば、発生音圧の周波数に近い周波数の周囲騒音が存在する場合には、FFT演算の場合、分解能をより高く(サンプル点数を増やす)し、発生音圧のみを抽出する必要があり平均化に時間がかかる。しかし、RMS演算の場合には時定数を演算に含むことが容易なため、周囲騒音を含んだ音の平均化がリアルタイムで求められるので、カプラ内の音圧をより正確に抽出できる。
(4)前記差圧計測手段に沿って配置され、気体の温度を計測する温度計測手段と、
前記温度計測手段によって計測された温度に基づいて、前記差圧計測手段によって計測された音圧を補正する温度補正手段と、
をさらに備える、(1)から(3)のいずれかに記載の音響校正器。
(4)の構成によれば、計測された音圧信号を温度補正し、温度の変化の影響を受けない一定の音圧を発生させることにより、温度の変化の影響を受けずに、より精度よく校正できるようにすることができる。
本発明によれば、差圧計測手段が、カプラの前室と背室の圧力の差を計測するので、従来の前室の音圧を検出する方式で使用したセンサと同じ感度のセンサを使用すれば、センサの自己雑音の影響を低減することができ、従来のように前室の音圧を検出する場合よりも精度を上げて前室の音圧を制御することが可能となる。
また、従来の前室の音圧を検出する方式と同じ程度のセンサ出力を得ようとするならば、従来よりも感度が低いセンサを使用することができる。
カプラの前室の音圧波形、背室の音圧波形及び差圧波形を示す図である。 大気圧に対する前室発生音圧の偏差を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るカプラの構造図である。 本発明の一実施形態に係る音響校正器の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態の音響校正器の処理内容を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態の音響校正器の処理内容を示すフローチャートである。 従来の音響校正器の構成を示すブロック図である。
音響校正器では、カプラ内の前室音圧(スピーカ前面側)を検出し、校正する音圧がある一定の精度を保てるように制御する。この場合、前室の音圧は発生している音圧を検出することになる。
スピーカの後方の背室を密閉した場合、スピーカ11から発生する音圧は、スピーカ前方と位相が180°違う音圧波形が発生する。そのときの音圧波形の振幅は前室と背室の容積に関係し、容積が異なる場合には前室と背室の音圧波形の振幅は一致しない。
しかし、前室容積と背室容積は同じであることが好ましく、更には前室容積とカプラの前室内面の表面積との比と、背室容積とカプラの背室内面の表面積との比が同じであることが好ましいことから、前室と背室の容積をほぼ同じにする。これにより、前室と背室では、ほぼ同じ音圧波形の振幅を得ることができる。
図1は、前室と背室がほぼ同じ容積で、ある周波数のある電流値でスピーカを電流駆動した時の、前室と背室のゲージ圧(大気圧を基準として、それからの増減分で表す圧力。)の音圧波形を示す。音圧の0[dBVrms]は大気圧と同じであることを示す。図1から理解できるように、前室音圧波形と背室音圧波形とは、振幅はほぼ等しく、位相が180°ずれている。したがって、前室音圧−背室音圧は、
前室音圧と背室音圧の差 = (前室のセンサポートに印加された圧力 + 大気圧)
− (背室のセンサポートに印加された圧力 + 大気圧)
となり、前室のセンサポートに印加された圧力 ≒ (−背室のセンサポートに印加された圧力)なので、大気圧の影響が打ち消された差分の音圧のみとなり振幅が約2倍の正弦波となる。
よって、カプラ内にスピーカを配置し、スピーカ前方と後方に差圧センサの2つの圧力導入ポートを配置して、前室音圧−背室音圧を計測すれば、その差圧センサの出力は、図7のゲージ圧センサ12の出力の約2倍となる。
したがって、従来の前室の音圧を検出する方式で使用したセンサと同じ感度(一定の音圧を計測した時のセンサ出力。)のセンサを使用しても、センサ出力は従来よりも大きくなる。これに対して、センサの自己雑音は従来の前室の音圧を検出する方式と同じであるから、S/N比(信号対雑音比)が改善される。言い換えれば、センサの自己雑音の影響を低減することができる。よって、従来のように前室の音圧を検出する場合よりも精度を上げて前室の音圧を制御することが可能となる。
また、従来の前室の音圧を検出する方式と同じ程度のセンサ出力を得ようとするならば、従来よりも感度が低いセンサを使用することができる。
前室音圧と背室音圧との差の圧力を検出することにより、センサの自己雑音の影響を低減できて、従来のように前室の音圧を検出する場合よりも精度を上げて前室の音圧を制御することが可能となる、又は従来よりも感度が低いセンサを使用することができる音響校正器を提供することができる。
図2は、ある電流波形が一定な電流値でスピーカ11を駆動した時の、前室の音圧を計測し、基準の大気圧(101.325kPa)の時の前室音圧を基準とし、大気圧が変化したときの発生音圧の偏差のグラフである。横軸は、前室の音圧を計測した時の大気圧である。図2のように、スピーカ11を駆動する電流値が同じでも、大気圧の値が異なると、前室の音圧は必ずしも同じ値にならない。
しかし、図2は、スピーカ11を駆動する電流を一定波形の電流値とした場合であり、スピーカ11を駆動する電流値を制御することにより、大気圧に対する発生音圧の偏差を一定にすることは可能である。
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態について図を参照しながら説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るカプラの構造を表す図である。差圧センサ71の一端をカプラの前室51に通じさせ、差圧センサ71の他端をカプラの背室52に通じさせている。
前室51の音圧をAsin(ωt)+P0とおくと、背室52の音圧は、−A´sin(ωt)+P0となる。但し、P0はカプラ内大気圧であり、前室と背室で同じである。したがって、差圧は、Asin(ωt)+P0−{−A´sin(ωt)+P0}=(A+A´)sin(ωt)となる。
ここで前室51の容積と背室52の容積が同じならば、
(A+A´)sin(ωt)=2Asin(ωt)
となって、振幅が従来の2倍となる。
AとA´との間の関係は、前室容積と背室容積に依存し、大気圧に依存しない。
したがって、前室の音圧を直接測定しなくても、ある大気圧の下で、前室51の音圧が予め設定された音圧になった時の差圧x[Pa]を求め、異なる大気圧においても、差圧をx[Pa]にすることにより、前室51の音圧を予め設定された音圧にすることができる。
次に、前室51の音圧が予め設定された音圧のとき前室51と背室52との差の音圧がx[Pa]であるとし、本実施形態における音響校正器60の全体構成について、図4を参照しながら、説明する。
図4に、本発明の一実施形態に係る音響校正器60のブロック図を示す。
スピーカ11は、カプラ21内に音響を出力する。
カプラ21は、被校正体であるマイクロホン31を挿入することができるように開口部211を備えている。
差圧センサ71は、一端711が挿入された前室の音圧と、他端712が挿入された背室の音圧との差を計測するセンサである。
アンプ131は、差圧センサ71の出力であるアナログ信号を増幅する回路である。
温度センサ15は、差圧センサ71の近傍の温度を計測するセンサであり、差圧センサの温度特性との相関関係は必要ない。
また、温度センサはアナログ出力又はデジタル出力のどちらを用いてもよい。デジタル出力の場合は、制御手段13へ直接データが取り込まれる。
A/Dコンバータ132は、アンプ131の出力であるアナログ信号と、温度センサ15の出力であるアナログ信号とを、各々、デジタル信号に変換する。
正弦波テーブル133には、正弦波を構成するデータが記憶されている。
制御手段13は、カプラ21の差圧がx[Pa]になるようにするための制御を行う。
温度補正手段16は、A/Dコンバータ132の出力である差圧データに対して、差圧センサ71の温度特性に基づく温度補正を行う。
温度補正には、差圧センサデジタルデータの補正を行う方法と、差圧センサデジタルデータはそのままで、センサ補正値を正弦波テーブルの振幅に係数としてかけて補正する方法とがある。本実施形態では、前者の場合を説明する。
演算手段14は、温度補正手段16により温度補正された差圧データに対する、FFT(Fast Fourier Transform)演算機能又はDFT(Discrete Fourier Transform)演算機能及び/又はRMS(Root Mean Square)演算機能を備えている。
D/Aコンバータ134は、制御手段13の出力である、スピーカ11を駆動するためのデジタル信号をアナログ信号に変換する。
アンプ135は、スピーカを駆動するためD/Aコンバータ134の出力であるアナログ信号を、実際にスピーカを駆動する電流に変換する回路である。
DC―DCコンバータ137は、バッテリ138の出力電圧を、電圧値の異なる直流電圧に変換する。バッテリ138及びDC―DCコンバータ137が、音響校正器60全体の電源であり、DC―DCコンバータ137の出力により音響校正器60が動作している。
スピーカ11は、電流駆動で制御され、例えば、正弦波の電気信号に応じて振動板(ダイアフラム)が振動し、音波を放射する。音波として正弦波がスピーカ11から出ていると仮定すると、カプラ21内の圧力の変化は大気圧を中心とした正弦波になる。
カプラ21へマイクロホン31を取り付けた状態でしばらく放置すると、例えば内径Φが1mm、長さ5.5mmで形成された、前室ベント53及び背室ベント54経由で空気が流通し、前室、背室ともに大気圧となる。その後、スピーカ11から正弦波の音を発生させる。
制御手段13は、正弦波テーブル133に基づく基本波正弦波によってスピーカ11を駆動してカプラ21内に音圧を発生させ、発生させた音圧が差圧センサ71によって計測され、計測されたデータをアンプ131とA/Dコンバータ132とを介してデジタル値に変換し、音圧データを得る。次に、制御手段13は、音圧データと規定値とに基づいて、一定の音圧となるように基本波正弦波に対する係数kを決定し、決定した係数kに基づいた基本波正弦波をD/Aコンバータ134とアンプ135とを介して出力し、スピーカ11を駆動する。なお、段落0033の後者の場合は、このkに温度補正係数を含ませてもよい。
正弦波テーブルには、周波数に対応して正弦波を構成するデータが記憶されている。
スピーカ11に出力される値Vは、V=正弦波値×k×β(すなわち、k×β×sin(ωt))となり、kの範囲は1≧k>0で、kのデフォルトは適宜選択されてよい。βは、k=1のとき、発生する音圧の歪が初期に設定した値を満足する最大音圧となる係数である。
演算手段14は、後述の温度補正手段16によって温度補正された音圧データに対し、FFT(Fast Fourier Transform)演算又はDFT(Discrete Fourier Transform)演算及び/又はRMS(Root Mean Square)演算を行う。演算手段14が、FFT演算、DFT演算、RMS演算の内の複数の演算を行う機能を備えていてもよいが、スピーカ11から発生する音圧を制御するために利用される演算結果は、その内の一つの演算結果のみとなる。
ここで、FFT演算又はDFT演算によれば、スピーカ11から発生している発生音圧信号の周波数のみ抽出し圧力(レベル)を計算するので、センサの自己ノイズ、オフセットの影響を少なくすることができ、発生している周波数の音圧精度を上げることが可能となる。また、歪まで検出できるので、歪の補正も可能となる。
RMS演算は、FFT演算に対して、次のメリットを有している。
RMS演算でもFFT演算でも、カプラ内音圧は、[発生音圧]+[ベント経由でカプラに入り込む周囲騒音の圧力]になる。例えば、発生音圧の周波数に近い周波数の周囲騒音が存在する場合には、FFT演算の場合、分解能をより高く(サンプル点数を増やす)し、発生音圧のみを抽出する必要があり平均化に時間がかかる。しかし、RMS演算の場合には時定数を演算に含むことが容易なため、周囲騒音を含んだ音の平均化がリアルタイムで求められるので、カプラ内の音圧をより正確に抽出できる。
温度センサ15は、差圧センサ71に沿って配置され、気体の温度を計測する。具体的には、温度センサ15は、差圧センサ71に沿って配置され、気体の温度を測定するように設置される。
温度補正手段16は、温度センサ15によって計測された温度に基づいて、差圧センサ71によって計測された音圧を補正する。例えば、差圧センサ71の温度特性が、0度から50度までは一定だが、0度以下の場合、又は50度以上の場合に変化するものとする。このような差圧センサ71の温度特性に基づいて、温度補正手段16は、温度センサ15によって計測された温度に基づいて、計測された音圧を補正する。
前室の音圧が予め設定された値になる時の差圧がx[Pa]である場合、制御手段13は、差圧が、x[Pa]を中心とした±α[Pa]の許容範囲内にある場合は、スピーカ11を駆動する電流値を変えない。そして、補正された差圧が、x+α[Pa]よりも大きい場合は、スピーカ11を駆動する電流値を一定値だけ下げる。また、補正された差圧が、x−α[Pa]よりも小さい場合は、スピーカ11を駆動する電流値を一定値だけ上げる制御をする。許容範囲のαの大きさは、適宜設定することができる設計的事項である。
次に、本実施形態における音響校正器の動作について図5及び図6を参照しながら説明する。
図5、図6は、本発明の一実施形態に係る音響校正器60の処理内容を示すフローチャートである。音響校正器60は、コンピュータ及びその周辺装置を備えるハードウェア並びに該ハードウェアを制御するソフトウェアによって構成され、音響校正器60のCPU又はDSPを所定のソフトウェアに従って実行させることで、前記CPU又はDSPを、特に制御手段13、演算手段14、及び温度補正手段16として機能させる。
ステップS101において、制御手段13は、発生音圧の周波数を設定する。より具体的には、例えば、制御手段13は、発生音圧の周波数を1kHzの初期値に設定する。さらに、制御手段13は、係数kの初期値(例えば、0.5)を設定する。
その後、制御手段13は、処理をステップS102に移す。ステップS102において、制御手段13は、サンプルクロックを設定する。
ステップS103において、制御手段13は、周波数の設定を変更するか否かを判断する。より具体的には、制御手段13は、周波数の設定を変更するための指示がされている(例えば、周波数の変更を示すスイッチが押下されている)か否かを判断する。この判断がYESの場合、制御手段13は、処理をステップS104に移し、この判断がNOの場合、制御手段13は、処理をステップS106に移す。
ステップS104において、制御手段13は、周波数の設定をする。より具体的には、制御手段13は、周波数の設定を変更するための指示がされたときの周波数を入力し、記憶部に記憶する。その後、制御手段13は、処理をステップS105に移す。
ステップS105において、制御手段13は、サンプルクロックを設定する。より具体的には、制御手段13は、発生させる基本波正弦波の周波数に対応するサンプルクロックを設定する。その後、制御手段13は、処理をステップS106に移す。
ステップS106において、制御手段13は、基本波正弦波を読み出す。より具体的には、制御手段13は、正弦波テーブル133に基づいて、設定された周波数に対応する基本波正弦波のデジタル値を正弦波テーブル133から読み出す。その後、制御手段13は、処理をステップS107に移す。
ステップS107において、制御手段13は、基本波正弦波に各係数を乗算する。より具体的には、制御手段13は、読み出した基本波正弦波のデジタル値に係数k(1≧k>0)及び係数βを乗算する。その後、制御手段13は、処理をステップS108に移す。
ステップS108において、D/Aコンバータ134は、基本正弦波に係数k及び係数βを乗算したデジタル値をアナログ値に変換し、アンプ135を介してスピーカ11に出力し、スピーカ11を駆動する。その後、処理はステップS109に移る。
ステップS109において、差圧センサ71は、カプラ21の前室の音圧と背室の音圧との差を計測する。その後、処理はステップS110に移る。
ステップS110において、温度センサ15は、気体温度を計測する。その後、処理はステップS111に移る。
ステップS111において、A/Dコンバータ132は、アンプ131を介した差圧及び気体温度のアナログ値をデジタル値に変換する。その後、処理はステップS112に移る。
ステップS112おいて、温度補正手段16は、温度センサ15により計測された温度及び差圧センサ71の温度特性に基づいて、差圧センサ71により計測されたカプラ21内の差圧に対する温度補正をする。また、ステップS112において、演算手段14は、温度補正手段16により温度補正された差圧に対して、FFT演算又はDFT演算及び/又はRMS演算を行い、音圧演算値を算出する。その後、処理はステップS201に移る。
ステップS201において、制御手段13は、音圧演算値が所定の最大値と最小値との範囲内か否かを判断する。より具体的には、制御手段13は、音圧演算値が所定の最大値(x+α[Pa])と所定の最小値(x−α[Pa])との範囲内か否かを判断する。判断がYESの場合、制御手段13は、処理をステップS202に移し、この判断がNOの場合、制御手段13は、処理をステップS203に移す。
ステップS202において、制御手段13は、基本波正弦波に対する係数kを維持し、処理をステップS103に移す。
ステップS203において、制御手段13は、音圧演算値が所定の最大値より大きいか否かを判断する。より具体的には、制御手段13は、音圧演算値が所定の最大値(例えば、x+α[Pa])より大きいか否かを判断する。この判断がYESの場合、制御手段13は、処理をステップS204に移し、この判断がNOの場合、制御手段13は、処理をステップS205に移す。
ステップS204において、制御手段13は、基本波正弦波に対する係数kを小さくする。より具体的には、制御手段13は、係数kから所定値(例えば、0.01)を減算し、係数kを小さくする。その後、制御手段13は、処理をステップS103に移す。
ステップS205において、制御手段13は、基本波正弦波に対する係数kを大きくする。より具体的には、制御手段13は、係数kに所定値(例えば、0.01)を加算し、係数kを大きくする。その後、制御手段13は、処理をステップS206に移す。
ステップS206において、制御手段13は、係数kが規定値を超えたか否かを判断する。この判断がYESの場合、制御手段13は、処理をステップS207に移し、この判断がNOの場合、制御手段13は、処理をステップS103に移す。
ステップS207において、制御手段13は、マイクロホン31が差し込まれていないと判断して音響校正器60の電源をOFF、又は音圧レベルを下げる、又は警報音で通知する。その後、制御手段13は、処理を終了する。
以上説明したことから、次の効果を奏する。
本実施形態によれば、音響校正器60は、スピーカ11によりカプラ21内に音響を出力し、音響が出力されたカプラ21内の前室の音圧と背室の音圧との差を差圧センサ71によって計測し、計測された音圧が一定の音圧になるようにスピーカ11を制御する。
したがって、従来の前室の音圧を検出する方式で使用したセンサと同じ感度のセンサを使用すれば、前室の音圧のみを検出するより、より大きな出力が得られることで、センサの自己雑音の影響を低減することができる。よって、従来のように前室の音圧を検出する場合よりも精度を上げて前室の音圧を制御することが可能となる。
また、従来の前室の音圧を検出する方式と同じ程度のセンサ出力を得ようとするならば、従来よりも感度が低いセンサを使用することができる。
さらに、音響校正器60は、発生音圧の周波数をFFT演算又はDFT演算することによりセンサのオフセットや、ノイズの影響を受けずに精度を上げることが可能になる。
また、音響校正器60は、カプラ内の音圧レベルを算出するRMS演算をすることにより、時定数を演算に含むことが容易なため、周囲騒音を含んだ音の平均化をリアルタイムで求めることができ、カプラ内の音圧をより正確に抽出できる。
また、音響校正器60は、カプラ21にマイクロホン31が挿入されているか否かを判断して、音響校正器60自身の電源を切ることができ、校正が終了し校正器からマイクロホン31を抜いた時に電源を切らなくても自動的に電源をOFFする制御も可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
<変形例1>
第1実施形態においては、発生音圧の信号波形として正弦波を用いているが、発生音圧の信号波形は、正弦波に限らない。正弦波以外の変動する信号波形を発生音圧の信号波形として使用しても、差圧計測手段の出力が、従来の前室の音圧を検出する場合のセンサ出力以上となることは同じである。
<変形例2>
また、補正された差圧に対する許容範囲αの値は、適宜設定できる設計的事項である。
10 音響校正器
11 スピーカ
12 ゲージ圧センサ
13 制御手段
14 演算手段
15 温度センサ
16 温度補正手段
21 カプラ
31 マイクロホン
51 前室
52 背室
53 前室ベント
54 背室ベント
60 音響校正器
71 差圧センサ
711 差圧センサの一端
712 差圧センサの他端

Claims (4)

  1. マイクロホンを挿入するためのカプラを有する音響校正器であって、
    前記カプラ内に音響を出力する音響出力手段と、
    カプラの前室と背室の圧力の差を計測する差圧計測手段と、
    前記差圧計測手段によって計測された差圧が、前室の音圧が予め設定された音圧であった時の差圧になるように、前記音響出力手段を制御する制御手段と、
    を備える音響校正器。
  2. 前記差圧計測手段によって計測された音圧から、発生音圧信号の周波数の音圧レベルを抽出するための演算機能、及び/又は、カプラ内の音圧レベルを算出するRMS演算機能を備えた演算手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記演算手段によって演算された値を用いて、前記音響出力手段を制御する、請求項1に記載の音響校正器。
  3. 前記発生音圧信号の周波数の音圧レベルを抽出するための演算機能が、FFT演算機能又はDFT演算機能である、請求項2に記載の音響校正器。
  4. 前記差圧計測手段に沿って配置され、気体の温度を計測する温度計測手段と、
    前記温度計測手段によって計測された温度に基づいて、前記差圧計測手段によって計測された音圧を補正する温度補正手段と、
    をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の音響校正器。
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JP7431686B2 (ja) 2020-07-20 2024-02-15 リオン株式会社 音響カプラ装置

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